阪神(★1対4☆)巨人 =リーグ戦13回戦(2019.07.10)・阪神甲子園球場=
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巨人
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阪神
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勝利投手:今村 信貴(3勝1敗0S)
(セーブ:中川 皓太(3勝1敗13S))
敗戦投手:メッセンジャー(3勝7敗0S)

本塁打
【巨人】丸 佳浩(16号・1回表ソロ)

  DAZN
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◆巨人が同一カード3連勝。巨人は初回、丸のソロで幸先良く先制する。続く2回表には、炭谷と坂本勇の適時打で3点を挙げ、リードを広げた。投げては、先発・今村が6回途中1失点で今季3勝目。敗れた阪神は、先発・メッセンジャーが試合をつくれず、打線もつながりを欠いた。

◆阪神ランディ・メッセンジャー投手(37)の巨人戦は通算13勝19敗。外国人投手の巨人戦勝利3傑は(1)郭源治18勝(2)バッキー17勝(3)キーオ、メッセンジャー13勝。あと1勝すればキーオを抜き、外国人投手3人目の巨人戦14勝となる。

◆巨人丸佳浩外野手(30)が、先制の16号ソロを放った。 1回2死、阪神メッセンジャーの初球のスライダーを右翼席に運んだ。「完璧でした。自分のスイングがしっかりできました」とコメントした。

◆阪神ランディ・メッセンジャー投手(37)が今季最短降板となる2回5安打4失点でマウンドを下りた。 1回、3番丸に先制ソロを浴びると、2回は繊細な制球を失って4安打2四球で3失点。2回裏の打席で代打俊介を送られた。 これで今季の防御率は4・69に。本来の実力を発揮できていない。

◆巨人炭谷銀仁朗捕手(31)が中前適時打を放ち、リードを2点に広げた。 2回1死一、三塁から初球のフォークを中前にはじき返した。「チャンスだったので、積極的にいきました。早い回に追加点が取れて良かったです」とコメント。さらに、坂本勇人内野手(30)が2死満塁から、2点適時打でリードを4点に広げた。「打ったのはストレート。みんながつないでくれたチャンスで打てて良かったです」とコメントした。

◆巨人は初回に丸の16号ソロで先制すると、さらに2回には炭谷と坂本勇の適時打で3点を加えた。先発今村は6回途中を1失点に抑え、継投策で逃げ切った。巨人は3連勝で前半戦を終えた。阪神先発メッセンジャーが2回で降板し、ゲームを作れなかった。

◆巨人が序盤で4点を先行した。初回に丸が16号ソロ。2回に炭谷、坂本の適時打で3点を追加した。阪神は3回まで無得点。 阪神が6回、1点を返した。1死から大山が左翼線へ二塁打を放ち、マルテが右前適時打で続いた。巨人は3回以降は無得点。 阪神は2番手の岩崎らが力投し、巨人に追加点を許さず。だが打線も追加点を奪えず3連敗。メッセンジャーは7敗目。巨人とのゲーム差は9・5となった。今村は3勝目。

◆巨人は2位のDeNAと阪神に9・5ゲーム差をつけて前半戦を終了。セ・リーグで2位に9・5ゲーム差以上の首位ターンは16年広島(2位巨人に10ゲーム差)以来となり、巨人では2位大洋に9・5ゲーム差つけた90年以来、29年ぶり5度目。 セ・リーグで貯金があるのは巨人だけで、セ・リーグで前半戦終了時に2位が勝率5割以下は18年以来7度目。巨人にとっては71年に次いで2度目だが、71年の2位ヤクルトは勝率5割で、2位が借金の首位ターンは球団史上初めて。

◆巨人炭谷銀仁朗捕手(31)が攻守に存在感を示した。1点リードの2回1死一、三塁、阪神メッセンジャーから中前適時打。2、3打席目も単打を放ち、今季2度目の猛打賞とし「いいところに飛んでくれました」と喜んだ。 守備では先発今村と5月4日広島戦以来のバッテリーを組み、6回途中まで1失点。5投手を好リードで引っ張った。

◆巨人亀井善行外野手が相手の隙をつく好守備で流れを渡さなかった。4点リードの6回。阪神先頭の糸井の右前打をつかむと、やや大きいオーバーランを見逃さず一塁へ送球。タッチアウトとした。 「糸井さんが出かかっていたのが見えた。投げたコースもよかった」と判断がさえた。原監督も「(糸井に)多少隙もあったんでしょう。亀ちゃんが見逃さなかった。見事です」と称賛した。

◆5連投の巨人田口麗斗投手が1回を無失点に抑えた。 3点リードの7回1死から登板し阪神近本、上本を連続三振。8回も続投し先頭糸井を二飛に抑え役目を果たした。6日DeNA戦から5日間で2回2/3を3安打1失点。5日連続での5連投は17年田原以来2年ぶり。「まだ23歳なのでこれくらい投げないと。1軍にしがみついていきたい」と汗をぬぐった。

◆絶好調の巨人丸佳浩外野手が先制パンチを食らわせた。初回2死、阪神メッセンジャーの初球の真ん中スライダーを真芯で捉え、右翼席へ16号ソロ。 打った直後に1、2歩ゆっくりと歩き出すほどの手応えに「ある程度振れる球を狙った。完璧でした」と自賛した。2日中日戦からの9連戦は31打数11安打、打率3割5分4厘。右肩上がりのバットでチームを加速させた。

