1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | 安 | 失 | 本 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
巨人 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 8 | 3 | 0 |
阪神 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | 2 | X | 4 | 7 | 0 | 2 |
勝利投手:青柳 晃洋(1勝0敗0S) (セーブ:岩崎 優(0勝0敗1S)) 敗戦投手:菅野 智之(2勝2敗0S) 本塁打 |
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◆阪神が連敗を6で止めた。阪神は1点を追う5回裏、佐藤輝が2ランを放ち、逆転に成功する。そのまま迎えた8回には、ロハス・ジュニアの2ランが飛び出し、貴重な追加点を挙げた。投げては、先発・青柳が8回1失点の快投で今季1勝目。敗れた巨人は、打線が3併殺打と拙攻が響いた。
◆6連敗中の阪神だが、9日広島戦から得点が1→0→1→0→1と5試合続けて1得点以下。今日も1得点以下だと、41、66、95、12年の6試合連続1得点以下の球団ワースト記録に並んでしまう。記録的貧打から脱出して勝利できるか。
◆巨人菅野智之投手(32)が阪神戦先発。このカードは通算20勝10敗だが、東京ドームで9勝8敗に対し甲子園球場で11勝2敗。甲子園の黒星は14年5月11日と18年5月25日だけで、同球場の通算防御率は1・68と好成績を残す。
◆開幕から苦しい戦いが続く阪神は、15日から首位巨人を甲子園で迎え撃つ。この3連戦、虎ファンにとってちょっとメモリアルな巡り合わせとなっている。3戦目の17日は、あの伝説の試合と同じ日付、同じ舞台で同じ相手と戦うからだ。?85年4月17日、甲子園の巨人戦、といえば、鮮明に覚えているファンも多いはず。球史に残るバース、掛布雅之、岡田彰布の「バックスクリーン3連発」が生まれた日だ。1-3でリードされていた阪神は、7回裏に巨人槙原からバースの3ラン、掛布、岡田のソロを甲子園の夜空に打ち上げ、一挙5点を奪い逆転。中西清起がプロ初セーブを挙げて6-5で勝利した。球団唯一の日本一に駆け上がるきっかけになった試合として、ファンの脳裏に深く刻まれている。その後、4月17日に巨人戦が行われたのは実は13、15年の2度しかない(いずれも敗戦)。13年は東京ドームで、甲子園では15年以来7年ぶりだ。85年は平日(水曜日)のナイター、今回は日曜日のデーゲームという違いはあるが、伝説の試合と同じ巡り合わせだけに話題を集めそうだ。連敗記録や低い勝率などマイナスの話題や記録ばかり目立つ阪神。巨人戦の初戦で負けると勝率がついに5分台(5分9厘)になり、1得点以下だと6試合連続1得点以下の球団ワースト記録に並んでしまう。メモリアルデーを前に、85年のような猛打で初戦の菅野を打ち崩し、負の記録も連敗も、スカッと止められるか?
◆巨人岡本和真内野手(25)が3試合連続でスタメンを外れた。12日からのDeNA2連戦(那覇)は体調不良で欠場し、ベンチメンバーからも外れていた。この日はベンチ入りした。
◆最下位に沈む阪神が、甲子園では今季初の「伝統の一戦」でも泥沼から抜け出せない。1点先制された直後の1回。2死満塁の好機を築いたが、糸原が巨人先発菅野の速球を打ち損じて二飛に倒れた。序盤の3回まで無得点で、55イニング連続適時打なしの苦境に陥っている。新型コロナウイルス感染で開幕投手を回避し、今季初登板初先発の青柳が立ち上がり、12球で先制点を献上。わずか1点リードされただけでも打線に重くのしかかった。試合前時点で5試合連続1得点以下。6試合に延びると、球団ワースト記録に並んでしまう。阪神は8日広島戦(甲子園)の6回にロハスが適時打を放ったのを最後に試合前まで52イニング適時打が出ていなかった。チーム打率、チーム得点ともにリーグ最下位。突破口を開けないまま、中盤に入った。
◆阪神タイガースWomenの主将を務める三浦伊織外野手(30)と前田葵内野手(18)が、始球式に登場した。試合はサンテレビ協賛の「おっ! サンナイター」として開催。同チームが29日に初めて甲子園で行う練習試合を同局が中継することからPRを兼ねて登場した。左腕の三浦が投手、前田が捕手を務め、サンテレビの沼田伸彦社長(66)が打席に入った。ボールは外角高めに外れたが、三浦は「当たんなくてよかったです。当てちゃったら4月29日の練習試合がなくなるかもしれかったのでそこだけ一安心です」と笑顔。沼田社長は月末の中継に向けて「全国的にいろんな形で女子野球の機運が盛り上がってきている。なんとか我々としてサポートできたら」と話した。
◆阪神佐藤輝明内野手(23)が値千金の逆転2ランを放った。 1点を追う5回2死二塁。巨人先発菅野のスライダーをすくい上げ、ライナーで右翼席へ。12日中日戦(バンテリンドーム)以来の4号アーチで、試合をひっくり返した。「青柳さんが頑張ってくれていましたし(中野)拓夢さんが得点圏まで進んでくれたので、絶対にランナーをかえすという気持ちで打席に立ちました。少し詰まり気味でしたが、うまく風に乗ってくれて何とか入って良かった」。チームは4回まで56イニング連続適時打なしで、重苦しいムードが漂っていたが、ひと振りで流れを変えた。阪神が1イニングで複数得点を挙げたのは5日DeNA戦(甲子園)の1回に3点を挙げて以来、実に82イニングぶりとなった。
◆阪神が連敗街道から脱出した。6連敗中だった負の流れを断ったのは、2試合連続で2番に入った佐藤輝明内野手(23)だ。1点を追う5回2死二塁。巨人先発菅野のスライダーをすくうと、ライナーで右翼席に運んだ。4号逆転2ランで勝負の流れを変えた。5日DeNA戦(甲子園)の1回に3点を挙げて以来、実に82イニングぶりの1イニング複数得点を刻んだ。8回にはロハスが2号2ランを放ちリードを広げた。開幕からの巨人戦連敗も3で食い止めた。新型コロナウイルス感染のため、開幕投手を回避していた今季初登板初先発の青柳晃洋投手(28)が踏ん張った。1回に先制点を献上したが、その後はコーナーを突く丁寧な投球が光った。1点リードに転じた6回は1死一、二塁のピンチで坂本をカーブで体勢を崩して中飛。丸をカットボールで遊ゴロに詰まらせた。力投で今季初勝利を挙げた。負けていれば勝率はついに5分台(5分9厘)に突入、首位巨人と11・5ゲーム差に広がっていた。阪神は球団史上、2桁ゲーム差を逆転して優勝したことがない。危機的な状況に追いつめられていたが、ようやく今季2勝目。今季初の甲子園での「伝統の一戦」で踏みとどまった。
◆阪神が連敗街道から脱出した。6連敗中だった負の流れを断ったのは、2試合連続で2番に入った佐藤輝明内野手(23)だ。1点を追う5回2死二塁。巨人先発菅野のスライダーをすくうと、ライナーで右翼席に運んだ。4号逆転2ランで勝負の流れを変えた。5日DeNA戦(甲子園)の1回に3点を挙げて以来、実に82イニングぶりの1イニング複数得点を刻んだ。8回にはロハスが2号2ランを放ちリードを広げた。開幕からの巨人戦連敗も3で食い止めた。新型コロナウイルス感染のため、開幕投手を回避していた今季初登板初先発の青柳晃洋投手(28)が踏ん張った。1回に先制点を献上したが、その後はコーナーを突く丁寧な投球が光った。1点リードに転じた6回は1死一、二塁のピンチで坂本をカーブで体勢を崩して中飛。丸をカットボールで遊ゴロに詰まらせた。力投で今季初勝利を挙げた。負けていれば勝率はついに5分台(5分9厘)に突入、首位巨人と11・5ゲーム差に広がっていた。阪神は球団史上、2桁ゲーム差を逆転して優勝したことがない。危機的な状況に追いつめられていたが、ようやく今季2勝目。今季初の甲子園での「伝統の一戦」で踏みとどまった。
