阪神(2対2)広島 =リーグ戦11回戦(2020.08.16)・京セラドーム大阪=
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広島
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阪神
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勝利投手:-
敗戦投手:-
  DAZN
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◆阪神は初回、ボーアの適時打などで幸先良く2点を先制する。一方の広島は1点ビハインドで迎えた8回表に、2死二三塁から相手の暴投の間に1点を挙げ、同点に追いついた。その後は両軍無得点のまま延長戦に突入するも決着はつかず、試合は規定により引き分けに終わった。

◆両チームのスタメンが発表された。先発は阪神が秋山拓巳投手(29)、広島が遠藤淳志投手(21)。阪神秋山は現在自己最長タイの4連勝中で、同じく近本も最長タイの13試合連続安打中。ともに快投、快音を披露し、自己最長記録を更新することができるか。また大卒3年目の熊谷が、18年7月3日中日戦(甲子園)以来、約2年ぶりに先発出場となった。

◆阪神ジャスティン・ボーア内野手(32)が折れたバットのグリップを持って一塁に到達するという珍しい適時打を放った。 初回、無死満塁から4番大山の併殺打の間に1点を先制。2死二塁となって5番ボーアが驚異の怪力を見せつけた。先発遠藤の外角に落ちるチェンジアップに食らいつき、泳がされながらもバットの先端でうまく拾った。 バットは根本のグリップ部分で真っ二つに折れたが、打球を右前まで運んだ。ボーアは手元に残ったグリップ部分を持ったまま一塁へ。助っ人の怪力打に、場内もざわついた。 「先制した後でもう1点欲しい場面だったから、追加点を取ることができて良かった。まだまだチームみんなで、点を取れるように頑張るよ」 ボーアは前日15日の同カードでも3本の適時打を放っており、2試合連続適時打となった。

◆阪神矢野燿大監督(51)が早めの継投策に出た。先発秋山は初回に1死満塁のピンチを迎えるが、後続を抑えて無失点スタート。2回以降は危なげない投球で、広島打線を5回まで「0」に封じた。 右腕は5回を投げ終えて82球だったがその裏、先頭打者として打席が回ってきたところで代打高山が送られた。秋山は5回4安打無失点。 「攻めるという気持ちは常に持って投げることができました。初回に(二塁手)熊谷がエラーをしてしまいましたが、ああいうところを抑えて助け合うことが大切だと思いますし、それが野球だと思うので。あの場面を抑えることができて良かったです。あとはチームが勝てるように、必死に応援します」 自身5連勝の権利を手に、降板。6回から2番手ガンケルが登板し、勝利に向かってリリーフ陣を投入していく。

◆阪神が"ミスミス"同点を許した。1点リードの8回。マウンドには左肘の張りから復帰登板となる3番手岩崎が上がった。 先頭西川に安打を浴び、犠打で1死二塁。ここで3番長野の二ゴロをこの回から守備で入った植田がファンブルし、1死一、三塁とピンチが広がった。4番鈴木誠は投ゴロに打ち取ったが、5番松山の2球目に岩崎が痛恨の暴投。ミスが重なり、自滅的に痛い失点を喫した。 初回には二塁スタメンだった熊谷が失策を記録しており、植田の失策はこの日のチーム2つ目。シーズンでは12球団ワーストを独走するチーム37個目だった。

◆広島は1回1死満塁から無得点。阪神はその裏、大山の併殺打の間に1点を先制し、ボーアの右前適時打で2点目を挙げた。 阪神先発の秋山は5回4安打無失点で降板。広島は2点を追う6回、5番松山の右前適時打で1点差に迫った。 広島は1点を追う8回2死一、三塁から阪神岩崎の暴投で同点。そのまま延長戦に入り、2-2で引き分けた。

◆阪神熊谷敬宥内野手は2年ぶりのスタメン起用で失策を記録した。 「8番二塁」で18年7月3日中日戦以来の先発出場。1回表1死一塁で3番長野のゴロを二塁に悪送球した。このピンチは先発秋山が耐えたが、打っても2打数無安打で7回に代打を送られた。