◆巨人坂本勇人内野手(30)が、2冠で前半戦を締めた。2点リードの2回2死満塁から2点適時打を放ち、今季63打点目をマーク。ヤクルト村上に並び打点トップに浮上し、DeNAソトと並びトップの本塁打とともに2冠とした。チームは今季4度目の同一カード3連勝で、9連戦を8勝1敗で終了。貯金を今季最多の17とし、2位との差は9・5ゲームの独走状態で折り返した。盛り上がるベンチに向かって、坂本勇は一塁ベース上でガッツポーズで応えた。2点リードの2回2死満塁、阪神メッセンジャーの直球を中前にはじき返し、2点適時打でリードを広げた。「みんながつないでくれたチャンスで打てて良かったです」。自身12打席ぶりの一打で流れを完全に引き寄せ、今季4度目の同一カード3連勝を決めた。 今季63打点目をマークし、打点トップだったヤクルト村上に並んだ。DeNAソトと1位タイの本塁打とともに2冠に浮上。9回の右前打でマルチ安打とし、安打数も97の単独トップで前半戦を終了した。「(打点は)亀さんがつないでくれるので。ケガしないことが一番大事。今のところ大丈夫なので、継続していきたいです」と話した。 今月、コンディション強化へ、秘密兵器が導入された。元マリナーズ・イチロー氏ら多くの一流アスリートが実践する「初動負荷トレーニング」の器具を東京ドーム内に設置。理にかなった筋肉の動きが得られ、筋肉の疲労回復にも効果があるといわれるトレーニングで、坂本勇は「すごくいいです」と日々の練習で取り入れ、効果を実感する。 海の向こうからは、刺激的なニュースも届いた。小学生の時に同じチームでプレーし、バッテリーを組んだヤンキース田中がメジャーの球宴で日本人初の快挙となる白星を挙げた。「小学生の時から一緒にやってきた将大が、メジャーのオールスターで白星を挙げたのはすごいことですし、誇りに思います」と心に刻み、自らも奮い立った。 チームは9連戦を8勝1敗と勝ちまくって、前半戦を最高の形で締めた。貯金を今季最多の17とし、2位を今季最大差の9・5ゲームと引き離した。「ピッチャーもバッターもいい流れできているので、後半戦も継続していきたいです」。5年ぶりの優勝に向け、主将の坂本勇がバットでも背中でもチームを引っ張る。【久保賢吾】

◆阪神坂本誠志郎捕手が2回4失点降板の先発メッセンジャーを支えられなかったことを悔やんだ。 今季初めてバッテリーを組んだが、立ち上がりに丸に先制ソロを浴び、2回も3連打や2与四球がらみで3失点。「カウント負けしてしまったのが悪かった。もっとバッテリーで攻めないといけなかった」と、大黒柱を救えなかったことを反省した。

◆阪神が前半最終の巨人戦で3連敗を喫し、首位とのゲーム差が9・5まで広がった。矢野燿大監督(50)は前半戦総括で得点力不足とミスの多さを課題に挙げたが、その言葉を象徴するような完敗。2位はキープしているが借金は2に増え、後半2戦目の16日にも自力Vが消滅する。それでも指揮官はネバーギブアップを誓い、大逆襲を誓った。前半戦を象徴する苦戦になってしまった。甲子園のスコアボードに「0」が並ぶ。かろうじて、6回に1点を奪うのが精いっぱいだった。 巨人3連戦3連敗で借金2を背負って前半戦ターン。矢野監督は険しい表情で「負けている試合ってずっとそうだけど、チャンスは作れるけど、あと1本が出ない」と嘆いた。 ちぐはぐな攻撃になったのは6回だ。先頭糸井が右前打で出塁し、一塁ベースを回る。だが、右翼亀井からの返球で帰塁が間に合わず、アウトになってしまった。直後に大山、マルテの連打で1点をかえしたが後続が倒れて、反撃もここまで...。4点ビハインドで走者をためたい局面だけにミスが浮き彫りになった。 前半戦は39勝41敗4分けだった。勝てば勝率5割に戻せる一戦を完敗。指揮官は「何、言ったって返って来ない。それは取り返すしかない。前、向いていきます」と続けた。今後の課題を問われると迷わず言う。 「やっぱり、点を取りたい。投手を助けることにもなる。チームが勝つことにもつながる。どうやって点を取るかはいまの課題」 チーム本塁打55本はリーグ5位で一発を多く望めない。「つなぐ野球」を推し進めて、リーグ1位の66犠打、59盗塁など貪欲に1つ先の塁を奪ったが、この日も決定力不足に泣いた。守備も課題だ。チーム失策数72個はリーグワースト。矢野監督も「どうとらえてどうしていくか。準備のミスは改善していける」と危機感を募らせた。エラーにならない捕球ミスが目立っては、手堅く勝ちきれない。 昨季最下位から巻き返しを図り、5月は15勝9敗1分けと健闘した。「チーム全員で戦う姿とか、凡打でも一塁まで走る姿や、やれることは個人個人、チームとして、すごくよくやってくれている手応えはあります」と矢野監督。勝負の後半戦を前に「まだまだ伸びしろのある選手ばかり。ミスを取り返してくれる後半になると思う」と逆襲を誓った。苦しいときこそ、前を向け。矢野阪神の底力が試される。【酒井俊作】

◆阪神ジェフリー・マルテ内野手が巨人に一矢報いる適時打を放った。 6回1死二塁で右前への適時打を放ち、6日広島戦以来4試合ぶりの打点。巨人先発の今村を降板に追い込んだ。だが3点差を追った8回1死一塁では三塁ゴロ併殺。試合後は「これからもチームにどう貢献していくか。これからも1日1日集中し、結果を出せるようにやっていきたい」と、新外国人ソラルテとの競争が激化する後半戦を見据えた。

◆阪神大山悠輔内野手が4日DeNA戦以来の猛打賞で4番の意地を見せた。6回は二塁打で好機を作り、マルテの適時打でチーム唯一の得点。 初回の四球で全4打席出塁した。前半戦全試合で4番を任せた矢野監督は「結果も姿勢もすべて含めて、認められる位置だと思う。それが悠輔の成長につながると思って期待している。これからもそういう気持ちでやってくれればいいんじゃないですか」と成長を祈る姿勢は変わらず。大山も「後半戦も頑張ります」と離した。

◆巨人が阪神を下し、今季4度目のカード3連勝を飾った。貯金17で2位DeNAと阪神に9・5ゲーム差をつけて前半戦を終了した。 阪神相手には今季3度目のカード3連勝で前半戦を締め、原辰徳監督(60)は「1勝1敗1引き分けくらいかなと思っていましたけど、うまい具合に、昨日も勝って2連勝、3連勝すればありがたいなというところはありましたけど、うまい具合にいきました。逆にね、後半戦が我々は怖いですよ、逆にね。だいたいプロ野球というのはそうそう差は出ない勝率ですから。逆に気が引き締まる思いですね」と振り返った。 初回には3番丸の先制の16号ソロで主導権を握った。滞空時間の長い右翼席への1発に「けっこうあそこの位置というのはそうそうないんですよね。どちらかというとセンターを中心にというね。ポール際にいくというのは今年初めてじゃないでしょうかね。ああいう当たりというのは、見事だったと思いますね」。 2回には炭谷、坂本勇の適時打で3点を追加。 「(炭谷は)、3本打ったね、久しぶりに。タイムリーは大きいですね。ああいう形で8番バッターがタイムリーとなるとやっぱり、少し点数がね、大量とまでは言わないですけど、ビッグイニングがつくれるんでしょうね。(坂本勇は)まあ打ちますよ、たまには。打ちますよ。勝負強いということでしょうね」。 先発今村は6安打を打たれながらも6回途中1失点で3勝目。6回には亀井の好返球も飛び出した。 「ついてましたよ、わが軍はね。わが軍がついてたのか今村がついてたのか(笑い)。非常についてたと思いますね。1点で抑えたのはある意味、奇跡みたいなところはあったと思います」。 4番岡本は4打数無安打に倒れ2試合連続の無安打。 「その質問でたね、ついに。質問が出たらなんてこたえようと思ってたんだけど。まだまだ、成長過程の選手だから。明日目覚めて成長して、あさって目覚めればまた成長するでしょう。したがって、少し、オールスターにも彼は行くけどね、何日間のなかで、きっと成長してくれるでしょう。それを願うよ」。 オールスターを挟み、15日ヤクルト戦(長野)から後半戦が始まる。 「まだ振り返るというのはないですね。少し選手もいっぱいいっぱいで頑張っていますので、少し体をリフレッシュさせて、いいコンディションで後半戦に臨みたいと、それだけですね」

