広島(★1対12☆)巨人 =リーグ戦5回戦(2020.07.15)・MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島=
このエントリーをはてなブックマークに追加

 123456789
巨人
102025101121102
広島
0000000011621
勝利投手:戸郷 翔征(3勝0敗0S)
敗戦投手:K.ジョンソン(0勝3敗0S)

本塁打
【巨人】ウィーラー(1号・5回表2ラン),岡本 和真(7号・6回表2ラン)
【広島】鈴木 誠也(7号・9回裏ソロ)

  DAZN
チケットぴあ 広島戦チケット予約 巨人戦チケット予約
◆巨人は初回、岡本の適時打で先制に成功する。その後は5回表にウィーラーの2ラン、続く6回には岡本の2ランが飛び出すなど、終わってみれば11安打で12得点を挙げた。投げては、先発・戸郷が6回無失点の好投で今季3勝目。敗れた広島は、投打ともに精彩を欠いた。

◆広島K・ジョンソン投手(35)は巨人戦通算8勝4敗だが、マツダスタジアムでの巨人戦は7試合で3勝0敗、防御率1・32。19年5月4日から13イニング連続無失点中と好成績を残す。得意の相手から今季初勝利なるか。

◆巨人坂本勇人内野手(31)が今季初犠打を決めた。 初回無死一塁、広島先発K・ジョンソンの初球142キロを一塁線に転がし、1球で成功させた。 チームはその後、2死二塁から岡本の中前適時打で先制。頼れるキャプテンが先制点をお膳立てした。

◆巨人中島宏之内野手(37)が、左前へ適時打を放った。 1点リードの3回。内野ゴロの間に1点追加し、なお2死三塁の場面で打席に入るとカットボールを捉えた。「絶対に、もう1点とる気持ちで打席に入りました。まだ早い回だし、追加点が欲しかったので、打てて良かったです!」とコメントした。

◆広島先発のクリス・ジョンソン投手(35)が5回5安打5失点で降板した。 立ち上がりから制球を乱し、初回2死二塁から巨人岡本に中前適時打であっさり先制点を献上。3回には連続四球も絡み2点を失い、5回にはウィーラーに左中間への1号2ランを被弾した。今季は開幕から4試合に先発し、いまだに勝ち星を挙げられていない。

◆巨人岡本和真内野手(24)が先制打を放った。初回2死二塁、広島先発K・ジョンソンのチェンジアップを捉え、中前に運んだ。「初回だったので先制点が欲しかったですし、チャンスだったので打てて良かった」とコメント。無死一塁から坂本の犠打でつくった好機を生かした。

◆「ポテトヘッド」こと巨人ゼラス・ウィーラー内野手が、移籍後初のアーチを描いた。3点リードの5回1死一塁。K・ジョンソンのカットボールを左中間へ運んだ。 9日阪神戦以来のスタメン。「強く打てるボールを待っていたが、甘いボールにしっかり反応することが出来た。チームにとってもいい追加点になったと思う。最高だね」。今季初の3番で結果を残し、ベンチで満面の笑みを見せた。

◆先発は広島K・ジョンソン、巨人戸郷。巨人は初回、岡本の適時打で先制。3回にも2点を追加。広島は3回まで無安打無得点。 巨人は5回にウィーラーの1号2ランで2点を追加。6回に岡本の7号2ランなどで一挙5点を挙げた。広島は6回まで無得点。 巨人が大勝で広島に連勝し、3カードぶりの勝ち越し。先発戸郷が開幕から3戦で3勝目。広島K・ジョンソンは0勝3敗となった。

◆高卒2年目の巨人戸郷翔征投手が開幕から3戦3勝。巨人で高卒2年目以内に開幕3連勝は87年桑田以来、33年ぶり。 3本柱と呼ばれた槙原、斎藤雅、桑田の3人は全員高卒2年目に開幕3連勝以上したが、登板3試合目までは槙原2勝、斎藤雅0勝、桑田2勝。 高卒1年目の66年に開幕13連勝、2年目の67年に開幕8連勝した堀内も3試合目までに3勝はしておらず、2リーグ制後の巨人で高卒2年目以内に「開幕3戦3勝」は戸郷が初めて。

