阪神(☆2対1★)オリックス =オープン戦2回戦(2021.03.20)・京セラドーム大阪=
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ORIX
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阪神
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勝利投手:岩貞 祐太(1勝0敗0S)
(セーブ:スアレス(0勝0敗1S))
敗戦投手:阿部 翔太(0勝1敗0S)
  DAZN
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◆阪神は、先発・青柳が6回無失点10奪三振の快投。開幕に向けて順調な調整ぶりを示した。対するオリックスも、先発・宮城が6回1失点11奪三振の投球を披露。期待の2年目左腕が、アピールに成功した。

◆開幕投手を務める阪神藤浪晋太郎投手(26)が先発から一夜明け、試合前練習に参加した。 他の先発投手陣とともにキャッチボールを行い、いつもと変わらぬ様子でボールを投げ込んでいた。 19日のオリックス戦では、1回表が終わった直後の投球練習中に、右手親指を負傷するアクシデント。1回裏に1番佐野皓に四球を与えた後、福原投手コーチとトレーナーがマウンドに駆けつけ、藤浪の右腰付近には血を拭った跡が目立っていた。 試合後には、患部の状態について「(裂傷が)深くいっているので、しっかり治療しないといけない」とした上で「ただ、1週間あれば大丈夫かなと思います」との見通し。矢野監督も「あれ以上投げて悪くなっても、と思って代えた。次の登板に関しては問題ないかな」と話していた。プロ9年目で初めての大役を務めるため、3月26日のヤクルトとの開幕戦(神宮)へ向かう。

◆阪神のドラフト1位佐藤輝明内野手(22=近大)が近大の卒業式にコメント動画で出席した。 新型コロナの影響でインターネットでライブ配信された近大の卒業式。佐藤輝も卒業を迎え、コメント動画で姿を見せた。佐藤輝は体育活動で顕著な成績を修めた学生に贈られる「体育特別賞」を受賞。卒業生へ向けたメッセージでは、目標を掲げることの大切さを説明。自身も目標を立てたことで、「リーグ優勝であったり、ホームラン記録を塗り替えることができて、夢であるプロ野球選手になることができました」と話した。 その中で、「プロ1年目の目標は新人王を取ること」と力強く語った。そして、「将来的には、僕が好きなイチローさんのように球界を代表するようなそんな選手になれるように努力していきたいと思います」と続けた。ここまでのオープン戦では、ドラフト制後(66年以降)で新人最多となる本塁打記録も更新し、6本としている。

◆阪神ドラフト1位の佐藤輝明内野手(22=近大)が長嶋超えを目指す。 17日の西武戦で66年ドラフト制後のオープン戦新人最多本塁打記録となる6本目を放った。58年に長嶋茂雄(巨人)がマークした7本にも残り1本となった。 19日オリックス戦では4打数無安打で記録に並ぶことはなかった。この日の試合前練習では、高山とのキャッチボールからスタート。フリー打撃では柵越えも見せるなど記録への期待がかかる。練習中の裏では、インターネットでライブ配信された近大の卒業式に事前収録したメッセージが流された。記念すべき卒業の日にアーチをかけ、ミスター超えをも目指す。

◆午後2時開始予定の「阪神-オリックス戦」のスタメンが発表された。 阪神のドラフト1位佐藤輝明内野手(22=近大)は2戦連続で5番起用された。

◆阪神のドラフト1位、佐藤輝明外野手(22=近大)は「5番右翼」で先発出場。2試合続けてのクリーンアップ起用となった。 第1打席は2回裏1死走者なしで回ってきた。オリックス先発の宮城に対し、1ボール2ストライクから98キロのカーブでタイミングを外されて空振り三振だった。

◆阪神先発の青柳晃洋投手(27)が、6回2安打無失点、10奪三振の快投を見せ、開幕へ弾みをつけた。 初回、先頭の佐野皓から145キロツーシームで見逃し三振を奪うと、福田を二ゴロ、太田を126キロスライダーで空振り三振と抜群の立ち上がり。2回は吉田正を捕ゴロに打ち取った後、モヤ、杉本を連続三振。3回1死から回をまたいで4連続三振を奪うなど、相手打線のバットは面白いように空を切った。 5回は先頭の吉田正に初安打を許すも、モヤを144キロツーシームで見逃し三振。続く杉本を初球の139キロツーシームで二ゴロ併殺に仕留め、ピンチをつくらず。6回も先頭のT-岡田に右前打を浴びたが、続く伏見を空振り三振に仕留め、一塁走者のT-岡田を刺して併殺。直後の6回無死二塁の好機で代打北條を送られ、マウンドを降りた。 降板後、青柳は「今日は全球種ほとんど良かった。(球速アップが)一番大きいと思います。体的にもボール的にも良かったのかなと思います。本当に(相手先発の)宮城が良かったので。負けじと頑張るしかなかったですけど」と振り返った。青柳は開幕2戦目、27日ヤクルト戦(神宮)に先発予定。開幕前最後の試合で最高の仕上がり具合を見せた。

