巨人(☆3対2★)阪神 =リーグ戦1回戦(2020.06.19)・東京ドーム=
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阪神
0010100002701
巨人
00010020X3801
勝利投手:菅野 智之(1勝0敗0S)
(セーブ:デラロサ(0勝0敗1S))
敗戦投手:岩崎 優(0勝1敗0S)

本塁打
【阪神】西 勇輝(1号・3回表ソロ)
【巨人】吉川 尚輝(1号・7回裏2ラン)

  DAZN
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◆巨人は0-1で迎えた4回裏、中島の適時打で同点とする。その後は勝ち越しを許すも、7回に吉川尚が2ランを放ち逆転に成功した。投げては、先発・菅野が7回2失点の好投。敗れた阪神は、先発・西勇が6回1失点と力投するも、2番手・岩崎が痛恨の一発を浴びた。

◆巨人山口寿一オーナーが、試合前に原辰徳監督(61)やコーチ、選手たちを激励した。 「ついに開幕を迎えました。日本中が苦労している年だからこそ、ジャイアンツは勝ちたい。勝って、大勢の方たちを喜ばせたいと思います。間違いなく今年のプロ野球は歴史に残るシーズンになります。だから優勝して、日本一になる。そのために必要なことは、我々は何でもやります。読売は総力を挙げて、ジャイアンツをもり立てます。まずは6000勝、その後も力強く、勝ち進んでほしいと思います」

◆巨人原辰徳監督(61)が、試合前の開幕セレモニーでスピーチを行った。 阪神矢野監督の後に登場。「2020年。6月19日。プロ野球開幕いたします。関係各位のみなさま、ファンのみなさま。全てのみなさまに感謝いたします。そして何より選手たち。こういう状況の中、コンディションを整え、元気に立つ姿、改めて敬意を表し、健闘を祈ります。われわれは、プロとして胸と胸を突き合わせ、勝利を目指し、正々堂々と戦うことをここに誓います」と話した。

◆阪神矢野燿大監督(51)が「困難に挑戦する姿を見せる」と誓った。 試合前に行われた開幕セレモニーでマイクの前に立ち、「僕たち、阪神タイガースの今季のスローガンは『It's 勝笑 Time!』。ショータイムのショーは英語ではなく感じで『勝』という字のなかに『笑』という字を入れています」と説明。「今季を戦う上でうまくいかないこと、苦しいこと、困難な状況があると思いますが、そういう時こそ、前を向き、チャレンジし、困難に挑戦していく姿をみなさんにお見せしていきます」と続けた。

◆巨人長嶋茂雄終身名誉監督が、開幕にあたってコメントを発表した。 「これまで人類が経験しえなかった、先を見通すことが出来ないという、困難な状況にあったにもかかわらず、こうして日本のプロ野球が開幕できたことは、まさに万感の思いです。日本野球機構、球団関係者、選手の皆様、ならびに、今まで心待ちにしてくださったファンの皆様には、本当に感謝の気持ちで一杯です。私には、これまでの尽力が、見えない敵には屈しない、という野球人としての意思表示であったように思えてなりません。またこの国から野球という灯を消してたまるか、という決意であったようにも思えます。本日の開幕は、私の野球人としての矜持(きょうじ)を思い起こしてくれました。試合前、チームにはメッセージを送りました。『オレたちは野球が出来るんだ! という喜びをかみしめてプレーして欲しい。GIANTSのユニホームに誇りを持ってプレーして欲しい。あとは原監督を信じて一丸となれば、おのずと結果はついてくる』と。3カ月遅れの球音が、再びこの国を元気にしてくれることを願ってやみません」

◆スタメン出場した巨人坂本勇人内野手(31)は、1打席目に見逃し三振に倒れた。阪神との開幕戦に「2番遊撃」でスタメン出場。1回無死一塁から西勇と対戦し、外角134キロの変化球に手が出なかった。 坂本は新型コロナウイルス陽性判定を受けて入院し、12日に退院した。16、17日の楽天とのイースタン・リーグ練習試合の出場を経て、退院からわずか7日後の開幕戦に合わせた。

◆阪神が開幕投手西勇輝投手(29)のプロ1号で先制した。 3回2死無走者。相手エース菅野の初球を振り抜いた。真ん中に入った147キロ直球を引っ張った打球はグングン伸び、左翼ポールの上方に当たる特大ソロ。チーム初安打がプロ12年目西勇の初本塁打というサプライズで、阪神打線が幕を開けた。 阪神投手の開幕戦本塁打は2リーグ制後初となった。

◆巨人菅野智之投手(30)が、勝利投手の権利を持ってマウンドを降りた。 内容は7回107球を投げ、6安打2失点8奪三振。 一塁走者だった5回無死一塁の場面では、吉川尚の投ゴロで二塁にスライディング。滑り込んだ際に阪神木浪と接触し、苦悶(くもん)の表情を浮かべた。 6回も続投し、7回の打席で代打を送られた。

