ヤクルト(★3対5☆)広島 =リーグ戦10回戦(2019.05.29)・明治神宮=
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広島
2000300005801
ヤクルト
3000000003701
勝利投手:大瀬良 大地(5勝2敗0S)
(セーブ:中﨑 翔太(2勝2敗8S))
敗戦投手:高橋 奎二(0勝2敗0S)

本塁打
【広島】鈴木 誠也(15号・1回表2ラン)
【ヤクルト】村上 宗隆(14号・1回裏3ラン)

  DAZN
◆広島は初回、鈴木の2ランで先制に成功する。その後1点ビハインドとなって迎えた5回表、鈴木と西川の連続適時打で3点を挙げ、逆転に成功した。投げては、先発・大瀬良が7回3失点の好投で今季5勝目。敗れたヤクルトは、打線が2回以降無得点と振るわなかった。

◆12連敗中のヤクルトは、打線を大幅に組み替えて連敗ストップに挑む。前夜、左翼で先発したバレンティンを外し、4番には5月12日以来、13試合ぶり今季2度目となる村上宗隆内野手を起用。左翼には6番坂口が入った。 また、11試合ぶり先発となった宮本の1番打者起用は今季初。

◆広島鈴木誠也外野手(24)が1回に15号先制2ランを放った。 1回2死一塁からヤクルト先発高橋の初球、高め150キロを強振した。打球はセンターバックスクリーンへ一直線。「先制点につながるホームランになって良かったです」。リーグトップの巨人坂本を猛追する4試合ぶりの1発が貴重な先制弾となった。

◆ヤクルト村上宗隆内野手(19)が、2試合連続本塁打となる14号3ランを放った。 5月12日以来2度目の「4番」で先発出場。2点を先行された1回1死二、三塁。広島大瀬良の初球149キロを右中間スタンドへ運び、逆転した。 「打ったのはストレートです。とにかく後ろにつなぐ意識でコンパクトに打つことを心掛けました。逆転できてよかったです」とコメントした。

◆野村超え。広島西川龍馬内野手(24)が5回2死二、三塁から遊撃適時内野安打を記録し、連続試合安打を21試合に伸ばした。 広島では94年の野村を超え、76年ホプキンス、14年菊池涼に並ぶ6位タイとなった。 勝ち越しとなる5試合連続打点を内野安打でもぎ取り「いいところに飛んでくれました。必死に走りました」と振り返った。

◆広島鈴木誠也外野手(24)が5回に同点打を放った。2死一、三塁からヤクルト高橋が5球続けた真っすぐをたたき、バットを折りながらも左翼線に運んだ。 「みんながつないでチャンスを作ってくれたので、ランナーをかえせて良かったです」 3回1死一、二塁では低めの際どい真っすぐに見逃し三振に倒れたが、適時二塁打で前の打席の借りを返した。

◆広島は1回2死一塁から鈴木の15号2ランで先制。ヤクルトはその裏、1死二、三塁から村上の2戦連発となる14号3ランで逆転。 5回、29分間の雨天中断を挟み、広島が2死一、三塁から鈴木の同点二塁打と西川の2点適時打で勝ち越し。再びリードを奪った。 広島が逃げ切って2連勝。両リーグ最速の30勝に到達した。7回3失点の大瀬良が5勝目。ヤクルトは13連敗。 広島中崎が8セーブ、ヤクルト高橋が2敗目。

◆ヤクルト高橋奎二投手(22)が5回途中5失点で降板した。初回に広島鈴木に2ランを浴びた後は辛抱強く投げていたが、粘りきれなかった。 5回先頭の大瀬良に安打、続く野間に四球を許し、1死一、三塁としたところで雨天中断。29分間の中断の後、バティスタを空振り三振に仕留めるも、そこから2者連続適時打、さらに2連続四球を与えて満塁でベンチに下がった。 「調子自体は悪くなったですが、失点した後に逆転してもらったのに、5回まで粘れず申し訳ないです」と反省した。

◆広島が両リーグ一番乗りで30勝に到達した。2-3の5回に鈴木の適時二塁打と西川の2点適時内野安打でひっくり返した。大瀬良は7回3失点でリーグトップタイの5勝目。ヤクルトは1回の村上の3ランのみで打線が沈黙し13連敗。

