1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | 安 | 失 | 本 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
阪神 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 3 | 3 | 0 |
ヤクルト | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 3 | 2 | X | 6 | 10 | 1 | 0 |
勝利投手:高橋 奎二(1勝1敗0S) 敗戦投手:藤浪 晋太郎(0勝2敗0S) |

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◆ヤクルトは2回裏、吉田大成の適時二塁打で先制に成功する。そのまま迎えた7回には、坂口の適時打などで3点を挙げ、リードを広げた。投げては、先発・高橋が8回無失点で今季初勝利。敗れた阪神は、守備の乱れが失点につながり、打線も無得点と振るわなかった。
◆阪神藤浪晋太郎投手(26)が今季2度目の登板で、670日ぶりの白星を目指す。 357日ぶりの1軍登板となった23日広島戦(甲子園)は7回途中4失点で負け投手。中盤まで無失点の好投も、6回にピレラに逆転満塁弾を浴びた。 今回の登板に向けては、28日から2日連続ブルペン投球を行うなど、状態を整えた。舞台となる神宮は、これまで10試合に登板して防御率2・58。今年3月11日のオープン戦でも4回無失点と好投した。約2年ぶりの白星なるか、注目される。 昨年の藤浪はプロ7年目で初めて未勝利に終わった。背水の覚悟で臨んだ今季は3月下旬、新型コロナウイルスに感染。5月下旬には遅刻が理由で2軍降格となった。右胸の筋挫傷など試練を乗り越え、ようやくつかんだ1軍登板のチャンス。ファンは藤浪の快投を待っている。
◆先発はヤクルト高橋と阪神藤浪。ヤクルトが2回1死二塁、吉田成の左翼線二塁打で1点先取。阪神は3回まで1安打で無得点。 両先発が好投し、阪神は6回まで散発2安打で三塁を踏めず。藤浪も要所を締め、ヤクルト打線に追加点を許さず1点差で終盤へ。 ヤクルトが終盤に5点を追加して2連勝。8回無失点の高橋が今季初勝利を挙げた。阪神は8カードぶりの負け越し。藤浪2敗目。
◆阪神が今季4度目の完封負けで連敗を喫し、貯金が0となった。打線がヤクルト高橋の前に8回まで3安打に終わり無得点で、先発藤浪を援護できなかった。最終9回も2番手大下の前に0点に終わった。 藤浪は2回に先制を許したものの力投。ただ、7回には守備が乱れて失点が重なった。ショート北條の失策で先頭打者を一塁に出すと、その後2死一、三塁から投手強襲安打で失点。さらに2死一、三塁から北條がセンター近本と交錯し、飛球を落とす失策で追加点を奪われた。藤浪は7回8安打10奪三振4失点1自責点で、今季2敗目を喫した。阪神は8カードぶりのカード負け越しとなった。
◆ヤクルトが終盤に5点を追加して2連勝。8回無失点の高橋が今季初勝利を挙げた。阪神は8カードぶりの負け越し。藤浪2敗目。
◆阪神藤浪晋太郎投手(26)が今季2度目の1軍マウンドで、好投を続けるも、初白星はならなかった。7回8安打4失点(自責1)。試合後は「結果として負けてるんで、悪くはなかったと思いますけど、やっぱり7回のああいう場面で粘れてこそだと思うんで。うーん...良かったですけど、やっぱり気持ちのいいピッチングではないです」と話した。 1点ビハインドの7回2死一、三塁。坂口の打球は藤浪の前に飛び、藤浪は倒れ込みながら懸命に一塁へ送球するも間に合わず。後頭部を地面に打ちつけ、右手も痛そうに揺らした。1度はベンチに下がったが続投。球場中から拍手が送られた。しかし、2死一、三塁で詰まらせた遊撃後方への飛球に2人の野手が交錯。2人の生還を許し、この回大きな3点を失った。 8番西田以外、左打者が8人並んだヤクルト打線。初回は力強い直球を次々に投げ込んだ。3番青木にストレートの四球を与えたが、4番村上を154キロ直球で空振り三振。この回20球のうち、変化球は村上へのフォーク1球だけだった。2回は、先頭の山崎に右前打を許し、1死二塁から、吉田成に左翼線へ先制の適時二塁打を浴びた。外に抜けた直球に、捕手の梅野が目いっぱい手を伸ばして捕球する場面もあった。 3回からは一転、変化球を多投。先頭の上田からスライダーで見逃し三振を奪うと、2死から村上をフォークで空振り三振。前日29日に逆転2ランを放った主砲を2打席連続三振に抑えた。6回、先頭の上田に右翼線二塁打を浴びたピンチでは、続く青木からフォークで空振り三振を奪い、村上はフォークで詰まらせ二ゴロ。最後は山崎を148キロフォークで空を切らせた。渾身(こんしん)の主軸斬りに、両腕でガッツポーズ。「苦しい状況でストレート1本にならないように、投球に幅を持たせられるように改善していきたい」という意気込み通り、切れ味抜群の変化球を効果的に使った。 今季初登板となった23日広島戦(甲子園)では好投を続けるも、6回に逆転満塁弾を浴びた。復活の兆しを確かに見せ、この日は670日ぶりの白星をかけたマウンドだった。28、29日と2日連続でブルペン投球を行い、万全の状態に整えていた。 この日も悔しい投球となったが、毎回の10三振を奪い、四球はわずか1つ。確実に白星に近づいている。【磯綾乃】