◆巨人は初回に岡本の適時打で先制すると、6回に5点を挙げるなど11安打12得点で勝利した。チームは2連勝、先発戸郷は3戦3勝となった。敗れた広島は6回途中まで無安打に抑えられるなど完敗した。

◆巨人は天敵だった広島K・ジョンソンを2試合連続で攻略し、2連勝を飾った。 1回は岡本の適時打、3回は無死満塁からの併殺打と中島の適時打で2点を追加し、序盤から主導権を握った。原辰徳監督(61)は「3点目のタイムリー、中島。それとやっぱりウィーラーの2ランは非常に大きかったと思いますね」と評価した。 6回無失点で開幕から3連勝を飾った戸郷については「ジョンソンに2回投げ勝っているというのは、非常に価値のある勝ち星だと思いますね」 2連勝で迎える3戦目に向けて「いい形で今日のような先制、中押し、そしてだめ押しという形になれば一番いいなというふうに思っています」と言った。

◆先発の広島クリス・ジョンソン投手(35)が5回5安打5失点で今季3敗目を喫した。終始制球が安定せず、4四球を与える展開で、巨人ウィーラーには移籍初アーチも献上した。 マツダスタジアムでの巨人戦は通算8試合目で初黒星、開幕から登板4試合勝ち星なしは来日6年目で自己最長となった。チームも連敗で借金は今季ワーストタイの3。来日5年間で57勝を挙げた左の柱がなかなか勝てない。マウンド上にチームの勝ち頭の姿はなかった。K・ジョンソンは終始いら立ちを抑えられず、制球は最後まで不安定で5回5安打5失点。相手に傾いた流れを断ち切ることができなかった。開幕から4試合に先発し、いまだに勝ち星はなし。リーグワーストの今季3敗目を喫した。試合後左腕は球団を通じ「次に向けて頑張ります」と前向きなコメントを残した。 出ばなをくじかれた。初回に先頭の北村に右前打を許すと、2死二塁から岡本に変化球を中前へ運ばれあっさり先制点を奪われた。小雨が降り注いだ3回には連続四球も絡み、さらに2失点。負の連鎖は止まらない。5回にはウィーラーに直球を捉えられ、右中間へダメ押しの2ランを被弾した。 佐々岡監督は左腕の内容について「四球が全部点に絡んだ。そういうところを変えないとチームにリズムが生まれない」と指摘。「投手中心の守りの野球をしようと言っておいて、それができていない。せっかくファンに入ってもらった中で失礼な試合をして申し訳ない」と肩を落とした。 勝利の条件はそろっていた...はずだった。この日の試合前までK・ジョンソンは巨人戦通算8勝4敗。本拠地マツダスタジアムに限れば7試合で3勝0敗、防御率は1・32と圧倒的なGキラーぶりを発揮していた。同戦では19年5月4日から13イニング連続無失点を続けていたが、初回に簡単に好データを崩された。 来日1年目の15年には14勝7敗、防御率1・85で最優秀防御率を獲得。自身最多の15勝を挙げ、25年ぶりのリーグ優勝に貢献した16年は海外出身選手としては史上2人目の沢村賞を受賞していた。昨季も大瀬良と並びチームトップタイの11勝を挙げ、今季も左腕の柱として期待されていた。しかしまだ本来の姿を見せることができていない。5年間で57勝を挙げた助っ人左腕の復活がチーム浮上の鍵を握っている。【古財稜明】

◆この日1軍に昇格したばかりの広島一岡竜司投手が今季初登板で8回を3者凡退で切った。 重信に続き、この日4打点のウィーラーを空振り三振。4番岡本は直前の球との球速差約30キロの緩いカーブで遊ゴロに打ち取った。最速149キロに「お客さんがいて、かなりアドレナリンが出て、ファームで出ないようなスピードが出た。(観客数)0と5000では全然違う」と手応えを得ていた。