◆ヤクルトが首位広島に敗れ13連敗を喫した。2点を追う1回裏、この日今季2度目の4番に入った村上宗隆内野手が14号逆転3ランを放ったが、5回に3点を失い再逆転された。 年間96敗を喫した17年の7月に記録した14連敗にあと1と迫った。球団ワーストは70年の16連敗。 勝った広島は月間18勝目。94年8月にマークした球団記録に並んだ。

◆ヤクルトが14日広島戦から13連敗。ヤクルトの13連敗以上は17年の14連敗以来で国鉄、サンケイ時代を含め通算5度目となり、13連敗以上の回数はDeNAの4度(大洋時代に2度、横浜時代に2度)を上回る最多となった。

◆広島の4番鈴木誠也外野手(24)が、5月18勝目を引き寄せた。94年8月に並ぶ球団月間最多タイ記録だ。2-3の5回1死一、三塁で雨が激しくなり、午後7時36分から29分間中断となった。ノーゲームもちらつく中、ベンチ裏で準備した。再開後の2死一、三塁で、ヤクルト高橋の148キロ直球にバットを折られながら左方向へ。「来た球を振っていこうと思った」。執念の同点二塁打だった。 続く西川の内野安打では送球の乱れに乗じ、三塁走者に続き、二塁から一気に生還した。スライディングの勢いで跳び上がり、ガッツポーズ。「純さん(広瀬三塁コーチ)が回してくれていたので」。会心の走塁で、5点目をもぎ取った。 最初に試合を動かしたのも鈴木だった。1回2死一塁で、先制の15号2ラン。高橋の初球の150キロを一振りで仕留め、バックスクリーンにたたき込んだ。表情を変えずにベースを回った。「先制点につながるホームランになってよかったです」と振り返った。 豪快なスイングの陰に、繊細な感覚を備える。プレーボール直前の素振りは、素手で行った。高橋の球筋を頭に入れ、グリップの感触を感じながらタイミングを確認した。本当は、打席でも素手でバットを握りたいという。どうしても滑ってしまうため、手袋をはめる。打撃職人の感覚を研ぎ澄ませ、打撃3部門でトップを争っている。 緒方監督は「誠也の一打が相手投手にショックを与えた。4番の仕事」とたたえた。鈴木が好調打線を引っ張っていく。【村野森】

◆粘投で燕斬り。広島大瀬良大地投手(27)が7回3失点でリーグトップタイの5勝目を挙げた。ヤクルト戦はデビューから11連勝とし、球団新記録となった。2点リードの1回に村上に逆転3ランを浴びながら、ヤクルト打線が2巡目となった3回以降に修正。緩いカーブを巧みに使って、的を絞らせなかった。今季の成長を示す修正能力を発揮し、チームは球団月間最多記録の18勝目を手にした。剛から柔への変身で、試合の流れを再びたぐり寄せた。前回22日は力勝負で完投した大瀬良はこの日も、立ち上がりから力で押した。だが1回、連打からピンチを招くと村上の3ランで2点のリードをひっくり返された。積極打法のヤクルト打線に対し、2巡目となった3回からは緩急を使った。変わり身でヤクルト打線を惑わし、今季12度目の逆転勝利を呼び込んだ。 「初回に1発で点は取られてしまいましたが、その後アツ(会沢)さんがうまくリードしてくれて、緩急を使いながら打たせて取る投球が出来ました。あとは援護を信じて1人1人集中して投げられたことが良かったです」 2回まで4安打、球数は47球を擁した。「思うようにコントロールできていなかったですし、良くないなと思いながら投げていた」。2回まで1球も使わなかった緩いカーブを3回以降は7回まで57球のうち10球投じた。 前回完投勝利した22日中日戦から、プレートの踏む位置を三塁側から中央に変えた。この日はこれまでの癖か、三塁寄りを踏んでしまう場面も見られたが、そこも試合の中で修正。3回以降は前回同様、プレートの中央から内外角へきっちり投げ分けられていた。 わずか数センチの変更が燕打線の芯を外した。5回表途中の約30分の中断も、立ち直った大瀬良には影響なかった。緒方監督も「中断がありながら7回まで投げきってくれた」と力投をたたえた。 デビューからヤクルト戦の連勝を球団新記録となる11連勝に伸ばした。前回対戦した15日は2点ビハインドで降板も打線が逆転して記録が継続しただけに「チームと伸ばした連勝だと思う。みんなに感謝したい」。チームは94年8月に記録した球団月間最多記録の18勝となった。大瀬良にも勝ちたい理由もあった。「大好きだったおばあちゃんの命日だったので」。球団記録とともに、リーグトップタイの5勝目を手向けた。【前原淳】

