阪神(☆11対3★)中日 =リーグ戦6回戦(2020.07.19)・阪神甲子園球場=
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中日
0111000003731
阪神
30030104X111420
勝利投手:能見 篤史(1勝0敗0S)
敗戦投手:梅津 晃大(2勝3敗0S)

本塁打
【中日】ビシエド(9号・3回表ソロ)

  DAZN
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◆阪神は3-3で迎えた4回裏、福留の犠飛などで3点を加え、勝ち越しに成功する。その後は、6回に福留が適時打を放つなど、終わってみれば14安打で11得点を挙げた。投げては、3番手・能見が今季初勝利。敗れた中日は守備の乱れもあり、投手陣が大量失点を喫した。

◆6カード連続の本塁打が期待された阪神ジャスティン・ボーア内野手(32)が19日、右臀部(でんぶ)の張りのため、大事を取って中日6回戦(甲子園)のベンチ入りメンバーから外れた。この日はグラウンドで行われた試合前練習に参加していなかった。 ボーアはここまで、全23試合に出場し、打率2割7分8厘、5本塁打、13打点。ベンチスタートは1度あったが、ベンチ入りメンバーから外れたのは初めて。

◆中日ドラフト5位岡林勇希外野手(18)が1軍に昇格した。不振の渡辺に変わる野手強化で今季初の1軍出場選手登録。12日に12球団高卒新人最速で1軍昇格したドラフト1位石川昂弥内野手(19)に続く2人目になった。 この日の試合前練習から合流した岡林は、「自分のできることをしっかりこなすだけです。いいプレーを見せようとせずに、がむしゃらにやっていきたい」と話した。 岡林は三重・菰野から昨年ドラフト5位で入団。当初は投手との二刀流にも注目されたが、今春キャンプ前に外野手専念を選択した。今季ウエスタン・リーグで12試合に出場し、38打数12安打の打率3割1分6厘。高校時代には手が届かなかった甲子園で1軍デビューするか注目される。

◆両チームのスタメンが発表された。先発は阪神が岩貞、中日が梅津。 4連勝での勝率5割復帰を目指す阪神は、43歳のベテラン福留が「5番右翼」で、6月26日DeNA戦(横浜)以来、スターティングメンバーに名を連ねた。今季甲子園では初のスタメン出場。 また、ボーアは右臀部(でんぶ)の張りで大事を取って、この日はベンチ入りせず。6月26日DeNA戦(横浜)でベンチスタートしたが、ここまで全試合に出場しており、初のベンチ外となった。また糸井も先発メンバーから外れた。糸井のベンチスタートは同日以来、今季2度目。

◆中日ダヤン・ビシエド内野手が2点を追う3回に阪神先発岩貞からバックスクリーン左へ9号ソロを放った。巨人岡本とリーグトップを並走中。 7月だけで7本目で「打ったのはチェンジアップ。パーフェクトスイング」と自画自賛のコメントを残したが、大敗で空砲となった。2回の内野安打で日米通算で1000安打とした。

◆先発の阪神岩貞祐太投手は4回3失点で降板し、勝ち負けはつかなかった。 1回裏に3点リードをもらいながら、2回から3イニング連続失点で同点とされた。「チームがいい状態の中、自分の仕事をすることができず、リリーフの方々に負担をかけてしまい申し訳ない気持ちです」。前回12日DeNA戦は8回無失点で白星を手にしていたが、2戦連続の快投はならなかった。

◆阪神は1回、3番サンズ、4番大山の適時打などで3点先制。中日は2点を追う3回、4番ビシエドのソロで1点差まで迫った。 阪神は同点とされた直後の4回、2者連続押し出し四球と犠飛で3点を勝ち越し。6回にも5番福留の左前適時打で加点した。 阪神は救援陣が踏ん張り3位浮上。4連勝で勝率5割に到達し、41歳能見が今季初勝利。中日はカード3連敗で借金6となった。中日梅津は3敗目。

◆阪神が今季初のAクラスに浮上した。今季2度目の4連勝で最大8あった借金も見事に完済した。 3-3の同点に追いつかれた直後の4回。2四球1失策で1死満塁とすると、交代直後の2番手藤嶋から3番ジェリー・サンズ外野手(32)、4番大山悠輔内野手(25)が2者連続押し出し四球。なお、1死満塁から5番福留孝介外野手(43)が中犠飛。無安打で3点を奪い、中日を突き放した。 6回には福留の左前に落ちる適時打で1点を追加。終盤の8回にも福留の4打点目となる中前適時打、原口文仁捕手(28)の左前2点適時打などで4得点。14安打11得点と今季24試合目にして初の2桁得点を記録した。 今季初の同一カード3連勝で、ついに勝率5割に到達。開幕から2勝10敗と低迷していたが、その後に10勝2敗と見事なV字回復となった。

◆阪神能見篤史投手(41)が今季初勝利を挙げた。阪神投手で41歳以上の勝利は10年下柳剛の7勝(42歳)以来、3人目となった。これで12年連続勝利。 3点リードの5回表2死一、二塁から3番手で登板し、7番京田を空振り三振に仕留めた。6回は先頭から2者連続アウトを奪った後、1番大島に遊撃内野安打を許したところで降板。1回1安打無失点で白星を手にした。 5回裏1死からは打席に入り、見逃し三振に倒れた。18年5月11日広島戦(マツダスタジアム)以来、800日ぶりの打席だった。41歳以上のシーズンで打席に立った阪神投手は49年の41歳若林忠志、41~43歳下柳剛(09~11年)に続き3人目。