◆阪神木浪聖也内野手は4試合ぶりのマルチ安打で息を吹き返した。 好相性を誇る広島遠藤から2打席連続安打。2回に先頭で中前打を放つと、4回も左前に落とした。 試合前時点で12打席連続ノーヒット。やや調子を落としていたが、快音を取り戻して遠征週間に入る。

◆阪神ジョー・ガンケル投手が救援9試合目にして初失点を喫した。 2点リードの6回から2番手で登板。1死から4番鈴木誠に三塁打を浴び、続く松山に右前適時打を許した。 3戦連続のイニングまたぎとなった7回は無失点も「1点取られてしまったことは悔しいし、2イニングをゼロで抑えたかった。次の登板ではゼロで抑えられるように頑張るよ」。先発秋山からのバトンを無失点でつなげなかった。

◆阪神近本光司外野手の連続試合安打が「13」でストップした。 初回に相手失策で出塁し、先制のホームを踏むなど2出塁。しかし、いい当たりの打球も野手の正面を突くなど、5打席で安打は出なかった。 昨季、自ら打ち立てた球団新人記録に並んでいたが、自己最長の更新はならなかった。

◆広島は投手陣が踏ん張るも、引き分けで2日以来2週間ぶりに最下位に転落した。先発遠藤が初回に失策も絡んで2点を先取されたが、2回以降は粘りの投球で6回4安打2失点(自責点0)で降板。 薮田、塹江が無失点でつなぎ、守護神フランスアが今季初の2イニングを投げ、無安打無失点と力投した。佐々岡監督は「遠藤も(2回以降)粘って次の点を与えなかった。中継ぎ陣も四球は出したけど、その中で粘り強くやってこういう結果になった」と評価。打撃陣は阪神秋山に5回までゼロに抑えられるなど、拙攻が響いた。 ▽広島遠藤(先発で6回4安打2失点、自責点0と力投)「自分のリズムで持って行けなかった。(2回以降は)しっかりゾーンで勝負できたので、そこは合格点だと思います」

◆阪神が2点リードを守れず延長10回、広島と引き分けた。ミスから追いつかれるもったいない展開だったが、ジャスティン・ボーア内野手(32)の復調は明るい光だ。 初回にバットを粉々にされながらもパワー全開の右前タイムリー。不振から一転、前日も来日初の3打席連続適時打を放った助っ人が、オープンスタンスに変えて状態を上げている。18日からは5・5差で追う首位巨人3連戦。3連勝を呼ぶ大爆発に期待だ。

◆中継ぎに配置転換となった阪神岩貞祐太投手が、2日連続の無失点投球を見せた。 「任されたポジションで全力を尽くすことに専念することができました」。 延長10回に登板し、先頭の西川を138キロ直球で三ゴロに仕留めると、磯村は143キロ直球で空振り三振。力強い直球を次々に投げ込んだ。最後は野間からスライダーで空振り三振を奪い、3者凡退。「緊迫した場面でしたが、しっかり3人で抑えることができて良かったです」。1回1安打無失点に抑えた前夜に続く好投だった。

◆阪神秋山拓巳投手が5回4安打無失点の好投を見せたが、勝敗つかず、自身5連勝はお預けとなった。 初回1死一塁から、二塁手熊谷の失策でいきなりのピンチ。「初回に熊谷がエラーをしてしまいましたが、ああいうところを抑えて助け合うことが大切だと思いますし、それが野球だと思う」。鈴木誠に中前打を浴び1死満塁とされるも、続く松山、堂林を打ち取り無失点。熱のこもった投球でチームメートを救った。 ワインドアップに、セットポジションからの投球もはさんで打者を翻弄(ほんろう)。3回からはカーブも織り交ぜ、的を絞らせなかった。つまった打球が二塁へ飛ぶたびに、熊谷も軽々とした身のこなしで処理し秋山をもり立てた。 5回82球と余力を残しての降板に、矢野監督も「5回で俺が代えちゃったけど。アキには一番申し訳ないなと。アキ自身はしっかりやってくれた」と話した。今季初登板となった6月25日ヤクルト戦(神宮)以来となる無失点投球。「攻めるという気持ちは常に持って投げることができました」と、次回につながる快投だった。

