広島(★1対6☆)巨人 =リーグ戦16回戦(2020.09.29)・MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島=
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巨人
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広島
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勝利投手:菅野 智之(12勝0敗0S)
敗戦投手:遠藤 淳志(2勝4敗0S)
  DAZN
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◆投打のかみ合った巨人が快勝。巨人は1点を追う3回表、松原の適時打などで2点を挙げ、逆転に成功する。続く4回には、若林が適時三塁打を放ち、リードを広げた。投げては、先発・菅野が6回1失点9奪三振の好投で今季12勝目。敗れた広島は、投打ともに振るわなかった。

◆巨人菅野智之投手(30)が「開幕投手からの12連勝」をかけて先発する。 クリアすれば、04年の近鉄岩隈久志と並ぶ開幕からの連勝プロ野球記録となる。 球界再編問題の真っただ中に成し遂げた白星の積み上げを、当時の記事で振り返る。(所属、年齢など当時)<日本ハム4-7近鉄>◇04年7月6日◇札幌ドーム 近鉄岩隈久志投手(23)が99年篠原(ダイエー)以来、史上7人目の開幕12連勝を達成した。7回までは3安打無失点に抑えていたが、8回はセギノールに2ランを浴びるなど、今季ワーストタイの1イニング4失点。今季初めてイニング途中で降板する屈辱も味わった。それでも連勝を伸ばし、合併問題に揺れるチームに明るい話題をもたらした。 岩隈が負けない。合併問題の喧騒(けんそう)の中で、開幕からの連勝を、99年篠原(ダイエー)以来の「12」に伸ばした。 チームを残して欲しいというナインの思いをよそに、合併への手続きが着々と進んでいる。ライブドアが買収計画を発表した6月30日、岩隈も「買ってくれと思いました。うれしかった」と感情をあらわにした。しかし、球界の激流は止まらない。そんな流れにきゃしゃな体で抵抗するように、岩隈は投げ続けた。 0-0の3回、闘志をむき出しにしてピンチをしのいだ。2死から小笠原に右中間二塁打を浴びたが、セギノールを133キロフォークで空振り三振に斬った。その前の2球は147キロ、148キロの直球。いずれもボールになったが、制球重視の今季にあって際立つ数字だった。 そのせいか「最後はバテましたね。早く終わらせたいなと気持ちも焦った」と苦笑い。7回2/3を4失点と今季初めてイニング途中でマウンドを降りたが、前半戦無敗には変わりない。「すごいことですね。うれしいしビックリしています」と胸を張った。対日本ハムは昨年から10連勝。「強力打線なんで自信になっています」と涼しい笑顔を見せた。 梨田監督も「アイツにしては不本意な代えられ方かもしれないけど、立派なもんやね」と絶賛した。試合前「僕は見ざる言わざる聞かざる」と合併問題に"耳栓"をした指揮官も満面の笑み。チームは勢いに乗って、七夕の今日7日、今季初の4連勝に挑戦する。【浜田司】

◆巨人が3回に足を絡めた攻撃で逆転し、菅野を援護した。無死一塁から走者がスタートして菅野が犠打を決めると、1死一、二塁から松原のエンドランで同点に追い付いた。 続く1死一、三塁では一塁走者のみがスタートし、坂本の遊ゴロが併殺打にならずに追加点。1安打で2点を奪い、原監督は「思い切っていったということですね。なかなか打ちあぐねていた」と広島遠藤の攻略につなげた。

◆広島大盛穂外野手が、またも菅野から長打を放った。1回に右中間を破る三塁打で出塁し、田中広の犠飛で先制のホームを踏んだ。 1番で起用された12試合中6試合で1打席目に安打を放ち、いずれも得点を記録。ただ5回無死二、三塁で空振り三振に倒れ、2打席連続三振で途中交代となった。「2本、3本と打てるようにやっていきたい」と試合後は反省した。

◆セ・リーグ5位の広島が、首位の巨人と対戦。 巨人は1点を追う3回に松原の適時打で同点に追いつき、坂本の遊ゴロで勝ち越し。4回には若林の適時三塁打で1点を追加。6回にも若林の適時打とウィーラーの左二塁打で2点を奪い、継投で逃げ切り勝利した。菅野は6回を1失点に抑え、球団初の開幕投手からの12連勝を達成した。広島は1回に田中広の左犠飛で先制したが、再三の好機に得点できず敗れた。

