阪神(☆7対6★)広島 =リーグ戦17回戦(2020.09.13)・阪神甲子園球場=
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広島
30021000061101
阪神
20300101X71121
勝利投手:スアレス(2勝0敗15S)
敗戦投手:塹江 敦哉(3勝3敗0S)

本塁打
【広島】鈴木 誠也(17号・1回表3ラン)
【阪神】陽川 尚将(3号・8回裏ソロ)

  DAZN
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◆阪神が4連勝。阪神は1点を追う3回裏、3本の適時打が飛び出し、リードを奪う。その後両軍得点を取り合い6-6で迎えた8回、陽川がソロを放ち、勝ち越しに成功した。投げては、6番手・スアレスが今季2勝目。敗れた広島は、初回に3点を先制するも、先発・薮田が試合をつくれなかった。

◆今季の阪神大山悠輔内野手(25)はデーゲームに6試合出場し4本塁打。デーゲームの本塁打は7月4日広島戦、同5日広島戦、7月26日中日戦、9月12日広島戦で、3戦3発中のデーゲームの広島戦で今日も1発が出るか。

◆両チームのスタメンが発表された。先発は阪神が藤浪晋太郎(26)、広島が薮田和樹(28)。 藤浪は前回登板の5日巨人戦(甲子園)で5回途中11失点。球団ワースト失点記録の悔しいマウンドとなった。試合後、矢野監督は2戦連続で5回を投げ切れなかった右腕に対し「もう1回は」と、今回のラストチャンスを示唆している。今季4度目の対戦となる広島打線を相手に、自身2勝目を目指す。広島は救援陣の薮田が先発し、継投していく「ブルペンデー」。 阪神の打線では、捕手梅野が3試合連続で「2番」スタメン。糸井が「7番右翼」で、3試合ぶりのスタメン復帰となった。

◆広島鈴木誠也外野手(26)が先制の17号3ランを放った。初回、1死一、二塁のチャンスで、カウント1-1からの3球目、阪神藤浪の154キロ直球を完璧に捉え、打球は左翼スタンドに着弾した。 「ピッチャーが少しでも楽に投げられるような先制点になって良かったです」。今カード2試合連続無安打で、前日12日は打率2割台に突入していた主砲が、一振りでチームに活気をもたらした。

◆阪神先発の藤浪晋太郎投手(26)が1回から痛恨被弾した。1死一、二塁で鈴木誠に真ん中速球をとらえられ、左翼に先制3ランを浴びた。前回登板の5日巨人戦は5回途中まで投げて球団ワーストの1試合11失点を喫した。今季は7試合で1勝5敗、防御率5・27と精彩を欠いている。矢野監督も「(先発チャンスを)もう1回は」と言及しており、正念場に立たされている。

◆阪神糸原健斗内野手(27)がプロ初の3番タイムリーを放った。この打順に入って今季3試合目。3点を追う1回1死二塁で、薮田のツーシームをとらえて、中前に運んだ。 「先制点を取られた後だったので、早く取り返したいと思っていました。打てて良かったですがまだ負けているので、逆転できるように頑張ります」。試合途中のコメントを有言実行したのは3回無死二塁だ。またも中堅に痛烈なゴロで運び、同点適時打になった。「梅野さんがいい形で回してくれたのでホームまでかえしたいと思っていました。良い結果になりましたし、次の打席も頑張ります」と話した。この回は一挙3点を奪い、逆転に成功した。

◆広島大盛穂外野手(24)が貴重な同点適時二塁打を放った。1番中堅でスタメン出場。2点を追う4回、1死満塁から代わったばかりの阪神馬場の変化球を捉え、一塁線を破るタイムリーで2点を返した。「チャンスだったので積極的にいきました。打てて良かったです」。初回先頭の打席では右前打を放ち、1死から「梅ちゃんバズーカ」をかいくぐりプロ初盗塁をマーク。鈴木誠の先制弾の流れを呼び込んだ。育成出身2年目の若鯉が、躍動を続けている。

◆阪神先発の藤浪晋太郎投手(26)は4回途中降板で5失点だった。プレーボール直後の1回から痛恨被弾した。1死一、二塁で鈴木誠に真ん中速球をとらえられ、左翼に先制3ランを浴びた。2、3回は持ち直したが、2点リードに転じた4回は連打と四球で満塁のピンチを背負うと、矢野監督も非情の継投へ。2番手馬場が大盛に右翼線に同点適時二塁打を許した。この日の藤浪は5失点と結果を出せなかった。前回登板の5日巨人戦は5回途中まで投げて球団ワーストの1試合11失点を喫した。今季は7試合で1勝5敗、防御率5・27と精彩を欠いている。矢野監督も「(先発チャンスを)もう1回は」と言及しており、正念場に立たされている。

◆阪神矢野燿大監督(51)が執念の采配を連発した。3回、同点に追いつき、なおも無死一、二塁。前日12日に18号3ランを放っていた主砲の大山に送りバントを命じた。投前に転がす今季初犠打で二、三塁に好機を拡大。広島は高橋樹に継投したが、ボーアが中前タイムリー、糸井が左前タイムリーで応え、2点を勝ち越した。 2点リードに転じた4回は先発藤浪が連打と四球で1死満塁のピンチを背負うと継投へ。2番手馬場を投入した。大盛に右翼線へ同点適時二塁打を浴びて、試合は振り出しに戻った。同点の5回からは、通常、勝ち試合終盤に投げる岩貞を登板させた。週明け15日からは東京ドームで巨人3連戦を控えており、攻めのタクトで白星を奪いに行く。

