DeNA(☆2対1★)広島 =リーグ戦11回戦(2019.06.29)・横浜スタジアム=
このエントリーをはてなブックマークに追加

 12345678910
広島
00001000001800
DeNA
0100000001X2801
勝利投手:国吉 佑樹(3勝2敗0S)
敗戦投手:中村 恭平(0勝1敗0S)

本塁打
【DeNA】伊藤 光(6号・2回裏ソロ)

  DAZN
チケットぴあ DeNA戦チケット予約 広島戦チケット予約
◆DeNAが劇的なサヨナラ勝利。DeNAは2回裏、伊藤光のソロで先制する。その後同点とされて迎えた延長10回には、2死満塁から宮崎が適時打を放ち、試合を決めた。投げては、6番手・国吉が今季3勝目。敗れた広島は、終盤の好機であと1本が出なかった。

◆元サッカー日本代表の中沢佑二氏が、DeNA-広島11回戦(横浜)の始球式を務めた。 現役時代に背負った背番号「22」の入ったDeNAのユニホーム姿での投球。 大きく振りかぶると、客席からはどよめきの声が上がった。ボールはワンバウンドで捕手のミットに収まった。

◆広島磯村嘉孝捕手(26)が同点適時打を放った。 1点を追う5回1死一、二塁で、DeNA先発平良の初球スライダーを引っ張ると、打球は三塁宮崎のグラブをかすめファウルグラウンドを転々。その間に二塁走者が一気にホームインした。 「アドゥワが頑張っているので何とか打ててよかったです」と話した。

◆DeNA先発は平良、広島はアドゥワ。DeNAは2回、伊藤光の6号ソロで先制。平良は3回まで被安打1、無失点。 広島は1点を追う5回、磯村の三塁線への適時打で同点。DeNAは6回1失点の平良から三嶋に継投し、終盤に入った。 広島は同点の7回に1死一、三塁と勝ち越しのチャンスを作るも、併殺に終わった。試合は1-1のまま延長戦に入った。 DeNAは延長10回2死満塁、宮崎がサヨナラ打を放ち、借金を1まで減らした。広島はリーグ再開後の初カードを負け越した。勝ち投手は国吉で3勝目、中村恭が1敗目。

◆痛恨のサヨナラ負けだ。広島が延長10回の末、DeNAに敗れてリーグ戦再開後2連敗となった。 先発アドゥワが7回1失点と好投、リリーフ陣も無失点でつないだが、4番手中村恭が我慢しきれなかった。 緒方孝市監督(50)は「この結果に対しては、いい采配ができなかったということ」と話した。この日勝った首位巨人とは2・5ゲーム差。カープが踏ん張りどころを迎えている。延長10回、1-2のサヨナラ負け。勝ち切れなかったのか、我慢し切れなかったのか。帰りのバスに向かって歩を進めながら、緒方監督が言葉をつないだ。 「勝つチャンスはあったし、この結果に対しては、いい采配ができなかったということ。選手は必死にやっている」。誰も責めることなく、敗戦の責任を背負い込んだ。 先発アドゥワは7回1失点と好投した。前夜5本塁打を放った強力打線に対し、序盤から強気に内角を突き、意識させた。1回無死一塁から、2番ソトは内角に3球続けた後、外のカーブで空振り三振。3番ロペスは内角直球で一邪飛に仕留めた。4番筒香は右飛。2回、伊藤光に先制6号ソロを浴びたが、強気な姿勢は変えない。1つ1つ、力強くアウトを重ねた。 チーム状況は分かっていた。前夜はエース大瀬良で必勝態勢のはずだったが、まさかの大乱調で大敗した。ズルズル黒星を重ねるわけにはいかない。できるだけ長いイニングを投げて、チームの勝利に貢献する。強い思いを胸に、マウンドに上がった。7回を投げ終えた時点で94球。余力はあったが、8回先頭の打席で代打を送られた。「粘り強く、丁寧には投げられた」と振り返った。 その思いは、リリーフ陣がつないだ。レグナルトが8回、守護神フランスアが9回を0封。それでも決着がつかず、延長10回のマウントに立ったのが中村恭だった。先頭の代打桑原に三塁打を許した後、神里、ソトを連続三振で2死まできた。ロペスは申告敬遠。筒香勝負にかけたが、際どいところを突いて四球。満塁から宮崎に中前へサヨナラポテン打を浴び「どんな場面でも0で抑えるのが仕事」と唇をかんだ。 打線は安打が出ているのに、あと1本が出ない。7回1死一、三塁で磯村が、10回1死一、二塁で代打長野が併殺打に倒れた。緒方監督は「選手だけの責任じゃない」とかばった。 首位巨人と2・5差。これ以上広げられたくない。投打がかみ合うきっかけになる白星が欲しい。【村野森】