◆また西勇のバット! 阪神が開幕投手西勇輝投手(29)の2打席連続安打で勝ち越しに成功した。 3回にプロ1号の先制ソロを放った西勇は4回に同点とされた。5回は1死から8番梅野が右越え二塁打で出塁し、9番西勇の第2打席。相手エース菅野の140キロスライダーを左中間に運んだ。本塁打は147キロの直球をたたいたが、今度は鋭い変化球を捉える適時二塁打。 なお西勇が3回2死で左翼ポール上方に当てたソロは、阪神投手では2リーグ制後初となる開幕戦本塁打だった。 昨季は26試合で4打点の右腕が、開幕戦で早くも2打点。投げても巨人打線を4回まで1点に抑え、投打でチームを引っ張っている。 ▼開幕投手の西勇(阪神)と大瀬良(広島)が本塁打。開幕戦で本塁打を打った投手は08年川上(中日)以来で12、13人目(14、15本目)。阪神では38年春の御園生以来2人目、広島でも80年池谷(広島)以来2人目となり、同一年の開幕戦で2人の投手が本塁打は初めてだ。2人ともプロ初アーチで、開幕戦でプロ1号の投手は来日1号の04年ベバリン(ヤクルト)を含め4、5人目。2人は適時安打も打っており、西勇が2打点、大瀬良が3打点。開幕戦で投手の3打点は75年平松(大洋)以来。

◆プロ20年目のベテラン巨人中島宏之内野手が、20年のチーム初得点となる適時打を放った。 1点を追う4回2死二、三塁。阪神西勇のシュートに詰まりながらも、三遊間に運び、激走で内野安打とした。「もっといい当たりの気持ちで打ったんだけど、H(ランプ)がついたので良かった」。亀井と並び、野手最年長の男が存在感を発揮。2戦目は5番でスタメン出場する。

◆巨人吉川尚輝内野手(25)が逆転2ランを放った。 1点を追う7回1死二塁。カウント2-1から阪神岩崎の内角低めの138キロ直球を右翼席へ運んだ。「(石川)慎吾さんがつないでくれたので、続けるようにつなぐ意識で打席に入りました。その気持ちが最高の結果になりましたね!」と喜んだ。 この回は、先頭の代打石川が右前打で出塁。9番菅野の打席で、高卒3年目の湯浅がプロ初出場の初打席で犠打を決め、好機を演出していた。

◆巨人が開幕戦で阪神に勝利し、プロ野球史上初の球団通算6000勝を達成した。球団初勝利は、36年7月3日大東京戦で畑福俊英、スタルヒンのリレーで10-1で快勝。昭和、平成、令和と時代は移ろいながら、昭和のV9、平成の2度のリーグ3連覇(07~09年、12~14年)など、リーグ37度の優勝を誇る常勝軍団が新たな歴史を刻んだ。 指揮を執る原辰徳監督(61)は5000勝(07年5月2日の中日戦)、5500勝(13年5月25日のオリックス戦)に続き、球団のメモリアル勝利をマークした。監督通算では球団歴代3位の1025勝目で、今季は同2位の1034勝の長嶋茂雄氏、同1位の1066勝の川上哲治氏超えを視界にとらえる。 ◆川上、長嶋、原の勝利数比較 原監督は現役時代に1697試合出場。選手で出場した試合のチームは907勝720敗70分けだった。99~01年の1軍コーチ時代に228勝、監督で1025勝しており、選手とコーチ、監督を合わせて2160勝に貢献。監督の勝利数はチーム3位で、「選手+コーチ+監督」の勝利数も川上の2473勝、長嶋の2291勝に次いでチーム3位。   ▼巨人長嶋終身名誉監督「6000勝の中には、歓喜の1勝も、苦しみ抜いて勝ち取った1勝もありました。巨人軍の長い歴史には常にファンの方々の大声援があり、苦しい時も背中を押していただき、勇気をもらいました。新型コロナウイルスの影響で無観客での開幕になりましたが、ファンの方あってのプロ野球であり、6000勝はまだまだ通過点です。今年はリーグ連覇、そして昨年果たせなかった日本一奪回という目標に向かってまい進してください」 ▼ソフトバンク王会長「原監督、コーチ、選手、スタッフの皆様、通算6000勝おめでとうございます。86年という長い巨人軍の歴史の中で、多くの方たちの努力が1つずつ積み重なった結果だと思います。巨人は常に勝利を求められる特別な球団です。新型コロナウイルスによって無観客試合になりましたが、野球をできることに感謝し、これからもファンに愛され、ファンの皆さんとともに歩んで行って下さい」

◆阪神は3回、先発西勇の1号ソロで先制。投げては3回まで3奪三振で無安打に抑える好投。巨人菅野は3回まで1安打1失点。 巨人は4回2死二、三塁から中島の遊撃内野安打で追いついた。阪神は5回1死二塁から、西勇の左中間を破る二塁打で勝ち越し。 巨人は7回に吉川尚の2ランで逆転。7回2失点の菅野から中川、デラロサとつなぎ、プロ野球初の通算6000勝に到達した。 巨人菅野が今季初勝利、3番手デラロサが初セーブを挙げた。阪神2番手岩崎が今季初黒星を喫した。

◆巨人長嶋茂雄終身名誉監督(84)ソフトバンク王貞治会長(80)が、巨人軍の通算6000勝に対してコメントを寄せた。▼巨人長嶋終身名誉監督 6000勝の中には、歓喜の1勝も、苦しみ抜いて勝ち取った1勝もありました。巨人軍の長い歴史には常にファンの方々の大声援があり、苦しい時も背中を押していただき、勇気をもらいました。新型コロナウイルスの影響で無観客での開幕になりましたが、ファンの方あってのプロ野球であり、6000勝はまだまだ通過点です。今年はリーグ連覇、そして昨年果たせなかった日本一奪回という目標に向かってまい進してください。 ▼ソフトバンク王会長 原監督、コーチ、選手、スタッフの皆様、通算6000勝おめでとうございます。86年という長い巨人軍の歴史の中で、多くの方たちの努力が1つずつ積み重なった結果だと思います。巨人は常に勝利を求められる特別な球団です。新型コロナウイルスによって無観客試合になりましたが、野球をできることに感謝し、これからもファンに愛され、ファンの皆さんとともに歩んで行って下さい。

