ソフトバンク(★1対8☆)日本ハム =リーグ戦25回戦(2019.09.21)・福岡ヤフオクドーム=
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日本ハム
0201000328711
ソフトバンク
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勝利投手:有原 航平(15勝8敗0S)
敗戦投手:二保 旭(1勝4敗0S)

本塁打
【日本ハム】中田 翔(24号・9回表2ラン)
【ソフトバンク】松田 宣浩(30号・7回裏ソロ)

  DAZN
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◆日本ハムは2回表、石井の適時打などで2点を先制する。3-1で迎えた8回に、平沼の走者一掃の3点適時打で追加点を挙げると、9回には中田の2ランでリードを広げた。投げては、先発・有原が7回1失点の好投で今季15勝目。敗れたソフトバンクは、投打ともに振るわなかった。

◆ソフトバンク先発二保旭投手が4回途中3失点で降板した。初回は3者連続空振り三振を奪う最高のスタートを切ったが、2回の先頭中田に四球を与えると、1死一、三塁から石井に遊撃への先制内野適時打を許した。 さらに味方野選もありこの回2失点。4回1死一塁から9番宇佐見に左中間を破られる適時二塁打を許し交代となった。 二保は「大事な試合で、先頭バッターのフォアボールから簡単に先制点を与えてしまった。低めに丁寧に自分のボールを投げようと意識はしていたが、うまくボールを操れなかった。もう少し粘りの投球ができれば違う結果になったかもしれない。チームに申し訳ない」とコメント。8月15日楽天戦以来、今季8度目の先発マウンドだったが、首脳陣の期待に応えられなかった。

◆日本ハムは2回、ソフトバンク先発二保を攻め、石井の適時内野安打などで2点を先制。先発有原は3回まで無失点に抑えた。 日本ハムは4回、宇佐見が左中間への適時二塁打を放ち1点を追加。6回まで3-0と試合を有利に進めた。 日本ハムは終盤にも得点を重ね、勝負を決めた。有原は15勝目。ソフトバンクは打線が沈黙して痛い1敗を喫した。

◆ソフトバンクが本拠地最終戦で日本ハムに敗れ、首位西武のマジックは3となった。 試合後、最終戦セレモニーであいさつした工藤公康監督(56)は「今日、ホーム最終戦を迎え、本当に勝ちたかったです。でも、負けてしまいましたが、我々のシーズンはこれからだと思っています。残り5試合、死にものぐるいで一戦必勝の心をしっかり持って戦っていきたいと思います。そして、ファンの皆様の期待にしっかり応えられるように、絶対勝つんだと、絶対日本一になるんだという強い気持ちを持ってこれからも頑張っていきたい」とスタンドのファンへ、大きな声で強い気持ちを伝えた。

◆日本ハム有原航平投手(27)が、「最多勝利投手」のタイトルをほぼ手中におさめた。21日ソフトバンク25回戦(ヤフオクドーム)で、7回2安打1失点。ソフトバンク千賀に2勝差をつけ、リーグトップの15勝目。また防御率(2・46)も首位をガッチリキープした。エースの快投で、チームの連敗は2で止まり、逆転CS出場に望みをつないだ。球場の空気さえも、支配した。有原が、強力打線に立ちはだかった。直球を軸に、要所でチェンジアップを効かせた。柳田、グラシアル、デスパイネの中軸を計9打数無安打と完璧に封じた。7回2安打1失点で15勝目。「(田中賢が)福岡での試合が今日で最後と知っていたので、何とか勝ちたいと思っていた。良い投球が出来て良かった」。ベンチ内では試合中にもアドバイスをくれる先輩の、故郷でのラストゲームを飾った。 孤軍奮闘の成果が、形になろうとしている。最多勝、防御率(2・46)でリーグ1位。勝率は6割5分2厘で2位に付けている。この日の白星の価値は大きく、千賀に2勝差をつけた。「残り試合もあるので、最後まで気を抜かずに頑張りたい」。控えめに向かう先に、15年新人王以来の個人タイトルが待っている。 投球同様、丁寧な気遣いを忘れない。8月の旭川での試合。登板機会がなかったため、チーム本体から外れて金子ら他の先発陣と2軍の千葉・鎌ケ谷で調整した。「今回は行けないので」。チームスタッフに、今年の球宴で使用したグローブとスパイクを託した。 かつてエンゼルス大谷とも一緒に食べた旭川のカレー店「クレイジースパイス」へのプレゼントだった。これまで展示されていたのはアンダーシャツのみ。そのことを知ると、機転を利かせた。世話になった店へ、細やかな配慮が込められた贈り物だった。 エースが快投し、チームの連敗を「2」で止めた。栗山監督は「素晴らしかったですね」と好投をたたえた。上沢が抜け、先発陣の柱としてフル回転してきた。有原は「今年は大事なところで勝てなかった。今日勝てたことは次につながる。次はもう少し投げられるように頑張りたい」。真のエースへの階段を上っていく。【田中彩友美】

