中日(☆4対2★)阪神 =リーグ戦15回戦(2020.09.20)・ナゴヤドーム=
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阪神
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中日
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勝利投手:松葉 貴大(3勝4敗0S)
(セーブ:R.マルティネス(2勝0敗13S))
敗戦投手:中田 賢一(0勝2敗0S)

本塁打
【阪神】長坂 拳弥(1号・3回表2ラン)

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◆中日は2回裏、阿部と平田の連続適時打などで3点を先制する。3-2で迎えた6回には、平田の犠飛でリードを広げた。投げては、先発・松葉が5回2失点。その後は4人の継投でリードを守り抜き、松葉は今季3勝目を挙げた。敗れた阪神は、先発・中田が試合をつくれず、打線も3安打と振るわなかった。

◆両チームのスタメンが発表された。先発は阪神が中田賢一投手(38)、中日が松葉貴大投手(30)。 今季から阪神に新加入した100勝右腕中田は7月16日ヤクルト戦(甲子園)以来、約2カ月ぶりの1軍マウンド。今季3度目の登板で移籍後初勝利を目指す。白星が付けば、ソフトバンク時代の18年8月26日西武戦以来、756日ぶり。プロ入りから9年間在籍した古巣相手に、101勝目なるか。

◆阪神先発の中田賢一投手(38)は2回33球、4安打3失点で早々にマウンドを降りた。 ソフトバンクから新加入した右腕は移籍後初勝利を狙ったが、古巣中日打線につかまった。初回を3者凡退で立ち上がるも、2回に先頭の4番ビシエドから4連打を浴びて2失点。8番木下拓にもセーフティースクイズを決められ、この回3点を失った。 球数は33球だったが、3回無死一塁で9番中田に打席が回ると矢野監督は代打を決断。約2カ月ぶりの1軍マウンドは2イニングしか投げられず、悔しい降板となった。

◆阪神長坂拳弥捕手(26)が、今季初打席で反撃ムードを高める1号2ランを放った。 0-3の3回無死一塁。先発中田の代打で登場した長坂は、中日松葉の真ん中141キロ直球を左翼スタンドギリギリに運んだ。「今シーズン初打席だったので、藤井コーチにとにかく思い切って振ってこい! と言われたので、思い切って振った結果がホームランになりました」。興奮気味にダイヤモンドを1周し、1点差に詰め寄る貴重な今季1号となった。 長坂は昨季の6月1日広島戦(マツダスタジアム)でも初打席で本塁打を放った。「昨年に続き、1打席目でホームランを打つことができて良かったです」と、2年連続で初打席に存在感を発揮した。 正捕手の梅野が、18日に「右腹斜筋の筋挫傷」のため出場選手登録を抹消され、長坂は19日に1軍に昇格していた。

◆阪神が連敗を喫した。先発中田賢一投手(38)が2回に4連打を浴びるなど3失点。 3回、中田に打席が回ってきたところでベンチは代打を告げ、早めの継投を決断した。 その3回の攻撃では、中田の代打で登場した長坂拳弥捕手(26)が今季初打席で1号2ラン。ただその後、攻撃陣はチャンスをつかみつつ、中日投手陣の前に得点できなかった。 中田は今季3度目の登板も勝利を挙げられず、2敗目。チームは2カード連続負け越しとなり、貯金は2に目減り。首位巨人とのゲーム差は10・5となった。

◆中日は2回に先頭ビシエドからの4連打などで3点を先制。阪神は3回に代打長坂の1号2ランで2点を返した。中日は6回1死満塁から平田の中犠飛でリードを2点に広げた。先発の松葉は5回2安打2失点で降板。 中日は継投で2点のリードを守り切り2連勝。先発松葉は3勝目、R・マルティネスは13セーブ目。阪神は2連敗で中田は2敗目。

