阪神(☆6対3★)DeNA =リーグ戦17回戦(2020.09.22)・阪神甲子園球場=
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DeNA
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阪神
00200103X6911
勝利投手:岩崎 優(4勝2敗1S)
(セーブ:スアレス(2勝0敗17S))
敗戦投手:石田 健大(1勝2敗0S)

本塁打
【DeNA】オースティン(8号・5回表3ラン)
【阪神】近本 光司(8号・3回裏2ラン)

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◆阪神は1点を追う6回裏、1死一二塁から糸井の適時打が飛び出し、同点とする。そのまま迎えた8回には、糸井と大山の適時打で3点を挙げ、勝ち越しに成功した。投げては、4番手・岩崎が今季4勝目。敗れたDeNAは中盤に試合をひっくり返すも、救援陣が踏ん張れなかった。

◆DeNAルーキーの坂本裕哉投手(23)はここまで2勝0敗。DeNAでは昨季新人の上茶谷が6連勝、大貫が3連勝しているが、新人が開幕から無傷の3連勝となれば86年相川(4連勝)以来、球団34年ぶり。

◆不調のため2軍調整が続いていたDeNAホセ・ロペス内野手(36)が、約1カ月ぶりに1軍に合流した。「6番一塁」で即スタメン起用される見込みとなった。 試合前にオンライン取材に対応したラミレス監督は「今日は先発でいくけど、その状態を見て明日以降は考えていこうかと思う。日米通算2000本安打まで(残り22本に)迫っていて、ぜひ達成してほしいと思っているし、今までのように勝利に貢献してくれればと思っている」と話した。 来日8年目となるベテラン助っ人は、ここまで51試合に出場し、打率2割4分、4本塁打、19打点。8月26日に負傷以外では初となる登録抹消となっていた。 2軍戦では、19日西武戦で本塁打。20日同カードでも3打数2安打と調子を上げている。

◆両チームのスタメンが発表された。先発は阪神が高橋遥人投手(24)、DeNAが坂本裕哉投手(23)。 阪神大山は坂本と前回対戦した8日(横浜)に満塁本塁打、2ランと2打席連発で6打点を稼いだ。好相性を生かして快音を響かせることはできるか。 DeNAは打撃不振で2軍調整を行っていたロペスが出場選手登録され、6番一塁で即スタメン起用された。

◆講談師の神田伯山(37)が始球式でストライク投球を見せた。「野球見るならJ:COMデー」の一環で行われ、タテジマに背番号「6」を背負って登場。大きく振りかぶったダイナミックなフォームから放たれたボールは、ど真ん中ストライクで捕手坂本のミットに届いた。「緊張は不思議と、年中で講談をやっているのでしなかったです」と振り返ったが「鈴木奈々さんの件があるので、早く投げないといけないというプレッシャーはありました。ストライクが入ったので良かったと思います」。過去の遅延始球式に絡めて、笑いを誘った。 神田は20年2月に真打昇進、同時に講談界の大名跡である6代目「神田伯山」を襲名した天才講談師。野球未経験ながら自身初の始球式に向けて、日刊スポーツ評論家の上原浩治氏(45)にリモートで投球指導を受けるなど猛特訓。一発勝負の本番で、見事な投球を披露した。特定の応援球団はまだないと明かし「横浜さんにオファーを頂いてたら横浜さんでと思ったんですけど、阪神さんに今回やっていただいたので。これを機に阪神ファンになれればなと思いますね」と、虎党の仲間入りも果たした。 最後に話題は付けていた背番号「6」の理由に及び、講談師ならではオチもバッチリ。「6代目なんで一応、6番にしたんです。けど本当は伯山(はくざん)で「893」になる予定だったんですよ。それがコンプライアンスの関係でヤクザに見える。それで6に。絶対こっちの方がいいですよね。非常にこのユニホーム、全部含めていいピッチングができた」と、経緯を説明していた。

◆阪神近本光司外野手(25)が先制2ランを放った。3回2死までDeNA先発坂本に無安打と抑えられていたが、9番投手高橋が右前へ運ぶチーム初安打。 続く近本がスライダーを捉え、右翼席へ8号2ランを運んだ。 「(高橋)遥人が打って塁に出てくれたので、自分も続きたいと思っていました。コンパクトにスイングすることができましたし、先制することができて良かったです」 チームは甲子園で4日巨人戦から8試合連続本塁打。同記録は02年9月1日ヤクルト戦~同24日巨人戦以来、18年ぶり。なお、最長は89年に記録した13試合。

◆DeNAタイラー・オースティン内野手(29)が、2試合連発となる8号3ランを放った。 2点を追う5回無死一、二塁、阪神先発高橋の2球目、内角低め143キロを完璧に捉えた。左翼手サンズが一歩も動けず打球を見送るほどの大きな当たりが、左翼席中段へ。試合をひっくり返す豪快弾に「ヤッター!! 逆転することができうれしいです。体がうまく反応してくれて完璧に捉えることができました!」と明るい表情で話した。 新助っ人は、7月31日の同カードの右翼守備でフェンスに激突。脳振とうとむち打ちで翌日からベンチを外れ、約1カ月半の戦線離脱を強いられていた。前日21日には右中間へ7号ソロを放っており、「因縁」の甲子園で、文字どおりの大きな1発となった。 これで9月12日の復帰から、10試合で4本目。驚異のペースで本塁打を量産している。