◆阪神が今季初のAクラスに浮上した。今季2度目の4連勝で最大8あった借金も見事に完済した。 ▼阪神の4連勝は今季最長タイで、7月4日広島戦~同10日DeNA戦に続き2度目。同一カード3連戦3連勝は今季初で、19年8月20~22日DeNA戦(京セラドーム大阪)以来。甲子園では、19年7月5~7日広島戦以来。 ▼中日戦の同一カード3連戦3連勝は、17年8月18~20日(ナゴヤドーム)以来。甲子園に限ると、08年7月1~3日以来、12年ぶり。 ▼甲子園での日曜日の試合で阪神は、19年7月7日広島戦から7連勝となった。

◆阪神糸原健斗内野手(27)が自己最長の連続試合安打を11に延ばした。 3打席連続四球を選んで迎えた6回無死の4打席目。1ボール2ストライクから左腕ゴンザレスの低め146キロ直球を低い弾道で中前にはじき返した。

◆阪神能見篤史投手(41)が800日ぶりに打席に立った。 3点リードの5回表2死一、二塁から登板し、7番京田を空振り三振に仕留めた。直後の5回裏1死から打席に入り、見逃し三振に倒れた。 18年5月11日広島戦(マツダスタジアム)で立って以来の打席を終え、6回表もマウンドに上がった。

◆中日ダヤン・ビシエド内野手が2点を追う3回に阪神先発岩貞からバックスクリーン左へ9号ソロ本塁打を放った。 7月だけで7本目の一撃に「打ったのはチェンジアップ。パーフェクトスイング」と自画自賛のコメントを残した。 このまま量産態勢に入れば、18年の首位打者、最多安打に続く来日3個目のタイトル獲得も見えてきそうだ。

◆阪神福留孝介外野手(43)が6月26日DeNA戦(横浜)以来、23日ぶりのスタメン起用でいきなりビッグプレーを決めた。 5番右翼で先発。1回表1死から2番武田の右前に落ちようかというハーフライナーを寸分狂わぬタイミングでダイビングキャッチ。先発岩貞の立ち上がりを助けた。

◆3連勝中の阪神が初回にいきなり3得点を記録した。 主砲ジャスティン・ボーア内野手(32)を右臀部(でんぶ)の張りで欠いても、勢いは変わらない。1回裏無死一、二塁から3番ジェリー・サンズ外野手(32)の左前適時打で先制すると、4番大山悠輔内野手(25)は中前適時打。5番福留孝介外野手(43)も左犠飛を放ち、一気に3点リードを奪った。

◆3連勝中の阪神がノーヒットで3点を勝ち越した。 同点に追いつかれた直後の4回裏、2四球1失策で1死満塁とすると、交代直後の2番手藤嶋から3番ジェリー・サンズ外野手(32)、4番大山悠輔内野手(25)が2者連続押し出し四球を選ぶ。なおも1死満塁から5番福留孝介外野手(43)も中犠を決めた。 今季初の勝率5割到達に王手をかけて迎えた一戦。中日投手陣の乱調にも助けられ、リードを3点に広げた。

◆代打出場した阪神原口文仁捕手が2点適時打を放った。8回2死満塁で、左腕橋本の142キロを左前に運んだ。「何点あってもいい場面なので、追加点が取れて良かったです」。 代打では今季初となるタイムリー。バットで勝負強さを発揮した。

◆中日の先発梅津晃大投手が6失点で自己最短となる3回1/3でKOされ、3敗目を喫した。 初回に近本に安打、糸原は四球で無死一、二塁として連続適時打と犠飛で3失点。「コースを狙いすぎてボールが先行し、ストライクを取りたい球が真ん中付近に集まってしまった」。序盤に重荷を背負い、制球も4四球と苦しんだ。6月30日から本拠地の阪神3連戦で3連勝だったが、敵地では3連敗。借金は今季の最多6になった。

◆阪神能見篤史投手(41)が、41歳以上のシーズンで阪神3人目の勝利を挙げた。 「本当にチームとして勝てたのが良かったと思います」。3点リードの5回2死一、二塁。ピンチで能見はさっそうとマウンドに現れると、いつものクールな表情で、先制適時二塁打を放った京田と向き合った。まずは外低めいっぱいのフォークで見逃し。続けて空振りを奪うと、最後も外角低めのフォークで空振り三振。わずか3球でさっそうと仕事を終え、相手の反撃ムードを断ち切った。 直後の5回の攻撃、打席にはバットを持つ能見がいた。先発登板した18年5月11日広島戦(マツダ)以来、800日ぶりの打席。岡田を前に見逃し三振に倒れたが、ツイッターのトレンドワードに一時「能見さん」が入るほど注目度は急上昇。6回2死から大島に内野安打を許したところで降板。ベンチに戻る左腕には大きな拍手が送られた。 今年の春季キャンプのブルペンには、毎日のようにボールを投げる能見がいた。123球を投げた次の日に78球、100球を投げた翌日もまた101球...。第1クールは休まず5日連続でブルペン入りするなど、キャンプで約1400球を投げ込んだ。「昨年の体の使い方が、あまりにもしっくりこなかった部分があった」。昨季は中継ぎを見込んで投げる量をセーブしてシーズン入りしたが、今年は先発の時と同様にひたすら投げ込み。40歳で51試合に登板しても、満足せず変化を恐れない。そして、追い込みにも耐えられる元気な体は健在だ。09年から12年連続の勝ち星は、阪神投手の連続シーズン勝利で中西清起に並ぶ4位。41歳以上での勝利は10年下柳剛(7勝)以来、阪神で3人目の偉業となった。今季はここまで8試合に登板。41歳の星はまだまだフル回転する。【磯綾乃】 ▼能見が今季初勝利。41歳以上シーズンでの勝利は、球団では若林忠志41歳15勝(49年)、下柳剛41歳8勝(09年)42歳7勝(10年)に続き3人目。 ▼これで09年から12シーズン連続での勝利。球団在籍中では5人目。なお最長は村山実、山本和行の14年連続。