◆ソフトバンク松田宣浩内野手の節目の1発も空砲に終わった。 3点を追う7回2死走者なしから有原の114キロの初球カーブを完璧に捉え左翼スタンドへ、自身2年連続となる30号ソロを運んだ。 「1つの目標でもあった30本を打ててよかった」。2点差として反撃ムードを高めたが、8回以降にブルペン陣が5失点し大敗。試合後は笑顔はなかった。

◆ソフトバンク武田翔太投手が5回から2イニングを完全に抑えた。 右肘違和感の影響もあり中継ぎに回って結果を残し「まだ完全によくはない。ただ、そうは言ってられない状況だし、やれる範囲でしっかりチームの戦力になれるように頑張りたい」と気合を入れ直した。 先発して4回途中3失点の二保と、8回から登板し1回ももたず3失点した加治屋は出場選手登録を外れることが決まった。代わって田浦と椎野が1軍に昇格する。 ▽ソフトバンク加治屋(8回から登板も2/3回3失点で2軍降格)「直球に自信をつけて(1軍に)上がってきたのに、マウンドで力が出せなかった」

◆2位ソフトバンクが継投ミスで日本ハムに1-8で敗れ、崖っぷちに追い込まれた。 難敵有原から松田宣の30号ソロでようやく1点を奪って2点差とした直後の8回、工藤監督はマウンドに8月12日以来40日ぶりの加治屋を送り込んだ。しかし、制球が定まらず3四球で2死満塁。8番平沼に右翼へ走者一掃の適時三塁打を浴び、試合の流れを決定づけられた。 ブルペンには高橋純、モイネロがいたが、それぞれ4連投、3連投を避けるため昨季の「8回の男」加治屋を選択。この場面を問われた工藤監督は「そうですね...」と言ったきり、なかなか後の言葉が出てこなかった。19日に1軍登録された加治屋は「久しぶりなので」と試合前練習でヤフオクドームのマウンドを確認するなど、2軍で状態はよくてもブランクは隠せなかった。 工藤監督は「負けられない試合の中で僕なりに考えてベストの選択をしてきたつもりだが...」と声を絞り出した。甲斐野が発熱による体調不良で19、20日と2試合ベンチを外れ、右肘違和感で武田を先発から中継ぎへ配置転換するなど、大詰めを迎えても故障に泣かされ続けている。 この日がレギュラーシーズンの本拠地最終戦。試合後のセレモニーで工藤監督は「残り5試合、死にものぐるいで一戦必勝の心をしっかり持って戦っていきたい。絶対勝つんだ、絶対日本一になるんだ」とリーグV奪回を諦めずに戦うことを満員の鷹党の前で誓った。勝ち続けるしか道はない。【石橋隆雄】 ▽ソフトバンク加治屋(8回から登板も2/3回3失点で2軍降格)「直球に自信をつけて(1軍に)上がってきたのに、マウンドで力が出せなかった」

◆約2カ月ぶりの1発にも、笑顔はなかった。9回に左翼へ24号2ランを放った日本ハム中田翔内野手は「点差があるところで打っても、しょうがない。もっと価値のある1発を打ちたい」。前日までの2試合連続0封負けの責任を感じていた。 「投手が頑張っていたので申し訳なかった。野手も正直、苦しかった。もどかしかった」。右手痛から復帰後は初の本塁打だった。

◆最後までエンターテイナーだった。今季限りで現役を引退する日本ハム田中賢介内野手(38)が、故郷福岡でのラストゲームでダメ押し点を演出した。8回1死一、二塁。「代打、田中賢介」のアナウンスに、球場全体がどっと沸いた。 田中賢 びっくりしたね。九州の人の温かさを感じました。生まれ育ったところで、敵味方関係なく応援していただいて、感謝しています。福岡に生まれて良かったなと思いました。 フォークボールを引っかけたが全力疾走で一塁はセーフ。内野安打...と思われたが「映像を見たら、あれはアウトです」。リプレー検証の結果は、アウト。期待した客席のため息とは裏腹に本人は苦笑いだ。それでも"幻の内野安打"で2死二、三塁と好機が広がり、その後の平沼の走者一掃適時三塁打につながった。 両親や高校時代のチームメートが応援に駆けつけた。試合後には、日本ハムの元同僚・ソフトバンク川島から花束を渡され、がっちりと抱き合った。高谷からは、9回の空振り三振の"最後のボール"まで手渡され「実家に置いて飾っておきます」。CS圏3位楽天とは4ゲーム差。「CSへ行ける、行けないは別にして、自分たちの野球を最後までやることが大事」。奇跡への近道を、ベテランは誰よりも知っている。【中島宙恵】

