ヤクルト(★1対3☆)阪神 =オープン戦2回戦(2020.03.11)・明治神宮野球場=
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阪神
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ヤクルト
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勝利投手:藤浪 晋太郎(1勝1敗0S)
(セーブ:飯田 優也(0勝0敗1S))
敗戦投手:イノーア(1勝1敗0S)
  DAZN
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◆ヤクルトは村上が4番・DHでスタメン出場。ケガで出遅れていた和製大砲が、1安打を含む3出塁と存在感を放った。対する阪神は藤浪が先発。4回2安打無失点と好投を見せ、開幕ローテーション入りへ前進した。

◆阪神藤浪晋太郎投手(25)が先発し5三振を奪うなど、4回2安打無失点1四球と好投した。最速は153キロ。開幕ローテーション入りへアピールした。 初回、先頭の坂口に左前打を許したが、吉田大成を空振り三振、青木を中飛。課題としていた変化球で打ち取った。4番村上のワンバウンドした打球が藤浪の右腰を直撃。投手強襲安打となったが、気にするそぶりを見せず再びマウンドへ。2死一、二塁から塩見を152キロ直球で見逃し三振に仕留めた。 2回は、時折抜け球があったものの3者凡退。雄平を147キロ直球で投ゴロに打ち取るとエスコバー、中村、3回先頭の宮本と、回をまたいで3連続三振を奪った。4回は2死から、右打者の塩見に頭部付近へ直球が抜けるなど四球。それでも続く雄平を左飛に打ち取り、ピンチを作らなかった。 前回は5日の大商大とのプロアマ交流戦(鳴尾浜)で、4回3安打1失点1四球4三振。最速は155キロだった。

◆東日本大震災から9年を迎えた11日、阪神矢野燿大監督(51)が、思いを語った。ヤクルトとの試合後に報道陣に対応。「野球界はもちろん、いろんなスポーツ含めて、気持ちのつながりというのをつくっていく日になると思う。ファンあってのプロ野球なので、そういうところは意識してやっていく日になると思う。大きなことができるかは分からないけれど、小さなことをしっかり積み上げてやっていく」。 東北福祉大出身の矢野監督は、震災後に被災地を訪れたことも振り返り「大変な状況も目にしている」とも話した。

◆阪神藤浪晋太郎投手(25)が先発し5三振を奪うなど、4回2安打無失点1四球と好投した。最速は153キロ。開幕ローテーション入りへアピールした。「このオフというか、キャンプから実戦で投げてきた中では変化球の感触としては一番良かったかなと思います」。直球の威力を安定して維持しながら、カーブやカットボールも有効に使いながらカウントを稼いだ。 初回、先頭の坂口に左前打を許したが、吉田大成を空振り三振、青木を中飛。課題としていた変化球で打ち取った。4番村上のワンバウンドした打球が藤浪の右腰を直撃。投手強襲安打となったが、気にするそぶりを見せず再びマウンドへ。2死一、二塁から塩見を152キロ直球で見逃し三振に仕留めた。 2回は、時折抜け球があったものの3者凡退。雄平を147キロ直球で投ゴロに打ち取るとエスコバー、中村、3回先頭の宮本と、回をまたいで3連続三振を奪った。4回は2死から、右打者の塩見に頭部付近へ直球が抜けるなど四球。それでも続く雄平を左飛に打ち取り、ピンチを作らなかった。 「かなりいい感じではありましたけど、もうちょっとやるべきことはありますし、完璧というのはないと思う。シーズンも遅れましたけど、相手も練習してくると思うので、しっかりその間も練習して(開幕を)迎えられるように。まだこれからもアピールもしないといけないですし、しっかり練習したいと思います」。完全復活へ向けて、この試合でまた1つ段階を上げた。開幕延期期間もプラスにとらえ、万全の状態をつくる準備期間にする。