◆借金完済や! 3位や! 阪神が今季初の2ケタ得点で4連勝を飾り、勝率5割で3位に浮上した。 好調のジャスティン・ボーア内野手(32)が右臀部(でんぶ)の張りで今季初欠場となったが、代役5番の福留孝介外野手(43)が3安打4打点の活躍で勝利に導いた。中日に同一カード3連勝で、日曜日の甲子園では昨年から7連勝。最大8あった借金を完済した。流れとつなぎ。大きな勝利を呼び込む打点を挙げた主軸たちが、次々に同様のコメントを発した。 大山 サンズが打ってくれて、流れに乗って打つことができました。 福留 いい流れで回ってきたし、流れの中で最低限の仕事ができました。 初回に3点を奪った。先制パンチは3番サンズの一打。無死一、二塁で8球目のフォークを左前適時打。「粘って相手に球数も投げさせることができたし、じっくり打てるボールを待っていたよ」。さらに4番大山が中前適時打で続き、無死一、三塁から5番福留が左犠飛を放っていた。 福留は6月26日DeNA戦(横浜)以来のスタメン出場だったが、1回の右翼守備でダイビングキャッチの好プレーを演じた。中盤以降も輝きは薄れない。バットで4回に中犠飛を放てば、6回には左前に落ちる適時打、8回にも中前適時打で4打点。3回には左中間二塁打を放っており、今季初の猛打賞も決めた。 この日は、前日まで全試合出場を続けていた大砲を欠いていた。ここまで5本塁打のボーアが右臀部(でんぶ)の張りを訴え、今季初めてベンチを外れていた。さらに22試合出場していた糸井もベンチスタート。守備では糸井が守っていたライトに入り、打ってはボーアが座っていた5番を務めたのが43歳のベテラン福留。なんとも頼もしい活躍でお立ち台に上がった。 福留 (3安打4打点は)できすぎだと思いますけれど、良かったです。(6回の左前に落ちた適時打は)ラッキーですし、ファンの方の声援が落としてくれたと思います。(攻守で若手に負けない活躍をみせ)自分が出たときに自分ができる精いっぱいのプレーをしよう、と。 終わってみれば今季最多11得点の猛攻で今季初の同一カード3連戦3連勝も達成した上で、チームの連勝は4に伸びた。日曜日の甲子園ゲームで昨年7月7日広島戦から6連勝だったが、好データも「7」にしっかり継続。そして、何より勝率5割。開幕から12試合で2勝10敗の低空飛行から、その後12試合で10勝2敗のV字回復だ。3位浮上も決めた虎の反攻が止まらない。【松井周治】 ▽阪神矢野監督(勝率5割で3位浮上し) 投手も野手も、うちは全員でやる野球なので、全員がいい働きをしてくれた。5割復帰とか、いろんなことが頭によぎりながらやってるんですけど、新たなスタートをもう1回切れる。ここからしっかり積み上げていけるような、そういうスタートにしたいと思います。

◆阪神切り込み隊長の近本光司外野手が11打席ぶりのヒットで打線に火を付けた。 初回、中日梅津の151キロを中前に運んで、この回4安打3得点のきっかけを作った。 8回にはダメ押しの右前適時打でマルチ安打をマークした。2安打2得点と気を吐いた。

◆中日が3連敗を喫し、今季最多の借金6となった。 与田剛監督は「追いついても、チャンスで追い越せない。流れを引き寄せられなかった。どんな結果でも次に向かうしかない」。

◆阪神ジャスティン・ボーア内野手の代役で起用された陽川尚将内野手は、今季初のマルチ安打と気を吐いた。 右臀部(でんぶ)の張りで欠場した助っ人に代わり、一塁で先発出場。1回にいきなり左前打を放ち、8回1死一、二塁では右前打を決めた。貴重なスタメン機会できっちり結果を残した。

◆阪神糸原健斗内野手が自己最長の連続試合安打を11に延ばした。 3打席連続で四球を選んだ後、3点リードの6回無死、カウント1-2から左腕ゴンザレスの低め146キロ直球を低い弾道で中前にはじき返した。昨季対戦打率1割7分1厘だった中日に、今季は17打数6安打の打率3割5分3厘。苦手意識を完全に吹き飛ばしている。

