◆ソフトバンクが6連勝。ソフトバンクは両軍無得点で迎えた7回裏、デスパイネのグランドスラムが飛び出し、試合の均衡を破る。投げては、先発・和田が7回無失点の好投。その後は、椎野、高橋純とつなぎ、和田は今季2勝目を挙げた。敗れた楽天は、先発・岸が痛恨の一発を浴びた。

◆ソフトバンク－楽天の一戦は和田毅投手（38）と岸孝之投手（34）の投げ合い。両者の先発対決は16年4月12日以来、3年ぶり6度目。 前回対決では和田が6回1失点で勝利投手となったが、今日はどちらに軍配が上がるか。

◆楽天岸孝之投手（34）が今季最多124球の粘投も3勝目はならなかった。 走者を出してから投球が洗練された。2回以降は毎回安打を許したものの、6回まで無失点。打線がソフトバンク和田の前に沈黙する中、辛抱強く援護を待った。 球数が100球を超えてからマウンドに上がった7回に力尽きた。1死から明石、福田の連打で一、三塁とピンチを招くと、グラシアルには追い込んでからスライダーと直球で外と内いっぱいを狙った2球がわずかに外れ、結局四球で歩かせた。満塁となり、デスパイネに141キロの直球をバックスクリーンにたたき込まれた。 6回1／3を9安打4失点。「粘りきれませんでした。それだけです」。険しい表情でしぼり出した。

◆ソフトバンク和田、楽天岸の両先発投手が安定した立ち上がり。ともに得点圏に走者を出したものの、3回まで無失点に抑えた。 両軍とも打線が攻略できない。ソフトバンクは6回まで4度得点圏に走者を送ったがホームが遠い。両軍6回まで無得点。 ソフトバンクは7回、デスパイネの満塁弾で勝負を決め、今季初の6連勝。先発和田は2勝目。楽天は引き分けをはさんで5連敗。楽天岸は3敗目。

◆ソフトバンク和田、楽天岸の両先発投手が安定した立ち上がり。ともに得点圏に走者を出したものの、3回まで無失点に抑えた。 両軍とも打線が攻略できない。ソフトバンクは6回まで4度得点圏に走者を送ったがホームが遠い。両軍6回まで無得点。 ソフトバンクは7回、デスパイネの満塁弾で勝負を決め、今季初の6連勝。先発和田は2勝目。楽天は引き分けをはさんで5連敗。楽天岸は3敗目。

◆ソフトバンクのアルフレド・デスパイネ外野手が約1カ月ぶりの1発で岸を仕留めた。 0－0で迎えた7回1死満塁。カウント2－2からの直球をバックスクリーンへ運び去る特大の18号グランドスラムだ。 「変化球だろうが、直球だろうがストライクゾーンに入ってくる甘い球だけを待っていた。ホームランで決められてよかった」。好調グラシアルとは対照的に6月6日の中日戦で17号を放ってから1発が出ていなかった。「自分では好調と思っている。いい当たりもアウトになったりするから」と話したが、ここぞで出た1発に「いいきっかけになるよ」と分厚い胸を張った。

◆ソフトバンク和田毅投手が今季初の6連勝を導いた。左肩痛からの復帰後最長となる7回を投げ、4安打無四球0封で自身も2連勝。 「しっかり抑えている姿を見せたい」と話していた松坂世代の同学年、楽天平石監督の前で元気な姿を見せた。7回にデスパイネの満塁弾が飛び出すと思わずガッツポーズ。「すみません。年がいもなく、あんな喜び方して」。2位楽天に2連勝を決め、ゲーム差を4に広げた。

◆パ・リーグの歴史を彩ってきた左腕と右腕が、最高峰の投げ合いを演じた。ソフトバンク和田毅投手（38）が7回4安打無失点と隙のない快投を見せれば、楽天岸孝之投手（34）も2回以降毎回安打を浴びながら粘投。最後は岸の124球目をデスパイネがバックスクリーンに満塁弾をたたき込む劇的な幕切れ。エース同士の「ザ・投手戦」は2勝目の和田に軍配が上がった。岸という投手が124球に凝縮された。1回に投じた変化球は福田とグラシアルの勝負球に選んだカーブ2球だけ。いきなり11球連続の直球で押し込み、3者凡退。2回以降は毎回安打を浴びた。カーブとチェンジアップを巧みにまぶし、忘れた頃にスライダー。1点もやれない状況でピンチの連続だったが、打者31人でフルカウントをつくったのは3人だけ。走者を出してから、丁寧かつ大胆な投球は洗練された。 「自分は8年目くらいまでツースリーピッチャーでしたから」。球数がかさむジレンマから、新たな球種にトライした過去がある。「ツーシーム、フォーク...。西武にいた時から投げようとしたけど、ダメだった」。今あるものを磨く－。徹底したのは、真っすぐの制球を間違えないこと。「そこに投げる」。鋼の意志を込め、ひたすら反復した。「昔は狙ったところに10球連続なんて、まず投げられなかった。でも、楽天に来て、ヨシさん（佐藤義則投手テクニカルコーチ）にも同じことを言われた。間違ってなかったんだと思えた」。模索の末にたどり着いたスタイルは揺るぎない。 「和田さんと投げ合えるのが、うれしいじゃないけど、楽しい気持ちもあった。僕も、何とかそれについていけたのかな」。投手の本能ゆえか、表情が軟らかくなったのは、ほんの一瞬。今季最多124球目の141キロが甘く入り、壮絶に散った。「最後は『1点くらいは』の気持ちで投げましたけど、最悪の結果。失投も失投。自分の責任。結局、あそこで粘れないようでは勝てない」と潔かった。【亀山泰宏】

