DeNA(★2対6☆)阪神 =リーグ戦16回戦(2021.08.17)・東京ドーム=
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阪神
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DeNA
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勝利投手:青柳 晃洋(9勝2敗0S)
敗戦投手:濵口 遥大(5勝6敗0S)

本塁打
【阪神】佐藤 輝明(21号・3回表ソロ),佐藤 輝明(22号・6回表ソロ)

  DAZN
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◆阪神が3連勝。阪神は同点で迎えた6回表、佐藤輝の2打席連続となるソロで勝ち越しに成功する。その後は8回に梅野と近本の適時打が飛び出し、リードを広げた。投げては、先発・青柳が6回2失点7奪三振の好投で今季9勝目。敗れたDeNAは、打線が再三の好機を生かせなかった。

◆DeNA桑原将志外野手(28)は5月まで打率2割6分9厘も、6月以降は3割7分9厘の猛打で、リーグ2位に躍進。 特に阪神に相性が良く、45打数17安打の打率3割7分8厘で、先発した10試合ですべてヒットを打っている。

◆阪神戦を多く放送するサンテレビ(本社・神戸市)は史上初めて東京ドームからの中継となった。今夏は横浜スタジアムで東京五輪の野球競技が行われたため、DeNAは東京ドームでも試合を主催している。サンテレビは69年の開局から甲子園を中心に阪神戦を3000試合以上中継しているが、実況担当の湯浅明彦アナウンサー(46)は「この球場の放送席に入ったのは初めて。打球がどんな見え方をするか、距離感もつかめるかどうか。やってみないと分かりませんね」とぶっつけ本番で臨んだ。 ? ◆ちなみに阪神も... 阪神が88年開場の東京ドームで巨人以外と1軍公式戦を戦ったのは初めて。巨人の本拠地で他球団との試合となると、62年10月18日に後楽園で東映(現日本ハム)と日本シリーズ第5戦を戦った例がある。

◆阪神ドラフト1位佐藤輝明内野手(22)が先制点を呼び込んだ。初回1死満塁。カウント3-1から、左腕浜口の真ん中付近の変化球を捉え、右翼フェンス直撃の適時打。13日広島戦(京セラドーム大阪)以来、3試合ぶりの打点を挙げた。 サンズ、大山が四球を選び巡ってきた打席で冷静だった。初球の内角高めを見送り、2球目の低め変化球も見逃した。打者有利なカウントを作り、ストライクを取りにきた1球を逃さなかった。今季55打点目。クリーンアップのとりでとして、きっちりと仕事を果たした。

◆阪神ドラフト1位佐藤輝明内野手(22)が「新人左打者単独最多弾」をかっ飛ばした。3回にDeNA浜口から21号ソロを放った。7月7日ヤクルト戦(神宮)以来、公式戦中断期間を挟んで11試合ぶりの1発となった。 後半戦初の1発で、46年大下弘(セネタース)の20本を抜き、新人左打者単独トップ。右打者を含めたプロ野球全体では、59年桑田武(大洋)86年清原和博(西武)の31本が新人最多で、あと「10」とした。 阪神の新人最多は69年田淵幸一の22本で、こちらはあと1本に迫った。通算474本塁打の偉大な「ホームランアーチスト」の背中はすぐそこ。佐藤輝は「田淵さんはすごく偉大な方。そういった方と並べるように頑張りたい」と語っており、目前に迫った。 セ本拠地では唯一本塁打のなかった東京ドームで、今季7試合目で初本塁打となった。なお、阪神が同球場で巨人以外と戦うのは史上初だった。試合前まで打率3割4厘、3本塁打と好相性のDeNA戦で「セ全本拠地制覇弾」を決めた。 後半開幕戦の13日広島戦(京セラドーム大阪)は3安打発進を決めたが、その後2試合は9打数1安打。カードが替わった初戦で怪物ルーキーが息を吹き返した。

◆阪神ドラフト1位佐藤輝明内野手(22)が、2打席連発の22号ソロを放った。 同点の6回先頭で浜口の内寄りの直球を左中間席へ運んだ。これで阪神の新人最多、69年田淵幸一の22本に並んだ。 「しっかり自分のスイングができたので、ホームランになってくれてよかったですし、勝ち越しできて良かったです。田淵さんという偉大な方の記録に並ぶことができたことはすごく光栄ですし、素直にうれしいです。1本でも多く積み重ねていけるように頑張ります」。通算474本塁打の偉大な「ホームランアーチスト」に敬意を込めて、1発を振り返った。 3回には後半戦初の1発で、46年大下弘(セネタース)の20本を抜き、新人左打者単独トップに立っていた。右打者を含めたプロ野球全体では、59年桑田武(大洋)86年清原和博(西武)の31本が新人最多で、あと「9」とした。 5月28日の西武戦(メットライフドーム)で3発を放って以来、プロ2度目の1試合複数本塁打となった。

◆阪神青柳晃洋投手(27)が、東京オリンピック(五輪)で金メダル獲得後初のマウンドに上がった。ピンチの連続にも、118球の粘投で6回6安打2失点。1点のリードを守って降板し「球数も四球も多くなってしまいましたが、野手の方々に守ってもらい、なんとか粘り強く投げることができました」とコメントした。 初回は3者凡退と抜群の立ち上がりで、2、3回も危なげなく無失点。しかし2-0の4回、森と佐野の連打で1点を返された。なお1死満塁から柴田の二ゴロの間に三塁走者が生還し同点。さらにDeNAのリクエストにより二塁封殺がセーフ(記録は二失)に覆って、走者全員が残るピンチ。それでも青柳は表情を変えず、伊藤光を低め直球で右飛。最後は浜口を空振り三振に仕留め、最少失点で切り抜けた。 2日の東京五輪決勝トーナメント初戦、米国戦以来のマウンド。同戦では中継ぎで1回3失点と悔しい思いをし、中前打を許した米国代表オースティンともこの日再戦した。先頭の2回は中前打、4回は四球を与えたが、同点の5回1死一、二塁のピンチでは、きっちり投ゴロに打ち取り勝ち越しを許さなかった。 青柳はリーグ前半戦でチームトップの8勝を挙げ、防御率はリーグトップの1・79。7月12日DeNA戦(甲子園)以来の公式戦マウンドで頼もしい粘りの投球を見せた。