◆連敗ストップを託した中日先発梅津晃大投手(23)が序盤から崩れた。 初回に先頭の近本に中前打、糸原に四球でピンチを招き、連続適時打などで3点を失った。4回は1死から代打北條に四球を与え、近本の送りバントの処理を誤り犠打失策、糸原に四球を出したところで降板。2番手藤嶋が連続押し出し四球などで火に油を注いだ。 梅津には6失点がつき、自己最短となる3回1/3で3敗目を喫した。「コースを狙いすぎてボールが先行し、ストライクを取りたい球が真ん中付近に集まってしまった...」。ベンチに戻った後は、ぼうぜんとグラウンドを見つめた。 チームは6月30日からの阪神3連戦(ナゴヤドーム)で3連勝したが、敵地甲子園で3タテを食らった。2年目のエース候補生に連敗ストップを託したが、借金も今季最多「6」に。与田監督は「追いついても、チャンスで追い越せない。流れを引き寄せられなかった。どんな結果でも次に向かうしかない」と話した。【伊東大介】

◆阪神ジャスティン・ボーア内野手(32)が19日、右臀部(でんぶ)の張りのため、中日6回戦(甲子園)を今季始めて欠場した。グラウンドで行われた試合前練習にも参加せず、ベンチ入りからも外れた。矢野燿大監督(51)は「大きな離脱というのは現状ないと思う」としたが、「マルちゃん(マルテ)も結局、抹消になったし」と見極める時間を必要とした。 ボーアはここまで、全23試合に出場し、打率2割7分8厘、5本塁打、13打点。中日戦では6カード連続となる本塁打も期待されていたが、今季初の欠場で止まった。離脱となれば、好調のチームに打撃となる。

◆阪神ジェリー・サンズ外野手は2日ぶりの3番起用に先制打で応えた。1回裏は無死一、二塁で梅津と対決。フルカウントからの8球目、低めフォークを左前に運んだ。「前の2人のチームメートがいい仕事をしてくれた。それに続こうと思っていたんだ」。打線を勢いづかせ、この回3得点を呼び込んだ。 主砲ボーアが右臀部(でんぶ)の張りで欠場した一戦。「ボーアが出られないのはもちろん残念だったけど、自分のやることは変わらない。自分の仕事をすることを心掛けた」。同点とされた直後の4回裏1死満塁、今度は2番手藤嶋から押し出し四球を選び、決勝点をもぎ取る。8回にも二塁打を放ち、大勝の1日を気持ちよく締めくくった。 この日もモーガン夫人と2人の息子にグラウンドから手を振った。3日ぶりのお立ち台で2個目のトラッキー人形をゲット。「子供たちは今、1日ごとに交代して1つしかないトラッキー人形と一緒に寝ているんだ。これでケンカしなくて済むね」と満面の笑みだ。 矢野監督は「サンズの持ち味はしぶとさとかそういうところだと思う。それがだいぶ出てくるようになった。頼もしく思っています」と納得顔。ボーアの状態が心配される中、好調サンズの存在価値がグングン高まっている。【佐井陽介】

◆阪神の糸井嘉男外野手は今季2度目の欠場となった。6月26日DeNA戦以来のベンチスタート。 矢野監督は「リフレッシュというかね。嘉男も体の状態が万全というわけではないんでね。うまく休養を取りながらかなと思っている。そういう意味では、今日休めると楽になるのかなと思っている」と説明。休日となる20日も含め、2日間休養を与えた形だ。

◆阪神大山悠輔内野手は初回3得点の立役者になった。 3番サンズが先制打を放った直後の無死一、三塁。梅津の150キロ直球をとらえ、中堅右に運ぶ適時打。 「サンズが打ってくれて、その流れに乗って打つことができました。2点目も欲しい場面でしたし、走者をかえすことができて良かったです」。4回には押し出し四球、6回には再び中前打。4番として堂々たる働きぶりだ。

◆中日ダヤン・ビシエド内野手(31)が2回に阪神先発岩貞から二塁への内野安打を放ち、日米通算1000安打とした。 3回2死では巨人岡本と並んでリーグ最多となる9号ソロをバックスクリーン左へ運んだ。7月だけで7本目と好調。今季4度目の猛打賞もマークして、阪神に3連敗を喫したチームで1人、気を吐いた。 大リーグではホワイトソックス、ブルージェイズなどでプレーし、通算425安打。16年に来日してNPBで積み重ねた安打は577とすでにメジャー時代を上回っている。1000安打は「知らなかった」と言い、「すごくうれしいよ。来日させてくれたドラゴンズには感謝している。来日5年目で達成できて良かった」と喜んだ。 さらに「来日初戦で打ったホームランは記憶残っているよ」と語り、16年3月26日の阪神戦(京セラドーム)で能見から放った1発を思い起こした。