◆阪神ロベルト・スアレス投手が4日ぶりのマウンドで無失点に抑えた。 9回に登板し、1死から菊池涼に四球を与えた。田中広の投犠打で2死二塁とされたが、代打会沢をこの日最速159キロの直球で追い込み、最後はスライダーで遊ゴロ。無失点で岩貞につなぎ、5ホールド目を挙げた。

◆阪神は勝利をつかめなかった。10回引き分け。負けなかったが、早め継投も勝ちにつながらず、ミスで同点とされただけに、矢野監督は「複雑やね」とこぼした。 ◆2点リードの6回にガンケル投入 5回の攻撃、先頭秋山の打席で代打高山をコール。先発秋山は無失点、82球で交代。2番手ガンケルは1死から鈴木誠に中越え三塁打、松山に右前適時打を打たれ、1点差に迫られた。 ◆7回はガンケルの回またぎ 中3日のガンケルは、12日DeNA戦に続いて3度目のイニングまたぎ。この回は無失点に抑えた。 ◆1点リードの8回に岩崎投入 岩崎は左肘の張りで7月下旬から2軍調整していたが、14日に1軍昇格。復帰後初マウンドだった。矢野監督は「もうちょっと余裕のあるところで投げさせてやりたいな、というのはあったけどね。俺の采配で早く代えたというところからこうさせた部分もあるし」と明かした。2死二、三塁で打者松山。だが岩崎が投じた2球目スライダーが暴投。三走の西川に同点のホームを踏まれてしまった。 悔やまれるのは、岩崎の暴投の前に、守備のミスが絡んだことだ。1点リードの8回1死二塁で、途中出場の植田が長野のゴロを失策。初回には熊谷が失策しており、チーム37失策は12球団ワースト。8回は貴重なアウトをミスミス逃してしまったことが、結果的に響く形になった。 ただ、光はある。矢野監督は「(岩崎の)ボール自体はそれらしいボールがいっていたので、そこはちょっと安心」。また、チームは今カードからリリーフ陣を再編したが、連投した岩貞まで粘投が続いた。「投手がすごく嫌な流れの中で粘ってくれたからこそ、引き分けになった」。巨人がデーゲームで敗れていただけに、あと0・5差詰められるチャンスではあった。だが、週明けの直接対決に向け、収穫のないドローでもなかった。【松井周治】

◆阪神は勝利をつかめなかった。10回引き分け。負けなかったが、早め継投も勝ちにつながらず、ミスで同点とされただけに、矢野燿大監督は「複雑やね」とこぼした。その他の一問一答は以下の通り。 -引き分けはどう捉えている 矢野監督 うーんまあ、複雑やね。 -8回は少し悔しい点の取られ方 矢野監督 少しじゃないよ。 -ミスが失点につながった 矢野監督 まあね、それは野球というスポーツではあることなのでね -秋山について 矢野監督 あのミス(初回の熊谷の失策)がありながらゼロでいってくれたからこそ(その裏の攻撃で)2点というのがあったと思う。5回で俺が代えちゃったけど。アキには一番申し訳ないなと。アキ自身はしっかりやってくれた。 -岩貞が連投で 矢野監督 気持ち悪い最後の登板になったと思うし、3人でね、内容もしっかりした内容のピッチングをしてくれるのは、これから、チームにとっては大きなプラスと思う。自身もね、中継ぎになっていろんな自分の思いがあると思うんで、そういうものをぶつけて、またこういうようなピッチングをしてくれたらと思います。 -ガンケルは2イニングを想定して 矢野監督 想定というかね、そういう流れがいろいろ変わったりするからね、その状況状況で、もちろん頭に入れながら、登板させてます。 -岩崎が復帰登板、本来のポジション(セットアッパー)で 矢野監督 もちろん最初だから、もうちょっと余裕のあるところで投げさせてやりたいなっていうのはあったけどね。まあ俺の采配で早く代えたというところからこうさせた部分もあるし、でもボール自体は、それらしいボールがいっていたんで、そこはちょっと安心かな、見てて。 -糸井はスイングはいいときに近いように見える 矢野監督 まあまあ、もっといいと思うけれど。きっかけというか、このような感じでやっていけば、というのは嘉男の中にもあるだろうし、兆しが見えてきているのはあると思っています。 -打線は中盤以降苦戦したが、どのように見たか 矢野監督 どっちもあるわね。もちろん、あのまま勝つのはしんどいしね。打線の援護もないとダメだし、最初の2点で終わったし、チャンスはありながら攻めあぐねたというところもあるし。逆にいうと、投手がすごく嫌な流れの中で粘ってくれたからこそ、引き分けになったし。打線から言えば、そういう課題はある。