◆阪神が連敗を喫した。先発中田が2回に4連打を浴びるなど3失点。中田は今季3度目の登板も勝利を挙げられず、2敗目。チームは2カード連続負け越しとなり、貯金は2に目減り。首位巨人とのゲーム差は10・5となった。 矢野燿大監督の一問一答は以下の通り。 -打線が... 矢野監督 中田も、立ち上がり良かったから少ない失点で頑張ってもらいたいのはもちろんあるし。1点でも少なくいってくれればもちろん良かったし。まあ3点とられたのは、ちょっと流れ的にもしんどかったかなって。でも拳弥(長坂)があそこで打ってくれて、いけるっていうね。取られた後にすぐ取れたから。でも結果的にやっぱり、点取れなかったっていうところが敗因じゃないの。 -中田は1回が良かっただけに、2回の交代は 矢野監督 もちろん投げさせたいし我慢させたいんだけど、試合もこれだけ消化してきてる中で、まあね。春先の試合とは意味合いが違うので。ゲーム差開けられている中ではやっぱり、ある程度早めにいくのは仕方がないかなというところで交代したんだけど。 -救援陣が粘った 矢野監督 ねえ。チャンスは何回もあったし、あと1本というところが出なかったというところだと思う。 -長坂は少ないチャンスの中で打った 矢野監督 びっくりするような、ほんとに必死にやってる結果がね、こうつながっている。その少ないチャンス、みんな通る道だけど、そこからね、こじ開けていって。代打で出るというタイプではないと思うので、キャッチャーでスタメンで出て、リュウ(梅野)が現状こうなったところではね、アピールしてくれたら。チャンスは本人自身がつかめると思うので、本当にすばらしいバッティングをしてくれた。 -決定打、あと1本が課題か 矢野監督 それも課題やし、(6回の)陽川のところ、バントをもちろんしっかりやらないといけないし、流れ的にやることをやったかと言われれば、そういう部分もある。でも、誰かがカバーしていかないと。ミスしたら誰かがカバーして打ってやれば、陽川のそういうのも消えてくると思うし、中田賢ちゃんのああいうのも、打線が援護してあげれば変わるわけだから。そういうところのチームワークというか、そういうのが求められる部分と思う。思いはね、みんなやってくれているんだけど、ここまでくると結果で示すしかできないので。

◆中日松葉貴大投手が、30歳初勝利でプロ通算30勝を達成した。5回2失点で降板したが、救援陣に支えられ、7月22日巨人戦以来約2カ月ぶりの3勝目を手にした。 8月14日に誕生日を迎えた。 「自分でも分かってました。30勝目も。通過点にしたい気持ちもあったし、このまま終わりにしたくない気持ちもあった。30勝できたのはうれしい。(今後は)今まで以上に責任と絶対に抑えてやる強い気持ちを持って臨んでいきたい」。プロ8年目でつかんだ30勝の喜びをかみしめた。 3点リードの2回。先頭木浪に四球を与え、代打長坂に2点本塁打を浴びた。「本来の形であるゴロを打たせるピッチングをしようと。木下とリセットしようと話して、そのあと近本から3人で抑えられた」と切り替えた。阪神戦はオリックス時代を含め、無敗の2勝となった。 チームは6回終了時でリードしていた場合は、これで19連勝。今季80試合目を連勝で飾り、残りは40試合。与田監督は「(阪神との3・5ゲーム差は)当然視野に入れて戦っていく。(相手)チーム、相性も含めて考えていかなければならない」。竜が、反攻の波に乗る。【伊東大介】

◆新加入の阪神中田賢一投手が今季チームの先発陣最短の2回で降板し、2敗目を喫した。 約2カ月ぶり3度目の1軍登板で、2回に先頭から4連打を浴びて3失点。球数33球で、3回無死一塁の第1打席で代打を送られた。「できるだけ早く、連打を止めなければいけなかったです」。100勝右腕の移籍後初勝利はまたもお預けとなった。

◆阪神2番手ジョー・ガンケルが2回1安打無失点で、中田の早期降板をカバーした。 1点ビハインドの3回と早い回からの救援で、3三振を奪って2試合連続無失点。中7日と登板間隔は空いたものの「カウントをしっかり作ることができたよ。ランナーは出したけど、0点で抑えることができて良かったね」と手応えを抱いた。

