阪神(☆4対3★)ヤクルト =リーグ戦13回戦(2019.07.20)・阪神甲子園球場=
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ヤクルト
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阪神
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勝利投手:ドリス(4勝3敗18S)
敗戦投手:ハフ(1勝2敗0S)
  DAZN
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◆阪神がサヨナラ勝利。阪神は1点を追う8回裏、糸原と大山の適時打で逆転に成功する。直後に同点とされ迎えた9回には、1死三塁から近本が犠飛を放って試合を決めた。投げては、先発・高橋遥が7回2失点10奪三振の快投。敗れたヤクルトは、3番手・ハフが誤算だった。

◆甲子園で筋肉祭り? が起こった。この日は「キン肉マンDAY」として開催。始球式には「キン肉マン」の作者、ゆでたまごの2人が登場した。マウンドに上がった作画担当の中井義則さん(58)は、見事なノーバウンドでのストライク投球を披露し、大きな拍手を浴びた。 「漫画家になる前の夢が、甲子園のマウンドに上がることでした。夢がかなって今はフワフワしていますね」 原作担当の嶋田隆司さん(58)と一緒に「夢の時間」を振り返った。 阪神先発の高橋遥とヤクルト先発の小川はともに背番号「29」。なんと、ゆでたまごの2人も背番号「029」(おにく)のユニホームで登場。"肉々しい"共演となった。

◆阪神高山俊外野手(26)が約1カ月ぶりの適時打を放ち、先制に成功した。 2回、先頭の大山が左翼への二塁打で出塁し、1死三塁となって小川の139キロを捉え、中前へ運んだ。「なんとしても先制点がほしい場面だったので、かえすことが出来て良かったです。追い込まれていたので食らいついていきました」。 6月14日オリックス戦(京セラドーム大阪)以来の適時打。連敗脱出へ大きな一打となった。

◆阪神高橋遥人投手(23)が自己最多の10三振を奪う好投を見せ、7回7安打2失点で降板した。 序盤から力強い直球が決まり、三振の山を築いた。5回は8番太田を146キロ直球で見逃し三振に仕留めると、広岡を146キロ直球で空振り三振。最後は小川を137キロツーシームで空振り三振と、3者連続で奪った。 しかし1-0の6回2死走者なしから青木、村上に連打を浴び、満塁から中村に右前へ逆転の2点適時打を浴びた。「勝負どころで粘ることができず、リードを許した展開でマウンドを降りてしまい、チームに申し訳ない気持ちです」。テンポよく抑えてきただけに、悔しいイニングとなった。 味方の援護がなくリードされたままの降板となったが、ここまで9試合に先発し防御率1・89。好投を続けながらも3勝目はならなかった。

◆阪神先発は高橋遥、ヤクルトは小川。阪神は2回、高山の適時打で1点を先制。高橋遥は3回まで無安打無失点の立ち上がり。 ヤクルトが6回に中村の右前2点適時打で試合をひっくり返した。先発小川は6回を6安打1失点と踏ん張った。 阪神は9回に追いつかれたが、その裏に近本がサヨナラ犠飛を放ち、連敗を6で止めた。ヤクルトは借金16。阪神ドリス4勝目、ヤクルト・ハフ2敗目。

◆ヤクルトが継投のタイミングを逸し、借金16に逆戻りとなった。先発小川は尻上がりに調子を上げて6回から5者連続三振を奪ったが、1点リードの8回に連打を許し2失点につながった。9回に粘って1点差を追いつくも、痛いサヨナラ負け。 小川監督は「小川はよかったが、引っ張りすぎてしまった。こういう展開でなかなか勝てない」と悔やんだ。