◆巨人坂本勇人内野手(33)の痛恨の失策が、手痛い失点に直結した。8回先頭、阪神大山の遊ゴロをファンブル。この日2失策目で出塁を許すと、続くロハスの2号2ランを招き、終盤にしてリードを3点に広げられた。坂本の公式戦での1試合2失策は、16年6月3日の日本ハム戦(東京ドーム)以来で、1試合の複数失策は12回目となった。
◆阪神が連敗街道から脱出した。6連敗中だった負の流れを断ったのは、2試合連続で2番に入った佐藤輝明内野手(23)だ。1点を追う5回2死二塁。巨人先発菅野のスライダーをすくうと、ライナーで右翼席に運んだ。4号逆転2ランで勝負の流れを変えた。8回にはロハスが2号2ランを放ちリードを広げた。 新型コロナウイルス感染のため、開幕投手を回避していた今季初登板初先発の青柳晃洋投手(28)が力投で今季初勝利を挙げた。負けていれば勝率はついに5分台(5分9厘)に突入、首位巨人と11・5ゲーム差に広がっていた。阪神は球団史上、2桁ゲーム差を逆転して優勝したことがない。危機的な状況に追いつめられていたが、ようやく今季2勝目。今季初の甲子園での「伝統の一戦」で踏みとどまった。?◆過去の主な2桁ゲーム差逆転メモ▼土壇場で大逆転 63年西鉄は7月に南海に最大14・5ゲーム差をつけられたが、怒濤(どとう)の追い上げで10月8日に首位に。15、16日の直接対決は1勝1敗で、南海は17日に勝って首位で全日程を終了。それでも西鉄は19、20日の近鉄とのダブルヘッダーで4連勝し、プロ野球最大差の逆転Vを達成した。▼「メークドラマ」 巨人は96年に最大11・5差を逆転し優勝。長嶋監督はどんな状況でも「まだ分からない。メークドラマを演じてみせます」と話し、名せりふとして流行語大賞に選出された。▼「メークミラクル」 08年巨人は、7月9日に首位阪神に13差の3位だったが、9月に12連勝するなどでセ・リーグ最大ゲーム差の逆転Vを果たした。▼15連勝 16年の日本ハムは6月半ばに首位ソフトバンクに11・5差をつけられたが、そこから球団記録となる15連勝するなどで猛烈に巻き返し、逆転優勝した。
◆巨人が「スミ1」で阪神に逆転負けした。初回2死三塁で4番坂本が先制適時打を放ったが、2回以降は無得点。1番吉川が3安打1死球と全4打席で出塁したが5番以降は9回の丸の1安打だけで、3併殺とつながりを欠いた。原辰徳監督は「僕の采配が悪かったな」と敗戦を背負い込んだ。守備でもリズムを乱した。名手坂本が公式戦では6年ぶりの1試合2失策。先発菅野は5回2死から安打を浴びて二盗を許し、佐藤輝に逆転2ランを食らった。原監督は「やっぱり結果が悪い時というのは、いろいろなものが出ますね。そこをまた修正して、明日からというところですね」と攻守で課題を見いだした。3試合連続欠場となった岡本和だが、9回2死一塁ではネクストバッターズボックスでスタンバイするなど先発復帰が見えてきた。今は一喜一憂せず、一歩ずつ足元を固めていく。
◆巨人のエース菅野智之投手(32)が踏ん張りきれなかった。 右足部外側に打球を受け負傷降板した8日ヤクルト戦から中6日。4回まで無失点も、5回2死二塁、阪神佐藤輝に逆転2ランを浴びた。6回1/3を6安打2失点で2敗目を喫し「2死から出した走者をかえされてしまいました。次は長いイニングを投げ切れるように」と修正を誓った。桑田投手チーフコーチは「先発は6回3失点を目標と言っている。そういう意味ではナイスピッチングだった」と話した。
◆巨人の連勝が2で止まり、首位の座を広島に明け渡した。初回に3試合連続で4番に座った坂本勇人内野手の右前適時打で先制したが、2回以降はゼロ行進。1番吉川が3安打1死球と全4打席で出塁したが、打線は2番若林の2併殺を含め3併殺、5番以降は1安打とかみあわなかった。先発した菅野智之投手は7回途中2失点で今季2敗目。岡本和真内野手はベンチ入りはしたものの、3試合連続で欠場した。 試合後、原辰徳監督の主な一問一答は以下の通り。?-幸先良く先制したが。「そうですね。スミイチじゃいけませんね」-併殺が3つ「まあ...うーん、そうね...、僕の采配が悪かったな」-1番吉川が4度出塁「だからまあ、その辺のところもそうだし、5番以降のバッティングというのも、やっぱり原因はいろいろあるよ、それはね」-失策も多かった「それもあるし、(逆転された5回は)2アウトを取って、ヒット、スティール、ホームランじゃね。これもやっぱり反省するところはあるしね。やっぱり結果が悪い時というのはいろいろなものが出ますね。そこをまた修正して、明日からというところですね」-菅野は粘った「そうですね。粘ったようには見えるけど、やっぱりあそこの場面ね。2アウトをぽんぽんと取って、あそこの部分というのがやっぱり勝利投手になるのかというところでしょうな」-最後は岡本が次打者席で待機。試合に出られる状態か「そうですね、そうですね」-近いうちにスタメンも「ええ、ですね」
◆阪神岩崎優投手(30)が盤石の投球で今季初セーブを挙げた。8回1失点の青柳からバトンを継いで、3点リードの9回のマウンドへ。先頭の代打広岡をチェンジアップで空振り三振。坂本は速球で左飛に詰まらせた。無失点に抑え、チームの2勝目を引き寄せた。 18試合目でのチームのシーズン初セーブは77年21試合目に次ぐ遅い記録。連敗中もどっしり待った。「しっかり準備して、出番が来たら仕事をまっとうするだけ。特にもどかしさはなかった」。開幕から守護神と見込んだ新外国人ケラーの不振により、一時は湯浅のプランもあったが、最終的には経験豊富な左腕が重責を託された。頼もしい投球で3年連続セーブとした。シュールな笑いで盛り上げる。今年も青柳の登場曲を岩崎が選んだ。打席に向かう際、ミュージシャン50TA(フィフティーエー)として活動するお笑いタレント狩野英孝の「紅葉に抱かれて」が流れた。理由が秀逸だ。「ヤギ(青柳)の下の名前(晃洋)もしっかり覚えてもらおうというのとTAは『タイガース青柳』という意味で語呂の良さも加味して選びました」。青柳の背番号50も入り、敏腕ぶりを披露した。矢野監督も「1点差でもスグルだった。スグルらしい球を投げてしっかり締めてくれた」と力投をたたえた。【酒井俊作】
◆泥沼の最下位に沈む阪神が、佐藤輝とロハスの1発攻勢で連敗を6で止めた。矢野燿大監督(53)の試合後の一問一答は以下の通り。 -伝統の一戦、初戦を制した「ありがとうございます」-今晩一番わいたのが5回の佐藤輝の2ラン「もちろん、みんなが期待しているように僕もホームランと思っていましたし、2アウトからだったのでね。より大きなホームランになりましたし。いい場面でね、はい、うれしいです」-4回までと球場の雰囲気が変わった「やっぱりテルが打つと、そういうムードが変わる力を持った選手なんで。それもね、やっぱりヤギ(青柳)が頑張ってるということの方がもしかしたら大きかったのかなと思いますけどね」-青柳は今季初先発で8回1失点「いや、もう初回ね、1点取られましたけど、スタートから、落ち着いてずっとヤギらしく投げてくれた。どこまで行こうかなというところで8回まで行ってくれたのも大きい。ベンチに帰ってきても、ずっと声を出してくれるので。本当にチームにとって、ヤギにとっても、スタート遅れましたけど、いいスタートを切ってくれたと思います」-エースが好投して佐藤輝も打つと、今日のようにファンも喜ぶ素晴らしいゲームに「もちろんね、毎日喜ばせたいと思って、このような結果になっているのは申し訳なく思っていますけど。でも、全員で全力で戦ってくれているというところには、僕もね、何とかしていきたいなという気持ちを毎日、出しながらやりたいと思います」-ロハスの1発が大きかった「もちろん、1点差というのは流れ的に嫌だというのがちょっとあったので、あの点で全員がいけるということになったと思います」-ファンのみなさんにメッセージを「時間、大丈夫ですか。今日、僕の友達の文字職人の杉浦誠司さんに来ていただいて、365枚ある札の中から漢字を1文字引き当てるんですけど、僕がチームをイメージしながら引いたのが『波』という字でした。それで出してくれたメッセージなんですけど、潮も引いて、波が起きる。浮き沈みはあるけど、みんなで大きい波をつくっていこう、それは楽しむことが一番大事じゃないかというメッセージをもらって今日戦っていました。誠司さん、ありがとうございます。そしてタイガースファンの皆さんも、こんな状況でも応援してもらえているのは本当に感謝していますし、これからも一緒に戦っていこうと思います。いつも応援ありがとうございます」