◆窮地に追い込まれている虎が中日に連敗を喫した。阪神矢野燿大監督(51)は先発中田賢一投手(38)を2回3失点で交代する決断し、早めに救援陣を繰り出した。だが、打線は連日の送りバント失敗、さらに決定打も欠き、必死の継投も勝利に届かなかった。首位巨人とのゲーム差は10・5となった。竜投を最後まで捕まえきれなかった。3回に代打長坂の2ランで1点差まで迫ったが、追いつけず黒星。矢野監督は「結果的に点を取れなかったところが敗因」と振り返った。 必死に追う態勢をとった。先発中田が2回に4連打を浴びるなど3失点。3回の攻撃で、その中田に打席が回ってきた。ベンチは早めの継投を決断し、代打長坂を告げた。指揮官は「春先の試合とは意味合いが違うので。(巨人に)ゲーム差を開けられている中では、ある程度早めにいくのは仕方がないというところで交代した」。崖っぷちに立たされているだけに、ガンケルを3回から2番手で投入したが、勝利に届かなかった。 チャンスはあった。6回は先頭近本が中前打で出塁。7回は連続四球で無死一、二塁の好機を得た。だが、6回は2番陽川が送りバントを失敗しての捕邪飛。後続も打てなかった。7回は中谷、原口と代打攻勢をかけたが、無得点。矢野監督はわずか3安打で決定打を欠く展開に「あと1本が出なかったというところ」。この3試合の得点は本塁打と犠飛によるものに終わった。 2カード連続負け越しで、貯金は2に減った。首位とは10・5差。矢野監督は「(6回の)陽川のところはバントをもちろんしっかりやらないといけないし、流れ的にやることをやったかと言われれば、そういう部分もある」と語った上で、言葉を続けた。「でも、誰かがカバーしていかないと。ミスしたら誰かがカバーして打ってやれば、陽川のも消えてくると思うし、中田賢ちゃんのも、打線が援護してあげれば変わる。そういうところのチームワークというか、そういうのが求められる部分と思う」。残り42試合で、21日からは甲子園で3位DeNA戦と3連戦。このままズルズルと失速するわけにはいかない。【松井周治】

◆中日平田良介外野手が、今季2度目の1試合2打点で存在感を見せた。 2回無死二、三塁で、チームの2点目をたたき出す適時打。6回には犠飛を放った。「2回は打てる球だけを打とうと思っていた。6回は(無死満塁で三振した)阿部のカバーをしようと思っていた」と中押しのチーム4点目。7月から8月にかけて2軍調整を続けたベテランが、いよいよ復調の気配だ。

◆阪神小林慶祐投手がトレード移籍後2戦目も無失点救援だ。 2-4の8回に5番手で登板。2死から安打を許したが、木下拓を直球で空振り三振に抑えた。「前回と同じように思い切って腕を振ることだけを意識して。それがいい結果につながったと思います。次もゼロで抑えることができるように頑張ります」。前回の16日巨人戦は2回無失点4奪三振。新戦力右腕が結果を出してアピールを続ける。

◆阪神原口文仁捕手が約1カ月ぶりに1軍の打席に立った。 2点を追う7回1死一、二塁で代打で登場。3番手福の前に二ゴロに倒れたが、進塁打で最低限の仕事となった。開幕1軍スタートも打撃不振で8月17日に出場選手登録を抹消。ウエスタン・リーグで21試合を重ねて打率3割6分1厘と安定した成績を残し、18日に再昇格していた。

◆阪神長坂拳弥捕手(26)が今季初打席で1号2ランを放った。0-3の3回無死一塁で、先発中田の代打で登場。中日松葉の直球を「思い切って振った」と左翼席ギリギリへ運んだ。興奮気味にダイヤモンドを1周。2回で中田を諦め、反撃を試みた矢野監督の起用に1発回答した。 昨季唯一の打席となった6月1日広島戦(マツダスタジアム)でも本塁打。「昨年に続き1打席目でホームランを打つことができて良かった」。年をまたいだ「2打席連発」で一時反撃ムードを高めた。 プロ4年目の今春キャンプは高知・安芸で2軍発進だった。同じ捕手で2年目の片山は1軍の沖縄・宜野座キャンプに同行したが、長坂は「誰が1軍で僕が2軍というのは関係ない」と気にせず、汗を流した。ドラフト5位の捕手藤田に助言を送ることもあり、平田2軍監督からは「長坂が非常に良い味を出していた」とキャンプMVPにも指名された。 正捕手の梅野が負傷離脱し、19日に1軍へ昇格したばかり。パンチ力のある打撃でチーム唯一の得点を挙げ、存在感を放った。矢野監督は「びっくりするような、必死にやってる結果がつながっている」とたたえ、「代打で出るタイプではないと思う。リュウ(梅野)が現状こうなったところで、アピールしてくれたら。チャンスは本人自身がつかめると思う」と期待を寄せた。【只松憲】