◆阪神ジャスティン・ボーア内野手が白球をインパクトした瞬間、「グシャッ」という鈍い音がドームに響き渡った。初回無死満塁で4番大山の併殺打の間に1点を先制した直後だ。なお2死三塁で、遠藤が投じた外角低めのチェンジアップに泳がされたが食らいついた。バットが折れ、破片が打席付近に散乱するほどの木っ端みじん。通常なら力ない飛球かゴロの打ち取られ方だ。だが、この男は違った。執念と力で右前へ運ぶタイムリーに変えて2点目をゲット。手元に残ったグリップ部分を持ったまま一塁へ走る珍しいシーンが展開され、その怪力にスタンドがどよめいた。 ボーア 先制した後でもう1点欲しい場面だったから、追加点を取ることができて良かった。 打撃不振に陥っていたが、前日の試合からフォーム改造を敢行。スクエアだった両足のスタイルを、右足を約1足分後ろに下げた。重心をやや低く保ち、体を少し開き気味のオープンスタンスにモデルチェンジ。メジャーでも試したフォームで早速、来日初の3打席連続適時打を放った。研究熱心で貪欲な助っ人は一気の復調モードをつかみ、勢いそのままこの日の第1打席で得点圏4打席連続のタイムリー。得点圏打率もリーグ6位の3割6分1厘まで上げた。 守備に就く前には大歓声を受け、深々と日本流のお辞儀で応えた。「熱い熱いファンの方々ということはよくわかっている。余計に自分自身『頑張らないと』と思うし、ありがたい限りです」。前日のお立ち台後にそう話していたボーア。バットは粉々にされても虎党を笑顔にした。 18日からは敵地で首位巨人と相まみえる。この日のドローで半歩迫って5・5ゲーム差。カード別打率は1割4分3厘で最も分が悪いが、上り調子のB砲への期待はますます高まる。今季2戦2敗の菅野らが先発してくるとみられるが、目指すは3連勝で一気の2・5差。勢いづいた打棒で、勝利を呼び込みたい。【只松憲】

◆阪神のボーアが、バットを折りながら、パワーで右前に運ぶ適時打を放った。  一回無死満塁。大山の二ゴロ併殺打の間に先制し、なおも2死三塁。広島の先発・遠藤のチェンジアップにタイミングを狂わされたが...。バットを折られながら右前に落とした。  一塁ベース上で、折れたバットのグリップの部分を握ったまま笑みを浮かべたボーアは「先制した後で、もう1点ほしい場面だったから追加点が取ることができてよかった」と声を弾ませた。  前日15日の同カードから膝を少し曲げて低く構えるフォームに変え、3打席連続で適時打。8月に入って調子を落としていたボーアが再び上昇の予感だ。

◆阪神は2-2で広島相手に痛恨の引き分け。8月3日以来となる勝率5割復帰はならなかった。  2-1の八回。左肘の張りが完治した岩崎が1軍復帰後、初登板。1死二塁で、長野の平凡なゴロを二塁手の植田がファンブル。その後、2死三塁とされ、岩崎が松山の打席で暴投。同点に追いつかれた。  阪神は一回にも二塁でスタメン出場した熊谷の失策が絡んで1死満塁のピンチを招いていた。ここは先発した秋山が無失点で切り抜けた。その裏無死満塁とし、大山の二ゴロ併殺打の間と、ボーアの右前適時打で2点を先制した。  だが、六回に2番手のガンケルが失点。八回にエラーと暴投で失点し、1点リードを守り切れず、延長十回ドローに終わった。  12球団ワーストの阪神の失策数は48試合で「37」となった。