◆左肩コンディション不良からの完全復活を目指す阪神高橋遥人投手(24)が1軍昇格することが30日、明らかになった。1軍のヤクルト戦後、矢野監督が「まあまあ上げたいなと思っている。最終的な判断はこれからになるけど」と昇格を示唆した。同日のウエスタン・リーグ、ソフトバンク戦(タマスタ筑後)で5回6安打2失点にまとめた左腕は、8月4日からの巨人3連戦(甲子園)に向かうとみられる。 躍動感のある高橋が帰ってきた。直球やカットボール、カーブなど多彩な変化球を織り交ぜて2回まで無失点。3回2死二、三塁で真砂に遊撃への深い内野安打を許して2点を失ったが、その後はスコアボードに0を並べた。最速は148キロを計測。実戦復帰5試合目で最長イニングを投げ、約2カ月続いたチームの故障者リストから外れた。 「点を取られたし、ピンチもあったけど5回投げ切れてよかったです」。被安打6本のうち5本は直球をはじき返されており、「(直球は)コントロールできたボールは多かった。あとは精度とか強さですね」と反省も忘れなかった。 春先は先発ローテーションの一角を担うとみられていたが、5月下旬に左肩の違和感を訴えた。その後は慎重にリハビリを重ね、7月3日の同リーグ中日戦(ナゴヤ)で実戦復帰。中継ぎ、先発で結果を残してはい上がってきた。1軍では先発秋山が登板間隔を空けるため29日に出場選手登録を外れており、8月4日巨人戦(甲子園)からの9連戦で、高橋に今季1軍初登板のチャンスが巡ってきた。【只松憲】
◆阪神打線が復活勝利を目指す藤浪晋太郎投手を援護できなかった。スコアボードに「0」が並び、今季4度目の完封負け。カード初戦は20得点で大勝したが、29日1点→30日0点と沈黙しての連敗で8カードぶり負け越しを喫した。 高橋の前に苦しんだ。8回は満塁まで攻めたが結局ホームを踏めず、3安打に抑え込まれた。高橋には16日の対戦でも5回2/3で4安打と苦戦していた。この日は体調が万全ではない糸井をベンチスタートとし、1番陽川、2番近本の打線を組んだが、得点には結びつかなかった。井上打撃コーチは「晋太郎に借りをつくった。阪神タイガースの宝って言ったらおかしいけど、それぐらいのピッチャーにああいう頑張っている姿を見せられて。野手みんながこの前の借りを返してやろうぜって、次の登板のときになってほしい」。次回こそ藤浪に白星をつけるよう打線に奮起を促した。 打線が0点では勝てないが、終盤には守備のミスもあった。1点ビハインドでの7回。先頭宮本の打球をショート北條が失策。その後1点を奪われ、なお2死一、三塁から北條がセンター近本と交錯し、飛球を落とす失策で追加点をさらに許した。矢野監督は「(高橋も)調子が良かったと思うけど、その中でも何とかしたかった。そんなに簡単に点が取れる感じではなかったからこそ、守備のミスも痛かった」と、流れを失ったイニングを振り返った。 貯金を吐き出し、4位に後退。ただ、31日は甲子園に戻ってのDeNA戦。指揮官は「明日からまた。チームも(勝率)5割になって、また新たなスタート。打線もチーム全体としても」と前を向いた。9勝3敗1分けの本拠地で再出発する。【松井周治】 ▼藤浪は7回を投げ10奪三振、1与四球。2桁奪三振は、18年4月20日巨人戦での10奪三振以来、通算20度目。また、7イニング以上を投げて1四球以下は、17年4月13日DeNA戦での8回1四球以来3年ぶり16度目。今回のように10奪三振以上&1四球以下は、16年8月24日DeNA戦10奪三振1与四球以来、4年ぶり5度目。
◆阪神ドラフト6位の小川一平投手が、6試合ぶりの失点を喫した。 藤浪の後を受けて8回に登板。先頭の村上に四球を出すなど、1死満塁から代打川端に左前適時打を浴び、2死満塁から坂口への押し出し四球で2点目を失った。1回2安打2失点3四球。6月26日DeNA戦(横浜)での5失点後、5戦連続で無失点だった。
◆ヤクルト高津臣吾監督はスタメンに左打者を8人並べて藤浪を攻略した。「まだこれからも対戦があるから言わないが、いろいろ考えて考えて、よし、これでいこうと決めた」。詳細は明かさなかったが、右打者への死球を心配する配慮もあったとみられる。 2回、6番遊撃で今季初めて先発起用された吉田成が、151キロに力負けせず左翼線へ先制二塁打を放つなど、藤浪から8安打して投手戦の均衡を破った。