◆ソフトバンク和田毅投手（38）が、完全復活をアピールする快投で今季初の6連勝を導いた。左肩痛からの復帰後最長となる7回を投げ、4安打無四球0封で自身も2連勝。松坂世代の同学年、楽天平石洋介監督（39）の前で健在を示した。チームは2位楽天との首位攻防で2連勝を飾り、ゲーム差を4に広げた。心からのガッツポーズだ。両軍無得点だった7回にデスパイネの満塁弾が飛び出すと、和田はベンチの最前列で喜びを爆発させた。「すみません。年がいもなく、あんな喜び方して」。照れ笑いで振り返ったが、勝利をもたらしたのは間違いなく和田の投球だった。 楽天岸との投げ合いは1点を争う投手戦になった。左肩の故障から復帰後初めて、7回のマウンドにも立った。「徐々に疲れはきていましたけど、6回が終わった時点で『次がラスト』と言われたので。全力で抑える、0で帰ってくるつもりでいきました」。4番ブラッシュからの打順だったが、3人でピシャリ。7回0封の直後に飛び出したのが主砲の決勝弾だった。本拠地ヤフオクドームで勝つのは17年8月27日以来で、約2年ぶりのお帰りピッチとなった。 前回登板の6月23日巨人戦に続く2連勝だ。「（復帰後）1、2戦目と3、4戦目では投げている感覚もボールの質も違う。こういうピッチングが毎試合できたら、チームに勝ちを持ってこられる」。この日は「しっかり抑えている姿を見せたい」と話していた同学年、楽天平石監督の前で元気な姿を見せられた。 長いリハビリでも、昨年と今年では悩みの意味が違った。「今年は肩の痛みで悩むことはなかった。投手として、どうやれば球の質が上がるか。1軍に上がれるか。そういう悩みだった」。1年以上、和田の球を受け続けた笹沼リハビリ担当ブルペン捕手も「昨年は何かがだめだと1週間投げないこともあった。今年は『今日だめでも明日良ければいい。逆にここを変えてみようか』と前向きでした」と変化を感じていた。 6月に1軍昇格してからは、大好きな芋焼酎を飲まなくなった。和田の掲げる理想は中6日でローテを守り、シーズン最後まで戦い抜くこと。だからこそ、強い責任感で好物を断っている。 チームは今季初6連勝で2位楽天に4ゲーム差をつけた。工藤監督も「すばらしい投球。見とれて見ていました」とたたえる快投だった。【山本大地】

◆ソフトバンク内川聖一内野手が今季3度目の猛打賞で気を吐いた。2回に左前打すると4回には右前へ。 6回にはサード茂木のグラブをはじいてフィールド席に飛び込むエンタイトル二塁打。「岸とはタイミングが合うというか、シンプルに考えて打席に入っている」。1試合3安打以上は通算160度目。榎本喜八（元西鉄）と並ぶ歴代13位となった。「出てくる人の名前がすごすぎて...。でもモチベーションになります」と話していた。

◆ソフトバンクの内川が今季３度目の３安打以上をマークした。二回に左前打、四回に右前打を放つと、六回は三塁手を強襲した球が客席に飛び込み、エンタイトル二塁打とした。楽天の岸には今季初対戦だった前回と合わせ、５打数５安打と好相性を発揮。「点を取ったところで仕事をしたわけではないけど、和田さんに勝ちが付いたのがうれしい」と話した。 　これでパ・リーグ同士の戦いが再開してからの全５試合で安打中。「シンプルにしっかりいい形で振ろうというか、素直にバットが出ている」と好調の要因を挙げた。