◆阪神ランディ・メッセンジャー投手は今季最短の2回4失点降板で7敗目(3勝)を喫し、2軍降格が決まった。1回、3番丸に先制ソロを浴びると、2回は繊細な制球を失って被安打4、2四球で3失点。2回裏の打席で代打俊介を送られた。 勝てば日本通算99勝だったが4戦連続で足踏み。「本当に今年は自分が全然(いい球を)投げられていない。それだけだよ。感じとしていいなと思っている時に打たれたり、良くないと思った時に抑えたり、野球のクレージーさにやられている」と悔しさを隠しきれない様子だった。 6月4日のロッテ戦以来勝ち星なく、防御率は4・69に悪化。矢野監督は「調子はそんなに悪い感じはしなかったけどね。そういう登板がちょっと続いている」と表現した上で、今後について「いろいろ考えてみないとなと思っている」と補足。試合後のコーチ会議で2軍降格が決まった。

◆阪神が巨人に敗れ、借金2で前半戦を終えた。借金ターンは2年連続。昨季は借金3で折り返した。 ▼巨人に3連戦3連敗は今季3度目。甲子園の3連戦で3連敗は2度目で、昨季も4月、7月に甲子園で3連敗を喫している。 ▼阪神は球宴明けの15日からの中日戦に連敗すると、巨人が15日からのヤクルト戦に1勝1分け以上、阪神が1敗1分なら巨人が2連勝で自力優勝が消滅する。

◆阪神が前半最終の巨人戦で3連敗を喫し、首位とのゲーム差が9・5まで広がった。 矢野燿大監督の一問一答は以下の通り。 -チームの一体感はどこから生まれるのか 僕らが勝ちたいという、甲子園も毎試合ほぼ満員のお客さんが来てくれていますから、そういう人たちに喜んでもらいたいところから、そのような形になっていってくれている。 -超積極的、あきらめない姿勢も掲げる できた部分とできていない部分と、もちろん両方あると思います。どちらかと言うと、できた部分の方が多かった。ミスも結果も、もっと勝ちを増やしたかったとか数字のことを言えばもちろんありますけど、気持ちの部分では選手も攻めて戦ってくれました。僕も迷ったら動く。そういう部分でも、いろんな部分でやってこれたかな。勝ちにはつながっていないかもしれないですけど、あきらめない、超積極的という部分でやれたかなと思います。 -前半戦の課題は 点を取れば、盛り上がりにもつながります。あとはミスが出ること自体は僕は仕方がない部分もあると思う。これから改善していきたい。 -前半戦で目立った投手と野手のMVPを挙げるなら う~ん。そうですね。難しいですけどね。前半戦、勝っているというか、近本と梅野がチームをよく引っ張っていってくれた部分は野手のなかではあったと思います。投手はだいたいみんな頑張ってくれている。中継ぎ以降の投手もそうですし、球児も1回、登録抹消がありましたけど、戻ってきてから、ずっと、どんな場面でも行ってくれている。ジョンソン、ドリスと安定した投球をしてくれている。そのあたりです。 -前半戦は初めての1軍監督だ。監督業の感想 やっぱり勝てばめちゃめちゃうれしいですし、負ければめちゃめちゃ悔しい。一喜一憂してしまう部分はありますけど、いつも僕が言っているように、苦しいからこそ楽しみたいとか、苦しい場面でどう前を向いていくかは、自分でも課題にしている。そういう意味では連敗もあったり、特に春先は苦しいスタートになった。気持ちのなかでは前を向いてやっていこうというところと、そう言いながらも、うまくできていないところもあった。後半はもっともっと苦しい場面こそ楽しんで自分自身、前を向いてやっていきたい。 -眠れていますか よく言われるんです。目の下のクマとか、シミが多いから、そう言われるのかもしれないですけど、でも僕はいたって元気なので。皆さん、心配して、負けているときは、そんな顔になってしまっていると思うんですけど、僕はめちゃめちゃ元気なので、後半も元気を出して、僕自身、一番ガッツポーズするくらいのつもりで頑張っていきます。 -「矢野ガッツ」はファンに浸透してきた 照れくさいのもありますけどね。でも、僕がガッツポーズすることでマイナスなことは何もない。ガッツポーズして選手と一緒に喜び合って、そういう姿を見て、ファンの人も喜んでもらえたら僕はうれしい。調子が悪くてもガッツポーズして、チームの士気が上がったり、ムードが上がることも十分ある。そういう名前をつけてもらって、うれしい部分と照れもありますけど、後半はもっともっと矢野ガッツをたくさんできるようにしていきたい。 -野球の楽しさを伝える役割もある 仕事になるとどうしても苦しくなったり、数字を出さなきゃダメだと、僕も現役時代に戦っていたんですけど。究極的には何回も言いますけど、楽しむということが結果も出るし、ファンの人にも、子どもたちにも、そういう影響が及んでいって、子どもたちの野球もどんどんガッツポーズが出て笑顔も出ればうれしい。それを僕たちタイガースが示していければと思う。 -前半戦は「あと1本が出ない」と話していた。後半戦、選手に「打ち破ってほしい」部分はどこか 失敗しないと学べないことも多い。前半の悔しい思いをみんなが持って戦うことで、後半戦はいい形でやっていける。その気持ちをしっかり持って戦っていきたい。 -メッセンジャーが序盤に失点して不調だったか 調子はそんなに悪い感じはしなかったけど。そういう登板がちょっと続いてる。すごい悪いとは全然思わなかった、立ち上がりは。 -岩崎以下の中継ぎが踏ん張った そうやってくれたから、ゲームができた。前半戦最後だった。何とか、どんな早い継投でも、少ない失点で抑えていきたいところはあった。ランディ以降の投手はしっかりそういうものを見せてくれた。 -岩崎は安定している 3回、行ってくれたんかな。チームとしても多少は向こうに嫌な思い、ムードはつくれた部分もあった。それは岩崎が3回、ピシッと抑えてくれたことが、そうなったと思う。ずっといい投球をしてくれている。 -2回までの2失点は打線にとって重い もちろん重いし、それを言い訳にもできへんしね。それ(貧打)は、このオールスターブレークでどれだけ改善できるか分からんけど、気持ちの部分と、やれることはやっていって。まだ59試合あるんで、自分たちの野球ができるように、成長していかないと上にいけない。そういうのが分かるような、オールスターまでの戦いだったと思う。 -大山は3安打。全試合で4番を託してきた もちろん育てるための4番でもある。でも、毎回、言うけど、4番はすごく責任が重い。重圧と戦いながらやれる、やることで悠輔の成長があると思って4番で使っている。そこを認められるように。エースや4番は、結果も姿勢もすべて含めて、認められる位置だと思う。それを俺は期待してというか。それが悠輔の成長につながると思って起用している。これからもそういう気持ちでやってくれればいいんじゃないかな。