◆阪神が巨人に逆転勝ちし、引き分けを挟んだ連敗を6で止めた。佐藤輝明内野手(23)が1点を追いかける5回2死二塁の場面で、巨人菅野から右越え2ランを放ち逆転。佐藤輝にとって、菅野からのプロ初安打が千金弾になった。さらに、メル・ロハス・ジュニア外野手(31)も8回無死一塁からバックスクリーン右に2ランをかけ、巨人を突き放した。投げては、今季初先発の青柳晃洋投手(28)が8回7安打1失点の好投。ヒーローインタビューでお立ち台に立った佐藤輝、ロハス、青柳の一問一答は以下の通り。 -今季第4号佐藤輝 めちゃくちゃうれしいで~す! -1点ビハインドから逆転の2ラン佐藤輝 点が欲しかったところだったので、必死に食らいついた結果、風もあって入って良かったです。-打席の内容佐藤輝 変化球を頭に入れつつ、最後打てる球が来たので、打ててよかったです。-感触と、ダイヤモンドを1周して佐藤輝 めちゃくちゃうれしかったで~す! -昨日から打順が2番に佐藤輝 しっかり自分のスイングを変えずに今日も臨みました。-明日も打ってくれるか佐藤輝 このまま波に乗って、明日もあさっても勝ちたいと思います。-打席に立った時の気持ちはロハス 早いカウントから積極的に振ろうとしていました。なんとか長打が打てればな、と思っていたので、なんとか風のおかげでホームランになりました。歓声ありがとうございます。-ヒーローインタビューは初めてロハス なんとかやっとここに立つことができました。去年は全力で立とうとしましたけど、なかなか立てなかったのでこうやって立つ機会をもらえてうれしいです。-初登板で初勝利青柳 すいません。遅くなりました! -3万4000人以上の観客の前で青柳 やっぱ、最高ですね。-合流が遅れて歯がゆい思いもあった青柳 自分的にもちょっと悔しい感じはありましたけど、いち早く戻ってチームに貢献してチームの流れを変える投球をしたいと思ってやってきました。-併殺打も3度あった青柳 守備に助けられてばっかでしたけど、長いイニングを投げられて、勝ちに導けたのが1番かなと思います。-鳴尾浜での調整が長かった。ここまでの思いは青柳 鳴尾浜で過ごす期間が長かったので、他の投手も頑張ってますし、手本になるように頑張ろうと思って。今日は鳴尾浜の選手にも見といてくれと言っていたので、良いピッチングができたかなと思います。-勝利の瞬間、ベンチで声もかけられた青柳 みんなナイスピッチって感じでしたけど、ファンの方々の歓声がうれしかったです。-反撃に向けての決意青柳 みんな、上を目指して頑張っているので、温かい応援をよろしくお願いします!
◆阪神メル・ロハス・ジュニア外野手は「世界の王」の金言を胸にダメ押し2号2ランを決めた。1点リードの8回無死一塁、畠の初球145キロ直球をバックスクリーン右へ。「代打の時、早いカウントのストライクを1球で仕留めることを集中してやっていった結果だね」。来日2年目で初の甲子園お立ち台に胸を張った。 前日14日、バンテリンドームで打撃練習中に藤井康巡回打撃コーチからアドバイスを受けた。「ポールに向かって思い切り振っていく。そう意識すれば手を先に出せる。お尻を回転させて、前で打つことができる」。藤井コーチがソフトバンクの打撃コーチ時代、王貞治球団会長兼特別チームアドバイザーから学んだ考え方を伝授され、この日は値千金の1発。「本当に感謝しています」と満面の笑みで喜んだ。
◆待ってたで~! 阪神がようやく今季2勝目を挙げ、6連敗で止めた。決めたのは佐藤輝明内野手(23)。5回に巨人のエース菅野から4号逆転2ランを虎党の待つ右翼席へかけた。甲子園では今季初の「伝統の一戦」で、気持ちのいい白星スタートとなった。チームがまだ本調子でないのは承知の上。でも、意地の反攻が見たいんや~! 勝利をたぐり寄せた男は佐藤輝だ。5回。直前に2死から安打で出た同期の中野が二盗を決めていた。カウント2-2から菅野の直球を粘って2度ファウルした後、膝元の138キロスライダーをすくい、ライナーで右翼席へ運んだ。今季2度目となったヒーローインタビューで最高の瞬間をかみしめた。「めちゃめちゃうれしいです! 点が欲しかったところで、必死に食らい付いていった結果。風もあって入って良かったです」今季初の逆転勝ちに導いた4号2ランは、入団会見で名前を挙げた相手エースからのプロ初安打。10打席目でやっと出た。試合前まで甲子園通算11勝2敗、防御率1・68を誇った難敵を砕き、試合の流れを変えた。「菅野さんから打ったことなかったので、打ったことないですよね? 初ヒットっすよね? うれしいです!」この一打がチーム57イニングぶりの適時打で、82イニングぶりに複数得点を刻んだ。矢野監督は「2死からだったのでね。より大きな本塁打になりましたし。いい場面でね、うれしいです。やっぱりテルが打つと、そういうムードっていうのは変わる力を持った選手なんで」とうなずいた。1勝15敗1分けで迎えた今季初の甲子園での「伝統の一戦」。泥沼ムードを変えようと、試合前には矢野監督が普段は選手が行う声出しを務めた。「波」というワードで訴えかけ、送り出した。「監督が声出しをして試合前の雰囲気もちょっと変わったし、それがいい結果につながった」。チーム一丸での戦いをそう振り返った。1分けを挟む連敗は6で止まった。聖地で光が差し込んだ。「勝っていかないと、雰囲気も上がっていかないと思う。しっかり打ってというのは、野手は一番。投手にはしっかり投げてもらった分、打つというのが重要、全てかなと思います。しっかりこの勢いのままいきたい」背番号8のヒーローがこの良い波にチームを乗せていく。【三宅ひとみ】
◆勝利の瞬間をベンチで見届けた阪神青柳晃洋投手(28)は、両手でガッツポーズを決めた。今季初登板で8回7安打1失点。戻ってきた大黒柱が、連敗を6(1分け挟む)で止め、チームに待望の2勝目をもたらした。「すいません! 遅くなりました~! やっぱり最高ですね」。お立ち台で叫び、ファンと喜びを分かち合った。 「重要な試合だと思っていた。遅れてしまって申し訳ない気持ちがあった。気持ちで投げて、流れを変える投球をしたい。ずっと『粘ったら勝てる』と思って投げてました」時折霧雨が降り注ぐ甲子園で、魂を込めて95球を投げた。初回に1点を失うも、2回以降は踏ん張った。味方が逆転した直後の6回、1死一、二塁。先制打を含む2安打を許していた坂本を打席に迎えた。「何かを変えなければいけないというところで、梅野さんと話し合いながら、3巡目で使おうと」直前の円陣で作戦を練り直し、1ボールからの2球目、73球目で初めてカーブを選択。外角低めに決め、中飛に斬った。「梅野さんの考えだったり、会話があってこその配球だった」。要所を切り抜け、流れを渡さなかった。開幕投手に指名されながら、開幕直前の新型コロナ感染でまさかの離脱。どん底に沈むチームの力になれない悔しさ、もどかしさを抱えながらも、できることに徹した。「他の投手も頑張っていましたし、手本になろうと思った」。昨季最多勝と最高勝率のタイトルを手にした右腕に、後輩からは質問攻めの応酬。トレーニングの方法や試合へ臨む準備など、技術、知識を惜しみなく伝えた。「今日は鳴尾浜の選手にも見といてくれと言っていたので、良いピッチングができたかな」と堂々と胸を張った。最高の形で帰還を遂げた右腕に矢野監督は「素晴らしい。ずっとヤギらしく落ち着いて投げてくれた。ベンチに帰ってきてもずっと声を出してくれる。中身も、チームを引っ張っていこうという気持ちがあった最高の投球」とねぎらった。頼もしいエースが帰ってきた。【古財稜明】