◆阪神先発の藤浪晋太郎投手(26)は4回途中5失点で降板した。プレーボール直後の1回から痛恨被弾した。1死一、二塁で鈴木誠に真ん中速球をとらえられ、左翼に先制3ランを浴びた。2、3回は持ち直したが、2点リードに転じた4回は連打と四球で満塁のピンチを背負うと、矢野監督も非情の継投へ。2番手馬場が大盛に右翼線に同点適時二塁打を許し、藤浪に5失点がついた。 「初回につまずいてしまい、その後はなんとか粘りたいと思い投げていましたが、野手の方が逆転してくれたなかで早い回で降板してしまい申し訳ないです」 甲子園では17年4月27日DeNA戦以来、約3年5カ月ぶりの白星はお預けになった。前回登板の5日巨人戦は5回途中まで投げて球団ワーストの11失点を喫した。今季は7試合で1勝5敗、防御率5・27と精彩を欠いている。矢野監督は前回登板後、先発チャンスについて「もう1回は」と言及しており、正念場に立たされている。

◆阪神陽川尚将内野手(29)が値千金の勝ち越し本塁打を放った。 8回2死走者なし。塹江の外角球を完璧にさばくと、バックスクリーン横の右中間最深部に運んだ。10日DeNA戦以来の今季3号ソロで流れを引き寄せた。この日は8回表2死一塁の場面で、一塁守備から途中出場していた。 お立ち台で「何とか長打でチャンスメークしたいと思っていた。ああいう形でホームランになって良かったです。いままでのホームランで一番、感触が良かった」と話した。ゴリラパフォーマンスで売り出し中。「途中から出る前にバナナを食べた。それが一番の源でした」と笑わせて、発売中のバナナフェイスタオルを掲げてみせた。矢野監督も「2死だったので、陽川に何とか1発を打ってほしいなと」と振り返った。

◆広島菊池涼介内野手(30)が超人的なファインプレーでピンチを救った。 7回から代打で途中出場。6-6の同点で迎えた7回裏に二塁につき、1死二、三塁で前進守備を敷いていた場面だった。ボーアの一、二塁間への痛烈な打球に飛びつき見事キャッチ。三塁走者の植田が飛び出していたところ、落ち着いて三塁へ送球し、併殺に。守備職人がお家芸で窮地を救った。

◆阪神ジャスティン・ボーア内野手(32)が存在感を示した。1回に1点を返し、なおも2死一、二塁。薮田のツーシームをとらえ、一、二塁間を破るタイムリーを放った。 「糸原が打ってくれて、大山もいい形(四球)でつないでくれたから、自分もランナーをかえしたいと思っていたよ。仕事ができて良かったね」。外野への適時打は8月16日広島戦(京セラドーム大阪)以来、約1カ月ぶり。

◆阪神は矢野燿大監督が投打の執念采配で広島に3タテを食らわせて4連勝。貯金を今季最多の「4」とした。 1点を追う3回。3番糸原の2打席連続適時打で同点とし、なおも無死一、二塁の好機。ここで矢野監督は前日に決勝弾を放った5番大山に送りバントを命じた。バントの構えに場内がどよめく中、大山がキッチリ今季初犠打を成功。直後にボーア、糸井の連続適時打が生まれ、2点のリードを奪った。 しかし、先発藤浪がパッとしない。4回1死から連打と四球で満塁のピンチを招くと、指揮官は迷わずベンチを出た。球数63球の右腕に早々と見切りを付け、2番手馬場への継投を決断。馬場は1死満塁から2点を失うが、勝ち越しの3点目は与えなかった。 その後1点を取り合い、6-6のまま終盤戦へ。すると8回2死無走者。守備から途中出場の陽川がこの日初打席で中堅右へ3号決勝ソロ。最終回は今季4度目のイニングまたぎとなった守護神スアレスがシーソーゲームを締めた。 阪神は大型13連戦(1試合雨天中止)のラストゲームを指揮官の執念采配で勝ち取り4連勝。9・5ゲーム差で追いかける首位巨人との15日からの3連戦(東京ドーム)へ、最高の形で弾みを付けた。

◆広島は1回、4番鈴木誠の3ランで先制。阪神は1点を追う3回、3番糸原、6番ボーア、7番糸井の適時打で3点を奪い、逆転。 広島は4回に1番大盛の2点二塁打で同点とし、5回は内野ゴロの間に勝ち越した。阪神は6回、内野ゴロの間に同点とした。 阪神は8回に途中出場の陽川が勝ち越しソロを放ち、4連勝で今季最多の貯金4。スアレスが2勝目を挙げた。広島は3連敗で7年ぶりの借金10。8回に登板し痛恨被弾の塹江が3敗目を喫した。