◆「真っ向勝負」といえば格好いいが、明らかな"格上"と対戦する時は"勢い"だけに頼ってはいけない。5回2死一、三塁からヤクルト先発の高橋は、広島の4番鈴木に、5球連続の直球勝負を挑んで左翼線に同点二塁打。高橋にとって格好いいはずの「真っ向勝負」は、「無謀な勝負」に変わってしまった。 やはり「格の違い」は否めない。第1打席に初球の150キロ直球をバックスクリーン右へ2ラン。第2打席は本塁打された直球で果敢に攻め、見逃し三振を奪っていた。そして手痛い二塁打を打たれた3打席目を迎えた。 打席内容を振り返る。初球は外角直球がボール。2球目は内角直球を見逃しストライク。3球目は内角直球がボール。問題なのは4球目で、内角高めの直球に対し、どん詰まりのファウルだった。投げ終えた高橋は「どうだ!」と言わんばかりの雰囲気で仁王立ち。しかし、怒らせていけない格上の相手を怒らせてしまったように見えた。 チャンスの場面では、鈴木はセンターから逆方向を狙ってくる。それでも本塁打する力があるからだ。しかし、だ。まさかの直球で"オラついた"高橋の姿に火が付いたのか、直球一本に絞ったような強引な引っ張りのスイング。148キロの内角球に対し、バットを折りながら左翼線に運んだ。もう少し甘ければ、場外に飛ばされたようなド迫力のスイングだった。 本塁打以降の2打席で11球を投げ、変化球は1球だけ。しかも直球のほとんどが内角だった。これだけ偏っていては、抑えられるものも抑えられない。追い込んでから変化球で交わしていれば、高い確率で打ち取れていただろう。続く西川には内野安打で2点を勝ち越され、その後も2連続四球で降板。あっさり格の違いを見せつけられ、チームの13連敗が決まった。【小島信行】

◆広島が29分間の中断をはさんでヤクルトに逆転勝ちし、球団月間記録にならぶ5月18勝目を手にした。 緒方孝市監督(50)の談話は以下の通り。 緒方監督 (大瀬良は)立ち上がりがちょっと、ボールが甘く入って痛い3ランを食らったけど、その後大地らしく集中していった。中断をはさんだ中、緩急をつけて相手バッターのタイミングを外した中で、7回を投げ切ってくれた。無四球が、大きい。中断のところはお互いピッチャーが難しい。誠也の一打が相手投手にショックを与えただろうしね。しっかり4番の仕事をした。その後の流れみたいな感じで、西川がラッキーなヒットを打った。ザキ(中崎)も最後、ピンチを招いたけど、ザキらしいといえばザキらしいピッチングだった。粘ってね。

◆ヤクルトが球団史上5度目の13連敗を喫した。村上宗隆内野手(19)を今季2度目の4番に据え、バレンティンを先発から外して臨んだ試合。村上は2点を追う1回1死二、三塁で、広島先発大瀬良の甘く入った初球149キロを右中間席へ運ぶ14号3ラン。10代の4番では87年清原(西武)以来となる1発に「よっしゃー!」と高揚したが、空砲に終わった。 小川監督はバレンティンを外したことについて「総合的に判断をして決めた」と話した。粗いプレーが目立つ守備面を考慮した格好。村上の他にもプロ初の1番に抜てきした宮本、2戦続けて遊撃に入った奥村が安打したが、先発高橋が5回5失点でKOされた。 最下位DeNAが勝ち、ゲーム差なしの5位。試合後も、若手を中心にベンチ裏で素振りを行った。村上は「打順は関係ない。勝ちに貢献するだけ。勝つことだけしか考えていない。明日勝って、連敗を止めたい」と言い切った。勝利をつかむまで、ひたむきに進む。【保坂恭子】