◆広島打線がまたも戸郷の前に沈黙した。4回まで無安打。5回2死から田中広のチーム初安打の三塁打も、後続が凡退。低めを捨て、浮いた球に絞る狙いを徹底できず、6回2安打無得点に抑えられた。 その後も継投で交わされ、9回に鈴木誠の7号ソロで完封を免れるのがやっと。前回対戦に続く戸郷への勝ち星献上に、朝山東洋打撃コーチは「何か打開策を練らないと。選手は思い切ってやっている。僕らが違う方面から対策やアドバイスができれば」とリベンジを誓った。

◆巨人原監督は1回無死一塁から2番坂本に犠打のサインを出し、先制点につなげた。坂本の初回の犠打は6年ぶり。 昨季3度の犠打機会はいずれも僅差の試合終盤だったが「そうそうチャンスはない中で、スコアリングポジションに進めたかった」と広島K・ジョンソンを攻略。8番までに右打者を7人並べ「手ごわい投手ですし、思い切ったことが今の状況ならできる」。2安打で起用に応えた1番北村には「去年いなかったジョンソンキラーになりつつある」と評価した。

◆巨人2代目若大将・岡本和真内野手が、2戦連発の7号2ランを放った。8点リードの6回2死三塁。初球147キロ直球を捉え、左中間席へ着弾させた。 1回には「初回だったので、先制点が欲しかったですし、チャンスだったので打てて良かった」と中前への先制適時打もマーク。効果的に得点を生みだし、戸郷を援護した。

◆広島一岡竜司投手(29)が今季初昇格初登板を果たした。大量ビハインドの8回に登板。2者連続三振を含む3者凡退で終えた。 先頭重信を力で追い込むと、最後は149キロで空振り三振に切った。この日4打点のウィーラーも149キロの直球などで追い込み、最後はフォークで空を切らせた。続く岡本には1ボールから147キロでストライクを奪った直後の3球目、119キロカーブで遊ゴロに打ち取った。「お客さんがいてかなりアドレナリンが出て、ファームで出ないようなスピードができた。(観客数)0と5000では全然違う」。球が走り、緩急も有効だった。 開幕から安定しない広島中継ぎ陣に実績ある一岡が1軍に上がってきた。「開幕に漏れたのは悔しかったけど、1軍の連絡をもらったときは自分にとってはいいタイミングだと思った。今日上がってきた立場なので、どんな場面でも行きたいと思います」。大敗した中で唯一ともいえる佐々岡広島の光明となった。

◆歴史に確かな足跡を刻んだ。巨人戸郷翔征投手(20)が6回2安打無失点の好投で、リーグトップタイの3勝目を挙げた。高卒2年目以内で開幕ローテーション入りし、開幕から3戦3勝は、2戦2勝の桑田真澄を超え2リーグ制以降では球団初。巨人原辰徳監督(戸郷の交代に)「球数ですね。彼は若い。強い投手ではあるけど、まだできたてほやほやの投手。少し手綱を引いた状態で次に向かわせたというところですね」。