◆阪神近本光司外野手(26)が均衡を破る先制タイムリーを放った。6回1死三塁からオリックス宮城の147キロ直球を振り抜くと、打球は宮城のグラブをはじいて遊撃・紅林のもとへ。三塁走者・山本が生還した。 近本は「みんなが作ってくれたチャンスでしたし、青柳さんもすごくいいピッチングをしてくれていたので先制点を取ることができてよかったです。もっと援護できるように頑張ります」とコメント。5回まで1安打と苦戦していた左腕から1点をもぎ取った。

◆開幕2戦目となる3月27日西武戦(メットライフドーム)の先発を任される、オリックス高卒2年目の宮城大弥投手(19)が6回3安打1失点で最終調整を終えた。 6回94球で11三振を奪う力投。この日の最速は148キロで、100キロに満たないカーブを使うなど、緩急自在の投球を披露した。オープン戦6本塁打の阪神ドラフト1位佐藤輝との対決でも効果抜群。2回の対戦は、148キロのクロスファイアを見せてから98キロのカーブで空振り三振。中飛に仕留めた5回の打席では初球から4球カーブを続けた。前日19日には「阪神さんもいい打者がいっぱいいるので、いいところを見せられるように。いい感覚を持って投げられるようにしたい」と意気込んでいた通り、19歳左腕はアピールに成功した。 昨季は高卒新人唯一のプロ初勝利をマーク。「去年はゆったり調整していたけど、今年は勝負なので。必死にローテーションを取るつもりでやっていきたい」。高卒2年目の19歳が、開幕投手の山本に続く。【真柴健】

◆阪神のドラフト1位、佐藤輝明外野手(22=近大)は「5番右翼」で先発出場。2試合続けてのクリーンアップ起用となった。 第1打席は2回裏1死走者なしで回ってきた。オリックス先発の宮城に対し、1ボール2ストライクから98キロのカーブでタイミングを外されて空振り三振だった。 第2打席は5回裏1死走者なし。前打席で抑えられたカーブを4球続けられた。その後、直球が高めに外れ2ボール2ストライクとし、6球目のスライダーを打ち上げて中飛に抑えられた。 7回の右翼守備では、中継プレーで二塁手の北條への送球がワンバウンド。悪送球で失策がつき、走者をかえしてしまい同点に追いつかれた。 7回の第3打席は先頭で打席に入った。投手は阿部に代わった直後。2ボール1ストライクからの内角136キロにバットを折られた。打球を処理した二塁手太田がファンブルしたが、一塁に送球して1度はアウト判定。しかし、矢野監督がリクエストし、結果はセーフに覆った。そして、代走に植田が送られ、ベンチへ下がった。その後、代走の植田が糸井のタイムリーで生還し、勝ち越しに成功した。

◆阪神糸井嘉男外野手(39)が勝ち越しタイムリーを放った。1-1の同点で迎えた7回1死一、三塁の場面。代打で打席に立つと、オリックス阿部の外角変化球にうまくバットを合わせて二遊間を破る中前適時打を放った。 糸井は「本番さながらの気持ちで打ちました!」と振り返った。

◆阪神のドラフト1位、佐藤輝明外野手(22=近大)は「5番右翼」で先発出場。2試合続けてのクリーンアップ起用となった。 第1打席は2回裏1死走者なしで回ってきた。オリックス先発の宮城に対し、1ボール2ストライクから98キロのカーブでタイミングを外されて空振り三振だった。 第2打席は5回裏1死走者なし。前打席で抑えられたカーブを4球続けられた。その後、直球が高めに外れ2ボール2ストライクとし、6球目のスライダーを打ち上げて中飛に抑えられた。

◆オリックス能見篤史投手兼任コーチが昨季まで16年間在籍した古巣阪神戦に初登板し、1回無失点に抑えた。 登板時には両チームのファンから大きな拍手が送られ「そう思ってなかったので、ビックリしました」と感謝した。救援での開幕1軍が濃厚で「使えるときは使ってもらって、戦力に。ベンチが求めていることがしたい」。中嶋監督は「コキ使いますよ! 能見コーチは!」と笑顔だった。