◆甲子園を制した左右の剛腕が、神宮でド迫力の投手戦を演じた。龍谷大平安(京都)の2年生エースで、14年センバツVのヤクルト高橋奎二投手(23)と、大阪桐蔭3年時の12年に春夏連覇を達成した、阪神藤浪晋太郎投手(26)。 ともに150キロオーバーの直球で押し込み、終盤までがっぷり四つで譲らなかった。軍配は、テレビ中継のスピードガンで最速155キロをマークした高橋。8回無失点で今季初勝利を挙げた。108球目に全力を込めた。ヤクルト高橋は8回1死満塁、151キロで阪神陽川を二ゴロ併殺に仕留めた。ガッツポーズ。「最後の力を振り絞った。もうこの回だけやなと思って。思い切って腕振っていきました」。プロ初完投、初完封を目前にして降りたが、自己最長の8回を投げきって待望の今季初勝利を挙げた。 目に見えて進化した。一度は開幕ローテに内定したものの、不振で直前の2軍落ち。心もフォームも変えた。左のライアンと呼ばれた、右膝を伸ばして高く放り上げる形をやめた。膝を曲げたまま上げて投げるようにして制球が安定。さらに三振を狙わなくなった。「狙って、力んで変化球が外れていた。2ストライクからゴロを打たそう」と意識付け。左打者には外の直球、右打者にはチェンジアップを沈めた。フルカウントが減り、自然と投球回はのびた。 投げ合ったのは中3の時、甲子園優勝投手として見ていた藤浪だ。「特に意識はない。でも監督から、相手先発より早く降りるなと言われたので」。より長く、マウンドを守った。【鎌田良美】
◆詰まった飛球が遊撃後方にフラフラと上がる。懸命に追った阪神北條と中堅近本が衝突。1度は北條のグラブに入ったはずのボールがポトリ、芝生に落ちた。まさかの適時失策で2点を与えた直後、藤浪はあえて何事もなかったかのようにマウンドへ歩いた。大きく声をかけた視線の先には、表情に悔しさをにじませる同学年の遊撃手がいた。 「誰もエラーしようと思ってエラーしていない。味方がエラーをした時、ミスが出た時に抑えてこそ。ああいうところでカバーできたらと思っています」 試合後、冷静に振り返った場面は1失点で迎えた7回裏だ。北條の遊ゴロ失策で先頭打者を出し、内野安打で2死一、三塁。ここで1番坂口の投手正面へのゴロを右手首に当てた。懸命にジャンピングスローを試みたが間に合わない。適時内野安打で2点目を奪われた直後、今度は落球で2点を追加された。それでも仲間の胸中を気遣い、自分を責めた。藤浪は心身ともに強さを取り戻していた。 今季2試合目の登板。直球主体で2回に先制点を許すと、3回以降は変化球主体の投球に切り替えた。最速154キロの直球にカットボール、スライダーを交えて的を絞らせない。中でも本人がスプリットと表現した140キロ台中盤から後半の高速フォークが制球、キレ味ともに抜群だった。 6回無死二塁からはすべて勝負球にフォークを使い、3番青木と5番山崎を空振り三振、4番村上は二ゴロに仕留めた。「前回は変化球が使えなくて苦労した。梅野さんともカット、スプリットを使っていければと話をしていました」。前回23日広島戦は勝負どころで変化球が入らず、直球を狙われて逆転満塁弾を浴びた。反省を生かし、10奪三振で18年4月20日巨人戦以来、832日ぶりの2ケタ奪三振も記録した。 7回4失点ながら自責点は1。1四球で被安打8のうち4本は内野安打だ。矢野監督は「勝てる中身の素晴らしい投球だった」と絶賛し、次回は中5日で8月5日巨人戦に向かう可能性が高い。「やっぱり苦しい場面で粘ってこそ。ああいうところで粘れるようにしたい」。藤浪はバスに乗り込む直前、言葉に力を込めた。【佐井陽介】
◆阪神藤浪晋太郎投手が670日ぶり勝利を懸けてヤクルト戦(神宮)で今季2度目の先発。 7回4失点(自責1)で毎回の10奪三振の力投をみせた。連打を許さず、四球もわずか1つ。味方の失策もあって2敗目を喫した。 以下、矢野燿大監督の一問一答。 -藤浪は落ち着いていた 特に3回以降、素晴らしい投球だった。勝てる中身の素晴らしい投球だったし、それが一番の収穫。前回よりも今日の方が良かったと思う。前回も悪かったわけではないので。そういうところでは自信にしてもらって。バッター陣も点を取れていないし、守備も足を引っ張っちゃったので、次回は何とか勝たせてやりたいね。 -球を操れていた 3回以降はいろんな事ができるというか、勝てる投球になってきたと思う。 -打線はヤクルト高橋に苦しんだ 調子も良かったと思う。その中でも何とかしたかった。今日の調子では、点を取れる感じじゃなかったからこそ、守備のミスも痛かったし、何とか粘って追い越すチャンスを作りたかった。明日からまた。チームも(勝率)5割になってまた新たなスタートかな。打線もチーム全体としても。 -(7回に失策した)北條も先発機会がない中で気合は入っていた いつも言うようにミスは取り返せない。次うまくなるようにやるしかないし。あいつ自身が一番、悔しいと思う。その悔しさを練習にぶつけて、その結果を試合に出すしかない。前を向いてやっていってくれたらと思います。 -2軍戦で高橋が好投 上げたいなと思っている。最終的な判断はこれからになるけど。メドはついたんでね。