◆新顔の奮闘が、前半戦の阪神を引っ張った。阪神ドラフト1位の近本光司外野手(24)が、矢野監督から梅野とともに野手MVP級の評価をもらった。 「前半戦、チームを引っ張っていってくれたのは近本と梅野。よく引っ張っていってくれた部分が野手の中であったと思います」 開幕スタメンをつかんだ近本はチーム3位タイの83試合に出場。スタメンは78試合で、そのうち1番が70試合とリードオフマンとしてチームを引っ張った。自慢の足で魅了し、ここまで19盗塁をマーク。中日大島、ヤクルト山田哲に次ぐセ界3位で、盗塁王を狙える位置につけている。 バットでも存在感を示した。安打数は糸井、大山に次ぐチーム3位の87安打。DeNA戦にめっぽう強く打率3割6分2厘、3本塁打に9打点と得意とした。思い切りのいい打撃も披露。初球を打てば打率4割7分4厘をマーク。ルーキーながらも打席に入る前に、きっちり準備ができている証しだ。 この日は無安打に終わった近本だが、前半戦を振り返り「できたところとできなかったところがある。(プロで)初めて知れることが多くて、それはよかった」と話した。ただ、そこで止まらない向上心が近本の良さだ。「よかったところだけじゃ、自分の成長にはならない。悪かったところも(後半戦に)それがよかったと思えるようにしたい」と続けた。 ルーキーでも責任感は人一倍に強い。「これからの後半戦もしっかりチームを引っ張っていけるようにやりたいと思います」。ファン選出された球宴でリフレッシュしながら、一流の極意も学ぶ。そして後半戦残り59試合へ。ネバーギブアップの大逆襲を近本が引っ張っていく。【真柴健】

◆巨人・丸佳浩外野手(30)が10日、阪神13回戦(甲子園)に「3番・中堅」で先発出場。一回2死の第1打席に、右翼席へ先制の16号ソロをたたき込んだ。  「完璧でした! 自分のスイングがしっかりできました」  打った瞬間、確信した。相手の先発右腕・メッセンジャーが投じた134キロのスライダーを一閃。5日のDeNA戦(東京ドーム)以来、5試合ぶりの一発で、チームに流れを呼んだ。

◆巨人・炭谷銀仁朗捕手(31)が10日、阪神13回戦(甲子園)に「8番・捕手」で先発出場。1点リードの二回1死一、三塁から中前適時打を放った。  「チャンスだったので積極的にいきました。早い回に追加点が取れてよかった」  相手の先発右腕・メッセンジャーが投じた135キロのフォークを捉えた。バッテリーを組む自軍の先発・今村を援護する一打となった。

◆巨人・坂本勇人内野手(30)が10日、阪神13回戦(甲子園)に「2番・遊撃」で先発出場。2点をリードしたあとの二回2死満塁から、中前2点打を放った。  「みんながつないでくれたチャンスで打ててよかったです」  相手の先発右腕・メッセンジャーが投じた146キロの直球をはじき返した。炭谷が中前適時打を放った後は、今村が一犠打、亀井が四球で好機を拡大。主将の一打でリードを広げた。

◆阪神のランディ・メッセンジャー投手(37)が10日の巨人戦(甲子園)に先発。2回5安打4失点と崩れ、2013年4月5日の広島戦(マツダ)以来の2回KOとなってしまった。  前回登板の4日のDeNA戦(横浜)から中5日で向かったマウンド。一回2死から丸に右翼へ先制ソロを献上すると、二回には1死から3連打を浴びるなどして追加点を許した。2四球も絡んで0-4と突き放された。  勝てば日本通算100勝に王手がかかるはずだったが、試合をつくれず。6月4日のロッテ戦(ZOZOマリン)以来の今季4勝目をつかむことはできなかった。三回からは岩崎がマウンドに上がった。

◆巨人の炭谷が効果的な一打を放った。1-0の二回1死一、三塁で、メッセンジャーの初球フォークボールを捉えて中前に打ち返し「チャンスだったので積極的に行った。早い回に追加点が取れて良かった」と納得のタイムリーとなった。  この回計3点を奪ったように、メッセンジャー攻略の勢いを加速させる快打となった。さらに四回には左の岩崎から右前に流し打ち、六回は守屋から内野安打。異なる3投手から快音を響かせ、5月2日以来の3安打をマークした。

◆阪神は10日の巨人戦(甲子園)に1-4で敗れ、同一カード3連敗。借金2で前半戦を終えた矢野燿大監督は2回4失点で降板したメッセンジャーについて「考える」と、2軍降格も含めて検討することを示唆した。  --メッセンジャーが序盤に失点  「調子はそんなに悪い感じはしなかったけどね。そういう登板がちょっと続いてるので。いろいろ考えてみないとな...と思ってるけど。すごい悪いとは全然思わなかったけどね。立ち上がりは」  --2軍も含めて検討  「だから考えるって」  --岩崎以下、中継ぎが踏ん張った  「そうやね。そうやってくれたから、ゲームができたと思ってるし。前半戦最後だったんでね。何とか、どんな早い継投でも。少ない失点で抑えていきたいというとこはあったんだけど...。ランディ以降の投手はしっかりそういうものを見せてくれたんで」  --二回までに4点失って打線にとっても重かった  「もちろん重いし、それを言い訳にもできへんしね。まぁまぁ負けてる試合ってずっとそうなんだけど、チャンスは作れてるけどあと1本ていうところが出ないのでね。それはこのオールスターブレークでどれだけ改善できるかわからんけど、気持ちの部分と、やれることはやっていって。まだ59? あるんで、自分たちの野球ができるようにっていうのと、成長していかないとやっぱり上にいけないので。そういうのはわかるようなオールスターまでの戦いだったと思うので」  --先は長いが借金を抱えて前半戦終了  「それはもうしゃーない。そんなんは。何言ったって返ってけーへんし。それは取り返すしかないので。前向いていきます」