◆21年も虎の「勝利の方程式」は盤石だ。守護神スアレス、セットアッパーの岩崎、岩貞が今春オープン戦で初めてそろい踏みした。7回は岩貞が2連投に臨み、失策絡みで1失点した後は2者連続三振。8回はオープン戦初登板となった岩崎が1イニングを内野安打1本で無失点だ。9回はスアレスが最終打者の宗からこの日最速タイの158キロで空振り三振を奪うなど、無安打無失点で締めた。 オープン戦4戦連続無失点のスアレスは「体的にもボール的にも良かった。あとはシーズンに向けて上げていければ」と笑顔。16日の2軍戦で今春初実戦を踏んだばかりの岩崎も「慌ててここまで合わせたとかは一切ない。それは昨年とは違う。いい感じでシーズンに入っていける」と納得顔だ。矢野監督が「全体的にしっかり調整できている」と信頼を寄せるブルペン陣は今季も頼もしい。

◆阪神ドラフト1位の佐藤輝明内野手(22=近大)がミスター超えへ連日の足踏みとなった。オリックス戦に「5番右翼」で先発出場。2試合連続でクリーンアップでの起用となった。2打席凡退で迎えた7回の3打席目は阿部の内角136キロにバットを折られた。失策となり出塁したが、代走を送られて交代。3打数ノーヒットでベンチへ下がった。 17日西武戦の第1打席で本塁打を放った後、11打席連続で快音なし。7回の右翼守備では悪送球で適時失策。2戦連続でエラーを記録した。攻守ともに精彩を欠いたが、矢野監督は「完璧で、っていうことはあり得ないんでね」と受け止めた。「打つだけが野球じゃない。そういうところもいろいろ学びながら、まだまだこれからも課題は出てくる」とルーキーを思いやった。 試合前には近大の卒業式に事前収録したビデオで出演した。卒業生向けのメッセージでは、目標を掲げることの大切さを説明。「プロ1年目の目標は新人王を取ること」と力強く語った。そして、「将来的には僕が好きなイチローさんのように球界を代表するようなそんな選手になれるように努力していきたいと思います」と大きな夢を描いた。 球史に名を残すチャンスは残されている。58年に長嶋茂雄(巨人)がマークした新人のオープン戦7本塁打まであと1本。開幕まで残りは1試合。快挙達成のアーチ締めで、開幕に向かう。【林亮佑】

◆阪神陽川尚将内野手(29)が右手負傷で途中交代した。 5回表から一塁守備に入り、6回裏の初打席は死球。8回1死の一塁守備でT-岡田の強烈なゴロを右手に受け、そのまま負傷交代した。矢野監督は「本当に一番優しい男やからさ。体は丈夫なんで、大丈夫とは言っているけど。貴重な戦力なんで」と交代の意図を説明。「そんな大きくチームを離れるとかはないと思うんだけど、様子を見ながら」と説明した。

◆阪神先発の青柳晃洋投手(27)が、6回2安打無失点、10奪三振の快投を見せ、開幕へ弾みをつけた。 ◆阪神矢野燿大監督語録 -先発青柳が好投 矢野監督 完璧じゃないの? 打ち取り方も中身がしっかりあるし、ただ抑えたっていうことだけじゃなくて、自分のやりたいアウトの取り方を取れたり。こういう風にこう空振り、ゴロを打たすっていう。ほぼほぼ完璧に近い。 -6回は近本が先制打 矢野監督 なんとかしようというふうに気持ちはずっと出てた。結果的にああいうとこでオープン戦とはいえ1本出るというのはね、やっぱりあいつがチームを引っ張ろうという意識が今年はすごく出てる感じがしてるんで。自分で得点を挙げるっていうのはもちろんだけど、ああいう場面で返すことが必要になってくる。 -7回に決勝打を放った糸井はさすが 矢野監督 代打で打つって簡単じゃないし、相手も絶対打たしたくない場面で投球してくるわけやから。今日も早出に来たりとか、そういうのもヨシオも代打でいいと思ってないと思うし、もっと打席に立ちたいとか、もっとオレやるっていう気持ちがそういう姿勢にも表れてると思うけどね。ヨシオが頑張ってくれるというのはチームに対する影響力ってあるんで、結果も含めて。やるっていうか姿勢を見せてくれてるっていうのはチームとしてはありがたい。 -山本が左投手の試合でスタメン。ショートは競争 矢野監督 それもあるし、守備もヤスはしっかり守れる評価をしてるんで、そういう意味でも今日スタメン、右でも調子が上がってくればスタメンはあり得ることなんで、そういうのは中野もバッティングいいんでショートっていうのはこれからありえるし、北條ももちろんありえる。 -佐藤輝は攻守両面で課題 矢野監督 それはあって当然。完璧でっていうことはあり得ないんで。まだまだ、テルだって野球はいろいろある。ベンチで声を出すとか、そんなんもある。打つだけが野球じゃない。そういうところもいろいろ学びながら、まだまだこれからも課題は出てくる。早い段階でオレらも気づけるようにしていきたいし、成長の速度を打つだけじゃなく上げていきたいし、上げる必要はあると思う。