◆阪神藤浪晋太郎投手(26)は4回途中を5失点と苦しみ、1235日ぶりの甲子園白星を逃した。 1回1死一、二塁から4番鈴木誠に直球を狙い打たれ、先制の左越え3ランを献上。2、3回は持ち直したが、2点リードをもらった4回に2安打1四球で1死満塁とされたところで降板した。 前回5日巨人戦は5回途中で降板し、球団ワーストの1試合11失点と大炎上。今回は先発ローテ生き残りへ、背水のマウンドだった。17年4月27日DeNA戦以来の甲子園白星を目指したが、相性が悪い広島打線にまたも苦戦した。 これで今季は8試合登板で1勝5敗、防御率5・87。3戦連続で5回未満の降板を余儀なくされている。 矢野燿大監督は試合後、藤浪の今後については「今すぐちょっと答えは出ないけど、考えます」と話すにとどめた。 ▽阪神福原投手コーチ(藤浪について) 球の強さはありましたが、ボールが高い分、甘く入ると長打につながりやすい。ボールの高さが大事になってきますね。2回以降はスライダーを低めに頑張って投げてくれていた。立ち上がりからボールの高さを頑張れていたら良かったかなと思います。(次回は)考えます。

◆広島は同一カード3連敗で、借金は13年以来7年ぶりに2桁に達した。 ブルペンデーで臨んだ一戦。初回に鈴木誠也外野手の17号3ランで先制するも、先発薮田和樹投手が3回もたず5失点。シーソーゲームとなる中、同点の8回に塹江敦哉投手が陽川尚将内野手に決勝ソロを許した。佐々岡真司監督は「1発だけは警戒しないといけない場面。もったいない」と指摘。借金10には「これはもう1つずつ返していくしかない」と下唇をかみしめた。 ▽広島塹江(8回に6番手で登板し陽川に決勝弾を浴び3敗目) 長打を警戒しないといけないところ。低めは意識したが甘くなって本塁打になった。悔しい結果になった。 ▽広島大盛(1番中堅でフル出場し2安打2打点、初回にプロ初盗塁) 思い切っていこうと思っていた。先頭で勢いをつけるためにも走れたらいいんじゃないかと思った。

◆広島大盛穂外野手(24)が2安打2打点、プロ初盗塁を決めるなど存在感を示した。今季4度目となる「1番中堅」でフル出場。初回に藤浪から右前打で出塁し、1死から「梅ちゃんバズーカ」をかいくぐり二塁を陥れ、鈴木誠の先制弾の流れを呼び込んだ。「思い切っていこうと思っていた。今日は先頭で勢いをつけるためにも走れたらいいんじゃないかと思った」と振り返った。 2点を追う4回は1死満塁から代わったばかりの馬場のスライダーを捉え、一塁線を破る2点適時二塁打で一時同点とした。「ワンバウンドは振らないように、高いボールが来たらしっかり打ちにいくぞという形を作りながら入りました」。プロ2度目の複数安打で打率は3割3分3厘まで上昇。得点圏では6打数3安打で、打率5割と勝負強さを発揮。育成出身2年目の若鯉が、1軍の舞台で躍動を続けている。

◆右肘の不調で2軍調整が続いていた阪神桑原謙太朗投手が、今季初登板で好救援した。 1点ビハインドの6回1死一塁で3番堂林からの中軸を迎えた場面で登場。堂林を三邪飛に仕留めると、2死二塁で鈴木誠を外角低めのスライダーで空振り三振に斬った。「久しぶりの登板でしたが、ランナーのいる場面で使っていただき、抑えることができて良かった。少しは期待に応えられたかなと思います」。1軍マウンドは昨年4月19日の巨人戦(甲子園)以来513日ぶり。セットアッパーとして17年に67試合、18年に62試合登板したが昨年は7試合止まり。リリーフ事情が苦しい中、頼もしい右腕が帰ってきた。

◆阪神糸井嘉男外野手が10年ぶりの7番先発で気を吐いた。 3回、勝ち越した直後の1死一、三塁。詰まった飛球は左翼線に落ちる加点適時打になった。5回は左中間二塁打でマルチ安打。7番は阪神加入後初で、日本ハム時代の10年4月4日西武戦(札幌ドーム)以来3815日ぶりだった。 矢野監督は「そこを打つ違和感はあるだろうけど、そんなことを言ってやる気持ちは持っていないと思う。目の前の試合、打席に精いっぱいいってくれている」と話した。

◆阪神糸原健斗内野手が3番初タイムリーだ。この打順を任され今季3試合目。3点を追う1回1死二塁で、薮田のツーシームをとらえて中前に運んだ。 「先制点を取られた後だったので早く取り返したいと思っていました」。1点を追う3回無死二塁では同点の中前適時打。「(先頭で二塁打の)梅野さんがいい形で回してくれたのでホームまでかえしたいと思っていました」。渋い働きで勝利に貢献した。

