◆楽天は３－３で迎えた５回裏、無死一三塁の好機からロメロが適時打を放ち、勝ち越しに成功する。一方の日本ハムは１点ビハインドの８回に、大田がソロを放ち、試合を振り出しに戻した。試合はそのまま延長戦に突入するも決着はつかず、規定により引き分けに終わった。

◆さすが直球破壊王子だ。日本ハム渡辺諒内野手が初回に適時打を放った。 打ったのは「真っすぐ」と楽天福井の144キロの内角真っすぐを左翼線へ運んだ。「厳しいボールでしたが、うまく反応して打つことができました。いい場面でしっかりと追加点を取ることができてよかったです」。中田の併殺打間に挙げた1点に続き、貴重な2点目をたたき出した。

◆日本ハム先発ニック・マルティネス投手が乱調でリードを守れなかった。 3点リードの4回は先頭打者から2連続四球をきっかけに3失点。5回も先頭打者への四球から勝ち越しを許して降板。毎回四球となる来日ワーストの6四球と不安定な内容で、試合をつくれなかった。「せっかく先制してもらったにも関わらず、リードを守ることができず悔しい」と振り返った。

◆日本ハムは1回、渡辺の適時打などで2点を先制。先発マルティネスは3回まで毎回走者を背負うも3安打無失点。 日本ハムは4回にビヤヌエバの適時打で加点。楽天は4回に辰己の適時打などで3点を追いつき、5回ロメロの適時打で勝ち越し。 日本ハムは8回、大田のソロで同点。楽天は9回2死一、二塁のサヨナラのチャンスにロメロが三振。延長戦となった。 日本ハムは10回、先頭の西川が安打で出塁も無得点。楽天はその裏、2死三塁で石原が三振。引き分けで終わった。

◆日本ハム大田泰示外野手が8回に同点の13号ソロを放った。2死走者なしで迎えた第4打席。追い込まれてからの6球目だ。楽天牧田の直球をフルスイングした。 「真っすぐをしっかり捉えることができました。なんとか勝ちたい試合だったので、追いつく一打を打つことができて良かったです」。終盤の嫌な流れを断つ7試合ぶりの一撃を左中間席へ運んだが、勝利にはつながらなかった。

◆勝利が遠い...。日本ハムは楽天22回戦（楽天生命パーク）で勝ちきれず、今季5度目の引き分けに終わった。栗山英樹監督（59）は「勝たなきゃいけないんだけど...」と振り返った試合は、後ろ髪が引かれるような内容だった。 みすみす白星を逃してしまった。1点を追う7回の攻撃は宇佐見がスリーバント失敗でチャンスを拡大できず。延長10回は先頭で西川が出塁も続く平沼は犠打を失敗（結果は捕邪飛）。さらに、近藤の左中間を抜けそうだった中飛で打球判断を誤った西川の走塁死もあり、最後の得点機もミスが重なって失った。 勝利をつかみ損ね、8月15日ロッテ戦（ZOZOマリン）で監督通算600勝を達成した栗山監督の今季中の「親分超え」も厳しい状況となってきた。現在は622勝。球団歴代トップの大沢啓二氏の631勝まで、あと9勝、歴代最多までは10勝に迫るが、シーズンは残り13試合となった。 そんな記録は、周囲が気にするだけで、栗山監督は自身の記録についてはかねて「どうでもいい」と言っている。試合に勝って選手を喜ばせることだけを考える指揮官は「勝たなきゃいけないんだけど、こういう試合を最後までしっかりやっていくことが、選手がうまくなる。まだまだ、いろんなミスがあるけど、クリアできるようにやっていく」と言葉に力を込めた。【木下大輔】

◆首位ソフトバンクの勝利で、楽天はリーグ優勝の可能性が消滅した。1点リードの8回に牧田が日本ハム大田に同点ソロを浴び、今季6度目の引き分けに持ち込まれた。 残り13試合で2位ロッテとは3・5ゲーム差。三木監督は「ファンの方には申し訳ない気持ちでいっぱい。事実は受け止める。1つでも上、1つでも多く勝ち、というところでやりたい」と前を向いた。指揮官は来季続投が基本線。石井GMは「シーズン中なので現時点でお話しすることはありません」とコメントした。

◆日本ハム・栗山英樹監督（５９）が、シーズン残り１４試合で若手を積極的に起用する考えを明らかにした。 　入団２年目の吉田輝星投手（１９）が、２２日のソフトバンク最終戦（札幌ドーム）で今季３試合目の先発。６回を６安打４失点（自責点２）で今季初黒星を喫した。だが、指揮官は「もう、どんどんいくよ。いろんな人たち。チャンスがあれば」と明言。過去２度は登板翌日に吉田輝の出場選手登録を抹消していたが、今回はビジターの楽天戦に帯同させた。 　また、ドラフト１位・河野竜生投手（２２）＝ＪＦＥ西日本＝が１軍に合流し、２４日の楽天２３回戦（楽天生命パーク）で先発する。左腕の河野は４日のソフトバンク２１回戦（ペイペイドーム）に先発して４敗目（２勝）。翌５日に出場選手登録を抹消されていた。

◆日本ハムの渡辺が１５日以来、６試合ぶりの打点をマークした。１－０の一回２死一、三塁で、福井の内角速球を左前へ運んだ。 　肘をたたんで巧みに捉え「厳しいボールだったが、うまく反応して打つことができた。いい場面でしっかり点を取ることができて良かった」とうなずいた。

◆日本ハムが追い付き、引き分けた。３－４の八回２死で大田の１３号ソロが出た。五回途中から救援５投手が無失点でつないだ。楽天は３点差を盛り返して五回にロメロの適時打で勝ち越したが、八回に牧田が打たれ逃げ切れなかった。

◆楽天は逃げ切れずに引き分け、ソフトバンクが勝ったために優勝の可能性が完全に消滅した。４－３の八回に登板した牧田が２死から大田に痛恨の同点ソロを浴びた。７年連続でリーグ優勝を逃し、三木監督は「事実は受け入れる。悔しい。最善を尽くして一戦一戦やる」と厳しい表情で話した。 　それでも同点の十回１死一塁で、中堅手の辰己が、左中間への打球を好捕し、併殺に仕留めて敗戦は免れた。２位ロッテとのゲーム差を３・５に縮め、クライマックスシリーズ（ＣＳ）進出を目指す。