◆広島大瀬良大地投手が今季5勝目を挙げ、ヤクルト戦はプロ1年目の14年から無傷の11連勝。同一カードでデビューから無傷の11連勝以上は12~16年武田(ソフトバンク)が西武戦で11連勝して以来、6人目。最多記録は56~59年稲尾(西鉄)の近鉄戦22連勝だが、セ・リーグでは50~54年服部(中日)の国鉄戦に並び2人目のタイ記録だ。 ▼5月の広島は18勝4敗1分けとなり、月間18勝は94年8月に並ぶ球団タイ記録。94年8月は18勝8敗の貯金10で、広島の月間最多貯金は17年9月(16勝4敗)など過去4度あった12。今月は残り2試合だから、月間貯金も12以上が確定。あと1勝すれば月間勝利と月間貯金の2つの球団記録を更新する。

◆19歳3カ月のヤクルト村上宗隆内野手が4番で初本塁打。10代の4番打者が本塁打を打ったのは、87年8月16日清原(西武)以来、32年ぶり。 清原は高卒1年目の86年に1本、87年に11本と、10代で4番アーチを12本記録した。清原以前は63年7月4日土井(近鉄)までおらず、ドラフト制後に本塁打を放った10代の4番打者は清原と村上だけ。パ・リーグにはドラフト制以前を含め6人いるが、セ・リーグでは初の10代4番アーチだった。

◆ヤクルト・村上宗隆内野手(19)が2試合連続となる14号逆転3ランを放った。 この日「4番・一塁」で先発した村上は2点を追う一回、1死二、三塁のチャンスで打席に立つと、大瀬良の初球149キロ真っすぐをフルスイング。打球はヤクルトファンの待つ右翼スタンドに飛び込んだ。 若きスラッガーは「とにかく後ろにつなぐ意識でコンパクトに打つことを心掛けました。逆転できて良かったです」と喜んだ。

◆ヤクルト・高橋奎二投手(22)が29日、広島10回戦(神宮)に先発したが、5回途中7安打5失点と初勝利とはならなかった。  一回に2死からバティスタに四球を与えると、続く鈴木に投じた初球の直球が高く入り、先制の中越え2ランを被弾。  2-4回は無失点で抑えたが、五回は先頭の大瀬良に中前打を浴びるなど1死一、三塁となり、雨が強まり、中断。  再開後はバティスタを空振り三振としたが、鈴木、西川に連続適時打を浴び、3失点。続く会沢、田中に連続四球を与えたところで降板。直球は自己最速を1キロ更新する152キロまで出たが、踏ん張り切れなかった。

◆ヤクルトが14連敗を喫した2017年7月以来、2年ぶりの大型連敗が「13」に伸びた。  この日も長いトンネルを抜け出すことが出来なかった。先発の高橋は一回に先制の2ランを浴びるもその後は四回まで無失点と粘りの投球を見せた。しかし1点リードの五回1死一、三塁の場面で雨が強まり試合が中断。これでリズムが崩れたのか、バティスタを空振り三振に斬るも、鈴木、西川に連続適時打を浴び3失点。続く会沢、田中に連続四球を与えたところで降板となった。  打線は2点を追う一回、村上が14号3ランを放ち逆転したが、その後は、大瀬良ら広島投手陣に抑えられ追加点を奪うことが出来なかった。  高橋は「調子自体は悪くなったですが、失点した後に逆転してもらったのに5回まで粘れず申し訳ないです」と肩を落とした。

◆広島の鈴木が2ランを含む2安打3打点と好走塁で打線を引っ張った。一回に高橋の高めの速球を中越えへ15号2ラン。2-3の五回2死一、三塁には内角球にバットを折られながらも左翼線へ同点二塁打を放ち「たまたまヒットゾーンに飛んだ」と話した。  続く西川の内野安打では、遊撃手の一塁への送球がわずかにそれた間に二塁から一気に本塁を陥れた。広瀬外野守備走塁コーチは「ああいうところで1点を取る準備ができていた。チームがやらなきゃいけないことを(鈴木)誠也が示してくれた」と褒めた。