◆巨人菅野智之投手が開幕戦で14~16年に次ぎ4年ぶり勝利。開幕戦で通算4勝は、別所毅彦(51、53、55、56年)斎藤雅樹(93~96年)に並ぶ球団最多となった。

◆阪神開幕投手の西勇輝投手が3回に本塁打。開幕戦で本塁打を打った投手は08年川上(中日)以来12人、14本目となり、阪神では38年春の御園生以来、82年ぶり2人目。西勇はプロ12年目で初アーチ。 開幕戦でプロ1号の投手は、来日1号の04年ベバリン(ヤクルト)を含め4人目になる。西勇は5回には適時打を放ち、開幕戦で投手の2打点は83年西本聖(巨人)以来だった。

◆巨人岐阜羽島の忍者・吉川尚輝内野手が、バットで魅せた。 1点を追う7回1死二塁。阪神岩崎の内角低め138キロを右翼スタンドへ運んだ。球団通算6000勝を呼び込む逆転2ラン。「無観客でしたけど、すごく緊張感あった。とにかく集中してつなぐ意識でした」。原監督は「本当は抱きしめたかったけどね。非常に劇的な、今年の彼は新戦力になってくれると言う点では最高のスタートを切りましたね」と称賛した。

◆阪神開幕投手の西勇輝投手が3回に本塁打。開幕戦で本塁打を打った投手は08年川上(中日)以来12人、14本目となり、阪神では38年春の御園生以来、82年ぶり2人目。西勇はプロ12年目で初アーチ。 広島大瀬良大地投手は2年連続で開幕戦白星を飾った。降雨で試合開始が30分遅れたが、動じることなく、安定感のある投球を見せた。DeNAの強力打線を4安打1失点に抑え、12球団完投一番乗りを果たした。9回にダメ押し2ランを放つなど打でも2安打3打点。佐々岡監督に初勝利をプレゼントした。▼開幕投手の西勇(阪神)と大瀬良(広島)が本塁打。開幕戦で本塁打を打った投手は08年川上(中日)以来で12、13人目(14、15本目)。阪神では38年春の御園生以来2人目、広島でも80年池谷(広島)以来2人目となり、同一年の開幕戦で2人の投手が本塁打は初めてだ。2人ともプロ初アーチで、開幕戦でプロ1号の投手は来日1号の04年ベバリン(ヤクルト)を含め4、5人目。2人は適時安打も打っており、西勇が2打点、大瀬良が3打点。開幕戦で投手の3打点は75年平松(大洋)以来。

◆開幕戦で矢野阪神が勝利の方程式での逃げ切りに失敗した。1点リードの7回。ベンチが送り出したのは岩崎だ。先頭の代打石川に右前打を許し、送りバントで1死二塁。1番吉川尚への4球目だった。内角低め直球を捉えられ、逆転2ランを被弾。昨年48戦登板で防御率1・01、無敗を誇ったセットアッパー左腕がいきなり負け投手となった。 矢野監督 うちの形としてそういう形でいこうと。それだけで決めているわけじゃないけど、総合的に決めた中での判断。もちろん日程的に(厳しいことも考慮して)っていうのはゼロではないけど。西の飛ばしてる、いろいろ疲れてるっていうなかで俺が下した決断。もちろん俺の責任。 西勇は6回97球。勝敗の分岐点となった継投を、指揮官はそう振り返った。 岩崎は今季、何とか開幕に間に合っていた。5月31日の紅白戦で投げたが、6月はコンディション不良で、なかなか実戦登板できなかった。1軍練習試合は13日の1試合登板のみ。3日後の16日2軍練習試合でも投げ、滑り込んだ。この日は29歳の誕生日だったが、つらい結果となった。 矢野監督 ファームは見に行っていたし、そのボールを見ても今までの優とそんなに変わりない、俺の中ではそう見えていた。 前日18日に矢野監督は先発西勇から、救援陣も奮闘し、最後は藤川で締めるプランを描いていた。昨季6回終了時にリードしていた試合は、45勝4敗4分け、勝率9割1分8厘。今季も開幕から得意の方程式で逃げ切りを図ったが、実らなかった。宿敵巨人に節目の6000勝を献上したが、戦いは始まったばかりだ。 矢野監督 みんなしっかりやってくれた。俺の責任。勝負分けたと言うだけで。みんなやり切ってくれた。開幕としては悔しい結果になったけど、自分たちの野球をするのは、みんな気持ちと姿勢を見せてくれた。だからこそ悔しい。 黒星で始まったが、日本一のゴールは変わらない。試合前のセレモニーで宣言した言葉のまま戦い抜く。 「今季を戦う上でうまくいかないこと、苦しいこと、困難な状況があると思いますが、そういう時こそ、前を向き、チャレンジし、困難に挑戦していく姿をみなさんにお見せしていきます」-。【松井周治】

◆「心優しきサメダンス」こと巨人のヘラルド・パーラ外野手(33)が、来日初安打を記録した。 1点リードの8回1死。スライダーを引っかけた打球は二遊間へ。一塁への激走はいったんはアウトの判定となるも、リクエストの結果、セーフに覆った。塁上では親指と人さし指をつまむような「ミニシャークダンス」を披露した。 登場曲の「ベイビーシャーク」に合わせて両手を上下にたたく"シャークダンス"が売りの新外国人。本来ならば、ファンと盛り上げるつもりだった。臨時のバージョンをやってみせ、期待に応えてみせた。