◆歴史に確かな足跡を刻んだ。巨人戸郷翔征投手(20)が6回2安打無失点の好投で、リーグトップタイの3勝目を挙げた。高卒2年目以内で開幕ローテーション入りし、開幕から3戦3勝は、2戦2勝の桑田真澄を超え2リーグ制以降では球団初。今季初登板、初勝利を挙げた6月23日に続き、これで広島戦2勝目。昨季チームが10勝14敗1分けと唯一負け越した相手にもびくともしない「コイキラー」の活躍で、チームは首位をキープした。試合が終わり、再びグラウンドに足を踏み入れると、戸郷は桑田を超える3戦3勝の喜びをかみしめた。「大先輩に少しでも近づこうと思っていた。もっともっと近づいていけるように。頑張っていきたい」と浮かれることなく、地に足を着けた。 試合前にはまた雨が降った。先発予定だった7日阪神戦、10日ヤクルト戦と2試合連続雨天中止。中14日のグラウンドも湿っていたが「そんなに悪くなかった」と気に留めず、長い足で踏み込んだ。初回先頭のピレラを137キロのスライダーで空振り三振に切ると5回途中まで無安打投球。5回2死から田中広に初安打となる三塁打を浴びたが、続く代打長野をキレッキレのスライダーで投ゴロに打ちとり、ピンチを脱した。 偉業を支えた源は、下半身の屈強さだ。肘を伸ばしたまま腕を振る独特でダイナミックなアーム式投法は、強い球を投げ込める半面、テークバックが小さい投手と比べてコントロールが難しい。だが操れるだけの下地が備わる。宮本投手チーフコーチは「体は細いんだけど、走る能力とかはたけてるのよ。細いけどパワーはある」と分析する。 下半身を育む走る力は宮崎・聖心ウルスラ学園時代の坂ダッシュで培った。野球部グラウンドは小高い丘の上にあり、300メートルほどの曲がりくねった坂道を上る必要があった。ダッシュと自転車で交互に駆け上がり、戸郷が「(自転車で)止まって足を着いたら、もう1本」という忘れられない練習の1つだ。今も登板間の調整時に走り込みを欠かさず、雨にも、チームが苦手とする広島にも負けない、土台を磨き上げている。 釣りが趣味の20歳の青年は、コイを相手に早くも今季2勝目を釣り上げた。前回先発も昨年対戦時に1勝6敗と苦しんだ"大物"K・ジョンソン。試合後、原監督から声をかけられた。「『ジョンソンに2回投げ勝ったのはすばらしいこと』と。勝ててよかった」。1歩1歩踏みしめ、上を目指す。【久永壮真】

◆「何か寒かったり、暑かったりするね。ウィーラー、これ何て言うの?」「サンカンシオン」。「徳川家の第15代将軍は?」。「ヨシノブ」。「巨人の監督は?」「ヨシノブ」。当時の高橋監督の名前もスラスラ答え、ナインの爆笑を誘う。楽天在籍時の円陣では、常に中心だった。 名門ヤンキース、日本で培った人心掌握術を手に、巨人にトレード移籍でやって来たハクション大魔王。楽天時代は、仙台のバーで、バーボン片手に、いつも女の子に囲まれていた。「トイストーリー」のポテトヘッド似の愛くるしい笑顔ですぐに「トモダチ」。時には赤ちょうちんの居酒屋で、他の外国人に日本語のレクチャーに励む。 巨人にとけ込むのも、あっという間だった。後は結果だけ。今季5度目のスタメンは初の「3番」でも、呼ばれて飛び出てジャジャジャジャーンと、かち込んだ。3点リードの5回1死一塁。昨季マツダスタジアムで1度も勝てなかったK・ジョンソンから、左中間へ移籍後初の1発。「チームのみんなで対策が出来ていた」と魔法を掛けた。 テレビアニメ「ハクション大魔王2020」の公式ツイッターも「ウィーラー選手、おめでとうございます! さっすがおとたまね♪」と祝福した。それでも「向こうは向こうの仕事をしてるだけだよ」。つぼの中に隠れるように、照れ笑い。いつでもファンの願いをかなえるでごじゃる。【栗田尚樹】

◆巨人戸郷が6回2安打無失点の好投で、リーグトップタイの3勝目。6回で交代させた原辰徳監督のコメント。 「球数(103球)ですね。彼は若い。強い投手ではあるけど、まだできたてほやほやの投手。少し手綱を引いた状態で次に向かわせたというところですね」