◆継投でリードを守り切った巨人で、5連投の田口は七回1死から1回をきっちり無得点に抑え「こういう緊迫した試合で投げさせてもらえるだけで、幸せを感じている」と疲れなどどこ吹く風といった表情だった。  守備も光った。六回先頭の糸井の右前打を処理した亀井は、一塁に好返球してオーバーランしていた糸井をアウトに。「糸井さんが(二塁に)行きかかっていたのが見えたので、瞬間的に。結果的には大きかった」と満足げだった。 今村(5回1/3を1失点で3勝目) 「先頭を出しても抑えられたのが良かった。いつもより丁寧に投げられた」

◆阪神はメッセンジャーが立ち上がりからつかまり、流れをつくれなかった。今季最短の2回4失点で7敗目。6月4日の3勝目を最後に白星がなく「ことしは自分としては全然投げられていない」とうなだれた。  一回は2死から丸に甘く入った初球スライダーを完璧に捉えられて右翼席へ放り込まれた。二回は1死から3連打で失点。さらに犠打と四球で満塁となり、坂本勇の中前打で2点を追加された。  矢野監督は「調子はそんなに悪いとは感じなかったけど。こういう登板が続いている。いろいろ考えないと」と再調整を示唆した。 坂本(序盤に失点し) 「カウント負けをして、相手が打ちやすい状況になってしまった」 大山(3安打) 「後半戦も頑張ります」 マルテ(六回に適時打) 「続けていくしかない」

◆そりゃあ確かにこういう状況ですから、気勢があがらないことはおびただしい。  だから、空元気でもいいから「声を出せ! 声をッ」と言うのはたやすいが、それではまるで高校野球じゃないか。いや、高校野球でもそんな昔の野球漫画みたいなことは言わない。  この日は通常の練習取材だけじゃなく、球宴折り返しのための"特別取材"がめじろ押しで、トラ番記者諸氏はエアコンの効いた編集局の窓際「虎ソナ班」のおっさんの相手なんかしてられるかい...と思っているに違いないのデス。(実際、俺も若い頃はソー思ってたモン...イヒヒ)。  でね、フト手元の郵便物を見たら、筆者の知人から1通の暑中見舞い。  ブルーと白の花(自庭に咲いたアメリカシャガの写真)の手製のはがきに、こんな一文が切々と書いてあった。  「昔、私はあなたに『本物の阪神ファンではない!』と喝破されたことを思い出しました...」  少し説明するとその方は学術的な方で、東京でご活躍中のものすごい阪神ファンです。ところが虎が大差で負けていても、阪神ファンなら満塁本塁打がボカスカ出ると逆転できると、とにかく"前向きに"考えるのが本当の猛虎党の思考回路。だから「貴方は本物の虎党とは違う!」と申し上げた。  何でもつい最近、その方が応援しているソプラノ歌手がクラシックに専念しないことに少し不満を感じていたそうだが、私めが指摘した「虎党のストイックなファン気質」から言えば、それはまだ本物の"ファン"ではない! とハッと気がついたという。本当のファンなら「ありのままをただひたすら信じて声援する」のだと気がつかれたそうなのだ。  これ以上でも、これ以下でもない。1通の暑中見舞いを手にして...不覚にもハラハラと落涙...しそうになったのです。わかりますか皆さま。それほどいまや我が猛虎は"宗教的領域"に達しているのかもしれません。  この日、甲子園の前の広場はトラ番キャップ大石豊佳によると「唐揚げ祭り」の出店が並んでまして、これが大人気なのでつい一つ買いまして、とにかくそれを食べて取材に走りました...とのことだ。  「これが結構おいしいので、我々はスタミナはグングンでしたけれど...」。大石が元気になるのはいい。その唐揚げを、阪神ナインに差し入れしてくれりゃよかったのに...。  と、そこに甲子園の助っ人要員として駆けつけた白石大地デスクが、これまたどうやら唐揚げ定食をかき込み、脂ぎったテカテカ顔で早々と記者席に陣取っていた。  「メッセンジャーが先発ですから、まず阪神でしょう。逃げ切りに入ると阪神パターンは確立してますから」といささかいつもながら"楽観的"な皮算用である。  ちなみにこのところ何かと論議の対象となっている「4番・大山」だが、6月29日のリーグ戦再開からたしかに本塁打はないし、ここぞという派手でパワフルな痛打は少ないが、それこそ我々のイップレッション(先入観)の問題かもしれない。今夜は猛打賞だ。ただエキサイティングな印象と迫力は...。だけど新外国人も決まって...ここは球宴後の大山にも注目だぞ。  それにしても六回無死、ヒットを放った糸井が一瞬のスキをつかれて、アウトになった。もったいない...。なんとなくみんな疲れてきてるのか?  ♪詫びながら手酌酒 愛してるこれからも わかるよなぁ酒よ...今宵は赤ヘル党と二人酒か...チッ。

◆恥を知れ!! 恥を!! 本拠地・甲子園で宿敵巨人に3連敗って、恥ずかしくないんかア!?と絶叫した俺は、ハタと思ったのだ...。  ホントに現在の阪神ナインは、恥ずかしくないんじゃないか? なぜなら村山vs長嶋、江夏vs王、堀内vs田淵、江川vs掛布なんかの息をのむような本物のプロ対決なんて今は昔の物語で、男が心底熱くなる勝負を感じたことがないからでは?  それは、ある意味不幸なことであり、更には勝利に対するその執念を肌で感じてきた原監督が勝利を手にするのは、いたく当たり前と思った夜であった...。  知らないなら知らないで、仕方ないとしよー!! ただし『巨人に勝たずして優勝はなし!!』。これだけは平成生まれの猛虎ナイン、肝に銘じておいてくれ!! 2回KOの先発メッセンジャーは、かなり厳しい。日本通算100勝や5年連続開幕投手なんて看板では、とても打ち取れない投球の今季なのだ!!  思い切って球宴後の投手陣の再編で、岩崎、守屋の先発、メッセは中継ぎ1イニングの勝負で矢野さん、ひっくり返そうぜ。「You、やっちゃいなよ!!」