◆巨人が開幕戦で阪神に勝利し、プロ野球史上初の球団通算6000勝を達成した。球団初勝利は、36年7月3日大東京戦で畑福俊英、スタルヒンのリレーで10-1で快勝。昭和、平成、令和と時代は移ろいながら、昭和のV9、平成の2度のリーグ3連覇(07~09年、12~14年)など、リーグ37度の優勝を誇る常勝軍団が新たな歴史を刻んだ。 指揮を執る原辰徳監督(61)は5000勝(07年5月2日の中日戦)、5500勝(13年5月25日のオリックス戦)に続き、球団のメモリアル勝利をマークした。監督通算では球団歴代3位の1025勝目で、今季は同2位の1034勝の長嶋茂雄氏、同1位の1066勝の川上哲治氏超えを視界にとらえる。◆川上、長嶋、原の勝利数比較 原監督は現役時代に1697試合出場。選手で出場した試合のチームは907勝720敗70分けだった。99~01年の1軍コーチ時代に228勝、監督で1025勝しており、選手とコーチ、監督を合わせて2160勝に貢献。監督の勝利数はチーム3位で、「選手+コーチ+監督」の勝利数も川上の2473勝、長嶋の2291勝に次いでチーム3位。

◆阪神の新3番ジェフリー・マルテ内野手(28)が開幕で猛打賞と奮起した。昨季対戦打率5割と好相性の菅野に襲いかかった。 4回の第2打席で高め149キロ直球を中前にはじき返して初安打。6回は高め150キロ直球を投手強襲の内野安打とした。エースからマルチ安打の勢いは止まらず、9回は守護神デラロサの低め155キロ直球を捉え、三遊間を破った。 「開幕戦という特別な舞台に立てたことが光栄。個人的には3本ヒットが出たのでうれしく思うよ。ただチームが負けてしまったので、それはすごく悔しい」 1年目の昨季は故障で開幕戦に出場できず。今季は大山との争いを制して開幕サードを勝ち取り、結果を残した。井上打撃コーチも新3番の働きを「まさしく3番にふさわしい安定感を見せてくれた。頼りになるからこそ3番に置いている訳なので、このまま波に乗ってくれればと思います」と高く評価した。

◆3カ月遅れの開幕戦で超レア弾が飛び出した。阪神の先発西勇輝投手(29)がプロ12年目で初本塁打を放った。3回2死で巨人菅野から先制ソロ。球団の開幕投手では82年ぶりというびっくりアーチに加え、5回は一時勝ち越し適時打と全2打点を挙げた。投げては6回1失点と踏ん張り、投打に責任を果たした。無念の逆転負けでも、移籍2年目の西勇も存在感はピカイチだった。悔しい敗戦の中で、エースの奮闘が輝いた。「チームが負けてしまったので何も言えることはありません」。試合後は言葉少なだったが、独特の張りつめた空気を破ったのは西勇の「一振り」だった。 両軍無安打で迎えた3回2死、菅野が投げ込んだ147キロ直球に歯を食いしばった。フルスイングした打球は左翼ポール上部を直撃。驚いたような表情で行方を見守っていたナインが一斉に歓声を上げた。試合開始から表情を崩さなかった西勇の顔に、笑みがこぼれた。12年目のプロ1号が開幕戦での先制弾。開幕戦の投手本塁打は阪神では1938年(昭13)の御園生崇男以来82年ぶり、2リーグ制後は球団初の快挙だった。 バットはまだ止まらない。同点とされた直後の5回は1死から梅野が二塁打で出塁すると、今度は菅野の外角低めのスライダーを振り抜いた。左中間へ抜ける適時二塁打に、ベンチは再び沸き立った。 菅野は昨年まで4年連続でハワイ自主トレをともに行ってきた先輩。マウンドでも1歩も譲らなかった。内外を投げ分ける精密なコントロールは健在。4回に1点を失ったが、5回無死一塁で吉川尚の投ゴロをすばやく二塁送球するなど、ピンチの芽を摘んだ。6回4安打1失点と、開幕投手としてこれ以上ない投打の仕事ぶり。矢野監督は「いや、すごかったね。気持ちも身体も飛ばしてるという部分もあったし(投手交代は)難しい判断ではあった」とエースの姿を認めた。 新型コロナウイルスの影響で約3カ月遅れのシーズンイン。計画的に行ってきた調整も振り出しに戻った。「自分も悪かったなと思うんですけど、後退しないようにと思ってずっと練習してました」。自宅待機中は練習場所が限られ、先の見えない中でメンタル面を保つ難しさがあった。実戦では毎回新たな配球を試み前進を続けてきた西勇も、未経験の日々の中で悩んでいた。人気の少ない公園を探して走り込むなど毎日目標を持って、野球のために出来ることを必死に続けてきた。 あと1歩で敗れ、巨人戦初勝利は持ち越しとなった。それでも西勇の存在は光っていた。【磯綾乃】 ▼投手が阪神のシーズン初本塁打を放ったのは、2リーグ分立後では初。昨年は開幕2戦目の3月30日ヤクルト戦で、糸井が1回に1号ソロを放ち、そのまま1-0で勝った。

◆阪神の第105代4番に座った新助っ人ジャスティン・ボーア内野手は極端シフトの網にもかかり、4打数無安打に終わった。 菅野と3度の対戦で快音は響かず。1点を追う9回には無死一塁で守護神デラロサの前に珍しい「5-6-3」の併殺に倒れた。巨人内野陣は引っ張り傾向のB砲に対し、三塁岡本が三遊間に守り、遊撃坂本が二塁後方にシフトしていた。井上打撃コーチは「最後のサードゴロなんかも紙一重だと思う。良い形のヒットが1本出たら、波に乗っていけると思う」と振り返った。

