楽天(☆7対6★)ソフトバンク =リーグ戦7回戦(2020.08.04)・楽天生命パーク宮城=
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ソフトバンク
3100101006901
楽天
10011013X71111
勝利投手:津留﨑 大成(1勝0敗0S)
(セーブ:ブセニッツ(1勝0敗3S))
敗戦投手:モイネロ(0勝1敗1S)

本塁打
【ソフトバンク】バレンティン(8号・2回表ソロ)
【楽天】浅村 栄斗(14号・8回裏2ラン)

  DAZN
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◆楽天が逆転勝利。楽天は2点ビハインドで迎えた8回裏、ブラッシュの適時打で1点差に詰め寄る。続く2死一塁の場面で浅村に2ランが飛び出し、試合をひっくり返した。投げては、4番手・津留崎がプロ初勝利。敗れたソフトバンクは、3番手・モイネロが誤算だった。

◆プロ初の中4日での先発登板に臨んだ楽天弓削隼人投手(26)が5回6安打5失点(自責3)でマウンドを降りた。 初回2死一、二塁からソフトバンク栗原に中前適時打を打たれ先制を許すと、続く川島の遊ゴロを遊撃手小深田が二塁へ悪送球。2者が生還し、初回に3点を失った。 味方が得点を奪った直後の2回にはバレンティンにソロ、同じ得点直後の5回には栗原に2本目の適時打を打たれ追加点を許した。 前回登板の7月30日ロッテ戦では5回途中2安打3失点、75球で降板。社会人以来の中4日へ対応するため、中6日には登板2日前に行うブルペン投球を省き、疲労回復を優先した調整で臨んだ。「前回登板よりは良かったと思います。中4日はゲーム間が短いので試合にはスッと入れました。ただ、毎度の初回のバタバタが後を引いてしまいました。その課題を修正しないとダメですね」と反省した。

◆ソフトバンクは1回に3点を先制。直後に1点を返されたが2回にバレンティンが8号ソロ。楽天先発の弓削は3回まで4失点。 ソフトバンクは5回に栗原の2本目の適時打で追加点。楽天は4、5回に1点ずつを返した。先発弓削は5回5失点で降板。 楽天は8回、浅村の14号2ランで逆転勝ち。首位ソフトバンクと1差に迫った。楽天津留崎がプロ初勝利を飾った。敗れたソフトバンクはモイネロ1敗。 ▽楽天浅村(8回に逆転本塁打を放つ)「(鈴木)大地さんとブラッシュがつないでくれたので、自分もつなぐ意識でいきました。(本塁打の感触は)完璧でした」 ▽楽天津留崎(プロ初勝利を挙げる)「ここで踏ん張れば逆転してくれると信じて0に抑えようと思った。浅村さんの一発で逆転できて良かった。(記念球は)両親にあげたいと思います」

◆白星を逃したソフトバンク千賀滉大投手は反省の言葉が口をついた。6回115球を投げ6安打3失点。 勝ち投手の権利を得て降板したが、投球内容は決して「エース」として誇れるものではなかった。「走者を出してしまい、リズムを悪くしての投球が最後まで修正できませんでした」。3者凡退の3回を除いて初回からすべて先頭打者を出す苦しい投球だった。「次の登板に向けて試行錯誤して臨みたい」と口元を引き締めた。

◆楽天浅村栄斗内野手がソフトバンク・モイネロから決勝の逆転14号2ランをたたき込んだ。 1点を追う8回2死一塁。初球のカーブを仕留めきった。ファンのこらえきれない歓声とともに打球は右翼席へ飛び込んだ。浅村は打った瞬間にスタンドインを確信。ドヤ顔でゆったりと一塁へ歩き出した。本塁を踏みしめ、左手を挙げ、ベンチ前のチームメートの祝福に応えた。 いつものリズムが戻ってきた。7月12日ソフトバンク戦以来、18試合ぶりの二塁の守備についた。コンディションも考慮し、指名打者での出場が続いた。不動の4番から一時3番にも打順が変わったが、スタメンから名を外れることはなかった。「つなぐ意識で打席に入りました。完璧でした」と自身も納得のひと振り。三木監督も「4番の仕事をしっかりしてくれた」と称賛した。首位攻防初戦を制し、1差と迫った。

◆ソフトバンク栗原陵矢捕手が先制適時打を含む2安打3打点と活躍した。 初回2死一、二塁から中前へ運び、5回2死一、二塁でも129キロの変化球を中前にはじき返した。「1打席目から集中して打席に立つことができた。(2打席目は)打ったのはスライダー。先輩方がチャンスをつくってくれたお陰です」。7回には左犠飛を打ち上げ、通算32打点はチームトップとなった。敗戦の中でも「新5番」のバットは好調維持だ。