◆歴史に確かな足跡を刻んだ。巨人戸郷翔征投手(20)が6回2安打無失点の好投で、リーグトップタイの3勝目を挙げた。高卒2年目以内で開幕ローテーション入りし、開幕から3戦3勝は、2戦2勝の桑田真澄を超え2リーグ制以降では球団初。今季初登板、初勝利を挙げた6月23日に続き、これで広島戦2勝目。昨季チームが10勝14敗1分けと唯一負け越した相手にもびくともしない「コイキラー」の活躍で、チームは首位をキープした。試合が終わり、再びグラウンドに足を踏み入れると戸郷は桑田を超える3戦3勝の喜びをかみしめた。「大先輩に少しでも近づこうと思っていた。もっともっと近づいていけるように。頑張っていきたい」と浮かれることなく、地に足を着けた。 試合前にはまた雨が降った。先発予定だった7日阪神戦、10日ヤクルト戦と2試合連続雨天中止。中14日のグラウンドも湿っていたが「そんなに悪くなかった」と、長い足で踏み込んだ。初回先頭のピレラを137キロのスライダーで空振り三振に切ると5回途中まで無安打投球。5回2死から田中広に初安打となる三塁打を浴びたが、続く代打長野をスライダーで投ゴロに打ちとり、ピンチを脱した。 偉業を支えた源は、下半身の屈強さだ。肘を伸ばしたまま腕を振る独特でダイナミックなアーム式投法は、強い球を投げ込める半面、テークバックが小さい投手と比べてコントロールが難しい。だが操れるだけの下地が備わる。宮本投手チーフコーチは「体は細いんだけど、走る能力とかはたけてるのよ。細いけどパワーはある」と分析する。 下半身を育む走る力は宮崎・聖心ウルスラ学園時代の坂ダッシュで培った。野球部グラウンドは小高い丘の上にあり、300メートルほどの曲がりくねった坂道を上る必要があった。ダッシュと自転車で交互に駆け上がり、戸郷が「(自転車で)止まって足を着いたら、もう1本」という忘れられない練習の1つだ。今も登板間の調整時に走り込みを欠かさず、雨にも、チームが苦手とする広島にも負けない、土台を磨き上げている。 釣りが趣味の20歳の青年は、コイを相手に早くも今季2勝目を釣り上げた。前回先発も昨年1勝6敗と苦しんだ"大物"K・ジョンソン。試合後、原監督から声をかけられた。「『ジョンソンに2回投げ勝ったのはすばらしいこと』と。勝ててよかった」。1歩1歩踏みしめ、上を目指す。【久永壮真】 ▼高卒2年目の戸郷が開幕から3戦3勝。巨人で高卒2年目以内に開幕3連勝は87年桑田以来、33年ぶり。3本柱と呼ばれた槙原、斎藤雅、桑田の3人は全員高卒2年目に開幕3連勝以上したが、登板3試合目までは槙原2勝、斎藤雅0勝、桑田2勝。高卒1年目の66年に開幕13連勝、2年目の67年に開幕8連勝した堀内も3試合目までに3勝はしておらず、2リーグ制後の巨人で高卒2年目以内に「開幕3戦3勝」は戸郷が初。

◆巨人・丸佳浩外野手(31)が15日、広島5回戦(マツダスタジアム)の先発を外れ、今季初のベンチスタートとなった。丸が巨人移籍後、先発を外れたのは昨年の優勝決定直後の9月22、23日のヤクルト戦(神宮)のみ。中堅には陽岱鋼が、3番には楽天から移籍したウィーラーが左翼で起用された。  丸は試合前練習では通常メニューを行っていた。この日の広島の先発は左腕のK・ジョンソン。原監督は7番のパーラ以外はすべて右打者を並べるオーダーを組んだ。

◆広島・西川龍馬内野手(25)が15日、巨人5回戦(マツダ)に「3番・中堅」でスタメンに名を連ねた。  打撃技術の高い正中堅手は前日14日の八回の守備でベンチへ退き、右翼の鈴木誠が中堅へ、三塁の堂林が右翼へ守備位置を変更した。  正右翼手の鈴木誠の中堅守備は2015年6月7日の楽天戦(マツダ)以来1864日ぶり。昨年に通算2119安打を誇る前田智徳氏から背番号「1」を継承してから初めてで、オールドカープファンから歓喜の声が上がっていた。