◆阪神は矢野燿大監督が投打の執念采配で広島に3連戦3連勝。連勝を4に伸ばし貯金を今季最多の「4」とした。 矢野監督の一問一答は以下の通り。 -逆転勝ち 矢野監督 みんなその場所、その場所で必死に粘って、みんなでつないでくれました。 -陽川 矢野監督 2アウトになったんでね、陽川に1発打ってほしいなというところでね。本当に素晴らしい打球でしたし、最高の形で仕事してくれました。 -5本の適時打 矢野監督 そうですね。ボーアにも猛打賞が出ましたし。みんなちょっとずつ、(糸原)健斗も上がってきていますし、ちょっとずついい形の攻撃ができたんで良かったと思います。 -大山に犠打。勝利への執念を 矢野監督 いや、普通に勝つために選んだ策ですけど。 -藤浪は 矢野監督 うーん、立ち上がりと、やっぱり点を取ってからのあのイニングというのは、流れ的にも何とか抑えてほしいなというところですけど。晋太郎も勝負にいった結果なんで。それは仕方ないと思いますし。もっともっと成長というか、まだまだ才能を持っている投手なんで、思い切ってまた投球してもらいたいなと思います。 -リリーフ陣は 矢野監督 西と秋山が第1、2戦で長く投げてくれたんで、今日は全員つぎ込んででも勝つというのは自分でも思っていました。みんなが行く場所でしっかり仕事してくれました。 -4連勝で巨人戦に向けて 矢野監督 もちろん今日も広島と戦って、目の前の試合に全力で戦っているんですけど、やっぱり勝ってジャイアンツにいきたい、いい流れでいきたいというのは気持ちの中であったんでね。形は作れたんでね。何とかジャイアンツにね、タイガースらしい戦いで勝ってくるように、精一杯戦ってきます。 -打線は調子を上げてきている 矢野監督 まあね。今日みたいな、つないでつないでという形で、誰か1人、最近ではサンズがいいところで打って勝つのが多かったけど、それだけではやっぱり、チームとしてなかなかのっていけない。のっていける形を作れた試合にはなった。ジャイアンツに向けて、みんながそこに参加してくれている状態になっている。そこは全員の気持ちもまた上がった状態でジャイアンツに行けるので、いい形になりつつあるかな。 -糸井は7番で起用 矢野監督 嘉男自身も、打順でそこを打つ違和感はあるだろうけど、そんなことをね言ってやるような気持ちは持っていないと思う。嘉男自身は目の前の試合とか打席に精いっぱいいってくれている。俺はあまり気にしていない。

◆阪神守護神ロベルト・スアレスが盤石の救援で今季2勝目を挙げた。 同点の8回2死一塁で登板し、堂林を三ゴロに料理。9回は先頭鈴木誠に左前打を許したが危なげなく後続を断った。「いろんな状況があるけど、自分で心身ともに準備するのが大事。それを続けられているね」。陽川の勝ち越し弾で白星が転がり込んだ右腕は、再三のイニングまたぎもものともせず、8試合連続無失点と安定感抜群だ。陽川とのお立ち台では「アサッテモカツバイ!」と叫んだ。15セーブもリーグトップで、初のNPBタイトルも視野に捉えている。

◆阪神ジャスティン・ボーア内野手が5度目の猛打賞で勝利に貢献した。 1回は2死一、二塁で薮田のツーシームをとらえて右前に反撃タイムリー。3回は大山が犠打を決めた直後の1死二、三塁で中前適時打を放った。5回も中前に運び「本当に球をしっかりとらえ始めている。強い打球も打てる。このままやっていきたい」と上昇気配だ。7回1死二、三塁の勝ち越し機は菊池涼の好守で二直併殺に倒れたが、「野球の一部さ」と受け流した。前日12日の打撃も映像でチェックするなど、熱心な研究成果をバットで出した。

◆出ました、一撃必殺のゴリラパンチ! 途中出場の陽川尚将内野手(29)が、3号決勝弾でシーソーゲームにピリオドを打った。 6-6同点の8回2死。直前の守りから出場していた背番号55は塹江の初球を見送り、2球目の外角低め148キロを振り抜いた。「今までのホームランの中で、一番感触がよかった」。自画自賛の当たりはバックスクリーン右へ一直線。ベンチ前では胸を両手でたたく「ゴリラポーズ」で喜びを表現し、江越からは"ご褒美"のバナナも受け取った。 越しては越されの大熱戦。出番を待っていた陽川は、キャラそのままベンチでバナナにかぶりついていた。「今日、途中から(試合に)出る前にバナナを食べたので、それが力の源になったかなと思います」。お立ち台で明かしたバナナパワーでエネルギー補給完了。相手を一撃でKOでき、「ゴリラパンチ」とも称される強烈弾をファーストスイングでさく裂させた。 どんな時も集中力は切らさない。近年は激しい外野手争いの中でスタメンに定着できず、代打出場がメイン。先発起用された試合でも「自分は1打席1打席が勝負。毎打席、代打のつもりで」とバットを構える。今季の3本塁打は先発、代打、守備から途中出場といずれも局面は異なるが、すべて「勝ち越し弾」の肩書付き。7年目の今季、集中力の研ぎ澄ましようは半端ではない。 2軍監督時代から見ている矢野監督は「今まで見た中でも3本の指に入るような素晴らしい打球。相手もそれを警戒している中で打ったというのにも価値がある」と絶賛した。 スアレスと上がったお立ち台では、バナナが丸ごと1本プリントされた自身のグッズタオルも持参し、お茶目なセールスで甲子園を沸かせた。スタンドで揺れる斬新タオルには「自分の力になります」と感謝。最後は梅野の代名詞「勝つばい!」で締め、15日からの首位巨人3連戦の必勝を誓った。奇跡を目指すチームにとって、最後の勝負どころ。バナナパワーで、強烈なゴリラパンチをお見舞いする。【奥田隼人】