◆巨人坂本勇人内野手は第4打席で左前打を放った。 新型コロナウイルスの陽性判定後、2軍戦2試合の出場で1軍復帰。 試合前のミーティングでは「今日開幕できることを、いろいろな人に感謝の気持ちを持って1年間戦っていきましょう。僕もキャプテンとして、チームが1年間いい方向を向いて戦っていけるように精いっぱい頑張るので、いい時も悪い時もみんなで助け合って1年間頑張っていきましょう」と呼び掛けた。

◆阪神の新外国人ジョン・エドワーズが来日初登板を無失点デビューだ。 1点ビハインドの8回に登板。パーラに遊撃内野安打を許したが、150キロを超える速球で押して、代打重信にはバットを折る二飛に抑えた。「日本で初めて投げる試合でファンがいないのは、すごく不思議な感覚。でも少ない球数でイニングを投げられたし、負けたけどチームのために投げられて良かった」。14球で封じた初陣。練習試合では失点を重ねたが、まずは無難に滑り出した。

◆巨人が逆転勝利し、プロ野球初の通算6000勝に到達した。 原辰徳監督(61)は「やっぱりひとつ勝つというかね、初戦に勝てたというのは非常に大きい。勝つことの難しさというんでしょうか、しかし勝利したときの喜びはひとしおですね」と喜んだ。6000勝については「いろんな先輩たち、そして我々がつないでいる状態で、6000という数字を刻むことができたという点では大変光栄なことです。また6000という数字にジャイアンツの重さ、重みを感じて、ユニホームを着ることの喜びをしっかり持った形でまた明日からつなげていきたい」と語った。 7回の逆転2ランは、1番吉川尚から飛び出した。 「非常に劇的な、今年の彼は新戦力になってくれるという点では、最高のスタートを切りましたね」 開幕は約3カ月遅れ、史上初めて無観客での開催となった。 「どういう形であっても我々は戦いを挑み、勝利を望みながら戦いをしていく。そこは真剣に勝負挑んでる姿を見てもらって、楽しんでもらえればと思います。毎日ゲーム、ゲーム、ゲームという。これを我々は喜びとして、そういう気持ちで臨んでいきたい」と決意を込めた。

◆球界最年長の阪神福留孝介外野手が43歳初安打を放った。5番左翼で先発出場。 4回2死一塁のの第2打席で菅野の150キロを左翼へ運んで、一、二塁とチャンスを広げた。開幕直前に「地に足つけてどれだけ早くできるか。体からは闘志あふれながらも冷静に」と意欲を燃やしていて、しっかりと開幕戦でHランプをともした。   ▼今季43歳の福留が先発出場。満43歳以上シーズンでの開幕戦スタメンは、金本知憲が43歳(11年)44歳(12年)で記録して以来、球団2人目。

◆阪神は2番手の岩崎が2ランを浴び、逆転負けを喫した。2-1の七回、安打と犠打で1死二塁を招くと、吉川尚には138キロの直球を右翼席へ運ばれた。  矢野監督は今後の試合日程などを考慮し、好投していた西勇を6回で降板させ、結果として継投策が裏目に出た。それでも監督は競り合いとなった開幕戦に「自分たちの野球をするという気持ちと姿勢は見せてくれた」と選手の奮闘を評価した。 中島(四回に適時内野安打) 「もっといい当たりを打つ気持ちで打ったんだけど、H(ランプ)がついたのでよかった」 マルテ(3安打) 「開幕戦の舞台に立てたことが光栄。チームが勝てばもっとうれしかった」 阪神・井上打撃コーチ(菅野に) 「直球の走りや、変化球の切れが去年より増している。打ち崩すための対策をまた考えていく」

◆阪神・西勇輝投手(29)が19日、巨人との開幕戦(東京ドーム)で三回の先制ソロに続き、同点の五回に勝ち越しの適時打を放った。  ニッポン放送ショウアップナイタースペシャルで解説を務める江本孟紀氏は「菅野からしたらちょっとマズいですよね。ゲームの流れからいうと、今のヒットは痛い」と指摘。一方、阪神打線については「(西)投手が2打点じゃ困るけどね。喜んでばかりじゃね(笑)」と独特の言い回しで奮起を期待した。

◆阪神・西勇輝投手(29)が19日、巨人との開幕戦(東京ドーム)で先制のソロを放った。  三回2死で打席に立つと、菅野の初球の147キロ直球を振り抜いた。ベンチからどよめきの声が上がる中、打球は左翼ポールを直撃。ダイヤモンドを1周すると、ベンチ総出のエアハイタッチで迎えられた。  両チームを通じてこれが初安打。西勇はプロ12年目で初の本塁打となった。投手の開幕戦での本塁打は、2008年の川上憲伸(中日)が広島戦(ナゴヤドーム)で放って以来。阪神では1938年の御園生(みそのお)崇男以来、82年ぶり。

◆新型コロナウイルス感染から復帰した巨人の坂本勇人内野手(31)は「2番・遊撃」でスタメン出場を果たした。  日本テレビの野球中継で解説を務めたプロ野球、巨人前監督の高橋由伸氏(45)は坂本について「練習の雰囲気もそうですし、2、3日前、2軍の試合にも出てましたから、少し見たんですけども、動いている感じ。特に問題ないかなと思いました」と私見を語った。