◆DeNAが今季4度目のサヨナラ勝ちを決めた。1-1で迎えた延長10回2死満塁、5番宮崎敏郎内野手(30)が中前に適時打を放った。5月下旬から猛烈な勢いで白星を重ね、これで最大11あった借金は1。今日30日にも4月19日以来の勝率5割に復帰する。 打球が舞い上がると、DeNAベンチのボルテージは一気に最高潮に達した。1-1で迎えた延長10回2死満塁。宮崎は「みんながつないでくれた。ファーストストライクから、いこうと思っていた。何とか落ちてくれ」と行方を見つめた。中堅と二塁の間に白球が落ちるやいなや、飛び出してきたナインからもみくちゃにされた。今季4度目のサヨナラ勝ちに、ラミレス監督は「すばらしい勝利」。4月に10連敗を喫し、5月にも5連敗。最大「11」まで膨らんだ借金は、ついに「1」となった。 ラミレス監督 この時期に、この勝率と成績は考えていなかった。そういう意味でまだ後れを取っている。ただ、シーズン序盤を考えたら、よくここまで耐えた。 苦しい時期でも大胆な采配を貫いてきた。28日にスタメン起用し、2安打と期待に応えた楠本を、同じ左の佐野にスイッチ。「考え方によっては今日も楠本でいいかもしれないが、その時の数字やデータを加味して」と思い切りがいい。 エスコバー、パットンと勝利の方程式でつないだ延長10回の場面では、守護神の山崎ではなく、石田を投入。「感覚的に(山崎)ヤスより、石田」と直感も大事にする。1死一、二塁となると、代打の切り札長野に対し、4月に161キロをマークした右の国吉へチェンジ。「長野は左に強い。国吉はいい風に荒れている」。試合の流れを読み、データと感覚を巧みに使い分けている。 30日にも勝率5割が見えてきた。ラミレス監督は「まだ借金1。つまりBクラス。Bクラスのチーム」とおごらない。大胆かつ緻密な采配で、まずはAクラスへ1歩ずつ押し上げる。【栗田尚樹】 ▼DeNAが今季4度目のサヨナラ勝ち。6月に入ってからは3度目で、月間3度のサヨナラ勝ちは球団では17年8月(4度)以来2年ぶり。また宮崎のサヨナラ打は17年9月6日ヤクルト戦でのサヨナラ弾以来、通算3本目。

◆DeNAの伊藤光が二回、シーズン自己最多本塁打を更新する6号先制ソロを放った。前回5月12日の対戦で一発を見舞ったアドゥワに対し、甘く入った速球を捉えて左翼席へ運び「完璧。ストレートの状態が良かったので絞って打ちにいった」と、捕手ならではの読みも生かした。  納得の一撃に加え「守備の方でも頑張る」と誓った通り、五回には追い付かれてなお1死一、三塁のピンチで二盗を阻止。先発の平良を攻守でもり立てた。

◆DeNA先発の平良は制球が良く、無四球で6回を5安打1失点と役割を果たした。前回18日に続く2勝目は持ち越しとなったものの「序盤から低めにボールを集められ、打たせて取る投球ができた」と自信を深めた様子だった。  五回に3連打で追い付かれても勝ち越しは許さず、六回2死二塁では4番鈴木を低めの変化球で右飛。「ランナーを置いた場面でも低めの意識は変わらず、かつインサイドを使い、ゴロアウトが取れたことが良かった」と振り返った。 国吉(3勝目) 「何とかゼロで抑えてサヨナラ(勝ちに)できるようにと思って投げた」 ラミレス監督(平良に) 「素晴らしい投球をしてくれた」

