中日(☆9対2★)日本ハム =オープン戦3回戦(2021.03.21)・バンテリンドーム=
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日本ハム
1000001002420
中日
03020301X91612
勝利投手:小笠原 慎之介(1勝1敗0S)
敗戦投手:北浦 竜次(0勝1敗0S)

本塁打
【中日】福留 孝介(1号・6回裏2ラン),大島 洋平(1号・8回裏ソロ)

  DAZN
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◆中日は、打線が16安打9得点。阿部とビシエドがそれぞれ猛打賞の活躍を見せた。対する日本ハムは、西川が1安打2四球と全打席で出塁。オープン戦最後の試合で、リードオフマンが存在感を示した。

◆日本ハム北浦竜次投手(21)が、4回11安打5失点と乱れた。 1回こそ無失点でスタートしたが、2回以降中日打線につかまった。2回先頭の平田に右中間フェンス直撃の二塁打、武田に左前打と連打され、無死一、三塁のピンチ。京田に中前適時打を献上し、2死一、三塁から阿部にも右前適時打を許すなど、この回3失点。 4回1死二、三塁の場面では、高橋周に前進守備の一、二塁間を破る右前適時打を打たれ、2点を失った。 毎回得点圏に走者を置く投球となり、4回72球11安打5失点(自責2)。結果を残すことができず、降板後「全体的にリズムが悪かったと思います。大事な場面で、甘くなったボールと逆球を捉えられてしまいました。決めなければいけないところで決め切れなかったことが反省点です。次回、投げる機会をいただければ、初回からリズム良く投げられるようにしたいです」とコメントした。

◆中日福留孝介外野手(42)が、オープン戦7打席目で復帰1号を放った。6-1の6回2死二塁で代打で登場。日本ハム秋吉の2ボール1ストライクからのスライダーを捉え、右翼スタンドにたたき込んだ。 19日の日本ハム戦から1軍に昇格し、3試合目でオープン戦初安打を本塁打でマーク。味方ベンチでは、根尾らが笑顔で拍手を送り、チームに戻ってきたベテラン打者を出迎えた。

◆中日木下雄介投手(27)が投球後に右上腕を抑えてひざまずいた。 8回に登板。2死無走者から浅間に対して4球目を投げた直後に、顔をゆがめて右上腕を抑えながらマウンド前方でうずくまった。トレーナーとともに与田監督も飛び出し、しばらくその場で治療。タンカに乗せられて一塁側ベンチへ引き揚げ、そのまま交代となった。

◆中日は機動力強化を掲げたオープン戦で、昨季リーグ5位だった盗塁数をリーグ1位の13個にしてフィニッシュした。 与田剛監督は「挑んだことが形になった。本番で成功率をいかに高めるか」と喜んだ。一方で「チャンスで仕留める確率が低い。課題として残っている」と、機動力を生かす攻撃力をポイントに挙げた。

◆日本ハム4年目の北浦竜次投手はアピール不足に終わった。 中日とのオープン戦に先発。2回に長短打を浴び、2暴投が絡み3失点。見せ場なく4回11安打5失点(自責2)と精彩を欠いた。「全体的にリズムが悪かったと思います。大事な場面で、甘くなったボールと逆球を捉えられてしまいました。初回からリズム良く投げられるようにしたいです」と悔やんだ。

◆中日福留孝介外野手(43)が21日、日本ハムとのオープン戦で1号本塁打を放った。6回に代打で登場すると、完璧な1発を右翼スタンドに運んだ。14年ぶりに古巣に復帰しての第1号。開幕スタートを、一振りでたぐり寄せた。 押せ押せムードの6回2死二塁。「代打・福留」がコールされると、9946人からこの日一番のどよめきが起こった。日本ハム3番手秋吉の外角攻め一辺倒の3球を見送り、2ボール1ストライク。それでも外角寄りに来たスライダーは、さすがに見逃さなかった。 「すごく大きな拍手をいただいた。ありがたいし、力にもなる。本当にいいスイングができて良かった」。竜の一員として5032日ぶりに本拠地で放った1発を、ベテランは心から喜んだ。 春季キャンプは2軍。3月の教育リーグで実戦を積み、18日に1軍昇格。19日日本ハム戦からのオープン戦2試合はDH、左翼で先発出場も、6打席無安打に終わっていた。与田監督も「本当に素晴らしかった。ああいう本塁打を含め、勝負強さを期待している。球界最年長がいい刺激を与えてくれた」と、千両役者の一撃を手放しで喜んだ。 開幕のスタメン左翼は根尾が最有力。「開幕まで考えていろんなことをやらなきゃいけない。(本塁打に)ホッとはするが、そこで、じゃあ良かったってわけじゃない」。日米通算2407安打のベテランは、先を見据えた。【伊東大介】