◆「キン肉マン」パワーがみなぎった!? 阪神の先発高橋遥人投手(23)が、自己最多の10三振を奪う快投を演じた。19日が雨天中止となり初のスライド登板。白星はつかなかったが7回7安打2失点と、矢野監督の期待に応えた。 力感あふれる直球がビシビシ決まった。「暑かったですけど、全くいつもと同じように入れました。みんなが声を掛けてくれましたし、声援もありましたし、力になりました」。5回、8番太田を146キロ直球で見逃し三振に仕留めると、広岡からも146キロ直球で空振りを奪い、この回3者連続三振。ひょうひょうとした表情で、次々に打者をなぎ倒していった。 試合は「キン肉マンDay」として開催され、原作者のゆでたまごの2人が始球式に登場。ともにユニホームの背番号は「029(おにく)」で、高橋遥とヤクルト先発の小川も「29」だった。"肉々しい"競演で始まったゲームでヒーロー級の投球をみせた。ただ、高橋遥に笑みはない。「三振はおまけみたいなものなので。ランナーを背負ってから三振を取らないといけない。リードを許して降りてしまったので、もっと出来たんじゃないかなって」。1-0の6回2死走者なしから青木、村上に連打を浴び、満塁として中村に逆転の2点適時打を許した。初の2ケタ奪三振より、リードを保てず先発としての責任感が勝った。 連敗ストップを呼び込んだ粘りに、矢野監督の信頼は揺るがない。「投げる度に自分の自信が高まっている。スライドも初めての経験。どんどん自信をつけて投手陣を引っ張っていく素材」。ここまで2勝2敗ながら、防御率1・89はチームの先発で現在トップの数字。プロ2年目の左腕は、まだまだパワーアップする。【磯綾乃】

◆阪神は8回にあわやセンターゴロというプレーがあった。 2-2に追いついて迎えた1死一、三塁。大山のセンター前にはずむ打球で三塁走者植田海内野手が遅れてスタート。中堅手青木の返球は完全にアウトのタイミングだったが、捕手中村がポロリとこぼしてセーフとなった。 植田は「(中堅手が)定位置くらいやったんで」。中飛を警戒した結果の際どいプレーだったと振り返った。

◆阪神大山悠輔内野手が一時勝ち越しの適時打を放った。同点に追いついた8回1死一、三塁で近藤のスライダーに食らいついて中前打。本塁返球で三塁走者植田がアウトになりかけたが、執念で打点をもぎ取った。 「チームが勝てたことが一番」とにっこりの大山に、矢野燿大監督は「ああいう場面で打ってこそ4番。中心打者の責任を果たせる場面。結果を出したのはまた1つプラスに考えて」とたたえた。

◆阪神守護神ラファエル・ドリス投手が笑顔なき4勝目だ。 1点リードの9回から登板も、先頭中村の右前打から1死三塁のピンチを招き、一塁野選で同点に追いつかれた。 チームがその裏にサヨナラ勝ちを収めて勝利投手となったが「いつも通りいったつもりだけど、力んだ部分があったかもしれない。チームの勝ちが一番大事。勝てて良かった」とホッとしていた。

◆左膝負傷のため戦列を離れていた阪神ジェフリー・マルテ内野手(28)が20日ヤクルト戦からベンチ入りメンバーに復帰した。 15日中日戦(ナゴヤドーム)で二塁に滑り込んだ際に痛めて、翌16日は検査のために帰阪欠場。この日は試合前練習で屋外フリー打撃を行い、強振するなど感触をチェック。走塁練習も行い、二塁を踏む動きなどを確認した。 出場機会はなかったが、離脱をまぬがれた。