◆亀井が右翼守備で存在感を示した。右中間寄りに守っていた六回先頭で、安打を捕球すると、打者走者の糸井が大きくオーバーランしたのに気付き、すかさず一塁へ送球して刺した。36歳のベテランは「(二進を)伺っていたのは見えたので、刺せるかなと思って投げたら、たまたまアウトになった。どこかしらで油断も出るから、見逃さないようにはしている」と、一瞬の隙を見逃さなかった。

◆マルテが意地のタイムリーで一矢を報いた。0-4の六回1死二塁から巨人先発・今村のカーブを右前に弾き返し、4試合ぶりの打点を記録。右ふくらはぎの張りで出遅れたものの、前半戦52試合に出場して打率・267、7本塁打、29打点だった。後半戦に向け「続けていくしかない。1日1日集中して、結果が出るようにしたい」と力を込めた。

◆3戦連続のスタメンマスクを任された坂本は配球面を反省した。「(メッセンジャーは)カウント負けして打者が打ちやすい状況になってしまった。もっともっと攻めていかないといけなかった」。全体練習前には通訳を介してメッセンジャーと念入りな"打ち合わせ"もしていたが、実らず。七回で交代を告げられ、原口が代わってマスクを被った。

◆D1位・近本光司外野手(大阪ガス)は前半戦最後の一戦を4タコに終わった。ルーキーイヤーながら83試合出場でリーグ3位の19盗塁を決め、打率・261、6本塁打、24打点。序盤は打線をけん引しながら、6月には不調も味わっただけに「できたこととできなかったことを知れたので、それはよかった。後半戦もしっかりチームを引っ張っていけるようにやっていきたい」と成長を誓った。

◆糸井が痛恨のボーンヘッドだ。0-4の六回先頭で右前打を放ったが、一塁をオーバーランして右翼・亀井の送球にタッチアウト。続く大山が左翼線に二塁打を放っただけに、もったなかった。一塁ベースコーチの筒井外野守備走塁コーチは「(気持ちが)前向きにいこうとしているが、判断している位置が自分でも気づかないくらい大きくなった。冷静さがあれば、彼なら全然戻れた。でも、(二塁に)行く気持ちは持ち続けてほしい」と奮起を促した。 六回、一塁をオーバーランした糸井を刺した巨人・亀井 「(二進を)伺っていたのは見えたので、刺せるかなと思って投げたら、たまたまアウトになった。どこかしらで油断も出るから、見逃さないようにはしている」

◆阪神・矢野燿大監督(50)は10日、巨人戦の行われた甲子園で就任1年目の前半戦を総括した。2位ながら39勝41敗4分けの借金「2」で折り返し。チームをさらに成長させて、後半戦での巻き返しを誓った。  --手応えを感じている部分は  矢野監督 「チーム全員で戦う姿とか、凡打でも一塁まで走る姿とか、すごくよくやってくれているなという手応えはあります」  --超積極的、諦めない姿勢も掲げている  「気持ちの部分では選手も攻めて戦ってくれましたし、僕も迷ったら動くというか、そういう部分でもやってこれたかなと思う。勝ちにはつながっていないかもしれないが、諦めない、超積極的という部分でやれたかなと思います」  --前半戦の課題は  「やっぱり点を取りたい。盛り上がりにもつながりますし、ピッチャーを助けることになりますし、チームが勝つことにもつながる。どうやって点を取るかというのは今のチームの課題。あとはやっぱりミスがね(※失策数は12球団最多の72)。出ること自体は仕方がないと思うんですけど、それをどうとらえて、どうしていくか。準備のミスは改善していけると思う。そういうのは後半戦、改善していきたい」  --前半戦で目立った野手、投手は  「難しいですけど、近本と梅野が、よく引っ張っていってくれた。ピッチャーはみんな頑張ってくれているんですけど、中継ぎ以降、(藤川)球児もね。ジョンソン、ドリスは安定したしてくれている。そのあたりですかね」  --監督にとっては、前半戦は初めての1軍監督として指揮を執った  「勝てばめちゃくちゃうれしいですし、負ければめちゃくちゃ悔しいですし。一喜一憂してしまう部分はありますけど、いつも言っているように苦しいからこそ楽しみたいとか、苦しい場面でどう前を向いていくかというのは、自分でも課題にしている。連敗もあったり、特に春先は苦しいスタートになったけど、気持ちのなかでは前向いてやっていこうっていうところと、そういいながらもうまくできてない部分もあったと思う。後半はもっともっと苦しい場面こそ楽しんで、前を向いてやっていきたい」  --矢野ガッツという言葉が生まれてファンにも浸透した  「照れくさいけど、僕がガッツポーズすることでマイナスなことは何もない。選手と一緒に喜びあって、そういう姿を見てファンの人にも喜んでもらえたら、僕もうれしい。調子が悪くても、ガッツポーズして士気が上がることも十分あると思う。後半はもっともっと矢野ガッツをたくさんできるようにしていきたいなと思います」  --後半戦、選手に「打ち破ってほしい」部分はどこか  「伸びしろのある選手ばかりなので、ミスを取り返してくれる後半になると思います。失敗しないと学べないことも多い。前半の悔しい思いをみんなが持って戦うことで、後半戦はいい形でやっていけると思う。その気持ちをしっかり持って戦っていきたい」  --メッセンジャーが序盤に失点  「調子はそんなに悪い感じはしなかったけどね。そういう登板がちょっと続いてるので。いろいろ考えてみないと」  --2軍も含めて検討する?  「だから考えるって」  --岩崎以下、中継ぎが踏ん張った  「そうやね。そうやってくれたからゲームができたと思ってるし。前半戦最後だったんで、何とか、どんな早い継投でも、少ない失点で抑えていきたいというとこはあったんだけど...。ランディ(メッセンジャー)以降の投手は、しっかりそういうものを見せてくれた」  --岩崎は安定している  「3回行ってくれたんかな。あれでチームとしても、多少は向こうに嫌な思いというか、ムードというか、というのはつくれた部分もあったと思う」  --二回までに4点失って、打線にとっても重かった  「もちろん重いし、それを言い訳にもできへんしね。負けてる試合ってずっとそうなんだけど、チャンスは作れてるけど、あと一本というところが出ないのでね。それはこのオールスターブレークで、どれだけ改善できるか。気持ちの部分と、やれることはやっていって。まだ(残り)59(試合)あるんで、自分たちの野球ができるように成長していかないと、やっぱり上にいけない。そういうのがわかるようなオールスターまでの戦いだったと思う」  --先は長いが借金を抱えて前半戦終了  「それはもうしゃあない。何言ったって返ってけえへんし。それは取り返すしかない。前向いていきます」  --大山は3安打。4番を託してきたが評価は  「もちろん育てるための4番でもあるし。でも、毎回いうけど4番てすごく責任重いしね。そこの重圧と戦いながらやれる、やることで、(大山)悠輔の成長が、俺はあると思って4番で使っているので。エースとか4番っていうのは、結果も姿勢も全て含めて認められる位置。それを俺は期待してというか。それが悠輔の成長につながると思って期待している。これからもそういう気持ちでやってくれればいいんじゃないですか」