◆日本ハム大田泰示外野手が、シーズンへ弾みを付ける一打を放った。オープン戦最終戦となる中日戦に「6番右翼」で先発。 7回の第3打席で、谷本の内角高めの直球143キロを痛烈にはじき返した。チーム唯一の適時打となる左中間二塁打を放った。 この日は原点に立ち返り、直球打ちをテーマに掲げた。「ボールのタイミングも間違えていなかった。再確認をしっかりできた」と充実の3打数1安打1打点。オープン戦ではコンスタントに安打を重ね、出場12試合39打席で10安打2打点、打率2割7分でフィニッシュした。「毎日毎日、目標というかポイントを決めていろんな打席を送れた。いろんな準備ができた」と手応えをかみしめた。 プロ13年目の開幕へ「全てが143試合分の1。全部同じ準備をして、同じ気持ちで試合に挑んでいきたい」と平常心で臨む。

◆日本ハム宮西尚生投手が貫禄たっぷりにオープン戦を締めた。7回に4番手で登板。テンポよく8球で、3者凡退に仕留めた。 オープン戦3試合に登板、計3イニング2安打無失点の防御率0・00で開幕へ。「限られた登板で、いい調整ができた。開幕してから10試合くらいまで、リズムをつくれるように」と話した。

◆中日木下雄介投手(27)が、21日の日本ハム戦(バンテリンドーム)の登板中に右肩を脱臼した。 8回から4番手で登板。2死無走者で浅間に4球目を投げた直後に顔をゆがめ、右上腕を押さえながらマウンド前方でうずくまった。トレーナーとともに与田監督、阿波野投手コーチもベンチを飛び出し、状況を確認。木下雄はタンカに乗せられて一塁側ベンチに引き揚げ、名古屋市内の病院に向かった。診察の結果、右肩脱臼の診断を受けた。球団は復帰時期は未定と発表。与田監督は今季、2通りの「勝利の方程式」を構想。その2通り目の抑え候補と期待されていただけに、チームにとって痛い離脱になった。

◆日本ハム栗山英樹監督(59)は「もっと、若手のがっついたアピールを楽しみにしていた」と振り返った。 目立った選手は「上野、今井、長谷川、鈴木健」と名前を挙げたが、シーズンを勝ち抜くためには若手の急成長も欠かせない。「さらにがっついて、自分のポジションを取るように頑張ってほしい」と期待した。

◆中日開幕1軍のスタメン左翼へ、根尾が結果を出した。先頭で迎えた4回、内野安打で好機をつくるなどオープン戦打率2割5分。試合前には立浪臨時コーチからアドバイスも受けた。「最後の最後にいいものが出つつある。勝負はこれから」と初の開幕1軍発進に気持ちを引き締めた。左翼争いのライバル福留の1号2ランには「すごい。僕も打つ準備をして臨むだけ」と刺激を受けていた。

◆中日小笠原慎之介が、6回1安打1失点でオープン戦最後を締めた。許したのは1回、先頭西川に打たれた二塁打だけ。その後は直球、カーブ、チェンジアップがコーナーに決まり、2四球を挟んだものの、18個のアウトを積み重ねた。小笠原は「自主トレからやってきたことを出せた。今日は余韻に浸りたい」。最速148キロをマークしたことに「自分でもビックリ」と笑顔を見せた。