◆1つ目の頂に王手! 阪神が20日、オリックス戦(京セラドーム大阪)で競り勝ち、オープン戦の首位をガッチリとキープした。21日に同カードの最終戦を制すれば、矢野阪神の「初優勝」が決まる。矢野燿大監督(52)が本番モードの采配で試合を動かした。同点の7回には代打糸井嘉男外野手(39)が決勝タイムリー。本番モードに突入した猛虎が、勢いそのままに21年の開幕を迎える。チーム最年長の一撃に虎ベンチがドッと沸いた。1-1の同点で迎えた7回1死一、三塁。代打で打席に立った39歳糸井が牙をむいた。カウント2-1からオリックス阿部の4球目、外角の変化球に腕を伸ばして食らいついた。打球は二遊間を破りセンターへ。しびれる場面での決勝タイムリーに、百戦錬磨のヒットマンも「本番さながらの気持ちで打ちました!」と興奮した。 シーズンを想定したような本番モードの試合だった。中盤まで青柳VS宮城の投手戦の様相だったが、6回に近本が均衡を破るタイムリーを放つと試合が動きだした。同点に追いつかれた7回には先頭佐藤輝が失策で出塁すると、矢野監督はすぐさま代走植田を送り込んだ。1アウト後に梅野の打席でエンドランを仕掛け、左前打で一、三塁とチャンスを拡大。ベンチからにらみを利かせていた糸井が、いぶし銀のスイングで試合を決めた。 派手さはなくても、しぶとく1点をもぎ取る。矢野監督も大きくうなずいた。「こういう試合が動きだして代走を送ったり、いろんなことをしていく中で、こういうメンバーが控えてくれてるというか、勝ちにつないでくれるというのも大きい。シーズンでもこれ(こういう試合)を取る、取れへんでは大きな差になる」。終盤に勝ち越した試合には、目指す野球が凝縮されていた。 21年版の猛虎打線は固まりつつある。実績十分の糸井だが、現状では開幕のベンチスタートが濃厚。シーズンでもまずは「代打の切り札」として競った局面で登場する機会が増えそうだ。糸井は「もうどういう場面でもしっかりやることしか考えてないんで」と頼もしい。矢野監督も「ヨシオが頑張ってくれるというのはチームに対する影響力がある」と目を細める。スタメンとベンチメンバーが一体となってオープン戦首位を走る矢野タイガース。5年ぶりのオープン戦優勝が目前だ。【桝井聡】

◆オリックス高卒2年目の宮城大弥投手(19)の新球種「ダブルカーブ」がさえ渡った。阪神相手に6回3安打1失点。多投したのは、球速が110キロ台と90キロ台後半の2つのカーブ。直球の最速は148キロで、最遅はカーブの98キロ。緩急やベース板の奥行きを使って11三振を奪った。 「体のバランスやテンポを意識して、自分のボールを操れた。このオープン戦の中で『はっきり良かった』と言える投球だった」 オープン戦3試合に先発し、2勝0敗で防御率は1・13。中嶋監督は「見ての通りです。数字が物語っている通り、いい感じ」と太鼓判を押した。 中嶋監督の助言で新たな武器が生まれた。2軍監督時代の指揮官に指摘された。「直球とスラだけだったので『空振りを取れる率が低い』と注意されたんです。そのとき、ハッと。何も考えずに投げていたので。そこから、ファウルの取り方や空振りの奪い方を学びました」。ブルペンで先輩投手陣に聞いて回り、新球種としてフォークと2種類のカーブを学んだ。 94球のうちカーブは11球。オープン戦6本塁打の阪神ドラフト1位佐藤輝との対決でも効果抜群。2回の対戦は、148キロのクロスファイアを見せてから98キロのカーブで空振り三振。中飛に仕留めた5回の打席では初球から4球カーブを続けた。「ずっと練習していた緩急を使おうと。投球の幅が広がりました」。遅球を2つの球速帯で使うのは捕手伏見の提案で、宮城は「速い方をファウルにされたりすると、あえて遅い方を。意図を持って。捕手のサインを信じて投げました」と振り返った。 開幕2戦目の先発を任される。「去年は5回で降りることが多かった。6、7回投げてリリーフの負担を減らせたら」。高い志を胸に27日の西武戦に向かう。【真柴健】

