ロッテ(☆5対4★)ソフトバンク =リーグ戦6回戦(2020.08.20)・ZOZOマリンスタジアム=
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ソフトバンク
01010000024901
ロッテ
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勝利投手:フローレス(2勝1敗0S)
敗戦投手:嘉弥真 新也(2勝1敗0S)

本塁打
【ソフトバンク】松田 宣浩(4号・2回表ソロ)
【ロッテ】中村 奨吾(4号・7回裏ソロ),安田 尚憲(4号・7回裏ソロ),マーティン(14号・10回裏2ラン)

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◆ロッテは2点を追う延長10回裏、マーティンの2ランが飛び出し、土壇場で試合を振り出しに戻す。その後2死一二塁の好機をつくると、相手の暴投の間に二塁走者・鳥谷が生還し、サヨナラ勝利を収めた。投げては、5番手・フローレスが今季2勝目。敗れたソフトバンクは、終盤に救援陣が踏ん張れなかった。

◆ソフトバンク先発笠谷俊介投手が「ZOZOマリンの呪縛」脱出をかけ、オープナーとして十分な仕事を果たした。今季5度目の先発は、救援も含めて初のロッテ戦。チームが昨年2勝10敗と大きく負け越し、今年も2戦勝ちなしの球場だが、初マウンドの左腕には関係なかった。 3回2死から4者連続三振など、2点の援護をもらって4回2安打無失点、6奪三振でお役御免。「マウンド上で風を感じながら、うまく投げることができたと思います。直球も変化球も操ることができた。長いイニングを投げることは意識せずに、無失点で中継ぎの方につなぐことだけを考えて投げました。自分の仕事はできたと思う」と満足げに振り返った。 先発した6日楽天戦(楽天生命パーク)の1回に失点した後からの連続無失点は11イニングに伸びた。謙虚さを失わない笠谷の株は急上昇だ。【浦田由紀夫】

◆先発はロッテ岩下とソフトバンク笠谷。ソフトバンクが2回1死、松田宣の4号ソロで先制。ロッテは3回まで散発2安打。 ソフトバンクが4回1死三塁、上林の中前適時打で2点目。笠谷から松本の継投で、ロッテ打線に得点を許さず終盤へ。 ロッテが7回に中村奨の左越え4号ソロと、安田の右越え4号ソロで同点に追いついた。2-2で2日連続の延長戦に突入。 ソフトバンクは10回、2点を勝ち越し。その裏、ロッテはマーティンの2ランで同点とし、相手暴投でサヨナラ勝ちを決めた。ロッテ・フローレス2勝目、ソフトバンク嘉弥真は1敗目。

◆ソフトバンク松田宣浩内野手が先制の4号ソロを放った。2回1死。カウント1-2から岩下の148キロの直球を右中間ラグーン席に運んだ。 「追い込まれていたので必死に打ちにいきました」。昨年、岩下との対戦では6打数3安打ですべて本塁打。今季初対決でもいきなりアーチを見舞って相性の良さを見せつけた。これで4戦連続安打。不振を続けてきた松田宣が少しずつ上昇カーブを描き始めた。

◆起死回生の1発から、ロッテが延長逆転サヨナラ勝ちで首位タイに立った。2点を追う延長10回は併殺で2死。負け目前の走者一塁だ。マーティンがフォークをかち上げた。右翼席最上部への14号2ラン。「きっとチャンスでくると思っていた。シーズンは長いけど、ロッテができるってことを見せたい」。一振りを劇的勝利につなげた。 突き放されては追いつくを繰り返し、追い越した。2日連続の延長戦。連投中の守護神益田を休ませた結果、フローレスが勝ち越しを許した。だがマーティンから安田、井上がつなぎ、最後は39歳が激走した。 鳥谷が21歳安田の代走に立っていた。相手バッテリーの暴投で二塁から猛チャージ。右手から本塁に突っ込んだ。井口監督が「投手の位置やタッチをしっかり見てくれた」という技ありの走塁。ホームへ羽ばたくように生還したベテランを、まるで優勝したかのようなテンションでナインが出迎えた。ブルペンから投手陣も駆け付けていた。 1分けを挟み3連勝。首位は7月3日以来。8月に限れば10年8月28日以来10年ぶりだ。指揮官は「気迫が伝わる、いい試合だった」と全員をたたえた。疲れが報われた。【鎌田良美】 ロッテ鳥谷(延長10回2死一塁で代走。同一、二塁となり好走塁で生還)「ベストを尽くした結果が勝利につながって良かったです」 ロッテ安田(7回に一時同点に追いつく4号ソロ)「力が抜けていいスイングができたと思います」