◆借金完済や! 3位や! 阪神が今季初の2ケタ得点で4連勝を飾り、勝率5割で3位に浮上した。 好調のジャスティン・ボーア内野手(32)が右臀部(でんぶ)の張りで今季初欠場となったが、代役5番の福留孝介外野手(43)が3安打4打点の活躍で勝利に導いた。中日に同一カード3連勝で、日曜日の甲子園では昨年から7連勝。最大8あった借金を完済した。大きなミッションを事もなげにこなすベテランが虎にはいる。福留がサンズとお立ち台に向かう。6月26日DeNA戦以来の先発出場で好守&3安打4打点。現役最年長の43歳が攻守でチームを4連勝に導いた。 福留 できすぎだと思いますけれど、良かったです。自分が出たときに自分ができる精いっぱいのプレーをしよう、と。 豪快なダイブとバットで勝利の扉を開いた。1回の右翼守備、2番武田の右前に落ちそうな打球に飛び込んだ。その好捕に加え、直後の1回裏では左犠飛で貴重な追加点を呼び込んだ。中盤以降も輝きは薄れない。4回に中犠飛、6回には左前適時打、8回にも中前適時打で4打点。3回に左中間二塁打を放っており、今季初の猛打賞も決めた。 チームは前日まで全試合出場を続けていた大砲を欠いていた。チームトップ5本塁打のボーアが右臀部(でんぶ)の張りを訴え、今季初めてベンチを外れた。さらに糸井も体調が万全ではなく、休養の意味も兼ねてベンチスタート。守備では糸井が守るライトに入り、打ってはボーアが座る5番を務めた。なんとも頼もしい活躍もサラリと振り返るのは、多くの修羅場をくぐり抜けてきたからこそ。 福留 特に自分が、という、あんまり気負いも必要ないと思うし、今はチーム自体がすごくいい流れで来てるんでね。僕は本当にいい状況の中で打席に立たせてもらってるんで。流れに乗ってやらせてもらったというだけですね。 もちろん準備は重ねてきた。今季1号を含む4打点の活躍をみせた16日ヤクルト戦の翌日(17日)。ナイター前に向かったのは鳴尾浜での2軍戦だった。平田2軍監督が「野球が好きなんだよね。その一言に尽きるんじゃない? 野球小僧じゃなくて『野球ミドルおじさん』だよ」と"命名"するほど野球に向き合っている。福留にけん引された打線は、今季初の2ケタ得点をマーク。今季初の同一カード3連勝も達成した。 何より勝率5割。開幕から12試合で2勝10敗、借金を最大8抱えた低空飛行から、その後12試合で10勝2敗のV字回復。3位にも浮上した。矢野監督は「新たなスタートをもう1回切れる。ここからしっかり積み上げていけるような、そういうスタートにしたい」。背番号8がさらなる上昇気流にチームを乗せていく。【松井周治】 ▼43歳2カ月の福留が今季初の猛打賞。43歳以上のシーズンでの猛打賞は、金本知憲が43歳シーズンの11年3度、44歳の12年に1度記録して以来球団2人目。なお球団最年長は金本が12年4月28日巨人戦に44歳0カ月で記録。セ・リーグ最年長は15年谷繁元信(中日)44歳4カ月。プロ野球記録は98年落合博満(日本ハム)44歳5カ月。 ▼阪神4連勝は今季最長タイ、7月4日広島戦~同10日DeNA戦以来2度目。同一カード3連戦3連勝は今季初、19年8月20~22日DeNA戦(京セラドーム大阪)以来。甲子園では、19年7月5~7日広島戦以来。 ▼中日戦の同一カード3連戦3連勝は、17年8月18~20日(ナゴヤドーム)以来。甲子園に限ると、08年7月1~3日以来、12年ぶり。

◆先発メンバーが発表され、阪神のジャスティン・ボーア内野手(32)が右臀部の張りのため、大事を取ってベンチ入りメンバーから外れた。  ボーアは開幕から18打席無安打と苦しんだが、その後は復調し、打率・278、5本塁打、13打点とチームを支えてきた。  前日18日の中日戦(甲子園)では六回の守備で一、二塁間の打球に飛びついて捕球する好守を見せたが、八回の守備から交代していた。この日の試合前練習ではグラウンドに姿を現さず、室内で調整していた。

◆四回に阪神が突き放した。3点リードを追い付かれた直後の攻撃。4回4安打3失点とピリッとしなかった先発・岩貞に代打・北條を送り込んだところから始まった。中日・先発の梅津から四球を選ぶと、続く近本の犠打を梅津が悪送球。さらに続く糸原が四球で一死満塁となったところで梅津は降板。2番手で藤嶋がマウンドにあがったがストライクが入らず、サンズ、大山と2者連続で押し出し四球。続く1死満塁で福留が中犠飛を放ち、この回無安打で3点を奪った。

◆中日・梅津晃大投手(23)が19日、阪神6回戦に先発し、5安打4四球6失点(自責3)。自己最短となる3回1/3でKOされた。  「コースを狙いすぎてボールが先行してしまい、ストライクをとりたい球が真ん中付近に集まってしまった」  一回無死一、二塁でサンズに左前に運ばれると、スタートを切っていた近本が楽々と先制のホームイン。なおも一、三塁で大山には中前適時打を浴び、続く福留の左犠飛で3点目。25球を要してようやく1死を奪い、この回だけで35球を投じてしまった。  3-3の同点に追いついた四回のマウンドでは1死一塁で近本のバントを一塁へ悪送球(記録は犠打と投手の失策)。続く糸原を四球で歩かせて満塁としたところで交代を余儀なくされた。バトンを渡した藤嶋が、ためた走者をすべて生還させるなど、この回は無安打5四球などで3点を献上。最悪の形で主導権を渡してしまった。

◆阪神が今季初の2桁得点となる11得点を挙げて中日に快勝。今季初の同一カード3連勝で、同2度目の4連勝。最大8あった借金を完済し、今季初めての勝率5割として3位に浮上した。  一回無死一、二塁からサンズの左前適時打で先制し、続く大山も中前適時打、福留の左犠飛で3点を奪った。  だが、先発した岩貞が2点リードの三回、ビシエドに被弾。四回には自身の適時失策で同点に追いつかれたが、直後の四回、2者連続押し出し四球と福留の中犠飛で突き放した福留は六回、八回にも適時打を放って3安打4打点。  矢野監督は、五回から5人をつぎ込む投手リレーで、中日の反撃を許さなかった。五回途中から3番手で登板した能見が今季初勝利を挙げた。

