ヤクルト(☆13対3★)巨人 =リーグ戦13回戦(2021.08.17)・坊っちゃんスタジアム=
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巨人
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ヤクルト
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勝利投手:今野 龍太(4勝0敗0S)
敗戦投手:今村 信貴(3勝4敗0S)

本塁打
【巨人】丸 佳浩(13号・6回表2ラン),岡本 和真(29号・8回表ソロ)
【ヤクルト】村上 宗隆(27号・4回裏ソロ),山田 大樹(26号・6回裏ソロ)

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◆ヤクルトは1点リードの4回裏、村上のソロで加点する。その後2-2で迎えた6回には山田のソロで勝ち越しに成功すると、さらに代打・川端の適時打などが飛び出し、終わってみれば13安打で13得点を挙げた。投げては、2番手・今野が今季4勝目。敗れた巨人は、投手陣が崩壊した。

◆巨人はリーグトップ9勝の高橋優貴投手(24)が先発。 巨人の投手がリーグ10勝一番乗りすると、昨年の菅野以来で、左腕では11年内海以来10年ぶり。今季2戦2勝のヤクルト戦で自身初の2桁勝利となるか。

◆ヤクルト村上宗隆内野手(21)が、東京五輪以来の1発を放った。 1点リードの4回、先頭で打席に立つと、カウント1-2から甘く入った直球をフルスイング。本塁打ランキングトップの岡本和の目の前で、1本差に迫る中堅へ27号ソロを放った。「高橋(奎二)さんが粘って頑張っていたので援護したかったですし、チーム的にも追加点がほしかったので、いいところで打てて良かった」と振り返った。 東京五輪決勝の米国戦に先制ソロを放って以来で、後半戦は初めての1発。念願のキングへ向かって、歩みを進めた。

◆巨人高橋優貴投手(24)が4回途中2失点で降板し、リーグ最速の10勝目とはならなかった。 1回先頭、ヤクルト塩見に右翼線二塁打を許すと、山田の投ゴロで2死三塁。4番村上の打席でスライダーをひっかけワイルドピッチ。ミスで先制点を献上した。 2、3回は走者を背負いながらもなんとか無失点に抑えた。しかし4回先頭。村上に直球を捉えられ、バックスクリーン左へソロを被弾。続くオスナに左翼線二塁打を浴びたところで降板を告げられた。

◆巨人丸佳浩外野手(32)が一時同点に追い付く13号2ランを放った。 2点を追う6回、先頭の坂本がヤクルト先発高橋の内角低め直球を左翼フェンス直撃の二塁打でチャンスメーク。ボークで無死三塁として、打席には3回1死一、二塁のチャンスで見逃し三振に倒れていた丸。カウント2-0からの外角直球を捉え、左中間席へ運んだ。「ランナーが三塁だったのでなんとかバットに当てて1点と思い、打席に入りました。最高の結果につながりましたね! わっしょい、わっしょい」と原監督の掲げる「わっしょいベースボール」を体現した。 14日の中日戦(東京ドーム)では2本塁打を放っており、後半戦は4戦3発と好調をキープしている。

◆ヤクルト青木宣親外野手(39)が、また偉業を達成した。6回1死満塁で中前適時打を放った。今季61本目で、日米通算2539本目。歴代7位金本知憲氏に並び、大卒野手最多安打に並んだ。 03年ドラフト4巡目でヤクルトに入団し、17年目の今季は日米通算2500安打も達成。希代のバットマンが、また歴史に名を刻んだ。

◆巨人の守備が乱れ、5月19日広島戦(東京ドーム)以来、今季2度目の1イニング9失点を許した。丸の2ランで同点に追い付いた直後の6回裏だった。 3番手今村が先頭のヤクルト山田に勝ち越しソロを浴び、さらに1死から名手坂本が悪送球。岡本和の悪送球に吉川の野選、5番手大江の押し出し四球など、ミスが絡んだ。今村に鍵谷、大江、桜井と4人の投手をつぎ込むも流れを止めきれず、打者13人を相手に一挙9失点となった。 巨人は試合前時点で、前半戦最後のカードとなった7月13日(東京ドーム)から連敗中。2試合合計で25失点と打ち込まれていた。