◆阪神糸井嘉男外野手(39)が勝ち越しの2点適時二塁打を放った。同点の8回1死二、三塁で3番手石田の直球を右中間へ運んだ。2走者をかえす値千金の一打。この回は大山にも適時打が生まれてリードを3点に広げた。 糸井は1点を追う6回1死一、二塁でも2番手山崎康から左前へ同点適時打を放っていた。2試合連続スタメン出場で、2戦連続適時打、2打席連続適時打と勝負強さが光った。

◆阪神高橋遥人投手(24)が投げて打って奮闘し、6回8安打3失点でマウンドを降りた。「毎回のようにランナーを背負ってしまい、いいリズムで投げることができませんでした。守備の時間が長くなってしまい、攻撃にいい流れを持ってくることができず申し訳ないです」。代打を送られた6回裏に味方が同点に追いついたため、黒星はなくなった。 初回、先頭の梶谷に左前打を許し、連打と四球でいきなり無死満塁のピンチを招いたが、慌てなかった。4番佐野、5番宮崎をツーシームで連続空振り三振に仕留め、最後はロペスの二塁後方への飛球を糸原が背走しながらキャッチ。27球を要したが、味方の好捕にも助けられ無失点でしのいだ。 3回の攻撃では2死から打席に立ち、DeNA坂本の外低めのスライダーに食らいつき今季初安打となる右前打で出塁。その後の近本の先制2ランを呼び込んだ。 4回1死一塁から木浪の失策で1死一、三塁とされたが、後続を打ち取り味方のミスも救った。しかし5回無死一、二塁から、オースティンに内角のカットボールをとらえられ、左翼へ特大の3ランを浴びた。6回を3者凡退に抑えたその裏に、代打原口を送られた。

◆阪神が接戦を制して連勝した。同点の8回1死二、三塁で糸井が右中間を破る適時二塁打で2点を勝ち越した。 さらに大山も中前適時打で加点。DeNAを突き放して、甲子園で5連勝だ。眼下の敵だった3位チームとの対戦で圧倒して、2位を死守。貯金は再び今季最多タイの4個となった。

◆DeNAが2試合連続で「魔の8回」に失点し、3連敗で2カ月ぶりの借金1となった。 ここまで防御率1・91の中継ぎエース石田が7回から登板し、回またぎで8回も続投。先頭の代打陽川に左前打を許し、犠打野選でピンチが拡大。1死二、三塁から糸井に痛恨の2点適時二塁打を浴びた。今季18度目の逆転負けで、7月29日以来の借金1。 ラミレス監督は「まずは明日の試合に勝つことに集中していきたい」と話した。

◆阪神が接戦を制して連勝した。同点の8回1死二、三塁で糸井が右中間を破る適時二塁打で2点を勝ち越した。さらに大山も中前適時打で加点。DeNAを突き放して、甲子園で5連勝だ。眼下の敵だった3位チームとの対戦で圧倒して、2位を死守。貯金は再び今季最多タイの4個となった。 矢野燿大監督の一問一答は以下の通り。 -前日21日に続き、6回に追いついて8回に勝ち越し 矢野監督 本当に全員が、投手も野手も全員が一丸となって、うちらしい野球ができました。 -近本は最近、本塁打が目立つ 矢野監督 そうですね。効果的なところでね。全然打てないところからハルト(高橋)が出て、ホームランというね。効果的なホームランでしたし。近本は体は大きくないですけど、ホームランも打てるんで、どんどん打ってほしいです。 -糸井が大活躍 矢野監督 嘉男のいい顔を久しぶりに見られて僕もうれしかったですし、嘉男自身も、出られないときにもしっかり準備してやってくれてたので。嘉男にとっても、チームにとってもいい日になったかなと思います。 -先発高橋は 矢野監督 ちょっと立ち上がりからピンチをたくさん作ってしまったのでね。どうしても疲れとか、バッターが慣れてくるというところで。もちろん粘ってほしかったけど、いい部分ともう一つのところと、両方あったかなと思います。 -馬場は打者1人で岩貞にスイッチ 矢野監督 そうですね。打ち取っても代えるつもりだったので。岩貞も中継ぎでずっといい形で、ラッキーボーイですし、チームの流れを変えてくれていますし。本当にみんなが素晴らしい投球をしてくれました。 -岩崎も2戦連続勝利 矢野監督 ボール自体は後半にきて良くなっている感じがするので。これからも優に頼るところはあるかなと思います。 -3カードぶりの勝ち越し。明日へ向けて 矢野監督 僕たちはもう目の前の試合を勝つ、ジャイアンツへの挑戦権をつかむというところが今やることなので。今日みたいな試合で全員でつないで、まず2つ取れたんで明日しっかり取りたいと思います。 -糸井のチーム打撃 矢野監督 チームのためにっていうのは結果そうだけど、みんなそう思ってやっているしさ。かえしたい一心じゃないの? チームのためというより、自分のためっていうのもあるしさ。ずっと試合に出ている選手が出られへんっていうのは悔しい思いというか、モヤモヤした時間を過ごしているんでね。全部の気持ちを持って打席に立って、打ったということじゃないかなと思う。 -8回は代打陽川から。代走江越の足もあった。 矢野監督 全部絡んだよね。陽川が出てくれたから大賀(江越)を代走に出したし、大賀やからセーフになってくれた。健斗(糸原)もしっかり。前にバントを失敗あったんで、あそこもすごく嫌な、打っている方が気持ち的に楽な場面なんだけど、しっかりバントを決めてくれて。で、嘉男(糸井)が決めてって。流れが本当にあったし。ピッチャーもそういう流れをしっかり作れたんで。聖也(木浪)も捕らないとダメなエラーがあったけど、最後にいいプレーで取り返してくれたんで。そういうところでは全員で戦えたという手応えがある試合かな。 -救援陣が安定していることで終盤に流れをもってきやすい 矢野監督 もちろん、先発が長く投げてくれればいいけど、いまの投手陣は(誰を)出しても自分たちで割り切れるというか任せるしかないのでね。自分のなかでは何の迷いもなく、送り出せるんで。そういうところでは頼もしく思っています。 -甲子園でやる強み 矢野監督 お客さんに入ってもらってね、きょうでも盛り上がるしさ、チカ(近本)の本塁打でもすごくより声援というか、静かに応援してくださいというところなんだけど、メガホンたたいたり、みんなの思いは届いている。たくさん入ってもらってその中でやるのはいい。それが甲子園というのは最高の場所なんで。