◆巨人は19日、阪神との開幕戦(東京ドーム)を前に出陣式を行った。球団の公式ツイッターでその様子の一部を公開した。  原辰徳監督(61)は「みんなの努力によって開幕を迎えます。あとは思い切って暴れてもらう、と。ジャイアンツらしく思い切って戦うということを一人一人が肝に銘じてほしい」などと鼓舞した。坂本勇人内野手(31)は新型コロナウイルスの感染拡大防止に努める医療従事者らへの敬意を示した。その上で、「きょう開幕できることに感謝の気持ちを持って、1年間戦っていきましょう。みんなで助け合って頑張っていきましょう。絶対、優勝しましょう!」と呼び掛けた。

◆阪神・西勇輝投手(29)が19日、巨人との開幕戦(東京ドーム)で先制ソロに続き、勝ち越しの適時打を放った。  1-1の同点に追いつかれた直後の五回。1死から梅野が右越えの二塁打を放つと、投手の西勇が打席に立つ。カウント2-1から菅野の外角のスライダーを捉えると、左中間を破り、勝ち越しの適時打。  第1打席の先制ソロに続いて、バットで自らの投球を助けた。

◆阪神・西勇輝投手(29)が19日、巨人との開幕戦(東京ドーム)で先制ソロに続き、勝ち越しの適時打を放った。  1-1の同点に追いつかれた直後の五回。1死から梅野が右越えの二塁打を放つと、投手の西勇が打席に立つ。カウント2-1から菅野智之の外角のスライダーを捉えると、左中間を破り、勝ち越しの適時打。三回2死から左翼ポールを直撃する自身プロ初のソロ本塁打で、先制点で挙げており、これで2打数2安打2打点となった。  ニッポン放送ショウアップナイタースペシャルで解説を務める江本孟紀氏(サンケイスポーツ専属評論家)は「菅野からしたらちょっと、まずいですよね。ゲームの流れからいうと、今のヒットは痛い」と指摘した。一方、阪神に対しては「(西)投手が2打点じゃ困るけどね。喜んでばかりじゃね(笑)」と独特の言い回しで野手陣の奮起を期待した。

◆阪神・西勇輝投手(29)が19日、巨人との開幕戦(東京ドーム)で6回1失点と好投。打撃では三回の先制ソロに続き、同点の五回に勝ち越しの適時打を放った。  ニッポン放送ショウアップナイタースペシャルで解説を務める江本孟紀氏(サンケイスポーツ専属評論家)は西の投球について「すばらしい。持ち味を十分に出した。コツをつかんでいる、自分のピッチングを知っているということ。コントロール、打者との駆け引きも分かっている。なかなかそういう投手はいない」と高評価。松本秀夫アナウンサーの「今年も期待できる?」との質問に、「大いに」と江本氏はうなずいた。

◆巨人が19日、阪神との開幕戦(東京ドーム)を3-2で制し、球団通算6000勝を達成した。吉川尚輝内野手(25)が1-2で迎えた7回1死二塁から、逆転2点本塁打を放ち、節目の勝利に導いた。3年連続6度目の開幕投手を務めたエース、菅野智之投手(30)は7回6安打2失点で白星を手にした。

◆巨人の吉川尚が逆転2ランで勝利を呼んだ。1-2の七回1死二塁で、岩崎の速球を右翼席へ運びガッツポーズし「つなぐ意識で入った。その気持ちが最高の結果になった」と喜んだ。この回に代打を送られたエース菅野に白星を付ける一発となった。  昨季は開幕戦から11試合連続で先発出場したが、腰を痛めて戦列を離れ、結局復帰できなかった。1番打者として定着することを目標に掲げ「後ろにはすごい打者がたくさんいるので、つなげればベスト。思い切っていければ」と意気盛んだった。

◆巨人の原監督は球団の節目の勝利を逆転でつかみ「この上ないゲームで6000勝を勝ち取れたのは良かった」と満面の笑みで話した。逆転2ランを放った吉川尚がベンチに戻ると興奮気味に"エアグータッチ"で迎え「本当は抱き締めたかったけどね」とヒーローをたたえた。  セ・リーグ2連覇と8年ぶりの日本一奪還へ向けて好発進した。「いいスタートが切れた。われわれ現場の人間にとってはあくまでも(6000勝は)通過点」とうなずいた。

◆この日が29歳の誕生日だった岩崎は苦い思い出となった。七回に登板したが、先頭の石川に右前打、湯浅に投前犠打で1死二塁とされると、続く吉川尚に逆転の2ランを被弾。1回3安打2失点で敗戦投手になった。16日の2軍の中日練習試合(鳴尾浜)で1回を1安打無失点に抑え、開幕1軍を決めたときには「やりたいことはできた」と話していたが、踏ん張り切れなかった。