◆巨人が大量点を奪い2連勝。先発の戸郷が6回2安打無失点の好投で3勝目を挙げた。広島は要所で適時打や本塁打を浴び、打線も五回途中まで無安打と投打に精彩を欠いた。  巨人は一回2死二塁で岡本が広島先発のK・ジョンソンから中前適時打を放ち先制。三回には無死満塁で岡本の遊ゴロ併殺打の間に三走・北村が生還。さらに中島の左前適時打で追加点を挙げた。  五回にはウィーラーが左中間席に巨人移籍後初の一発となる1号2ラン。六回には2死満塁からウィーラーの中前適時打を中堅・西川が後逸し3者が生還。続く岡本が7号2ランを放ち10-0とすると七、九回にも1点を追加した。広島は九回に鈴木誠の7号ソロで1点を返すのが精いっぱいだった。

◆広島は今季ワーストの12失点と打ち込まれた。今季初勝利を狙ったK・ジョンソンは制球が不安定でウィーラーに移籍後初本塁打を許すなど5回5失点と崩れた。中継ぎ陣も勢いづいた巨人打線を止められず、失点を重ねた。  打線も戸郷に封じ込まれ、九回に鈴木誠のソロによる1点に終わった。上限いっぱいの5000人の観衆が訪れた本拠地での大敗。佐々岡監督は「投手中心の守り勝つ野球と言っておきながら、それができない。ファンに入ってもらった中で失礼な試合をして申し訳ない」とわびた。

◆待望の移籍後初アーチが飛び出した。3点リードの五回1死一塁。巨人のゼラス・ウィーラー外野手(33)が広島先発、K・ジョンソンの速球を左中間席に突き刺した。  「甘い球にしっかり反応できた。最高だね」と満面の笑みを浮かべた。  6月末に楽天から交換トレードで加入。打率・133で長打ゼロと苦しんでいたが、この日は左腕対策として8人中7人の右打者を並べた原監督に「3番・左翼」で抜擢(ばってき)された。  不調の丸が今季初のベンチスタートとなる中、六回2死満塁では走者一掃の中前2点打(記録は安打と失策)を放つなど2安打4打点の大暴れ。陽気な新助っ人は「いい勝利」と余韻に浸った。  昨季は3敗を喫した"天敵"K・ジョンソンを攻略し、2010年8月29日以来、10年ぶりにマツダスタジアムで12得点。前日14日に歴代単独12位の通算1035勝を達成した指揮官は、プロ初の複数安打をマークした北村とともにウィーラーを「ジョンソンキラー」とたたえた。(伊藤昇)