◆阪神ドラフト6位の小川一平投手(22=東海大九州)が1軍デビューを果たし、1回を無安打無失点に抑えた。 2点リードの5回に2番手で登板。先頭の新外国人エスコバーに対し、初球にいきなりこの日最速となる147キロを計測した。先頭を三ゴロに打ち取ると、四球を一つ出しながらも無安打投球。全17球で10球の直球を投げ込み、上々のデビュー登板となった。 「緊張している中で自分の思う球は投げれなかったんですけど、思い切って投げれたのはすごいよかったんじゃないかなと思います」 直球でどこまで押せるかを課題にマウンドに上がった初登板。四球を出し、制球に反省しながらも「真っすぐ多めで、0点に抑えれたのはよかった」。それで先輩藤川に憧れる新人右腕は、直球で空振りを奪えなかった初登板を振り返り「球児さんのような真っすぐの質というのを、どんどん追い求めてやっていけたら」と話した。 育成を除く今季の新人6人の中で、唯一の大卒選手。即戦力としての期待も膨らみ、開幕1軍の座に向けて「奪えるなら奪いたいと思っている。食い込めるなら、食い込んでいきたいと思います」と、力強く意欲を語った

◆助っ人トリオ構想に待った! 阪神大山悠輔内野手がヤクルト戦に途中出場し、猛打賞で猛アピールした。三塁の先発をライバルのマルテに譲り、4回の守備から出場。5回の初打席で三塁内野安打を記録した。7回2死二、三塁の得点機ではボールを見極め、フルカウントから7球目にしぶとく合わせた。三塁強襲の適時内野安打。9回には中前に運んで、オープン戦2度目の3安打となった。 「今日みたいになかなかスタートで出られず、本当にチャンスは少ないと思う。1打席、1打席を大切にアピールしないといけない立場なので」。この日はマルテ、ボーア、サンズの助っ人トリオで主軸を構成。開幕戦でも名を連ねる可能性はある。そこに待ったをかけるべく、大山が意地を見せた。「最後のヒットみたいな質、内容がいい当たりを増やしていきたい」。2本の内野安打に満足せず、さらに内容、結果を追い求める。 開幕延期にともない、三塁争いはまだまだ続く。矢野監督は「悠輔も後から出ていく悔しさもあると思う。実際、出て結果を出すのはプロ。そういう競争はずっと続くと思う。いい競争ができている」と大山の奮闘を評価。大山は「1打席が勝負、全試合全力」と集中力を切らさずにグラウンドに立つ。【奥田隼人】

◆阪神矢野燿大監督は東日本大震災に思いを語った。「野球界はもちろん、いろんなスポーツ含めて、気持ちのつながりというのをつくっていく日になると思う。ファンあってのプロ野球なので、そういうところは意識してやっていく日になる。大きなことができるかは分からないけれど、小さなことをしっかり積み上げてやっていく」。 東北福祉大出身の矢野監督は、震災後に被災地を訪れたことも振り返っていた。

◆阪神ジェフリー・マルテ内野手はオープン戦4試合ぶりの安打で存在感を示した。 3番三塁で先発し、初回にヤクルト先発イノーアのスライダーを中前にはじき返した。「今の状態はいいと思う。シーズンに入ってもこの感じ、さらにはいい状態で挑めるようにと思っています」。開幕延期が決まったが、調整に抜かりはない。「自分の中で前向きに捉え、今まで通り自分のできる準備をしっかり続けていきたい」と話した。

◆阪神ドラフト6位の小川一平投手(22=東海大九州)が1軍デビューを果たした。 ヤクルトとのオープン戦の5回裏から登板。1回を無安打1四球無失点に抑えた。初球にこの日最速の147キロを計測。全17球のうち、直球は10球とイキのいい球を投げ込んだ。「緊張している中で自分の思う球は投げれなかったですが、思い切って投げれたのは良かったのではないかなと思います」。 矢野監督も「いい球。そんなにコントロールを乱す感じもない。面白い存在になれるんじゃないかな」と高評価。今後も1軍に同行するとみられる。小川は開幕1軍の座に向けて「奪えるなら奪いたい。食い込めるなら食い込んでいきたい」と、力強く語っていた。

◆阪神新助っ人ジャスティン・ボーア内野手は焦らず、開幕へ準備を進める。4番一塁で先発も、2打数無安打。2本の一ゴロに倒れた。オープン戦の打率は1割3分3厘と不調も、不安な表情は見せなかった。 開幕の延期が決まり、調整期間は延びた。「プロとしてグラウンドに出る以上、練習してしっかり準備してというのが大切だと思う。それをしっかり続けていれば、いい結果につながると信じている」と、前を向いた。

