日本ハム(2対2)広島 =交流戦3回戦(2019.06.13)・札幌ドーム=
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広島
1000000001002600
日本ハム
0100000001002710
勝利投手:-
敗戦投手:-
  DAZN
◆広島は初回、菊池涼の適時打が飛び出し、先制に成功する。一方の日本ハムは、2回裏に1死二三塁の好機から横尾が犠飛を放ち、同点とした。試合はそのまま延長戦に突入し、10回に得点を取り合うも決着はつかず、4時間を超える熱戦は規定により引き分けに終わった。

◆チョーさんが止めた。「1番指名打者」で先発出場の長野久義外野手(34)が1回、右翼フェンス直撃の三塁打を放った。 今季交流戦パ・リーグ球団主催6試合目にして、12球団で最遅となる指名打者初安打となった。 前日まで指名打者制の5試合は、12球団で唯一指名打者に安打が出ていなかった。4日からの西武3連戦は指名打者で出場した松山と長野が無安打に終わり、11日は会沢、12日は磯村がそれぞれ4打席無安打だった。 チーム指名打者22打席目となる初安打が長打となり、続く菊池涼の先制中前適時打を呼んだ。

◆日本ハム清宮幸太郎が、今季2度目のベンチスタートとなった。 試合前練習のフリー打撃は行わず、金子打撃チーフ兼作戦コーチに付き添われてバント練習のみで調整した。13打席連続無安打(12日時点)と苦しんでおり、リフレッシュさせることが狙いとみられる。

◆日本ハム加藤、広島山口が先発。広島は1回、菊池の中前適時打で先制。日本ハムは2回、横尾の犠飛で試合を振り出しに戻した。 4回以降は投手戦を展開。加藤、山口ともに5回1失点で降板した。両チーム無得点、同点のまま終盤に突入した。 両チーム継投策で追加点を許さず、9回まで1-1。得点圏に走者を進めながら決定打を欠き、延長戦に入った。 広島は延長10回に押し出し四球で勝ち越すも、日本ハムはその裏、王柏融の適時二塁打で同点。そのまま引き分けた。

◆広島が日本ハムとの「日本生命セ・パ交流戦」で延長12回の激闘を演じ、2-2で引き分けた。奮闘したのは1番長野久義外野手(34)だ。2年ぶりの三塁打を放つなど、移籍後初の2試合連続マルチ安打をマーク。前日12日は吉田輝にプロ初被安打を浴びせ、適時二塁打で初失点も記録させた。チームはセ・リーグ首位ながら交流戦は単独最下位と波に乗れないが、ベテランのバットは頼もしい。 広島長野の鋭い眼光が、日本ハム先発加藤を捉えた。4球目を右翼ポール付近のフェンスに直撃させ、ボールがグラウンドを転がる間に悠々と三塁ベースに到達した。フェアかファウルかのリプレー検証がなされたが、判定はそのまま。ベース上でペコリと頭を下げた。三塁打は、巨人時代の17年7月29日のDeNA戦以来、2年ぶり。次打者菊池涼の中前打で先制のホームを踏んだ。 負の連鎖を断ち切った。前の試合まで、DHで先発した4選手は5試合計18打席で無安打。その中には6日西武戦に7番DHで出場し、4打数0安打に倒れた長野自身も含まれていた。第1打席でその壁を破り、先制のホームを踏んだ。3回には中前打を放ち、移籍後初の2戦連続マルチ安打も記録。奮闘する先発山口をバットでもり立てた。 延長10回無死一、三塁の場面では、打席で醸し出すオーラで同じ元巨人の公文を3ボールと追い詰めた後、一塁走者が盗塁したこともあり申告敬遠で満塁に。これが、勝ち越し点につながった。前日12日は、プロ初勝利を挙げた日本ハム吉田輝に1回の右前打でプロ初被安打を、3回の左中間適時二塁打でプロ初失点を記録させたが、自らの充実ぶりも際立っている。 交流戦男だ。巨人1年目の10年には楽天岩隈(現巨人)からソロアーチを、13年には楽天田中(現ヤンキース)から先頭打者弾を放つなど、昨年までの9年間で18本の本塁打を放っている。交流戦前に「パ・リーグは真っすぐが速いイメージがありますけど、変化球でかわしてきたり、投手の傾向も変わってきている」と話したように、1打席目はフォークを、2打席目はカーブを仕留めた。 試合は延長12回引き分けに終わった。長野は「また明日、また明日」と言葉少なだった。交流戦巻き返しのキーマンとして、次の一戦に集中する。