◆巨人菅野智之投手が13年田中(楽天)以来10人目の開幕12連勝。 開幕投手の開幕12連勝は04年岩隈(近鉄)に並ぶタイ記録で、巨人では1リーグ時代の38年春スタルヒン、セ・リーグでも82年北別府(広島)の11連勝を抜く新記録だ。岩隈と菅野はともに15試合で12連勝したが、岩隈は前年日本一で強打のダイエーに1度も投げなかったのに対し、菅野はセの5球団から白星を記録。12連勝時の防御率も岩隈2・04、菅野1・76と菅野の方が良い。ただし、リードを許したのが岩隈は3試合しかないのに、菅野は8試合。投球内容は文句のない菅野だが、すぐに逆転してくれる打線の援護も見逃せない。

◆先発は広島遠藤、巨人菅野。広島は初回、田中広の左犠飛で先制。巨人は3回、松原の適時打、坂本の内野ゴロで逆転した。 巨人は4回、若林の適時三塁打で1点を追加。6回には若林、ウィーラーの適時打で2点を加点。広島は2回から6回まで無得点。 広島は2回以降得点を奪えず完敗。巨人は先発菅野が球団新記録となる開幕投手から12連勝。2連勝で優勝マジックを23とした。

◆巨人ゼラス・ウィーラー内野手(33)が「今年一のプレー」でピンチを救った。4点リードの7回1死満塁。広島メヒアの放った一塁線への強烈な打球を横っ跳びし好捕。そのまま一塁ベースを踏み2死、本塁に送球し三塁走者を刺した。抜ければ、少なくとも2点は失っていたであろう打球だった。 ベンチに戻るとチームメートから「今年一のプレーだったよ」と声をかけられ、ウィーラーは「そうだろ、そうだろ」と興奮しながらもうれしそうな表情を浮かべた。 バットでも3点リードの6回2死二塁、左翼線への打球を放ち、ヘッドスライディングで適時二塁打とし「打ったのはまっすぐ。久しぶりのヒットでうれしさしかないね! とにかく必死だよ!」と26打席ぶりの安打を喜んでいた。

◆巨人菅野智之投手(30)が球団史上初となる開幕投手からの12連勝を達成した。 6回104球を投げ4安打1失点9奪三振の快投で、球団では38年春スタルヒンを抜き、球界では04年岩隈久志(近鉄)に並んだ。 初回こそ打者2人で先制を許したが、2回以降は走者を出しても追加点を与えなかった。4回2死一、二塁では堂林を3球三振。5回には無死二、三塁のピンチを背負ったが、好調大盛を141キロのフォークで空振り三振。続く田中広からは150キロ直球で連続三振を奪い、最後は鈴木誠を150キロ直球で右飛に仕留めた。 「立ち上がりに失点をしてしまいましたが1イニングずつ丁寧に投げることはできたと思います。(5回走者を置いてから)自分自身でもよく粘ることができたと思います」と手応えを口にした。 前回登板の22日広島戦では125球を投げ、8回3失点の熱投も、9回に守護神デラロサが追いつかれ、12勝目は持ち越しとなっていた。降板後には「調子自体は良かったです。失点した回は甘くなってしまったことと、配球の面でも反省するべきところがあったのでしっかりと修正したい」と課題を口にしていたが、この日は広島打線を1点に封じた。負けないエースが歴史に名を刻んだ。 ▽巨人松原(3回に同点打) 1打席目と守備がふがいなかったので、何とかしたかった。追いつけて良かったです。次につなぐ気持ちしかなかったです。 ▽巨人若林(2本の適時打。4回の適時三塁打について) 長打を意識した中でボールに逆らわない打撃ができました。いい追加点になって良かったですし、菅野さんを援護できて良かったです。

◆巨人若林晃弘内野手(27)が適時三塁打を放った。1点リードの4回2死一塁、広島遠藤の139キロを捉えた打球は左中間を破った。 「カウントが2ボールだったので、長打を意識した中でボールに逆らわない打撃ができました。いい追加点になって良かったですし、菅野さんを援護できて良かったです」とコメント。6回にも右前適時打を放った。