◆阪神矢野燿大監督(53)に笑顔が戻った。開幕から歴史的な黒星を積み重ねたが、甲子園のファンに後押しされて巨人相手に今季初の逆転勝ちを収めた。「もちろん、(ファンを)毎日喜ばせたいと思ってね、このような結果になっているのは申し訳なく思っていますけど。でも、全員で全力で戦ってくれているところには、僕もね、何とかしていきたいという気持ちを毎日出しながらやりたい」。甲子園で味わう格別の勝利をかみしめた。 試合前には異例の行動に出た。普段は選手やスタッフが行う声出し役を務めた。その場で選手に紹介したのは、親交のある文字職人の杉浦誠司氏(45)が書いた色紙の言葉だ。「選手皆が乗り楽しみだしたら流れに乗れる。これから起こるビッグウェーブ」。365枚の札から漢字1文字を指揮官が引いた結果、「波」だったという。「波」をキーワードに浮かび上がったメッセージを受け取った。「潮も引いて、波が起きる。浮き沈みはあるけど、みんなで大きい波をつくっていこう、それは楽しむことが一番大事じゃないかというメッセージ」。まだ決して遅くない。ビッグウェーブを起こすのはこれからだ。【桝井聡】
◆阪神の新外国人、アーロン・ウィルカーソン投手(32)=ドジャース3A=が1軍に合流した。6日の社会人野球チームのジェイプロジェクトとの練習試合(鳴尾浜)で5回無失点と順調な仕上がりを見せており、1軍デビューを決めた。調整登板した12日のウエスタン・中日戦(鳴尾浜)では1回無安打無失点に抑え、そこから中3日で16日の巨人との第2戦(甲子園)での来日初先発に向かう見込み。12日の登板後には「しっかり準備ができたので、本当に楽しみ。すごくワクワクしている」と話しており、新戦力が最下位に低迷する虎の流れを変える。
◆阪神・渡辺雄大投手(30)が15日、1軍に再昇格した。今季はここまで5試合に登板し、防御率0・00。5日に背中の張りで登録を抹消されていたが「痛めたところももう違和感もない。問題ないと思います」と順調に回復。左腕は「しっかり与えられた仕事をやっていく。チーム状況のいい悪いにかかわらず、しっかり自分の投球、仕事を全うできればいいかなと思います」と力を込めた。阪神は14日の試合後、矢野監督がD3位・桐敷(新潟医療福祉大)の抹消を明言。代わって1軍に戻ってきたブルペン陣を支えていく。
◆両軍のスターティングメンバーが発表された。阪神先発の青柳晃洋投手(28)は今季の開幕投手に指名されたものの、新型コロナウイルス陽性判定で無念の登板回避をへて、今季初先発となる。チームは引き分けを挟んで6連敗中で、プロ野球史上ワーストの17戦15敗とどん底状態だ。昨季、最多勝(13勝)と最優秀勝率の2冠を獲得した変則右腕が救世主になれるか。佐藤輝は2試合連続で2番起用となった。
◆阪神タイガースWomenで主将を務める三浦伊織外野手(30)が、試合前のファーストピッチセレモニーに登場。チーム発足後初めて甲子園で開催される4月29日の練習試合のPRも兼ねてマウンドに上がった。注目の投球は外角高めに大きく外れ「(打席に立ったサンテレビの沼田社長に)当たらなくてよかった。当てちゃったら29日の練習試合がなくなるかもしれかったので、そこだけ一安心です」と冗談交じりに笑った。29日の練習試合を初めてテレビ中継するサンテレビの沼田伸彦社長(66)は「全国的にいろんな形で女子野球の機運が盛り上がってきているので、なんとか我々としてサポートできたら」と女子野球振興の協力を誓った。また、捕手として投球を受けた新入団の前田葵内野手(18)=岐阜第一高=は29日の練習試合へ「高校の時に(甲子園で行われた昨年の全国大会の決勝戦に)出場することができなかったけど、今年からユニホームを着て(甲子園での試合に)出場できるので楽しみ」と笑顔で語れば、三浦も「甲子園を使わせてもらうことに感謝して一生懸命プレーしたい」と意気込んだ。
◆阪神・佐藤輝明内野手(23)が巨人・菅野から逆転2ランを放った。五回に2死から中野が右前打で出塁し、二盗に成功。2試合連続で「2番」に座った佐藤輝はファウルで粘って迎えた7球目、内角低めのスライダーを拾うようにバットに当てると、打球は大きな弧を描き、虎党が待つ右翼席に消えた。「青柳さんが頑張ってくれていましたし、(中野)拓夢さんが得点圏まで進んでくれたので、絶対にランナーを返すという気持ちで打席に立ちました。少し詰まり気味でしたが、うまく風に乗ってくれて何とか入って良かったです」とコメント。今季4号、そして試合をひっくり返す逆転2ランに甲子園は大音量のメガホンをたたく音が響きわたり、ファンのボルテージが最高潮に高まった。菅野と前回対戦した1日(東京ドーム)に佐藤輝は3打数無安打2三振に倒れていたが、本拠地でやり返した。
◆巨人のマット・シューメーカー投手(35)が16日の阪神戦に先発する。来日初登板だった9日のヤクルト戦(東京ドーム)では勝ち星は付かなかったものの、七回途中2失点と好投し、再び先発機会を勝ち取った。試合前に「ここ(甲子園)は歴史があり、ファンでたくさんになる球場だと知っていた。その環境で投げられることができてとても幸せ」と胸を躍らせていた。
◆吹きつける冷たい浜風を意に介さず、半袖で腕を振った。今季初の敵地での伝統の一戦。「勝利に貢献できるように頑張る」と先発のマウンドに立った巨人・菅野が、ストライク先行の投球で阪神打線に挑んだ。痛恨の逆転弾を浴びたのは1-0で迎えた五回だった。簡単に2死を奪ってから安打を許し、佐藤輝と対峙(たいじ)。3球で追い込みながら粘られ、7球目のスライダーを右翼席へ運ばれた。虎党のすさまじい拍手を背に、背番号18はうつむいた。前回8日のヤクルト戦(東京ドーム)で打球を右足甲に受けて降板し、打撲と診断されていた。五回途中で要した球数は77球。直球の精度を欠いて変化球頼みとなり、要所で制球が甘くなったところを痛打された。「前回短いイニングしか投げられなかったので、球数を少なく長いイニングを投げる準備をしてきた」同一カード3連戦の頭の先発を任される。救援陣の負担を減らすため、配球を見直して早いカウントから打ち取ろうと試みた。最速151㌔の直球に緩いカーブを織り交ぜ、要所で得意のスライダーを選択。だが、その決め球を勝負どころで捉えられた。七回途中104球で降板した。体調不良で先発を外れていた主砲の岡本和が3試合ぶりにベンチ入り。チームに明るい話題が届く中、エースは波に乗り切れなかった。(鈴木智紘)
◆阪神が1分けを挟む連敗を6で止めた。0―1の五回に佐藤輝が逆転2ランを放ち、八回はロハスが2ラン。今季初登板先発の青柳は要所を締め、8回1失点で白星。菅野が七回途中2失点と粘った巨人は3併殺打と拙攻が響いた。
◆阪神は五回、佐藤輝明内野手(23)が逆転の4号2ランを放ち、八回にはメル・ロハス・ジュニア外野手(31)の4号2ランで試合を決めた。今季初先発の青柳晃洋投手(28)が8回1失点で初勝利を挙げた。チームは5日のDeNA戦(甲子園)以来の白星で1引き分けを挟む連敗を「6」で止めた。佐藤輝と青柳、ロハスのお立ち台トークは以下の通り。ーー佐藤輝選手に、今の気持ちは「めちゃくちゃうれしいです」ーー相手は菅野、どんな思いで「点がほしいところだったので、必死に食らいついた結果、風もあって、入ってよかったです」ーーファウルの後のホームラン「変化球も頭に入れつつ、最後、打てる球が来たので、何とか必死に食らいついて、打ててよかったです」ーーどんな思いで一周?「めちゃくちゃ、うれしかったで~す」ーー4番から2番で心境の変化は「しっかり、自分のスイングは変えずに、今日は臨みました」ーー明日からも「このまま波に乗って、明日も明後日も勝ちたいと思います」ーー貴重な追加点のロハス選手です(佐藤輝に肩をたたかれて)「(日本語で)アリガトウゴザイマス」ーー八回はどんな思いで「積極的に振ろうと思っていました。長打が打てるかなと思ったけども、(ここから日本語で)ウインド(風)、アリガトウゴザイマス。ハイッタ、ホームラン」ーーお立ち台は初めてです「やっと、ここに立つことができました。去年は全力出して、何とか、ここに立とうとしましたが、なかなか立てなかったので、こういう機会をもらえて本当にうれしいです」ーー何度も立ってください「何回も何回も立てるように全力出していきたい。ヘッドコーチにも監督にも、必ず、このチームを1位に導くと言いました。必ずやってみせます」 ーー初勝利の青柳投手です「すいません。遅くなりました」ーーこの歓声を久しぶりに聞いて「やっぱり最高ですね(実感こもった口調で)」ーー今日が〝開幕〟。歯がゆい思いがあった「自分的にも悔しい感じはありましたが、いち早くチームに戻って、貢献し、流れを変えるピッチングをしたいと思ってやってきました」ーー3併殺「守備に助けられてばかりですけど、勝ちに導けたところが一番かなと思います」ーーここまでの思いを「鳴尾浜で過ごした期間が3週間くらいあったんで、若い投手が頑張っていますし、手本になるように。今日は鳴尾浜の選手に見といてくれと言ってあるので、いいピッチングができたかなと思います」ーー勝利の瞬間、他の選手から、どんな言葉を「ナイスピッチングという感じでしたけど、ファンの歓声がうれしかったです」ーー反撃に向けて「上を目指して頑張っているので、温かい応援をよろしくお願いします」