◆阪神の近本光司外野手(24)がプロ初のサヨナラ打で連敗を6で止めた。球宴後初めて甲子園で行われたヤクルト戦。3-3と追い付かれた直後の9回1死三塁、ドラフト1位が左犠飛を放った。球宴で史上2人目のサイクル安打を達成したヒーローが「キン肉マンDay」に今季7度目のサヨナラ勝ちを呼び込み、再びヒーローになった。勢い冷めぬ甲子園が、さらに熱を帯びた。プロ入り初のサヨナラ打。歓喜のシャワーを浴びる近本は誇らしげだった。 「何度目かのサヨナラの場面で打席に立って、今までは最低限の打撃と考えていたけど結果的にダメだったので。しっかりタイミングさえ合えば(打ちに)行こうかなと」 勝負の場面は同点の9回1死三塁だった。「最初、三塁に北條がいたんで、ここはなんとしてもヒットじゃないとダメだなと思ってました」。お立ち台でちゃかしたように、同学年の北條に代走江越が送られた。「ヒットじゃなくても、犠牲フライでも江越さんなら(本塁に)かえってくれるので(打球の)距離を出そうかなと」。ハフから左翼へサヨナラ犠飛を放ち、連敗を6で止めた。立役者は目尻を下げ「やっと勝てたかなと思いますね...」とほっとした表情を浮かべた。 勝っても負けても、明日は来る。それはどんなヒーローでも同じ。強くなるために、何度負けても諦めない。この日は「キン肉マンDay」として開催。近本自身はあまりテレビなどで見る機会はなかったというが、日本を代表する人気漫画の主人公に負けない働きっぷり。筋骨隆々のキン肉マンの体格と比べて「全然ですけど...」と控えめながら、最後はきっちりヒーローになった。 後半戦初勝利は近本が打ったからこそ生まれた。6回、8回と先頭打者でヒットを放って出塁。塁上でプレッシャーをかけた。「自分の仕事がそれまでにできていた。あの場面で(それが)できていなくて打席に入っていたら心境も違ったと思う」。声援にも背中を押された。新設された応援歌が本拠地では初演奏され、耳に入るメロディーに「打席で聞いてしまうところもあった。本当にいいなと」とファンに感謝した。 矢野監督からの信頼も絶大だった。9回の攻撃について「選手もほとんど使い果たしていた。江越の代走もどうしようかなと迷った。『近本、決めてくれ』という気持ちだけで応援しました」と全てを託した。諦めたらゲームセット。迷いは捨てて、がむしゃらに進むのみ。「野球ってほんとに最後まで分からないスポーツだなと思ったんで、そういうところが野球の面白いところかなと」。球宴でもサイクル安打を達成した阪神のヒーローは、ギブアップなんてしない。【真柴健】 ▼阪神のサヨナラ勝利は今季7度目で、これは12球団最多。年間11度ペースで、2リーグ分立後の球団最多01年の12度に迫る勢いだ。

◆阪神矢野燿大監督の攻撃的な采配が実った。9回は先頭で代打北條が右中間二塁打。陽川にはバントを命じて、プロ初犠打を決めた。 1死三塁になると代走江越を投入し、近本の浅い左翼への飛球でサヨナラの生還。「(陽川へのバントは)ちょっと迷ったけどな。(植田)海のところに打順が回ってきても、どうしようかと。もう江越に代えた時点で、あのままいけば、トリ(鳥谷)が守るということやし。1個1個、やっておいてよかったなと、あとで思うよりは、いってしまった方がいい」。目まぐるしく手を打った場面を丁寧に説明した。

◆阪神・高山俊外野手(25)が20日のヤクルト戦(甲子園)の二回1死三塁で先制の中前打を放った。  「なんとしても先制点がほしい場面だったので、(走者を)返すことができてよかったです。追い込まれていたのでくらいついていきました」  二回に先頭の大山が左翼線への二塁打を放ち、無死二塁の好機を演出。原口の二ゴロで1死三塁とすると、高山が決めた。  カウント1-2と追い込まれてからの4球目、139キロを振り抜いて中前へ。先制点をもたらした。

◆阪神・高橋遥人投手(24)が20日のヤクルト戦(甲子園)に先発し、1-0の六回に中村に逆転を許す右前適時打を浴びた。  五回までは9三振を奪うなど、快投乱麻のピッチング。しかし六回に中軸の連打からつかまってしまった。先頭から2死まではスイスイとこぎつけたが、そこから青木、村上に連打を浴びて一、三塁に。バレンティンにストレートの四球を許して満塁とすると、中村に右前2点打を献上した。

◆阪神・高橋遥人投手(24)が20日のヤクルト戦(甲子園)に先発し、七回までで自己最多となる10三振を奪った。  五回に3者連続三振を奪って9奪三振とすると、七回に2桁に乗せた。2死一塁から山崎を146キロ直球で見逃し三振に。これまでの自己最多7奪三振を大きく上回る、10奪三振で球場を沸かせた。  阪神の投手が2桁奪三振を記録するのは、2017年7月23日のメッセンジャー(12奪三振)以来2年ぶり。