◆首位阪神が最下位DeNAと対戦し6-2で勝利。

◆阪神が佐藤輝明内野手(22)の2打席連続本塁打などで試合を優位に進めDeNAとのカード初戦に勝利した。 初回1死満塁から佐藤輝の右翼フェンス直撃の適時打で1点を先制。佐藤輝は3回1死から右翼へ21号ソロで加点し、2-2の6回無死でも左中間へ勝ち越しの22号ソロを放り込んだ。 8回は1死三塁から梅野隆太郎捕手(30)の中前適時打で1点を追加。さらに続く代打・糸井嘉男外野手(40)が右前打で一、三塁とチャンスを拡大し、近本光司外野手(26)が右翼線への2点適時二塁打を放って6-2と広げた。 先発の青柳晃洋投手(27)は3回まで1安打に抑えていたが、4回につかまった。無死二塁から佐野恵太外野手(26)の中前打で1点を返され、さらに1死満塁で柴田竜拓内野手(27)の二ゴロの間にもう1点を失った。それも5回1死一、二塁、6回2死一、二塁のピンチを乗り越え、6回2失点で自己最多に並ぶ9勝目をつかんだ。

◆先発はDeNA浜口と阪神青柳。阪神が1回1死満塁から佐藤輝の適時打で1点先制。3回も1死から佐藤輝の21号ソロで1点。 DeNAが4回に佐野の適時打などで2得点し、同点。6回に阪神が佐藤輝の2打席連続となる、22号左中間ソロで勝ち越した。 阪神が終盤にも加点し、突き放して3連勝。青柳が6回2失点でリーグトップタイの9勝目。DeNAは2連敗。浜口が6敗目。

◆佐藤輝明は東京ドームで初本塁打。これでセ・リーグ6球団すべての本拠地で本塁打を記録した。 阪神のドラフト新人では、69年田淵、80年岡田に続き3人目。また打点も57に増やし、48年別当と並んでチーム新人3位となった。

◆この日1軍に合流した阪神ロベルト・スアレス投手(30)が、最終回を無失点で締めた。 4点リードでマウンドに上がると、先頭の佐野を145キロチェンジアップで左飛。4番オースティンに左前打を許すも、宮崎を156キロツーシームで空振り三振。最後はソトを155キロツーシームで詰まらせ、一ゴロに仕留めた。 スアレスは球宴参加後、五輪中断期間を利用してリフレッシュを兼ねて一時出国。7月25日に再来日し、隔離期間を経て9日にチームに合流していた。 後半戦開幕には間に合わなかったものの、2カード目にはきっちり安定の守護神の姿を見せた。

◆阪神ドラフト1位佐藤輝明内野手(22)が、2打席連発の21、22号ソロを放つなど、チームの3連勝に貢献した。 3回の21号ソロに続き、同点の5回先頭で浜口の内寄りの直球を左中間席へ運んだ。これで阪神の新人最多、69年田淵幸一の22本に並んだ。 記録的な活躍を続けるルーキーはお立ち台へ。「すごい偉大な方に並べたっていうのは光栄ですし、うれしく思います」と喜んだ。 ? 佐藤輝のヒーローインタビューは以下の通り ? -今の気持ち 佐藤輝 「直接勝ちに結びついたのでとてもうれしいです」 -1本目のホームランは 佐藤輝 「厳しいコースだったんですけど、うまいこと打てました」 -インコース 佐藤輝 「厳しいコースだったんですけど、しっかり肘を抜いて打つことができたのでよかったです」 -2本目は 佐藤輝 「逆方向への当たりだったので、その点もすごいよかったかなと思います」 -逆方向への意識は 佐藤輝 「そうですね、逆方向にホームラン出る時は良いときなので、とても良い状態だと思います」 -球団記録に並んだ 佐藤輝 「すごい偉大な方に並べたっていうのは光栄ですし、うれしく思います」 -ここまでのプロ生活 佐藤輝 「うまくいっている部分もありますし、まだまだだと思う部分もあります」 -明日も期待していい 佐藤輝 「頑張ります」

◆阪神近本光司外野手が2打点、1得点で勝利に貢献した。初回先頭の第1打席では左中間へ二塁打を放ち、その後先制のホームを踏んだ。1死二、三塁の8回には右翼線へ2点適時二塁打。試合前には「チームはいい流れできている。自分たちの仕事をしっかりやって勝っていきたい」と意気込んでおり、まさにその仕事を全うした。後半戦は4試合で15打数7安打、打率4割6分7厘と虎の切り込み隊長は絶好調だ。

◆阪神梅野隆太郎捕手が攻守でチームを勝利へ導いた。守っては4投手を2失点でリード。打っても8回1死三塁で同じ日の丸を背負った山崎から中前に適時打を放った。「(植田)海が大事な場面で(二盗を決め)よく走ってくれた。何としてもかえすという気持ちで打ちました」。勝負強い男はこれで得点圏打率を4割4厘とした。ジャパンの大きな経験をもって、次は虎で金メダルを目指す。

◆阪神がDeNAに勝ち3連勝を飾った。佐藤輝明内野手(22)は今季2度目の1試合2発となる21号ソロ、22号ソロを放つなど3安打3打点と活躍した。先発青柳晃洋投手(27)は6回2失点で9勝目。矢野燿大監督(52)の試合後の一問一答は以下の通り。 -先発青柳は粘って青柳らしい投球 ヤギがよく粘って、同点で止めてくれた。最後の1イニング(6回)も行ってくれたことが大きい。久しぶりやけど、いい投球をしてくれた。 -佐藤輝がいいところで価値のある2発 まあ1本目がね、横から見ていてもすごくうまく打てたなというね。攻められるところ(内角)を打てたというのが、もう1本のホームランにもつながった可能性もあると思う。今日は中身の濃いホームランだったかな。 -ファウルを打ちながら打てる球を待てた いい打者はやっぱりそうなっていくよね。打ち方がよければファウルにもなっていくし。打てるボールが1打席の中で来るときもあれば、自分で引っ張り込んで行かないとだめだから。そういうところでは、もちろんアイツの中で大きな魅力だし。俺もそれに何の異論もないけど。やっぱりボールを振り過ぎちゃうと自分のペースに引き込めないから。決めにいくボールをファウルしていくと、バッテリーは苦しくなって、粘ってヒットというの出てくる。これからアイツが成長していく上ではそういう打撃は必要になってくる。 -田淵さんの記録に並んだ 大先輩の記録に並んだっていうのもすごいし。まだまだゲームあるんでね。30っていう目標も見えてくると思うし。もっともっと打ってもらいたい。 -復帰のスアレスはひと安心 もちろん、違和感というかね、久しぶりやから、そういうのはあるにしても、スアちゃんがいるというのは全体のブルペンの中で大きい。いてくれると安心感というのは増すんで。 -8回の攻撃は選手個々が仕事をした 海(植田)がまずあそこでプレッシャーかけたのは大きかったし、拓夢(中野)が追い込まれてからあの低め(のボール)で(走者を三塁に)進めたのもすごく大きい。それぞれが持ち味を出していい攻撃でした。

