1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | 安 | 失 | 本 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
巨人 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 1 | 0 | 2 | 6 | 0 | 0 |
阪神 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | 2 | 7 | 0 | 0 |
勝利投手:- 敗戦投手:- |

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◆阪神は高卒ルーキーの前川が先発出場。マルチヒットを記録し、本拠地デビューを飾った。対する巨人は先発・赤星が5回4安打無失点。開幕ローテーション入りを狙うルーキーが、安定感のある投球を披露した。
◆両チームのスタメンが発表された。前日12日に「人生初」の二塁出場を果たした阪神佐藤輝明内野手は、23歳の誕生日を迎えたこの日、「4番右翼」で出場。また、この日はドラフト4位ルーキーの前川右京外野手(18=智弁学園)が、「7番左翼」で1軍オープン戦初スタメン。投手では、先発陣の有事に備える「第7の男」、小川一平投手(24)が3年目で初先発を務める。巨人は同3位の赤星優志投手(22=日大)が先発する。
◆阪神ドラフト4位、前川右京外野手(18=智弁学園)のオープン戦初打席は、空振り三振に終わった。7番左翼でスタメン出場。2回2死二塁の先制のチャンスで初打席がまわってきた。 相手は巨人先発、ドラフト3位の赤星優志投手(22=日大)。1ボールからの内角149キロ直球を一塁スタンドへライナーでファウル。カットボールやカーブにも食らいつきファウルにし粘ったが、2ボール2ストライクからの6球目外角ツーシームで空振り三振。悔しそうに前川はベンチに戻ったが、昨夏智弁学園の主砲として2本塁打を放ち、夏の高校野球で準優勝へ導いた甲子園のスターにスタンドからは激励の拍手が送られた。
◆阪神ジョー・ガンケル投手(30)が今季初登板し、1回2安打1失点で終えた。 巨人先頭の吉川尚と秋広に内野安打を許し、2番坂本に犠飛を打たれ1点を失ったが、3番丸を二ゴロに抑えた。ガンケルは開幕ローテーション候補だったが、キャンプ終盤から腰の張りを訴え、実戦登板が遅れていた。開幕には間に合わない見通しだが、これから調子を上げていく。
◆阪神ドラフト4位、前川右京外野手(18=智弁学園)が鮮烈な1軍デビューを飾った。 7番左翼で先発出場し、空振り三振、左飛で迎えた7回1死一塁での第3打席だった。巨人3番手右腕戸田に2球ファウルで追い込まれた3球目、外角フォークをうまく拾って右前へ運び初安打。1万5994人が入ったスタンドが沸いた。球団の高卒新人でデビュー戦に安打を記録したのは、80年以降初の快挙だ。9回2死には、巨人直江の136キロのフォークをすくい上げて右前へ落とし、技ありの一打でマルチ安打とした。「1試合通して最後結果が出たので安心したというか試合終わってホッとしました。球場の歓声がすごくて、うれしかったです」と胸をなで下ろした。昨夏の甲子園では、智弁学園の主砲として2本塁打を放ち、準優勝へ導いた。高校通算37発のスラッガーが、いきなり結果を残し、将来性の高さをアピールした。「2本打てたのはプラスとして今日は今日で。次の試合は、これ以上のプレーができるように毎日成長していきたいと思います」と気を引き締めた。?▼オープン戦初出場の高卒ルーキー前川が2安打を放った。今季のオープン戦で安打を放った高卒新人は池田(オリックス)松川(ロッテ)有薗(日本ハム)に次いで4人目。1試合2本以上のマルチ安打を記録した高卒新人は21年3月7日秋広(巨人=2安打)以来で、今回のようにオープン戦初出場では18年3月18日村上(ヤクルト=2安打)以来になる。阪神高卒新人の安打は20年3月8日井上以来となり、マルチ安打は74年3月24日掛布が近鉄戦で4打数4安打して以来、48年ぶり。