◆ヤクルトは1回2死三塁、高橋の暴投の間に先制した。巨人は3回に1死一、二塁の好機で丸、岡本和が凡退して無得点。 ヤクルトは6回、先頭山田の26号ソロで勝ち越し。さらに巨人の守備のミスも重なり、打者13人の猛攻で一挙9点を挙げた。 巨人は岡本和の29号ソロで一矢報いるも及ばず連勝は4でストップ。ヤクルトが13-3で完勝。中断期間を挟んで4連勝となった。 巨人今村が4敗目、ヤクルト今野が4勝目をあげた。

◆ヤクルトは6回に9点を挙げるなど、巨人に13-3で快勝。 ヤクルトの1イニング9点以上は19年4月10日広島戦の10回の12点以来となり、巨人戦では79年10月11日の6回に9点を挙げて以来、42年ぶり。これで巨人戦は7月13日14-6、同14日11-7に続いて2桁得点。巨人戦で3試合連続2桁得点を記録したチームは、同じヤクルトが01年4月4日10ー5、同5日12ー5、同17日10-2と記録して以来史上2度目。

◆"わっしょい"ではなく"よいよい"ベースボールだ! ヤクルトは村上宗隆内野手(21)と山田哲人内野手(29)の五輪組の活躍で巨人に打ち勝った。 東京五輪の閉会式でも登場した東京音頭が、松山で何度も流れた。1点リードで迎えた4回、先頭の村上が27号ソロ。東京五輪決勝での先制ソロと同じように、打球をバックスクリーン左へ突き刺した。 主砲の1発に、五輪MVP男も黙っていられない。2失点で同点に追いつかれた直後の6回、山田が打席に入った。2球目の130キロフォークを左翼席に運ぶ26号ソロ。ダイヤモンドをゆっくり回り、次打者で控えていた村上とハイタッチした。金メダリスト2人が起爆剤となり、6回は打者一巡9得点の猛攻。合計13安打13得点と打線が踊り踊った。山田は「すごい一体感を感じる。強いチームだなと思う」と言った。 揺れる傘とともに、ファン1人1人の心の中から発せられた「よいよい」の合いの手が球場を包み込んだ。東京五輪・パラリンピック開催により、本拠地神宮が使用できない状況。久しぶりの主催試合となり、松山が"花の都"となった。背中を押されるように「わっしょいベースボール」を掲げ、後半戦3連勝の巨人のお株を奪った。 4連勝で2位巨人に0・5ゲーム差に迫った。山田は「1人1人の勝ちたいという思いは前半戦より強く感じる」と話す。目の前の試合に勝ち続けて、逆転優勝へ。すべては積み重ね。東京音頭で球場を盛り上げた分だけ、歓喜の瞬間が近づく。【湯本勝大】 ▽ヤクルト高津監督(3番山田、4番村上が活躍)「オスナも含めて3、4、5番が打点を挙げる。今日みたいな形はすごく理想なのかなと思います」

◆「わっしょいベースボール」を後半戦のテーマに掲げる巨人の連勝が3で止まった。 先発の高橋優貴投手(24)が初回1死二塁での投ゴロで三進を許すと、直後に暴投で先制点を献上。4回には村上にソロ本塁打を浴びて、続くオスナに二塁打を打たれたところで降板。6回に丸佳浩外野手(32)の13号2ランで追いついたが、その裏に2失策と守備も乱れて9失点で万事休すとなった。 試合後、原辰徳監督(63)の主な一問一答は以下の通り。 ? -6回は4投手を起用 原監督 ねえ。紙一重の勝負の中でね、やっぱり何て言うんだろうな、野球っていうのは非常に難しいスポーツだなというのは思いますね。ああいうゲーム展開になるわけだからね。もちろんこういうことは、そうそうあっては欲しくはないけど、まあやっぱりこれもベースボールだしね。明日につなげるということが重要だと思いますね。 -6回1死満塁、監督自らがマウンドに向かって大江投手に交代を告げに行った 原監督 「悪かった」ってね。「悪かった、今日はもう悪かった」ということでね。「もういいよ、ご苦労さん」って。 -その回は失策も出た。個人のミスというかチーム全体で受け止める 原監督 もちろん、もちろん、もちろん。