◆広島は打線が上向かない。五回に追い付き、六回以降は八回を除いて得点圏に走者を置きながら適時打が出ず、緒方監督は「安打が出ていても点に結び付かない部分がある。いい采配ができなかった」と選手をかばった。交流戦明けから6連勝した昨季と対照的に今季は黒星が続いた。  1-1の七回無死一、三塁では田中広が三振、磯村が併殺打に倒れた。延長十回1死一、二塁でも代打長野が併殺打に終わった。田中広が「またあす頑張ります」と言い、磯村は「七回に打っていれば違った結果になった」と唇をかんだ。 アドゥワ(7回1失点) 「先制点を与えてしまったのが反省点。その後は粘り強く、丁寧に投げられた」 中村恭(十回にサヨナラ打を浴び) 「どんな場面でもゼロに抑えるのが仕事。申し訳ない」 広島・東出打撃コーチ(3試合連続無安打の鈴木に) 「こういう時期もある。周りが打つしかない。誠也一人に頼っては駄目」

◆DeNA・桑原が劇的なサヨナラ勝利の立役者となった。  延長十回の先頭打者として代打で打席へ。中村恭の2球目のスライダーを強振し、もう少しで本塁打という当たりの左翼フェンス直撃の三塁打で絶好機を作った。  「出番があるとすれば左投手のところだと思ってイメージはしていました」と桑原。結局ロペス、筒香の四球で2死満塁となり、宮崎のサヨナラ打で歓喜のホームを踏み笑顔を見せた。  「積極的に自分のスイングができたことが一番良かった」と桑原。限られる出番のなか、チャンスで結果を出した25歳にラミレス監督も「特に桑原の三塁打が大きかった。ああいうシチュエーションになったら絶対に勝たなければいけない」と賛辞を惜しまなかった。

◆セ・リーグ4位のDeNAは29日、広島11回戦(横浜)の延長十回に宮崎敏郎内野手(30)が中前適時打を放ち、2-1で今季4度目のサヨナラ勝ちを決めた。  宮崎は、小学6年時に地元・佐賀の唐津スカイボーイズに入団と野球を始めた時期は遅かった。  好きな球団もなく、テレビ観戦にも消極的。ダイエー(現ソフトバンク)の小久保ら3選手による野球教室に参加した際も、サインや握手などを全く求めなかった。  「プロ野球選手のサインを欲しいと思ったことはありませんでした。自分がプロ野球選手になると思っていたからです」  グリップを低くして構える独特の打撃フォームは「小学生時代から変わっていない」。打率.165で4月を終えた今季序盤の不振期も「変えないこと」で打棒復活につなげた。幼少期から信念を貫き、今やサインを求められる立場になった。  ちなみに"初本塁打"は野球デビュー3日後の練習試合。いきなり右越えに2本を放ったとか。巧みな広角打法で、同僚から敬意を込めて「コチアイ(小さな落合博満)」と称されたこともある宮崎。まさに天性の打撃センスの持ち主だ。 (DeNA担当・湯浅大)