◆大瀬良がリーグトップに並ぶ5勝目を挙げた。一回に逆転3ランを浴びたが、三回以降は二塁を踏ませず7回5安打3失点。「打たせて取るところは取れた。調子は良くなかったが、会沢さんがうまくリードしてくれた」と喜んだ。これでヤクルト戦はプロ入りから負けなしの11連勝。「チーム状態はすごくいいし、これからもどんどん勝っていきたい」と力強かった。

◆西川が決勝の2点打で自身の連続試合安打を「21」に伸ばした。五回、鈴木の同点二塁打の後、なお2死二、三塁で高橋から遊撃内野安打だ。「直球に詰まったけど、逆に詰まって良かったです(記録は)意識しないようにしています」。これで20試合の1994年の野村を抜き、76年ホプキンス、14年の菊池涼に並んだ。

◆先発の高橋は自己最速を1キロ更新する152キロの直球を軸に勝負を挑んだが、五回途中7安打5失点で2敗目を喫した。3-2の五回2死一、三塁では鈴木に対し、5球連続で直球を投じた。最後はバットをへし折りながらも左翼線へ運ばれて同点。続く西川に勝ち越し打を浴びた。「(五回は)投げ切りたかった。強気にいったが、切り替えられなかった」と悔やんだ。 先発の高橋についてヤクルト・田畑投手コーチ 「投手の安打と四球でチャンスを与えて得点されるのは最悪。(降雨中断で)気持ちが切れてしまっては困る」

◆雨模様の神宮の空で行ったり来たりしていた"勝利の女神"を、4番が力づくで振り向かせた。2-3の五回2死一、三塁で、広島・鈴木が内角球にバットを折られながらも、左翼線へ同点二塁打。1994年8月に並ぶ、月間18勝の球団記録に導いた。  「(中断があったが)得点圏だったので、集中していた。甘い球を振っていこうと思っていた。たまたまヒットゾーンに飛んでくれました」  五回1死一、三塁とチャンスを迎えたところで雨脚が強くなり、午後7時36分に中断に入っていた。試合は成立しておらず、そのまま続行不可能ならノーゲームに。再開しても、1点差を追いつかずに五回表が終了すれば、その後の天候次第で降雨コールドで敗れる可能性もあった。  三塁ベンチで待つしかない中、29分間に及ぶ中断にも主砲の集中力が途切れることはなかった。再開後、バティスタは空振り三振を喫したが、4番が左腕・高橋の内角148キロをとらえた。  足でも魅せた。なお2死二、三塁で、西川がボテボテの遊撃内野安打を放つと、奥村の一塁への送球がわずかにそれた間に二塁から生還。一気に2点を勝ち越した。  24歳の鈴木と、燕の19歳、村上との若き4番対決でも注目された一戦。鈴木は一回2死一塁で先制15号2ランを放つなど2安打3打点。村上も一回の14号3ランを含む2安打3打点で意地をみせたが、鈴木が貫禄勝ち。緒方監督は「誠也(鈴木)の一打が大きかったね。あそこで(五回に)4番としての仕事をしてくれた」と大絶賛だ。  チームは26日の巨人戦(東京ドーム)で連勝が11で止まったが、このカード連勝で8カード連続の勝ち越し。両リーグ最速で30勝に到達した。貯金も今季最多の11だ。5月は18勝4敗1分けで、残り2戦。打っても、走ってもすごい新世代の4番が、カープを球団新記録へ、そして頂点へと引っ張っていく。 (柏村翔) ★1994年の広島  三村敏之監督の1年目。6月終了時には最下位と低迷していたが、7月に15勝9敗とすると、8月は18勝8敗と勝ちまくり、2位に浮上。最終的には66勝64敗で、優勝した巨人と4ゲーム差で3位だった。野村謙二郎が最多安打と盗塁王、紀藤真琴が最高勝率のタイトルに輝き、西山秀二、江藤智、前田智徳がベストナイン。 ★ノーゲーム  天候、競技場の状態などの理由で試合が途中打ち切り(コールドゲーム)となったときの状況が、以下のいずれにも該当していない場合は正式試合とはみなされず、ノーゲームとなる。〔1〕五回の表裏が完了している〔2〕五回表終了時、または五回裏の途中に、後攻チームがリードしている〔3〕五回裏に後攻チームが得点し、同点となっている