◆来日10年目で初めて8番に降格したソフトバンクのウラディミール・バレンティン外野手が意地の1発を放った。 3-1の2回、先頭打者で弓削の1-0からのカーブを左中間スタンドに運び去った。「打撃練習の時から自分の感覚もよかったし、平石コーチからも『感じがよかった』と言われた。ゲームでそのまま結果が出てよかった」。出場4試合ぶりの8号ソロに気を良くすると、6回には左前打でマルチ安打。通算300号まで残り4本とし、ベンチでも笑顔が戻った。

◆「コロナショック」に襲われたソフトバンクが、首位攻防の初戦に逆転負けした。序盤のリードを「勝利の方程式」で守り切れず、2位楽天とのゲーム差は1になった。 動揺があったわけではなかろうが、勝勢が一転した。6-3の7回からサブマリンの高橋礼が救援。だが2死からロメロに適時打を打たれ、2点差に迫られた。8回はモイネロ。2死からブラッシュの適時打で1点差に詰められると、浅村には右越えに逆転2ランを浴びた。工藤監督は「投げた人間、サインを出した人間が悪いのではなくて、ベンチが意識付けできていれば変わっていた。今日はベンチの責任」と悔やんだ。 1日に長谷川が、3日には新たに1軍スタッフの1人が新型コロナウイルス感染が判明した。この日からの楽天戦は開催が危ぶまれる状況だったが、保健所からはチームに濃厚接触者なしと判断され、予定通りに開催にこぎつけた。その中でも初回から3点を奪うなど、選手たちはいつも通りプレーし、指揮官は「(勝ちたい)思いはしっかり持った中で、選手たちは戦ってくれた」とねぎらった。【山本大地】 ▽ソフトバンク高橋礼(7回、先頭四球から1点を許し)「ボールが先行してしまい、苦しい投球になってしまった。明日から切り替えてやるしかない」 ▽ソフトバンク・モイネロ(8回、浅村に逆転2ラン被弾し)「初球のカーブが甘くなってしまった。調子はいい状態が続いているので、次は0点で抑えたい」 ◆7月28~30日 2軍調整中だった長谷川がウエスタン・リーグ阪神戦(タマスタ筑後)に出場。 ◆31日 長谷川が微熱。 ◆1日 長谷川が新型コロナウイルス感染を調べるPCR検査で陽性。翌2日の西武戦中止を決定。1日のうちにファーム施設にある寮から通う1軍選手ら7人は緊急で同検査を受け、全員陰性。 ◆2日 選手、スタッフら約200人がPCR検査を受ける。ペイペイドームとファーム施設を消毒。 ◆3日 チームはペイペイドームで全体練習。練習後、1軍スタッフの陽性判定が判明した。このスタッフ以外の1軍の86人は陰性だった。選手と首脳陣の一部は夜までに仙台へ移動。陽性判定のスタッフと、業務上で接触が多いと判断したスタッフ2人は自宅待機となった。4~6日のウエスタン・リーグ広島戦(由宇)は中止。

◆グラウンドに漂う一発逆転の香りを、しっかり嗅ぎ取った。楽天浅村栄斗内野手(29)がヒーローの座をひと振りでつかんだ。 1点を追う8回2死一塁。ソフトバンク・モイネロの初球カーブをフルスイング。「反応です。甘い球だけを意識した」とおいしい匂いを逃さず、決勝逆転2ランをたたき込んだ。「場面もそうだし、今年の中で一番いい感触で打てた。打った瞬間にうれしかった」とミートから5秒間バットを持ったままドヤ顔で歩いた。 戦場でしか嗅げない匂いがある。7月12日ソフトバンク戦以来、18試合ぶりに二塁手でスタメン出場。チーム状況やコンディションなどを考慮され、DH出場が続いたが展開の波に乗り切れなかった。「裏で準備する時間も多い。チャンス、ピンチを肌でグラウンドに立って味わないとなかなか入っていきづらい」。嗅覚が鈍った。 ただ"スイートスポット"に身を置けば、すぐに感覚は戻った。昨季ゴールデングラブ賞を獲得した技術は健在。無失策で難なくさばいた。「守備について試合に入った方が、自分の中ではいい流れ、いいリズムでできるなと改めて思った」とルーティンにも似た時の流れを再確認した。 三木肇監督も「ファンの方が望む緊迫した場面で結果を出せるのはプロだなと思う」と称賛。首位ソフトバンクへ1差。6連戦初戦をもぎとる1発の価値は計り知れない。「まだまだ試合はありますが、首位攻防戦で負けられない試合が今週は続く。初戦をとれて明日からいい流れでできる」と浅村。シーズンの行方を左右する勝負どころの匂いも嗅ぎ取った。【桑原幹久】