◆甲子園を制した左右の剛腕が、神宮でド迫力の投手戦を演じた。龍谷大平安(京都)の2年生エースで、14年センバツVのヤクルト高橋奎二投手(23)と、大阪桐蔭3年時の12年に春夏連覇を達成した、阪神藤浪晋太郎投手(26)。 ともに150キロオーバーの直球で押し込み、終盤までがっぷり四つで譲らなかった。軍配は、テレビ中継のスピードガンで最速155キロをマークした高橋。8回無失点で今季初勝利を挙げた。◆ヤクルト高橋の力勝負 1回無死一塁、阪神近本への2球目、内角への直球が最速155キロを記録した。ファウルとなったが威力十分の球。この日はスライダー、チェンジアップと合わせ、3つの球種でストライクゾーンの中で勝負できた。3回までに4球投げたカーブは2球が抜け気味で1球はど真ん中。4回以降は1球しか使わなかった。それを補って余りある直球の球威だった。
◆阪神藤浪晋太郎投手(26)の復活勝利はまたもお預けとなった。670日ぶり勝利を懸けてヤクルト戦(神宮)で今季2度目の先発。7回4失点(自責1)で毎回の10奪三振の力投をみせた。連打を許さず、四球もわずか1つ。味方の失策もあって2敗目を喫したが、矢野監督は「勝てる投球」と次回に期待した。8カードぶりに負け越した阪神は再び勝率5割となり、4位に後退した。◆藤浪の転調 3回から投球内容がガラリと変わった。初回は最速154キロを計測するなど投球の9割以上がストレート。3回からは決め球のフォーク(スプリット)に、スライダーを意図的にちりばめた。6回の打者3人のアウトはすべてフォーク。唯一の右打者だった8番西田には外角スライダーを効果的に使った。思うように変化球をコントロール出来たことによって投球の幅が広がった。
◆スターティングメンバーが発表され、阪神・藤浪晋太郎投手(26)が、今季2度目の先発マウンドに立つ。 「敵地にはなりますが、ファンの方々の歓声に応えられるような投球がしたい」 前回登板した広島戦(甲子園)では、六回に逆転満塁弾を浴び、敗戦投手となった。1軍で勝てば、2018年9月29日の中日戦(ナゴヤドーム)以来、670日ぶりの勝ち星となる。 藤浪を援護したい打線は陽川が、24日の中日戦(ナゴヤドーム)以来、プロ2度目の「1番」で先発出場。さらに北條が、「7番・遊撃」で3試合ぶりにスタメンに名を連ねた。
◆ヤクルト・吉田大成内野手(25)が30日、阪神9回戦(神宮)で今季初先発。「7番・遊撃」で出場し、0-0の二回1死二塁から先制の適時二塁打を放った。 「球の速い投手なので、いつもより少しコンパクトに打つイメージで入りました。先制できてよかったです」 同学年の阪神・藤浪が投じた151キロ直球に逆らわず、左翼線へライナー性の当たり。佼成学園高、明大、明治安田生命を経て2019年、ヤクルトにドラフト8位で入団し「スタメンのチャンスを頂いたので、なんとか結果を残したかったです」と話した2年目の内野手が存在感を見せた。
◆阪神先発の藤浪晋太郎投手(26)が、六回まで毎回9奪三振と力投した。 藤浪は二回に1死二塁から吉田成に左翼線へ二塁打を浴び、先制を許すも、その後は圧巻の投球。0-1のまま迎えた六回は、先頭の上田に二塁打を浴び、無死二塁のピンチも、続く青木を146キロ変化球で空振り三振。4番・村上は二ゴロに仕留め、最後は5番・山崎を148キロ変化球で空振り三振。大ピンチを切り抜けると、右手で大きくガッツポーズした。670日ぶりの白星へ向け、七回のマウンドに向かった藤浪。力投で打線の援護を待ち続けた。
◆阪神がヤクルトに0-4とリードを広げられた。 0-1のまま迎えた七回だった。先頭の宮本の打球を遊撃手・北條がファンブル。2死一、三塁としたが、1番・坂口に投手強襲の内野安打を許し、0-2とされた。さらに2死一、三塁から、続く上田の打球を追いかけた北條と近本が、ぶつかり、2点を献上。北條に失策がつき、0-4とされた。先発の藤浪は、7回8安打4失点で自責は1。八回に代打を送られ、ここで降板となった。
◆阪神は2位・ヤクルトに0-6と完敗。今季4度目の零封負けで、8カードぶりの負け越し。勝率も5割に逆戻りした。 今季2度目の先発だった藤浪は7回115球を投げて8安打4失点(自責1)、10奪三振。0-1の七回には守備の乱れをキッカケにピンチを招くと、北條の適時失策などで3失点。粘投も実らず、今季2敗目となった。 打線も藤浪を援護できなかった。ヤクルトの左腕・高橋の緩急を使った投球に翻弄された。八回1死満塁の好機も併殺に打ち取られた。前日29日の同戦の一回に1点を奪ってから連続イニング無得点は「17」となった。