◆阪神は3回に近本が右中間に8号2ランを放ち、先制。先発高橋は1回無死満塁をしのぎ、序盤3イニングを無失点に抑えた。 DeNAは5回にオースティンが左翼に8号3ランを放ち逆転。阪神は6回に糸井の左前適時打で同点に追いついた。 阪神は8回に糸井の2点適時二塁打、大山の適時打で3点を勝ち越し。接戦を制して2連勝とした。DeNAは3連敗で借金1。阪神岩崎4勝目、スアレスは17セーブ目。DeNA石田が2敗目。

◆阪神5番大山悠輔内野手が貴重な追加点を挙げた。 糸井の勝ち越し打が飛び出した8回、サンズの申告敬遠で1死一、二塁となると、左腕石田の初球チェンジアップを中前に運んだ。「追加点がほしい場面だったので打つことが出来て良かった。明日も勝ちに貢献できるように頑張ります」。本塁打王を争う大砲が意地を見せた。

◆阪神岩崎優投手が「勝ち運」を呼び込み、連日の救援白星だ。前日と同じく同点の8回に登板。先頭の代打蝦名を145キロの内角速球で空振り三振に仕留めると、柴田も遊飛に封じ、倉本はカットボールで空を切らせた。リズム良く3者凡退でベンチに戻ると、ナインと予言をささやき合っていた。 岩崎 今年1回、サダがやっている。投げ終わって(2日連続の救援勝利が)『あるんじゃない?』って。ホントにありました。ビックリしています。 0封直後に糸井が決勝の2点打。前日も0封直後にボーアの勝ち越し打が出たた。それは8月29、30日広島戦(マツダスタジアム)で、2戦連続の救援勝利が舞い込んだ岩貞とそっくりのパターン。勝負どころで出ても安定感を誇る"岩岩コンビ"だからこそ、予言が現実になった。 だが、今季4勝目は偶然ではない。前日は先頭ソトに四球を与えたが無失点。試合後「明日以降は先頭を切って0点で抑えられるように」と反省した。有言実行の完璧投球。リリーフの鉄則である「先頭封じ」を決め、役割を果たした。 3日のヤクルト戦でプロ初セーブを挙げるなど、連続試合無失点を9に伸ばした。防御率も今季初めて1点台(1・95)まで下げ、守護神スアレスにつなぐ「8回の男」として仁王立ちだ。矢野監督も「球自体、後半にきて良くなっている。何の迷いもなく、送り出せる」と信頼は厚い。 お立ち台でもマウンドのような鉄仮面。それでいて、お茶目な顔も合わせ持つ。外国人選手のように片言の日本語で抑揚までつけ、「タイガースファン、イツモアリガトウ」と笑わせた。勝利を呼ぶ男も奇跡を信じて腕を振る。【酒井俊作】

◆阪神3番手の岩貞祐太投手は敵に流れを渡さなかった。同点に追いついた直後の7回無死一塁で登板。球威を生かし、佐野、宮崎、ロペスを3者連続フライアウトに仕留めた。 直前の馬場は1人に投げただけ。矢野監督は「(馬場が)打ち取っても代えるつもりだった。岩貞も中継ぎでずっといい形でラッキーボーイですし、チームの流れを変えてくれている」と信頼。同学年で同期生の岩崎も「一緒に結果が出たらうれしい」と笑う。今季救援した18試合で防御率1・80と安定感抜群で勝ち試合に欠かせない。

◆阪神の最終回はロベルト・スアレス投手が締めた。 先頭梶谷に内野安打を許したが、続くソトを二ゴロ。1死一塁からはオースティンを遊ゴロ併殺に仕留めた。「チームも逆転してくれたし、いつも通り準備はしっかりできていたよ。最後は木浪のビッグプレーにも助けられたし、チームとしてもいい勝ち方ができたから、明日からも自分の仕事に集中して、勝てるように頑張るよ」。 オースティンの打球をさばいた木浪への感謝も言葉にした右腕は、リーグトップのセーブ数を17とした。

◆阪神矢野燿大監督が采配ズバリで流れを呼び込んだ。8回に代打の先頭陽川がしぶとく左前打で出塁すると、代走江越をコール。近本が送りバントを試み、投手石田の二塁送球がセーフ(記録は犠打野選)。続く糸原は1球で送りバントを成功させ、1死二、三塁の好機をつくって糸井につなげた。 指揮官は「全部絡んだよね。陽川が出てくれたから大賀を代走に出したし、大賀やからセーフになってくれた。健斗もしっかり(決めた)」と満足そうだった。