◆今シーズンも走る準備は整った。日本ハム西川遥輝外野手(28)が21日、開幕前最後となる中日とのオープン戦(バンテリンドーム)に1番中堅で先発出場。1回の打席で二塁打、その後の2打席で2四球を選び全3打席出塁と結果を残した。オープン戦出場12試合で2盗塁をマークし、自慢の快足健在もアピール。11年目のシーズン開幕へ、スピードスターの視界は良好だ。今年も足で勝負できる。西川が11年目のシーズンへ準備を整えた。「いつでも走れる準備は出来てる。いい準備は出来てるとは思います」。オープン戦出場12試合で2盗塁をマーク。チームにとって欠かせない西川の快足は健在だった。 同じく1番で先発した19日中日戦では1回に左前打で出塁。二盗こそしかけなかったものの、自分の中で感覚をつかんだ。「おとといも走れそうだったですけど、良いスタートも切れていた。セカンドに行かなくても、自分の偽装(スタート)だったりで大体のタイミングはわかる」。18年にシーズン自己最多44盗塁をマークするなど、過去3度の盗塁王(14、17、18年)に輝いた男の足は盤石だ。 メジャー移籍が不成立となり、日本ハムと契約更改してから約2カ月。2月の春季キャンプ中もまだ、気持ちの整理がついていなかったが、今は少し変化が出ている。報道陣にモチベーションの部分について問われ「そりゃ試合出たら出ますし、いい成績残したい」。目標を定めなくとも、その顔はまさに勝負師そのものだ。 最終戦の打席で結果に恵まれた。第1打席で中日先発小笠原の146キロの球を中堅へ二塁打。その後2打席続けて四球を選び、出塁した。今の状態に「いい日もあれば悪い日もある。1日ではなんとも言えないですけど、いい準備をして、開幕を迎えられるんじゃないですか」。 栗山監督は「ハルキはいろんな経験があるから、自分のペースというのがあると思う。最後になって、こうやって良くなっていくことは、すごくいいことだと思う。うまくもっていってくれると信じるしかないので」。チームになくてはならない男が、今シーズンもグラウンドを駆け回る。【山崎純一】

◆日本ハムは中日戦の7回の守備からDHを解除した。「2番DH」でスタメンの松本剛が中堅の守備に就き、6回の守備から出場していた浅間が右翼へ回った。 試合前だった。栗山英樹監督(59)は春季キャンプ中から結果を残した松本剛と浅間について問われ、今季の外野陣の起用方針を明かした。 栗山監督 だから(レギュラー)外野手5人だと思っているよ。あの5人で、どう回すのか。 昨季の外野レギュラーは、この日のスタメン3人だ。左翼近藤、中堅西川、右翼大田。攻守で軸となる実績十分の3人に松本剛、浅間の5人が、今季の外野レギュラーの位置付けだ。 メリットは各選手の状態を高いレベルで維持できることだ。昨季はコロナ禍による過密日程もあり、徐々に主力3人が疲弊。それでも打撃成績は好結果だったが、適度に休養を与えられれば、もっと高い数字が望める可能性がある。 栗山監督 1日でも休ませたら調子が上がるなら、5人で、どう回るかという感じで思っている。 昨季は主力と控えの実力差が課題だったが、今季は松本剛と浅間が攻守で主力と遜色ない動きを披露。3人を適度に休ませられる環境が整う見通しが立った。 だからオープン戦最終戦では5人全員が守備に就き、打席にも立った。各選手の負担軽減で高パフォーマンスを引き出し続けることが狙いの「外野5人ローテ制」。相手先発、コンディション、相性など状況に応じて的確な選手起用がはまれば、戦略、戦術も広がり、戦国パ・リーグを勝ち抜く武器となる。【木下大輔】

◆中日・福留孝介外野手(43)が六回2死二塁の場面で代打で出場し、右中間席に2ランを放った。「ファーストスイングでしっかりととらえることができました」。6-1と差を広げたところで代打のコールが告げられると球場は沸き上がった。秋吉との対戦で振り抜いたのは2ボール1ストライクからの4球目。外角のスライダーを弾丸ライナーで右中間席に突き刺し、悠然とダイヤモンドを一周した。  18日に1軍に合流。「6番・DH」でオープン戦初出場となった19日、「6番・左翼」で出場した20日はともに3打数無安打。7打席目でのオープン戦初安打はうれしい"古巣復帰第1号"となった。