◆阪神新7回の男だ。後半戦から中継ぎ転向したラウル・アルカンタラ投手が3戦連続無失点とした。 7回に2番手で登板。1死一、二塁のピンチでは宮崎をスライダーで遊ゴロ、ソトを156キロ直球で一邪飛に仕留めた。「直球とスプリットがよかった。特にスプリットは意識して取り組んでいる球だから練習の成果をしっかり試合で出せてよかった」。全16球のうち半分を占めた球種に自信を見せた。

◆DeNAは阪神佐藤輝明内野手を抑え込めなかった。 浜口遥大投手が2打席連発ソロを含む3安打3打点を浴びた。制球に苦しみ、2回までに5四球を与えて球数は50を超えるなど、守りから流れをつくれず。初回はボール先行で適時打を許し、厳しいコースも本塁打された。三浦監督は「1人の打者に3打点ですか。いろいろ対策は考えてましたけど、でも打たれた。対策されている」。後半戦2連敗となった。 ▽DeNA浜口(6回途中3失点で6敗目)「終始テンポの悪い投球になり、攻撃のリズムに影響を与えてしまった。同じ打者に3安打3打点を許し、悔しい形になってしまいました」 ▽DeNA森(プロ初の3安打)「いつも練習でやっていることができたし、いろんな人のサポートがあって出せた結果なのでうれしい。また明日、新しい気持ちで練習から臨みたい」

◆阪神戦を多く放送するサンテレビ(本社・神戸市)は、史上初めて東京ドームからの中継を行った。 今夏は横浜スタジアムで東京五輪の野球競技が行われたため、DeNAは東京ドームでも試合を主催。サンテレビは69年の開局から、甲子園を中心に阪神戦を3000試合以上中継している。 放送開始前のニュースでは、リポーターの橋本航介アナウンサー(34)が生中継で登場。「サンテレビ初の、東京ドームからの実況です!」と連呼し、試合前からヒートアップした。実況担当の湯浅明彦アナウンサー(46)は「この球場の放送席に入ったのは初めてです。打球がどんな見え方をするか、距離感もつかめるかどうか。やってみないと分かりませんね」とぶっつけ本番で臨んだ。 記念すべき一戦は、佐藤輝の独壇場。1回にフェンス直撃の先制タイムリーを打つと、第2、第3打席で本塁打を連発した。69年田淵幸一と並ぶ球団新人最多の22本塁打という快挙も達成され、サンテレビの歴史的な中継に花を添えた。 実況を終えた湯浅アナは「第1打席の当たりはフェンスに当たるとは思わず、少し驚きましたが、ホームランは2本ともよく見えましたよ」。同アナは、近大時代から佐藤輝の取材を続けており「私は98年入社です。その年度中の99年3月に生まれた佐藤選手には、縁を感じてきました。わが社にとって大きな節目となる試合が彼の快挙と重なり、私にとっても一生忘れられない実況となりました」と感慨深げだった。 ◆ちなみに阪神も... 阪神が88年開場の東京ドームで巨人以外と1軍公式戦を戦ったのは初めて。巨人の本拠地で他球団との試合となると、62年10月18日に後楽園で東映(現日本ハム)と日本シリーズ第5戦を戦った例がある。

◆阪神岩崎優投手は本来の持ち場に戻り、無失点でバトンをつないだ。 4点リードの8回に登板。2安打で1死一、二塁とされても動じず、1番桑原、2番森を2者連続空振り三振に仕留めた。スアレスの不在に伴い、15日広島戦は9回登板で今季初セーブを記録。守護神の1軍合流を受けて「8回の男」に復帰し、難なくゼロを並べた。

◆阪神ロベルト・スアレス投手(30)が後半戦初登板でゼロ封を決め、首脳陣を安心させた。 1軍合流日の9回、4点リードの場面で登板。3番佐野からの好打順を1奪三振1安打で無失点。「自分のことよりも勝ったことが大きい。その中で投げさせてもらえたので、そういった意味では良かった」と冷静に喜んだ。 まずは佐野をチェンジアップで左飛に仕留める。4番オースティンに左前打を許した後、5番宮崎は156キロツーシームで空振り三振。6番ソトからは155キロツーシームで詰まらせて一ゴロを奪った。最速は158キロを計測。オースティンの打球速度164キロが電光掲示板に表示されると、自身が持つ虎最速163キロの更新かと東京ドームがザワめくほど、強い速球は健在だった。 球宴登板後に一時出国し、7月25日に再来日。隔離期間を経てシート打撃などで状態を上げ、調整登板なしでこの日1軍復帰したばかりだった。リーグトップ25セーブを誇る守護神の危なげない内容に、矢野監督は「もちろん久しぶりだから違和感はあるにしても、スアちゃんがいるのはブルペン全体の中で大きい。いてくれると安心感が増す」と納得顔。救援陣がさらにどっしりとしてきた。【佐井陽介】

◆阪神ドラフト1位佐藤輝明内野手(22)が、2打席連発の21、22号ソロを放つなど、チームの3連勝に貢献した。新人左打者の22本塁打は46年大下(セネタース)の20本を抜く新記録で、阪神で新人の22本は69年田淵に並ぶ球団タイ記録。1試合2本以上のマルチ本塁打は、3本打った5月28日西武戦以来2度目で、2打席連発は初めて。阪神の新人で2打席連発は48年10月16日別当、69年4月13日、同年10月16日田淵、14年7月1日梅野に次いで4人、5度目となり、2度のマルチ本塁打は田淵以来2人目の球団タイ記録。