◆広島は引き分けで再び最下位に転落したが、佐々岡監督は二回以降は無得点に抑えた投手陣の粘りをたたえた。特に七回から登板した薮田、塹江、フランスアの救援陣は安打も許さない快投を見せたとあって「しっかり終盤で投げてくれている。一時よりも、投手陣のリレーができている」と手応えを口にした。  悔やまれるのは一回1死満塁を逸するなど、決定打を欠いた攻撃陣。朝山打撃コーチは「初回に崩せていれば、展開が変わったかもしれない」と嘆いた。

◆大山はこの3連戦で12打席無安打と低調だった。一回無死満塁の好機ではニゴロ併殺打。六回無死一塁でも一走のサンズがスタートを切ったが、空振りで三振併殺にしてしまった。試合前まで広島戦では打率・342、6本塁打、11打点と相性がよかったが、チャンスで快音を響かせることはできず。チームも一回の2得点だけにとどまった。

◆異例のザンゲ-。阪神は広島に2点を先制しながらもミス連発で、今季3度目の延長十回引き分け。矢野燿大監督(51)は先発・秋山拓巳投手(29)を5回無失点、82球で降板させたことに「申し訳ない」と謝罪した。18日からは首位・巨人との3連戦。しっかり締めてや!  八回、矢野監督は同点に追いつかれたグラウンドを厳しい視線でみつめた。積極的な継投も実らず、逃げ切り失敗。好投した先発の秋山に頭を下げた。  「(引き分けは)うーん。複雑やね。五回で俺が代えちゃったけど、アキ(秋山)には一番申し訳ないなと」  自身4連勝中の秋山は粘った。一回、熊谷の失策をきっかけに招いた1死満塁もしのいだ。5回4安打無失点の右腕を82球で代えて、六回から継投に踏み切った。  2-1の八回は、左肘の張りから復帰した岩崎を、初戦から本来のセットアッパーで起用した。ただ、1死二塁で、この回から二塁に入ったばかりの植田の失策でピンチ拡大。一、三塁で、左腕は鈴木誠を投ゴロに打ち取ったが、松山の打席で痛恨の暴投。少し悔しい形で同点-。そう問われた将は言葉を遮った。  「少しじゃないよ」  リーグワースト37失策の課題が克服できない。「野球というスポーツではあること」と責めなかったが、大きな弱点だ。  特に二遊間は、糸原が右手有鉤骨の骨折で離脱して木浪、北條、植田でポジション争いが続く。この日は今季初スタメンの熊谷も失策を犯し、なかなか落ち着かない。  リリーフの整備には一定の手応えを得た。ガンケルは自身3試合連続でイニングをまたぎ、1失点も、岩崎を含めて「(秋山を)早く代えたところからこうさせた部分もある。でも、優らしい球がいっていたので、そこは安心した」と信頼した。岩崎の離脱や藤川の不振で悩んでいた中継ぎ陣に安定の兆し。だから逃げ切りたかった。ミスが響き、打線は五回以降無安打で援護できず...。  「もちろん、あのまま勝つのはしんどい。打線の援護もないと。逆にいうと、投手がよく嫌な流れの中で粘ってくれたからこそ、引き分けという形にもなった」  勝率5割復帰は4度目の挑戦もお預けとなった。18日から開幕カードで3連敗を喫して以来の東京ドームで巨人戦。波に乗りたいところで、なかなか突破口が開けない。(安藤理)

◆バキッという音とともに、打球はポトリと右前で弾んだ。バットは根元から折れた。ボーアはグリップだけになった相棒を一塁まで握りしめ、白い歯をのぞかせた。  「先制した後で、もう1点欲しい場面だったから、追加点を取ることができてよかった」  一回、大山の二ゴロ併殺の間に1点を先制した直後。2死三塁で遠藤の外角低めのチェンジアップに体勢を崩されながらも必死に食らいついた。  腕を伸ばしてなんとかとらえると、バットはグリップ部分で真っ二つ。メジャー通算92発を放った驚異的なパワーを見せつけて追加点を奪うと、スタンドからは歓声とともにどよめきが起こった。  連夜の出来事だった。前日15日には3打席連続で適時打を放ったが、2打席目もバットを折られながら右前へ運んでいた。「私のために死ぬ気でヒットを打ってくれてよかったよ」とジョークで感謝していたが、その言葉が響いたのか、バットが、またしても死ぬ気で頑張った!?  7月は打率・296と結果を残していたが、右臀部の張りで欠場後は下降気味だった。8月は打率・224(49打数11安打)。思い切って膝を少し曲げ、オープンスタンスに構える形に打撃フォームを改良すると2試合続けての快音を残した。  2-2の八回2死一、二塁では中飛に倒れるなど、まだ完全復調とはいえない。それでも、再び上昇する気配は漂ってきた。次こそは、そのバットで勝利へと導く。(菊地峻太朗)