◆ここには何かが潜んでいるのか。 ソフトバンクは延長10回表に4番栗原の適時打で2点を勝ち越し「ZOZOの呪縛」から解き放たれると思いきや、その裏2死から悲劇が起きた。泉がロッテ・マーティンに同点2ラン。嘉弥真、椎野も流れを止められず、最後は7番手椎野がまさかの暴投でサヨナラ負けを喫した。昨年2勝10敗、今年も●△だったZOZOマリンで説明のつかないドラマ的な散りっぷり。この球場では引き分けを挟んで5連敗となった。 工藤監督は試合後、開口一番「すみません」と頭を下げた。「何とかという思いが投手からも野手からも伝わったが、私も予想してなかった。長く(野球を)やってますが、身にしみました」と肩を落とした。引き分けた前日19日に続いて7投手をつぎ込んだが、結果的にブルペン陣のダメージを増幅させた。負のスパイラルから抜け出せない。 逆襲に向けて切り札を繰り出す。昨季36発を放ったデスパイネが21日についに1軍登録される。この日のウエスタン・リーグ阪神戦で2打数2安打。14日から出場して6試合目でここ3戦連続安打と本来の打撃を取り戻してきた。新型コロナの影響でキューバからの来日が7月にずれ込んだ助っ人が、「ZOZOの呪縛」を解き放ちにやってくる。 工藤監督は最後に言った。「若い選手もいろいろ失敗するが、経験しないと前にも進めない」。この悪夢を無駄にしてはいけない。【浦田由紀夫】

◆ソフトバンク森唯斗投手が通算100ホールドを達成した。 「試合で使っていただいたからこそ、100ホールドという数字までたどり着けたと思います。いろいろな人に感謝したい。まだまだ通過点。これからも頑張っていきたい」。

◆ソフトバンク・笠谷俊介投手(23)が20日、ロッテ戦(ZOZOマリン)で先発登板。オープナーとして4回無失点と試合を作り、リリーフ陣にバトンを託した。  「マウンド上で風を感じながら、うまく投げる事ができたと思います。ストレートも変化球も操ることができた。長いイニングを投げる事は意識せずに、無失点で中継ぎの方につなぐことだけを考えて投げました。自分の仕事はできたと思うし、このまま勝てたら最高です」  今季5度目の先発登板で、持ち味を発揮した。一回1死一塁ではマーティンを一ゴロ併殺。二回1死一塁でも清田を遊ゴロ併殺だ。四回には中村、マーティン、安田を3者連続三振。直球とスライダーのコンビネーションが光り、昨季2勝10敗とチームとして苦しんだZOZOマリンのマウンドを支配した。  バトンを受けたのは同期入団で同級生の松本。五回から登板へ。先頭の井上に右前打を浴びるも、続く清田を遊ゴロ併殺。六回もマウンドに上がり3者凡退に斬った。

◆ロッテがサヨナラ勝ちで同率首位に浮上した。2-4の延長十回、2死からマーティンの2ランで同点。なお一、二塁とし暴投で代走鳥谷が二塁から生還した。ソフトバンクは栗原の2点適時打で勝ち越したが、救援陣が粘れなかった。

◆ソフトバンクは20日、ロッテとの6回戦(ZOZOマリン)に4-5で逆転サヨナラ負け。昨年から続いているZOZOマリンでの連敗は「5」に伸びた。試合後、工藤公康監督(57)が取材に応じた。主な一問一答は以下の通り。  --難しい展開だった  「最後の最後というところがいかに難しいか。野球の中で最期を締めるのがいかに大変か。長いことやっていますけど、骨身に染みました」  --泉を選んだ  「彼のストレートと縦の変化球が投げられれば、そうそう打たれるものじゃないと思っていた。ストライクが入らないということに関しては、その技術をしっかり身につけないと。どんなときでも、足が震えようがストライクが取れるような投手になってほしいと思います。緊張もしたでしょうし。あしたは倍返しだと思うくらいやっていくしかないと思います。出したのは僕なので。最終的には監督が悪いんだと割り切ってやってほしいと思います」  --六回の栗原の走塁は  「いくらずっと野球をやってきても、プロの景色や緊張感や、初めてフルで出ている中でいろんな状況を頭に入れておかないといけないんですけど。それは教えていかないといけない僕らの責任だと思います。状況を伝えておけば、彼の中で整理ができればスムーズにいったかもしれないわけで」   --十回には適時打  「あそこで粘って、詰まりながら落としたのはさすがです。よくやっています。きょうはきょうで切り替えて。ミスはありますけど、ミスをしてもくよくよしないで。いい経験を積んでいってほしいと思います」

◆2点を追う七回に中村奨と安田が、アベック弾だった7月28日以来となるソロ本塁打(ともに4号)を放った。先頭で左翼席に運んだ中村奨は「1点ずつと思っていたが、結果的にホームランになった」と笑顔。1死後に4番・安田がスライダーを右翼席上段にたたきこみ「力が抜けて、いいスイングができた。打席で集中できていた」。21歳の主砲は自画自賛だった。