◆遊撃手での開幕スタメンを目指す阪神小幡竜平内野手(21)が、宿敵巨人相手に猛打賞と大暴れだ。 1点を追う7回2死一、二塁。フルカウントから低め直球をとらえ、左中間を破る逆転の2点二塁打。二塁ベース上でガッツポーズを見せた。3回1死走者なしの第1打席では中前安打で出塁し、続く近本の打席で二盗を成功させ、チャンスを拡大。5回には懸命に走り、遊撃内野安打を放った。昨季レギュラー遊撃手の中野が下肢コンディション不良で2軍調整を続けているが、実戦にも出場して1軍復帰が近づいている。木浪、熊谷らライバルも多い中、バットで猛アピールとなった。
◆巨人ドラフト3位の赤星優志投手(22=日大)が、5回4安打無失点の好投で開幕ローテ入りを大きくたぐり寄せた。 日大鶴ケ丘(東京)時代にはたどりつかなかった、初の甲子園のマウンド。持ち前の制球力を存分に発揮し、最速151キロの直球とツーシーム、カットボール、カーブ、フォーク、スライダーと全球種をコーナーに散らした。阪神打線に的を絞らせず、散発4安打で三塁ベースを踏ませない堂々たる投球を披露した。「今日は全体的にコントロール良く投げられたのが良かった。高校の頃から憧れの場所でもあったので、すごく良かったです」と振り返った。プロ入り後最多の74球を投げ「5イニング目はスタミナ不足というか、疲れを感じた。5回6回でバテているようじゃダメなので、次の登板に向けて球数も増やしていきたい」と先を見据えた。
◆プロ14年目の巨人立岡宗一郎外野手(31)が開幕1軍生き残りへ、必死のパッチだ。 「1番右翼」で先発出場。6回無死一、二塁で犠打を決め、8回1死一、二塁では阪神岩田から左前適時打をマークし「余計なことは考えず、投手に圧力をかけられるように」と積極的に仕掛けた。ポジションを争う松原は、この日から2軍調整となり「(松原)聖弥も悔しい思いをしていると思いますし、かといって自分も頑張らなきゃいけない。みんなで競争して、その中で勝ちとりたいなと思います」と話した。
◆阪神佐藤輝明内野手にバースデーアーチは飛び出さなかった。23歳の誕生日を迎え、ナインから祝福の言葉をかけられた。 「すごくうれしかった。昨年以上の、22歳よりも最高の年にしたい」と誓った。前日12日の中日戦では人生初の二塁守備に就いたが、この日は4番右翼で出場。スタンドからも誕生日を祝うボードが掲げられていた。4打数無安打も4回の第2打席では一塁手秋広がはじくほど強烈な一塁ゴロを放つなど、8試合連続で4番を任される男のバットは振れている。昨年の3月13日西武戦では3打数無安打。阪神史上最強助っ人のランディ・バース氏と同じ誕生日の佐藤輝だが「特になにもやっていない」と無頓着。祝砲は来季へ持ち越しとなった。
◆阪神先発陣の「第7の男」、小川一平投手(24)の急上昇が止まらない。巨人戦に先発し、4回を2安打無四球で無失点。「ここまで来たら、開幕1軍でいきたい。まだ投げる機会はあると思うので、しっかりアピールしていきたい」と早くも次回へ腕ぶした。 1回は118キロカーブで1番立岡の体勢を崩し、空振り三振を奪った。岩崎らと沖縄自主トレをともにした1月から磨いてきたという球種が、随所で効いた。直球の最速は150キロ。2番坂本、3番丸、4番岡本和、5番中田といった名だたるメンバーを緩急で翻弄(ほんろう)した。中継ぎ登板した4日楽天戦は3回を5奪三振1安打無四球で無失点。矢野監督は「前回も良くて今回も良かったところに価値がある。抑え方も安定感が出始めている」と3年目右腕の成長を高評価。福原投手コーチも「緩い球をうまく使えていた」と納得顔だ。すでに開幕ローテメンバーの大枠は固まっており、小川の現状は先発バックアップと中継ぎを両にらみする「ジョーカー」。ただ、開幕3戦目先発が予想されるドラフト3位桐敷がこの日の2軍戦で打ち込まれ、状況に変化が生まれる可能性もゼロではなくなってきた。「第7の男」への注目度が増している。【佐井陽介】