◆阪神が連敗を「6」(1分けを挟む)で止め、ようやく今季2勝目を挙げた。今季初の甲子園での伝統の一戦は、エースと若き主砲の活躍で白星をもぎ取った。新型コロナ陽性判定から復帰し、今季初先発した青柳は一回に先制点を献上したが、二回以降は走者を背負いながらも粘り、8回1失点の好投で初白星を挙げた。打線は0―1の五回に佐藤輝が巨人・菅野から4号2ランを放ち、逆転に成功。八回にはロハスが追加点となる2ランを放った。チームは8日の広島戦(甲子園)以来、6試合ぶりに複数得点を記録した。
◆阪神は五回、佐藤輝明内野手(23)が逆転の4号2ランを放ち、八回のメル・ロハス・ジュニア外野手(31)の2号2ランで試合を決めた。今季初先発の青柳晃洋投手(28)が8回1失点で初勝利。5日のDeNA戦(甲子園)以来の白星で、1引き分けを挟む連敗を「6」で止めた矢野耀大監督(53)のテレビインタビューは以下の通り(チーム成績2勝15敗1分、観衆3万4153人)。ーーまずはおめでとうございます「ありがとうございます」ーー五回の佐藤輝のホームランは「みんなも期待しているように僕もホームランと思っていました。ツーアウトだったし、より大きなホームランになりました。いい場面で打ってくれて、うれしかったです」ーー球場の雰囲気が変わった「輝が打つと、そういうムードが変わる力を持っている選手なので...。それもヤギが頑張っていることの方が、大きいのかなと思いますけど」) ーー青柳は8回1失点「初回に1点取られましたけど、スタートから落ち着いて、ヤギらしく投げてくれたので、どこまでいこうかなというところで、八回まで投げてくれたのは大きい。ベンチに帰ってきても、声を出してくれるので、チームにとって、ヤギにとっても、スタートは遅れましたが、いいスタートを切ってくれました」ーーファンが喜ぶ素晴らしいゲーム「もちろん、毎日、喜ばせたいと思って、こういう結果になっているのは申し訳なく思っていますけど、全員で全力で戦ってくれてるところには、僕も何とかしていきたいという気持ちは毎日持ちながら戦っています」ーーロハスの一発が大きかった「1点差は流れ的にイヤなところがあったので、あの2点は全員がまだいけるというムードが高まったと思います」ーー明日からも熱い試合を「こんな状況でも、応援してもらえて感謝しています。一緒にこれからも戦っていきたいと思います」
◆阪神・佐藤輝明内野手(23)が五回、巨人・菅野から逆転の4号2ランを放ち、チームに勝利を運んだ。佐藤輝の一問一答は以下の通り。ーーファウルでタイミングとりながら、薙ぎ払うように打った「なかなか甘い球を捉えきれない中で、最後打てる球がきて、ホームランだったので、結果としてはよかったです」ーーホームにかえってきた時に胸をポンポンと「特に意味はないですね笑」ーー入団会見で名前を挙げていた菅野からホームラン「菅野さんから打ったことなかったので、打ったことないですよね? 初ヒットっすよね? うれしいです、はい(笑)」ーー広島・森下、中日・大野雄、菅野とエース級の投手からホームランは自信になる「はい。なんとかそれで、波に乗っていけたらいいなと思います」ーー2番の打順を聞いたときは「ついにきたか、きてしまったかと」ーー意識して変えていることは「特にないですね。しっかり自分のバッティングをいつも心がけてます」ーーチームの状態は良くなかった「まあ、雰囲気暗いなと言われますけど、やっぱり勝っていかないと、雰囲気も上がっていかないと思うので。しっかり打ってというのは、本当に野手は一番。ピッチャーにはしっかり投げてもらった分、打つというのが重要な、重要というかそれがすべてかなと思います。今日勝ったので、この勢いのままいきたいと思います」ーー2番が決まった後に監督コーチから話は「特に2番だからこうしろとかはなくて、自分の持ち味をしっかり出せるようにしています」ーー今、求められる2番像は「うーん、どうなんですかね。自分は長打が持ち味なので、それだけです」ーー矢野監督が試合前の円陣で声出し「監督が声出しして、試合前の雰囲気もちょっと変わったし、それがいい結果につながったので、明日も声出しお願いしますという感じです」ーーこの勢いをつなげることが大事「もうそれぞれが、やることができれば、勝てると思うので、力はあるので、みんなが実力を発揮できるように、いい空気作ってやっていきたいと思います」
◆巨人・坂本勇人内野手(33)が、6年ぶりに1試合2失策を記録した。六回に糸原が放った左翼線際への飛球を、一度はグラブに収めながらも落球。八回には大山の二遊間寄りの打球がイレギュラーバウンドして弾いた。坂本の1試合2失策は2016年6月3日の日本ハム戦(東京ドーム)以来で、複数失策は12度目。遊撃手としてゴールデングラブ賞5度を誇り、一昨年、昨年は年間わずか4失策という名手にとってはめずらしい試合となった。打っては3戦連続で4番に座り、適時打を含む2安打1打点だった。チームは1―4で逆転負けし、試合のなかった広島に首位の座を明け渡した。
◆阪神は五回、佐藤輝明内野手(23)が逆転の4号2ランを放ち、八回のメル・ロハス・ジュニア外野手(31)の2号2ランで試合を決めた。今季初先発の青柳晃洋投手(28)が8回1失点で初勝利。5日のDeNA戦(甲子園)以来の白星で、1引き分けを挟む連敗を「6」で止めた矢野耀大監督(53)の一問一答は以下の通り(チーム成績2勝15敗1分、観衆3万4153人)。(テレビインタビュー)ーーまずはおめでとうございます「ありがとうございます」ーー五回の佐藤輝のホームランは「みんなも期待しているように僕もホームランと思っていました。ツーアウトだったし、より大きなホームランになりました。いい場面で打ってくれて、うれしかったです」ーー球場の雰囲気が変わった「輝が打つと、そういうムードが変わる力を持っている選手なので...。それもヤギが頑張っていることの方が、大きいのかなと思いますけど」ーー青柳は8回1失点「初回に1点取られましたけど、スタートから落ち着いて、ヤギらしく投げてくれたので、どこまでいこうかなというところで、八回まで投げてくれたのは大きい。ベンチに帰ってきても、声を出してくれるので、チームにとって、ヤギにとっても、スタートは遅れましたが、いいスタートを切ってくれました」ーーファンが喜ぶ素晴らしいゲーム「もちろん、毎日、喜ばせたいと思って、こういう結果になっているのは申し訳なく思っていますけど、全員で全力で戦ってくれてるところには、僕も何とかしていきたいという気持ちは毎日持ちながら戦っています」(囲み)ーー青柳が粘り強く投げた「それも初登板で、しかも自分の中で仕方がないけど、コロナで出遅れたところで言うとね、気負ってしまうというか、前に出過ぎてしまうようなところもあるところでね、コントロールしながらは簡単じゃない。素晴らしい、最高の投球でした」 ーー岩崎も九回は落ち着いていた「1点差でもスグルだったし、ロハスの2点がより思い切っていけるところになったし、スグルらしいボールを投げてしっかり締めてくれたんで、良かったです」ーー試合前に監督が声出し「これやん、これ。