◆阪神木浪聖也内野手が9回1死一塁の守りで好プレーを決めた。オースティンの打球は二遊間への強い当たり。飛び込んでつかむと、そのまま二塁にグラブトス。6-4-3の併殺でゲームセットとした。 4回の守りでは失策を記録。矢野監督も「聖也(木浪)も捕らないとダメなエラーがあったけれど、最後にいいプレーで取り返してくれた」と評した。

◆不調のため2軍調整が続いていたDeNAホセ・ロペス内野手(36)が、約1カ月ぶりに1軍に合流した。「6番一塁」で即スタメン起用。4打数1安打だった。DeNAロペス(1カ月ぶりに1軍復帰し日米通算2000試合出場)「2000試合に関しては全く意識していませんでした。残念ながら今日は負けてしまいましたが、達成できたことはうれしく思います」

◆DeNAが2試合連続で「魔の8回」に失点し、3連敗で2カ月ぶりの借金1となった。DeNAラミレス監督(6回に2番手で起用した山崎について)「点は取られたがアンラッキーなヒットもあった。スピードもあったし今年ベストの投球だった」

◆球児魂で超人復活だ! 阪神糸井嘉男外野手(39)が同点、決勝の2打席連続タイムリーで2連勝と今季最多タイの貯金4を導いた。右膝痛を抱えるベテランは10年ぶりの7番やスタメン落ちも味わいながら大奮闘。支えは、今季限りでの現役引退を発表した藤川球児投手(40)への熱い思いだ。首位巨人はこの日も勝ち、シーズン3分の2を終えて、残り40試合で10・5差は厳しい。だが憧れの鉄腕をミラクルVで送るために、超人も諦めない。頼もしい糸井が戻ってきた。「ここしかないという場面で打ててよかったです」。同点の8回1死二、三塁。狙っていたという石田の直球を振り切った。右中間で弾んだ打球は、前進守備の外野手間を破る決勝2点適時打。1万1307人の観衆の前で文句なしのお立ち台に上がり、「最高です!」と笑顔がはじけた。 独壇場だった。1点を追う6回1死一、二塁では、山崎から三遊間を破って同点適時打。4回の右前打と合わせ、38日ぶり今季3度目の猛打賞を左右に打ち分けた。2試合連続の3番スタメン起用に応え、2戦連続適時打。勝負強さ全開で超人復活をアピールした。 右膝痛を抱えながらプレーを続ける。思うような成績が残せず、出場機会も減少。日本ハム時代以来10年ぶりに7番に下がった試合もあった。「やっぱり悔しいし、自分自身を責める日もある。原因は分かっているんですけど、それを言い訳にしたくない。ちょっと諦めたりする自分もいますけど、そこは朝、また『よし!』と言ってやっています」。強い気持ちでグラウンドに立ち続けている。 励みは今季限りでの引退を発表した藤川の存在だ。パ・リーグ時代から熱い視線を送り「レジェンドクラスの選手、ボール」と憧れた。糸井も投手出身だけに「ああいうピッチャーに、どうやったらなるんやろなとかいろいろ考えて、練習してたこともあった」という。移籍後はそのバックを守る。「こうやって3年ないし4年、球児さんの後ろを守らせてもらって。そういうピッチャーの後ろを守れたっていうのは、すごい僕の中では財産です」。初めて明かした鉄腕への熱い思いが、体を突き動かす原動力になっている。 糸井の葛藤を思う矢野監督も、その執念をたたえた。「全部の気持ちを持って打席に立って、打ったということじゃないかな。嘉男にとっても、チームにとってもいい日になった」。チームは連勝で3カードぶりの勝ち越しを決め、貯金を今季最多タイの4に増やした。巨人はこの日も勝った。残り40試合で10・5差は正直、厳しい数字だ。だが逆転優勝こそ、藤川も引退会見で願った花道。糸井も諦めることなどできない。「明日も勝ちます!」。復活の超人が奇跡の扉をこじ開ける。【奥田隼人】

◆レジェンド以来の快挙も見えた! 阪神近本光司外野手(25)が、今季8号の先制2ランで打線を活気づけた。「コンパクトにスイングすることができましたし、先制することができてよかったです」。 次打者席で見た先発左腕の打撃に刺激された。3回2死、高橋が坂本のスライダーに食らいついてチーム初安打をマーク。「遥人が打って塁に出てくれたので、自分も続きたいと思っていました」。近本が2球目のスライダーを右翼席へ運ぶと、ベンチもスタンドもガッツポーズで祝福した。 阪神では星野監督時代の02年以来、18年ぶりとなる甲子園8試合連続本塁打。近本自身もプロ2年目で初の2ケタ本塁打まで、あと2に迫った。阪神で2年目以内の左打者が2ケタアーチを描けば、1975年(昭50)の掛布雅之以来。残り40試合あり、45年ぶりに歴史の扉を開ける可能性が高まった。矢野監督も「効果的なホームラン。近本は体は大きくないですけど、ホームランも打てるんで、どんどん打ってほしい」とさらなる量産を期待した。 9月に入ってますます状態を上げている。20試合で5本塁打を放ち、安打が出なかったのは5試合だけ。この日もマルチで8試合で複数安打を放っている。月別打率も6月は1割2分8厘だったが7月は2割7分6厘、そして8&9月は3割台に突入した。矢野監督も「お客さんに入ってもらってね。今日でも盛り上がるし、チカ(近本)の本塁打でもメガホンたたいたり、みんなの思いは届いている」と笑顔。観客が増えてファンに後押しされるように、成績も右肩上がりだ。 前日3人で5安打した1番近本、2番糸原、3番糸井のオーダーはこの日も躍動。近本と糸原で2つの犠打も決め、トリオで6安打5打点をたたき出した。大技あり、小技ありの攻撃的1番が巨人への挑戦権を得るべく、まずはDeNA3連倒に全力を注ぐ。【磯綾乃】 ▼阪神の甲子園での4日からの連続試合本塁打は8に伸びた。02年9月1日ヤクルト戦~同24日巨人戦8試合以来18年ぶり。23日DeNA戦で9試合に伸ばすと、90年6月23日ヤクルト戦~7月22日広島戦での12試合以来、30年ぶりになる。なお最長は、89年6月17日大洋戦~7月23日巨人戦での13試合。