◆腰の張りを訴えていた阪神ジョー・ガンケル投手(30)は、4月上旬の先発ローテーション入りを目指す。 オープン戦登板を2度回避し、開幕ローテから外れることが決定。この日の巨人戦で22年初実戦に臨んだ。6回の1イニングを投げ、内野安打2本から1失点。本人は「問題なく投げられたことが一番大きい」と納得した。福原投手コーチは「開幕(ローテ入り)はさすがに無理。球数もしっかり投げられるようになってから」と説明。今後は2軍戦で状態を上げていく。
◆阪神石井大智投手(24)、湯浅京己投手(22)の中継ぎ両右腕が、ともに1回3人斬りで存在感を示した。 5回から2番手で登板した石井は中田、ウィーラーを遊ゴロに料理し、大城を変化球で空振り三振に仕留めた。「真っすぐを軸に投げた中で、真っすぐ、変化球ともにいいボールを投げられた」。7回に4番手で登板した湯浅は岡本和をフォークで空振り三振。中田、ウィーラーは直球で押し込みそれぞれ中飛に抑えた。「いい感覚で投げることができて、自分のやるべきことができた」と胸を張った。
◆鮮烈なデビューを飾った阪神ドラフト4位の前川右京外野手(18=智弁学園)の父・栄二さん(49)がこの日の巨人戦を甲子園で観戦。マルチ安打を記録した愛息への思いを込め、日刊スポーツに手記を寄せた。 3打席目の打った瞬間は感極まりました。「前川右京」と甲子園でコールされたときは期待に応えないといかんというプレッシャーがあったと思う。昨日、LINEで「自分が楽しんでできたらいいよ」と送りました。思いっきり振って勉強して、楽しんでくれたら、笑顔で見られたらなという思いで見守っていました。最終打席は右京らしい姿が見られたかな。僕から見た右京は「負けず嫌い」。小さい頃は兄とけんかが絶えなかったですね。中学1年で軟式野球を始めたんですが、もっと成長したいという負けん気の強さで、その夏から硬式のチームに入りたいとお願いしてきました。やっぱり右京にとって、甲子園は成長させてくれる特別な場所なんだと思いました。高校が寮ということもあって家族と過ごす時間があまりなかったけど、僕にとって甲子園が右京との再会の場所。お客さんがいる甲子園で野球をやれているのが本当にうれしい。自分の子でもあるんやけど、右京ファンの1人やと思っています。親でもあり、一番のファンでもあるような、これからも少しでも背中を押せられたらなと思っています。
◆成り上がり伝説が幕開けする。巨人のドラフト3位赤星優志投手(22=日大)が13日、オープン戦の阪神戦(甲子園)に先発。5回4安打無失点、3奪三振、無四球の好投で開幕ローテ入りをたぐり寄せた。次回登板は中6日で20日楽天戦になる見込み。25日からの開幕シリーズ中日3連戦(東京ドーム)第3戦での先発デビューが決定的となった。 鉄仮面ルーキー赤星が聖地のマウンドで、ほんの少しだけ表情を崩した。2回2死二塁、同じルーキーの阪神ドラフト4位前川右京外野手(18=智弁学園)へ、追い込んでからの6球目。外角へ落ちる135キロのフォークで空振り三振に仕留めた。1死二塁からロハスに続き、2者連続空振り三振でピンチを切り抜けた。眉間にしわを寄せ、下唇をかみしめる。感情がわずかに漏れた。阪神打線を5回4安打無四球で無失点に封じた。74球の快投に「全体的にコントロール良く投げられたのが良かった。高校の頃から憧れの場所でもあった。すごく良かったです」とうなずいた。