◆巨人菅野智之投手(30)が、6回104球を投げ4安打1失点9奪三振の快投で、勝ち投手の権利を持ってマウンドを降りた。 このまま勝利を収めれば、球団では38年春スタルヒンを抜き、球界では04年岩隈久志(近鉄)に並ぶ開幕投手からの12連勝となる。 初回こそ打者2人で先制を許したが、2回以降は走者を出しても追加点を与えなかった。4回2死一、二塁では堂林を3球三振。5回には無死二、三塁のピンチを背負ったが、好調大盛を141キロのフォークで空振り三振。続く田中広からは150キロ直球で連続三振を奪い、最後は鈴木誠を150キロ直球で右飛に仕留めた。「立ち上がりに失点をしてしまいましたが1イニングずつ丁寧に投げることはできたと思います。(5回走者を置いてからは)自分自身でもよく粘ることができたと思います」と振り返った。

◆巨人が"足攻"で逆転に成功した。1点を追いかける3回無死一塁。菅野の2球目に一塁走者の若林がスタート、投前への犠打を成功。吉川尚の死球を挟み、一、二塁から、松原の3球目にも各走者がスタートを切って、右前適時打で同点に追いついた。 なおも1死一、三塁から、坂本の2球目に一塁走者の松原がスタート。遊ゴロだったが、二塁は間一髪セーフ(一塁はアウト)で勝ち越した。同点打を放った松原は「追いつけて良かったです。次につなぐ気持ちしかなかったです」とコメント。足でかき回し、広島遠藤を攻略した。

◆広島田中広輔内野手(31)が先制犠飛を放った。初回、1番大盛が右中間への三塁打でチャンスメーク。無死三塁から田中広が巨人菅野の変化球を左翼後方まで運び、大盛が本塁へ生還した。 「大盛がチャンスを作ってくれたので返すことができてよかったです。最低限の仕事が出来ました」。高校、大学の同級生で、球団新記録の開幕12連勝を狙う難攻不落の菅野から貴重な先制点奪取に成功した。

◆巨人ゼラス・ウィーラー内野手が守備で見せた。4点リードの7回1死満塁。広島メヒアの放った一塁線への強烈な打球を横っ跳びで好捕。そのまま一塁を踏んだ後、本塁に送球し併殺を完成させた。 バットでも6回2死二塁、26打席ぶりの安打となる左翼線への適時二塁打を放った。「捕るために最善を尽くそうと思った。ヒットもそうですし、今日はすばらしい1日」。原監督は「あれはスーパープレーですね」とたたえた。

◆巨人原辰徳監督は、開幕から12連勝を飾った菅野智之投手の投球について「先制されても、やっぱり自分を見失わずにしっかりゲームをつくれる。かなり早い段階で逆転したっていうのも、攻撃陣も見事だったと思いますね」と評価した。 5回無死二、三塁のピンチを無失点で切り抜けるなど、勝負どころで崩れない強さがある。 「やっぱり、ランナーを背負った時には慎重に投げるというのはね。2ナッシングからでも2-2、3-2カウントまでというかね。そういう慎重さっていうのはピッチャーって大事なんでしょうな」と分析。 無傷の12連勝については「これはもうすごい数字ですよ。先発ピッチャーはいくつ貯金ができるかも大事なとこですしね。それが何十年ぶりかなんかでしょ。(04年の岩隈に16年ぶりに並び)歴史は物語るところでしょうね」と評した。 巨人の優勝マジックは23になった。

◆巨人菅野智之投手(30)が球団史上初となる開幕投手からの12連勝を達成した。 6回104球を投げ4安打1失点9奪三振の快投で、球団では38年春スタルヒンを抜き、球界では04年岩隈久志(近鉄)に並んだ。「素直にうれしいです。こればっかしは自分の力だけではどうにもならないことで、本当に1勝1勝の積み重ねなので、後ろ守ってくれる野手であったり、トレーナーさんであったり、いろんな人に感謝を伝えたいです」と頭を下げた。 ピンチでギアを挙げ追加点を与えなかった。5回、岡本の失策が絡み、無死二、三塁のピンチを背負った。まずは大盛を141キロのフォークで空振り三振に仕留めると、続く田中広からは150キロ直球で連続三振を奪った。最後は鈴木誠を150キロ直球で右飛に仕留め「毎回野手には助けられっぱなしですし、何とかカバーしたいなという気持ちで。今日はチーム一丸で勝てた1勝だと思います」と笑顔を見せた。 次戦で勝利を収めれば、前人未到の開幕投手からの13連勝となる。次戦に向け「この連勝は1回負けてしまうと記録が止まってしまう。毎回意識しながらマウンドに上がるのは意外としんどいんですけど、そういう期待に応えるのもプロ野球の醍醐味(だいごみ)だと思いますし、自分自身も負けないでシーズンを終えられるように、頑張っていきます」と力を込めた。