◆ヤクルト・高橋が今季初勝利。ヤクルトはこのカード勝ち越しを決めた。 ともに今季初勝利を狙うヤクルト・高橋と阪神・藤浪の投げ合いは序盤、緊迫した投手戦となった。先制点を奪ったのはヤクルト。二回、先頭打者の山崎が右前安打で出塁すると、宮本の犠打で1死二塁とし、吉田成が左翼線への適時二塁打で1点を奪った。藤浪はその後、立ち直り、六回まで力投。打線の援護を待ち続けた。 一方、高橋は六回まで2安打無失点と圧巻の内容で、阪神打線を寄せ付けない。1-0と緊迫とした試合は、七回に動いた。ヤクルトの攻撃、2死一、三塁の場面で打席に入った坂口がピッチャー強襲の適時内安打で2点目。その後、遊撃手・北條の失策などが絡んで3点を失った。藤浪は7回8安打4失点で降板。 ヤクルトは八回にも川端の左前適時打、坂口の押し出し四球などで2点を追加して6-0。高橋は8回3安打無失点に抑えてマウンドを降り、九回は大下が三者凡退で締めくくった。 ヤクルト・高橋奎二投手 「(今季初勝利は)率直にうれしいです。僕の神宮開幕戦ということでファンの皆様の前でいいピッチングをすることを心掛けていた。思い切って腕を振ろうと思ってマウンドに立った。今日みたいなピッチングを毎回できるように頑張ります」
◆ヤクルトは30日、阪神9回戦(神宮)に6-0で今季初めて零封勝利を飾り、5カードぶりの勝ち越しを決めた。先発の高卒5年目左腕・高橋奎二投手(23)が8回108球を投げ、3安打無失点で今季初勝利。先発事情が苦しい中、若き左腕が快投を披露し、首位・巨人とのゲーム差を「2・5」に縮めた。(以下、ヒーローインタビュー) --今季初白星 「ありがとうございます」 --いまの気持ちは 「率直にうれしいです」 --どんな気持ちでマウンドに上がった 「僕は、神宮開幕戦ということで、ファンの皆さんの前でいいピッチングすることを目標にやってきました」 --初回から155キロ。気迫の投球で3安打無失点。自身の投球は 「いつも思い切って腕を振っているだけなので、きょうも思い切って腕を振ろうと思ってマウンドに立ちました」 --走者を背負った場面でもバックが好プレーで盛り上げた 「いつも投げているときは野手の皆さんがいいプレーをしてくださるので、そこはすごく助かりました」 --ファンの拍手や思いは伝わった 「すごく伝わりました。すごくうれしかったです。ありがとうございます」 --今後への意気込み 「きょうみたいなピッチングが毎回できるわけではありませんが、きょうみたいなピッチングを毎回できるように頑張ります。応援よろしくお願いします」
◆阪神はサウスポーの高橋を攻略できず、今季ワーストの3安打で零敗を喫した。28日に18安打20得点を挙げた打線は、その後の2戦でわずか1得点。矢野監督は「何とか粘って追い越すチャンスをつくりたかったけど...」と肩を落とした。 八回の好機は、陽川が二ゴロ併殺打に倒れた。藤浪の好投を打線が後押しできず、井上打撃コーチは「借りをつくってしまったという感覚。今度投げる時に野手が発奮してほしい」とハッパを掛けた。 矢野監督(北條が七回に2失策) 「あいつ自身が一番悔しいと思う。悔しさを練習にぶつけて、結果を出すしかない。前を向いてやってほしい」
◆阪神は0-4でヤクルトに敗れ、勝率5割に戻った。今季2度目の先発だった藤浪が8安打されながら、7回で10三振を奪う力投を見せた。七回、守りのミスが重なり2敗目を喫したが、4失点で自責点は1の内容。四球は1個で矢野監督は納得の表情だった。 「特に三回以降素晴らしい投球だったし、勝てる中身の素晴らしい投球だったし、それが一番収穫かな。前回よりも今日の方が良かったと思うし。前回も悪かったわけではないんで。そういうところでは自信にしてもらって。次回はちょっとバッター陣も点取れていないし、守備も足引っ張っちゃったんで。そういうところで何とか勝たせてやりたいよね」 遊撃で先発したが、守りで精彩を欠いた北條については「気合は入っているけど。いつも言うようにミスは取り返せないんで。次うまくなるようにやるしかないし。あいつ自身が一番、悔しいと思うんでね。その悔しさを練習にぶつけて、その結果を試合に出すしかない。前向いてやっていってくれたらと思います」と話した。
◆0-1の六回無死二塁のピンチ。ツバメ打線のクリーンアップを抑えて無失点でしのぐと、阪神・藤浪がマウンドでガッツポーズだ。青木をフォークで空振り三振。4番・村上を二ゴロで打ち取ると、山崎にもフォークで空振り三振に仕留めた。 「1週間、修正してきたところだったので良かった」 今季1軍初登板だった23日の広島戦(甲子園)は6回0/3を4失点で敗戦投手。五回まで無失点投球も六回、直球一辺倒になり、ピレラに逆転満塁弾を浴びたことへの反省だった。 神宮は通算10試合で5勝4敗、防御率2・58だが、登板した2015~17年に限れば5勝1敗、同2・57だ。150キロ台の直球にくわえて変化球も低めに決まった。なかでも虎投手陣が前日まで打率・414、1本塁打、8打点とコテンパンにやられている村上封じは圧巻だった。一回2死一塁。カウント2-2から外角高めの154キロの直球でバットに空を切らせた。二回1死二塁、吉田大に低めの直球を左翼線にはじき返されて1点を失ったが、気迫あふれる投球を見せた。三回の村上との2度目の対戦は三回2死。2球で追い込むとフォークで空振り三振。そして、六回のピンチでも抑えた。 18年9月29日の中日戦(ナゴヤドーム)以来670日ぶりの白星を目指したが、熱投は実らなかった。