◆中日のダヤン・ビシエド内野手(31)が19日、阪神6回戦(甲子園)に「4番・一塁」で出場。二回の第1打席に二塁内野安打を放ち、日米通算1000安打を記録した。  「ドラゴンズでチャンスをもらって日本でプレーできるのはうれしい。こうしてこういう記録が達成できてうれしいです」  内訳は大リーグでの425安打と、日本での575安打(第1打席まで)。大リーグでの初安打と、来日した2016年3月25日の阪神戦(京セラ)での安打が印象に残っているという。  メモリアルは来日初安打と同じ、二塁への内野安打。この1本を皮切りに、ただ一人のマルチ安打以上となる猛打賞だ。1001安打目は1-3の三回、「パーフェストスイング!!」と左中間席へ弾丸ライナーの一発をたたき込んだ。巨人・岡本とともにリーグトップの9号ソロ。五回にも右前打を放った。  悔しい同一カード3連敗だが、週明けは巨人、阪神を迎えてのホーム6連戦。「とにかく終わってしまったことは取り返せない。名古屋に戻って取り戻せるようにしたい」と切り替えていく。

◆中日のドラフト5位・岡林勇希外野手(18)=菰野高=が19日、阪神6回戦(甲子園)の九回無死1塁で代打として出場し、プロデビュー。結果は二ゴロだった。  「特に緊張はしませんでした。いつも通りプレーしようと思い、打席に入りました」  同期のD1位・石川昂(東邦高)が先発出場するなか、試合中は最前列で声を張り、先輩たちのプレーを目で見て勉強していた。菰野高時代に甲子園出場はかなわず、聖地でのプレーは今回が初。「イメージ通りの素晴らしい球場だなと思いました」と感慨深げだった。  与田監督は「今日、こういう(劣勢の)展開になって一回、見てみましたけど、いいものは持っていますよ。足も速いですし」と評価。今後の起用については「これからチャンスがあったらどんどん使っていきたいと思います」と前向きに話した。

◆中日は19日、阪神6回戦に3-11で敗れた。同一カード3連敗は6月23-25日のDeNA戦(横浜)以来、今季2度目。  先発・梅津が5安打4四球の6失点(自責3)、自己最短の3回1/3でKO。3-3の1死満塁でバトンを受けた藤嶋も、連続の押し出し四球と福留の中犠飛で、梅津が失策と2四球で残した走者を生還させ、続く梅野にも四球。この回の3失点は無安打、5四球での自滅だった。  与田監督は「その前にやっぱり追いついて、追い越せないと。もちろん投手が踏ん張らないといけないけど、やっぱりまだまだチャンスで追い越すことができない。流れを本当の意味で引き寄せられなかったんじゃないかなと思う」と同点止まりだった直前の攻撃を悔やんだ。  反撃機を作りたい後半は記録に残らないミスも目立った。六回1死一、三塁では福留の左方向への飛球を遊撃・京田と左翼・福田が譲り合って芝生へポトリ。痛恨の7点目を与えてしまう。  さらに続く梅野が1死一、二塁で三塁側へバントを転がすと、ゴロは体勢を崩して反応の遅れた投手・ゴンサレスの右側をすり抜けた。この際、三塁・石川昂は最初から封殺に備えて三塁ベースに入っており、ゴロが転がった先は無人(記録は安打)。新助っ人とルーキーの連携のミスは今後の課題になる。  今季最多の借金6と厳しい状況だが、火曜からは巨人、阪神とのホーム6連戦。指揮官は「とにかくどんな結果であっても次に向かうしかない。われわれはしっかりと環境を作ってあげないと」と必死に前を向いた。

◆阪神の能見が好救援し、今季初白星を挙げた。6-3の五回2死一、二塁で登板して低めの変化球を3球続け、京田を空振り三振に仕留めた。「先発に勝ちが付くのが一番いい。チームとして勝てたのが良かった」と控えめに喜んだ。  六回も途中まで投げ、1安打を許しながらも無失点。6月30日に1/3回で4失点した中日に雪辱し「やられたらやり返すというところ」と胸を張った。

◆阪神のジャスティン・ボーア内野手(32)が19日、中日戦(甲子園)を欠場した。右臀部の張りのため、来日初めてベンチ入りメンバーから外れ、大事をとった。試合前にグラウンドで行われた練習にも参加せず、屋内で調整。来日1年目の今季は18日まで全23試合に出場し、打率・278、5本塁打、13打点だった。  矢野監督は「大きな離脱というのは現状の中ではないと思うんだけどね。これも分からんし。マルちゃん(マルテ)も結局、抹消になったし。現状の中ではそんなに長くならないと思っているんだけど」と慎重な姿勢。助っ人の症状が心配される。また、スタメンから外れた糸井嘉男外野手(38)については「リフレッシュというかね。嘉男も体の状態が万全というわけではないんでね。うまく休養を取りながらかなと思っている」と説明した。

◆阪神・大山が2安打2打点と4番の仕事をした。一回、サンズの先制打に続き、無死一、三塁から中前適時打。四回も2者連続で押し出しの四球を選ぶと、六回は中前打を放ち、好機を拡大した。「(一回は)サンズが打ってくれて、その流れに乗って打つことができた。(四回の)2点目も、欲しい場面でしたし、ランナーをかえすことができてよかった」と笑顔で振り返った。