◆球史に残る勝利をつかんだ。巨人・菅野智之投手(30)が19日の阪神との開幕戦(東京ドーム)に先発し、7回を6安打2失点。力投で球団通算6000勝目を呼び込んだ。3年連続6度目の開幕投手を務めた自身にとって、これが開幕戦4勝目。球団最多記録に並ぶ歴史的な白星となった。  喜びと緊張感をかみしめ、マウンドに上がった。エース菅野が虎打線を7回6安打2失点。最速154キロ、107球の力投で白星をつかんだ。  「開幕できたという普段にない喜びはあったし、ここ2年開幕戦で勝てていないのは、思うところはあった。こんなにプレッシャーを感じたのは初めてくらい、今日は難しいマウンドでした」  新型コロナウイルスの流行による3カ月の延期も感じさせない投球だった。三回は左越えソロ、五回は中前適時打を投手の西勇に献上して2失点も、傷口は最小限にとどめた。七回は志願して登板。エースとして意地を見せた。  飛躍のために、変化をいとわなかった。1月中旬。ソフトバンク・千賀らと、福岡県の「鴻江(こうのえ)スポーツアカデミー」での自主トレに参加した。泊まったのは1泊5000円もしないビジネスホテル。飲食店や繁華街から離れた、野球に集中するしかない場所で、それまでほとんど変えてこなかった投球フォームと向き合った。  キャンプ、オープン戦と時間をかけて形にした「うで主導」のフォーム。同施設代表の鴻江寿治氏(53)は「最初は大げさにやる分、お世辞にもかっこいいとは言えない投げ方。そんな姿を彼ほどの投手が若い子たちに見せる。新しい自分に挑戦しに来ているんだなと強く感じました」と、気持ちの強さに驚いた。鴻江氏からは自身の体に合わせ、屋内では裸足よりスリッパ、枕は硬くて高めを選択するようになど日常生活からの助言ももらった。  これで開幕戦では自身16年以来の白星で、別所毅彦、斎藤雅樹に並び球団最多タイの4勝目。「偉大な先輩2人に並べたことは光栄ですし、もっともっと積み重ねていきたい」と力を込めた。  原監督が「幸運な勝利でもあるし、さらに次にエネルギーとして変えてくれると思う」と今後に期待すれば、菅野自身も「次は内容も求めて。今年は登板間隔も短くなることが予想される。ベストなコンディションでマウンドに上がることを心掛けていきます」と表情を引き締めた。また一つ歴史に名を刻んだエースが、巨人を力強く頂点へとけん引する。(箭内桃子)

◆日本一を公言し、臨んだ就任2年目は悔しい船出となった。エースが投打に躍動しながら、痛恨の逆転負け。しかも宿敵に節目の通算6000勝を献上するおまけ付き。勝利のセレモニーを横目で見ながら、矢野監督が歯を食いしばった。  「みんなしっかりやってくれた。俺の責任というところが勝負を分けたっていうだけで、みんなやり切ってくれたと思う」  西勇が先制弾&勝ち越し打を放ち、6回1失点と好投。約3カ月も待ちわびたファンへ、最高の笑顔を届けていた。しかし七回、指揮官の決断が裏目に出た。  「(西勇は)開幕(独特)の気持ちも体も飛ばしているっていう部分もあったし、難しい判断ではあった。いろいろ疲れているっていう判断の中で、俺が下した決断。もちろん俺の責任」  まだ97球。安定感抜群のエースを降板させた。2-1の最少リードで継投策を選択。そして2番手で登板させたのが、左腕の岩崎だった。  昨季48試合で防御率1・01と勝利の方程式を担ったセットアッパー。しかし今季は2月下旬に右足の張りを訴え、調整が遅れていた。5月末の練習再開後もコンディションが上がらず。今月13日のオリックス戦でようやく対外試合に復帰。16日には2軍中日戦で投げ、計2試合2回を無失点と結果を残したが、実戦不足は否めなかった。  16日の2軍戦を直接視察し、「今までの(岩崎)優とそんなに変わりない状態だと、俺の中ではそう見えていた」と開幕メンバーに入れた指揮官だったが、1死二塁から吉川尚に逆転被弾と結果は大暗転となった。  「うちの形として、そういう形でいこうと。総合的に決めた中での判断」。昨季リーグトップの救援防御率2・70を残した盤石のリリーフ陣。ジョンソン、ドリスが退団した中、この開幕戦を継投で逃げ切ることで今季の戦い方を確立したかったところだが、青写真はいきなり崩れた。  「開幕としては悔しい結果になったけど、自分たちの野球をするという気持ちは、みんなしっかり出してくれた。だからこそ悔しいけど」  投手陣は虎の生命線。この敗戦を残り119試合の糧にするしかない。(大石豊佳)  ★挑戦する姿見せる  試合前セレモニーでTGの両監督がメッセージを発信した。矢野監督はまず、開幕に向けて尽力した関係者に「心から感謝申し上げます」と一礼。スローガンの「It'S 勝笑 Time(イッツ・ショー・タイム)」を引き合いに「困難な状況があると思いますが、そういうときこそ前を向いてチャレンジ。困難に挑戦していく姿をお見せしていきます。苦しい状況が続きますが、ともに乗り越えましょう!」と呼びかけた。

◆4番としての真価が問われた一発逆転の場面、ボーアの打球は無情にも三塁手のグラブにおさまった。悔しさに表情がゆがむ。B砲にとって来日初の公式戦は、ほろ苦い結果に終わった。  2-3で迎えた九回だった。先頭のマルテが左前打で出塁し、無死一塁。代走に俊足の植田が送られた。準備は万端。外野の頭を越えれば同点にできる。この場面で打つために海を渡ってきた。しかし、意気込む思いとは裏腹に、デラロサの153キロ直球に差し込まれ、最悪の三ゴロ併殺。唇をかみしめた。  メジャー通算92発の助っ人には常に警戒が付きまとった。二回の第1打席では、三塁手が遊撃、遊撃手が二塁ベース後方、二塁手が一、二塁間の深めを守るボーアシフトで対応され、捕邪飛。相手投手攻略の糸口をつかめずこの日は4打数無安打と、ホームランどころか、外野にすら打球が飛ばなかった。  それでも井上打撃コーチは「最後のサードゴロも紙一重。気長にという表現が正しいかわからないけど、彼はそんなに落ち込む性格じゃないので、目の前の結果にこちらが一喜一憂せず。いい形の安打が出たら波に乗ってくれると思う」と今後の爆発を期待。続けて「しっかり相手投手の対策など話し合ってサポートしたい」と誓った。  20日の巨人先発は左腕・田口。ボーアは春季キャンプの実戦から18打席無安打(16打数無安打、2四球)と、まだ日本で安打を放っていない左投手が立ちはだかる。  「自分のスイングをしっかりして、強くボールをたたけばいい結果が出てくれると信じている。ホームランのことは意識せずに自分のスイングをしたい」  開幕前に何度も強調したのは自分のスイングを徹底すること。開幕序盤からくすぶるわけにはいかない。阪神打線の鍵はボーア次第-。改めて証明された開幕戦の屈辱をバネに、一刻も早く本来の力を取り戻す。必ず虎を勝利に導いてみせる。(原田遼太郎)