◆阪神5番大山悠輔内野手は好機で1本が出ず、連続試合安打は4でストップした。 2回無死一塁の第1打席は、松葉の直球を打ち上げ二飛。1点を追う6回2死一、二塁でも、谷元の初球カーブを打ち上げ左飛と、4打数無安打だった。本塁打王を争う巨人岡本に21本で並ぶなど好調をキープしていたが、快音は小休止となった。

◆阪神長坂拳弥捕手は昨年6月1日広島戦に続き、2年越しで2打席連続本塁打。 昨年はこれが初打席で、唯一の打席だった。今季も初打席で本塁打を放ち、そのまま交代。20日現在では2年連続で「打率10割、長打率40割、OPS5・000」と打者として究極の数字になっている。

◆阪神・長坂拳弥捕手(26)が0-3の二回に代打で出場し、左翼席へ1号2ランを放った。  「今シーズン初打席だったので、藤井コーチに『とにかく思い切って振ってこい!』といわれ、思い切って振った結果がホームランになりました。昨年に続き1打席目でホームランを打つことができてよかったです」  長坂はこれが今季初打席。カウント2-2から松葉の141キロを振り切った。反撃ののろしを上げる2ランで矢野監督の起用に応えた。  昨季は3試合の出場にとどまり、打席に立ったのは6月1日の広島戦(マツダ)の1打席のみ。この打席でプロ初本塁打をマークしており、1年越しの"2打席連発弾"となった。プロ通算でも3安打で、その内2本が本塁打と、意外性にあふれる男が虎に加わった。

◆流れを止める拙攻に虎党から大きなため息が漏れた。2-3で迎えた六回、中日は好投していた松葉に代わって谷元がマウンドへ。先頭の近本が中前打を放ち、逆転ムードが漂ったが...。  続く2番の陽川はバントの構え。その初球だった。打球はフラフラと上がり、痛恨の捕邪飛。前日19日は先制の好機で糸原がバントを失敗しており、連日のミスでまたも得点のチャンスを逸した。  阪神打線はその後、糸原が三直に倒れ2死。サンズが振り逃げで一、二塁とするも、大山は初球を打ち上げて左飛に終わり、同点に追いつくことすらできなかった。

◆阪神は2-4で敗れて、中日に連敗し、このカード1勝2敗。2カード連続で負け越しとなった。  先発した中田は二回、先頭のビシエドから4連打を浴びて2失点。さらに、木下拓にセーフティースクイズを決められた。三回に代打を告げられて2回4安打3失点で降板した。  直後の三回、無死一塁から代打・長坂の1号2ランで1点差としたが、2-3の六回、3番手の馬場が1死満塁から平田に中犠飛を打たれてリードを広げられた。  阪神は六回、無死一塁で送りバント失敗。七回、無死一、二塁の好機も無得点に終わるなど、拙攻が続いた。  首位・巨人が勝ったため、ゲーム差は10・5となった。

◆中日は阪神に4-2で勝利し、カード勝ち越しを決めた。与田剛監督(54)の主な一問一答は下記の通り。  --六回の平田の犠飛は大きな1点だった  「去年も犠飛が少なかったのでそれは一つ、今年の課題でもあった。阿部がああいう形で三振した後なので、流れを断ち切らないでいい点が取れたんじゃないかな、と思っています」  --松葉の交代は予定通り  「予定はずいぶん前から決めていたわけではなかったので、予定通りかというと難しいですけど、五回を投げ終わった時点で投手から打順も始まるし、もう1点取りに行きたいということ。そちらの方が大きかった。松葉の投球に限界を感じたというわけではないです」  --救援陣への信頼感があるから  「もちろんありますね。1点リードしていたら六回以降は。七回以降とよく言われますけど、六回も谷元でありゴンサレスであり、藤嶋も又吉も、そういう投手たちがいるので」  --残り40試合。重視する点は  「一つでも勝つために何か戦い方を変えるか、ということではない。もちろんメンバーの好不調というものは1、2軍含めていつも考えていますけど、とにかく1試合1試合勝ちを増やしていくということだけです」