◆困難を乗り越え、1つ目の白星を刻んだ。楽天ドラフト3位の津留崎大成投手(22)がプロ初勝利を挙げた。 4日、ソフトバンク7回戦(楽天生命パーク)の2点を追う8回から登板。1回を2奪三振無失点に抑え、直後の浅村の逆転2ランなどで白星が舞い込んだ。慶応高3年時には両腕を手術。慶大時代のサイドスロー挑戦、筋力トレーニングに没頭などの曲折を経て、まばゆいフラッシュを浴びた。5年前の夏、津留崎はベッドの上にいた。慶応高3年時。県大会直前の練習試合での投球練習中「ブチッ」と音がした。「あ、終わったな」。右肘の痛みがとれなかった。本番は投手ではなくクリーンアップを担い一塁手で出場。だが8強をかけた試合でヘッドスライディングした際に左腕を2カ所骨折。左腕を手術後、10月に右肘のトミー・ジョン手術を受けた。「もう投手はできないのかなと思いました」。 筋肉が世界を変えた。カブス・ダルビッシュの記事を見つけ、基礎筋力を鍛える筋力トレーニングの重要性を知った。ボディービルダーのメニューを参考に週6度。試合で投げ始めたのは17年3月。1年半の空白を取り戻しにかかった。 だが簡単にはいかない。大学3年時、上手投げからサイドスローに挑んだ。「右の速球派は多かったので、周りを見渡したらサイドがいなかったので。でも全然ダメ。2、3カ月で諦めました」。ドジャースのビューラーらを参考に小さなテークバックを身につけた。気づけば最速は筋トレ開始前から9キロアップの153キロ。プロの扉を開いた。 失うものは何もない。誰が相手でも、がむしゃらに元気な右腕を振る。この日は2点を追う8回から登板。バレンティン、今宮からいずれもカットボールで空振り三振を奪った。気づけば白星が舞い込んだ。「僕だけの力ではなく、先輩方が逆転してくれたおかげ。ベンチで迎える時はうれしかったです」。三木監督、浅村からそれぞれ肩に手を置かれ、にっこりとカメラへ記念球を突き出した。病院のベッドから5年。津留崎は晴れ舞台に立っていた。【佐藤究】

◆「コロナショック」に襲われたソフトバンクが楽天との首位攻防初戦に敗れ、ゲーム差1に迫られた。 序盤のリードを勝利の方程式で守り切れなかった。3点リードの7回、高橋礼が救援。2死からロメロに適時打を打たれ、2点差に迫られた。8回はモイネロ。2死からブラッシュの適時打で1点差に詰められると、浅村には逆転2ランを浴びた。工藤監督は「投げた人間、サインを出した人間が悪いのではなくて、ベンチが意識付けできていれば変わっていた。今日はベンチの責任」と悔やんだ。 1日に長谷川が、3日には1軍スタッフの1人が新型コロナウイルスのPCR検査で陽性判定を受けた。この日の試合は開催が危ぶまれる状況だったが、保健所からは濃厚接触者なしと判断され、予定通りに行われた。選手たちは堂々とプレーし、指揮官は「(勝ちたい)思いはしっかり持った中で、選手たちは戦ってくれた」とねぎらった。

◆楽天が逆転勝ちした。3-6の七回にロメロの適時打で追い上げ、八回には2死からブラッシュの適時打と浅村の14号2ランで試合をひっくり返した。ルーキーの津留崎がプロ初勝利。ソフトバンクはモイネロら救援陣が誤算だった。

◆楽天の新人、津留崎が11試合目の登板でプロ初勝利を挙げた。4-6の八回に登板し、無失点。直後に味方が逆転して白星が転がり込んだ。ウイニングボールは両親に送るといい「チームにいい流れを持ってこられるようにと思っていた。うれしいです」と初々しく話した。  慶大からドラフト3位で入団。力強い直球を武器に、即戦力として救援の一角を担う。「これからも気を引き締めてチームのために腕を振っていく」と意気込んだ。 三木監督(逆転2ランを放った浅村に) 「期待された場面で、ファンが望む状況で結果を出せる。プロですね。素晴らしい」