◆阪神青柳晃洋投手(27)が"凱旋(がいせん)登板"で、自己最多に並ぶ9勝目を手にした。次々やってくるピンチにも粘り抜き、118球の力投で6回6安打2失点。「オリンピックのせいで調子が悪くなったとか言われたくなかった。もし今回の登板とか良くなければ、選んでもらった(侍ジャパン監督の)稲葉さんとかにも悪い気持ちだったので。今回はすごく気合を入れて投げました」。国際舞台を経験した右腕は強かった。 ともに東京五輪で金メダルを獲得した梅野のミットに、迷いなく投げ込んだ。同点の5回1死一、二塁で迎えたのは、米国代表の4番オースティン。決勝トーナメント初戦で集中打を浴びたうちの1人だった。直球2球で追い込むと6球目、外のカットボールで投ゴロ。第1打席で中前打を許した強打者を勝負どころで打ち取った。 人生初の日の丸を背負った五輪。青柳は中継ぎで2度登板したが、どちらも失点を喫した。「僕の中ではすごい経験」。そう振り返るのは、実感から学んだことがあるからだ。どこで投げるか決まっていない中継ぎの難しさ。ブルペンで肩を作っても登板しないこともあった。「中継ぎのつらさ、いつ行くか分からないつらさというのを知った。僕が先発の時はなるべく役に立ちたい」。リリーフ陣が少しでも楽に準備できるように。先発としての責任感はまた強くなった。 自身7連勝で19年に並ぶ9勝目。矢野監督も「流れ的に嫌な流れやったから。ヤギがよく粘って、同点で止めてくれたから。久しぶりやけどいいピッチングしてくれた」とたたえた。 「テル(佐藤輝)のおかげで僕に勝ちがついたと思うので、このままたくさん打ってほしいです」。3打点のルーキーをはじめ女房役の梅野、懸命に守ってくれた野手陣に感謝した。心強い味方とともに、次はセ・リーグの頂点を目指す。【磯綾乃】

◆阪神の佐藤輝明内野手(22)がプロ初の2打席連発で69年に田淵幸一がマークした球団新人最多記録の22本塁打に並んだ。DeNA戦(東京ドーム)でともに浜口から3回と6回に21、22号ソロ。1リーグ時代の46年に「青バット」の大下弘(セネタース)が記録した新人左打者の歴代最多も2本更新した。初回の先制打と合わせて猛打賞でチームの3連勝に大きく貢献した。佐藤輝がファンと公言する「ももいろクローバーZ」の「Zポーズ」を改良した。本塁打後にベンチ前で親指の腹同士をくっつけてZの文字を作るパフォーマンスを決めてきた。新型は手のひらを内側に向けて「チョキ」をつくり、右人さし指と左中指を重ね合わせてZをかたどった。7月下旬に「ももクロ」のオンラインファンミーティングで「推しメン」の高城れにが披露したもので、エキシビションマッチでのテストをへて22号の後に「新Zポーズ」を繰り出した。パフォーマンスも進化を止めていない。 ▼新人左打者の22本塁打は46年大下(セネタース)の20本を抜く新記録で、阪神で新人の22本は69年田淵に並ぶ球団タイ記録。1試合2本以上のマルチ本塁打は、3本打った5月28日西武戦以来2度目で、2打席連発は初めて。阪神の新人で2打席連発は48年10月16日別当、69年4月13日、同年10月16日田淵、14年7月1日梅野に次いで4人、5度目となり、2度のマルチ本塁打は田淵以来2人目の球団タイ記録。

◆阪神の佐藤輝明内野手(22)がプロ初の2打席連発で69年に田淵幸一がマークした球団新人最多記録の22本塁打に並んだ。DeNA戦(東京ドーム)でともに浜口から3回と6回に21、22号ソロ。1リーグ時代の46年に「青バット」の大下弘(セネタース)が記録した新人左打者の歴代最多も2本更新した。初回の先制打と合わせて猛打賞でチームの3連勝に大きく貢献した。真夏の"怪弾"だ。佐藤輝が内角球に反応した。3回1死。追い込まれてから浜口の141キロ直球に左肘をたたみ、右脇を大きく開けて体を回転させた。右翼席中段に着弾する21号ソロに納得顔だ。 「あそこを攻められるのは分かっていますし、なんとか粘って、厳しいコースだったんですけど、しっかり肘を抜いて打つことができました」 後半戦初アーチは、唯一1発のなかった東京ドームでの「セ全本拠地制覇弾」。46年大下弘の20本を抜き新人左打者単独トップに立つと、ノンストップで快音を響かせた。同点の6回先頭。またも浜口の内角直球を、今度は左中間へ持っていった。 「逆方向にホームランが出る時は良い時。とても良い状態だと思う」 球団新人最多、69年田淵幸一にあっさりと並んだ。決勝の22号ソロ。通算474本塁打のレジェンドにリスペクトを込めて偉大な記録をかみしめた。 「すごいホームランバッターっていうのはもちろん知っています。田淵さんという偉大な方の記録に並ぶことができたことはすごく光栄ですし、素直にうれしいです」 5番打者として、ライバルたちを震え上がらせる怪物にも"弱点"がある。近大時代の夏。野球部の寮仲間は、テレビで怪談話を見て盛り上がっていた。佐藤輝は1人、蚊帳の外...。 「大丈夫じゃないです。絶対見ない。得することがないので...」 187センチ、94キロの大男が体を縮こまらせ、真顔で首を横に振る。「それで夜トイレ行くの怖くなったら嫌なんで」。打席では見せない弱気な表情もまた、22歳の素顔だ。 そんなルーキーは、初回にも右翼フェンス直撃の先制適時打を放った。DeNA投手陣を青ざめさせる3安打3打点で3連勝に導いた。矢野監督も「1本目がすごくうまく打てたなと。大先輩の記録に並んだっていうのもすごい。最初のタイムリーもそうやし、今日は中身の濃いホームランだった」と手放しでたたえた。2位巨人が敗れてゲーム差は2に拡大。阪神が宿敵のいない東京ドームでさらに引き離す。【中野椋】 ? ◇ 新人左打者の22本塁打は46年大下(セネタース)の20本を抜く新記録で、阪神で新人の22本は69年田淵に並ぶ球団タイ記録。1試合2本以上のマルチ本塁打は、3本打った5月28日西武戦以来2度目で、2打席連発は初めて。阪神の新人で2打席連発は48年10月16日別当、69年4月13日、同年10月16日田淵、14年7月1日梅野に次いで4人、5度目となり、2度のマルチ本塁打は田淵以来2人目の球団タイ記録。