キャンプ中に教わった"桑田カーブ"をカウント球、決め球として有効的に駆使した。エース菅野からの助言でプレートを踏む位置を、三塁側から一塁側寄りに変更中。「ガッツポーズのやり方がわからない」ほどのポーカーフェースが、貪欲に開幕ローテをたぐり寄せた。ここまでの道のりは決してスター街道ではなかった。日大鶴ケ丘高(東京)時代は、甲子園は雲の上の存在だった。2年秋は都立日野に打ち込まれて1回戦敗退。3年夏へ向け、野手との二刀流を辞めて投手に専念した。冬場は徹底的に走り込み、春先には球速が10キロ上がり140キロ中盤までになった。日大時代も4年春まで東都2部リーグで過ごした。屈辱を糧に、苦境を肥やしに、5年遅れで聖地にたどり着いた。開幕ローテはエース菅野は確定。残り5枠も固まりつつある。ドラフト3位指名もキャンプ中は、新人でいち早く1軍昇格を勝ち取りアピールを続けてきた。桑田投手チーフコーチも「順調に来ていると思います」と高評価。本番前はあと1試合の調整登板を挟む。27日の開幕シリーズ中日3連戦の3戦目。鉄仮面ルーキーが視界に捉えた。【小早川宗一郎】
◆「7番・左翼」で先発出場した阪神のドラフト4位・前川右京外野手(18)=智弁学園高=の1軍初打席は空振り三振だった。二回、1死から大山が右翼線二塁打で出塁。2死二塁の好機で、スタンドから大きな拍手を受けて打席に立ったが、巨人の先発・赤堀のフォークにタイミングを外された。前川は前日12日、この日のスタメン出場が決まると「甲子園という舞台で野球を楽しんで、今持っている力を最大限出せたら」と話していた。
◆「7番・左翼」でスタメン出場した阪神のドラフト4位・前川右京外野手(18)=智弁学園高=が〝プロ初安打〟を放った。空振り三振、左飛で迎えた0―1の七回1死一塁での第3打席で、3番手・戸田の3球目、外角のフォークに腕を伸ばし、右前へ。1万5994人が駆け付けた甲子園が沸いた。その後、小幡に2点打が飛び出し、チームは逆転に成功した。昨夏の甲子園では打率・455を記録し、準優勝に貢献。プロになって戻ってきた聖地でいきなりオープン戦初安打を放ち、勝負強さを見せた。
◆「1番・右翼」で起用された立岡宗一郎外野手(31)が、チームにとって4試合、38イニングぶりの適時打を放った。1点を追う八回1死一、二塁で岩田の初球のスライダーを左前へ運び、同点適時打とした。11日のオリックス戦(京セラ)で1軍に今季初昇格し、いきなり先発して2安打。昨年の正右翼手である松原がこの日から2軍調整となった中、この日は1番で起用され、結果で応えた形だ。プロ14年目の韋駄天が猛アピールしている。
◆トップバッター候補に急浮上した。巨人・立岡宗一郎外野手(31)が13日、阪神とのオープン戦(甲子園)に「1番・右翼」で先発し、八回にチーム38イニングぶりの左前適時打を放った。「せっかくもらったチャンス。(二岡2軍監督らから)『1軍に上がって一発目の印象が大事だよ』といわれていたので、結果が出たのは今のところはいいのかな」日替わりで選手が起用されている1番で存在感を示した。今季初めて1軍に合流した11日のオリックス戦(京セラ)での2安打1盗塁に続き、1犠打を含めて貴重な働きを見せた。これまでと一味違うのは「勝負師の心」。春季キャンプ後も2軍で過ごしていた立岡は、1軍昇格をつかもうと理想の打撃を追い求め、行き詰まっていた。そんなときに二岡2軍監督が指摘してくれたのが「大事なのは投手に向かっていく姿勢。自分の調子の良い悪いは関係なく、打席でできることを全力でやる」という心構えだった。向き合うべきは自分でなく相手投手―。闘争心を胸に秘める男は、二岡2軍監督の言葉に気づかされたという。左腕・岩田の初球を振り抜いた八回の適時打も会心の当たりではなかったが、執念で左前まで運んだ。