◆講談師で2月に真打ちに昇進した神田伯山(はくざん、37)が22日、阪神-DeNA(甲子園)の試合前の始球式に登場した。  「背番号6」のユニホームでマウンドに上がると、ど真ん中へのストライク投球。スタンドから大きな拍手が起こった。  「緊張は不思議と年中講談をやっているのでしなかったですね。ストライクが入ったのでよかったと思います」  野球経験はなかったが、米大リーグや巨人で活躍した上原浩治氏にリモートでアドバイスをもらっていた。「上原さんもほんの片隅に『ストライクが入ったかな』と思ったと思うので、その名前に恥じずによかったです」とコメントした。

◆阪神の先発・高橋遥人投手(24)が、立ち上がりに訪れた絶体絶命のピンチを切り抜けた。 先頭の梶谷に左前打を許すと、続くソトに右前に運ばれ、さらにオースティンには四球で無死満塁。しかし、ここから左腕の顔つきが変わった。  続く4番・佐野を141キロツーシームで空振り三振に斬ると、宮崎も連続で空振り三振。最後はロペスのフラフラと舞い上がった打球を二塁・糸原が後ろ向きのまま好捕。味方の守備にも助けられ、無失点で抑えると甲子園が大歓声に包まれた。

◆阪神は三回、近本光司外野手(25)が、右翼席へ8号2ランを放ち先制した。  「(高橋)遥人が打って塁に出てくれたので、自分も続きたいと思っていました。コンパクトにスイングすることができましたし、先制すること ができてよかったです」  2死から、投手の高橋が右前に運びチーム初ヒット。投打で奮闘する左腕に、虎の韋駄天がバットで応えた。  カウント1-0から坂本の133キロスライダーを振り切ると、白球は右翼フェンスをギリギリ越えた。近本はこれで8試合連続安打。好調の背番号5が1万人を超える観衆を沸かせた。

◆DeNA・山崎康晃投手が3-2の六回、2番手で登板。1死から3連打を浴びて同点に追いつかれた。  先発のドラフト2位・坂本(立命大)が5回3安打2失点、65球で降板。代わってマウンドに立った山崎は先頭の代打、帝京高の先輩・原口を中飛に打ち取ったが近本、糸原、糸井に安打を許し、坂本の開幕3連勝はお預けとなった。  今季140キロ台にとどまることもあった直球が、この日は投じた11球全て150キロ超で最速は153キロを計測。しかし、リードを守ることはできなかった。

◆先発した阪神・高橋遥人投手(24)は6回8安打3失点でマウンドを降り「毎回のようにランナーを背負ってしまい、良いリズムで投げることができませんでした。守備の時間が長くなってしまい、攻撃に良い流れを持ってくることができず申し訳ないです」と振り返った。  一回から無死満塁のピンチを招くなど苦しい投球が続いたが、粘りの投球を見せていた。しかし、2-0で迎えた五回、安打と四球で無死一、二塁とされるとオースティンに左翼席中段への特大3ランを被弾。六回に代打を送られた。  8月25日の中日戦(甲子園)以来の勝ち星はお預けとなった。

◆阪神はDeNAに6-3で逆転勝ちし2連勝。貯金を今季最多タイの4に戻した。  先発の高橋は一回、無死満塁のピンチを招いたが佐野、宮崎を連続三振。ロペスを二飛に打ち取り無失点で切り抜けた。2-0の五回、オースティンに特大の3ランを被弾し逆転を許したが、六回に糸井の左前適時打で同点に追いつくと、3-3の八回1死二、三塁から再び糸井が右中間を破る2点二塁打を放ち、勝ち越した。  糸井は8月15日の広島戦(京セラ)以来、今季3度目の猛打賞。前日21日に続いて2戦連続で打点を挙げた。今季、打率・256と苦しむ超人が復活の兆しを見せた。

◆DeNA・山崎康晃投手が3-2の六回に2番手で登板。1死から3連打を浴びて同点に追いつかれた。  1点リードの六回、まだ65球だった先発の坂本に代わって登板したのは、最近はリードを許している状況でのマウンドが続いていた山崎。ラミレス監督は「(山崎は)ここ何試合か負けているところで投げて、145キロくらいしか出ていなかった。そういったフィーリングは大事。こういった状況の方が力が発揮できると思った」と狙いを説明した。  山崎は1失点を喫したが、この日投じた直球11球全て150キロ超で、最速153キロを計測。指揮官は「今年見た中ではベスト。アンラッキーな安打もあって点は取られたが、スピードも出て、メンタル的にもよくなった。われわれの見たかった今まで見ていたヤス」と絶賛した。