◆阪神・佐藤輝明内野手(22)が先制打を放った。 一回1死満塁の場面で打席に向かうと、カウント3-1から5球目。浜口の127キロチェンジアップを捉えた。打球は右翼フェンス上段に直撃。ルーキーが幸先よく先制点をもたらした。 佐藤輝はこれで、満塁での打率・417(12打数5安打)。直近は4打席連続で空振り三振と影を潜めていた虎の〝満塁男〟が帰ってきた。

◆阪神・佐藤輝明内野手(22)が一回1死満塁から、右翼フェンス直撃の先制打を放った。 「先制のチャンスだったので、しっかりいいところで打つことができてよかったです」。佐藤輝はこれで満塁での打率が・417(12打数5安打)となった。

◆阪神・佐藤輝明内野手(22)が、三回に21号ソロを放って追加点を挙げた。 「追い込まれていましたが、何とか粘って、インコースの球にうまく反応できました」 1-0の三回1死。カウント1-2から6球目、内角高めに投じられた浜口の141キロ直球をとらえた。打った瞬間の当たりは、無人の右翼スタンドに一直線。ゆっくりとダイヤモンドを1周した。 公式戦は7月7日のヤクルト戦(神宮)以来となる21号。セ・リーグの本拠地球場で、唯一ホームランのなかった東京ドームでついにアーチをかけた。黄金ルーキーはこれで、1969年に田淵幸一が記録した球団新人最多の22本塁打まであと「1」と迫った。

◆阪神・佐藤輝明内野手(22)が、五回に勝ち越しの22号ソロ。プロ初の2打席連発弾で、1969年に田淵幸一がマークした球団のシーズン新人最多記録に並んだ。 「しっかり自分のスイングができたので、ホームランになってくれてよかったですし、勝ち越しできてよかったです」 2-2の六回先頭。カウント1-1から3球目、浜口の137キロを逆方向に運んだ。白球は左中間スタンドへ。三回の第2打席に続く一発で、この日の全3打点をたたき出した。 球団のレジェンドに肩を並べた黄金ルーキーは「田淵さんという偉大な方の記録に並ぶことができたことはすごく光栄ですし、素直にうれしいです。1本でも多く積み重ねていけるように頑張ります」とさらなる高みを見据えた。

◆阪神が梅野隆太郎捕手(30)、近本光司外野手(26)のタイムリーでDeNAを突き離した。 3―2の八回に先頭のロハスの中前打から1死三塁のチャンスを作り、梅野がDeNA・山崎の直球を中前へはじき返して1点を追加した。「(植田)海が大事な場面で良く走ってくれましたし、中野がしっかり進塁させてくれたので、何としてもかえすという気持ちで打ちました。追加点を取ることができてよかったです」と振り返った。 直後の代打・糸井も右前打で続いて、なおも一、三塁とし、近本が右翼線へ2点打を放ってリードを広げた。近本は一回にも左中間二塁打を放っており、これで後半戦4試合連続安打&3試合連続のマルチ安打と絶好調だ。

◆阪神は黄金ルーキーの大活躍でDeNAに勝利した。 一回、佐藤輝が先制の適時打を放つと、三回には右越えのソロで追加点を挙げた。 さらに2―2の六回には浜口の137キロ直球を左中間席へと運んで今季22号とし、1969年の田淵幸一の球団新人シーズン最多本塁打記録に並んだ。ドライチはこの試合で3安打3打点と爆発した。 チームは八回に梅野のタイムリーと近本の2点打で3点を追加した。 東京五輪後初先発となった青柳は6回6安打2失点と試合を作り、巨人・高橋と並ぶセ・リーグトップタイの9勝目を挙げた。 チームは3連勝で首位をキープした。

◆DeNAの高卒2年目・森敬斗内野手(19)が「2番・遊撃」で先発出場し、プロ初の猛打賞をマークした。 「チームの戦力として貢献できるように頑張ろうと思いました。いつも練習でやってることができたし、いろんな人のサポートがあって出せた結果なので嬉しいです」 後半戦ではこの日が初めてのスタメン。四回先頭で青柳(阪神)から中越え二塁打を放つと、続く佐野の中前適時打で本塁に生還。1―2と迫り反撃の糸口をつくった。さらに五回1死では遊撃の深いところへ内野安打、七回先頭では快足を飛ばして二塁内野安打をもぎとり、チャンスメーク。持ち前のスピードを存分に生かし躍動した。 二遊間はベテランの大和をはじめ、柴田、D2位・牧(中大)らがひしめき、現状ではレギュラーが固定されていない状況にある。成長著しい19歳は次戦に向けて「また明日新しい気持ちで練習から臨みたいと思います! チームに貢献できるようにしていきたいです」と力を込めた。

◆阪神・佐藤輝明内野手(22)が六回、勝ち越しの22号ソロを放ち、田淵幸一が持つ球団新人最多本塁打に自身初の2打席連続アーチで並んだ。先発の青柳晃洋投手(27)は6回2失点でハーラートップタイの9勝目(2敗)を挙げた。試合後の矢野耀大監督(52)の一問一答は以下の通り。 ーー青柳はよく粘った 「立ち上がり(の攻撃で)、もうちょい点を取れるところがあったし、嫌な流れやったから。ヤギがよく粘って、同点で止めてくれたから。最後の1イニングも行ってくれたことが大きいし。久しぶりやけどいいピッチングしてくれた」 ーー佐藤輝が価値のある2発 「1本目がね、横から見ていても、すごくうまく打てた。攻められるところを打てたというのが、もう1本のホームランにもつながった可能性もあると思うし。まあ、場面的にも最初のタイムリーもそうやし、きょうは中身の濃いホームランだったかな、と」 ーーファウルを打ちながら打てる球を待てた 「いいバッターはそうなっていくよね。打ち方が良ければファウルにもなっていくし。打てるボールが1打席の中で来るときもあれば、自分で引っ張り込んで行かないとだめだから。そういうところでは、アイツの中で大きな魅力だし。俺もそれに何の異論もないけど。やっぱりボールを振り過ぎちゃうと自分のペースに引き込めないから。決めに行くボールをファウルしていくと、やっぱりバッテリーは苦しくなって、粘ってヒットも出てくるから。1打席の中でそんなに多くあるわけじゃないからね。これからアイツが成長していく上ではそういうバッティングは必要になってくる」 ーー田淵さんの記録に並んだ 「そりゃもうね、大先輩の記録に並んだっていうのもすごいし。まだまだゲームあるんでね、30っていう目標も見えてくると思うし。もっともっと打ってもらいたい。チカ(近本)の時もね、長嶋さんの名前が出てきたりしたけど、そういうことはどんどんやっていってくれたらファンの人も喜んでくれるし。どんどんクリアしていってもらいたいかな」 ーースアレスはひと安心 「違和感というかね、久しぶりやから、そういうのはあるにしても、スアちゃんがいるというのは全体のブルペンの中で大きいんで。いてくれると安心感というのは増すんで」 ーー八回の攻撃は選手個々が仕事をした 「海(植田)がまずあそこでプレッシャーかけたのは大きかったし、拓夢(中野)が追い込まれてからあの低め(のボール)で(走者を)進めたのもすごく大きいし。本当につなげたっていうね。早い回にああいう攻撃したかったんだけど、それぞれが持ち味を出していい攻撃でした」