◆中日・木下雄介投手(27)にアクシデントが起こった。  八回から4番手で登板。2死走者なしでの浅間との対戦で、1ボール2ストライクから4球目を投じたあと、顔をしかめながらうずくまった。その後は右腕を押さえたまま立ち上がることができなくなり、担架に座ったまま引き揚げ、負傷交代となった。  昨季は18試合に登板して0勝0敗1セーブ、防御率・4・08。キューバ国内リーグに出場していたことで来日が遅れたR・マルティネスが開幕に間に合わない状況のなか、中継ぎの一角として期待の大きい存在だけに、心配だ。

◆中日・小笠原慎之介投手(23)が先発し、6回1安打1失点と好投した。  「オープン戦も最後なので、自主トレからやってきたことを出していこうと。ホッとしています」  一回先頭・西川に右中間二塁打を許してからが本領発揮だった。その後の連続の内野ゴロで1点を失ったものの、140キロ台後半の直球で相手打線をねじ伏せていく。クリーンアップとの対戦となった四回はさらにギアを上げた。近藤を145キロの直球で三ゴロに抑えると、中田もカーブで翻弄しながら、145キロの直球で遊ゴロに斬った。渡辺との対戦では毎球、雄たけびが漏れるほど力を込め、内角低めへのチェンジアップで三球三振。わずか10球で投げ終えた。  昨年までの2年間でわずか4勝と、危機感を持って今季に臨む、2016年のドラ1左腕。与田監督が20日の試合後に小笠原、柳の名前を挙げて「次世代が頭角を現さないとなかなか優勝は望めない」と話したことも記事などを通して知り「おっ! と思った。名前を出してもらって、今年はやってやろうと。ありがたい」と力に変えた。登板が予想される広島との開幕カード3戦目(マツダ)に向け、自信は深まった。

◆中日は9-2で大勝。与田剛監督(55)の主な一問一答は下記の通り。  --小笠原の投球は  「今日は全ての部分でかなりレベルが上がったな、と」  --要因は  「投球フォームを根気よく続けてきたことじゃないか。どうしても結果に一喜一憂しやすいところだが、根気よく続けてきたところ。多少、変更することはあるが、キャンプからやってきた幹の部分は続けてきたことだと思う」  --シーズン初登板に期待が持てる  「もちろん内容も素晴らしかったと思うし、本人が開幕に向けて手応えを感じられる試合になったと思う。こういう状況をいかに続けられるか」  --福留の本塁打  「素晴らしかったね、あれはね。本当に。ああいう本塁打を含めて勝負強さを期待しているし、ベテラン、球界最年長がいい刺激を与えてくれたと思う」  --オープン戦での盗塁数はリーグトップタイの13個  「挑んだことが形になったと、数字が物語ってくれた。選手を褒めてあげたい。これが本番でどれだけできるか。成功率をいかに高めるか。まだまだうまくいかないこともある。ただキャンプから言ってきた、動き出していくこと。結果からいろんなことが分かりだしたのはよかった」  --課題は  「打撃で、チャンスで仕留める確率が低かったり、積極性がなかったり。今日みたいなゲームが続いて、初めて自信になる。きのうのような試合展開(●0-11)になったときに誰が引っ張るか。みんなが悪くて、ドッと悪くなるようじゃだめ。監督、コーチも盛り上げないといけないが、グラウンドの上で特に内野手が、誰が投手を助けるか、誰が間を取るのか。そういったところで、強いチームは動きと声が出る。技術的なことじゃないがすごく大事にしていること」  --根尾に存在感が出ている  「チームにいい刺激になる存在になりつつある。周りが本物だと認めるくらいのシーズンになるかどうか。去年も春先はある程度、我慢して使って結果が出せず。今年はその期待に応えながら徐々に調子を上げてきた。若いのがどんどん出てこないと」  --木下雄にアクシデント  「病院の判断が出ていないので、いまここでは何とも言えない。大事に至らないように、とにかくそれを願うだけです」