◆楽天は岸が痛恨の満塁本塁打を浴びて、今季ワーストに並ぶ５連敗を喫した。０－０の七回１死満塁。デスパイネに甘く入った速球を豪快に中越えへ運ばれた。今季最多１２４球の力投は実らず「一番最悪な結果になってしまった」と悔しさをにじませた。 　自身３連敗を喫した上、首位ソフトバンクとのゲーム差も４に広がった。和田との投手戦に敗れ「投げ合うのは楽しみだった。その中でついていけなかった。粘れなかった」と肩を落とした。 平石監督（５連敗） 「シーズンを通じて波はある。下を向く必要はない。前を向いて攻めていく」 楽天・伊藤投手チーフコーチ（岸に） 「切り替えるしかない」

◆ソフトバンクのデスパイネが七回１死の好機に、均衡を破る１８号満塁本塁打を放った。好投を続けていた岸の速球をバックスクリーンに突き刺し「甘く入ったら、自分本来のバッティングをしていこうと思った」と分厚い胸を張った。 　６月６日を最後に本塁打はなく、自身２年ぶりの満塁本塁打は１８打席ぶりの安打だった。たまっていた鬱憤を一気に晴らし「いつかは出ると自分も信じていた。これがいいきっかけになると思う」と先を見据えた。

◆デスパイネがお目覚めの決勝グランドスラムを放った。０－０の七回１死満塁でバックスクリーンへ１８号。「甘くきた球をコンパクトに振り抜けた。みんながつないでくれた好機で最高の結果でよかったよ」。カウント２－２から低めの直球をとらえた。１９試合ぶりの本塁打で、安打も１８打席ぶり。「調子は悪くなかったし、いつか出ると自分を信じていた。いいきっかけになればいいね」と冷静に語った。

◆岸が１球に泣いた。０－０の七回１死満塁からデスパイネに満塁本塁打を被弾。今季最多１２４球の力投は実らず、６回１／３を４失点で３敗目を喫した。「粘れきれませんでした。自分の責任です」。チームは今季ワーストに並ぶ５連敗（１分けを挟む）で、首位・ソフトバンクとのゲーム差も４に広がった。それでも平石監督は「シーズンを通じて波はある。下を向く必要はない」と気丈に振る舞った。 岸について楽天・伊藤投手チーフコーチ 「切り替えるしかない」

◆息詰まる投手戦で、投球を楽しむような笑みもこぼれた。左肩痛から復活して本拠地では６７５日ぶりの白星。ソフトバンク・和田はお立ち台で「２年もかかってすみません」と、はにかんだ。 　「すごくいい試合で、勝ててよかったです」 　互いに長くパ・リーグを引っ張ってきた岸に投げ勝った。「六回に倉野投手コーチに次がラストといわれた。４、５、６番を全力で抑えにいった」と七回の中軸を三者凡退で締めて、その裏のデスパイネの満塁弾に万歳。内川と抱き合った。 　復帰４試合で最長の７回を投げ、初の無失点だ。６月２３日の巨人戦（東京ドーム）の２年ぶりの勝利に続き、２０１７年８月２７日のロッテ戦以来の本拠地での白星。チームは今季最多６連勝で、楽天との直接対決で４ゲーム差とした。工藤監督は「すばらしい投球。見とれました」とベテランの好投に酔った。 　左腕は５奪三振のうち４個を直球で奪った。「空振りや、詰まらせることもできた」。復帰直後はツーシームに頼る投球もあったが、技術的な修正で球威は向上。捕手の甲斐とも「息が合ってきた」と投げる度に前進を口にしている。 　「勝負勘も試合を重ねるごとに戻るし、それも理由だと思います」 　昨季は復帰が絶望的になってもテレビ観戦を欠かさなかった。「みるだけなのは野球選手として辛い」。本音も吐露しながら「自分ならこう抑えると考えながら。それをしないと、戻ったときに配球の感覚が戻ってこない」。復帰と同時の加速につながった。 　「この投球が続くのに越したことはないです」 　リハビリ中に「戻るだけでは意味がない」と口にした３８歳が完全復活の気配を漂わせ、鷹が独走態勢に入った。　（安藤理） ★母の誕生日に 　和田は「この歳でいうのも変だけど、きょうはお袋の誕生日なので勝ててよかった。マザコンではないですよ」と笑いを誘った。６５歳になった母・照子さんを祝福したが、今季はバースデー登板ばかりだという。リハビリを乗り越えて２軍戦で初登板した４月３日は可澄美夫人。５月１４日の父・雅之さんの誕生日も２軍戦で登板した。「次は娘かなと思ったら、試合がない日でした。そういうオチです」と笑顔が弾けた。