(友人の文字職人に)チームにって書いてもらったら〝波〟が最後に出たから。それに対して楽しむということは、俺もずっと大事に1年目から目の前の結果や数字に追われる日々を今も送って、楽しむことができないけど。だからこそ楽しむということがイッツ・ショータイムであったり、1年目からずっと言ってきていること。みんな分かってるんやけど、こうなると俺もやっぱりそうできない部分も出てきてしまうけど、こうやって来てもらって改めて、またみんなそれぞれにメッセージを送ってもらったり、チームにメッセージを送ってもらったんで、そういうところでは俺は声出ししようかなって」ーー菅野から勝った。きっかけに「何でもきっかけにしたいしね。何でも浮上の材料にしたいんで。今は俺もなりふり構わずというか、いろんな人の力も借りながら、少しでも選手が前に向いたり、俺自身も前に向けさせてもらったりするものを探してやっていけたらなって。何でもチャンスに変えていけたらなと」ーーロハスが5番で仕事「昨日の打撃練習がすごく良かったんで。それまでは逆方向にっていうのがあったんだけど、藤井さん(藤井康1、2軍巡回コーチ)からソフトバンクの王会長が打撃練習の時に、ほとんど引っ張るような本塁打を狙って引っ張るんだというようなアドバイスもしてくれたみたいで。いつもは逆方向にロハスの打撃練習だったのが、強い打球を打っていこうという練習をしてくれて。そういうのがきっかけになっているのかなと思う」
◆現役時代は南海、西武に所属し、引退後は西武、阪神、ダイエー3球団でヘッドコーチを務めたサンケイスポーツ専属評論家・黒田正宏氏(74)は小幡の守備と中野の二盗を勝因に挙げた。エース・青柳が好投して、主砲・佐藤輝が逆転弾。さらに岩崎にセーブが付く。理想的な勝利だったが、脇役が攻守で見せたプレーも勝因だ。守備では小幡。セカンドに入ったことで、内野守備が一気に引き締まったことは見逃せない。3つの4-6-3の併殺成立で流れを巨人に傾けなかった。特に四回無死一、二塁から、丸の打球はバットが折れて不規則バウンドになった。これに対し、思い切って前に出て対応。瞬時の判断力が素晴らしかった。さらに小幡の守備が光るのは、二塁への送球モーションの速さ。打者走者が足の速い丸だったから、普通の二塁手なら、二封はできても併殺には持ち込めない。もし、二封だけなら1死一、三塁。勝敗を左右しかねない2点目を奪われたかもしれない。ここ数年、阪神は守備の破綻から試合を落とすケースが何度も見られ、ことしに入っても安定感は欠いていた。が、小幡が入ったことで、矢野監督も守備の心配が一気に減ったはず。打撃面でも成長しているので、当面はこの内野布陣は崩してほしくない。攻撃面でホメたいのは中野だ。五回2死から右前打で出塁すると、次打者・佐藤輝の時に二盗。楽々セーフだった。走者が得点圏に進んだことで、佐藤輝が単打でも得点できるという切り替えができて、ミートを心がけた。一塁のままなら、長打を意識せざるを得ない場面。しっかりミートを意識した結果が、ホームランにつながった。ホームランバッターの前でも走れる中野の走力は魅力だ。開幕以来、矢野監督が目指す「走る野球」が影を潜めていた。その結果が大きな連敗になっていたような気もする。走れる選手が、速いカウントから積極的に走れば、攻撃の幅も広がる。矢野野球がようやく力を見せ始めた。そんな中野の盗塁を絡ませた攻撃だった。継続して、巻き返しのきっかけにしてもらいたい。
◆阪神のメル・ロハス・ジュニア外野手(31)が八回、2号2ランを放ち、連敗ストップに貢献した。試合後のロハスの一問一答は以下の通り。ーー積極的に振っていた。状態が上がっている証拠か「最近始めたんですけど、ここ最近代打で出場すること、ベンチスタートが多かったので、そこで代打で出場した時に1打席、そこでなんとか結果を出さないといけない、何とか打たなければいけないというところで、積極的に打つことにトライしてみて、それが感覚的に良かったので、早いカウントのストライクを1球で仕留めることを集中してやっていった結果が、すごくいい感じで出ていたので。特に今日の試合は菅野投手、いい投手なので、いい投手こそ、早いカウントから積極的に振っていくべきかなと思って、そういうアプローチをしました」ーー矢野監督が試合後に、藤井康コーチを通じて、王貞治さんから打撃のアドバイスもらったと言っていた。どんな内容か「バッティング練習中ですかね、昨日(14日)なんですけど、ファウルポールに向かって思い切り振っていく。その意識が、自分の手を先に出せますし、お尻を回転させて、前で打つことができると教わりました。そのアドバイスを、今日の試合で生かすことができたので、本当に感謝しています。藤井コーチは毎回アドバイスをくれて、いつも自分を助けようとしてくれるので、本当に感謝をしています」ーー王さんに動画を見てもらったのか。どんなやりとりか「ビデオではないんですけど、(藤井康コーチに)ひとつひとつ本当に丁寧に説明してもらって、自分のバッティングの知識と、彼の言っていることを理解して、自分自身に落とし込んだことが、ああいう結果になったので、特にビデオを見てというのではないです」ーー名古屋ではイニング間のキャッチボールを買って出ていた。チームに貢献したい気持ちの表れか「どんな小さなことでも、準備できることはしていこうという気持ちでやっていました。小さいことでも自分ができることをやることは、チームのためだけじゃなくても、自分がしっかり準備できているぞということをチームに示す形にもなりますし、そういう態度や形が監督にも、準備ができているという風に伝わることになる。自分ができることはチームのために多くしたいと思ってやっていました」
◆甲子園で負けた。巨人・菅野智之投手(32)は、佐藤輝に逆転弾を許し力なくうつむいた。1-0の五回、決め球のスライダーを拾われ、打球は虎党が陣取る右翼席へ。2018年5月25日以来、1421日ぶりの甲子園での黒星に「2アウトから出したランナーをかえされてしまいました」と悔やんだ。簡単に2死を奪ってから安打を許し、盗塁を挟んで大砲に2ランを浴びた。チームは2位に後退。原監督は「(2死から)ヒット、スチール、ホームランじゃね。反省するところはある」と指摘した。エースは前回8日の登板で打球を右足甲に受けて降板し、打撲を負っていた。七回途中まで2失点と影響を感じさせない力投を見せたが、無念の2連敗。「次は長いイニングを投げ切れるようにしたい」と責任感をにじませた。(鈴木智紘)
◆九回は岩崎が締めた。10日の広島戦(甲子園)以来4試合ぶりの登板となったが、先頭の代打・広岡をチェンジアップで空振り三振とすると、坂本は左飛。丸に内野安打を許したが、ウィーラーも中飛に仕留めた。青柳の打席での登場曲、50TA(フィフティーエー)の「紅葉に抱かれて」は岩崎のチョイス。今回、初披露となり「ヤギの下の名前(紅葉=晃洋)もしっかり覚えてもらおうというのと、TAは『タイガース青柳』という意味で、語呂の良さも加味して選びました」と理由を明かしていた。