◆広島遠藤淳志投手(21)が巨人16回戦(マツダスタジアム)に先発し、5回4安打4四死球3失点で4敗目を喫した。 ボール先行の投球で四死球からピンチを招き、ストライクを取りに行った球を痛打された。2週続いた巨人菅野との対戦は前回同様、四球から失点を重ねて5回降板に終わった。この敗戦で、首位との差は13年9月12日以来となる大台20・5ゲーム差に広がった。21歳の遠藤にとって、球界のエースとの差をまざまざと見せつけられる登板となった。状況に応じて"力を入れる"巨人菅野に対し、遠藤はカウントによって"力が入った"。課題の立ち上がりを無失点で切り抜けながらも、ボール先行の投球から崩れた。 「前回と同じ失敗をしてしまった。全体的にボール先行になってしまったので、そこは反省しないといけない。本当に3回、4回がもったいなかった」 1回から球速も出ず、打者3人に2ボールとするなど、ボール先行の投球が目立った。3回、先頭の若林へのこの日初めての与四球から崩れた。1死二塁で吉川尚に2ストライクから死球。続く松原に2ボールとし、ストライクが欲しい場面で右前へヒットエンドランを決められ、同点に追いつかれた。さらに1死一、三塁から遊ゴロも、再び一塁走者がスタートを切っており、三塁走者に勝ち越しの生還を許した。 4回も先頭への四球から、若林に適時三塁打を浴びた。この日許した4四死球のうち3四死球が失点につながり、2本の適時打はいずれも2ボールから。今季被打率2割3分4厘も、ボール先行に限れば3割1分2厘にはね上がる。佐々岡監督は「いつも言っているように、悪いところが出た。もっと考えてやらないと」と猛省を促した。自分自身と戦っているようでは、連勝記録を続ける菅野に挑むことはできない。遠藤は「もっともっと試合を見て、感じて、勉強していかないといけない。いつか報われることを信じて挑戦して行ければ」と表情を引き締めた。 打線も遠藤を援護できず、首位巨人とは13年9月12日以来の大台となる20・5ゲーム差に。巨人が足を絡めて若い遠藤を攻略したチーム力を含め、連覇へ突き進むチームとの差は投手力だけではない。【前原淳】 ▽広島会沢(コンディション不良から復帰し、9日ヤクルト戦以来の先発マスク)「フル出場で体的には問題なくプレーできた。チームが勝てなくて申し訳ない。チーム一丸で勝利を目指して1試合1試合やるだけです」 ◆広島の13年 野村謙二郎監督4年目の13年は、最多14あった借金を3まで減らし、球団史上初のクライマックス・シリーズ進出を決めた。Aクラス入りも97年以来16年ぶりだった。この年は巨人が首位独走でセ・リーグ制覇。広島との差は最大で「20・5」ゲーム開いていた。

◆広島は菅野に屈し、巨人戦4連敗で借金は今季ワーストタイの「13」に逆戻りした。 初回に田中広輔内野手の犠飛で先制点を奪うも、2回以降は打線が沈黙。5回は無死二、三塁としながら、得点できなかった。 佐々岡真司監督は「(菅野は)そんなに簡単に打てる投手じゃない。(5回の拙攻に)もっと粘り強くやってほしい」と苦言を呈した。13年以来7年ぶりに首位とのゲーム差は「20・5」となった。