◆巨人戦の前に負けられん! 阪神が執念全開の総力戦で広島とのシーソーゲームを制した。矢野燿大監督(51)は前日V弾で本塁打王を争う5番大山に今季初犠打を命じ、藤浪を4回途中で見切って勝ちパターンを続々つぎ込む攻めダルマ采配。6-6同点の8回、途中出場の陽川が決勝3号を放って競り勝った。4連勝で昨年6月14日以来、457日ぶりの貯金4。9・5差からの奇跡へ、明日15日からの首位巨人3連戦(東京ドーム)にはずみをつけた。「必死のパッチ」で勝利をつかみ取った。試合後、会見場に現れた矢野監督は興奮が冷めなかった。「みんなその場所、その場所で必死に粘って、みんなでつないでくれました」。全員野球でシーソーゲームを逆転。ケリをつけたのは、6-6同点の8回2死。途中出場させた陽川の勝ち越しアーチだった。週明けに戦う首位巨人3連戦を念頭に貫いた攻めの采配が、今季3度目の4連勝と1年ぶりの貯金4をたぐり寄せた。 矢野監督 やっぱり勝ってジャイアンツにいきたい。いい流れでいきたいというのは気持ちの中であった。 試合前から、この一戦にかける覚悟がにじみ出た。捕手の梅野を2番で3試合連続起用。調子を落とし気味の糸井は日本ハム時代の10年4月以来、10年ぶりに7番に置いた。矢野監督は「違和感はあるだろうけど、目の前の試合とか打席に精いっぱいいってくれている」とうなずき、糸井も2安打1打点で応えた。 ゲーム中も手綱を緩めない。まさかの光景にスタンドがどよめいたのは3回だ。藤浪が失った3点ビハインドを追いつき、なお無死一、二塁。前日決勝3ランを放つなど本塁打王も争う5番の大山に、送りバントを命じた。大山も投前にしっかり転がす今季初犠打で二、三塁に好機を拡大。ボーアと糸井が連続適時打で応え、2点を勝ち越した。 継投も惜しみなくつぎ込んだ。2点リードに転じた4回、藤浪が連打と四球で1死満塁のピンチを招くとスパッと馬場に交代。再び同点の5回からは勝ちパターンの岩貞を送り込んだ。1、2戦目は西勇、秋山と先発が力投。矢野監督は「今日は全員つぎ込んででも勝つというのは自分でも思っていた」と、腹をくくっていた。岩貞に続いて、岩崎とスアレスもイニングまたぎ。文字通りの総力戦で、広島を1点上回った。 過酷な13連戦は7勝4敗1分け(雨天中止1)の貯金3で乗り切り、いよいよ明日15日から首位巨人3連戦に挑む。巨人はこの日も勝って9・5差は変わらない。阪神は今季、東京ドーム6戦全敗で、初戦は10連勝中の菅野が予想される。その試合で負ければ、巨人にマジックが点灯して、阪神の自力Vが消滅する崖っぷち。だが矢野監督はきっぱり言った。「形は作れたんでね。何とかジャイアンツにタイガースらしい戦いで勝ってくるように、精いっぱい戦ってきます」。奇跡へ人事を尽くし、最後の大勝負に挑む。【桝井聡】

◆セ・リーグ2位の阪神が、5位の広島と対戦。 阪神が4連勝。1点を追う6回に木浪の三塁打から好機を作り、近本の三ゴロの間に同点に追いつく。8回には途中出場の陽川が本塁打を放ち勝ち越し。そのまま逃げ切り勝利した。広島は1回に3点を先制したが、守りきれず。これで阪神戦5連敗。

◆阪神藤浪晋太郎投手(26)は4回途中を5失点と苦しみ、2軍再調整が濃厚となった。 相性の悪い広島打線にまたも苦戦。「初回につまずいてしまい、その後はなんとか粘りたいと思って投げていましたが、野手の方が逆転してくれた中で、早い回で降板してしまい申し訳ないです」と言葉に悔しさをにじませた。 痛恨の被弾は1回1死一、二塁だ。エンジンを吹かすように、立ち上がりは16球連続で直球を選択。その15球目、甘く入った154キロを4番鈴木誠に狙われた。先制3ランを左翼席まで運ばれ、出ばなをくじかれた。2、3回は変化球を増やして的を絞らせなかったが、2点リードをもらった直後の4回は下位打線につながれる。2安打1四球で1死満塁とされたところで降板を告げられた。 矢野燿大監督は「立ち上がりと、点を取ってからのイニングは、流れ的にも何とか抑えてほしいなというところですけど。晋太郎も勝負にいった結果なんで」と振り返り、「もっともっと成長というか...まだまだ才能を持っている投手なんで、思い切ってまた投球してもらいたい」と力を込めた。ただ、現状は厳しいと言わざるを得ない。 前回5日巨人戦は5回途中で降板し、球団ワーストの1試合11失点。生き残りを懸けた今回も早期降板を余儀なくされ、1235日ぶりの甲子園白星も逃した。指揮官は悩める右腕の今後について「今すぐちょっと答えは出ないけど、考えます」と話すにとどめた。3戦連続で5回未満の降板となり、防御率は5・87。2軍降格は避けられない情勢となった。【佐井陽介】

◆スターティングメンバーが発表され、阪神・糸井嘉男外野手(39)が「7番・右翼」でスタメンに名を連ねた。7番に座るのは阪神移籍後初。日本ハム時代の2010年4月4日以来、10年ぶりとなった。先発マウンドには、甲子園では1235日ぶりの勝ち星を目指す藤浪晋太郎投手(26)が上がる。

◆阪神の先発・藤浪晋太郎投手(26)が、一回にいきなり3ランを被弾した。  先頭の大森に153キロをはじき返され右前打を許した。続く田中広は一飛に仕留めたが、堂林に四球を与え1死一、二塁。カウント1-1から、同学年の鈴木誠に154キロをとらえられた。左翼スタンドに運ばれる17号3ランでいきなり失点。後続はしっかりと断ったが、2軍降格の瀬戸際にいる右腕にとって厳しすぎる立ち上がりとなった。