◆セ・リーグ4位のDeNAは29日、広島11回戦(横浜)の延長十回に宮崎敏郎内野手(30)が中前適時打を放ち、2-1で今季4度目のサヨナラ勝ちを決めた。5月16日に最大11あった借金は1まで減らし、3位・阪神に0.5ゲーム差、2位・広島にも2.5ゲーム差に迫った。驚異的なV字回復を見せるベイスターズは、30日に4月19日以来となる勝率5割への復帰を目指す。  雨脚が強まる真っ黒な横浜の空に、願いを乗せた白球が中堅方向に舞い上がった。1-1の延長十回2死満塁。宮崎が放った打球は背走する菊池涼と前進する西川の間にポトリ。今季4度目、直近の7試合で3度目のサヨナラ勝ちを決めた。  「捕られるかなと思ったけど、頼むから落ちてくれ! そう思いながら走っていました」  その容貌からファンに『ハマのプーさん』と親しまれる宮崎は駆け寄った仲間にもみくちゃにされ、歓喜のウオーターシャワーを浴びた。  今季初めて本拠地・横浜スタジアムで開催された土曜日のナイター。十回は先頭の代打・桑原が左翼フェンスの上部を直撃する三塁打で出塁した。続く神里とソトが三振に倒れ、ロペスの申告敬遠と筒香の四球で満塁。宮崎へのお膳立てが整った。  「みんながつないでくれたので、ファーストストライクからいこうと思っていた」と2ボールからの直球を詰まりながら中前に落とした。2017年首位打者の本領を発揮したが、じくじたる思いがあった。  1点リードの五回の三塁守備。1死一、二塁で磯村の三塁線の打球を逆シングルで捕球を試みたものの、適時打にしてしまった。「グラブに当てたので捕らないと」。好投していた先発右腕・平良の足を引っ張った悔しさをバットで返した。  接戦を想定していたラミレス監督の采配も光った。リーグ戦再開となった前日28日の広島戦で5本塁打が飛び出すなど13-3で大勝。この日の試合前に指揮官は「統計的に見ても大量得点の次は接戦になる。昨日とは違う作戦を立てないといけない」と予言していた。  救援投手を総動員で待機させ、延長十回は左腕・石田を送り出すのと同時に右腕・国吉への準備を指示。石田が1死一、二塁のピンチで代打・長野を迎えると、迷わず国吉にスイッチ。国吉が遊ゴロ併殺に打ち取るなど登板した6投手が計1失点でしのぎ、サヨナラ劇につなげた。  驚異的なV字回復だ。4月に10連敗、5月に5連敗を喫するなど、借金は5月16日に最大11まで膨らんだ。しかし、10勝7敗1分けと5年ぶりに勝ち越した交流戦を経て、ついに1まで減らした。3位・阪神まで0・5ゲーム差、2位・広島にも2・5ゲーム差に迫る4位。30日の広島戦に勝てば、4月19日以来となる勝率5割に復帰する。  「みんな一球一球、必死でやっている。同じ気持ちで戦えていることが勝利につながっていると思う」と宮崎。関東地方は梅雨の真っただ中だが、DeNAが混戦のセ・リーグに快進撃という"高気圧"を連れてくる。 (佐藤春佳) 十回1死一、二塁の大ピンチで登板し、代打・長野を遊ゴロ併殺打に仕留めて3勝目を挙げたDeNA・国吉 「みんなでもり立てながら、きょうの試合、絶対取るぞという気持ちを(救援陣で)共有した」

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
巨人
39301 0.565
(↑0.006)
-
(-)
73342
(+6)
281
(+2)
95
(+1)
42
(+1)
0.261
(↓0.001)
3.660
(↑0.02)
2
(-)
広島
38342 0.528
(↓0.007)
2.5
(↓1)
69298
(+1)
300
(+2)
70
(-)
49
(+1)
0.249
(-)
3.390
(↑0.02)
3
(-)
阪神
35354 0.500
(↓0.007)
4.5
(↓1)
69291
(+1)
308
(+6)
51
(-)
52
(-)
0.250
(-)
3.480
(↓0.04)
4
(-)
DeNA
35361 0.493
(↑0.007)
5
(-)
71291
(+2)
290
(+1)
86
(+1)
23
(-)
0.247
(↓0.001)
3.720
(↑0.04)
5
(-)
中日
32390 0.451
(↑0.008)
8
(-)
72277
(+6)
282
(+1)
44
(-)
39
(+1)
0.260
(-)
3.890
(↑0.04)
6
(-)
ヤクルト
28452 0.384
(↓0.005)
13
(↓1)
68329
(+2)
394
(+6)
84
(+1)
27
(-)
0.235
(↓0.001)
4.760
(↑0.02)