原監督は試合後、「彼のいいところは物おじしないところ」と目を細めた。外野手では昨季レギュラー格だった松原がこの日から2軍に合流。25日の中日との開幕戦(東京ドーム)を前に生存競争は終盤にさしかかる中、「(松原)聖弥も悔しい思いをしていると思う。かといって、自分も頑張らなきゃいけない。みんなで競争して、その中で勝ち取りたい」と立岡。ともに11日から1軍に加わった32歳捕手の小林も、12日のオリックス戦(京セラ)で本塁打を含む3安打。原監督は1月に「力が五分五分なら若い選手を使う」と若返りの号令をかけたが、元気な30代たちも意地を見せている。(谷川直之)
◆まだまだ競争は終わらない! 阪神・小幡竜平内野手(21)が13日の巨人戦(甲子園)で、一時逆転となる2点二塁打を含む3安打猛打賞。1軍復帰が秒読みとなった中野拓夢内野手(25)らとの遊撃の定位置争いに向けて猛アピールした。小幡は二塁ベース上で右拳を突き上げた。4試合ぶりのスタメン出場で一時逆転となる2点二塁打を含む3安打2打点&1盗塁。甲子園に集まった今年最多の1万5994人のファンに、強烈なインパクトを残した。「すごくうれしい。(バットが)いい音がしたなという感じだった。いいところに飛んでくれました」0-1の七回2死一、二塁。巨人の3番手、戸田の147キロ直球を振りぬくと、ライナー性の打球は左中間を抜けた。三回1死では中前打を放ち、すかさず二盗。五回にも脚力を生かして遊ゴロ内野安打で出塁し、七回の2打点につなげた。「やっぱり競争があった方が、自分でもどんどん向上できると思っている。レギュラーが取れるように、競争に勝てるように頑張りたい」1軍にいるライバルは木浪。難敵は2軍にいる。下肢コンディション不良が完治した中野だ。昨季、新人ながら最多123試合でスタメン出場した。一方、小幡は43試合の出場でスタメンは6試合。レギュラー奪取に意気込むあまり、気合は空回りしていた。「結果がついてこないと、どうしても結果をほしがって、打ち方がああだこうだって、なっちゃう面がすごくあった」春季キャンプ中の2月5日に行われた今年初の紅白戦。逆転満塁ランニング弾で存在感を示したが、以降は実戦で結果を残せず。矢野監督から「来た球を打つとシンプルに考えろ」とアドバイスを受け、吹っ切れた。将は「いい場面で打って、いい走塁もあって、守備もしぶとく粘って。競争の中でいいアピールをした」と目を細めた。この日、中野は2軍でフル出場。結果を出さなければ入れ替えもある状況だったが、オープン戦打率を・400(15打数6安打)と急浮上させて〝阻止〟した。小幡は「本当にアピールするだけ、目立つだけ。毎日、続けられるようにしていきたい」。残り5試合。25日のヤクルトとの開幕戦(京セラ)のスタメンに名を連ねるまで、打って走って、守り切る。(三木建次)
◆阪神・小川一平投手(24)が13日、1軍初先発となった巨人とのオープン戦(甲子園)で4回2安打無失点の快投を見せた。最速150キロの真っすぐと緩いカーブが光り、開幕1軍どころか大逆転でのローテへ食い込んでくる可能性も浮上してきた。並べたゼロで〝代役〟にとどまるつもりなどないことを示した。チャンスを逃すまいと胸を張って腕を振った小川が、二塁も踏ませず4回を0封だ。チーム事情で巡ってきた真っさらな甲子園のマウンドで、坂本や丸、岡本和や中田にも凡打の山を築かせた。「自分の中では無四球でいけたのはすごい収穫かなと思います。(状態は)キャンプのときは良くなかったので、調子はよくなってきている」プロ3年目で昨季まで通算40試合で1勝。昨季は主に中継ぎだったが、今季1軍初先発の右腕が、開幕まで2週間を切ったこの時期に堂々とG封じだ。一回の立岡、坂本、丸も、二回の岡本和、中田、ウィーラーも完璧に料理。三、四回にはいずれも先頭に安打を許したが、落ち着いて後続を断った。