◆ソフトバンクにとっては痛すぎる1敗だった。いや、1敗以上の大黒星と言っていい。日本ハム先発の有原の投球がすばらしかったのは確かだが「必勝」は何が何でも勝つ! という強い意志がなければ達成することはない。 松田宣の1発で2点差とした8回に5番手の加治屋が3四球から走者一掃の3点三塁打を許した。疑問符が付く投手起用もそうだが、この時点でまだ負けたわけではない。その裏にはヒットの内川、今宮に代走を送り、打席後のグラシアルも下げてしまった。残り試合、トーナメント戦の一戦必勝を誓っているわりには何とも士気下がるベンチワークではなかったか。 今シーズンの本拠地最終戦。王球団会長は試合後のセレモニーを見守った。ドーム内にきらめき、ごう音を響かせる花火が何ともむなしいではないか。 「最後はちょっとウチらしい試合をしたかったけどなあ。まあ、有原はよかった。(ホークスは投手起用も)予定通りいかなかったね。でも、まだまだ(試合は)あるからね」。拳をつくって王球団会長は車に乗り込んで行った。監督時代は「誰よりも俺が勝ちたいんだ!」とチームを鼓舞し続けてきた"闘将"には悔しさの募るゲームだったはずだ。 チームは試合後、大阪に移動し今日22日からオリックス2連戦、そして仙台での楽天戦の遠征に出る。西武の負けを祈る...では、あまりにもさびしすぎるではないか。ラスト5試合、文字通り「死力」を尽くすしかない。【ソフトバンク担当 佐竹英治】

◆日本ハムの平沼が3-1の八回2死満塁で右中間へ駄目押しの3点三塁打を放った。加治屋に簡単に追い込まれながらも、3球目のフォークボールをうまく捉えて走者を一掃し、試合の行方を決定づけた。  9月8日以来となる安打で勝利に貢献した。「ほっとした。ワンバウンドになる球以外は振ってやろうと思っていた」と満面の笑みだった。

◆ソフトバンクの松田宣が0-3の七回に30号ソロを放った。相手エースの有原が投じた初球のカーブを左翼席へ運ぶ。14日の前回対戦に続く本塁打となり「いい投手なので今日も打てて良かった」と声を弾ませた。  2年連続3度目の30本塁打に到達し「連続で30本打てたのは自信を持っていい。なかなか打てるものではない」と誇る。首位西武を追うシーズンも残り5試合となり「与えられた試合、与えられた打席を全力でやる。全試合出場のモチベーションもある」と言葉に力を込めた。

◆有原が先発して7回2安打1失点で、リーグ単独トップの15勝目(8敗)。2位のソフトバンク・千賀に2勝差をつけ、自身初の投手タイトルとなる最多勝を確実にした。日本ハムの投手でシーズン15勝以上は2015年の大谷翔平(15勝)以来。負ければクライマックスシリーズ進出が消える可能性があった試合に勝ち、有原は「今年は大事なところで勝てていなかったので、勝てたことは次につながると思います」と語った。

◆大敗で、2年ぶりのリーグ優勝はかなり難しくなった。当初先発予定の武田は右肘の張りを訴え、2イニングのみの中継ぎで起用。代わって先発の二保は四回途中3失点と粘れなかった。これが今季本拠地最終戦。試合後のセレモニーで工藤監督は「絶対日本一になるんだという強い気持ちを持って、これからも頑張っていきたい」と満員の観衆の前で話したが、「優勝」の2文字は口にできなかった。

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<パ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
西武
78601 0.565
(↓0.004)
M3
(↑1)
4733
(+1)
674
(+6)
169
(-)
131
(+1)
0.266
(↓0.001)
4.340
(↓0.02)
2
(-)
ソフトバンク
74604 0.552
(↓0.004)
2
(-)
5562
(+1)
547
(+8)
177
(+1)
112
(-)
0.250
(↓0.001)
3.660
(↓0.03)
3
(-)
楽天
68674 0.504
(↑0.004)
8.5
(↑1)
4593
(+6)
565
(+1)
135
(+1)
44
(-)
0.251
(↑0.001)
3.760
(↑0.02)
4
(-)
ロッテ
67694 0.493
(↓0.003)
10
(-)
3628
(+1)
598
(+3)
158
(-)
75
(-)
0.248
(-)
3.910
(↑0.01)
5
(-)
日本ハム
63705 0.474
(↑0.004)
12.5
(↑1)
5551
(+8)
569
(+1)
92
(+1)
48
(-)
0.252
(-)
3.790
(↑0.02)
6
(-)
ORIX
59716 0.454
(↑0.004)
15
(↑1)
7524
(+3)
611
(+1)
98
(-)
117
(+1)
0.244
(↓0.001)
4.080
(↑0.02)