◆S砲が虎党の不安を早々にかき消した。糸井、ボーアがそろってスタメンから名を消した中、サンズが一回に先制適時打。今季最多11得点の口火を切った。  「前の2人がいい仕事をしてくれたのでそれに続こうと思った。強く打つという気持ちで、いい結果になってよかったです」  近本&糸原が出塁し、いきなり無死一、二塁のチャンス。サンズは2球連続ファウルで追い込まれたが、ここから粘った。フルカウントから8球目、低めのフォークをうまくすくい上げて左前へ先制適時打。ここから大山の中前適時打、福留の左犠飛と続いてクリーンアップが打点そろい踏み。2試合ぶりに3番に抜擢された助っ人が最高の流れを作った。  四回1死満塁では押し出し四球を選び、八回先頭では右中間二塁打。出塁すべてを得点につなげて貢献し、お立ち台ではヒーロー賞のトラッキー人形をがっちりつかんだ。当然、息子へのプレゼントだ。16日のヤクルト戦で「(息子2人だから)ケンカになるので、早く2つめがもらえるようにがんばるよ」と冗談交じりに話していたが、早くも有言実行だ。「これでケンカしないようになるので、よかったです」と笑った。  主力2人を欠いた中で今季最多11得点の爆発。しかもクリーンアップ全員がマルチ安打の大活躍となった。サンズは「これまで貢献してくれてたボーアが出られなくてもちろん残念」と盟友の欠場に声を落としたが「こうして3番を打たせてもらう以上、自分の仕事をすることを心がけました」と力を込めた。矢野監督は"急造クリーンアップ"の活躍に「みんなを使えるカードがある。今日みたいな試合でみんなが働いて勝ってくれたというのは、監督の立場としては本当に大きい」と目を細めた。  「本当にチーム全体でいい野球ができていい雰囲気でできてます」  S砲が胸を張った。驚異的ペースで借金返済を果たした猛虎の、真の戦いはここからだ。(大石豊佳)

◆三振を奪い、球場が大きな拍手に包まれてもクールな表情は変わらなかった。ルーキーが招いたピンチの場面でマウンドに上がった能見が無失点に抑えて、見事に火消し。今季初白星を手にした41歳は、チームの勝利を一番に喜んだ。  「(白星は)先発につくのが一番いいんですけど、チームとして勝てたのがよかった」  3点の勝ち越しに成功した直後の四回に2番手のD6位・小川(東海大九州)が安打と四球で一、二塁とされ、チーム投手最年長のベテランがマウンドへ。京田を2球で追い込むと、最後は外角のフォークで空振り三振。無失点で乗り切り、傾きかけた流れを渡さなかった。  イニングをまたいだ六回は2死を奪い、大島に遊撃内野安打を許したところで、3番手・馬場にバトンタッチ。25歳が七回もゼロに抑えると、八回の岩崎も三者凡退に封じた。九回は伊藤和が満塁のピンチを招きながらも無失点で抑えて、試合を締めくくった。先発の岩貞が4回3失点で降板する中、能見ら5人の救援陣が反撃を許さなかった。  勝ち投手となった能見は、昨年8月14日の中日戦(ナゴヤドーム)以来、340日ぶりの白星で12年連続勝利。阪神では2010年に42歳で7勝を挙げた下柳剛に次ぐ球団2番目の年長勝利記録となった。勝利の功労者に矢野監督も「あそこ(五回2死)は能見で任せると決めていた。年齢を重ねても技術と経験で、打ち取ってくれたのは本当に大きかった」と敬礼した。  絶好のリベンジの機会でもあった。前回登板した6月30日(ナゴヤドーム)には0-1の七回にアルモンテに満塁弾を食らうなど、1イニングを持たずに降板していた。「やられたらやり返すというところ(気持ち)はあった」と本拠地でビシッと抑えて、4連勝に貢献した。「打たれた分は取り戻さないといけないですし、一つ一つみんなでできたらいいかなと思います」。  41歳とは思えない投げっぷりに、経験に裏打ちされた老練の技術。能見はこれからも虎の救援陣の中心だ。(織原祥平)