◆開幕2戦目の27日ヤクルト戦(神宮)に先発する阪神青柳晃洋投手(27)が6回2安打無失点、10奪三振の快投で弾みをつけた。「(仕上がりは)これまでで一番いいかなと僕の中で思う」。4回まで毎回2三振を奪い、面白いようにバットに空を切らせた。5、6回は先頭を安打で出塁させるも、併殺に仕留めて二塁も踏ませず。「本当に宮城が良かったので。負けじと頑張るしかなかったですけど」。6回11奪三振のオリックス宮城と投手戦を演じた。 「今日は全球種ほとんど良かったなという印象です」。直球、ツーシーム、スライダーなどの制球が良く、なかでもシンカーはカウント球でも勝負球でも効果的に決まった。「シンカーでストライクを取れたことによって、真っすぐだったりとか、三振が多くなったというのが今日の一番の収穫」。前回13日西武戦(甲子園)で課題に挙げたシンカーの精度をしっかり修正した。 シーズン初戦は、青木、村上ら強力な左打者が並ぶヤクルト打線と対戦する。「(吉田)正尚も、T-岡田さんも、本当にいい左バッター。福田周平さんだったり、ヤクルトだったらそういうバッターが多いかなと思うので、対戦できたのも良かった」。この日は5番モヤを2三振に封じるなど、最高の形で予行演習。矢野監督も「完璧じゃないの? 打ち取り方も中身がしっかりあるし」と絶賛の好投。青柳は入団以来2ケタ勝利の実績はない。かねて目標に掲げる「13勝」に向けて、準備は整った。【磯綾乃】

◆スターティングメンバーが発表され、阪神のドラフト1位・佐藤輝明内野手(22)=近大=は「5番・右翼」で出場する。ここまでドラフト制以降では、新人選手のオープン戦最多となる6本塁打。1958年に巨人・長嶋茂雄がマークした新人7本塁打の偉業に挑む。

◆先発した阪神・青柳晃洋投手(27)は6回69球を投げて2安打無失点。二塁を踏ませない投球で、打者18人から毎回の10奪三振、無四球だった。  一回、先頭の佐野皓をツーシームで見逃し三振。これが"奪三振ショー"の始まりだった。4回までパーフェクト投球。五回、先頭の吉田正に初出塁となる左前打を許したが、続くモヤを内角直球で見逃し三振。杉本はシュートで二ゴロ併殺に打ち取った。  青柳は前回13日の西武戦(甲子園)に登板後、「次はシーズンに向けての最終調整なので、無駄球をなくすように頑張っていきたい」と話していた。先発が有力な開幕2戦目となる27日のヤクルト戦(神宮)に向けて完璧な内容だった。

◆阪神はオリックスに競り勝って5連勝。ソフトバンクと並んでオープン戦首位をキープした。  先発の青柳晃洋投手(27)が6回2安打無失点。打者18人から毎回の10奪三振、無四球の快投。シーズンに向けて順調な仕上がりをアピールした。  0-0の六回、近本の投手強襲安打で先制し、同点に追いつかれた直後の七回1死一、三塁から代打で登場した糸井が勝ち越しの中前打を放った。投げては七回に2番手の岩貞は連打と味方守備のミスなどで1点を許したが、八回は岩崎、九回はスアレスが無失点リレー。オリックスの反撃を封じた。  ドラフト1位・佐藤輝明内野手(22)=近大=は3打数無安打1三振。前日19日の同戦に続き、2試合連続無安打となった。

◆阪神・近本光司外野手(26)が、六回の第3打席に投手強襲の内野安打を放った。  「みんなが作ってくれたチャンスでしたし、青柳さんもすごくいいピッチングをしてくれていたので先制点を取ることができてよかったです。もっと援護できるように頑張ります」  0-0で迎えた六回。この回までわずか1安打9奪三振と抑えられていた宮城から、先頭の山本が左中間へ二塁打を放つ。代打・北條の犠打で1死三塁とし、近本が打席に向かった。2球目、149キロをはじき返すと、打球は宮城のグラブをはじき、内野を転々。快足を飛ばして、適時内野安打をもぎ取った。

◆オリックスの能見が八回、昨季まで在籍した阪神のファンからも大きな拍手で迎えられ、登板。「びっくりした。だいぶ力みにつながった」と苦笑しつつ、1回無失点で勇姿を披露した。  昨季の阪神での最終登板時に、別れを惜しんで涙を流した大山とも対戦。四球に終わったが、140キロ台の速球を目いっぱい投げ込んだ。元同僚との対戦に「楽しんでいる余裕はなかった」と言い、いつものポーカーフェースは崩さなかった。  甲子園では母校の鳥取城北高が選抜大会で初勝利。「鳥取県はなかなか勝てないところがあった。勝てて良かった」と後輩の快挙を喜んだ。