◆セ・リーグ首位の巨人は15日、広島5回戦(マツダ)に12-1で大勝し、2連勝。今季3度目の先発マウンドに上がったプロ2年目の右腕、戸郷翔征投手(20)が6回2安打無失点で、無傷の3勝目を挙げた。高卒2年目以内での開幕から3戦3勝は、1987年の桑田真澄を超え、2リーグ制となった1950年以降では球団史上初の偉業となった。  細長い腕に隠された力と技術で、歴史の扉をこじ開けた。186センチ、75キロの戸郷が"桑田超え"の白星。あどけなさの残る顔に笑みを浮かべた。  「(桑田氏に)一歩でも近づこうと思っていた。そういう大先輩の記録に、一つ一つでも近づけるように、これからも頑張っていきたい」  雨で2度の先発機会が流れ、中14日で迎えたこの日も小雨が降った。だが五回2死で田中広に三塁打を許すまで無安打に封じた。スライダー、フォークボールを主体に、今季最速の153キロを計測した直球が光った。味方の大量援護もあり、6回103球、2安打無失点でマウンドを降りた。  無傷の3連勝。高卒2年目以内で開幕から3戦3勝は1987年に開幕2勝(3戦目は勝敗つかず)した桑田真澄を超え、球団史上初の快挙。2000年生まれの20歳は、自身が誕生前の桑田氏の映像を鑑賞したこともあるといい、「真っすぐで押していけるのがすごい」と尊敬する。  桑田氏はPL学園を甲子園で優勝2度、準優勝2度に導き、ドラフト1位で入団して通算173勝を挙げた大投手。一方、戸郷は宮崎・聖心ウルスラ学園時代の甲子園出場は1度で、ドラフト6位。全国的な知名度とは無縁だった宮崎育ちの純朴な男が、レジェンドの道のりをたどる。  2018年10月25日。巨人に指名されたドラフト会議の夜、両親と近所の回転すし店に向かった。他の席にいた客から「巨人に指名された戸郷さんですか?」と写真撮影を求められた。「びっくりしました。両親が喜んでくれて、うれしかった」。高校時代の桑田氏なら日常茶飯事だったかもしれないが、戸郷には忘れられない瞬間だ。そこから2年足らずで、知名度は急上昇。大ブレークの兆しも漂い始めた。  「まだまだできたてほやほやの投手。少し手綱を引いた状態で次に向かわせた」  原監督は無失点でも戸郷を6回で交代させた理由を明かしつつ、「K・ジョンソンに2回投げ勝っているというのが非常に価値がある」と繰り返した。5年連続で負け越している宿敵・広島からの2連勝で首位をキープ。大投手への階段を上がる戸郷が、巨人をさらに勢いづけた。(谷川直之)

◆戸郷の投球は、「菅野に次ぐ2番手」の評価に見合うものだった。  球に力がある。変化球の球種はスライダーとフォークボールぐらいだが、少し変則的なフォームで腕の振りがいい。細かいコントロールはないものの、しっかりと投げ切れているから、打者にとっては間が取りにくいというか、対応しづらい投手だろう。  ピンチでも落ち着いていて、マウンドさばきが冷静。なにより度胸があるから、打者に向かっていっている。ボールが先行しても簡単に四球を出さない粘りは、制球に苦しんでいたK・ジョンソンと対照的だった。  過去2試合は七回途中での降板。この日は七回の攻撃で11点差がついたので、その裏の打席で代打を送られた。本人は投げたかったかもしれないが、チームは救援陣が苦しい状況なので、競った展開だったら続投だったと思う。  高卒2年目で、シーズンを通して投げるのは未知数。今後は最低でも七回まで投げて、さらに信頼を勝ち取ってもらいたい。(本紙専属評論家)

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
巨人
1271 0.632
(↑0.021)
-
(-)
100109
(+12)
66
(+1)
25
(+2)
13
(-)
0.264
(↑0.003
3.270
(↑0.12)
2
(-)
ヤクルト
1281 0.600
(↑0.021)
0.5
(-)
99104
(+9)
102
(+5)
21
(+1)
16
(-)
0.249
(↑0.007)
4.380
(↓0.03)
3
(-)
DeNA
12100 0.545
(↓0.026)
1.5
(↓1)
9897
(+1)
76
(+2)
21
(+1)
4
(-)
0.283
(↓0.002)
3.370
(↑0.05)
4
(-)
広島
8111 0.421
(↓0.023)
4
(↓1)
10095
(+1)
93
(+12)
21
(+1)
7
(-)
0.283
(↓0.005)
4.340
(↓0.36)
5
(1↑)
中日
9131 0.409
(↑0.028)
4.5
(-)
9778
(+2)
114
(+1)
13
(-)
4
(+1)
0.257
(-)
4.790
(↑0.17)
6
(1↓)
阪神
8120 0.400
(↓0.021)
4.5
(↓1)
10061
(+5)
93
(+9)
21
(+2)
14
(+1)
0.239
(↑0.002)
4.480
(↓0.2)