◆中日・松葉貴大投手(30)が先発し、阪神打線を相手に5回2失点。7月23日の巨人戦(ナゴヤドーム)以来、約2カ月ぶりの勝利を挙げた。  「きょうは本当に中継ぎの方と野手の方のおかげで勝ちがついたので、ありがたい気持ちでいっぱいです」  結果的にはわずか2安打だが、3点をもらった直後の三回は先頭の木浪を四球で歩かせた直後に、代打・長坂に一発を浴びた。  だが、「自分の本来の形であるゴロを打たせるピッチングをしよう、ともう一度心がけた」とすぐに気持ちをリセット。続く1番・近本からの好打順を3者連続でゴロアウトに仕留め、勢いづいた。  8月14日に誕生日を迎え、30歳初勝利。これがプロ8年目で節目の30勝だ。  「通過点にしたいなという気持ちもあったし、このまま終わりたくないという気持ちもある。正直、30勝できたのはうれしいし、これからどんどんと増やしていきたい。残り試合も本当に少なくなってきているので、1試合1試合の登板に今まで以上に責任と、絶対に抑えてやるんだという強い気持ちを持って臨んでいきたい」  ナゴヤドームでは今季、登板4試合で3戦無敗と相性の良さを誇る。シーズンは残り3分の1。チームを勝たせるピッチングを続けていく。

◆わずか3安打で、手堅い策も、強気な策も、不発。自ら勝機を手放す2連敗で2カード連続の負け越しとなった阪神・矢野監督は頭を抱えた。  「あと一本が出なかった。陽川のところのバントはもちろんしっかりやらなあかんし、流れ的にはやることやったかって言われれば、そういう部分もあるしね」  1点を追う六回無死一塁で陽川が犠打失敗。2-4の七回は連続四球で無死一、二塁から、木浪に代打・中谷。強気に出たが3球三振...。さらに控え捕手がいなくなるリスクを冒してまで代打・原口を送ったが二ゴロに倒れ、2死二、三塁から近本が初球を一邪飛。最大の好機を逸した。  「ミスしたら誰かがカバーして打ってやれば。チームワークというか、そういうのが求められる。ここまでくると結果で示すしか俺らはできない」。首位巨人とは再び10・5差だ。21日からはDeNA戦。上限1万人となる甲子園のファンの前で、こんな寂しい試合は見せられない。(大石豊佳)

◆痛烈な打球を目の当たりにし、1万992人が集まったナゴヤドームがどよめきに包まれた。前日19日に昇格したばかりの代打・長坂が、今季初打席で1号2ラン。伏兵が一矢報いた。  「藤井(バッテリー)コーチから『とにかく思い切って振ってこい!』といわれました。思い切って振った結果がホームランになってよかったです」  0-3で迎えた三回だった。無死一塁で中田に代わって打席へ。カウント2-2から松葉の141キロを一閃し、豪快に左翼席へたたき込んだ。  「昨年に続き1打席目でホームランを打つことができてよかったです」  大卒4年目の捕手。昨季は3試合の出場にとどまり、打席に立ったのは6月1日の広島戦(マツダ)でのたった一度。それでも、その打席でプロ初本塁打を放っており、2年連続のシーズン初打席初本塁打に、1年越しの"2戦連発"と珍記録をマークだ。  驚弾に矢野監督も「本当に、びっくりするような。少ないチャンスをこじ開けていって、アピールしてくれたら。素晴らしいバッティングをしてくれた」と絶賛した。プロ通算3安打のうち2本がホームラン。ちなみに2018年のプロ初安打は中日・松坂からの二塁打。正捕手の梅野が負傷離脱しているなかで、意外性にあふれる男が終盤戦の"ラッキーボーイ"に名乗りを上げた。  3月には新型コロナウイルスに感染し思わぬ形でつまずいた。8月25日に1軍昇格も、一度も試合に出ることなく今月4日に抹消。ようやく回ってきたチャンス。逃すわけにはいかなかった。  「同い年は活躍している選手が多いので、そこに入れるようにしたいですね」  近本、大山、木浪らと同じ1994年世代。オフに誓った言葉を胸に、必ず肩を並べてみせる。(原田遼太郎)

◆ハ~ア...。阪神打線も連休に入りました...。前日は5安打1得点。本日は代打・長坂のびっくり箱2ランを含めても、わずか3安打のシルバーウイーク...。どないなっとんね~ん!!  確かに今シーズンは大山の成長、サンズ、ボーアの新助っ人の加入で得点力は上がったのだ。17日の巨人戦に3本塁打で大勝するとか、中日との今カード初戦のように8点を奪うような試合もあるが、1、2点差を争う打線にはなっていないのが、この連敗なのだ。  マージャンでいうところの『両面(りゃんめん)待ち』で試合展開に合わせられるはず...と思うんだけどなあ...。  守りで役目の多い捕手の梅野を、打席で役目の多い2番に起用した矢野監督采配に賛否両論あるだろうけど、少なくとも梅野のバントのうまさや臨機応変の打撃は、2番でも納得できるのだ。  しかし、陽川は一発の魅力はあるけど六回の送りバント失敗を見たら...。2番・糸原でサンズ、大山、ボーア、陽川で両面待ちできません?