◆巨人高橋優貴投手(24)が4回途中2失点で降板し、リーグ最速の10勝目とはならなかった。 1回先頭、ヤクルト塩見に右翼線二塁打を許すと、山田の平凡な投ゴロにも二走塩見が三塁へ果敢にダッシュ。高橋は進塁するとは思わなかったのか、三塁には投げられず2死三塁とされた。さらに4番村上の打席でスライダーをひっかけワイルドピッチ。ミスで先制点を献上した。4回には先頭村上に直球を捉えられ、バックスクリーン左へソロを浴びた。続くオスナに左翼線二塁打でチャンスを作られたところで降板を告げられた。 高橋は「初回の自分のミスから失点をしてしまって流れを悪くしてしまった。やるべきことをしっかりやらないといけない。防げるミスを防がないと、こういう結果になると思うので反省です」と振り返った。 宮本投手チーフコーチは「やっぱり初回の(高橋)優貴の、セカンドランナーを見てプレーするということだと思う。三塁(に投げていればタイミング)は完全なアウトでしたから。あれはピッチャーの見えないエラーです」とバッサリ。「ああいうことをきっちりやっていかないと野球の神様はほほ笑んでくれないと思います」と苦言を呈した。

◆巨人岡本和真内野手(25)がプロ野球史上25人目の4年連続30本塁打に王手をかけた。9点を追う8回1死、ヤクルト大下の初球142キロ直球をバックスクリーンへ運ぶ29号ソロ。表情を変えずにダイヤモンドを1周した。 守備のミスも重なり大差で敗れた一戦。岡本和も6回1死一、三塁、悪送球でピンチを広げた。三塁線の強い打球を倒れ込みながら好捕も、送球が中途半端なバウンドになった。一塁手北村が捕球できず、悪送球が記録された。 4年連続30本塁打達成となれば、05年から10年にかけて6年連続30本塁打を放った小笠原道大氏(現日本ハムヘッド兼打撃コーチ)以来となる。

◆「わっしょいベースボール」を掲げる巨人の足並みが乱れた。2点を追う6回に丸の2ランで追いついたが、その裏に山田のソロを皮切りに9失点。ヤクルト戦は3試合連続2ケタ失点と「東京音頭」の前に3連勝時の威勢の良さは鳴りをひそめた。接戦が一転しての大敗。原監督は「野球というのは非常に難しいスポーツだなと思いますね。明日につなげることが重要」と冷静に振り返った。 ミスが出れば「みこし」はうまく担げない。初回1死二塁、先発高橋が投ゴロでスタートを切った二塁走者に三進を許し、直後に暴投で先制点を献上。6回には坂本と岡本が悪送球。全員が一致団結し、それぞれの役割を全うして突き進むという後半戦のテーマ通りに試合を運べなかった。 ゲーム差は首位阪神とは2に開き、3位ヤクルトには0・5に迫られた。ただ、原監督が「『陽』で戦う。きついけど苦と思わない、それがみこしを担ぐということ」と説いてきたように、常に前を向いて戦うのも「わっしょいベースボール」の真骨頂。引きずることなく仕切り直す。【浜本卓也】 ? ▽巨人元木ヘッドコーチ(細かなミスが出ての大敗に)「守備のリズムが悪かったね。ミスが多くなるとやっぱり負ける」 ▽巨人高橋(10勝目を目指すも4回途中2失点で降板)「初回のミスから失点をしてしまって流れを悪くしてしまった。防げるミスを防がないとこういう結果になると思うので反省です」 ▽巨人丸(6回無死三塁、一時同点に追い付く13号2ラン)「ランナーが三塁だったので、なんとかバットに当てて1点と思い打席に入りました」