◆中日・根尾昂内野手(20)が「9番・左翼」で出場し、4打数1安打。オープン戦を打率・250(32打数9安打)、4打点で締めくくった。  「オープン戦だけを振り返ると悪いというか、いろいろと探り探り、試しながらやって、よくない期間が長かったですけど、最後の最後で少しずついいものは出つつあるので、シーズンを通して(やれるように)。オープン戦はオープン戦なので、シーズンで結果を出せるように内容も求めながらやっていきたい」  3月2日のソフトバンク戦(ペイペイドーム)から6試合連続でスタメン出場と起用され続けた。12日のロッテ戦(ZOZOマリン)終了時点で打率が・100まで下がった時期もあったが、疲労もたまる連戦の中で修正し、しっかりと盛り返した。  過去2年間と比べても出場機会は格段に増え、結果でも成長を示しているが「去年、一昨年と比べていい、というだけで、大していいとは思ってはいない」と気を引き締める。3年目で初の開幕1軍は確実だが「勝負はこれからだと思う。高みを目指してやっていきたい」とシーズンでの活躍、飛躍を見すえた。

◆中日・福留孝介外野手(43)が21日、日本ハムとのオープン戦(バンテリンドーム)の六回2死二塁で代打で登場し、右中間に2ランを放った。オープン戦7打席目での初安打は、14年ぶりの古巣復帰後初アーチ。左翼での開幕スタメンを狙うなかで「1本出て良かった」と自信に変わる一発となった。 ■代打で登場、弾丸ライナーで右中間へ  6-1と点差の開いた六回2死二塁。球界最年長、43歳のベテランは、代打コールに沸き上がる歓声を背に打席に向かった。中日・福留のフルスイングから放たれたのは、弾丸ライナーで右中間席に突き刺さる"ただいま弾"。大喝采を感じながら、ダイヤモンドを駆け抜けた。 ■「最初のひと振りで仕留められたのはプラス」  「今日は代打のつもりで、そういう(チャンスの)場面でも、っていうことがあるので、自分のタイミングであったり、そういうのも考えながら打席に入って。最初のひと振りで仕留められたのはプラスになる」 ■オープン戦初安打が復帰1号  カウントは1ボール2ストライク。秋吉が外角に投じた125キロスライダーを力強く振り抜き、トドメを刺した。開幕前最後の3連戦に向けて18日に合流し、19、20日は先発出場してともに3打数無安打。7打席目でようやく出たオープン戦初安打は、14年ぶりの"古巣復帰後第1号"だ。竜戦士としてこの球場でアーチを架けるのは2007年6月11日のロッテ戦以来。実に5032日ぶりだった。 その他の写真(2/2枚) ■与田監督「球界最年長がいい刺激を与えてくれた」  与田監督も「素晴らしかったね、本当に。ああいう本塁打を含めて勝負強さを期待しているし、ベテラン、球界最年長がいい刺激を与えてくれたと思う」と称賛した。開幕に向けては左翼がまだ埋まっておらず、根尾らが繰り広げる争いに割って入る。武器は経験だけでなく、広いバンテリンドームをものともしない、衰え知らずのパワーも。開幕オーダーの9人に名前が並んでもおかしくないところまで、状態は上がってきた。  「(一発が)出ないより出るに越したことはないので、ホッとはしますけど、じゃあそこで良かった、っていうのではなく、気を引き締めてやっていけたらと思います」  オープン戦は最高の形で締めくくった。23年目のシーズンも、1軍の舞台で輝く。(須藤佳裕)

◆日本ハムの西川が一回に中越え二塁打を放つなど、全3打席で出塁した。2四球も選んだ。今季もリードオフマンとして期待される正中堅手は「いい準備をして開幕を迎えられると思う」と淡々と話した。  オフにポスティングシステムでの米大リーグ移籍が実現せず、気持ちの整理に時間を要していた。「試合に入ればちゃんとやる。いい成績も残したい」と表情を引き締めた。

◆先発ローテーション入りを狙う北浦は4回11安打5失点(自責点2)と乱調。「全体的にリズムが悪かった。決めなければいけないところで決め切れなかったことが反省点です」と唇をかんだ」  オープン戦は3試合で計7回を投げ防御率3・86。1軍定着を狙う高卒4年目左腕は「次回投げる機会をいただければ、初回からリズム良く投げられるようにしたい」と巻き返しを誓った。