これでオープン戦は、ロングリリーフした前回4日の楽天戦(甲子園)の3回も含め2戦7イニング連続無失点だ。この日も最速150キロに達した強い真っすぐには元々定評があった。キャンプ中の紅白戦では打ち込まれたが、帰阪後は110キロ台のカーブが決まるように。矢野監督も「前回もよくて、今回もよかったというところに価値がある。抑え方というところで安定感が出始めている」とうなった。通常であれば先発マウンドの機会は巡ってこないはずだったが、開幕ローテ入りが有力視されてきたD3位・桐敷(新潟医療福祉大)を、開幕3カード目で当たる巨人から〝隠し〟て同日に2軍で投げさせるため、この日のマウンドに。5回12安打7失点と乱れた桐敷とは明暗が分かれ、将も「桐敷もファームで打たれたらしいから。そういうところも含めて。ちょっと今ここで決められることはない」とローテ再検討を示唆した。このチャンスを全力でつかみに行く。小川は「ここまで来たら開幕1軍に行きたい。まだ投げる機会はあると思うので、しっかりアピールしたい」。〝使い勝手がよかった〟男が、しっかりと使える、戦える男になってきた。(長友孝輔)
◆マルチ安打デビュー! 阪神のドラフト4位・前川(まえがわ)右京外野手(18)=智弁学園高=が13日、巨人とのオープン戦(甲子園)に「7番・左翼」で1軍初出場し、4打数2安打と今年初の伝統の一戦で結果を残した。矢野燿大監督(53)も「もっと見たい」と今後の1軍帯同を明言し、15日からのソフトバンク2連戦(ペイペイドーム)行きの切符を与えた。腕を伸ばして食らいついた。白球が右翼の芝生に弾むと、今年最多1万5994人が詰めかけた甲子園が一気に沸く。1軍デビューの前川が、いきなりマルチ安打。あどけなさが残る18歳は、一塁ベース上で照れくさそうに笑みを浮かべた。「追い込まれてから、ずっと泳がされた。全然ダメだったので、なんとかしてついていくと思って我慢して打てました」智弁学園高では背番号「7」だった若武者がラッキーセブンに輝いた。0―1の七回1死一塁。戸田に2球で追い込まれたが、そこから対応力を見せる。3球目の外角のフォークに泳がされながらも右前へ。一、二塁と好機を拡大し、直後の小幡の2点打につなげた。2―2の九回2死でも追い込まれた後の3球目のフォークを拾って中前へ。「2ストライクまで振らずに打てた。粘って拾えたのでよかった」とマルチ安打を喜んだ。試合前にはグラウンドで新入団選手がお披露目された。登場した中の一人だった前川は、そのまま「7番・左翼」でオープン戦デビュー。相手は巨人で、今年初の伝統の一戦。並みのルーキーなら緊張でガチガチになってもおかしくない状況だったが、右京は違った。「プロに入って初の(1軍の)試合が甲子園。やるべきことはしっかりできた」さすがは甲子園の申し子だ。昨夏の高校野球、聖地で主砲として母校の準優勝に貢献した実力と大舞台に強いメンタルは伊達ではない。「タイガースファンの皆さんの応援がすごかったので、改めて球場で試合ができてすごいなと思いました」と目を丸くしながらも、いつもと変わらぬフルスイングで結果を残した。球団の高卒新人がオープン戦初戦で2安打を放つのは、平成以降では初。虎の新時代を感じさせる怪物の登場に、虎党も惜しみない拍手を送った。 『エラーしても打てなくてもいいから、思い切って行ってこい』と送り出した矢野監督も、新星登場に目を細めた。「たまたま打ったという感じではないと思う。アイツの力は、そういうレベルにある」と評価し「小手先で振らない。しっかり振れるのは大きな魅力。純粋に見たい。もっと見たい」と胸を躍らせた。1軍は15日からソフトバンクとの2連戦(ペイペイドーム)。当初、前川は帯同予定ではなかったが、指揮官は「連れて行く」。急転、1軍帯同切符を与えた。ただ、これはまだ第一歩。前川も「やるからには(開幕1軍を)目指していますし、やっていかないといけない。