◆阪神は八回、糸井の勝ち越し二塁打でDeNAに勝ち、2連勝。貯金を4とし40勝に到達した。以下、矢野燿大監督の一問一答。--前日に続き、六回に追いついて八回に勝ち越し 「本当に全員が、投手も野手も全員が一丸となって、ウチらしい野球ができました」 --先制弾の近本は最近、本塁打も目立つ 「効果的なところでね。全然打てないところから遥人(高橋)が出て、ホームランというね。効果的なホームランでしたし。近本は体は大きくないですけど、ホームランも打てるので。どんどん打ってほしいです」 --糸井が大活躍 「嘉男(糸井)のいい顔を久しぶりに見られて僕もうれしかったですし、嘉男自身も、出られないときにもしっかり準備してやってくれてたので。嘉男にとっても、チームにとってもいい日になったかなと思います」 --岩崎も2戦連続勝利 「ボール自体は後半にきて良くなっている感じがするので。これからも優(岩崎)に頼るところはあるかなと思います」 --3カードぶりの勝ち越し 「僕たちはもう目の前の試合を勝つ、ジャイアンツへの挑戦権をつかむというところが今やることなので。今日みたいな試合で全員でつないで、まず2つ取れたんで明日しっかり取りたいと思います」 --糸井はチームのためにという打撃も見られた 「チームのために...っていうのは結果そうだけど、みんなそう思ってやっているしさ。(走者を)かえしたい一心じゃないの? チームのためというより、自分のためっていうのもあるしさ。ずっと試合に出ている選手が出られへんっていうのは悔しい思いというか、モヤモヤした時間を過ごしているんでね。全部の気持ちを持って打席に立って、打ったということじゃないかなと思う」 --甲子園で戦う強みは 「お客さんに入ってもらってね、きょうでも盛り上がるしさ。チカ(近本)の本塁打でもすごく、より声援というか、静かに応援してくださいというところなんだけど、メガホンたたいたり、みんなの思いは届いている。たくさん入ってもらってその中でやるのはいい。それが甲子園というのは最高の場所なんで」

◆DeNAのホセ・ロペス内野手(36)が日米通算2000試合出場を果たし「全く意識していなかったが、達成できたことはうれしく思う」とコメントした。この日1軍に昇格し「6番・一塁」で先発出場。六回の第3打席で左前打を放ち、日米通算2000安打にも、あと「21」と迫った。  昨季は31本塁打をマークしたが、来日8年目となる今季はここまで打率・241、4本塁打と低迷。リフレッシュのため8月26日にDeNA移籍後6年目で故障以外では初の2軍調整を経験した。ファームでは6試合に出場し、1本塁打を含む3安打をマークした。  外国選手初の日米各1000安打にもあと「27」。ラミレス監督は「状態は良くなっている」と期待した。

◆DeNAは3連敗で、7月29日以来の借金生活に転落した。先発のドラフト2位左腕・坂本裕哉投手(23)=立命大=は5回3安打2失点とリードを守って降板したが、2番手・山崎が六回に追いつかれ、3番手・石田が2イニング目の八回に勝ち越しを許した。  坂本を65球で交代させたラミレス監督は「とりあえず5回をしっかり、と思っていた。(六回に回る)近本、糸原、糸井の上位打線は左投手の方が打率が高い。1点差だし、ここで代えようと思った」と説明。結果的には裏目となり、2試合連続、今季18度目の逆転負けを喫した。  首位追走はおろか、2位・阪神とも2・5ゲーム差に広がった。指揮官は「残り試合より、明日(23日)勝つことに集中する」と懸命に前を向いた。(浜浦日向)

◆高々と舞った白球が緩やかな秋風に乗った。スタンドに近づくにつれてボリュームを上げた歓声も後押し。パワーアップした近本が先制のアーチをかけた。   「(高橋)遥人が打って塁に出てくれたので、自分も続きたいと思っていました」  三回2死一塁で、坂本のスライダーを右翼席最前列に運んだ。2死から投手の高橋が粘って右前へ。チーム初安打に最高の形で続いた。  8号2ランは9月5本目の本塁打となった。8試合連続安打と好調で、15日と17日の巨人戦(東京ドーム)では1試合2発。月間5発は昨年4月を上回る自身最多となった。8月は自己最多の月間38安打を放ったが、長打力でも進化を証明。ルーキーイヤーの9本の更新も目の前に迫った。  「コンパクトにスイングすることができましたし、先制することができてよかったです」  量産中の最近の口癖は「コンパクトに」だ。以前よりも、さらにバットを短く持って的確にボールを捉えている結果。矢野監督も「効果的な本塁打だったし、近本は体は大きくないけど、本塁打も打てる。どんどん打ってほしい」と期待した。  チームも4日の巨人戦から甲子園では、8試合連続で本塁打が飛び出した。これは2002年9月以来18年ぶり。昨季は143試合でリーグ5位の94本に終わった打線が、今季は現在80試合で84本と126本ペース。ボーアとサンズの加入はもちろん、近本らの成長も大きい。八回無死一塁で、投前の犠打野選も勝ち越し点につながった切り込み隊長。大技、小技で攻撃陣を引っ張る。(安藤理)