◆阪神北條史也内野手は右足を負傷し、大事を取ってスタメンを回避した。 試合前練習でグラウンドの人工芝に右足を取られ、ひねった形となった。練習を途中で切り上げ、スタメン予定だった遊撃は木浪に変更となった。負傷後はアイシングなどで治療し、試合後は自力で歩いて移動バスに乗り込んだ。足の状態を問われると「大丈夫です」と答え、軽傷を強調した。

◆ヤクルト村上宗隆内野手が1軍本格復帰を果たした。阪神とのオープン戦に4番DHで出場。1回2死一塁で藤浪から投手強襲の内野安打を放つなど、4打席で2打数1安打2四球だった。 キャンプ中に下半身のコンディション不良を訴えたが、開幕延期で調整にゆとりができたことはプラス。「まだこれから。セ・リーグにDHはない。しっかり守備に就けるようにやっていきたい。どんどん状態を上げていきたい」と話した。 ヤクルト高津監督(オープン戦4連敗)「最初の1点をどう取るか、どうやって抑えていくかが勝率を左右する大きなところ。反省の多いゲームだった」 ヤクルト武岡龍世内野手(18=八戸学院光星、高卒新人が途中出場で1軍デビュー)「全然ダメでしたが、楽しかった。(1失策で)ストライクを投げられたら、アウトだった。もっと練習します。いい刺激になりました」

◆阪神糸原健斗内野手はヤクルトの新助っ人から2安打を放った。先発右腕イノーアに対して2回にしぶとく粘って右前打、4回に右中間二塁打。 「粘りながら自分らしいヒットが打てた」。相手の新戦力に嫌な印象を与えた。「その時もしっかり打てるように」と、シーズンでもいいイメージを持って臨む。

◆逆襲のファンファーレが鳴った! 阪神藤浪晋太郎投手(25)が11日、ヤクルトとのオープン戦(神宮)に先発し、4回2安打無失点1四球と結果を残した。直球にキレがあり、課題の変化球も「感触としては一番良かった」と手応え。荒れ球も生かしながら5三振を奪った。シーズン開幕が延期。開幕ローテーション争いがさらに続く状況で、復活の右腕が大外から突っ込んできた。ペットの音色が響いた。G1のファンファーレ-。次打者・塩見の登場曲。マウンドに向かった福原投手コーチがささやいた。「いい音楽、流れてるやないか」。競馬好きの右腕に、スイッチが入った。「ちょっとテンション上がりました」。フルカウントから外角に152キロ直球を投じる。打者は反応できずに見逃し三振。完全復活への道が一気に開けた瞬間だった。 直球は最速153キロを計測し、キレを取り戻した。課題の変化球も精度が上がった。「キャンプから実戦で投げてきた中では、変化球の感触としては一番良かったかなと思います」。2回には中村からスライダーで見逃し三振を奪い、4回にはカーブで青木を投ゴロに打ち取った。この回には塩見への5球目に頭部付近へ球が抜けたが、その後の投球で大崩れしなかった。「カットボール、フォーク、カーブも使えましたし、やりたかったことは出来た投球じゃないかなと思います」。4回を2安打1四球無失点。5三振を奪う快投に、藤浪はベンチで思わず笑みをこぼした。 開幕延期が決まり、ローテーション争いも「延長戦」となる。矢野監督は「良かったね。躍動感も出ていた。手応えがあるようないい顔で、ボールを投げられていた。ああいうのがシンタロウの姿だと思う」と評価。その上でこう続けた。「もう1個ほしいなと思う。もう1つカウントを早くとかね」と、有利なカウントで打ち取ることを次の課題に求めた。復活への手応えを感じたからこその注文だった。 この日、東日本大震災から9年を迎えた。「普通に野球ができること、当たり前のように野球をやらせてもらえること、今年もしっかり感謝してまたやっていきたいと思います」と日常をかみしめる。この日のような快投が続けば、開幕ローテーション入りも見えてくる。「まだこれからもアピールもしないといけないですし、しっかり練習したいと思います」。藤浪がシーズンへ追い込みをかける。【磯綾乃】 ▽阪神福原投手コーチ(藤浪について)「真っすぐも良かったと思います。一段階ずつ階段を上がっている」 ▽阪神梅野(藤浪の投球に)「ゲームが進んでいる中では(抜け球も)有効球だと思う。それでダメになるんじゃなくて、そういうのがあった中で次にストライクを取れたのが大きい。流れの中で投げられたのが良かった」