◆DeNAの浜口は大物ルーキーに屈した。一回に1死満塁から佐藤輝に右翼フェンス直撃の先制適時打を浴びると、三回と六回はソロ本塁打。六回途中3失点で6敗目を喫し「同じ打者に3安打3打点を許し、悔しい形になってしまった」と唇をかんだ。 6月25日の阪神戦で左脇腹を痛めて戦列を離れ、この日がそれ以来の1軍公式戦の登板だった。6四球とテンポの悪い投球となり、三浦監督は「最少失点で踏ん張っていたが、あれだけボール先行だと苦しくなる」と指摘した。

◆どんな壁にぶつかり、どう取り組んできたか。誰より近くから、誰より鋭い視線で佐藤輝を見つめてきた。そんな矢野監督だから、この2発には思わずうなった。さらに田淵氏にも並んだとあっては、もうどこまででも飛ばせ、伸ばしていけと願うしかなかった。 「そりゃもう大先輩の記録に並んだっていうのもスゴいし。まだまだゲームがあるんでね。『30』っていう目標も見えてくると思う。もっともっと打ってもらいたい」 さらなる大台も狙えると期待するのは、三回の21号ソロの方に〝光を見た〟からだ。あの6球目まで持っていったこと、あのボールをスタンドまで持っていったことが、これまでの佐藤輝とは明らかに違っていた。 「1本目がね、横から見ていてもすごくうまく打てたな、と。(いつも)攻められるところを打てたというのが、もう1本のホームランにもつながった可能性もあると思う。場面的にも、最初のタイムリーもそうやし、きょうは中身の濃いホームランだった」 三塁側ベンチから見つめていても、捕手の目線で冷静に見つめている。打席の中で主導権を手放さず、これまでやられていたインハイを打ち抜いた佐藤輝が、どこまでも頼もしかった。強く振っていく姿勢に関しては、指揮官も「何の異論もない」と改めて強調した。ただその中でも、もっと相手を苦しめる打者になれる。「ボール(球)を振り過ぎちゃうと自分のペースに引き込めない。(投手が)決めに行くボールをファウルしていくと、バッテリーは苦しくなって、粘ってヒットというのも出てくる」と期待する。苦しめた一発と、そこから生まれたもう一発を、道しるべにしてほしい。「チカ(近本)のときも、(新人安打記録更新で)長嶋(茂雄)さんの名前が出てきた。どんどんやっていってくれたらファンの人も喜んでくれる。どんどんクリアしていってもらいたい」このままどこまでも進んでいくことを、誰より矢野監督が期待している。(長友孝輔)

◆侍ジャパンの一員として世界の頂点に立った青柳が、自己最多タイの9勝目をあげる力投で虎を〝セ界〟のてっぺんに踏みとどめた。6被安打も118球を投げて7三振を奪い、6回2失点。再三の危機も乗り越えた。 「久々の先発だったので、ペース配分とかもわからなかった。球数も多かったですけど、投げられたのでよかった。後半戦もこのまま勝ち続けていけたらいい」 東京五輪で2日の準々決勝・米国戦(横浜)以来、約2週間ぶりの実戦登板。2-0の四回に佐野の中前適時打で1点差に詰め寄られ、四球と安打で塁が埋まると、柴田の二ゴロの間に追いつかれた。さらに二塁封殺がリプレー検証の結果、糸原の失策となり、満塁の大ピンチは継続。それでも後続を断ち、五、六回も得点圏に走者を背負いながら、踏ん張った。 「オリンピックのせいで調子が悪くなったとかいわれたくなかった。今回の登板とかよくなければ、選んでもらった稲葉さんにも悪い気持ちだったから。すごく気合を入れて投げました」 五輪では不慣れな中継ぎ待機で苦戦したが、稲葉監督と仲間に何度も救われた。「メダルはほぼもらったことない。全国大会も出たことがない。県大会とかも、メダルがもらえるところまでいっていない」と自身のキャリアを振り返る。最高の仲間との戦いの日々を経て、金メダルを手にした。成長できた1カ月への感謝も込めた1勝だ。 5月5日のヤクルト戦(神宮)から自身7連勝とし、この日の白星でセ・リーグトップタイ。勝利数と規定投球回数以上の投手で防御率(1・87)の2冠に躍り出た。 「テル(佐藤輝)のおかげで僕に勝ちがついたので、このままたくさん打ってほしい。チームが優勝するためには、テルが打たないといけない。頑張ってほしいです」 後輩への感謝も忘れなかった。首位は譲らない。次は虎を頂点へ導く原動力になる。(新里公章)