矢野監督は「特に三回以降、勝てる中身の素晴らしい投球だったし、それが一番収穫かな。前回よりも今日の方が良かったと思うし。前回も悪かったわけではないんで。そういうところでは自信にしてもらって」と話した。 28日に今季最多の18安打&20得点をたたき出した打線が今季ワーストの13残塁を喫した前日29日に続き、この日は零封負けと援護できなかった。 新型コロナウイルス感染や遅刻による2軍降格。6月には右胸に軽度の筋挫...。相次ぐアクシデントで開幕は2軍スタートだった藤浪。七回には坂口の打球を右手に受けながらも続投。遊撃・北條の2失策などで一気に3点を失い、今季初白星はお預けとなったが「ああいう場面で抑えないと」と気落ちすることはなかった。 チームは今季4度目の完封負けで2連敗。勝率5割に逆戻りしたが、藤浪は「(次の先発は)今回みたいにストライク先行で、しっかり自分の投球をしたい」と自信を得た。雪辱を期す大器が、大きな手応えを得た。
◆阪神・梅野は四回、一走・山崎のスタートに素早く反応し、矢のような送球。"梅ちゃんバズーカ"で二盗を阻止し、好投を続ける藤浪をもり立てた。これで、盗塁阻止率は・615と驚異的な数字を維持。打撃でも八回の第3打席に、しぶとく三塁内野安打を放ち、チームトップの打率・333をマークするなど、選手会長が攻守で虎を引っ張っている。
◆不調の阪神・糸井が3試合ぶりにスタメンから外れ、出番もなかった。前日までの2試合は「2番・右翼」で出場したベテランの今後の起用法について、井上打撃コーチは「状態を見ながら。(本人と)相談しながらになる」と明かした。31日は、39歳の誕生日。7月上旬に3割を超えていた打率は・250まで落ちた。糸井の奮起に期待したい。
◆1点リードの七回に左翼手の青木が、サンズの放ったライナー性の打球を横っ飛びで好捕。6-0の九回には左翼に入った上田が左翼線の打球をダイビングキャッチするなど守備陣が投手をもり立てた。昨季はリーグ5位の97失策だったチームは、ここまで巨人に次ぐリーグ2位の15失策。守備力向上が安定した戦いを生んでいる。
◆打線は8番・西田以外、8人の左打者を並べる"藤浪対策"で臨んだ。「7番・遊撃」で今季初スタメンの吉田成が二回に左翼線へ先制の適時二塁打。今季初安打初打点の2年目内野手は「チャンスを頂いたので、何とか結果を残したかった」と胸を張った。七回には坂口の適時内野安打などで3得点。高津監督は「考えて考えて、『よし、これでいこう』と決めた」と説明した。
◆阪神・近本が6月20日の巨人戦(東京ドーム)以来の31試合ぶりに2番で先発出場した。四回の第2打席で右前打を放ち、2番としては今季初安打。代わって、陽川が24日の中日戦(ナゴヤドーム)以来、プロ2度目の1番を任された。打順の組み替えについて井上打撃コーチは「前回、陽川が1番で機能しなかったわけでもなかったので。これから先も試合がまだまだいっぱいあるわけだから」と説明した。
◆藤浪と同期の阪神・北條が、復活を期した右腕の力投を台無しにした。0-1の七回、ポロリポロリと2失策。ベンチから厳しい表情で見つめた矢野監督がため息を交らせた。 「(相手先発の高橋の)今日の調子じゃぽこぽこ点取れる感じじゃなかったからこそ、守備のミスも痛かった。何とか粘って追い越すチャンスを作りたかった」 好投の藤浪にまさかの事態が訪れたのは七回。先頭・宮本のなんでもないゴロを遊撃・北條がグラブに収めきれず。その後2死一、三塁のピンチを招くと、藤浪自身の失策も絡み1失点。それでも続く2死一、三塁から上田を飛球に打ち取ったはずが...。ふらふらと中堅手前まで上がった打球を追いかけた北條が近本とぶつかり、またもポロリ。さらに2者生還を許す痛恨のタイムリーエラー。ビハインドは4点に広がり、背番号「19」の復活星は泡と消えた。 「いつも言うようにミスは取り返せないんで。次うまくなるようにやるしかないし。あいつ自身が一番、悔しいと思うんでね。その悔しさを練習にぶつけて、その結果を試合に出すしかない。前向いてやっていってくれたらと思います」 指揮官は責めることはしなかった。それでもライバル木浪の無失策に対し、これで今季4失策。打率・143も物足りない。定位置争いでおくれを取る試合となってしまった。 打線も今季ワーストの3安打で4度目の完封負け。28日に20得点も、翌29日の2回から17イニング連続無得点となった。打てず守れずで看板選手の復活を援護できず、5割に逆戻りの踏んだり蹴ったりだ。 「5割になって、また新たなスタートかな。打線もチーム全体としてもね」 矢野監督は再スタートを強調した。開幕当初とは違い、今は明るい材料もあふれている。31日から同率で3位のDeNAと3連戦。また甲子園で仕切り直しだ。(大石豊佳)