◆やるべきことをやらなくては勝負できない-。阪神は中日に2-4で競り負け、痛恨の2連敗。首位巨人に再び10・5ゲーム差と引き離された。オリックス、阪神で通算176勝を挙げ、コーチも務めた星野伸之氏(54)=本紙専属評論家=は、2番・陽川の犠打失敗で無得点に終わった六回を「"納得したゼロ"ではなかった」と厳しく指摘。木浪の2番起用などを提言した。  指摘したいのは六回の攻防だ。結果論にはなってしまうが、僅差のゲームでは、細かなことが「終わってみたら...」というポイントになってしまう。2-3の六回無死一塁。2番・陽川の犠打が決まっていたら、というゲームだった。  マウンドに上がってすぐに近本に中前打された中日の2番手・谷元も心底ホッとしただろう。その後サンズの振り逃げもあり、2死一、二塁と送れずとも同じチャンスにはなったが、流れは違う。やるべきことをやって、クリーンアップに回した上で点が取れなかったという"納得したゼロ"ではなかった。  良い流れがプツプツと切れ、その裏には、イニングをまたがせた馬場が失点。完全に、勝負が分かれた。  逆に、2点を追う七回無死一、二塁からは「やるべきことをやった無得点」だ。切り札の中谷と原口を立て続けに送り出し、チャンスにも強く好調の近本へ回す。一気に逆転を狙い勝負に出ていた。送っていれば同点を狙えたのでは、というのは後からなら誰でも言える。六回とは違い、この場面は手を尽くした末の無得点だったと思う。  いかに、やるべきことをやって戦うか-。阪神は前日19日も一回無死一塁で、陽川が犠打を試みて2度ファウル。死球で出塁はしたが、続く糸原がバントを失敗し、流れを手放していた。  今季は殊勲の本塁打を何度も放っている陽川だけに「打たせるための2番」と見る向きもあるかもしれない(プロ7年目で通算1犠打)。ただ、前日に続いてサインが出たとき、どれだけの準備ができていたのか。矢野監督の野球で「確実にスコアリングポジションへ」という作戦があることは当然、想定できる。だからこそ打順にも再考の余地はあるのでは。  2番で機能していた梅野の離脱後、矢野監督は3試合連続で陽川に2番を託した。1番の近本、3番・糸原からのクリーンアップの役割が明確になってきただけに、大幅な組み替えを避けたいのはわかる。ただ、犠打で主軸につなぐ選択肢が増えるならば、わたしは2番は木浪だと思う。  左打者が3人並んでしまう形にはなるが、近本が一塁にいれば外角中心の配球になるだけに、無理に引っ張らず、流し打ちさせてもいい。もちろん木浪自身が状態を上げられるかどうかだが、得点力を上げて行くには、2番に懸けてもいい選手だと思う。(本紙専属評論家)

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
巨人
48254 0.658
(↑0.005)
M32
(↑2)
43358
(+5)
262
(-)
97
(+2)
48
(+2)
0.255
(-)
3.290
(↑0.04)
2
(-)
阪神
38364 0.514
(↓0.007)
10.5
(↓1)
42336
(+2)
315
(+4)
82
(+1)
49
(-)
0.244
(↓0.002)
3.540
(↓0.01)
3
(-)
DeNA
38375 0.507
(↓0.007)
11
(↓1)
40345
(-)
314
(+5)
81
(-)
19
(-)
0.269
(↓0.002)
3.730
(↑0.01)
4
(-)
中日
35405 0.467
(↑0.008)
14
(-)
40267
(+4)
331
(+2)
45
(-)
19
(-)
0.240
(-)
3.850
(↑0.02)
5
(-)
広島
30398 0.435
(↓0.006)
16
(↓1)
43339
(+6)
374
(+8)
78
(-)
34
(+2)
0.268
(↑0.001)
4.500
(↓0.05)
6
(-)
ヤクルト
30426 0.417
(↑0.009)
17.5
(-)
42337
(+8)
386
(+6)
77
(+4)
45
(-)
0.253
(-)
4.500
(-)