◆エースはみんなのために、みんなはエースのために-。巨人菅野智之投手(30)が、6回4安打1失点で開幕投手からの12連勝。球団では38年春のスタルヒンを超え、リーグ新記録を達成した。04年、球界再編問題の真っただ中、近鉄岩隈(現巨人)が連勝を重ねたシーズンから16年。コロナ禍で異例のシーズンとなる中、菅野が仲間とともに連勝街道を突き進む。"無双"の男が、繰り返したのは感謝だった。菅野は6回4安打1失点の好投で、プロ野球タイ記録となる開幕投手からの12連勝を達成。マイクを手にし、自身の連勝記録の喜びとともに、いつものように支えてくれる仲間への思いを言葉に込めた。 菅野 自分の力だけではどうにもならないこと。後ろで守ってくれる野手であったり、トレーナーさんであったり、いろいろな人に感謝を伝えたいです。 仲間を思えば、自らの限界も突破した。2点リードの5回、岡本の失策を機に背負った無死二、三塁のピンチ。「いつも助けてもらっている分、絶対カバーしたいなと」。大盛をフォーク、田中広を150キロの直球で連続三振。鈴木誠もギアマックスの150キロで右飛にねじ伏せた。 いつもは冷静沈着なエースが「ちょっと力を振り出しすぎてしまって、ちょっとバテてしまった」と苦笑するほどの熱投。"施されたら、施し返す"のはチームスポーツの野球界でも同じだった。 仲間のために、環境面の整備でも先頭に立った。春先、ジャイアンツ球場室内のマウンドを東京ドーム仕様への改良を要望。すでに改良済みの場所もあったが、今では6カ所中4カ所へと増加。外野のブルペンも3カ所が東京ドーム仕様へと変わった。1日のDeNA戦の登板後には、整備担当と東京ドームのマウンドをチェック。集めた投手陣の声を担当者に伝えた。 ファンのためにも、記録を意識する。「1回負けてしまうと記録が止まってしまうので、毎回意識しながらマウンドに上がるのは意外としんどいですけど、そういう期待に応えるのもプロ野球の醍醐味(だいごみ)」と受け止め、力強く誓った。「自分自身も負けないで、シーズンを終えられるように頑張っていきたいと思います」。通算99勝目。プロ野球史上初の13連勝とともに、自身のメモリアルを迎える。【久保賢吾】 ▽巨人原辰徳監督(菅野の12連勝に)「これはもうすごい数字ですよ。先発ピッチャーはいくつ貯金ができるかも大事なとこですしね。それが何十年ぶりかなんかでしょ。歴史は物語るところでしょうね。先制されても自分を見失わずにしっかりゲームをつくれる。(5回のピンチは)ランナーを背負った時に慎重に投げる。大事なんでしょうね」

◆エースはみんなのために、みんなはエースのために-。巨人菅野智之投手(30)が、6回4安打1失点で開幕投手からの12連勝。 球団では38年春のスタルヒンを超え、リーグ新記録を達成した。04年、球界再編問題の真っただ中、近鉄岩隈(現巨人)が連勝を重ねたシーズンから16年。コロナ禍で異例のシーズンとなる中、菅野が仲間とともに連勝街道を突き進む。

◆巨人が2連勝。優勝へのマジックナンバーを23とした。先発の菅野は6回を投げ4安打1失点、開幕からの連勝を12に伸ばした。広島は終盤の2度の得点機をいずれも併殺打でふいにした。  先制したのは広島。一回、先頭の大盛が右中間への三塁打で出塁すると、続く田中広が左犠飛を打ち上げた。巨人は二回、四死球で1死一、二塁とすると、松原の右前適時打で追いつき、続く坂本の遊ゴロの間に三走・吉川尚が生還し勝ち越した。  巨人は四回に若林の左中間への適時三塁打で追加点。六回にも若林の右前適時打とウィーラーの左翼への適時二塁打で5-1とリードを広げる。菅野が降板した直後の七回、巨人は四死球と守備の乱れによりノーヒットで1死満塁のピンチを招くが、代打・メヒアの一塁線への鋭いゴロをウィーラーがダイビングキャッチ。自ら一塁を踏み本塁に転送し併殺を完成させた。広島は八回にも1死一、二塁のチャンスを作ったものの、会沢が三ゴロ併殺打に倒れた。