◆阪神は2-3で迎えた三回、先頭の梅野が二塁打を放つと、続く糸原の適時中前打で同点に追いついた。サンズが四球を選び、なおも無死一、二塁と勝ち越しの好機。5番・大山の打席で甲子園がどよめいた。  なんと大山は初球にバントの構えを見せる。甲子園の虎党からは「えーっ」という声が思わず漏れた。それでも、大山は3球目にしっかり投前に転がし、1死二、三塁と好機拡大。昨年8月22日のDeNA戦(京セラ)以来の犠打を成功させた。  続くボーアが代わったばかりの高橋樹から、中前打を放ち、4-3と勝ち越しに成功。さらに糸井も続き、5-3とリードを広げた。執念を見せた矢野采配が見事にはまり、甲子園は大歓声に包まれた。

◆先発した阪神・藤浪晋太郎投手(26)は3回1/3を投げ、5安打5失点2四球でマウンドを降りた。  5-3と逆転した直後の四回だった。藤浪は先頭のピレラを遊飛に打ち取るも、坂倉に右前打を浴びる。右翼・糸井の後逸もあり1死二塁とし、曽根が中前打で一、三塁。代打・長野に四球を与え、満塁としたところで矢野監督は投手交代を告げた。  これで登板3試合連続で五回を持たずに降板。場内に2番手の馬場の名前がコールされた後もうつむき、しばらくマウンドを離れることができなかった。  藤浪の後を受けた馬場だったが、1死満塁から大盛に2点二塁打を浴び同点とされた。

◆阪神・桑原謙太朗投手(34)が2019年4月19日の巨人戦(甲子園)以来、513日ぶりの1軍のマウンドに上がった。  5-6の六回1死一塁から登板すると、堂林を三邪飛。その後、二盗を許したが、鈴木誠をスライダーで空振り三振に斬った。  桑原は17年は67試合、18年は62試合と2年続けて60試合以上に登板したが、昨季は右肘痛の影響もあり、7試合に登板しただけに終わっていた。

◆阪神が両チーム2桁安打の乱打戦を制して、7-6で広島に勝利。4連勝で貯金を今季最多の「4」とした。6-6の八回2死。守備から途中出場していた陽川が塹江から3号ソロで勝ち越しに成功した。  守護神・スアレスは6-6の八回2死一塁から登板。堂林を三ゴロに打ち取ると、その裏に勝ち越すと、九回もマウンドに上がった。先頭の鈴木誠に左前打を許したが、後続を打ち取り無失点。今季2勝目を挙げた。

◆3試合連続で3番に座った糸原は、0-3の一回1死二塁から中前適時打を放ち、反撃ののろしを上げた。「先制点を取られた後だったので、早く取り返したいと思っていた」。2-3の三回無死二塁でも2打席連続となる適時打を放ち、2安打2打点の活躍。"3番不在"を主将が解決し、矢野監督も「健斗(糸原)も上がってきている」と期待した。

◆守護神スアレスが、回またぎで試合を締めた。同点の八回、2イニング目だった岩崎が2死から走者を出し、クリーンアップを迎えたところで登板。堂林を三ゴロに仕留めると、九回は先頭の鈴木にヒットを許しながらも後続を断った。8戦連続無失点で2勝目。「強い気持ちでいっている結果が今、続いていると思います」と拳を握った。お立ち台では梅野の十八番「あさっても勝つばい!」を日本語で披露し「自分もやってみようかなと思いました」と満面の顔だった。

◆桑原が513日ぶりの1軍登板を果たした。5-6の六回1死一塁でマウンドに上がると、堂林を三邪飛。二盗を許したが、鈴木誠を空振り三振に斬った。「ランナーのいる場面で使っていただき抑えることができてよかった。少しは期待に応えられたかな」と、昨年4月19日の巨人戦(甲子園)以来のマウンドを振り返った。17、18年と2年連続で60試合以上に登板も昨季は右肘痛で7試合のみ。頼もしい右腕が戻ってきた。

◆甲子園がどよめいた。虎党が勝ち越し打を期待した大山へのサインは、犠打-。矢野監督が勝利への執念タクトだ。  「普通に、勝つために選んだ策です」  劇的勝利となった試合後、指揮官はさらりと振り返った。2-3で迎えた三回だ。糸原が2打席連続となるタイムリーで同点とすると、続くサンズが四球を選んで無死一、二塁。ここでリーグ本塁打王争い2位タイ(18本)の和製大砲が打席に向かい、ボルテージも一気に高まった。  しかし大山はバットを寝かせると、初球のボールを見送った。次もそのままバントを試みてファウル。球場がざわつく中、3球目を投手の前に転がし、好機をお膳立てだ。昨季1度だけ成功させた8月22日DeNA戦(京セラドーム)以来の犠打。仕事をきっちりと果たした5番打者に虎党も拍手を送ると、これにボーア、糸井が連続タイムリーで応えて、勝ち越しに成功した。  虎将の頭に聖域はなくなっている。上位打順が当たり前だったFA砲の糸井を、タテジマで初めて7番で起用した。日本ハム時代の2010年4月4日以来、10年ぶりだったが「違和感はあるだろうけど、そんなことを言ってやるような気持ちは持っていないと思う。目の前の打席に精いっぱいいってくれてる。俺はあまり気にしていない」ときっぱり。結果的に、ベテランがマルチ安打と気を吐き、復調気配を漂わせたことも大きな収穫となった。  「乗っていける形を作れた試合になった。(15日からの)巨人戦に向けて、みんなが参加してくれている状態になっている。全員の気持ちもまた上がった状態でいけるので、いい形になりつつあるかな」  リリーフもつぎ込み、総力戦でもぎ取った4連勝。13連戦は雨天中止1試合はあったが、7勝4敗1分けで乗り切った。あとは東京ドームに乗り込むだけ。3勝10敗とやられっぱなしのGに、ありったけの力をぶつけるだけだ。(大石豊佳)