◆阪神のドラフト1位ルーキー佐藤輝(近大)は宮城のカーブにタイミングを外されるなどし、3打数無安打に終わった。オープン戦で6本塁打を量産し、巨人の長嶋茂雄が新人だった1958年にマークした7発に迫る中、最終戦となる21日のオリックス戦ではさらに注目を浴びそうだ。  20日に催された近大の卒業式にはメッセージ動画を寄せ「常に目標を掲げることを大切にしてプロ野球選手になれた。将来的にはイチローさんのように球界を代表する選手になれるように努力していきたい」と力強く抱負を語った。

◆佐藤輝はオリックス・宮城の緩急に苦しみ、オーバースイング気味になっていた。具体的に言えば、右肩が早く開いて、自分のポイントまで引き付けて打てなくなっていた。カーブに体が開いて、バットが下から出る。三振が増え、荒っぽい感じに映ってしまう。  ただ、これは仕方がないこと。前日(19日)の山本に対しても当てはまるのだが、開幕1、2戦目に投げる一流投手がほぼ万全に仕上げているのだ。相手は打たれたくないから打者の体を開かそうという攻め、配球をしてくる。しかも、パ・リーグのチームとのオープン戦だから、スコアラーからの情報は全くない。そんな状況で、新人に自分の打撃をしろというのは酷だ。  だから、この2試合で快音がないからといってマイナスに考える全く必要はない。開幕戦ではスコアラーから相手の情報が十分過ぎるほどもらえる。打者側もしっかり準備して臨める。  この先、佐藤輝に一番必要なのは「慣れ」。プロの攻め方を打席の中で体感し、自分に必要なデータを取り入れ、不要と思ったら捨てて、臨んでほしい。不安を感じる必要は全くない。(本紙専属評論家)

◆阪神自慢の救援陣が盤石のリレーを見せた。オープン戦初登板となった岩崎は八回を任され、先頭の杉本をチェンジアップで空振り三振。T-岡田に内野安打を許しても後続を断ち「いい調整ができていたので、いい感じでシーズンに入れる」と収穫を口にした。  九回は昨季セーブ王のスアレス。大山の失策により走者を背負ったが、158キロをマークした速球で押し込み、無得点に抑え「もう一段階上げていければいい」と本番をにらんだ。

◆スタンドの大半を黄色く染めた虎党から、温かい拍手で出迎えられた。オリックス・能見が、古巣・阪神相手に1回を1奪三振で無失点。新天地でも変わらぬ輝きを披露した。  「(拍手は)ビックリしました。そう思っていなかったので、非常にありがたかったので、だいぶ、力みにつながりました。試合展開もそうですが、いろいろ想定しながら。1点差なので。楽しんでいる余裕はなかったですね」  タテジマではなく、ネイビーのユニホーム姿で1-2の八回のマウンドへ。最速144キロの直球や変化球をコーナーに投げ分け、古巣打線をゼロ封した。1回5失点だった前回17日の楽天戦(静岡)から「ボールの出力を意識しながら」と、41歳のベテランらしくキッチリ修正。春季キャンプ中は先発調整を行っていたが、開幕後はリリーフに専念することになり、中嶋監督は「いいところでこき使いますよ、能見コーチは」と笑った。  ブルペンでは自身の調整だけでなく、他の投手の管理も任せられる左腕は「しっかりと戦力になりながら。しっかりしないといけないので」と気合。「使えるときは使ってもらえるように。場面場面でベンチが求めていることをできるようにしないといけない」と力を込めた。  試合後はミーティングにも参加した。プロ17年目となる今季。コーチ兼任という二足のわらじで、チームの勝利に貢献していく。(西垣戸理大)