◆ヤクルト村上宗隆内野手(21)が、2試合連続となる28号先制ソロを放った。 2回先頭で打席に入ると、初球の甘く入った124キロスライダーをフルスイング。弾丸ライナーで、右中間席へ突き刺した。「先頭だったので出塁することを意識して打席に入りました。良い角度で上がってくれました」とコメントした。 村上にとって、松山での試合は19年4月16日阪神戦、17日の巨人戦と、全3戦で本塁打を記録。また、試合前時点では、巨人戦13試合で50打数20安打、7本塁打、17打点で打率4割。縁起がよく、好相性の相手からの1発でチームに勢いをもたらした。

◆令和に"村上水軍"が襲来するも、盟主を討ち取り切れなかった。 ヤクルト村上が、2試合連続となる28号ソロを放った。2回先頭で打席に入ると、初球の甘く入ったスライダーをフルスイング。弾丸ライナーで、右中間席へ突き刺した。表情を崩さず、淡々とダイヤモンドを回った。「先頭だったので出塁することを意識して打席に入りました。良い角度で上がってくれました」。0・5差で追う2位巨人を相手に、大事な先制点を奪った。 松山での試合は19年4月16日阪神戦、17日の巨人戦と、全3戦で本塁打を記録。南北朝時代から戦国時代にかけて瀬戸内海航路を支配した海賊のように、力を発揮。それでもチームは逆転負けで、2位浮上ならず。首位阪神とも3・5差に広がった。奪首に残されたのは57試合。指揮官からは「積極的に強く振ることができれば大きいのが打てる。臆病にならないでどんどんスイングを仕掛けてほしい」と期待された。

◆東京五輪の日本代表として金メダルを獲得したヤクルト山田哲人内野手(29)、村上宗隆内野手(21)が試合前に祝福の花束を贈呈された。 山田は準決勝の韓国戦(横浜)で決勝の3点二塁打を放つなど全5試合で1番打者として出場。打率・350、1本塁打、7打点、3盗塁の大活躍で、世界野球ソフトボール連盟(WBSC)が選定するMVPに選ばれた。 村上は決勝戦(横浜)の米国戦で、先制ソロ本塁打を放つなど、全5試合に「8番・三塁」として出場。打率・333、1本塁打、3打点の活躍だった。 同じく日本代表の巨人・坂本勇人内野手(32)、米国代表で銀メダルを獲得したヤクルトのスコット・マクガフ投手(31)、ドミニカ共和国代表で銅メダルを獲得した巨人のクリストファー・クリソストモ・メルセデス投手(27)にも花束が贈呈された。

◆ヤクルト・村上宗隆内野手(21)が「4番・三塁」で先発し、1―0の四回にバックスクリーン左に飛び込む27号ソロを放った。 「高橋さんが粘って頑張っていたので、援護したかった。良いところで打ててよかったです」 カウント1―2から巨人先発・高橋が投じた直球を完璧に捉えた。節目の通算100号本塁打まで8本となった。

◆巨人・丸佳浩外野手(32)が六回に同点の13号2ランを放った。後半戦4試合で3発目と乗りに乗っている。 巨人打線はヤクルトの先発左腕、高橋の前に攻めあぐねていたが、2点を追う六回、先頭の2番・坂本が左翼フェンス直撃の二塁打で出塁。続く丸が外角の直球を左中間席へ運び、高橋をマウンドから引きずり下ろした。 丸は14日の中日戦(東京ドーム)で2本塁打を放つなど後半戦好調だ。

◆巨人・丸佳浩外野手(32)が六回に同点の13号2ランを放った。後半戦4試合で3発目。 「なんとかバットに当てて1点と思い、打席に入りました。最高の結果につながりました。わっしょい、わっしょい!」とコメント。原監督が後半戦へ掲げたチーム一丸となる戦いを意味する「わっしょいベースボール」を体現する一発。これで高橋をマウンドから引きずり下ろした。