◆一回に2安打で2点を先制して以降は木浪が2安打を放っただけ。計4安打は寂しいが、決して点が奪えない広島投手陣の内容ではなかった。  最大のポイントは六回。サンズが四球を選んで、続く大山の打席でフルカウントから一走がスタート。ところが大山が空振りで三振ゲッツーを喫してしまった。  サンズ、大山ともにカウント3-0になっている。遠藤という投手は、こういう状況から崩れるケースが多い。じっくり攻めたい場面。なぜ、決して速くないサンズを走らせたのか。走者がスタートしたため、大山はバットに当てなくてはという意識が強く、振りにいって、ボール球を空振り。流れを引き寄せる絶好機で攻めを失敗して、逆に流れは広島に傾いてしまった。  代打で出てきた選手が5人中3人(福留、原口、陽川)が空振り三振に倒れたことも気になった。速い球に振り負けない準備ができていない内容に感じた。これは代打だけに限らないのだが、相手投手の速球を仕留めて結果を出せるかどうかが、今後の戦いの中では非常に重要になる。 (本紙専属評論家)

◆♪ポ~ロポ~ロポロ、セカンドエラ~って、勝てば5割なのに、『崖の上の虎』のような追い詰められた気分はナニ!?  一回1死一塁でセカンド真っ正面、完全なゲッツーの打球を今季初先発の熊谷が二塁に大悪送球(秋山後続をよく抑えてくれたー!!)。そして、1点リードの八回1死二塁から、またもやセカンドに入っていた植田が平凡な打球をポロリ、さらにワイルドピッチともーめちゃくちゃで、勝てる試合を落としたのだ...。  熊谷!植田!守備で使ってもらっとるんやろー!!と怒る以前に、50試合目なのに、レギュラーの糸原が故障欠場していることにより、セカンドが決まらないコト! それ以上に「糸原さんが休んでる間にレギュラーいただいちゃいまっせー!!」という覇気が全く感じられない若虎が悲しいわ...(涙)。と、全てを若虎のせいにできたら、どんなに楽なことだろう...。  五回から十回までノーヒットだってんだから、ヤクルトのノーヒッター小川が投げてるのかと二度見したわー!! 次の巨人戦、こんなことならただじゃおかねーかんな!!

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
巨人
27173 0.614
(↓0.014)
-
(-)
73219
(+1)
161
(+4)
68
(+1)
27
(-)
0.250
(↓0.004)
3.370
(↓0.01)
2
(-)
DeNA
25232 0.521
(↓0.011)
4
(-)
70208
(+4)
193
(+7)
56
(+1)
10
(-)
0.270
(-)
3.670
(↓0.07)
3
(-)
阪神
22233 0.489
(-)
5.5
(↑0.5)
72206
(+2)
195
(+2)
45
(-)
36
(-)
0.245
(↓0.002)
3.620
(↑0.06)
4
(-)
ヤクルト
21225 0.488
(↑0.012)
5.5
(↑1)
72213
(+7)
235
(+4)
39
(+1)
30
(+1)
0.252
(↑0.003)
4.490
(↑0.01)
5
(1↑)
中日
21264 0.447
(↑0.012)
7.5
(↑1)
69159
(+4)
210
(+1)
25
(+1)
13
(+1)
0.238
(-)
3.830
(↑0.06)
6
(1↓)
広島
19245 0.442
(-)
7.5
(↑0.5)
72212
(+2)
223
(+2)
49
(-)
21
(-)
0.272
(↓0.001)
4.210
(↑0.1)