◆藤浪は前回5日の巨人戦(甲子園)での球団ワースト11失点KOに続いて、またもKOだ。一回から鈴木誠に3ランを被弾。5-3と逆転してもらった直後の四回には連打と四球で1死満塁と追い詰められ、ベンチからタオルを投げ込まれた。  「初回につまずいて、その後はなんとか粘りたいと思いましたが、野手の方が逆転してくれた中で早い回に降板してしまい申し訳ないです」  前回登板は五回途中11失点(自責7)と屈辱にまみれ5敗目(1勝)。ラストチャンスと目されたこの広島戦は、なんとしても結果が欲しかったが序盤から痛打された。リリーフした馬場が大盛に同点の2点二塁打を浴び、藤浪には今季最短3回1/3を5安打5失点という数字が残った。  矢野監督も「うーん、立ち上がりと、やっぱり点を取ってからのあのイニングというのは、流れ的にも何とか抑えてほしい」と悩ましい。次回登板についても「今すぐちょっと答えは出ないので。考えます」と明言できなかった。  8月21日のヤクルト戦(神宮)で692日ぶり勝利をつかんだものの、その後は3戦連続で五回を投げ切れず4失点以上。先発ローテ落ちが現実味を帯びてきた。

◆乾いた打球音を3度、甲子園に響かせた。ボーアが2本の適時打を含む3安打の大暴れ。しばらく鳴りを潜めていた大砲助っ人が、ようやく目覚めの予感だ。  「これも野球の1つ。打てなかった日が続けばファンの人もガックリして。次の試合のために準備して、その試合打てるのも1つの野球のおもしろさ」  まずは一回だ。藤浪が3点を先制されたが、1点を返してなお2死一、二塁から薮田のツーシームをとらえた。一、二塁間を破る適時打。3試合ぶりの安打が、6試合ぶりの打点となる反撃のタイムリーに。「自分もランナーをかえしたいと思っていた。仕事ができてよかったよ」。これで勢いに乗った。  三回は同点に追いつき、大山の犠打でさらに1死二、三塁。左腕・高橋樹のスライダーを鋭い打球で中前へはじき返して2打席連続、一時勝ち越しとなる適時打だ。  「みんなが良い仕事をしている。接戦の展開で得点が欲しい場面だったから、打つことができてよかった」  五回も2死から中前打を放ち、3打席連続安打で8日のDeNA戦(横浜)以来、5度目の猛打賞。6-6の七回1死二、三塁でも二塁・菊池涼の好守に阻まれたものの鋭いライナーを放ち、手応え十分の打撃で、勝利に大きく貢献した。  最近は、自身が開幕時に務めた4番に座るサンズの活躍が目立ち、影を潜めがちだった。8月26日の中日戦(甲子園)で2本塁打して以降、前日までの15試合で0本塁打1打点。なんとか復調のきっかけをつかもうと必死だった。前の日の映像を見て感じた細かな変化について、試合前練習で井上打撃コーチと話し合った。意見を求め、時には身ぶり手ぶりを交えながら指導を受ける場面もあった。  「ゲーム前の単純な会話」と説明したが、そういった準備を積み重ねてきたからこそ、結果となって表れた。矢野監督も「ボーアにも猛打賞が出ましたし。ちょっとずつ、いい形の攻撃ができたのでよかった」とうなずいた。  「ボールをしっかり捉え始めているかなと思う。強い打球も打つことができているし、このままやっていきたい」とボーア。確かな手応えとともに東上する。そして6試合22打数0安打と屈辱にまみれている東京ドームで、完全覚醒する。(菊地峻太朗)