◆3つ目のアウトを奪うと、拍手を浴びながらポーカーフェースでベンチへ戻った。同期とのコンビで、2日連続で岩崎が白星を手にした。  「いつも通りいけました。先頭をきちんととれたので、リズムよくいけたと思います」  3-3の八回に登板。先頭の代打・蝦名を145キロの直球で空振り三振に斬ると、柴田はカットボールで遊飛、倉本も外角高めのカットで空振り三振。三者凡退でリズムを作ると、その裏に打線が勝ち越し、4勝目をつかんだ。  「今年1回、サダ(岩貞)がやっているんですけど、投げ終わって『あるんじゃないか』といわれたんで。本当になりましたね。びっくりしています」。岩貞は中継ぎとして8月29、30日の広島戦(マツダ)で2日連続勝利投手。2014年D1位に続き、同年D6位が2日連続白星。同期らとベンチで交わした言葉が、現実になった。  七回にはその岩貞が好投。馬場がオースティンに内野安打を許し、左打者の佐野が打席に立ったところでマウンドへ向かった。4番を中飛に抑えると宮崎も中飛、ロペスは右飛に仕留めた。  チームは今季、六回終了時に同点かリードしていれば36勝7敗4分け。8月25日の中日戦(甲子園)から1分けを挟み、これで15連勝だ。"岩岩コンビ"は同28日の広島戦(マツダ)で初実現すると、ここまで9戦で6勝2敗1分け。4連勝中の強力タッグに、岩崎は「一緒に結果が出たらうれしい」とほほ笑んだ。  矢野監督も「今の投手陣は、誰を出しても割り切れるというか、何の迷いもなく送り出せる。頼もしく思っています」と大きな信頼を寄せた。  「マウンドに上がるときに球場を見渡すようにしているんですけど、たくさんファンがいらっしゃるので力になります」と岩崎。入場規制の緩和後、初のお立ち台で感謝した。残り40試合。逆転Vを信じて、同期とともに左腕を振る。(菊地峻太朗)

◆これぞ超人の底力や! 阪神はDeNAに6-3で逆転勝ち。糸井嘉男外野手(39)が六回に同点打、八回には勝ち越し打を放った。今季は不振もあってスタメン出場は51試合にとどまり、7番降格などの憂き目も味わったが、悔しさをエネルギーに変えて発奮。チームは連勝で3カードぶりの勝ち越しを決め、貯金も今季最多タイの「4」に戻した。  白球が右中間を切り裂くと、アルプススタンドから大歓声が沸き起こった。糸井が決めた! 7月14日以来、今季2度目のお立ち台。これまでの思いを込めて、叫んだ。  「やっぱり最高です! アルプススタンドに(ファンが)いなかったので、あそこが埋まるとみんな盛り上がりますね。ここしかないという場面で打ててよかった」  3-3の八回1死二、三塁。「狙っていた」と石田の143キロ直球を振り切った。勝ち越しの2点二塁打に、ベース上で右手を突き上げた。  六回無死一、二塁では左前へ同点打を放ち、今季初の1試合3打点。四回には右前打で、8月15日の広島戦(京セラ)以来今季3度目の猛打賞と気を吐いた。  この日も甲子園には1万1307人が詰めかけた。右翼から見えるアルプス席はまだまばらではあるものの、少しだけにぎわいを取り戻した。超人節で「あれ、だいぶ密やけどね」とニヤリと笑うと「なんか、甲子園っぽくないからね、今までは。やっぱ、甲子園はこういうのが甲子園だと思う」と応援に感謝した。  4年契約最終年の今季は打率・256、1本塁打、18打点。打率3割が標準の超人にとって、満足できる数字ではない。定位置だった右翼を陽川や中谷らに明け渡す日々が増え、スタメン出場はやっと51試合。レギュラーが当たり前だった39歳は、人知れず無念の思いに身を焦がしていた。  「やっぱりもう悔しいし、自分自身を責める日もあるし。まあ原因は分かっているんですけど、でもそれを言い訳にしてやりたくないんで」  昨年手術を受けた左足首、古傷を抱える右膝。プロ17年目は近年、けがと戦い続けている。「諦めたりする気持ちが出てきそうな自分もいます」と弱気になる日もある。それでも「そこはやっぱり朝ね、また『ヨシッ』ていってやってます」。気合を入れて飛び起き、球場へ向かっていた。  「こういう状況になっているのも、自分自身の責任もあるし、数字も残せていない。その中でも出られるところで、全力で貢献したい」  若手に交じって早出練習に参加した。いい感覚を取り戻そうと、素手で打撃練習に取り組んだ日もある。フリー打撃後はロングティーに向かう。超人を超人たらしめているのは、球界の誰もが舌を巻く練習量。日々の準備は、怠らなかった。  チームは連勝で貯金を今季最多タイ「4」に戻した。首位巨人が勝ち、10・5差はそのまま。80試合を終えてレギュラーシーズンも3分の2を終えた。追い付くには糸井の豊富な経験が必要だ。  「もう勝つしかないので。勝つことを考えてやります」  「勝つ」の2文字を何度も口にした。お立ち台の最後も「あしたも勝ちます!」と締めた。虎党の声援で闘志復活。勝利だけを追い求めて、バットを振る。(原田遼太郎)