◆ヤクルトは29日、広島10回戦(神宮)に3-5で敗れ、13連敗となった。チームは苦境に立たされているが、今季2度目の4番に座った村上宗隆内野手(19)が一回に一時は逆転の14号3ラン。10代選手の先発4番の本塁打は球団初で、球界でも1987年の清原和博(西武)以来32年ぶり。逆転負けで最下位・DeNAにゲーム差なしと迫られる中、希望の光になった。  薄暮の迫る神宮で、内角の速球を鋭いスイングでさばく。連敗脱出を目指す中、2点を先制された直後の一回1死二、三塁。村上が放った打球は、あっという間に右中間席へ。一時は逆転となる14号3ランだ。  「とにかく後ろにつなぐ意識でコンパクトに打つことを心がけました」  大瀬良の初球、149キロの直球を捉え、2試合連続アーチ。4番を務めるバレンティンが「総合的な判断」(小川監督)という理由でスタメンを外れ、19歳の村上が今季2度目の4番に座った。10代選手の先発4番の本塁打は球団初で、球界でも1987年の清原和博(西武)以来32年ぶり。低迷するチームの中で、14本塁打はセ・リーグ3位タイ。41打点はリーグトップタイと気を吐く。  チームの全52試合に出場。発展途上のプロ2年目は試合前、鍛錬を重ねている。ホームでの試合開催時、正午からの早出練習では約1時間の打撃練習。三塁と一塁守備力の向上を目指し、キャンプさながらの特守に時間を費やすこともある。試合後は必ずベンチ裏にこもり、約30分の素振り。村上の体力と精神力について、長く野球界に携わる小川監督は「いい選手の絶対条件を持っている」と認める。  周囲の注目度も急上昇だ。7月開催のオールスターのファン投票の中間発表で、セ・リーグの三塁手部門でトップに立った。それでも村上は「そのことを考えている余裕はないです。今はとにかく、連敗を止めることだけを考えています」と力強く言った。  前日28日の広島戦では野手最年長、37歳の青木が丸刈りにして気合を入れ直し、この日も村上にアーチが飛び出したが、無念の逆転負け。14日の広島戦の黒星で始まった連敗は13となった。長いトンネルから抜け出すため、選手はすぐに、30日の試合に目を向けた。  「勝つことだけしか考えていない」と村上。山田哲は「まだ(シーズンの)3分の1が終わっただけ。誰もシュンとしている選手はいないし、逆襲、逆襲」と気持ちを奮い立たせた。ビハインドの展開でも、ベンチからナインを鼓舞する声が神宮に響いた。選手たちの闘志の炎は、まだ一人も消えていない。 (横山尚杜) 雨による中断もあって逆転負けを喫したヤクルト・小川監督 「それも野球なんでね。これが結果ですから」

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
広島
30191 0.612
(↑0.008)
-
(-)
93208
(+5)
191
(+3)
50
(+1)
33
(+1)
0.255
(↓0.001)
3.140
(-)
2
(1↑)
阪神
27222 0.551
(↑0.009)
3
(-)
92201
(+8)
209
(+4)
39
(+2)
31
(-)
0.248
(↑0.002)
3.560
(↑0.01)
3
(1↓)
巨人
25211 0.543
(↓0.013)
3.5
(↓1)
96237
(+4)
195
(+8)
65
(+3)
24
(-)
0.268
(-)
3.800
(↓0.07)
4
(-)
中日
22260 0.458
(↓0.01)
7.5
(↓1)
95179
(+1)
182
(+2)
33
(-)
29
(-)
0.262
(↓0.001)
3.660
(↑0.05)
5
(-)
ヤクルト
21292 0.420
(↓0.009)
9.5
(↓1)
91239
(+3)
263
(+5)
62
(+1)
21
(-)
0.243
(-)
4.550
(↓0.01)
6
(-)
DeNA
20280 0.417
(↑0.013)
9.5
(-)
95184
(+2)
208
(+1)
55
(-)
14
(+1)
0.241
(-)
3.960
(↑0.08)