◆日本ハム大田泰示外野手が胸を張ったのは、左翼への二塁打でサヨナラ勝ちのチャンスを作った延長12回ではなく、1点を追う10回無死二塁から走者を三塁に進めた右飛だった。 一打同点の場面を演出し「負けているから、走者を進塁させて3、4番と思っていた」と納得顔。チームプレーの意識が個々に浸透しているから、強い。「負け試合から引き分けに持って行ったのだから、大したもの」と話した。

◆日本ハム渡辺諒が今季3度目の猛打賞をマークした。 1点を追う2回無死一塁で右前安打を放ち、同点への足がかりをつくるなど5打数3安打を記録した。ただ、サヨナラの好機となった延長10回2死一、二塁では空振り三振に倒れ「チャンスで打てなかったので、そういうところで打てるような選手になりたい。明日また頑張りたい」と気持ちを切り替えた。

◆日本ハム清宮幸太郎が5日ヤクルト戦以来の欠場。 前日12日広島戦(札幌ドーム)では3回の第2打席に代打を送られ、ベンチに退いていた。この日の試合前はフリー打撃を行わず、バント練習のみ。疲労がたまっているようで、栗山監督は「調子とコンディショニングを含めて、いい状態にしないといけない」と、清宮の現状について説明した。

◆日本ハム7人目の玉井大翔投手が決死の投球を見せた。1-1の延長10回無死満塁の大ピンチでマウンドへ送り出された右腕は、2者連続三ゴロ。2死後、4番鈴木にはフルカウントから押し出し四球を与え勝ち越しを許したが「抜け球だったけど、勝負にいった。自分の中では、攻められた」。 絶体絶命の場面を最少失点でしのいだことが、結果的には引き分けにつながった。

◆日本ハム西川遥輝外野手が同点の口火を切った。1点を追う延長10回の先頭で右翼への二塁打を放ちチャンスをつくると、1死三塁から王柏融の適時二塁打で同点のホームを踏んだ。「(塁に)出ることだけを考えていた。負けなかったことが大事だし、なんとか粘ることができた」と振り返った。

◆日本ハムが執念のドローで、日本一となった16年以来のパ・リーグ単独首位に浮上した。 広島3回戦(札幌ドーム)で1点を追う延長10回1死三塁、王柏融外野手(25)の左越え適時二塁打で振り出しに戻した。延長12回の熱戦の末、勝利には届かなかったが価値ある引き分けで、首位に躍り出た。 延長12回2死一、二塁のサヨナラの好機で杉谷は左飛に終わったが、4時間10分の熱戦で引き分けに持ち込んだ。広島が4度の申告敬遠を申し出るなど、最後まで攻め立てたのは日本ハムだった。同一カード3連勝はかなわなかったが、栗山監督は「みんなよく頑張った」と、たたえた。 大王が息を吹き込んだ。1点を勝ち越しされた直後の延長10回。先頭西川が二塁打で出塁し、1死三塁から王柏融の打席だ。カウント0-1からシュート、スライダーで揺さぶられながらも3球連続ファウルで食らいついた。5球目、152キロをはじき返し、左越え適時二塁打。二塁ベース上でガッツポーズし、雄たけびを上げた。価値ある同点打に「自分の一打で首位に立ててうれしい」と喜んだ。 今季4度目の引き分け。前日12日に交流戦首位に立ったのに続き、混戦のパ・リーグでついに1位に躍り出た。指揮官は「(首位も)全然」と首を振ったが「今日は負けないで良かった」と、激闘をかみしめた。本拠地6連戦の中、最初のカードを無敗で折り返した。14日からの巨人3連戦でも、首位の座を譲らない。【田中彩友美】

◆日本ハム8番手の吉田侑樹投手が2イニングを無失点に抑えた。同点に追いついた直後の延長11回から登板。落ち着いた投球で相手に流れを与えなかった。 「緊張はしましたけど、いつも通りいこうと思った。(回をまたぐのは)準備はしていた。明日からまた貢献できるようにしたい」と話した。

◆広島は2度リードを奪いながら勝ちきることができなかった。連敗阻止はならず、交流戦単独最下位となった。 2戦連続1番起用の長野から1回に先制点を奪うも、2回に同点に追い付かれた。延長10回は鈴木が勝ち越しの押し出し四球を選ぶも、その裏に新ストッパーのフランスアが日本ハム王柏融に左翼フェンス直撃の同点打を打たれた。緒方監督は「勝つチャンスはあったからね。勝ちきれなかったのは残念だけど、負けないことも大事。投手も野手もよく集中して最後まで戦ってくれた。明日につながる試合」と話した。