◆日本ハムの栗山監督は5勝8敗と、パ・リーグ勢で最も低い9位で終えたオープン戦を総括し「正直、もっと若手ががっついてアピールするのを期待していた」と物足りなさを口にした。  打線は先発投手を打ち崩せない試合が多く見られた。開幕後も厳しい戦いが予想されるが、監督は「不安材料があるのは仕方ない。状態を上げてくれると信じるしかない」と悩ましげだった。

◆中日の小笠原は6回をわずか1安打に抑え、1失点と好投した。直球の割合を増やし、最速149キロを記録。「こんなに出ているんだと自分でもびっくりした。あれが自分の形の真っすぐ。キャンプからずっと手応えはあった」と胸を張った。  立ち上がりから7球続けて直球を投げ込むなど力で押した分、変化球がより効果を発揮した。一回は中田に内角直球を見せた後、チェンジアップで空振り三振。「チェンジアップはいつでもどこでも投げられる球種だと思っている」と自信をにじませた。

◆機動力アップを掲げている中日は、今季のオープン戦でロッテと並んで最多の13盗塁を決めた。そのうち俊足の高松が4盗塁と持ち味を発揮。「走塁だけでなく守りをもっとやっていかないと」と意欲を見せた。  与田監督は「挑んだことが形になった。選手を褒めてあげたい。(チームの失敗が7個あり)あとは成功率をいかに高めるか」と開幕を見据える。一塁から一気に三塁を狙うなど攻めの走塁が目立ち、19日もスクイズを仕掛けるなど積極的に動いた。

DAZN

<オープン戦順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
阪神
922 0.818
(-)
-
(-)
51
(+1)
33
(+1)
17
(-)
7
(-)
0.267
(↓0.009)
2.290
(↑0.2)
2
(1↓)
ソフトバンク
932 0.750
(↓0.068)
0.5
(↑0.5)
47
(+1)
30
(+2)
11
(-)
3
(-)
0.219
(↓0.001)
2.090
(↓0.01)
3
(-)
西武
851 0.615
(↑0.032)
2
(↑0.5)
55
(+8)
45
(+6)
8
(-)
8
(+1)
0.263
(↑0.006)
2.930
(↓0.25)
4
(1↓)
ロッテ
751 0.583
(-)
2.5
(-)
44
(-)
38
(-)
6
(-)
13
(-)
0.238
(-)
2.760
(-)
5
(-)
楽天
660 0.500
(↓0.045)
3.5
(↓0.5)
58
(+4)
48
(+8)
6
(+1)
6
(-)
0.266
(↓0.011)
3.980
(↓0.42)
5
(1↑)
ORIX
772 0.500
(-)
3.5
(-)
49
(+1)
53
(+1)
9
(-)
8
(-)
0.255
(↓0.009)
2.640
(↑0.11)
7
(-)
巨人
671 0.462
(↑0.045)
4
(↑0.5)
46
(+8)
46
(+4)
9
(+3)
7
(-)
0.236
(↑0.008)
3.020
(↓0.07)
8
(1↑)
広島
560 0.455
(↑0.055)
4
(↑0.5)
28
(+2)
24
(+1)
3
(-)
9
(+1)
0.197
(↓0.004)
2.110
(↑0.11)
9
(2↓)
日本ハム
580 0.385
(↓0.032)
5
(↓0.5)
47
(+2)
49
(+9)
8
(-)
7
(-)
0.232
(↓0.007)
2.870
(↓0.3)
9
(1↑)
中日
580 0.385
(↑0.052)
5
(↑0.5)
39
(+9)
74
(+2)
7
(+2)
13
(+3)
0.232
(↑0.018
5.500
(↑0.3)
11
(-)
DeNA
370 0.300
(-)
5.5
(-)
25
(-)
34
(-)
4
(-)
2
(-)
0.210
(-)
3.390
(-)
12
(-)
ヤクルト
391 0.250
(↓0.023)
6.5
(↓0.5)
49
(+6)
64
(+8)
15
(+2)
7
(-)
0.232
(↑0.004)
4.990
(↓0.31)