◆阪神8番梅野隆太郎捕手が恐怖の下位打線を作った。4回2死から糸原が二塁打で出塁。右翼への適時二塁打で続き、1点を追加した。「嫌な下位バッターと思われるように、結果が出て良かったなと思います」。 この日は上位打線が打ちあぐねるなか、下位打線で好機をつくり得点。「上位で取れないなかで下位で取ったら、こういうゲームになる可能性がある」と手応えを感じていた。

◆ヤクルトの投手キャプテンを務める五十嵐亮太投手(40)が11日、オープン戦阪神戦後、マウンドの硬さについて言及した。 試合後、クラブハウスに引き揚げる際にマウンドに行き、球場のスタッフと話し込んだ。中継ぎ陣にとって、軟らかいマウンドは土が掘れてしまい、足場の固定に苦労する。 今シーズンを迎えるに当たり、投手陣で話し合って「マウンドをより硬くしてほしい」と要望を出していた。今季初めて本拠地のマウンドに上がり「以前からお願いしていましたが、もっと硬くしてほしい、とお願いしました」と明かした。

◆阪神・藤浪晋太郎投手(25)が11日、ヤクルト戦(神宮)に先発。4回2安打1四球無失点と好投した。  一回先頭の坂口に左前打、2死から村上に投手強襲の内野安打を許して2死一、二塁と走者を背負ったものの、続く塩見を外角低め152キロ直球で見逃し三振で切り抜けた。その後は最速153キロの直球にフォーク、カーブも駆使してヤクルト打線を封じ込めた。四回2死から右打者の塩見に1球抜け球があり、その後この日唯一の四球を出したものの、危なげないピッチングで開幕ローテ入りに向けてアピールに成功した。

◆ヤクルトのドラフト6位・武岡龍生内野手(18)=八戸学院光星=が11日、1軍初昇格を果たし、阪神とのオープン戦(神宮)に八回の守備から途中出場した。  八回には阪神・熊谷の高く跳ねた遊ゴロを処理したが、一塁への送球がわずか逸れ悪送球。九回2死三塁で回ってきた打席では二ゴロに倒れ、"初安打"はお預けとなった。  昨秋に高校日本代表にも選出された内野手は「全然駄目でしたけど、楽しかったです。いい刺激になりました」と初々しく振り返った。高津監督は「1軍の雰囲気を味わってもらって今後のエネルギーにしてほしいと思います」と話した。

◆下半身のコンディション不良で出遅れていたヤクルトの村上がフル出場して快音を響かせた。一回に藤浪を強襲する内野安打で出塁すると、四回には右飛に倒れたものの強い打球を放ち「どちらもいいスイング。しっかり続けていきたい」と前向きに話した。  前日10日の広島戦は1打席立った直後に降雨ノーゲームとなり、復帰戦の仕切り直しだった。高津監督は「走る姿を見て気にならないほど。開幕が延期になったことをプラスにして状態を上げてほしい」と4番候補に期待した。

◆阪神の大山が四回の守備から出場し、3打数3安打1打点と好結果を残した。三塁の定位置をマルテと争い「スタートから出られない日が増えている。チャンスは少ない。一打席一打席を大切にしている」と表情を緩めずに話した。  七回2死二、三塁では三塁内野安打で打点も挙げたが「その前の打てる直球を見逃している。いけるところはいかないと」と満足していない。2試合連続で先発から外れている。矢野監督は「悔しさもあると思う。そういう姿をベンチで見せてくれている」と話した。

◆ヤクルトは11日、阪神とのオープン戦(神宮)に1-3で敗れた。オープン戦は4連敗となり、高津臣吾監督(51)は「先に点を取れない、先に点を取られてしまう。点をとるスポーツとしては、逆にしていかないと。反省の多いゲームだったと思いますね」と話した。  先発のイノーアが4回6安打2失点とリズムを作れなかった。無四球ながら78球を要し、指揮官は「もうちょっとストライクゾーンで攻めていいところ、いいところに投げているんだけど、見極められているところが今後の課題かな。全体的には悪くないんだけど、修正するところはあるのかなと思いますね」と評価した。