グラウンドに立った以上、自覚と覚悟を持ってやっていきたい」と〝打って〟かぶとの緒を締めた。未来の主砲じゃない。今年の戦力となるための挑戦は、始まったばかりだ。(織原祥平)◆前川の1軍帯同について阪神・井上ヘッドコーチ 「福岡遠征のメンバーに最初入ってなかったんだけど、連れて行きます。追加召集。マネージャーにもホテルと新幹線の切符、もう一枚って(伝えておいた)」★現地観戦の父も大喜び 三重県内の自宅から甲子園に応援に駆け付けた前川の父・栄二さん(49)は、バックネット裏で活躍を見届け「もう感極まったというか、一本出てスタートが切れたかな」と胸をなで下ろした。試合前夜には「思いっきり楽しんでおいで」とLINEでメッセージを送ったといい「見ていてホッとした。2本目はおまけみたいなもの」と振り返った。試合後には一緒に観戦に来た知人とハイタッチを交わし、喜びを分かち合った。★岡本先輩からアドバイス 前川は試合前、智弁学園高の先輩で巨人の主砲・岡本和にあいさつした。「『緊張すると思うけど、思い切ってバット振ってこいよ』と言われて、少し気持ちが楽になりました」。先輩は高卒1年目、腰を痛めてこの時期は離脱し、1軍デビューは8月末だった。球界屈指の大砲となった先輩の前でプレーし「打球の質、ボールの待ち方とか勉強になりますし、どんどんいいところを得ていきたい」と刺激を受けていた。
◆巨人のドラフト3位ルーキー、赤星優志投手(22)=日大=が13日、阪神とのオープン戦(甲子園)に先発し、プロ最長の5回を4安打無失点に封じて開幕ローテーション入りを決定的にした。日曜日に投げる登板間隔なら、27日の開幕3戦目(対中日、東京ドーム)でプロデビューを果たす。阪神ファンがスタンドを黄色く染めた甲子園の雰囲気にも動じず、堂々と腕を振った。ドラフト3位の最速152キロ右腕、赤星が5回無失点の快投。開幕ローテ入りを決定づけた。「高校の時から憧れの場所。全体的にコントロール良く投げられた。(コロナ禍で観客が)声をそれほど出せない状況なので、(敵地の雰囲気は)特に何も感じなかった」涼しげに振り返った22歳は最速151キロの直球とツーシーム、スライダー、120キロ台のカーブなど、全ての持ち球を駆使。二回はピンチで連続三振。ロハスをカットボール、新人の前川(智弁学園高)にはフォークボールと変化球もさえた。) 6人きょうだい(姉3人、兄2人)の末っ子は母・笑子さんが記す魔法の言葉を胸に刻む。登板前などに連絡すると、いつも「新人らしく、気負わず、ハッスル!」と返信してくれる。この日の舞台は、東京・日大鶴ケ丘高時代に出場できなかった甲子園。冷静に投げて打者19人に3ボールの状況すらつくらず、オープン戦の四球は3試合で計11回(失点1)を投げて1つ。安定感が際立った。原監督は「肝っ玉が大きいんでしょうね。本来の自分の投球が、そこそこできたんじゃないかな」と評価。桑田投手チーフコーチは「次回も先発で考えています」と起用法を明言した。次回登板は中6日で20日の楽天戦(東京ドーム)の見込み。その1週間後、27日の中日との開幕3戦目(東京ドーム)に向かう。新人投手が開幕カードに先発登板すれば、2015年の高木勇人以来。オープン戦不調の巨人に明るい話題を届けた。(樋口航)★その時 赤星にとって日大鶴ケ丘高時代の恩師、萩生田博美監督(48)は野球部の練習のため、生中継で投げている姿を見ることはできなかったが、録画でチェック。高校時代に立てなかった甲子園のマウンドで投げる教え子の雄姿に「(投げるところを)高校の時に見たかったね。ピンチでも表情を変えないのが赤星らしい」と、うれしそうに語った。
<オープン戦順位表推移>