◆文句なしの一撃で、試合を決めた。楽天・浅村栄斗内野手(29)が、決勝弾となる逆転の14号2ランを放った。  「完璧でした。今年の中で一番いい感触で打てたホームランでした。場面も場面だったので、うれしかった」  八回、1点差に迫って、なお2死一塁。モイネロの初球、122キロのカーブを逆方向の右中間席にほうり込んだ。値千金の逆転弾。楽天ベンチはお祭り騒ぎだ。  一回1死一塁の打席は二ゴロ。五回1死一、二塁の好機は空振り三振。七回1死一塁も空振り三振に倒れた。「何度か回ってきたチャンスで打てなかった。責任を感じていた」と、最終打席で4番の意地を見せた。  DHでの出場が続き、7月12日以来、18試合ぶりに二塁で先発。「ピンチや試合の流れは、グラウンドに立って肌で感じないと分からない。DHで準備する難しさも知ったし、守備に就いた方がいいリズムでできる」と"定位置"で暴れた。  2007年のこの日、米大リーグでバリー・ボンズが、ハンク・アーロンの通算本塁打記録に並ぶ755本塁打をマーク。当時大阪桐蔭高2年だった浅村青年はレギュラーをつかんで全試合に出場し、日本を代表するスラッガーに成長した。  首位のソフトバンクと1ゲーム差。三木監督は「ファンが望んでいる場面で結果を出す。まさにプロです」と絶賛。首位攻防戦で、主砲がチームを勢いづけた。(広岡浩二)

◆危機で目覚めた。試合ができること、試合に出られることが、とにかく大事だった。不振を極め来日10年目にして初めて8番に座ったソフトバンク・バレンティンが、お目覚め弾だ。新型コロナウイルスの影が忍び寄り開催すら危ぶまれた一戦で、豪快8号ソロをかっ飛ばした。  「打撃練習の時から、自分の感覚も良かった。ゲームでそのまま結果が出てくれてよかった」  吹っ切れたように、ノビノビと振り切った。3-1の二回先頭で、弓削が投じた高め変化球を左中間席へ運び去った。  チームにも自身にも、危機が迫っていた。1日に2軍調整中だった長谷川に新型コロナウイルスの陽性と判定され、2日の西武戦(ペイペイドーム)が中止となったが、前日3日には1軍のチームスタッフにも陽性判定が出ていた。チームは前夜のうちに仙台入りし、この日の一戦に備えたが、この日の午後まで正式に開催はアナウンスされなかった。  眠れぬ夜を過ごしたに違いない鷹戦士の中で、バレンティンは個人的な危機も迎えていた。開幕を4番で迎えるも、5、6番とジワジワ打順を下げ、試合前時点では打率・185だった。ラインアップに残してくれた工藤監督に報いる必要があった。来日通算1059試合目の出場で"最下位"となる「8番・DH」での先発出場。絶対に結果が欲しかった。六回にも痛烈に左前打を放って、7月14日のオリックス戦(京セラ)以来、17試合ぶりのマルチ安打もマークした。  コロナ禍で力強く踏み出す一戦。そこで眠れる大砲が目を覚ませば、鷹はまた勢いに乗れるはずだった。しかし、八回にモイネロが浅村に逆転2ランを許すなど3失点。試合前まで防御率0・95を誇った左腕のまさかの乱調で、2位・楽天に6連戦初戦で1ゲーム差に迫られた。  8番・バレンティンという、まさかの手も繰り出した。未知のウイルスとの戦いも強いられながら戦う2020年は、予想外のことばかりが待ち受ける。

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<パ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
ソフトバンク
22161 0.579
(↓0.016)
-
(-)
81177
(+6)
148
(+7)
43
(+1)
21
(-)
0.250
(↑0.001
3.690
(↓0.1)
2
(-)
楽天
21171 0.553
(↑0.012)
1
(↑1)
81223
(+7)
171
(+6)
45
(+1)
27
(-)
0.274
(↑0.001
4.150
(↑0.01)
3
(-)
ロッテ
19191 0.500
(-)
3
(↑0.5)
81157
(+5)
184
(+5)
33
(+1)
35
(+2)
0.241
(↑0.003)
4.590
(↑0.03)
4
(1↑)
日本ハム
18192 0.486
(↑0.014)
3.5
(↑1)
81157
(+11)
168
(+4)
35
(+2)
21
(-)
0.231
(↑0.002)
3.920
(-)
5
(1↓)
西武
17191 0.472
(↓0.014)
4
(-)
83158
(+4)
179
(+11)
35
(+1)
21
(+1)
0.238
(↓0.001)
4.670
(↓0.2)
6
(-)
ORIX
14214 0.400
(-)
6.5
(↑0.5)
81150
(+5)
172
(+5)
31
(-)
34
(-)
0.245
(↑0.002)
4.120
(↓0.01)