◆12日に札幌ドームでの広島戦でプロ初登板して白星を挙げた日本ハムの吉田輝星投手が一夜明けた13日、札幌ドームで取材に応じ「高校時代のチームメートやお世話になった人からおめでとうというメッセージをいただき、うれしかった」と喜びを語った。  吉田輝は先発で5回4安打1失点と好投し、高校出新人として2015年の安楽智大投手(楽天)以来となる初登板勝利を達成。速球主体の投球で広島打線と勝負し「最近では一番いい真っすぐが投げられた。自信になった」と収穫を挙げた。  吉田輝は13日に出場選手登録を抹消された。栗山英樹監督は今後の起用に「体の状態を見たい。相当張っているはずだから」と話した。

◆広島の山口が5回を2安打1失点にまとめた。二回に同点犠飛を許したが、威力のある直球を軸に試合をつくった。「ヒットを打たれても切り替えて、最少失点で粘り強く投げられたことは良かった」と話した。  前回登板の西武戦では3回5失点と打ち込まれていた。「ラストチャンスと佐々岡さんに言われている。まだ1軍に残るぞという思いを強く持って自分の投球をしたい」。勝ち負けは付かなかったが、持ち味を存分に発揮した。

◆広島は延長十回に鈴木が押し出し四球を選んで勝ち越したが、その裏にフランスアが同点二塁打を浴びた。引き分けで交流戦最下位と波に乗れない。緒方監督は「勝ちきれなかったのは残念だけど、負けないことも大事。よく集中して最後まで頑張ってくれた」と前を向いた。  リードを守れなかったフランスアは「ちょっと球が高かった」と悔やんだ。

◆「1番・DH」で出場した長野は一回、加藤の外角フォークを右翼方向へ流し打って、広島移籍後初、自身2年ぶりの三塁打を放った。三回には中前打を放って2日連続のマルチ安打達成。試合後は「またあしたです」と話した。試合前時点でチームの指名打者(DH)は18打数無安打だったが、長野が"DHの壁"を突破した。

◆1点を勝ち越された直後の延長十回、1死三塁で王柏融(ワン・ボーロン)が左越えに同点の適時二塁打を放った。第4打席まで3打席連続三振に倒れていた今季新加入の3番打者は「塁上の走者を何とか返したかった。これからも、チームのために全力で挑みたい」と仕事人ぶりを発揮した。

◆ドミニカ共和国出身の日本ハム・ロドリゲスが練習後に同郷の広島・バティスタと旧交を温めた。同い年で16歳の時から顔見知り。故郷ではメジャー通算541本塁打のデービッド・オルティス氏が銃撃された事件も起き「今の国の状態について話した」という。11日には初対戦が実現し、バティスタに左中間席に2ランを打たれたが、12日はロドリゲスが空振り三振に斬って雪辱。「やり返したかった」とうれしそうだった。

◆セ・リーグ首位の広島が、交流戦で単独最下位に転落だ。鈴木の押し出し四球で2-1と勝ち越した延長十回。マウンドに上がった新守護神・フランスアが、2二塁打を許して追いつかれ、今季初のセーブ失敗。痛いドローとなった。  「勝ち切ることができなかったけど、負けないことも大事。ピッチャーも野手も、最後までよく集中してくれた」  緒方監督は気丈に振る舞ったが...。9日のソフトバンク戦(マツダ)から、中崎に代えて抑えに起用している助っ人左腕が、セーブシチュエーション2試合目でいきなり失敗。佐々岡投手コーチは「逃げ切るのが一番だけど...。抑えの難しいところ」と頭を抱えた。  5月は球団新記録の月間20勝を挙げたが、このカードも2敗1分けで、3カード連続負け越し。「またあしたにつながるゲーム」と指揮官。14日からのパ・リーグ2位の楽天との3連戦(楽天生命パーク)で、立て直しを図る。(柏村翔)