◆先発の高橋は中盤につかまった。「毎回のように走者を背負ってしまい、いいリズムで投げることができませんでした。守備の時間が長くなって、攻撃にいい流れを持ってくることができずに申し訳ないです」。一回無死満塁で佐野、宮崎を連続三振。ロペスを二飛で切り抜けたが、五回にオースティンに逆転3ランを浴びた。8月25日の中日戦(甲子園)で2勝目を挙げた後、4試合も白星がない。

◆スアレスがリーグトップを快走する17セーブ目を挙げた。「逆転してくれたし、いつも通り準備はしっかりできていたよ」。九回先頭の梶谷に遊撃内野安打も、ソトを二ゴロに打ち取った。最後はオースティンの二遊間のゴロを、木浪が横っ飛びで併殺。「木浪のビッグプレーにも助けられたし、チームとしてもいい勝ち方ができた」と感謝した。これで11試合連続無失点の安定感だ。

◆主将の糸原が同点、勝ち越しに絡んだ。1点を追う六回1死一塁で右前打。同点の八回無死一、二塁では一塁前に犠打を決め、糸井の2本の適時打を呼んだ。19日の中日戦(ナゴヤドーム)で犠打失敗。矢野監督は「前にバント失敗があったので、あそこもすごく嫌な、打っている方が気持ち的に楽な場面だけど、しっかりバントを決めてくれた」とたたえた。

◆代打・陽川が八回に先頭で左前打を放ち、勝ち越しの起点を作った。これで代打の打率は・353。さらに陽川の代走で出場した江越は、続く近本の投前犠打で相手の野選を誘う好走塁。途中出場コンビの活躍に、矢野監督も「全部絡んだよね。陽川が出てくれたから大賀(江越)を代走に出したし、大賀やからセーフになってくれた。全員で戦えたという手応えがある」とうなずいた。

◆大山が勝ち越した八回、なおも1死一、二塁でダメ押しの中前適時打。「追加点のほしい場面だったので、打つことができてよかったです。明日も勝ちに貢献できるように頑張ります」。4試合ぶりに打点を挙げてリーグ単独2位に浮上したが、岡本(巨人)はこの日、22号2ランで本塁打、打点のトップを堅持。タイトル争いでも負けられないところだ。

◆「猛虎学級の皆さ~ん! 糸井くんが元気に戻ってきましたよ~!!」  (ワーイ、ワーイ)。「皆さんお静かに。さ、糸井くん、いつもの前から3番目の席(3番)に座ってください」  「お帰り~。ヨシオがその席にいないから大変だったんだぞー!」  「特に前の席(2番)に座ったヤツが!! ヨシオがいれば矢野先生の難しい質問に後ろからフォローしてくれるけど、いなかったからなあ」  「そーそー。梅ちゃん(梅野)とかゴリちゃん(陽川)とか、普段後ろの方の席に座ってるのが2番目に座らされてオロオロしてたんだから」  こーして、3番目の席に戻ってきた糸井くんはクラスみんなの期待通りに山崎先生のツーシーム問題にあっさり正解(六回の同点打)。さらには石田先生の左対左問題にも簡単に答え(八回の決勝二塁打)、クラス中を、そして見守る父母(全国の虎党)を安心させたのであった...。  そーなんだよなぁ。最初から糸井が3番で仕事してくれていたら、糸原の3番も梅野や陽川の2番という苦肉の策も必要なかったのだ! ヨシオー、もう3番目の席を離れたらアカンぞー!!

◆前日のゲームでも2安打していた糸井だが、状態は決して良くはなかった。体が投手の方へ向いてしまうのが早く、バットのヘッドが出てくるのが遅れて、真っすぐを引っ張り切れていなかった。振り遅れ気味になっているのは糸井自身も感じていたと思う。打つポイントを前の方へ置いてスイングしようとしている打席もあった。  だが、この日は四回先頭の第2打席で真っすぐを引っ張った右前打が出た。あそこでやっとヘッドが出てきたかなと見ていたら、八回の決勝タイムリーでは左の石田が投じたインサイド寄りの真っすぐをきっちりと右中間へ打った。  これまでなら甘い真っすぐでもレフト方向へしか飛ばせなかったが、あのボールを右中間へはじき返すことができれば、やっと本来の良いスイングに戻ってきたという感じだ。糸井らしい雰囲気が出てきた、右方向への2安打だった。(本紙専属評論家)

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<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
巨人
50254 0.667
(↑0.005)
M30
(↑1)
41373
(+5)
269
(+4)
100
(+1)
49
(+1)
0.258
(-)
3.280
(↓0.01)
2
(-)
阪神
40364 0.526
(↑0.006)
10.5
(-)
40347
(+6)
321
(+3)
84
(+1)
49
(-)
0.246
(↑0.001
3.530
(-)
3
(-)
DeNA
38395 0.494
(↓0.006)
13
(↓1)
38351
(+3)
325
(+6)
83
(+1)
21
(-)
0.268
(-)
3.780
(↓0.04)
4
(-)
中日
37405 0.481
(↑0.007)
14
(-)
38279
(+3)
334
(-)
47
(+1)
19
(-)
0.242
(-)
3.790
(↑0.05)
5
(-)
広島
30418 0.423
(↓0.006)
18
(↓1)
41346
(+4)
389
(+5)
80
(+1)
34
(-)
0.267
(-)
4.560
(↑0.01)
6
(-)
ヤクルト
30446 0.405
(↓0.006)
19.5
(↓1)
40340
(-)
398
(+3)
78
(-)
45
(-)
0.252
(↓0.002)
4.550
(↑0.02)