◆ヤクルト・山田哲人内野手(29)が2―2の六回に左翼席へ勝ち越しの26号ソロを放った。 「同点に追いつかれた直後にすぐ取り返すことができて良かったです」 巨人3番手・今村が投じた甘いフォークボールをすくい上げた。四回には村上が中越えの27号ソロ。東京五輪で金メダル獲得に貢献した侍2人がチームでも値千金の一発を放った。

◆巨人の高橋は四回途中まで2失点で10勝目はならなかった。一回2死三塁から暴投で1点を失うと、0―1の四回に先頭打者の村上にバックスクリーン左へ一発を運ばれた。続くオスナに左翼線へ痛烈な二塁打を浴びたところで交代を告げられた。 劣勢の試合展開で早めの降板とはなったが、直球に威力はあった。二回1死一塁でサンタナを直球で空振り三振に仕留めると三回には山田に対して直球をファウルさせた後、変化球で体勢を崩して左飛に抑えた。 東京五輪による公式戦の中断期間中は今月8日の日本ハム戦に登板しただけで、リーグトップの9勝を挙げて飛躍を遂げた前半戦の疲労回復とともに体の使い方を見直したという。白星は付かなかったが「しっかりした準備をしてマウンドに上がれればいい」と話していた通り、努力の成果は少なからず投球に表れていた。

◆セ・リーグの本塁打数トップを走る巨人・岡本和真内野手(25)が八回、中越えに29号ソロを放った。チームは六回に9失点し、大量ビハインドで迎えた八回の第4打席で大下の初球を捉えた。 セ・リーグの本塁打ランキングで、自身に次ぐ2位の村上が四回に27号ソロ、3位・山田も六回に26号ソロを目の前で放っていた。巨人の主砲も負けじと1本上乗せした。岡本和はこれで4年連続30本塁打まで1本に迫った。

◆ヤクルトが大勝で4連勝を飾った。2―2の六回に山田の勝ち越しソロや村上の2点二塁打などで一挙9点を奪った。八回もオスナの適時打と代打宮本の犠飛で2点を加えた。巨人は守備でミスを連発し、連勝が3で止まった。

◆巨人は六回、丸の2ランで追い付きながらその裏の守備が乱れて大敗した。2失策に野手の判断ミスが重なる悪循環で一挙9失点。首位阪神とは2ゲーム差となり、3位ヤクルトには0・5ゲーム差に肉薄された。 六回、3番手の今村がいきなり先頭打者の山田にソロを浴びた。1死後に名手の坂本がゴロを処理した後に一塁へ悪送球。1死一、三塁では岡本和が三塁線へのゴロをダイビングで好捕したが、一塁への送球がそれた。 リーグ最少の失策数と鉄壁を誇り、これまで守り勝ってきた巨人。3位ヤクルトとの大事な一戦でほころびを見せた。

◆2位の巨人は大敗し、後半戦初黒星を喫した。六回に2失策など守備のミスが絡んで9失点。ヤクルトには3戦連続の2桁失点となった。3位・ヤクルトとのゲーム差が1・5に縮まり、首位・阪神との差は2ゲームに広がった。原辰徳監督(63)が振り返る。 ――六回は4投手を投入 「ねえ。紙一重の勝負の中で、やっぱり何て言うんだろうな。野球というのは非常に難しいスポーツだなと。ああいうゲーム展開になるわけだからね。まあ、もちろんこういうことは、そうそうあっては欲しくはないけど、やっぱりこれもベースボールだしね。明日につなげるということが重要だと思いますね」 ――監督自らマウンドへ行って大江に投手交代を告げた 「『悪かった、今日はもう悪かった』ということでね。『もういいよ、ご苦労さん』って」 ――その前の攻撃で丸の2ランで追いついていた展開 「そうですね。非常に緊迫したいいゲームになっていたところがね。そこはさっき言った言葉ですよ」