◆巨人が2連勝。優勝へのマジックナンバーを23とした。先発の菅野は6回を投げ4安打1失点、開幕からの連勝を12に伸ばした。広島は終盤の2度の得点機をいずれも併殺打でふいにした。以下、ヒーローインタビューでの菅野の一問一答。  --今日は初回に1点こそ失いましたが、その後0を並べて。6回1失点という内容でした。今日のピッチングを振り返って。  「立ち上がりだけですね。あとは粘り強く投げられたので、満足しています。  --宮本コーチから「修正できている」というコメントもあった。どのような修正点が。  「やっぱり、初回は自分のペースを掴むまでにポンポンと打たれてしまったので、勝負するところは勝負して。ファウルを打たせるところは打たせて、そういうメリハリが付けられたと思います」  --五回にはノーアウトランナー二塁、三塁というピンチがあった。あの場面に気持ちの変化は。  「はい。毎回、野手には助けられっぱなしですし。なんとか、そういうものもカバーしたいなという気持ちで。ちょっと力を無理に出しすぎてしまってちょっとバテてしまったので。はい、今日はチーム一丸で勝った1勝だと思います」  --これで開幕から無傷の12連勝。開幕投手としては、スタルヒンさんの球団記録を抜いて、岩隈久志さんのプロ野球記録に並んだ。この記録に関してどう感じているか  「素直に嬉しいです。こればっかしは、自分の力だけではどうにもならないことで。本当に1勝1勝の積み重ねなので。後ろを守ってくれる野手であったり、トレーナーさんだったり、いろいろな人に感謝を伝えたいです」  --ファンはこの記録がどこまで伸びるかを楽しみにしている。チームとしても順調にマジックを減らしている。次回以降の登板について一言  「連勝っていうのは、1回負けてしまうと止まって。記録が止まってしまうので、毎回意識しながらマウンドに上がるのは意外としんどいんですけど。そういう期待に応えるのもプロ野球の醍醐味だと思いますし、自分自身も負けないでシーズンを終えられるように頑張っていきます」

◆広島が巨人・菅野を攻略できず、G戦4連敗を喫した。試合後の佐々岡真司監督(53)の主な一問一答は以下のとおり。  --遠藤が5回4安打3失点で今季4敗目(2勝)を喫した  「いつも言っている悪いところ。球も高いし、フォアボールからの失点。毎回言っているけど、そういうところで失点してしまっている。(四回には)2ボールから8番(若林)に三塁打を打たれているし、もっと考えてやらないといけない。入りの悪さもある」  --1点を守る三回にはサインプレーを使った攻撃を仕掛けられて逆転を許した  「カウントを悪くするからそういうことになる。相手も動きやすくなる」  --打線は2点を追う五回無死二、三塁と菅野から得点機を作ったが大盛、田中広、鈴木誠が凡退し無得点  「そんなに簡単に打てるピッチャーじゃない。チャンスを作って1、2番だったけど、相手の守備隊形を見てバットを当てるという、ところだったけど、もっと粘り強くやって欲しい。これだけファンの方が集まって申し訳ない。切り替えてやるだけです」

◆巨人の原監督は、菅野のプロ野球記録到達を称賛。「これはもうすごい数字ですよ。何十年ぶりかなんかでしょ。(セ・リーグで初めてという)歴史が物語るところでしょうね」と驚きを交えながら、貯金量産のエースを褒めちぎった。  ナインも快挙を祝福した。四回に適時三塁打、六回に適時打をマークした若林は「菅野さんを援護できて良かった」と喜んでいた。

◆呼ばれて飛び出て...巨人の"ハクション大魔王"ことゼラス・ウィーラー内野手(33)が攻守に大活躍。4-1の六回2死二塁で代打で出ると、左翼へ適時二塁打。気迫のヘッドスライディングを見せた。七回1死満塁の守備ではメヒアの一塁線への強烈なゴロを横っ飛びで好捕し、併殺に。「捕るために最善を尽くそうと思った」と笑った。  陽気でムードメーカーの助っ人が、悩んでいた。ここまで25打席連続無安打。この日は粘りに粘った10球目に快音が響き、「久しぶりだったので本当にうれしかった。どうしても頭の中ではいろいろ考えたりしていたので。なるべく平常心で努めてやるようにしてきた」。ガッツポーズでトンネル脱出を喜んだ。  6月25日に楽天からトレードで加入し、序盤の快進撃を支えた1人。愛されキャラは「素晴らしい1日」と言い残してバスに乗り込んだ。(伊藤昇)