◆阪神・高橋遥人投手(24)が20日のヤクルト戦(甲子園)に先発し、7回7安打2失点も白星をつかむことはできなかった。  「勝負所で粘ることができず、リードを許した展開でマウンドを降りてしまいチームに申し訳ない気持ちです」  自身初、そしてチームでも今季初となる2桁奪三振の快投も、報われず。1点リードの六回2死満塁で中村に右前2点打を浴び、逆転を許したのが痛かった。七回2死一塁ではこの日10個目の三振を奪ったが、勝利にはつながらず。打線の援護も1点にとどまり、自身3勝目の権利は手に入れられなかった。

◆阪神・大山悠輔内野手(24)が20日のヤクルト戦(甲子園)で八回1死一、三塁で勝ち越しの中前適時打を放った。  八回1死二塁から糸原の中前打で同点に追いつき、糸井も左前打で続いて一、三塁に。絶好機を、4番のひと振りでものにした。代わったばかりの相手2番手・近藤の初球129キロを強振。打球は中堅の手前で弾み、値千金の勝ち越し打となった。

◆阪神・糸原健斗内野手(26)が20日のヤクルト戦(甲子園)の八回1死二塁で、中前へ同点適時打を放った。 1-2で迎えた八回。1死からD1位・近本光司外野手(24)=大阪ガス=が左中間への二塁打を放って好機を演出。続く糸原がすかさず低め141キロを中前へ運び、同点の適時打とした。

◆ヤクルトは投手陣が粘れず、今季の甲子園での阪神戦は4試合続けて1点差負けとなった。  先発の小川は球威のある球を連発して七回は3者三振と寄せ付けなかった。しかし八回1死からの連打で追い付かれ、続く糸井の安打で傷口を広げたところで降板。近藤が勝ち越し打を浴びても九回に追い付く粘りは見せたが、その裏にハフでサヨナラ負けを喫した。  八回途中3失点の小川は力投も報われず、「七回に出し切った感じはあった」と肩を落とし、小川監督は「(先発を)ちょっと引っ張りすぎたかな」と継投のタイミングを悔やんだ。

◆阪神は高橋遥が7回2失点と先発の役目を果たし、サヨナラ勝ちにつなげた。雨で中止となった19日からスライド登板となった影響を感じさせず、自己最多の10三振を奪う力投。「いつもと同じように入れた。(チームが)勝ったのでうれしい」と笑顔を見せた。  1-0の六回に中村に2点打を浴びたが、続投した七回も期待に応えて踏ん張った。自慢の力強い速球を軸にヤクルト打線を押し込んだ2年目サウスポーに、矢野監督は「投げるたびに自信が高まっていると思う。投手陣を引っ張っていけるような素材で楽しみ」と相好を崩した。