◆勝った! 勝ったでぇ~!! 阪神は今季初の甲子園での巨人戦を4―1で勝ち、連敗を「6」で止めて2勝目を挙げた。0―1の五回に佐藤輝明内野手(23)が逆転の4号2ラン。相手エース・菅野からの初安打を最高の形でマークし、チームを勢いづけた。まだ最下位で借金は「13」もあるけれど、勝ったことはうれしい! メチャクチャうれしいぞ!!右翼席で待ち構える虎党が総立ちとなった。佐藤輝のバットから放たれた希望の光が甲子園に歓喜を運ぶ。巨人のエースを撃ち、連敗を6で止める逆転弾。まばゆいLED演出に照らされてお立ち台に上がったヒーローは、3万4153人の観衆に向けて叫んだ。「メチャクチャうれしいで~す?」0-1の五回2死一塁。3球目に一走・中野がスタートを切り、2死二塁とチャンスを拡大してくれた。ギアを上げてくる菅野に対し、ファウルでタイミングを測った7球目。低めの138キロスライダーをなぎ払うようにして捉えた。「なかなか甘い球を捉えきれない中、最後に打てる球がきて。ホームランだったのでよかった」12日の中日戦(バンテリンドーム)以来3試合ぶりの一発は、右翼ポール際に飛び込む逆転の4号2ラン。9日の広島戦(甲子園)では森下、12日は大野雄、そしてこの日は菅野とまたもやエース級撃ち。「菅野さんから打ったことないですよね? 初ヒットっスよね? うれしいです」。2年前の入団会見で対戦を熱望し、アーチを誓った菅野から通算10打席目で放った初安打は、念願の本塁打。喜びがこみ上げた。 今季初の本拠地での伝統の一戦。打線は5試合連続1得点以下と深刻な得点力不足に苦しみ、開幕17試合を終えてプロ野球ワーストの1勝止まりだった。状況は最悪。ベンチにも重苦しい空気が充満していた。しかし、「『雰囲気、暗いな』といわれますけど、やはり勝っていかないと雰囲気も上がっていかない。投手にしっかり投げてもらった分、野手は打つというのが重要な...重要というか、それがすべて」。やるべきことは明快。打って勝つしかなかった。開幕から任されてきた4番から2番への打順変更にも「ついにきたか、きてしまったか、と」とニヤリ。米大リーグで2番といえば、最強打者が入る打順。メジャー通の大砲は意気に感じた。そして打って、勝った。連敗を「6」で止め、ようやく今季2勝目。史上最低・063だった勝率は・118へ急上昇したが、首位広島とは9・5ゲーム差もある。ただ、まだ終わってはいない。父・博信さん(54)が「水島新司で育った世代である私の夢としては、甲子園での場外ホームランが見たいです」と冗談交じりに話したことがある。息子は「ムチャいうな」と笑ったが、そんな夢物語でも、もしかして...と思わせてくれるのがこの男。佐藤輝なら漫画の世界でしかありえないような大逆転劇だって、実現させてしまう。「それぞれがやれることやることができれば、勝てる。力はある。みんなが実力を発揮できるように、いい空気作ってやっていきたい」輝く大砲の一発が虎を生き返らせた。ここから、またスタート。佐藤輝に導かれ、怒とうの快進撃が始まる。(原田遼太郎)★弟の誕生日に勝利届けた この日は佐藤輝の弟・太紀さん(22)の誕生日だった。関学大野球部に所属する佐藤家の次男は現在、大学4回生。社会人、プロを目指して鍛錬を積む弟に「自分で決めた道をいってほしいなと思います」とエールを送る。兄の背中を追いかける太紀さんも「自分の思うように活躍してくれれば。100本打つといっていますけど、ホンマにそれくらい目指して頑張ってほしい」と激励で応えた。思うがままに、それぞれ己の信じた道を突き進む。
◆近本の連続試合安打が「14」で止まった。3月29日の広島戦(マツダ)から4月14日の中日戦(バンテリンドーム)まで続いていたが、この日は4打数無安打。一回には直球を捉えるも右飛。その後は3打席連続空振り三振に終わった。1試合3三振は2020年9月18日の中日戦(ナゴヤドーム)以来。虎のヒットマンには、珍しいケースとなった。
◆打った瞬間、確信した。欲しかった貴重な追加点を、阪神・ロハスが生み出した。〝一本足〟ではなかったが、助っ人の〝一本〟が勝利を確実なものにした。「早いカウントで積極的に振ろうと思っていた。風のおかげでなんとかホームランになった。ウインド、アリガトウゴザイマス!」来日2年目で初めて上がったお立ち台では日本語で、左翼から右翼へ吹く浜風に感謝し、虎党の笑いも誘った。飛距離132メートル。ドデカイ一発が飛び出したのは2-1の八回だ。無死一塁で畠の初球145キロを迷わず強振した。打球は追い風も味方してぐんぐん伸び、バックスクリーン右へ。3月30日の広島戦(マツダ)以来、13試合ぶりの2号2ランで試合を決定づけ、ベンチで大はしゃぎした。 感謝したのは風だけではない。世界の王にも〝サンキュー〟な一撃だった。前日14日の打撃練習中に藤井康1、2軍巡回打撃コーチを通じてソフトバンク・王貞治会長からアドバイスをもらったといい「ファウルポールに向かって思い切り振っていく意識が、手を先に出せる。お尻を回転させて、前で打つことができると教わった」。大事なのは強く引っ張る意識―。間接的ではあるが、世界記録の通算868本塁打のレジェンドである〝王の一声〟が、悩める助っ人を変えた。R砲の活躍に矢野監督は「1点差は流れ的に嫌だというのがちょっとあった。あの点で全員がいけるということになった」と称賛し「強い打球を打っていこうという練習をしてくれて。そういうのがきっかけになっているのかな」と目を細めた。「ヘッドコーチにも監督にも『必ずこのチームを1位に導く』と言いました。必ずやってみせます!」とロハス。可能性がある限り、諦めない。前日は途中出場で2安打し、この日は5試合ぶりのスタメン出場で、特大弾を含む2安打。目覚め始めた年俸2億6000万円の助っ人が、チームの勝利のためにバットを振り抜く。(織原祥平)
◆息もできないほど沈んで、負の流れに飲まれていた。もう一度浮かび上がるためだったら、なんだってする。久々の勝利監督インタビューでカメラに向かい「ちょっと時間大丈夫ですか?」と、おもむろに色紙を取り出した。この「波」を生み出したのは、他ならぬ阪神・矢野監督自身だった。「友達の文字職人の杉浦誠司さんに来ていただいて。365枚ある札の中から、漢字を一文字引き当てるんですけど、僕がチームをイメージしながら引いたのが『波』という字でした-」掲げた書にカメラが寄り、大映しにする。ここから押し返したい、チームを乗せたいという一心が込められていた。1勝15敗1分けというプロ野球史上に残るつまずきを見せ、甲子園に帰ってきた。この巨人との3連戦に矢野虎の「運命」が懸かっているようにさえ思えた。だから、友人である書家を試合前の球場に招き、言葉を授かり、自ら試合前の円陣で声出し役を務めた。選手らに向かってこの書を読み上げ、声を張り上げた。「やっぱり楽しむっていうことやな! 勝ち負けもあるし、苦しいのは俺も分かってるし、みんなもそうやけど、俺らの野球、楽しむ野球、そういう野球を全員で、やりましょう!」書によって「波」に乗るのも異例なら、本来なら若手が務める声出し役を指揮官が務めるのも異例中の異例だ。これで2勝15敗1分け、勝率は一気に「・118」だ。「潮も引いて、波が起きる。浮き沈みはあるけど、みんなで大きい波をつくっていこう、それは楽しむことが一番大事じゃないかというメッセージをもらって、きょう戦っていました」もう引かない。ここまでやって、さざ波や、第一波だけで終わっては元も子もない。虎将が、セ界に波紋を広げる。(長友孝輔)
◆中野が今季3盗塁目を決めて佐藤輝の逆転2ランを演出した。五回に右前打で出塁すると、佐藤輝への3球目で二塁へ。〝タクテル〟コンビ結成2戦目で結果を出し「テルには『スチールを待たずにどんどん打ってくれていい』と言っている。うまくコミュニケーションをとりながらできていると思います」と振り返った。1日の巨人戦(東京ドーム)では2三振に打ち取られた菅野から、マルチ安打。「本当に悔しかった。打ち取られたボールをしっかり頭に入れて対応できました」とリベンジを成し遂げた。