◆レジェンドに並んだゼ~ット! 阪神は東京ドームで行われたDeNA戦に6―2で快勝。佐藤輝明内野手(22)が先制打に21号ソロ、決勝の22号ソロを放った。1969年田淵幸一の球団新人本塁打記録に並び、左打者としては歴代単独最多に浮上。元気いっぱいのルーキーがけん引し、チームは6月以来の3連勝。2位巨人との差も「2」に広げたぜ! 東京ドームを舞った白球は、夢と希望に満ちたメモリアルアーチとなる。佐藤輝が虎のレジェンド・田淵幸一に肩を並べた。光り輝く黄金伝説の第2章。再び走り始めた怪物ルーキーが、記録尽くめの一日を2度目のZポーズで締めた。 「勝利に直結したというところが一番。(田淵さんは)すごいホームランバッターというのは、もちろん知っています。偉大な方に並べたというところですごく光栄ですし、うれしい」 東京五輪で横浜スタジアムを使用したため、DeNA戦ながら舞台は東京ドーム。オレンジ色が青色に変わっていたが、主役は黄色の黄金ルーキーだった。2-2の六回先頭。浜口の内角137キロ直球に反応した。勢いよく飛び出した白球にドームがどよめく。左中間席に吸い込まれる決勝の22号ソロ。1969年に田淵が作った球団新人最多本塁打記録に並ぶ快挙に拍手が湧き起こった。 一回は右翼フェンス直撃の先制打。三回は右翼席へ21号ソロ。これは1946年の大下弘(セネタース、20本)を上回り左打者の新人最多となる一発だった。さらに東京ドーム初アーチでセ・リーグの本拠地を制覇、プロ初の2打席連発。たった1日で、これだけの記録を作ってみせた。 「記録を作れたというのは光栄。でもまだまだ試合があるので、どんどん積み重ねていければ」 数々の記録を作ろうとも、まだまだ進化の歩みは止めない。それは野球だけに限らない。人間的にも大きな〝成長〟を遂げていた。6月4日のソフトバンク戦(甲子園)。ヘッドスライディングをした試合後、プロに入ってから初めて近大の恩師・田中秀昌監督からメールが届いた。「けがが一番怖いから、ヘッドスライディングはやめてくれ」身を案じる師匠に「とっさに出ました。これから気を付けます」と返した。以前ならここで終わり。ただ、今回はビックリした続きがあった。「監督さんもコロナに気を付けて、健康だけはくれぐれも気を付けてください」田中監督は「ちょっと気持ち悪かったぐらいですよ」とおどけながらも「人としてしっかり成長してくれていると思います」と目を細めた。野球の技術だけではない。何気ない会話のなかでも細やかな気配りができる、立派な社会人になった。一人の人間としても成長しているからこそ、偉大な結果がついてくる。「きょうのようなチームに貢献できるバッティングをして、首位をキープしてやっていきたい」2位巨人が敗れたためゲーム差は「2」に広がった。虎の勝利、そして悲願のリーグ優勝に向かって、これからも無数のアーチをかける。(原田遼太郎)◆数字お化け級でも...どんな状況、投手からでもアーチを描き、次々と記録を塗り替える怪物ルーキー・佐藤輝。打席での振る舞いも落ち着いており、その度胸は新人離れしています。もはや怖いものなし? で突き進んでいる印象ですが、実はオバケが大の苦手で「(心霊動画などは)絶対見ないです。怖いし、それで夜にトイレ行くのが怖くなったら嫌なので」と答えるかわいらしい一面も。野球ではこれからもフルスイングを続けて〝お化け級〟の数字を残してください!

◆出ました! 佐藤輝の東京ドーム1号。浮かれていたら、虎の新人記録に並ぶ22号まで飛び出した。やっぱり、この男はすごい。1発目が「39打席ぶり。久々のホームラン」と実況アナウンサーが叫んでいたけれど、ずっと見ている立場からすれば、アレっという感じだった。 7月下旬から8月上旬にかけて、タイガースはエキシビションマッチを計11試合、戦った。五輪に夢中になっていた方が多いかもしれないが、その裏で行われていた〝真夏の練習試合〟でサトテルは5発もスタンドイン。ずっと打ってる感じ。1カ月以上ぶりとか、39打席ぶりとか言われても「?」なのだ。 それにしても、何とも不思議な気分だ。東京ドームでDeNAと戦っているタイガース。東京五輪で横浜スタジアムが野球のメイン会場となり、五輪仕様に〝衣替え〟。現在、元のハマスタに戻す撤収作業が続いており、応急措置としてDeNA主催ゲームが、ジャイアンツのホームで開催されたわけだが...。 「球場全体が巨人色のオレンジではなく(DeNA色の)青くなっているのがまず変ですよね。流れる曲も違いますし」 トラ番キャップ・長友孝輔が違和感だらけの様子を伝えてきた。阪神戦中継でおなじみのサンテレビも、開局以来初めての東京ドームからの中継だった。ある意味、歴史的大事件だったのだ。 とはいえ、この異常気象が続く日本列島で、ドームのおかげで何の支障もなくプレーボールがかかる幸せ。長友がしみじみと語りだした。 「甲子園の高校野球は気の毒でしたよね。あの泥だらけの中でプレーして、最後はコールド。ぬかるみ具合は、あのDeNA戦以上にひどかったような気がします」 トラ番キャップの記憶によみがえったのは、2017年10月15日。甲子園でのクライマックシリーズ第1ステージは、この日と同じく阪神とDeNAの対決だった。試合前から降りしきる雨でも審判団は試合を強行。結果、球史に残る泥んこ試合。内野グラウンドにできあがった水たまりに、スコアボードがキレイに映し出されるほどの水浸しだった。あれ以上-。ということは、史上ワーストに劣悪だったことになる。 「今回の場合は、降り続いた雨が甲子園の土にしみ込んでいて、そこにさらに降り続いたために、一気に水が浮き上がってきたんです」 なるほど。実に説得力のある長友の説明だったが、どっかで聞いたことがあるような??? 「すいません。すべて長年取材してきた金沢さんの受け売りです」 金沢さんとは、甲子園の球場整備のスペシャリスト軍団・阪神園芸の甲子園施設部長・金沢健児さんのこと。雨が降るたびに金沢さんを取材して、丁寧に教えてもらっているから、いつの間にか、知識だけは増えてしまい、トラ番記者は「雨の日の甲子園」を語れるようになっている。 「阪神園芸のおかげですよね、何とか高校野球ができているのは。甲子園が中断するたびに、テレビの中の金沢さんを探してしまってます。五輪で日本中が大いに盛り上がった夏ですが、いつの間にか、最大のヒーローは阪神園芸になってきてますね」 長友の言葉に思わずうなずいてしまったが、やっぱり主役は選手でなければ。負けちゃダメだぞ、佐藤輝!