◆本日は参議院議員選挙です。「どうせ...だから」と若い人はいささか冷め切っていると聞くけれど、とにかく若者よ、選挙に行こう! そして新鮮な風を入れようゼ。  投票に行かなきゃ何も動かない。私めのように、せいぜい会社の編集局のテレビの前で「な、もっと打たんと点は入らんヮナ」と周囲の誰彼なく声をかけて...みんなにシカトされてるのに「なんでわからへんのや...」とブツクサいってるのと少しも変わらんじゃないですかとヘンな反省。  この日の甲子園の始球式は人気漫画「キン肉マン」の作者ゆでたまご氏が登板した。ゆでたまごとは嶋田隆司と中井義則両氏の合同ペンネームで、キン肉マンの生みの親。2人とも大阪市出身なのだ。  試合前に阪神甲子園駅を降りて、コンビニに入ったトラ番長友孝輔記者は、おまけとして「リッツのベイクドチップス」というのをもらって、思わずトクした気分になった。今や日本中はこうしたちょっとしたサービスが大流行でウレシイ気分になる。かといって小声でコンビニの店員さんが「あのこれ、阪神の得点1点サービス券です」なんて手渡しされたらギョッとしない? それでもいいから「阪神の得点券」というのがどこかにないかなぁ...。  ま、それほど飢えているんです、得点に。しかし、長友記者は途中でハッと気がついた。  「今日の先発は、高橋遥人もヤクルトの小川投手もともに背番号『29』でしょ。これってまさにキン肉マンのヒタイにかかれている『肉』(ニク)の対決なんですョ。はたしてどっちのニク(肉)が美味しいかという勝負で...ウフフ」  長友はシビアな記事を得意とする記者だが、今夜ばかりはコンビニでチップのみやげはもらうわ、やたら美味しそうなことを連想してそんな電話をくれたのですが...。  トラ番菊地峻太朗は「キン肉マンの漫画に出てくる『超人』というのは、まさに糸井選手のようなすごい人をいうのです。だから今日は糸井さんがドカンと打つような気がします」という。キャップ大石豊佳も同意見で「今夜は糸井さんの出番じゃないですか」と希望的観測を伝えてきた。  ということはわがトラ番記者諸君もコレといった確信というのではなく、人気漫画のキャラをアテにしてゲンをかついでいるわけだ。  そして先発した阪神のキン肉マン高橋遥は、三振をバッタバッタととって見事なピッチングだ。思わずテレビの画面に向かってガンバレ! と小さく叫んだ。このままならトラの勝ち。少し早めに「虎ソナ」を書き上げて...赤ちょうちんでグイッとひっかけて...。ああそれなのに...いつものじれったい展開で足止めを食った。こういっちゃなんだが、虎の拙攻は何か俺の女房のリクエストでその赤ちょうちんでちょいと一杯作戦をストップさせているのかとさえ思った。それとも俺の安月給のことを心配してくれているのか...。  ところでこの日、当番デスクの阿部祐亮は先日、コンビニのサービスで「ハウスの特選ナマわさび」が当たった。それで愛妻に渡したら「もう1日早かったら、買わなくてすんだのに...」といわれて「そんなもん俺にわかるか」と苦笑した。それこそホンのちょっとたズレで...最近の阪神に誰かマジで得点券くれまへんか? あれば...ね。

◆ドリスは1点を守り切れなかった。3-2の九回に登板するも先頭の中村に右前打。犠打で二進されると、雄平の打席で暴投。1死三塁となったところで、一塁へのゴロを陽川が本塁送球も間に合わず(記録は野選)、同点とされた。サヨナラ勝ちで4勝目が転がり込んだが「いつも通りにいったつもりだが、力んだところがあった。最後に勝ってよかった」と胸をなで下ろしていた。

◆わが阪神が連敗を6でストップ。ホッとした夜なのだ。  だけどさ~、野球っておかしくないかい!? 7回を2失点に抑えた23歳の若虎、高橋遥に白星がつかず、1点リードの九回に登板した守護神・ドリスが同点にされたのに、サヨナラ勝ちで白星が転がり込んじゃうっておかしいやろ~!!  とにかく、おかしいわ~!! なので、猛省する芸人にどこか居場所くらい残してやれんのか~!! 人間、誰だって間違いはあるやろ~!! 武士の情が日本とちゃうんかい!? アレ!? 俺、なんか違う方向に行っていました。失礼!!  近本のプロ入り初のサヨナラ打となった犠飛は、本人が思っている以上に大きいのだ!!  虎党は既に気付いているけど、福留がいない中で、勝敗は1番・近本と4番・大山にかかっているんだ!! そんな中、犠飛でも勝利を手に入れられた。さあ、近本よ、打率3割を達成して盗塁王にも輝き、新人王を取ったれ~!!

◆キン肉マンの登場キャラ「ウォーズマン」が好きな能見が2番手で登板し、八回を三者凡退に抑えて反撃につなげた。青木を一邪飛、村上を二直、バレンティンを空振り三振。流れをたぐり寄せる好救援も「(高橋)遥人に勝ちがつくのが一番いいんですけど」と後輩を気遣った。小学生の頃に見ていたという「キン肉マン」は今年で40周年。同い年の左腕もまだまだ"ベアークロー"のような球筋を磨く。