◆ウイニングボールを握り、拍手に包まれてベンチ前で一礼した。この瞬間を青柳もチームも、3万4153人のファンも待っていた。〝幻の開幕投手〟が今季初登板初勝利で風向きを変えた。「すみません、お待たせしました。(歓声は)やっぱ最高ッスね! チームの流れを変える投球がしたいと思って、やってきました」お立ち台で声を弾ませたが「僕が帰ってきても思うようにいかなければ、流れが悪くなる」と覚悟を秘めてのマウンドだった。一回、坂本に先制打を許したが、ここは最少失点で踏ん張る。「粘り続ければ勝てると思っていた。結果、テル(佐藤輝)が本塁打を打ってくれましたし、メル(ロハス)も追加点を取ってくれた」復帰を待っていたかのように、甲子園は序盤から雨。三回1死一塁、四回無死一、二塁、八回1死一塁のピンチはいずれも二ゴロ併殺で切り抜けた。六回1死一、二塁も坂本、丸を抑えた。8回7安打1失点、95球の熱投で巨人・菅野に初めて投げ勝った。初の開幕投手に指名されたが、新型コロナウイルスの陽性判定を受けて実現しなかった。鳴尾浜での調整中、チームはドン底だった。「早く野球がしたいけど、できないもどかしさもあった」と複雑な思いを抱きながら「今日は鳴尾浜の選手に『見ておいてくれ』と言ってきた。いい投球ができた」と若手らとの時間を力に変えた。 世界が熱視線を送ったポテンシャルに向上心が加わり、虎投の柱に成長した。川崎工科高時代に「本塁打を打った試合にメジャーのスカウトが来ていたんです。通算1発の試合で。(夏の神奈川大会の)横浜隼人に勝った試合にはメッツも」と右腕は振り返った。甲子園出場の機会はなかったが、まさに原石だった。ちなみに、米国行きという進路については「英語ができないので」と実現せず。大谷のように〝世界のAOYAGI〟になっていたら、虎を誰が救ってくれたのか。矢野監督も「中身も、チームを引っ張っていこうという気持ちも、両方あった。最高の投球」と絶賛した。青柳は「みんな上を目指して頑張っているので、温かい応援よろしくお願いします!」と逆襲を呼び掛けた。やっと開幕した。ここから勝って勝って、勝ちまくる。(新里公章)★鳴尾浜では若手らにアドバイス 新型コロナウイルス陽性判定から復帰後、鳴尾浜で調整していた青柳は、若手の相談に乗ることも多かった。D2位・鈴木(創価大)から制球力向上のためにどうしたらいいか聞かれると、自分の経験や練習法を伝授。「僕自身もコントロールが悪かったので、すごく気持ちは分かる」。ルーキー左腕にはストライクゾーンを縦に2分割して考える投げ方を教えたといい「そういうところからスタートできたらメンタルの部分も楽になると思う」と語った。
◆誰よりも打ってほしい男・佐藤輝が、どこより倒したい巨人相手に、ドカ~ンと一発。まだ肌寒い春先の甲子園が、熱く熱く、燃え上がった。昭和の時代、新人記者の頃、口うるさいデスクに教えられた。「ええか、シーズン最初の甲子園での巨人3連戦は祭りや。阪神ファンが待ちに待った、その年のプロ野球が本格的に始まる試合や。タイガースの選手も甲子園で巨人にだけは負けられないと思っとる。だから、それにふさわしい紙面を作らんとアカンのや」呆れるばかりのTG至上主義? 何だかよく分からないまま、早朝から甲子園に行って、チケット売り場の行列の先頭にいるファンに「何日前から並んでいるんですか?」と尋ね、露店のおばちゃんに「普段の何倍のおでんを用意した」と教えてもらったり。ドキュメント取材に走り回らされた。記者席に女優さんがおられたりして、観戦記を書かれて。サンスポも気合が入りまくりだった。ほんのり、いい匂いが漂ってきたりして。翌日には中継したテレビ局に電話取材。「視聴率37%。目標の40%に届かず」な~んて記事を書いた記憶がある。令和の時代。甲子園のTG戦も大きく様変わりしている。まず、スタンドは全席前売り、当日券もわずかだから、大行列は存在しない。早い時間帯に球場周辺がごった返すこともなくなった。露店もなくなっている。昔のような特殊な「お祭り」ムードもすっかり感じられなくなっているから、当然、記者席に女優さんもいない。そして、視聴率は10%行けば万々歳。今の時代に野球中継での37%なんて、ありえない話だ。取り巻く環境は変化していったが、年の始めのTG戦は違うぞ! と書きたかったので、甲子園に出向いた。が、記者席の空気はなかなかに重苦しかった。巨人は那覇でのDeNA戦を終えて関西入り。「想像以上に蒸し暑かったです。見てください、日焼けしました」〝沖縄帰り〟の巨人担当が明るくトラ番相手にトークを開始した。チームの成績が良ければ、担当記者は余裕がある。話しかけられた〝名古屋帰り〟のトラ番キャップ長友孝輔は顔色もさえない。名古屋はドームだから日焼けをしない。いやいや、そういう問題ではない。開幕から3週間で、1勝しかしないなんて、予想できた人がいたら、名乗り出てほしい。でも、ついに白星が、最高の男のホームランで手にできた。これで一気に流れを変えたい。覚えてますか? 阪神が唯一の日本一になった1985年。甲子園でシーズン最初のTG戦は4月16日だった。あの日、佐野仙好の何でもない飛球を名手と呼ばれたショート河埜和正が落球。そこからタイガースは一気に7点を奪って逆転勝利した。「世紀の落球」と語り継がれる。勢いに乗って、翌日は、伝説のバックスクリーン3連発。あの日本一は「落球」から始まっているのだ。昨夜、名手・坂本が落球しませんでした? えっ、逆転に直結していない? でも、直後の大山の打球をはじいて、今度はロハスがドカン。痛恨でしょ、巨人には。この際、何でもこじつけます。伝説の始まり、かもしれない。
◆よっしゃあ! 本日が2022年、虎の真の開幕やー!!幻の開幕投手となった青柳さまですが、3週間遅れのマウンドで巨人のエース・菅野と投げ合い、8回1失点での勝利投手。さすがです!ピンチの場面で、ミスター・ゴロアウトの異名通り3つのゲッツー、さすがです!!そして、試合中に雨を降らせる演出? 〝雨ヤギさん〟と呼ばれるだけのことはある~、さすが! さすが! さすが!!打線は結局、本日もタイムリーは出ず...。これで何と60イニング連続タイムリーなしと大いに心配だけど、巨人のお株を奪うような佐藤輝とロハスのホームラン2本。タイムリーに関しては、気付いていない振りをしておくのだ!!兎にも角にも、やっとこさっとこ虎の両目が開いたのだ!! 首位・巨人だって3併殺打、3エラーもして決して強くないのだ!! さあ、ここから他球団に目に物言わせてくれようやないかア!!
◆1軍に合流した阪神の新外国人、ウィルカーソンは16日の巨人戦で来日初先発する。ブルペン投球などで調整し「本当に楽しみ。自分のピッチングができるように頑張っていきたい」と意気込んだ。巨人の新助っ人ポランコ(パイレーツ)とは米大リーグ時代に対戦経験があり、本塁打を許した。「こうやってまた戦えるのはうれしい。やり返したい」と闘志を燃やした。
<セ・リーグ順位表推移>
順位 | チーム名 | 勝数 | 負数 | 引分 | 勝率 | 首位差 | 残試合 | 得点 | 失点 | 本塁打 | 盗塁 | 打率 | 防御率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 (1↑) |
広島 |
11 | 5 | 1 | 0.688 (-) | - (↓0.5) |
126 | 79 (-) | 42 (-) | 4 (-) | 6 (-) |
0.260 (-) | 2.320 (-) |
2 (1↓) |
巨人 |
12 | 6 | 0 | 0.667 (↓0.039) | 0 (-) |
125 | 76 (+1) | 70 (+4) | 21 (-) | 4 (-) |
0.261 (-) | 3.240 (-) |
3 (-) |
中日 |
9 | 6 | 0 | 0.600 (-) | 1.5 (↑0.5) |
128 | 54 (-) | 46 (-) | 12 (-) | 6 (-) |
0.247 (-) | 2.890 (-) |
4 (-) |
ヤクルト |
9 | 8 | 0 | 0.529 (↑0.029) | 2.5 (↑1) |
126 | 60 (+3) | 63 (+2) | 19 (+1) | 8 (-) |
0.230 (↑0.002) | 2.920 (↑0.05) |
5 (-) |
DeNA |
5 | 8 | 0 | 0.385 (↓0.032) | 4.5 (-) |
130 | 49 (+2) | 60 (+3) | 8 (+1) | 9 (-) |
0.238 (-) | 4.230 (↑0.1) |
6 (-) |
阪神 |
2 | 15 | 1 | 0.118 (↑0.055) | 9.5 (↑1) |
125 | 44 (+4) | 81 (+1) | 12 (+2) | 7 (+1) |
0.221 (↑0.001) | 4.260 (↑0.19) |
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