◆5割や!! 阪神は中日戦に11-3で勝利し、3位に浮上した。福留孝介外野手(43)が右臀部の張りで欠場したジャスティン・ボーア内野手(32)に代わって「5番・右翼」で17試合ぶりにスタメン出場し、3安打4打点をマーク。チームは今季2度目の4連勝で最大8あった借金を完済。V字回復した虎はもう止まらへんで~!!  打って、守って、1プレーごとに甲子園がわく。4連勝、借金完済、3位浮上-。逆境をはね返す虎のV字回復の中心に43歳がいた。17試合ぶりにスタメン出場した福留が攻守で躍動だ。  「できすぎだと思いますけど、よかったです。みんなが諦めずに、どういう状況でも自分たちの役割というのを理解しながら、ゲームができていると思う」  一回、2点を奪ってなお無死一、三塁、カウント3-2から外角138キロのフォークを逆方向へ運び、この回3点目となる左翼への犠飛。5-3の四回1死満塁でも中堅への犠飛でしっかり仕事を果たした。六回には遊撃と左翼の間に落ちるラッキーな適時打を放ち、八回1死二塁からは中前へのトドメの適時打。3打数3安打4打点と今季初の猛打賞だ。  この日、ボーアが右臀部の張りで、来日初めて欠場し、そのボーアが打っていた5番に起用された。6月26日のDeNA戦(横浜)以来となるスタメンだったが、5度の打席すべてで結果を残した。  調子が上がらず、16試合もスタメンから遠ざかっていたが、2軍戦に志願して出場するなど準備してきた。さらに試合前練習では若手に指導するなど、チーム全体のことを常に考えている。16日のヤクルト戦(甲子園)では途中出場で決勝弾を放つなど2安打4打点。ボーアの"代役"を務めたこの日も大暴れだ。  チームも福留の必死さにつられるように勝利を積み重ねてきた。巨人との開幕カードでは史上初の3連敗を喫するなど開幕12試合で2勝10敗。借金は最大「8」まで膨らんだ。しかし、そこから驚異のV字回復。最近12試合は逆に10勝2敗で借金を見事に完済してみせた。この日は今季初の2桁得点。今季2度目の4連勝で3位に浮上し、矢野監督は「新たなスタートをもう一回切れるので。ここからしっかり積み上げていけるような、そういうスタートにしたい」と話した。  福留は守備でも魅せた。一回1死から武田の飛球にダイビングキャッチ。ハッスルプレーでチームを勢いづけた。「自分が出たときは自分ができる精いっぱいのプレーをしようと思っているので。なんとか捕れてよかった」。矢野監督も攻守での活躍に「(ダイビングキャッチは)うちの中でもトップの状況判断があるからこそ捕れた。犠牲フライも打ちながら最後のタイムリーで終わるという申し分ない働きをしてくれた」と脱帽した。  「特別何かをするわけではないので。やることは変わらず、自分たちの今できること、今やっていることをしっかりと続けていけるように」  福留は連勝継続を誓った。勝率5割からの再スタート。これからも球界最年長のベテランが勝利に導く。(菊地峻太朗)

◆夢かうつつか幻か?? 巨人戦3連敗からつまずいて、6月中は借金地獄(今季最大は8)にもがき苦しんだわが阪神が、あっという間に勝率5割に戻した、ウソのようなホントの夜!!  中日の投壊があったとはいえ、一回のサンズ、大山、福留のクリーンアップの駆けつけ3杯の3者連続打点から始まり、試合の締めは「忘れてもらったら困るでェ!」と、八回に代打・原口の2点打&不振に別れを告げるスランプ近本の本日2安打目が適時打に! で、取りも取ったりの11得点ときたもんだー!  そんな中、やはり本日もほれぼれするくらいに頼れたのが、4打点の43歳、福留さまでーす?  大レジェンドは、調子の上がらない近本にアドバイスし、16日のヤクルト戦では同点打と決勝アーチを放ってヒーローになったにもかかわらず、翌日の2軍戦に志願出場して二塁打を打つ、まさにプロの中のプロ野球人! そこで阪神さん、お願いです。この気配り万全の福留さまに、コーチとは別の、プロ野球史上初の『チーママ』というポジションを考えて下さーい! さあ、阪神特急このまま突っ走るでー!!

◆先制、中押し、ダメ押し。相手のミスや四球があったとはいえ、そこで確実に点を取っているのは、チームがいい流れになっている証拠だ。  ノーヒットで3点を勝ち越した四回も、1死一塁から近本のセーフティーバント(犠打失策)、糸原の粘っての四球(9球)が効いていた。一回もそうだが、やはり1番の近本が出塁すれば、相手のリズムを崩すことができる。今は2番の糸原が好調。近本はその間に調子を上げていくことが大事だ。そして糸原の調子が落ちてきたときに、今度は近本が糸原を助ける。そうやってお互いをカバーしあえれば、チーム力を高く保てる。  しかも今年の阪神は選手層が厚い。マルテが故障しても大山が活躍し、この日のように糸井やボーアが休んでも、福留らが仕事をする。糸井は最近、少し動きがよくないと感じていたので、今後も福留と併用でもいいのではないか。そこは監督の手腕、采配次第。ベンチにも選手がそろっているだけに、うまく回して起用していければ、勝率5割から一気に貯金を増やしていけるのではないか。(本紙専属評論家)

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
巨人
1671 0.696
(↑0.014)
-
(-)
96129
(+5)
76
(+3)
31
(+2)
17
(+1)
0.268
(↑0.004)
3.140
(↑0.01)
2
(-)
ヤクルト
13102 0.565
(-)
3
(↓0.5)
95122
(+3)
124
(+3)
21
(-)
19
(+1)
0.262
(↑0.004)
4.580
(↑0.09)
3
(1↑)
阪神
12120 0.500
(↑0.022)
4.5
(-)
9690
(+11)
104
(+3)
24
(-)
15
(-)
0.248
(↑0.007
4.130
(↑0.1)
4
(1↓)
DeNA
12140 0.462
(↓0.018)
5.5
(↓1)
94103
(+3)
95
(+5)
22
(+1)
4
(-)
0.277
(-)
3.620
(↓0.06)
5
(-)
広島
9132 0.409
(-)
6.5
(↓0.5)
96115
(+3)
116
(+3)
24
(-)
11
(-)
0.289
(↓0.001)
4.510
(↑0.09)
6
(-)
中日
10161 0.385
(↓0.015)
7.5
(↓1)
9393
(+3)
137
(+11)
15
(+1)
5
(-)
0.255
(↓0.002)
4.730
(↓0.11)