◆ヤクルトは13安打13得点の猛攻で4連勝、巨人戦は3連勝とした。四回に村上宗隆内野手(21)が27号ソロを放つと、2―2の六回には山田哲人内野手(29)の決勝26号ソロをきっかけに一挙9得点。ホセ・オスナ内野手(28)も4安打3打点とクリーンアップが役割を果たした。高津臣吾監督(52)の一問一答は以下の通り ――理想的な展開で4連勝 「どの試合もそんな簡単に勝てる試合はないし、簡単に点を取れるわけではないし、簡単に防げるわけではないんですけど。きょうみたいに途中で追いつかれて競ったときに次の1点をどうやってとるか、次の1点をどうやって防ぐかというのはずっと言ってきた。あのビッグイニングもあったけど、よく粘るところは粘れたという試合だったのかなと思います。投手も、打つ方も」 ――山田、村上に後半戦初アーチ 「オスナも含めてあの3、4、5が打点を挙げる、走者を置いていい打撃ができるというのはやっぱり、どのチームもそうですけど、きょうみたい形はすごく理想なのかなと思います」 ――高橋は六回に足をつった 「ちょっと足がつったようですね。(内容は)いいところと悪いところがあって、きょうもよく粘ったところもあるんだけど、もっとピシャっと、6、7回いってほしかったなというのは正直なところです。ピンチで粘れたところもあるので、また次、期待したいと思います」 ――巨人に3連勝 「相手だったり対戦成績だったり、特別意識はしていないんですけど、何とか食らいついていかないといけない立場なので、全力で戦っている結果だと思います」

◆巨人にとっては悪夢のような光景だった。六回に丸の2ランで試合を振り出しに戻した直後に救援陣が崩れ、1イニング9失点で勝負あり。原辰徳監督(63)は「紙一重の勝負の中で、やっぱり野球というのは非常に難しいスポーツだと思います」と首を振った。 「わっしょいベースボール」を掲げて後半戦3連勝したが、この日はミスが響いた。六回は名手・坂本と岡本和が続けざまに悪送球。山田の一発と4本の適時打などが飛び出すなど出血を止められず、元木ヘッドコーチは「ミスが続くと点を取られる。リズムが悪かった」と厳しかった。 対ヤクルトは前半戦最後のカードで6-14、7-11と敗れており、3試合連続の2桁失点。首位・阪神とは2ゲーム差に開き、3位・ヤクルトには0・5ゲーム差に迫られた。指揮官は大敗でも「明日につなげるということが重要」と前を向き、バスに乗り込んだ。(伊藤昇)