◆ロッテが鳥谷敬内野手(39)の"神走塁"で、ソフトバンクと並んで首位に浮上した。20日の直接対決6回戦(ZOZOマリン)に5-4で勝利。2点を追う延長十回2死からレオニス・マーティン外野手(32)の14号2ランで追い付くと、なおも一、二塁として、暴投の間に代走・鳥谷が二塁から一気に本塁を陥れた。驚異の粘りを発揮しての逆転サヨナラ勝ち。8月のロッテは面白い。  迷うことなく、鳥谷が勢いよく三塁を蹴って、本塁に向かう。そしてタッチをかいくぐるため、少し左側に体をよじっての巧みなヘッドスライディング。球審の両手が大きく水平に広がった。  「ベストを尽くした結果が勝利につながってよかった」  まさかの暴投でサヨナラ。ナインにもみくちゃにされた39歳は、そう照れ笑いした。  驚異的な粘りだった。2-4の延長十回2死一塁で、3番・マーティンが右翼席上段のビジョンを直撃する14号同点2ラン。「高めの球だけを狙っていた。これからも、千葉ロッテが"できる"というところを見せつけたいね」と振り返った。直前の無死一、二塁で、2番・中村奨があわや三重殺の三ゴロ併殺打。好機が消えかけただけに、起死回生となった。  しかし、これで終わらない。七回に20試合ぶりの一発となる4号ソロを放っていた4番・安田が左前打。ここで代走に鳥谷が起用される。さらに井上が四球でつなぐ。  そして代打・佐藤。相手の7番手・椎野がフルカウントから投じた6球目のフォークボールがワンバウンドとなり、ファウルグラウンドを転々。これを見て、二走・鳥谷は一気に本塁突入。捕手・甲斐から本塁ベースカバーに入った椎野に送球されたが、鳥谷の"神走塁"が上回った。  「タイミング的には全然アウト。ピッチャーの位置をしっかり見ていた。あれは大きかった。気迫というか、勝ちたいという気持ちが伝わった試合だった」。井口監督は17年目のベテランの観察眼をたたえた。  思い返せば2013年のWBC、第2ラウンドの台湾戦(3月8日、東京ドーム)。1点を追う九回2死一塁で、初球に二盗を決めたのが鳥谷(当時阪神)だった。この球史に残る決死の走塁が、土壇場で井端(中日)の同点打を呼んだ。あれから7年...。鳥谷の勇敢さは、少しも変わっていなかった。  これでチームはソフトバンクに並び、7月3日以来の首位返り咲き。新型コロナウイルスの感染拡大で開幕が6月19日にずれこんだ今季ではあるが、ロッテが8月に同率首位に立つのは2010年8月28日以来、10年ぶりだ。21日もソフトバンクに勝って8月に単独首位となれば、前後期制の年を除けば1970年以来、実に半世紀、50年ぶりのこととなる。(東山貴実)

◆ロッテ・安田のパワーは大きな魅力。長距離打者だと思う。七回は右腕・松本の初球を狙い澄ましたかのように振り切って、同点ソロ。思い切りのよさも感じた。  先発の左腕・笠谷にはタイミングが合わず、2打席連続で空振り三振だった。同学年のヤクルト・村上もそうだったが、左投手には慣れるしかない。多く打席に立って、このコースにきたら逆方向へ打つと体で覚えていくものだ。延長十回は、左の嘉弥真の外角球を左前に流し打って、サヨナラ勝ちにつなげた。慣れてくれば同じコースが振り切れるようになるし、長打も出てくる。  大阪・履正社高時代は体が細い印象だったが、3年目を迎えて大きくなった。特に下半身がしっかりしたことで、力が上半身に伝わっている。これだけの選手を、投手の右左だけでベンチに置くのはもったいない。  井口監督は入団から2年間、使いたいのを我慢して、よく2軍で鍛えさせたと思う。今は首位争いをする中、相当の覚悟を持って4番で起用しているはずだ。打てない時期がきても、使い続けてほしい。リーグこそ違うが、村上にとってもいいライバルが出てきて、刺激になるだろう。 (本紙専属評論家)

DAZN

<パ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
ソフトバンク
29222 0.569
(↓0.011)
-
(-)
67230
(+4)
198
(+5)
58
(+1)
36
(+2)
0.240
(-)
3.460
(↓0.02)
1
(1↑)
ロッテ
29222 0.569
(↑0.009)
0
(↓1)
67235
(+5)
242
(+4)
48
(+3)
46
(-)
0.247
(↑0.001
4.400
(↑0.02)
3
(1↓)
楽天
28223 0.560
(-)
0.5
(↓0.5)
67292
(+3)
237
(+3)
58
(+1)
36
(-)
0.274
(↓0.001)
4.220
(↑0.03)
4
(-)
日本ハム
25253 0.500
(-)
3.5
(↑0.5)
67228
(+3)
239
(+3)
47
(+1)
26
(-)
0.246
(-)
4.090
(↑0.03)
5
(-)
西武
23262 0.469
(↑0.011)
5
(↑1)
69228
(+6)
238
(+4)
51
(-)
32
(+1)
0.251
(↑0.004)
4.510
(↑0.01)
6
(-)
ORIX
16334 0.327
(↓0.006)
12
(-)
67187
(+4)
246
(+6)
35
(-)
39
(-)
0.244
(↑0.001)
4.380
(↓0.03)