◆総力戦を制した! "ゴリラパンチ"がケリをつけた!! 阪神は広島に7-6で勝利。途中出場の陽川尚将内野手(29)が八回、決勝の3号ソロを放った。今季3度目の同一カード3連勝で連勝を4に伸ばし、貯金は最多4。首位巨人とは依然9・5ゲーム差も絶対にあきらめない。さあ、15日から東京ドームで直接対決だ!!  夕暮れの甲子園に豪快なアーチが架かる。両軍合わせて22安打13得点の乱打戦で、最後は"ゴリラパンチ"が鯉をノックアウト! 割れんばかりの歓声に包まれ、陽川が胸をたたいた。  「点を取られても取り返すという流れだったので、その勢いに乗れた。打った瞬間、いったなと思いました。いままでのホームランのなかで一番感触がよかった」  6-6の八回2死。塹江の148キロをフルスイングし、バックスクリーン右に運んだ。千金の3号ソロをベンチが、スタンドのファンが、胸を叩く"ゴリラポーズ"で祝福。なかでも矢野監督の喜びは別格だった。  「2アウトになったんでね、陽川に一発打ってほしいなと」  期待通りの一撃に目を細め「きょうは全員つぎ込んででも勝つと思っていた」と力を込めた。  雨天中止が1試合あったが、13連戦の最終戦。指揮官は動きに動いた。先発の藤浪に四回途中で見切りをつけ、以降は小刻み継投。同点の七回から岩崎を投入し、八回2死から走者を許すと、すぐさま守護神・スアレスにスイッチした。  そしてスアレス登板に合わせ、一塁守備へ入れていたのが陽川-。投手6人でつないだ総力戦が最高の形で結実し、「陽川のホームランで、今まで見た中でも3本の指に入る。相手も警戒している中で打ったというのにも価値がある」と最大級の賛辞を送った。  指揮官の必死のパッチに応えた"虎のゴリラ"はお立ち台でも絶好調。パワーの源を問われると「途中出場の前にバナナを食べたので、それが力の源かな」と持ちネタで爆笑をかっさらった。  さらに自身のオリジナルグッズ「バナナタオル」を掲げ、しっかり宣伝だ。「ファンのみなさんにタオルを掲げてもらうと、自分もうれしいですし、それがやっぱり原動力になる」。今季まだ3発だが、すべて勝利を呼ぶアーチ。その勝負強さは頼もしい。  チームは今季3度目の同一カード3連勝で連勝を4に伸ばし、貯金は今季最多4。15日からは、首位巨人との3連戦(東京ドーム)だ。  矢野監督が「勝って、いい流れでジャイアンツ戦にいきたいというのは気持ちの中であった。形は作れた。タイガースらしい戦いで勝つように精いっぱい戦ってくる」と力を込めれば、陽川もお立ち台で「あさっても勝つばい!」と梅野の決め台詞でファンに誓った。  「どの場面で出番が来るかわからないけど、しっかり自分の持ってるパフォーマンスができるように、常に準備を心掛けてやっていきたい」  9・5差。負ければ即、自力優勝の可能性が消滅するG3連戦。マジックを早々と点灯させるわけにはいかない。今季1つも勝っていない東京ドームで"ゴリラパンチ"を炸裂させる。(原田遼太郎)

◆ウッホウッホのカキーンでバンザーイ! 虎がゴリラでバナナと虎が黄色でウッホウッホウッホウッホの4ウッホー!!  虎党の皆さん、申し訳ありませーん! 八回2死、引き分けムードが漂いかけたとき、陽川選手の特大決勝本塁打が飛び出したためダンカンさんが極度の興奮状態になってしまいまして...。要約しますと、GP(ゴリラパワー)の陽川選手の一発で阪神4連勝!! お出迎えのベンチからバナナが渡され(江越選手の仕業でした)、選手もファンもニッコリでバンザーイ!ということです。  まだ巨人には水を開けられているけど、逆転Vを信じる者にこの1勝は大きいのだ! その一方で、またもや炎上した藤浪晋太郎...心を鬼にして中継ぎ転向、さらにはサイドスロー転身もあるのか...。

◆1つも負けられない崖っぷちの状況で、矢野監督がオーダーで、継投で、これまでにないほど大胆な采配を見せた。評価していい。  象徴的だったのは三回無死一、二塁から大山に命じた送りバント。二、三塁となり後続打者は「併殺がない」「外野フライでいい」と楽な気持ちで打席に入れたし、連続適時打という最高の結果につながった。積極采配も、失敗すれば批判される"諸刃の剣"だが、追い込まれたチーム状況では、どんどん勝負していい。  積極采配の中で1つ、気になったのは七回。足の切り札・植田を三塁の代走に送ったが、ボーアの二直で植田が飛び出し、併殺になった。「当たりゴー」(バットに球が当たった瞬間にスタート)なら仕方ない。が、二走・サンズは打球を見て二塁に戻っている。どちらのミスなのか。負けられない状況では、サインの徹底は最低条件。気を引き締めてほしい。  最後に藤浪。ほぼすべての球を置きにいっていた。細かな制球がない状態で置きにいけば簡単に打たれる。負けられない阪神で、この日の投球内容なら、1軍では登板させられない。(本紙専属評論家)

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
巨人
45224 0.672
(↑0.005)
-
(-)
49339
(+3)
229
(+1)
93
(+2)
43
(+1)
0.258
(-)
3.170
(↑0.04)
2
(-)
阪神
36324 0.529
(↑0.007)
9.5
(-)
48305
(+7)
290
(+6)
72
(+1)
48
(+1)
0.245
(↑0.001
3.520
(↓0.04)
3
(-)
DeNA
35345 0.507
(↓0.008)
11
(↓1)
46322
(+2)
293
(+3)
73
(+1)
14
(-)
0.273
(↓0.001)
3.780
(↑0.01)
4
(-)
中日
33375 0.471
(↑0.007)
13.5
(-)
45250
(+3)
305
(+2)
41
(+1)
19
(-)
0.239
(-)
3.760
(↑0.02)
5
(-)
広島
27378 0.422
(↓0.007)
16.5
(↓1)
48310
(+6)
345
(+7)
71
(+1)
30
(+3)
0.264
(-)
4.410
(↓0.03)
6
(-)
ヤクルト
26406 0.394
(↓0.006)
18.5
(↓1)
48298
(+1)
362
(+3)
65
(-)
44
(+1)
0.251
(↓0.001)
4.610
(↑0.01)