◆阪神・矢野燿大監督(52)の主な一問一答は次の通り。  --青柳が好投  「完璧じゃないの? ねえ。打ち取り方も中身がしっかりあるし、ただ抑えたっていうことだけじゃなくて、自分のやりたいアウトの取り方を取れたり、まあこういうふうにこう空振り、ゴロを打たすっていうのが、まあまあ、ほぼほぼ完ぺきに近い。四球もなかったでしょ? なあ」  --三振も取りたいときに取れるようになると  「そりゃ狙って取れるにこしたことは...。やっぱりバットに当たらんってことは何も起こらないんで。前に飛べば何か起こる可能性あるから。それは狙って取れるんやったら、よりいいし。まあ基本的にはゴロを打たすっていうのが基本だとは思うけど、うん。まあそれにプラスアルファ、そうやって狙って三振っていうようになればランクはぐっと上がると思うし。きょうはそういう投球ができていたから頼もしいなと。それ以上に宮城がいいから(笑)。以上にというか、まあ対等というか。ええピッチャーやなあ」  --そういう好投手から1点を取りにいくのは難しいところ  「いやまあそういう試合あるから。ねえ。セ・リーグだってもちろんいいピッチャーいるし、まあうちのバッターだって点取れないときも出てくるだろうから。でもこうやって勝ち取れたり、点取って追いつかれてまたすぐ取ってっていう。でまた後からいったジョー(北條)がしっかり送って。まあヤス(山本)が出てね、ジョーが送って、(糸井)嘉男が。後からいったメンバーがかえすとかさ。そういう所では全員で取りにいけているっていうのは、こういう試合、動き出して代走送ったりいろんなことしていく中で、こういうメンバーが控えてくれているというか、勝ちにつなげてくれるというのも大きいし」

◆ベテランの一振りが勝利の女神を振り向かせた。阪神の代打・糸井が研ぎ澄まされた集中力を解き放ち、七回にV打を放って千両役者ぶりを発揮。ここぞで頼れる男が2試合連続ベンチスタートの鬱憤を晴らした。  「本番さながらの気持ちで打ちました! やっぱり本番もそういうチャンスで迎える場面もあると思うから集中していきました」  1-1の七回1死一、三塁。カウント2-1からオリックス2番手・阿部の外角寄りの131キロカットボールを捉え、値千金の中前適時打で勝ち越した。三塁ベンチでは近大の後輩、佐藤輝ら若手野手陣も大盛り上がり。一本のヒットで試合のムードもがらりと変えた。  オープン戦の代打打率・400(5打数2安打)、トータルでも打率・444(18打数8安打)と好調。それでも現状は右翼に佐藤輝、中堅は近本、左翼にはサンズが固定され、開幕スタメンは厳しい状況だ。  「もうどういう場面でもしっかりやることしか考えていないんで」  この日の試合前の早出特打。まだファンの姿もなく、静まり返る午前中の京セラで39歳は糸原らとバットを振り続けた。矢野監督も「きょうも早出(特打)来たりとか、そういうのも(糸井)嘉男も代打でいいと思っていないと思うし、もっと俺やるっていう気持ちがそういう姿勢にも表れている」と胸中を察し、オンリーワンの仕事ぶりに最敬礼だ。  「嘉男が頑張ってくれるというのはチームに対する影響力ってあるんで、結果も含めて。やるっていうか姿勢を見せてくれているのはチームとしてはありがたい。また違う存在です」  昨季、糸井は右膝の不安などで阪神移籍後最少の86試合の出場にとどまった。今季はゼロから定位置を奪いにいく立場となり、悲壮な思いが体を突き動かす。  「自分の中で確かめたい部分もあったから、そういう部分では(打撃は)去年と今年感じるものは違うっていう、はい」  代打でも結果を残し、外野の一角をつかみ取る。いつか超人復活を高らかに宣言する。(新里公章)

◆完璧仕上げや!! 阪神・青柳晃洋投手(27)が20日、オリックス戦(京セラ)に先発し、6回2安打無失点。自身プロ最多の10奪三振をマークした。開幕前最後の登板で好投し、「過去で一番いい」と最高の仕上がりを強調。開幕2戦目の27日のヤクルト戦(神宮)でもチームに勝利をもたらす。 ■自身プロ最多!10奪三振  次々とバットに空を切らせた。鋭く沈んで曲がる変化球で相手打者を惑わせ、140キロ後半の直球をズドン。青柳がオープン戦ラスト登板で6回2安打無失点。初の2桁奪三振で完璧な仕上がりをアピールした。  「本当に良かったと思います。スピードも出ていたし、コントロールも安定していた。過去で一番いいかなという感じです」  自画自賛の内容だった。一回、先頭の佐野皓から奪三振ショーがスタート。三回1死からは、145キロのツーシームで空振り三振に斬った伏見を皮切りに、紅林、佐野皓、福田と4者連続だ。  「もともとゴロ(でアウトを取る)ピッチャー。三振は意識しなかったが、梅野さんと配球とかを、意思疎通しながらの結果が10個になった」 ■山本昌臨時コーチの教え  そう振り返ったように、打たせて取る投球スタイルが青柳の持ち味。昨季の奪三振率は6・56と力でねじ伏せるタイプではない。前回13日の西武戦(甲子園)ではシンカーが不調で6回5失点だったが、この日は「シンカーでストライク取れたことによって、真っすぐだったり三振が多くなったというのが収穫」。2019年の秋季キャンプで山本昌臨時コーチから教わった新たな武器で投球を組み立てた。 その他の写真(2/2枚)  6年目のシーズンへ、自信と手応えは今年の春季キャンプからあった。2月下旬、開幕投手最有力だったエース・西勇がぜんそくの症状でキャンプを離脱した際、青柳は「(監督から)『行け』と言われれば、いつでも行ける準備はしているし、行きます」と開幕投手に"立候補"したほど順調に調整。宿舎で過去の自身の投球データなどを分析し、梅野とビデオをみながら配球の勉強も行った。最終的に矢野監督が開幕投手に指名したのは、昨季1勝の藤浪だが、青柳には2年連続で規定投球に到達した実績がある。"2番手"に甘んじた悔しさもバネにしている。 ■矢野監督も「完璧」  指揮官は青柳の投球について「完璧じゃないの。ゴロを打たせるのが基本だけど、それにプラスアルファで、狙って三振っていうようになれば(投手としての)ランクはぐっと上がると思うし。そういう投球ができていたから頼もしい」と称賛のオンパレード。右腕の快投でチームは5連勝。9勝2敗1分けでソフトバンクと並んで首位をキープし、オープン戦最終戦となる21日のオリックス戦に勝てば16年以来のオープン戦1位が決まる。  「チームが勝って、その中に僕がいればいい。チームの勝ち最優先で勝つチャンスがあるピッチングができたらいい」  青柳は27日のヤクルト戦(神宮)に向けて力強く言い切った。史上最高の状態で、開幕から勝利を積み重ねていく。(三木建次)