◆♪君が代は~オウオウ、オウオウ阪神タイガース、フレフレフレフレ~、2020東京五輪金メダリスト虎戦士お披露目勝利バンザーイ!! 阪神OBの岡田彰布さん風にいえば「そりゃそうよ! 世界一になったバッテリーがおるのに負けるかいな!」。う~ん、正しくそりゃそうよなのだ!! 金メダリストの先発・青柳が6回2失点で中継ぎにバトンを渡せば、八回のマウンドにはこれまた金メダリストの岩崎が登場して無失点リリーフ(よっしゃ!! 米国との決勝戦での好リリーフを思い出したでエ!!)。 そして、2投手を見事にリードした梅ちゃんは、八回に同じく金メダリストの山崎との対戦で、貴重な追加点となるタイムリーを放ったんだから、もう超金メダルを与えさせてくださ~い!! いや、超金メダルといえば...。六回までに2アーチ(22号は田淵さんの球団新人記録に並んだし)を含む3安打3打点の佐藤輝には『ダイヤモンドメダル』を贈るのだ!! 後半戦も猛虎はほえるでエ!!

◆阪神・佐藤輝明内野手(22)が17日、DeNA戦(東京ドーム)で22号ソロを放ち、1969年に田淵幸一がマークした球団新人記録に並んだ。現役時代に田淵氏とバッテリーを組んでいた本紙専属評論家、上田二朗氏(74)は、佐藤輝を「田淵さんとそっくり」と評した。また、佐藤輝の祖父・勲さん(82)も、いち野球ファンとして見た田淵氏を懐かしく思い返した。 あの田淵さん以来のシーズン22本塁打と聞かされると、改めて佐藤輝の「何十年に一人」のスケールの大きさを感じずにはいられない。しかも、この日の1本目は内角の難しいコース。2本目は内角低め。投手は投げるコースがなくなるようなすごい内容だ。 田淵さんは私より1学年先輩。田淵さんがドラフト1位で阪神入りした翌年に、私が1位で阪神に入団した。大学時代から「法大の田淵」といえば、強打者として鳴り響いていたし、プロ1年目から22本塁打を放って新人王獲得の活躍は知っていたから、「あの田淵さんが味方で投げられるのか」「バッテリーを組めるのか」という喜びがあった。 大学時代、私は田淵さんをほぼ完璧に抑えていたから「敵として抑える自信はある」と思っていたのも事実だが、味方にすればやはり頼もしかった。私の登板日によく援護弾を放ってくれた記憶が強い。シーズン22勝をマークした1973年などは先発すると彼が11発。ホントに相性が良かったんだと思う。 天性のホームランバッターだった。打球が高く舞い上がって、美しい弧を描いてスタンドへ飛んでいく。誰もが「あぁ、ホームランだ」と眺める時間があった。弾丸ライナーを叩きこむ佐藤輝とは、飛びぬけた飛距離では相通じる点があるけれど、ホームランの軌道は全く違うタイプだ。 でも、2人を比較して見ていると、よく似ていると感じることがある。物おじしない。オドオドしない。「田淵さんソックリだな」と思わず笑ってしまうことがある。 田淵さんはチャンスで凡退が続いても、1試合で3つも4つも三振しても、何事もなかったかのように明るかった。試合後のロッカーでも冗談を言ったり、イタズラをしてきたり。内心「そんな態度でいいの?」と首をひねるぐらいにうらやましい性格だった。聞けば、佐藤輝も全く動じない、クヨクヨしないらしい。「プロ向き」なんだろう。オンとオフの切り替えがうまくできるタイプと表現すればいいか。 本塁打王のタイトルを獲得し、やがては400本以上放って、歴史に名を残す打者になるだろう。その成長を、楽しみに見守っていきたい。(本紙専属評論家) ◆輝じいちゃん「清原抜いて」 宮城県に住む佐藤輝の祖父・勲さんは、孫の偉業達成を確信していた。 「打ってくれると思いますよ。私としてはそう焦らずに、(田淵氏を)一本でも越してくれれば...いや、30本くらいは打ってほしいかな」 自身、若かりしころは国鉄スワローズ(現ヤクルト)のファン。現役時代の田淵氏の栄華をテレビや新聞を通して目撃してきた。大きな体に長い手足。そこから繰り出される豪快なアーチは、今も記憶に残っている。 「輝明とはまず手首のスナップが違う。田淵さんはすごかった。柔らかくてね、強い。打った瞬間、ピシッと体が回って手首をヒュンとかえす。ちょっと普通の選手とは違ったと、いち野球ファンとして思っています」 レジェンドに肩を並べた孫は、次は清原和博らの新人最多記録「31」を目指す。「清原を抜いてくれるように。一歩一歩前進。日々努力して頑張ってほしいですね」と目を細めた。

◆阪神は18日、佐藤輝明内野手(22)が17日のDeNA戦(東京ドーム)で放った、球団新人記録に並ぶ22号のホームランボールを近日中に甲子園歴史館に展示すると発表した。 記念球はスタンドに跳ね返り、グラウンドに戻ってくると、ボールボーイが回収。その後、球団スタッフの手元に戻ってきた。

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
阪神
51343 0.600
(↑0.005)
-
(-)
55364
(+6)
318
(+2)
90
(+2)
75
(+2)
0.253
(↑0.001
3.310
(↑0.02)
2
(-)
巨人
463310 0.582
(↓0.008)
2
(↓1)
54374
(+3)
323
(+13)
117
(+2)
52
(-)
0.253
(-)
3.400
(↓0.02)
3
(-)
ヤクルト
44329 0.579
(↑0.006)
2.5
(-)
58383
(+13)
339
(+3)
89
(+2)
53
(-)
0.255
(↑0.001)
3.760
(↑0.01)
4
(-)
中日
334512 0.423
(↑0.007)
14.5
(-)
53257
(+3)
307
(-)
51
(+1)
44
(+2)
0.236
(-)
3.320
(↑0.03)
5
(-)
広島
314510 0.408
(↓0.005)
15.5
(↓1)
57310
(-)
367
(+3)
62
(-)
42
(-)
0.259
(-)
3.890
(-)
6
(-)
DeNA
314611 0.403
(↓0.005)
16
(↓1)
55347
(+2)
413
(+6)
86
(-)
19
(-)
0.260
(-)
4.480
(↓0.02)