◆四回2死二塁で、梅野が右越えに適時二塁打を放って追加点を奪った。糸原に続く連続二塁打で「2死から下位打線で点が取れた。上位が打てないときに流れが変われば。嫌な下位だと思われるようにしたい」。守っては、先発の藤浪をリード。右打者の内角に抜けた球の後の外角球を生かして「特長といえば、特長だから有効に。(荒れた球で)ダメにならず、次の球でストライクを取れたのは大きいし、よかったこと」と無失点に導いた。

◆北條は「9番・遊撃」でスタメン予定だったが、試合前の練習中に右足をひねって、急遽、木浪がスタメンになった。アイシングなどの治療を行い、試合後は普通に歩いてクラブハウスへ。報道陣の問いかけには「大丈夫です」。広報担当も軽傷を強調した。

◆3番手の飯田が4回1安打1失点で先発争いに名乗りを上げた。「最後の四球2個は大事にいき過ぎた。反省です」。六回先頭の代打・山田哲から145キロで空振り三振を奪うと、八回まで抜群の内容。緩急も生きて「前のように力まず、カーブやスライダーでもストライクゾーンに投げられた」と課題の制球力も上々。九回先頭から2四球で失点したことを反省も、競争が続くローテーション入りをアピールした。

◆ボーアは2打数無安打もシーズンでもプレーすることになる神宮球場について「ボールも見やすいし、いい球場。ファンに囲まれてやるのが楽しみだよ」と笑顔。前日10日には井上打撃コーチが開幕まで外国人を実戦で起用し続ける意向を示しており「僕の感覚として多く打席に立つということより、続けて試合に出続けることが準備になる。そうやって開幕を迎えることが大事だよ」と気合を入れた。

◆「3番・三塁」で出場したマルテは第1打席で安打を放ち、チャンスを広げた。一回1死一塁で先発・イノーアの2球目、外角の133キロのスライダーに反応し、中前へ。得点に結びつかなかったが、存在感を示した。シーズンの開幕延期について「延びたことでもっといい練習ができると思うし、前向きにとらえて、できる準備をしたい」と力を込めた。

◆木浪は4打数1安打1打点。「チームバッティングができたのでよかったと思う」と振り返った。北條が試合前の練習で右足をひねり、急遽出場。二回1死一、三塁で内野ゴロを放ち、打点を挙げると、四回には2死二塁で高めの直球を中前にはじき返して好機を拡大した。試合前には2011年に発生した東日本大震災の黙とうを行い「(青森出身で)被害はなかったけど、大きな揺れを経験した。野球ができるありがたみが分かったので、もっと楽しんでプレーしていくようにしたい」と話した。

◆D6位・小川(東海大九州)は五回に2番手で登板し、1軍初出場。1死から中村に四球を出したが、最速147キロの直球などで無安打無失点に抑えた。「緊張した中で、思い切って投げられたことが収穫です」。新人は5位まで高校生が指名され、支配下では唯一の大卒新人に矢野監督は「面白い存在になれるんじゃないかな」と評価。1軍帯同する見込みとなった。

◆糸原は2打席連続で出塁し、得点に絡んだ。「1打席目は粘りながら自分らしいヒットを出せた。2打席目は積極的にいって長打にできたのでよかった」。二回1死から8球粘って右前打。木浪の内野ゴロの間に先制のホームを踏んだ。四回にはフェンス直撃の右中間二塁打で2点目の起点になった。安打は2本とも先発・イノーアからで「シーズンでもやる(対戦する)と思うので打てるように」と意気込んだ。

◆――ボーアらは打席数が増えていくことをプラスに  「もちろんもちろん。こっちもね、もちろんまだわかっているわけではないので、日本のピッチャーのことをわかる時間になるだろうし、俺らもより理解できる時間になると思うので。そういう時間を有効に使えると思います」  ――3月11日は特別な日  「それは本当にそうやしね、野球界はもちろんだけど、いろんなスポーツ含めて、いろんな部分で、気持ちのつながりっていうのをつくっていく日になると思う。そういうのは俺らはファンあってのプロ野球なので、そういうところは意識してやっていく日になると思うし、俺も大学が仙台なので、震災があってすぐ、すぐというか被災地の方に行ったときに、大変な状況も目にしているので。大きなことができるかは分からないけれど、小さなことをしっかり積み上げてやっていくしかないかなと思っています」