◆巨人は10日、前半戦最終戦となる阪神13回戦(甲子園)に4-1で快勝。敵地での伝統の一戦を3連勝で飾り、9連戦を8勝1敗と大きく勝ち越した。80試合を終えて48勝31敗1分けで貯金は17。4年ぶりに復帰した原辰徳監督(60)の下、2位のDeNAと阪神に9・5ゲーム差をつける独走状態で、早ければ18日に優勝へのマジックナンバー(M)48か49が点灯する。  梅雨の蒸し暑さを吹き飛ばす快勝劇。ナインを迎える原監督のハイタッチは、いつも以上にパチン!と力が入った。伝統の一戦で虎を寄せ付けず、指揮官はご満悦だ。  「3連勝すればありがたいなというところはありましたけど、うまい具合にいきました」  球宴前の9連戦を8勝1敗。交流戦明けから数えれば11戦10勝と勝ちまくり、貯金17。セ・リーグの貯金を独占し、前半戦を折り返した。  原監督は今季、4年ぶりに復帰し、監督通算13年目。前半戦を首位で折り返した際の、2位との最大ゲーム差は2002年と12年の「4・5」。今年の「9・5」は、それを大きく上回る。  采配が見事にはまっている。弱点とされた救援陣は勝ちパターンの確立が遅れたが、開幕から試行錯誤を重ねてプロ4年目左腕の中川を軸に据えた。そこに先発から転向させた田口、大竹、沢村が力を発揮。けがから復帰したマシソンも加わって厚みを増した。  この日が5連投となった田口は七回に3番手で登板し、1回で12球を投げて無失点。連投中の5試合は計2回2/3で30球を投げて1失点。左腕は「1軍で試合に携われるだけで今は幸せ」と言う。  シーズンオフにハワイで自主トレを行った際、エンゼルスの大谷らに食事指導も行ったスポーツ料理研究家・村野明子さんに同行してもらい、体重を約2キロ落とした。今でも毎朝、体重計に乗り、ベストの83キロをキープ。球に力が戻り、少ない球数で結果を残すことで5連投にも応えた。異例の起用に踏み切った指揮官も「スタミナは一番ある」とニンマリだ。  これまでの原政権下のマジック点灯は13年8月9日のM39が最速。今季は18日にもマジックが点灯する。開幕前から標榜(ひょうぼう)してきた"のびのび野球"にも「のびのびという点ではね、出ていると思います。ベンチでも活気のある、意味のある声をちゃんと出せている」と手応えは十分。5年ぶりのV奪回を目指す原巨人が最高の形で前半戦を終えた。 (伊藤昇)

◆苦しみ、もがきながらも走り続けた。チームが息切れし、倒れかけている折り返し地点で「4番・大山」だけは止まらなかった。全4打席で出塁。首位巨人に食らいつく気概と、逆襲への兆しを見せつける猛打賞だ。  「後半戦も頑張ります」  宿敵に3連敗して前半戦を終え、4番としてうつむくしかなかった。8日のカード初戦では3度の得点圏の打席を生かせず、4打数無安打3三振。9日は1安打を放つも屈辱の0-1負け。この一戦で、意地を見せる必要があった。  一回2死二塁では四球を選び、四回先頭では左前打。4点を追う六回先頭で右前打を放った糸井が、二塁をうかがうしぐさを見せ一塁で走塁死。嫌なムードが充満したが、大山はそれを振り払おうと直後に左翼線二塁打を放った。八回にも三塁内野安打で、全打席出塁の3安打。今季4度目、4日のDeNA戦(横浜)に続いて7月2度目の猛打賞だった。  セ・リーグでは唯一人、全試合で「4番」を張った。パ・リーグを見渡しても他は西武・山川しかいない。大山は全84試合で打率・270、10本塁打、50打点。得点圏打率・292。決勝打は7度、サヨナラ打も1度あった。だが、どうしても、チームが打てず、大山がもがき苦しむ場面ばかりが目立った。  矢野監督は大山の前半戦について「もちろん育てるための4番でもあるし。でも、毎回いうけど4番ってすごく責任重いしね。そこの重圧と戦いながらやれる、やることで、(大山)悠輔の成長が、俺はあると思って4番で使っている」と語った。西武を支える山川とは当然違う。もがきながらも、すべてを血肉にしていくことを求める。昨季の大山は球宴後だけで打率・335、9本塁打、32打点と大爆発した。大山らしさは、ここから必ず出せる。  指揮官は「エースとか4番は、結果も姿勢も全て含めて認められる位置。それを俺は期待してというか。それが悠輔の成長につながると思って期待している。これからもそういう気持ちでやってくれればいい」と続けた。この夜のような意地を、今年も後半戦で出していけるなら-。大山はもっともっと、今季中に「4番」らしくなれる。 (長友孝輔)