◆阪神・藤浪晋太郎投手(26)がヤクルト戦(神宮)に先発し、7回4失点(自責1)。2試合連続で敗戦投手となったが、10奪三振で復活の予感漂う気迫の投球を見せた。チームは5割逆戻りで4位転落も、2軍戦で好投した高橋遥人投手(24)の1軍昇格の可能性が高まり、首位巨人の追い上げ態勢が整った。 普段はクールな表情を貫く藤浪が喜怒哀楽をあらわにした。一進一退の手に汗握る展開で、緊張感あふれる雰囲気に包まれた神宮球場。好投は報われなかったが、4973人のファンの前で気迫の投球を見せた。 「結果的には負けているので。七回のあの場面で粘れてこそだと思うので、(内容は)よかったですけど、気持ちのいいピッチングではなかったですね」 0-1の七回、遊撃・北條の失策から2死一、三塁のピンチを迎えると、坂口の打球はワンバウンドして藤浪の右手付近に直撃。治療のため一時はベンチに下がったが、再びマウンドへ向かった。プレー再開後、再び北條の失策で2点を献上。それでも気合で7回を投げ抜いた。 7回8安打4失点(自責1)。不運な形で失点したが、2年ぶりの10奪三振。今季2度目の登板で復活の予感が漂う投球に矢野監督は「勝てる中身の素晴らしい投球だったし、それが一番収穫。自信にしてもらいたい」と大きくうなずいた。 制球に苦しみ、自らを追い込むようなこれまでの姿はなかった。前回登板した23日の広島戦(甲子園)では変化球の制球が定まらず、四球でピンチを招いたが、この日はストライク先行の投球で与四球はわずか一つ。「前回は変化球が使えなくて苦労したので、この1週間で修正してきたつもり」。左打者8人を並べた燕打線に対し、直球と変化球を効果的に投げ分けた。試合前まで今季の阪神戦で打率・414を誇っていた村上を2打席連続で空振り三振に斬るなど3打数無安打に抑えた。 それでも「あの場面で抑えてこそ。味方がミス出たときこそ抑えることが大事だと思う」と七回を悔やんだ。2失策し、ベンチで肩を落とす同級生の北條に声をかける場面もあった。 チームは連敗で8カードぶりの負け越しとなり、勝率5割に逆戻り。4位に転落したが、藤浪の好投は何よりの収穫だ。右腕は次回8月6日の巨人戦(甲子園)に先発見込み。また、この日はコンディション不良で2軍調整していた高橋が1軍に昇格することが濃厚となった。同4日からの9連戦で先発する可能性が高く、首位巨人を4・5ゲーム差で追いかける中、先発ローテが整った。 「今回みたいにストライク先行でいって。最低限そこはできるようにして、そのうえでああいうところ(七回)で粘れるように」 藤浪はさらなる成長を誓った。好投を続けて、次こそ勝つ。3度目の正直で白星をたぐり寄せる。(織原祥平)
◆ヤクルト・高橋奎二投手(23)が30日、阪神9回戦(神宮)で自己最長の8回を投げ、3安打無失点と好投。阪神・藤浪との甲子園優勝投手対決を制し、今季初勝利を挙げた。6-0で今季初の完封リレーとなったチームは2連勝。5カードぶりの勝ち越しで今季最多に並ぶ貯金4とし、首位の巨人に2・5ゲーム差に迫った。 渾身の108球目。高橋が絶体絶命のピンチを脱した。4-0の八回1死満塁。陽川の内角へ150キロの直球を投じる。詰まった当たりで二ゴロ併殺打に仕留め、力強くガッツポーズ。神宮を訪れた4973人の観衆の拍手を一身に浴びた。 「この1イニングだけやなと思って、思い切り腕を振っていきました。最後の力を振り絞った感じでした。(藤浪との投げ合いは)特に意識はなかった」 京都・龍谷大平安高から入団して5年目。左腕から繰り出す最速152キロの速球に、カーブとチェンジアップを織り交ぜて的を絞らせない。 28日の3連戦初戦で20得点した阪神打線をねじ伏せ、プロ最長の8回を3安打無失点。6三振を奪った。今季4度目の先発登板で初勝利。2014年の選抜大会で頂点に立った23歳が、大阪桐蔭高時代の12年に甲子園で春夏連覇を達成した阪神・藤浪との"甲子園V腕対決"を制した。 勝利に飢えていた。今年の正月。京都府内の実家から大阪・箕面市へ車を飛ばした。勝負事に御利益があり、勝ち運の寺といわれている勝尾寺(かつおじ)を参拝。初詣で『日本一』と『2桁勝利』を誓った。 「今季にかける思いは強い。とにかく、勝ちたいという思いでした」 引いたおみくじは小吉でも、願望の欄に「求めのままなり」と書かれており、望んでいた白星を手に入れた。練習で使うリュックには『勝』と金色で刺繍(ししゅう)されたお守りをぶら下げるが、験担ぎだけではない。 開幕直前の練習試合で制球難を露呈し、2軍スタート。それでも開幕投手を務めたベテランの石川から「いろいろ試してみたら」と助言を受け、「左のライアン」と言われた右脚を高く上げるフォームを封印。「迷いはなかった」と制球重視のスタイルを確立した。 2軍監督時代から左腕の成長を見届けてきた高津監督は「あの奎二がね。本人もうれしいだろうけど僕もうれしい。毎試合、毎年少しずつ成長していると感じられる」と表情を緩めた。先発陣では今季初めて8回を投げ切り、救援陣の負担も軽減。5カードぶりの勝ち越しで貯金4は今季最多タイ。首位・巨人に2・5ゲーム差に迫った。 「監督から相手の先発より先に降りるなと言われている。それを頭に入れて投げた。きょうみたいな投球が毎回できるように頑張りたい」と高橋。将来のエース候補が、ひと皮むけた姿を披露した。(横山尚杜)