◆大山悠輔内野手(25)は途中出場で3安打を放った。ベンチでの鋭い目は打席で集中力に変わった。途中出場の大山が3安打で猛アピールした。  「スタートから出られないケースが増えている中で、結果が出たことは大事だと思います」  四回の守備から入り、五回1死で三塁内野安打。七回2死一、三塁で三塁強襲の適時内野安打を放ち、九回2死一塁でも中前に運んだ。2試合連続で三塁をマルテに譲り、ベンチスタート。矢野監督は「悔しさもあると思う。ベンチでもそういう姿をみせて、出てそういう結果を出すのはプロ」とうなった。  茨城・つくば秀英高時代に東日本大震災で被災した。避難生活を経験した男が「3・11」に意地を見せた。開幕延期により、ポジション争いも続く。「結果と内容、両方求めないと。(適時打の打席で)打てる直球を2球も見逃している。まだまだです」。昨季143試合に出場した大砲。簡単に定位置は渡さない。 (安藤理)

◆阪神・藤浪晋太郎投手(25)が11日、ヤクルトとのオープン戦(神宮)に先発し、4回2安打無失点と好投した。緩急を使った投球で5奪三振。矢野監督は「いい顔でボールを投げられていた」と高評価した。大山悠輔内野手(25)は途中出場で3安打を放った。  最高気温21度と春の陽気に包まれた神宮で、誰よりも明るい表情でプレーした。先発の藤浪が燕打線を相手に4回無失点。その結果以上に手応えと収穫のある78球だった。  「全体的にやりたいことができた。バッターと勝負するうえで緩急だったり、コースに投げたりする必要があると思うので、それがしっかり2巡目以降でできたと思う」  一回、2死一塁から村上の打球が右足付近に直撃したが大事には至らず。二回は2者連続三振を奪うなど今年の実戦で初めてプロ相手に三者凡退に抑えた。四回に塩見の顔付近に直球が抜ける場面もあったが、四球を与えたのはその打席のみ。最速153キロをマークし、緩急を駆使した投球で5奪三振。「キャンプから実戦で投げてきたなかでは変化球の感触は一番よかった」とうなずいた。  結果よりも輝いたのは表情だ。最近の登板ではあまり見せなかった笑顔が、この日は何度も見られた。一昨年秋の就任直後、矢野監督は大阪桐蔭高時代に甲子園で春夏連覇したときのような自信に満ちあふれた顔で投げることを藤浪に求めたが、昨年はプロ初の0勝。あの頃の表情はどこへ...。しかし、決して忘れていたわけではなかった。指揮官は「自分がいいボールがいっているという手応えがあるようないい顔でボールを投げられていた」と評価。"いい顔"が少しずつ戻ってきたことが収穫だ。  「かなりいい感じでしたけど、もう少しやるべきことはある。シーズン開幕が遅れたけど、しっかり練習して(開幕を)迎えられるようにまだまだこれからもアピールしないといけない」  藤浪が気合を入れた。開幕のローテーションは西が確定しており、青柳、高橋、ガンケルが有力。開幕延期となるなか、残り2枠をかけた競争でレベルアップした姿を見せていく。 (織原祥平) 藤浪について阪神・福原投手コーチ 「悪くはなかった。真っすぐがよかった。ちょっとずつ階段を上がってくれれば」

◆ヤクルト・村上宗隆内野手(20)が11日、阪神とのオープン戦(神宮)に「4番・DH」で先発出場し、一回に投手強襲の内野安打を放つなど、2打数1安打2四球だった。下半身のコンディション不良から前日10日に1軍復帰したばかり。高津臣吾監督(51)は近日中に守備に就かせることを明かした。  空白の期間を感じさせない、鋭いスイングだった。4番・村上が一回に投手強襲の内野安打。藤浪が投じた152キロの直球をはじき返した。  「どちら(1打席目も2打席目)も、いいスイングができました」  ベンチ最前列で声を張り上げた大砲は、枯れた声で振り返った。前日10日の広島戦で1軍に合流。二回の第1打席で捕邪飛に倒れ、その裏に雨天コールドゲームとなった。仕切り直しとなったこの日、復帰後初安打をマークした。  四回も藤浪の151キロの直球を捉えたが、強い当たりの右飛。六、九回はボールを見極めて四球を選んだ。4打席の全22球中、13球のボール球には手を出さなかった。  東日本大震災から9年を迎え、神宮球場は半旗を掲げ、試合前に両軍が犠牲者に黙祷(もくとう)をささげた。村上は熊本・九州学院高2年時の2016年に熊本地震を経験。今季は1本塁打を打つごとに一定額を、再建中の熊本城に寄付する。  「走る姿を見ても、気にならない動きをしている。状態がよければ守備に就かせたい」と高津監督。昨季は36本塁打&96打点をマーク。20歳で迎える今季、開幕戦で4番を務めれば球団最年少記録となる。若き大砲の完全復調は間近だ。 (横山尚杜) 試合前、ナインと東日本大震災の被災者に黙祷(もくとう)をささげたヤクルト・嶋 「忘れてはいけない日。頑張りましょうとか簡単には言えない。野球人として頑張っているプレーをみせることが、僕の仕事だと思う」