◆セ・リーグ3位のヤクルトは17日、同2位・巨人との13回戦(松山)に13―3で大勝し、4連勝を飾った。四回に村上宗隆内野手(21)が27号ソロを放ち、2―2の六回には山田哲人内野手(29)が決勝の26号ソロをマーク。東京五輪で日本の金メダル獲得に貢献し〝お姫さま抱っこ〟でも注目された2人が、アベック弾で勝利を引き寄せた。チームは2位とのゲーム差を0・5に縮め、貯金をリーグ優勝した2015年以来となる「12」に伸ばした。 雨が止んだ松山に、何度もミニ傘が開いた。秋季キャンプの地で迎えた後半戦初の主催試合。日本中を歓喜させた2人の侍戦士が、燕党を沸かせた。まずは村上。四回先頭で鮮やかな27号ソロを放った。 「すごく気持ちいい本塁打が打てた。打席に立つ前にいい感覚、こうやったら打てるなという感覚があったので、結果が出てホッとしています」 巨人先発・高橋の直球を捉え、松山では前回開催の2019年に続く連発。東京五輪日本代表として米国との決勝で放った殊勲弾を〝再現〟するように、中堅左方向へアーチを架けた。 追い付かれた直後の六回には、先頭の山田が左越えの26号ソロを放った。対巨人の3戦連続2桁得点は20年ぶり。打線の爆発を呼ぶ今季6度目の村上とのアベック弾に「3、4番ですし、これからの試合もそう(2人が中心に)なってくる」と自覚を示した。 認め合い、切磋琢磨(せっさたくま)する2人。五輪の優勝決定後には21歳の村上が29歳の山田を〝お姫さま抱っこ〟して注目された。そんな同大会で山田は、大きな経験値を得たと振り返る。 「一人一人が今やるべきことを分かっていて、カバーし合っていた。これがチームだな、これはスワローズにも必要なことだな、と感じました」 主将の思いをくむように、チームは結束力を発揮し始めている。先発の高橋が六回途中で降板した後、今野が好救援を見せて直後の勝ち越しにつなげた。その攻撃では、山田が2度目の打席で1死満塁から空振り三振に倒れた後、村上が左中間への2点二塁打を放ち「何とかカバーしようという気持ち。打てて良かった」とうなずいた。 チームは中断期間を挟んで4連勝。2位・巨人とのゲーム差を0・5に縮め、貯金をリーグ優勝した15年以来の「12」に伸ばした。山田が「一体感を感じますし、一人一人の勝ちたいという思いを前半戦より強く感じる。強いチームだと思う」と言えば、村上も「上のチームに勝つことが全てなので良かった」と呼応した。 18日にも巨人に勝てば6月24日以来の2位に浮上する。主軸の2人を中心に、燕が頂を目指す。(赤尾裕希) ◆松山に恩返し 山田にとって、松山はプロ1年目のオフから毎年同地で自主トレを行っている縁の深い地。「すごくお世話になっている方がたくさんいて、感動を与えられたと思う」。村上は、秋季キャンプの思い出を振り返り「いつも厳しい練習でしんどいですけど、本塁打を打ててうれしい」と集まった1万1787人のファンに感謝した。

◆六回のブルペン勝負が明暗を分けた。 ヤクルトは五回まで無失点でしのいできた高橋が、六回に先頭から二塁打、ボーク、2ランで同点とされた。嫌な雰囲気の中で、2番手の今野がピンチを招きながらも、得点を許さなかったことが大きかった。 対照的に、巨人は追いついた直後に今村が先頭の山田に勝ち越しソロを浴びた。加えて野手陣の失策。原監督はなんとか食い止めようと救援陣をつぎ込んだが、手放した流れを取り戻すことはできなかった。 ヤクルトは前半戦から4連勝。2位・巨人に0・5ゲーム差と迫った。「これでいける」と言いたいところだが、もっと上に阪神がいるし、勝負はまだまだ先だ。この勢いを大切にしないといけない。 連勝が3で止まった巨人は、投手も野手も悪いものを全部出し切っての負け。今年は厳しさを押し出している原監督は絶対に、「きょうはしようがない」では終わらせないはずだ。チームの空気を引き締めるには、逆に良かったのかもしれない。(本紙専属評論家)

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
阪神
51343 0.600
(↑0.005)
-
(-)
55364
(+6)
318
(+2)
90
(+2)
75
(+2)
0.253
(↑0.001)
3.310
(↑0.02)
2
(-)
巨人
463310 0.582
(↓0.008)
2
(↓1)
54374
(+3)
323
(+13)
117
(+2)
52
(-)
0.253
(-)
3.400
(↓0.02)
3
(-)
ヤクルト
44329 0.579
(↑0.006)
2.5
(-)
58383
(+13)
339
(+3)
89
(+2)
53
(-)
0.255
(↑0.001
3.760
(↑0.01)
4
(-)
中日
334512 0.423
(↑0.007)
14.5
(-)
53257
(+3)
307
(-)
51
(+1)
44
(+2)
0.236
(-)
3.320
(↑0.03)
5
(-)
広島
314510 0.408
(↓0.005)
15.5
(↓1)
57310
(-)
367
(+3)
62
(-)
42
(-)
0.259
(-)
3.890
(-)
6
(-)
DeNA
314611 0.403
(↓0.005)
16
(↓1)
55347
(+2)
413
(+6)
86
(-)
19
(-)
0.260
(-)
4.480
(↓0.02)