◆阪神は先発の藤浪が10三振を奪った。球団OBの八木裕氏(55)=本紙専属評論家=は「カットボール、フォークボールが良くなったことが好投の最大の要因」と分析。一方、無得点に終わった打線とミスの出た守備について「打撃面、守備面で準備が遅れてしまった」と指摘した。 三回の送りバントを決めた後の全力疾走に象徴されるように、藤浪の気持ちが前面に出ていた試合だった。勝てない時期が続く中で「ダメなら後がない」という思いが、投球に伝わっていたし、見ている側にも伝わってきた。 カットボール、フォークボールが良くなったことが、好投の最大の要因だろう。この2種類の変化球を軸にした"シフトチェンジ"が功を奏した。特にフォークが決まったことが、7回で10奪三振にもつながる結果に。梅野とのコンビネーションもうまくいっていた。 惜しまれるのは、勝ち投手になっても全くおかしくない投球をしながら、味方の援護がなく、さらに味方のミスによって敗戦投手になってしまったことだ。 大量得点の後の何試合かは打線が湿る。根拠はないが、今回の阪神打線もこの定説が当てはまってしまった。選手個々も分かってはいるのだろうが、改めて基本に立ち返り、丁寧な打撃をしていくしかない。 反省すべきもう1点は守備面。この試合でいえば、北條になってしまう。打球処理の際に差し込まれていた。神宮球場特有の「打球が弱まらない人工芝」をどこまで頭に入れていたか。試合前に準備ができていたか。遊撃を守る選手がまず求められるのは守備。常時出場していない選手だからこそ、準備は大事になってくる。 せっかく藤浪が気持ちを前に出して投げた試合なのに、援護する選手が攻守で、気持ちでも、準備の面でも、遅れてしまった感がある。残念な試合だった。(本紙専属評論家)
◆復活を懸ける『阪神ファンの希望のエース』藤浪晋太郎が見事な貫禄の黒星マウンド(?)を見せてくれたのだ!! 七回に阪神はプロ野球から草野球モードに切り替えたので、エラー続出でやらなくてもいい点を奪われはしたものの、六回までは打者23人に5安打1失点で9三振1四球と、これは立派なエースの負け方なのでOK! OK!! しかも、おそらく日本中の虎党が「え、えーっ!? 藤浪は速球投手からスライダー投手に変身したんかいなァ」と、目を白黒させる切れ味抜群のスライダーで燕打線をバッサ、バッサ!! でも、本来は150キロを超える速球もあるし、次こそは鬼に金棒、藤浪に速球&変化球でパーフェクト達成の復活があるのでは? とにらんでいるのだ。 一方、打線は3安打零封のトホホホ...。第1戦20得点で天狗(てんぐ)になっとったやろー!! 甲子園に戻って1点にこだわる野球のやり直しやー!!
<セ・リーグ順位表推移>
順位 | チーム名 | 勝数 | 負数 | 引分 | 勝率 | 首位差 | 残試合 | 得点 | 失点 | 本塁打 | 盗塁 | 打率 | 防御率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 (-) |
巨人 |
20 | 11 | 2 | 0.645 (↓0.022) | - (-) |
87 | 166 (+2) | 106 (+4) | 51 (+1) | 23 (+1) |
0.265 (-) | 3.140 (↓0.03) |
2 (-) |
ヤクルト |
17 | 13 | 4 | 0.567 (↑0.015) | 2.5 (↑1) |
86 | 162 (+6) | 179 (-) | 32 (-) | 21 (-) |
0.256 (↑0.001) | 4.820 (↑0.15) |
3 (1↑) |
DeNA |
17 | 17 | 1 | 0.500 (↑0.015) | 4.5 (↑1) |
85 | 148 (+4) | 132 (+2) | 38 (+1) | 5 (-) |
0.272 (↓0.001) | 3.720 (↑0.05) |
4 (1↓) |
阪神 |
16 | 16 | 1 | 0.500 (↓0.016) | 4.5 (-) |
87 | 139 (-) | 135 (+6) | 36 (-) | 26 (-) |
0.250 (↓0.003) | 3.770 (↑0.01) |
5 (-) |
広島 |
12 | 17 | 4 | 0.414 (-) | 7 (↑0.5) |
87 | 152 (+4) | 158 (+4) | 34 (+2) | 15 (-) |
0.285 (↓0.002) | 4.440 (↑0.03) |
6 (-) |
中日 |
13 | 21 | 2 | 0.382 (-) | 8.5 (↑0.5) |
84 | 112 (+4) | 169 (+4) | 19 (-) | 6 (-) |
0.247 (↑0.001) | 4.320 (↑0.02) |
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