◆--高橋遥はスライド先発で立派な投球  矢野監督 「内容的にもずっと押しているピッチングで、三振もたくさん取ってましたしね。何とか遥人(高橋)に勝ちをつけてあげたかったですね」  --勝ったことで、気持ちの面でも違う  「今日、1こ勝てたことで、そういうのはまた明日もやって、前向いてやっていきたいと思います」  --明日もチケットは完売。西が先発する  「本当にタイガースファンの方にはたくさん来ていただいて、本当に『喜ばせる』と言いながらも、なかなかそういう試合ができていないのでね」

◆20日の阪神-ヤクルト戦(甲子園)のファーストピッチセレモニーに阪神の春季キャンプ地である沖縄・宜野座村の少年野球チーム「惣慶ヤンキース」が登場。主将の東泰蔵くんは「甲子園に来るのは初めて。ファインプレーとかホームランが見たい」と話した。

◆大山は2-2と追いついてなお八回1死一、三塁で、一時勝ち越しとなる中前適時打。4番の働きを見せ「チームの勝ちにつながったのが一番だと思います」と喜んだ。二回先頭では左翼線二塁打を放ち先制のホームを踏むなど3打数2安打。7月は打率・378と夏男ぶりを見せており「チームが勝つことが最優先。チームが勝てばいい」と力を込めた。

◆糸原が2-1の八回、一時同点打を放った。1死二塁から小川の低めのカットボールを捉え、中前へ。二走・近本が俊足を生かして生還し、自身も右手で力強くガッツポーズを繰り出した。「勝ったのが一番です。ピッチャー陣がずっとがんばってくれていたので、あそこで打たないと申し訳ない。打ててよかった」とホッとしていた。

◆スライド登板した高橋遥は白星はつかなかったが、7回2失点の力投。外角へのスライダーやツーシームを有効に使って五回まではわずか2安打に抑えた。それでも「カードの初戦を任せてもらったのに、リードを許した状態でマウンドを降りたので、もっとできるところがあった」と反省。自身初、今季チーム初の2桁となる10奪三振にも「数はおまけみたいなもの。走者を背負ったときに取らないといけない」と満足していなかった。

◆阪神は20日、ヤクルト戦(甲子園)で今年で40周年を迎えた人気漫画「キン肉マン」とのコラボ企画として「キン肉マンDay」を開催した。  作者「ゆでたまご」で、ともに大阪出身の作画担当・中井義則氏(58)と原作担当・嶋田隆司氏(58)が登場。中井氏が始球式でノーバウンド投球をした。  また、先着1万人の入場者に「キン肉マン×阪神タイガース」のオリジナルうちわが渡された。  中井氏は「甲子園で投げることが夢だった」と振り返り、嶋田氏は「選手たちに喜んでもらえているのだったらうれしい」と目を細めた。

◆サヨナラ負けで、ヤクルトの借金は「16」に膨らんだ。先発の小川泰弘投手(29)は八回途中9安打3失点の粘投も、4勝目(8敗)はならず。「(七回で)出し切った感じがあった。八回は甘く入ってしまった」と振り返った。  前日19日が雨天中止となり、1日スライドして7回まで6安打1失点。109球を投げていたが、八回も続投。1死から近本に左中間二塁打、続く糸原に中前へ適時打を浴び、同点とされた。  七回は140キロ台後半の直球で押し、3者連続三振だったが、八回は最速で145キロ。小川監督は「(小川は)良かったと思います。ちょっと引っ張りすぎたかな」と、苦しむエースをかばった。 (横山尚杜) 小川についてヤクルト・田畑投手コーチ 「十分に仕事をしてくれたと思う。冷静に考えると、引っ張りすぎたのかもしれない」

◆実はプロに入って、初めてだった。虎党も、記憶をたどってもなかったはずだ。バットを寝かせた陽川が大一番で、大仕事をやってのけた。  「自分の仕事をやらないといけない中で、こういう仕事もあると思う。何とかランナーを進められてよかったです」  3-3の九回、先頭の代打北條が右中間へ二塁打を放ち、無死二塁。ここで、直前の一塁守備から途中出場していた陽川の出番だった。もちろん、サインはバント。プロ通算433打席目。ハフの初球、144キロを三塁線にきっちりと転がした。北條を三塁に進め、近本のサヨナラ犠飛をおぜん立てした。  矢野監督は「完璧なバント。あれで流れがまた、こっちに来ましたね」と大絶賛。陽川の記憶をたどれば、昨年、1度バントのサインが出たが「失敗した」という。  「成功したのは初めてです」  長距離砲は実に照れくさそうだった。  「少ないチャンスなので、自分にできる仕事をしていきたいです」  小技も大技も、"リング"に上がれば関係ない。虎の平和を守るため、陽川が戦い続ける。(箭内桃子)