◆やっぱり野球はいい。無観客でもグラウンドの中に新たな熱気を感じた。ただ、阪神は3位に滑り込んだ去年の姿と変わっていなかった。打線はボーアが加わったとはいえ、他のメンバーは変わり映えがなく、貧打は全く解消できていない。  ならば、西勇が軸になる、エースの投球をしなければいけなかった。六回で交代は寂しい。監督の判断か、西勇の判断か、いずれにしてももっと長いイニングを投げなければ。打線が当てにならない以上、西勇がシーズンで15、16勝しなければ、阪神は去年以上の成績は厳しい。西勇自身も六回で交代していては、去年と同じ10勝前後で終わってしまうだろう。  開幕戦の投球としては完璧だった。配球、制球は文句なし。コツを知っているし、ゲームを作れる。それを一番感じたのは四回。同点にされてなお2死一、三塁からパーラに対して無理に勝負せず歩かせた。続く小林を打ち取ればいいという計算がしっかりできている投球だった。  だからこそ自身のハードルを高くして、もっと長く投げるべき。あえて強調しておく。野球は九回を戦うスポーツ。決して六回で終わりではない。(本紙専属評論家)

◆プロ野球、開幕あけましてオメデトウございまーす!  えっ、わが阪神が負けたのに明るい? 何を言っとんのよ~。勝ったり、負けたり、毎日大人がドキドキ、ウキウキ...。勝ってニコニコ、負けてイライラできるエンターテインメントなんてプロ野球以外にあるのかー!  そんな大人さえも子供に戻してくれるプロ野球の元日に梅雨の顔して、どーするの? てか、阪神の敵は開幕戦の巨人じゃなくて(と、言いながら内心はクヤシ~)コロナなのだ!!  一日も早くスタンドから大好きなチームを応援できるようにプロ野球選手、関係者、そして最強の"ワクチン"となる野球ファン、ガンバローゼ!!と、かなり一般的な社会人発言はしたものの(いや、マジで思ってますよ)、阪神打線はこの自粛中に何をしとったんやー!!(怒)  巨人・菅野から、簡単に得点できないことは分かっていたけど...。全得点が先発・西勇の本塁打と適時二塁打だけってことあるか~い!(七回にリリーフで逆転2ランを吉川尚に浴びた岩崎は責められないよ...)。  1試合だけど、この先のことを考えてビシッと言わせてもらえば1番・糸井、2番・近本の8打数無安打はなんでェ~!! せめて、粘って四球を奪う、それが虎の日本一へのはじめの一歩だと俺は思ったのだ。

◆新型コロナウイルス感染で練習試合を欠場していた巨人・坂本勇人内野手(31)が「2番・遊撃」でフル出場した。  「チームがいいときも悪い時もみんなで助け合って、絶対に優勝しましょう!」  試合前、全員が手をつないで組んだ円陣でチームを一つにした主将。七回には左前打を放ち、通算2000安打へ残り115本とした。  ギリギリまで出場の判断を委ねられていたが、球場入りした時点でスタメンを直訴したという。原監督は「ベストではないでしょう。しかし、きょうは心技体において『心』が強かったのでは」と誇らしげに語った。  プロ1年目に亡くした母・輝美さんの命日であり、"打倒コロナ"へのスタートになった「6・19」。特別な日に、背番号6が奇跡の復活を果たした。(谷川直之)

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
巨人
100 1.000
(↑0.454)
-
(-)
1193
(-660)
2
(-571)
1
(-182)
0
(-83)
0.258
(↑0.001
2.000
(↑1.77)
1
(3↑)
広島
100 1.000
(↑0.5)
0
(↓6.5)
1195
(-586)
1
(-600)
2
(-138)
1
(-80)
0.306
(↑0.052)
1.000
(↑2.68)
1
(4↑)
中日
100 1.000
(↑0.518)
0
(↓9)
1199
(-554)
7
(-537)
1
(-89)
0
(-63)
0.383
(↑0.12)
6.300
(↓2.58)
4
(2↓)
DeNA
010 0.000
(↓0.507)
1
(↑4.5)
1191
(-595)
5
(-606)
1
(-162)
0
(-40)
0.133
(↓0.113)
5.000
(↓1.07)
4
(1↓)
阪神
010 0.000
(↓0.504)
1
(↑5)
1192
(-536)
3
(-563)
1
(-93)
0
(-100)
0.219
(↓0.032)
3.380
(↑0.08)
4
(2↑)
ヤクルト
010 0.000
(↓0.418)
1
(↑17)
1197
(-649)
9
(-730)
2
(-165)
0
(-62)
0.370
(↑0.126)
0.000
(↑4.78)