◆巨人は29日、広島16回戦(マツダ)に6-1で勝ち、2連勝。優勝へのマジックナンバーを1つ減らして「23」とした。菅野智之投手(30)が6回4安打1失点で、開幕戦から無傷の12連勝。通算99勝目(47敗)となった。開幕投手としては1938年春にスタルヒンがマークした球団記録を塗り替え、2004年に近鉄・岩隈久志(現巨人)が作ったプロ野球記録に並んだ。  投手にとっての白星は、野手の力があってこそ。それを肝に銘じる菅野は奮い立った。3-1の五回、三塁手の岡本の失策をきっかけに無死二、三塁となり、右腕に力を込めた。  「いつも(野手に)助けてもらっている分、絶対カバーしてやろうという気持ちだけでした。チーム一丸で勝てた1勝だと思います」  一打同点の危機で1番・大盛と2番・田中広を空振り三振、3番・鈴木誠を右飛。直球とスライダー、フォークボールをコースいっぱいに投げ分けた。1点も与えず、流れをグイと引き寄せた。6回104球、4安打1失点。ついに開幕12連勝の偉業を成し遂げた。  開幕投手からの記録としては1938年春にスタルヒンがマークした球団記録を超え、2004年に近鉄・岩隈久志(現巨人)が作ったプロ野球記録に並んだ。菅野は記録への意識をあえて口にすることで、モチベーションにつなげてきた。  「毎回意識しながらマウンドに上がるのは意外としんどいけど、そういう期待に応えるのもプロ野球の醍醐味(だいごみ)。一回負けてしまったらそこで終わりなので、プレッシャーも楽しみながら投げたい」  快進撃を続ける右腕のすごみは、その制球力。今季、107回1/3を投げて17四球。規定投球回に達している両リーグの12投手の中で最少だ。針の穴を通す制球力の原点は、少年時代にある。  5月に球団公式インスタグラムで明かした小学生時代の日課は、神奈川県内の実家近くの公園での「壁当て」。菅野少年は、高さ120センチ×幅50センチの門柱を目がけ、毎日のように投球練習を繰り返したという。  「壁がすごく小さくて、そこに当たらないと奥の林にボールを取りにいかないといけなかった。そこに当てようと思ったら、自然とそういうフォームになって基礎ができた」  林にボールを拾いに走った分だけ、制球力と精神力が磨かれた。失投が命取りになるプロの世界でも、少年時代の努力は生きている。プロ8年間で積み上げた勝利数は、これで99勝に達した。  「先制されても、自分を見失わずにしっかりゲームを作れる」と評した原監督。記録についても「何十年ぶりかなんかでしょ。(セ・リーグで初めてという)歴史は物語るところでしょうね」と目を丸くしてたたえた。  チームは10連戦の初戦に勝利。菅野の「12」を含め、貯金は今季最多の「28」に膨らんだ。「負けないでシーズンを終えられるように頑張る」。無敗のエースが、リーグ2連覇へ導く。(谷川直之)

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
巨人
54264 0.675
(↑0.004)
M23
(↑1)
36401
(+6)
281
(+1)
103
(-)
51
(-)
0.260
(-)
3.230
(↑0.03)
2
(-)
阪神
42394 0.519
(↑0.006)
12.5
(-)
35367
(+7)
339
(+3)
88
(+2)
54
(+1)
0.247
(↑0.001)
3.510
(↑0.04)
3
(-)
DeNA
42415 0.506
(↑0.006)
13.5
(-)
32374
(+8)
341
(+4)
90
(+2)
22
(+1)
0.268
(↑0.001)
3.700
(-)
4
(-)
中日
39435 0.476
(↓0.005)
16
(↓1)
33301
(+3)
361
(+7)
51
(-)
20
(-)
0.245
(-)
3.890
(↓0.04)
5
(-)
広島
32458 0.416
(↓0.005)
20.5
(↓1)
35362
(+1)
413
(+6)
84
(-)
36
(-)
0.262
(↓0.001)
4.490
(↓0.01)
6
(-)
ヤクルト
32476 0.405
(↓0.005)
21.5
(↓1)
35360
(+4)
430
(+8)
84
(+1)
48
(-)
0.251
(↓0.001)
4.670
(↓0.04)