◆"友情パワー"と聖地の声援を力に変えた。右中間を真っ二つに割った。北條はベース上でポンと手をたたき、左拳を突き上げた。決してあきらめない-。男の意地と不屈の精神が、サヨナラ劇を呼び込んだ。  「ホームラン打てる気はしなかったので、しっかり塁に出ることだけ思っていました。ベンチでみんな声出して応援してくれるのが聞こえたんで、みんなのおかげです」  ドリスが打たれ、3-3の同点に追いつかれた九回先頭だった。代打で打席に立つと、3番手・ハフの146キロを逆らわずに流し打ちした。一気に二塁まで到達。続く陽川の犠打で三塁に進むと、代走・江越と交代。近本の犠飛が浅めだったことに「僕やったら、たぶん、危なかった」と、お立ち台で苦笑いした。  これまでスタメンでの出場は22試合。今季から入団した同級生の木浪とし烈な遊撃のポジション争いを繰り広げている。ベンチを温める日が続いても腐らずベンチから大きな声を張り上げてチームを鼓舞し続けている。  「まあ試合に出なかったら、やることないんで。声しかないかな、という感じで出してます」  矢野監督も「本当にいつも声を出してね。その選手があそこの1打席で結果を出してくれるのはうれしい」とうなるほどだが、もちろん、自分の出番が近づくとなれば、入念な準備は怠らない。 試合に出そうな展開になる2、3イニング前から状況や相手投手を見て、頭のなかで打席に立つイメージを作る。「こういう投手はこう狙っていこうとか、しっかり考えてから打席に入るようにしています」。心身ともに万全を期し、集中力を高め、グラウンドに飛び出す。この日も「打席に入る前は球種と狙い球しか考えていなかった」としてやったりの顔だ。  「連勝しま~す!」  力強く、誓った。屁のつっぱりはいらんですよ! キン肉マン顔まけの"元気印"が虎の夏をもっともっと熱くさせる。 (織原祥平)