◆屈辱の折り返し-。阪神は巨人戦(甲子園)に1-4で敗れ、前半戦を3連敗でフィニッシュした。セ・リーグ2位ながら39勝41敗4分けで借金「2」。矢野燿大監督(50)は、2回KOされたランディ・メッセンジャー投手(37)の2軍降格を検討することを明らかにした。悔しさを後半戦で晴らすため、球宴休みでチームにテコ入れを図る。  残酷な現実を突きつけられて、1年目の矢野虎は折り返した。首位巨人に3連敗し、2位タイながら今季最大9・5ゲーム差。開幕投手のメッセンジャーでも止められなかった。後半戦で巻き返すためには、大きな変革が必要になりそうだ。  「それはもう、しゃあない。何言ったって返ってけえへんし。それは取り返すしかない。前を向いていきます」  借金2ターンについて問われた矢野監督はいつも通り懸命に前を向いたが...。悩みの種は、先発陣の大黒柱だった。  「調子は悪い感じはしなかった。そういう登板がちょっと続いているので、いろいろ考えてみないとな...と思っている」  3連敗阻止、5割復帰をかけて送り出したが、まさかの乱調だった。一回2死から丸に被弾して先制を許すと、二回は下位打線を抑えきれずにさらに3点を献上。早々に降板させた。今季最短2回で4失点KO。4試合勝ちなしとなったメッセンジャーは「今年は全然投げられていない。感じがいいと思うときに打たれ、悪いと思うときに抑えられたり。野球のクレイジーさにやられています」と首を振った。  4日のDeNA戦(横浜)も5回4失点とピリッとせず、今季は13試合に登板して3勝7敗、防御率4・69。6月4日のロッテ戦(ZOZOマリン)から勝ち星がついていない現状に、将は「考えるって」と2軍調整の可能性を否定しなかった。独走態勢に入った巨人を追いかける残り59試合。15日の中日戦(ナゴヤドーム)から始まる後半戦で連敗すれば、16日にも自力Vの可能性が消滅する。エースの2軍落ちというカンフル剤も、巻き返しの材料だ。  「チャンスは作れているけど、あと1本が出ないのでね」  原因は投手だけではない。この日も四、五回と先頭打者を出しながら無得点。三者凡退は三回と七回だけだったが、わずか1得点という拙攻だった。「どれだけ改善できるかわからんけど、気持ちの部分と、やれることはやっていって」。11日は完全休養で、12日から全体練習を再開する。交流戦明けの練習期間は多くの選手が守備練習にフォーカスしたが、この間にはシート打撃を予定している。ここぞの1本を徹底的に求めて、後半戦に向かう。  「成長していかないと上にいけない。そういうのがわかるようなオールスターまでの戦いだった。前半の悔しい思いをみんなが持って戦うことで、後半戦はいい形でやっていけると思う」  昨年は借金「3」の3位ターンも、失速して最下位に終わった。今年もズルズルいくわけにはいかない。ここまで味わった激痛を力に変えて、再始動する。  (大石豊佳) ★望月、秋山、藤浪ら  2軍では望月が1軍先発ローテを狙って奮投中だ。ウエスタン14試合で5勝4敗、最優秀防御率の2・43。前回9日の中日戦(ナゴヤ)では7回1安打2失点(自責1)と状態を上げている。秋山もウエスタン最多の8勝(1敗)だが、こちらは先発した直近3試合で防御率6・19。藤浪は昇格候補に一時浮上したが、6日のヤクルト戦(戸田)で6回3失点6四死球と乱れた。次回は15日からの広島戦(倉敷、甲子園)での登板が予定されている。

◆巨人が序盤に4点を先行して3連勝。貯金を17に伸ばした。一回に丸がソロ本塁打を放ち、二回は炭谷が適時打で坂本勇は2点打。今村は六回途中を1点に抑えて3勝目。継投で反撃をかわした。  元巨人監督の堀内恒夫氏(71)はブログで、「巨人は今日も勝ったってね すごいねぇ~貯金が17だって なんか、いい気分だなぁ~~」とほろ酔い気分だった。

◆前日に続き1点取るのに苦労した。こんなときに必要なのは足を使った攻撃だ。近本が塁に出て足でかき回す。それが今の阪神の理想の形だが、この3連戦で12打数1安打。これでは苦しい。  後半戦もキーマンは近本。だからこそ12、13日に行われる球宴で、浮上のきっかけをつかんでほしい。球界を代表する選手とざっくばらんに会話できる。ぜひ、ベンチでは丸(巨人)の隣に座ってほしい。打率・312で足もあり(8盗塁)、お手本となる同じ外野手。打撃のポイントや、打席でどんな球に絞っていくかなど、考え方を聞いてみたらいい。きっと教えてくれるはずだ。  私は1963年に初出場(当時19歳)したとき、投手の稲尾和久さん(西鉄)や杉浦忠さん(南海)に私との対戦で心掛けていることを聞いたことがある。「お前みたいな(若い)打者に球数を投げるのはもったいないから、ど真ん中に投げる」と言われたが、それが参考になって、その後の対戦で楽に打席に入れた。  近本も、どんどん分からないことや迷っていることを聞いてほしい。聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥-。貴重な経験が大きく成長させてくれる。 (サンケイスポーツ専属評論家)

◆よーいドンで4点取って、余裕の投手リレーで逃げ切り。巨人が前半戦ラストを、涼しい顔で制したね。正直に言うと、決して強いとは思えなかった巨人が、ここまで走るとは、驚きだよ。  打線では、坂本勇と丸の2、3番がカチッと固まった。これが何より大きい。その裏では、原監督が入れ代わり立ち代わり、選手を"お試し起用"したことも、効いている。いまや、2、3、4番以外は、さまざまなバリエーションで打線を組める。お試しの積み重ねが、強みという成果を生んだわけだ。  最大の不安だった中継ぎ、抑えについても、やはりお試しを繰り返すうちに、じわじわと、勝ちパターンが形成されている。ここでも原監督の、投手の見極めと決断の早さ、つまり交代機を誤らない確かな目が、きらりと光ったね。  「矢野体制で明るくなった」と持ち上げられている阪神は、肝心の成績が、暗い。リーグ3連覇を達成した広島は、選手に頼りすぎて、ドッとコケた。やはり野球では、ベンチワークが重要。それを物語るのが、巨人の"独り勝ち"だよ。 (サンケイスポーツ専属評論家)

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
巨人
48311 0.608
(↑0.005)
-
(-)
63389
(+4)
310
(+1)
107
(+1)
49
(-)
0.262
(-)
3.560
(↑0.03)
2
(-)
DeNA
39412 0.488
(↓0.006)
9.5
(↓1)
61334
(+2)
330
(+7)
100
(-)
25
(-)
0.246
(-)
3.670
(↓0.01)
2
(-)
阪神
39414 0.488
(↓0.006)
9.5
(↓1)
59313
(+1)
338
(+4)
55
(-)
59
(+1)
0.249
(-)
3.400
(↓0.01)
4
(-)
広島
38433 0.469
(↓0.006)
11
(↓1)
59317
(+1)
341
(+2)
73
(-)
51
(-)
0.243
(↓0.001)
3.450
(↑0.02)
5
(-)
中日
37430 0.463
(↑0.007)
11.5
(-)
63306
(+2)
310
(+1)
46
(-)
43
(+2)
0.260
(↓0.001)
3.750
(↑0.04)
6
(-)
ヤクルト
34482 0.415
(↑0.008)
15.5
(-)
59368
(+7)
425
(+2)
92
(-)
33
(+2)
0.238
(-)
4.610
(↑0.03)