◆12日の広島戦(札幌ドーム)でプロ初登板して白星を挙げた日本ハムのドラフト1位・吉田輝星投手(18)=金足農高=は13日、登板間隔が空くため出場選手登録を外れた。今後も1軍に帯同し、次回は再登録ができる23日の中日との交流戦最終戦(ナゴヤドーム)に登板する可能性が出てきた。  高卒新人では19人目となる初登板勝利から一夜明けたこの日は、ジョギングなどで調整した。直球主体の投球で5回4安打1失点と広島打線を封じた前日の投球を「最近の中で一番いいストレートが投げられた。自信になった」と振り返った。  LINE(無料通信アプリ)には100件の祝福メッセージが入り「夜は返すのに追われていました」と笑顔。球場で観戦した高校時代の同僚にもらった「しびれた」という言葉がうれしかったという。  次回登板について栗山監督は「相当体が張っている。全て体の状態を見てから」と説明した。吉田輝は「次をしっかり見ていきたいです。(ご褒美は)何もなしで」と表情を引き締めた。

◆執念のドローで、日本ハムが今季初の単独首位に浮上した。8投手の継投で4時間10分の死闘を引き分けに持ち込んだ。  「本当に、今日はみんなよく頑張った。何とかしたいという気持ちが一つになった」  栗山監督は、最後まで諦めなかった選手たちをたたえた。その指揮官が「頑張った」と名前を挙げて絶賛したのが、11日に再昇格したプロ4年目の右腕・吉田侑だ。先発した5月29日のロッテ戦以来の1軍マウンドにも「緊張しましたが、開き直ったら気持ちが楽になった」。落ち着いたマウンドさばきで2回を無安打無失点に抑え、勝ち越しを許さなかった。  前日12日は同じ吉田姓のD1位・輝星がプロ初勝利をマーク。18歳右腕が持ち込んだ勢いを、侑樹がキラリと光る好投でつないだ。チームは楽天をわずか2厘差で上回り、開幕カード以来の奪首に成功した。  指揮官は「まだ足りていない。これからも手を打ちまくるよ」と宣言。2016年以来、3年ぶりのパ・リーグ優勝へ、この勢いで突き進む。(中田愛沙美)

<交流戦順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(1↑)
ソフトバンク
621 0.750
(↑0.036)
-
(↓0.5)
936
(+3)
28
(-)
15
(+1)
9
(+1)
0.242
(↓0.007)
2.930
(↑0.35)
2
(1↓)
日本ハム
621 0.750
(-)
0
(-)
935
(+2)
30
(+2)
6
(-)
4
(-)
0.269
(↓0.014)
2.660
(↑0.31)
3
(-)
巨人
630 0.667
(↑0.042)
0.5
(↓0.5)
944
(+8)
29
(+2)
14
(+2)
8
(+2)
0.272
(↑0.007)
3.080
(↑0.26)
4
(-)
DeNA
540 0.556
(↓0.069)
1.5
(↓0.5)
933
(+1)
33
(+3)
9
(+1)
3
(-)
0.268
(↓0.013)
3.690
(↑0.04)
5
(-)
楽天
540 0.556
(↓0.069)
1.5
(↓0.5)
930
(+3)
39
(+11)
2
(-)
2
(-)
0.250
(↑0.009)
4.160
(↓0.86)
6
(-)
阪神
441 0.500
(↓0.071)
2
(↓0.5)
940
(-)
34
(+3)
6
(-)
9
(-)
0.246
(↓0.017)
3.040
(↓0.04)
7
(1↑)
ORIX
440 0.500
(↑0.071)
2
(↑0.5)
1027
(+6)
31
(+5)
4
(+1)
8
(+4)
0.237
(↑0.002)
3.930
(↓0.16)
8
(1↓)
西武
450 0.444
(↓0.056)
2.5
(↓0.5)
938
(+2)
47
(+8)
8
(+1)
10
(+1)
0.265
(↓0.013)
4.940
(↓0.26)
9
(1↑)
ヤクルト
350 0.375
(↑0.089)
3
(↑0.5)
1041
(+11)
32
(+3)
8
(+1)
5
(+2)
0.229
(↑0.017)
3.490
(↑0.07)
10
(1↓)
中日
360 0.333
(↓0.042)
3.5
(↓0.5)
939
(+5)
36
(+6)
4
(-)
2
(-)
0.257
(↑0.006)
3.940
(↓0.29)
11
(1↑)
ロッテ
360 0.333
(↑0.083)
3.5
(↑0.5)
934
(+3)
52
(+1)
6
(-)
5
(-)
0.232
(↓0.007)
5.630
(↑0.58)
12
(1↓)
広島
261 0.250
(-)
4
(-)
930
(+2)
36
(+2)
6
(-)
5
(+2)
0.198
(↓0.009)
3.360
(↑0.32)