◆これが"虎のクソ力"だ! 阪神は九回、ドラ1ルーキー近本光司外野手(24)がプロ初のサヨナラとなる犠飛を放ち、ヤクルトに劇勝。連敗を6で止めた。くしくもこの日は人気漫画「キン肉マン」とコラボした「キン肉マンDay」。待望の後半戦初勝利。13日ぶりの白星から、さぁ逆襲だ!  最低限だなんて、そんな"屁のつっぱり"は要らなかった。ひっくり返され、逆転しても追いつかれて。ここを逃せば、もう今季ワースト7連敗は目前だった。虎の窮地を、近本の"クソ力"が救った。タイミングだけを合わせる必殺技でいった。高く高く夜空へ、自身初のサヨナラとなる左犠飛を架けた。  「何度かサヨナラの場面で打席に立っていて。今までは、ヒットとか最低限と考えていたんですけど。そういうふうに考えて結果的にダメだったので。(きょうは)しっかり(タイミングが)合っていたら距離が飛ぶかなと。そういう形で、狙いにいきました」  連敗の果ての激戦、その最終局面でも冷静だった。3-3の九回1死三塁。ハフの高め144キロにスッとバットを伸ばして、運んだ。13日の球宴以来の甲子園のゲーム。あの日の5安打目の「サイクル打法」を思い起こさせる、しなやかな振りは、強引さを捨てた必殺の「タイミング」打法だった。今季7度目サヨナラ劇を完成させ、負の流れをすべてを止めた。  「キン肉マンDay」としてキン肉マンも現れ、甲子園がキン肉マン一色となった夜-。「友情パワー」の発動は、必然だった。  逆転され、逆転したのに守護神ドリスで追いつかれ、絶体絶命だった。北條の二塁打ののち陽川が犠打を決め、打たないわけにはいかなかった。  最後は代走・江越がホームを踏んだが、同学年の北條と関西人同士でお立ち台に並んだ近本は「最初、三塁に北條がいたので。ここは何としてもヒットじゃないとダメだなと思いました」とニヤリ。北條は「オイオイオイ!」と横でツッコんだ。  7日の広島戦(甲子園)以来、球宴も挟んで実に13日ぶりの白星。矢野監督も、やっと笑えた。「苦しい試合が多くて。選手もほとんど使い果たしていたので。江越の代走もね。ちょっとどうしようかな...と迷ったんですけど。近本、決めてくれという気持ちだけで応援してました」と、孝行息子に最敬礼だ。  キン肉マンについては「僕らのときも1回、アニメでやっていました」という知識しかなく、自身の秘めたるパワーについても「全然ないです」と笑うが、この男にはそれを補って余りある、考える力がある。「社会人までずっと、力勝負だと、野球はパワーだと思っていたけど。社会人ではタイミングをズラしてくる投手が多くて。同じ球種でも間合いをズラしてくる。それに対応することが大事なんだと、野球は力じゃないと気がついた」と振り返る。この夜も見せた、キン肉に頼らずにタイミングに集中した一打は真骨頂だ。  「本当に苦しい、チームの状況だったんですけど、みなさんの応援のおかげでストップすることができました」  マルチ安打で4戦連続安打。近本が引っ張ればもう一度、セのリングに、稲妻が走る。(長友孝輔) サヨナラ劇を生んだ近本と北條について阪神・浜中打撃コーチ 「きょうの1勝は大きい。近本(の犠飛)もそうだけど、ジョー(北條)もしっかりいい働きをしてくれた」

◆殊勲者は九回無死から代打で登場し右中間二塁打を放った北條。素直に褒めたい。高橋遥の好投も拍手を送る。2失点は十分に合格。逆にしっかりしろ! と声を大にしたいのはドリス。逆転した直後の九回を抑えていれば「理想的」な勝利だった。技術うんぬんではない。単純に「答えを出せ」と厳しく指摘したい。  「理想的」と表現したのは八回の攻撃が見事だったから。長らく1イニングに複数のタイムリーを見ていなかった。打線のつながりが、いかに重要かを示す攻撃だった。  その中でもエンドランを決めた糸井の左前打はうならされた。同点打を放った糸原の代走・植田がスタートを切る。遊撃手がベースカバーで二塁ベース方向へ動く。瞬間的に糸井は真ん中よりの球を、やや強引に左方向へ。大きく空いた三遊間を抜けて一、三塁に。糸井だからこそできる打撃だろう。  得点力不足が顕著だったが、状況に応じて糸井の打撃のようにつなぎの野球に徹すれば、活路が開けることもある。単に連敗を止めた以上に内容を感じる1勝だった。(サンケイスポーツ専属評論家)

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<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
巨人
50341 0.595
(↓0.007)
-
(-)
58414
(+2)
333
(+4)
116
(+1)
52
(+1)
0.265
(-)
3.630
(↓0.01)
2
(-)
DeNA
43432 0.500
(↑0.006)
8
(↑1)
55360
(+4)
356
(+3)
105
(-)
27
(-)
0.247
(-)
3.680
(↑0.01)
3
(1↑)
広島
41453 0.477
(↑0.006)
10
(↑1)
54342
(+4)
365
(+2)
79
(+2)
51
(-)
0.243
(-)
3.540
(↑0.02)
3
(-)
中日
41450 0.477
(↓0.005)
10
(-)
57331
(+3)
328
(+4)
51
(+2)
44
(-)
0.261
(↓0.001)
3.710
(↓0.01)
5
(-)
阪神
40444 0.476
(↑0.006)
10
(↑1)
55325
(+4)
354
(+3)
57
(-)
62
(-)
0.249
(↑0.002
3.430
(↑0.01)
6
(-)
ヤクルト
35512 0.407
(↓0.005)
16
(-)
55383
(+3)
446
(+4)
94
(-)
35
(-)
0.241
(-)
4.610
(-)