◆先発した阪神のジョー・ガンケル投手(29)は5回68球を投げて1安打1失点(自責点0)と好投。150キロ超の直球と打者の手元で球を動かせる変化球を織り交ぜて6三振を奪うなどオリックス打線に的を絞らせなかった。  ガンケルは三回、無死一塁から杉本のボテボテのゴロを処理するも一塁に悪送球。1死一、三塁から二ゴロの間に1点を許したが、他の4イニングはすべて三者凡退だった。先発が有力な28日のヤクルト3戦目(神宮)に向け、順調な仕上がりをアピールした。

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<オープン戦順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
ソフトバンク
922 0.818
(↑0.04)
-
(-)
46
(+4)
28
(+2)
11
(-)
3
(+1)
0.220
(↓0.003)
2.080
(↑0.19)
1
(-)
阪神
921 0.818
(↑0.04)
0
(-)
50
(+5)
32
(+2)
17
(-)
7
(-)
0.276
(↓0.013)
2.490
(↑0.41)
3
(-)
西武
751 0.583
(↓0.017)
2.5
(↓1)
47
(+3)
39
(+6)
8
(+1)
7
(+1)
0.257
(↓0.001)
2.680
(↑0.03)
3
(3↑)
ロッテ
751 0.583
(↑0.083)
2.5
(-)
44
(+6)
38
(+3)
6
(+2)
13
(+1)
0.238
(↓0.002)
2.760
(↑0.33)
5
(-)
楽天
650 0.545
(↓0.011)
3
(↓1)
54
(+10)
40
(+11)
5
(+2)
6
(-)
0.277
(↑0.001)
3.560
(↓0.48)
6
(2↓)
ORIX
771 0.500
(↓0.083)
3.5
(↓2)
48
(+2)
52
(+5)
9
(-)
8
(-)
0.264
(↓0.004)
2.750
(↑0.09)
7
(2↑)
日本ハム
570 0.417
(↑0.017)
4.5
(↓1)
45
(+12)
40
(+2)
8
(+2)
7
(-)
0.239
(↑0.01)
2.570
(↑0.29)
7
(1↓)
巨人
571 0.417
(↓0.083)
4.5
(↓2)
38
(+5)
42
(+9)
6
(+2)
7
(-)
0.228
(↑0.002)
2.950
(↓0.3)
9
(3↓)
広島
460 0.400
(↓0.1)
4.5
(↓2)
26
(+2)
23
(+4)
3
(-)
8
(+2)
0.201
(↓0.005)
2.220
(-)
10
(-)
中日
480 0.333
(↑0.033)
5.5
(↓1)
30
(+2)
72
(+12)
5
(-)
10
(+1)
0.214
(↓0.009)
5.800
(↑0.06)
11
(-)
DeNA
370 0.300
(↑0.05)
5.5
(↓1)
25
(+6)
34
(+4)
4
(+2)
2
(-)
0.210
(↑0.003)
3.390
(↑0.36)
12
(-)
ヤクルト
381 0.273
(↑0.051)
6
(↓1)
43
(+9)
56
(+6)
13
(+2)
7
(+1)
0.228
(↓0.005)
4.680
(↑0.3)