順位 | チーム名 | 勝数 | 負数 | 引分 | 勝率 | 首位差 | 残試合 | 得点 | 失点 | 本塁打 | 盗塁 | 打率 | 防御率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 (1↑) |
楽天 |
7 | 2 | 1 | 0.778 (↑0.028) | - (↓0.5) |
41 (+6) | 24 (-) | 2 (-) | 6 (-) |
0.253 (↑0.019) | 2.450 (↑0.28) | |
2 (1↓) |
ORIX |
7 | 3 | 0 | 0.700 (↓0.078) | 0.5 (↑0.5) |
46 (+1) | 21 (+4) | 2 (+1) | 11 (-) |
0.268 (↓0.008) | 1.720 (↓0.14) | |
3 (1↓) |
日本ハム |
6 | 3 | 2 | 0.667 (↓0.083) | 1 (↓0.5) |
33 (-) | 25 (+3) | 11 (-) | 4 (-) |
0.221 (↓0.006) | 1.660 (↓0.14) | |
3 (1↓) |
DeNA |
6 | 3 | 2 | 0.667 (↓0.083) | 1 (↓0.5) |
38 (-) | 32 (+6) | 7 (-) | 10 (-) |
0.282 (↓0.012) | 2.690 (↓0.06) | |
5 (-) |
阪神 |
5 | 3 | 2 | 0.625 (-) | 1.5 (-) |
39 (+2) | 25 (+2) | 3 (-) | 10 (+1) |
0.245 (↓0.005) | 2.220 (↑0.03) | |
6 (-) |
ソフトバンク |
6 | 4 | 1 | 0.600 (↑0.044) | 1.5 (↑0.5) |
43 (+7) | 39 (+5) | 8 (+1) | 7 (-) |
0.237 (↑0.004) | 3.340 (↓0.07) | |
7 (-) |
中日 |
5 | 6 | 0 | 0.455 (↑0.055) | 3 (↑0.5) |
28 (+4) | 33 (+1) | 6 (+1) | 4 (+1) |
0.225 (-) | 2.630 (↑0.16) | |
8 (-) |
広島 |
4 | 6 | 1 | 0.400 (↑0.067) | 3.5 (↑0.5) |
27 (+3) | 46 (-) | 5 (+1) | 2 (+1) |
0.237 (↑0.005) | 4.170 (↑0.43) | |
9 (2↑) |
西武 |
3 | 6 | 0 | 0.333 (↑0.083) | 4 (↑0.5) |
20 (+5) | 26 (+3) | 7 (+2) | 8 (+2) |
0.232 (↑0.009) | 2.760 (↑0.1) | |
10 (2↓) |
ヤクルト |
3 | 7 | 1 | 0.300 (↓0.033) | 4.5 (↓0.5) |
32 (+5) | 41 (+7) | 2 (-) | 10 (-) |
0.235 (↑0.004) | 3.260 (↑0.02) | |
11 (1↓) |
ロッテ |
2 | 6 | 2 | 0.250 (↓0.036) | 4.5 (↓0.5) |
20 (+3) | 31 (+5) | 3 (-) | 6 (-) |
0.210 (↑0.002) | 2.930 (↓0.24) | |
12 (-) |
巨人 |
2 | 7 | 2 | 0.222 (-) | 5 (-) |
19 (+2) | 43 (+2) | 11 (-) | 2 (-) |
0.197 (-) | 3.580 (↑0.17) |
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