◆四回2死までの藤浪は完ぺき。球威があって、変化球も決まる。何よりも、右打者に当たりそうになる抜け球が1球もなかった。それ以上に、打者と勝負していたことがうれしかった。打者に向かっていく気持ちが前面に出て、対戦を楽しんでいるかのように映った。こんな藤浪は久々だ。  四回2死から右打者・塩見に対して、この日唯一の"危ない"抜け球があった。これまでも課題となっていたのが、死球を与えたり、当てそうになった直後の投球内容。精神的な部分だ。だからこそ、個人的にはもう1イニング投げさせてほしかった。  塩見との一回の対戦では、やや抜けた内角への1球があった。でも、これは"ちょうどいい"抜け球。相手は嫌がって次の外角速球に腰を引いていた。この攻めができたのだから大きな前進だ。  もちろん、1度の好投で手放しでは喜べない。最低あと2回、同じような内容を見せること。そうすれば、開幕ローテは文句なし。嫌がるヤクルト戦に投げさせたくなる。 (サンケイスポーツ専属評論家)

DAZN

<オープン戦順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(2↑)
ソフトバンク
630 0.667
(↑0.042)
-
(-)
49
(+6)
25
(+3)
10
(-)
9
(+4)
0.257
(↑0.001)
2.360
(↓0.08)
2
(2↑)
楽天
740 0.636
(↑0.036)
0
(-)
51
(+9)
34
(+2)
8
(+2)
11
(+2)
0.259
(↑0.007)
2.540
(↑0.06)
3
(1↓)
広島
531 0.625
(↓0.089)
0.5
(↑1)
50
(+1)
43
(+7)
7
(-)
4
(-)
0.295
(↓0.006)
4.440
(↓0.38)
4
(1↑)
DeNA
640 0.600
(↑0.044)
0.5
(-)
41
(+7)
35
(+1)
11
(+4)
2
(-)
0.256
(↑0.007)
2.830
(↑0.33)
4
(3↓)
西武
321 0.600
(↓0.15)
1
(↓1)
26
(+2)
20
(+9)
4
(-)
9
(-)
0.282
(↓0.015)
3.460
(↓1.21)
6
(1↑)
阪神
432 0.571
(↑0.071)
1
(-)
27
(+3)
43
(+1)
10
(-)
8
(+2)
0.232
(↑0.005
4.560
(↑0.45)
7
(2↓)
日本ハム
542 0.556
(-)
1
(↓0.5)
47
(+3)
41
(+3)
5
(-)
6
(+1)
0.270
(↓0.004)
3.310
(↑0.03)
8
(1↓)
ロッテ
222 0.500
(-)
1.5
(↓0.5)
24
(+3)
24
(+3)
7
(+1)
8
(+2)
0.229
(↑0.003)
3.740
(↑0.15)
9
(2↓)
ヤクルト
451 0.444
(↓0.056)
2
(↓1)
35
(+1)
42
(+3)
3
(-)
12
(-)
0.220
(↓0.011)
3.580
(↑0.18)
10
(-)
ORIX
352 0.375
(↓0.054)
2.5
(↓1)
35
(+2)
41
(+4)
6
(-)
4
(-)
0.262
(↓0.006)
3.760
(↓0.03)
11
(-)
中日
370 0.300
(↑0.078)
3.5
(-)
23
(+4)
48
(+2)
4
(-)
4
(+2)
0.220
(↑0.009)
4.450
(↑0.28)
12
(1↓)
巨人
283 0.200
(↓0.022)
4.5
(↓1)
47
(+3)
59
(+6)
13
(+2)
2
(-)
0.240
(↓0.008)
4.460
(↓0.17)