日本ハム(★3対13☆)楽天 =リーグ戦10回戦(2019.05.21)・札幌ドーム=
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楽天
202004005131301
日本ハム
1000010103720
勝利投手:塩見 貴洋(1勝0敗0S)
敗戦投手:金子 弌大(1勝3敗0S)

本塁打
【楽天】浅村 栄斗(12号・6回表3ラン)

  DAZN
◆楽天は初回、銀次が適時二塁打を放ち、先制に成功する。その後は、6回表に浅村の3ランと今江の適時打で4点を奪うなど、終わってみれば13安打13得点の猛攻を見せた。投げては、先発・塩見が6回2失点で今季初勝利。敗れた日本ハムは、投打がかみ合わず3連敗を喫した。

◆日本ハム先発の金子は初回に楽天銀次の2点適時打で2失点。3回にも押し出し四球などで2点を失い、3回7安打4失点で降板。 楽天は6回、浅村の12号3ランと今江の適時打で4点を追加。今季初先発の塩見は6回まで4安打2失点と好投した。 楽天は9回、5点を追加して大勝。塩見が今季初勝利を挙げ、3連勝で貯金2。日本ハムは今季2度目の3連敗で借金1となった。日本ハム金子は3敗目。

◆日本ハム中田翔が8試合ぶりの打点を記録した。 8回1死一塁で、高梨から右中間へ適時二塁打。だが、先発塩見からは無安打で、チーム全体でも4安打に抑えられるなど、今季初登板の左腕を攻略できずに終わった。「動かしてくる真っすぐだったり、コントロールも良かった。チームとして打ち崩すことができなかったので悔しいですね」と唇をかみしめた。

◆楽天塩見貴洋投手が昨年7月20日の西武戦以来、305日ぶりの勝利を挙げた。6回99球、4安打2失点のクオリティースタートで自身40勝目。「3点までオーケーくらいの気持ちで投げました。なんとか試合は作れたと思います」とホッとした様子で、ウイニングボールをポケットにしのばせた。 昨年の球宴明けからヘルニアを発症し、同10月末に腰を手術。この日が昨年8月26日の日本ハム戦以来、約9カ月ぶりの1軍のマウンドだった。2軍では釜田や由規とリハビリをともにし「あいつらは投げられないのに懸命にリハビリをやって本当にすごい。オレの腰(のケガ)なんか小さなもの」と勇気をもらってマウンドに上がった。 「(今季)初登板なので序盤は緊張しました」と初回は球が浮き、西川の二塁打と犠飛で1失点。だが、そこから立ち直った。直球は140キロにも満たないが、105キロ前後の緩いカーブとの球速差は効果的。2回から5回までは日本ハム打線を1安打に封じ、伊藤投手コーチも「緩い球を織り交ぜて修正したり、さすが実績のある投手。塩見がしっかりゲームをつくってくれたから、打線にも火がついた」とたたえた。【千葉修宏】

◆日本ハムが楽天10回戦(札幌ドーム)に大敗し、今季2度目の3連敗を喫した。先発の金子弌大投手(35)は3回7安打4失点(自責3)と試合をつくれず、3敗目。「どの打者にも際どいところに投げきれず、追い込んでからうまくいかなかったし、粘られた時に根負けしてしまった」と、リズムに乗りきれないまま、KOされた。 降板までに与えた2四球が、ともに痛かった。初回は2死無走者から3番浅村に四球で歩かせ、4番ウィーラーと5番銀次に連続二塁打を浴びて2失点。その裏に打線が1点を返してくれたが、3回は今江に右前適時打を許して再び2点差とされ、さらに2死満塁の場面で新人辰巳に押し出し四球を献上。3点ビハインドとなった瞬間に、勝機は限りなく、しぼんでいた。 今季、チームの逆転勝利は通算20勝のうち5勝だけ。はね返した最大の得点差は2点と反発力が乏しい。この日も悪いデータを覆せなかった。打線は今季初先発の塩見を打ち崩せず、3得点を奪うのが精いっぱい。試合の主導権を奪い返せない間にリリーフ陣も失点を重ねてしまった。 シーズン前半のヤマ場となる5週連続6連戦の初戦は、先行逃げ切りを許す、今季の負のパターンにはまった。3連敗は約1カ月半ぶり、借金生活は約1カ月ぶりで順位も3位から5位に転落。栗山監督は「1つ1つ、しっかりやっていくしかない。どういう展開でも勝ちきらないといけない」と声を絞り出した。【木下大輔】

◆いよいよベテランが調子を上げてきた。4日に今季初の1軍登録された楽天今江年晶内野手(35)が、2度目の猛打賞で3打点と打線をけん引。 チームも今季最多となる13点を挙げて日本ハムを圧倒した。目の病気で開幕こそ出遅れたが、夏場を前にコンディションはグングン上昇。頼りになる男の活躍はチームにとってこれ以上ない朗報だ。 今江のバットの勢いが止まらない。3回に右翼へ、6回には左翼へそれぞれ適時打。迎えた9回無死一塁の場面では、ロッテ時代の同僚、日本ハム藤岡の141キロ直球をジャストミート。あと少しで本塁打というフェンス直撃の左二塁打を放った。 今江は「たまたまなんですよ(笑い)。そのたまたまが続いてくれたらいいなって感じ」と報道陣を笑わせた後「その中で打席でもいろいろ考えながらやっている。今日は次の打席、次の打席につながったと思います」と手応えを口にした。 キャンプ直前、物がゆがんで見えるという「右眼球中心性漿液(しょうえき)性脈絡網膜症」と診断された。2軍調整が続き、今月4日にようやく1軍に復帰。だがまだコンディションは100%ではない。目ははっきりと見えるものの「体は思うように完璧には動いてない。その中でやりくりしているんで」という。 だが、ベテランの存在がチームを活気づけているのは間違いない。楽天はこの日、浅村の3ランなどで今季最多13得点をマーク。平石監督も「ここのところ逆転勝ちが多かったので、久しぶりにちょっと楽な展開だった。野手が最後まで集中力を切らさず、四球を取れるところはしっかり取ってくれていましたし」と攻撃陣に及第点を与えた。 一方、守りではこの日、左腕塩見が昨年7月以来となる今季初勝利。週末には岸も、左太もも裏違和感からの復帰登板を果たす予定だ。今江、塩見、岸と次々に主力が復活する楽天。ここから夏場に向け、大いに期待できそうだ。【千葉修宏】

◆楽天の銀次が一回に左中間へ2点二塁打を放った。2死二、三塁で金子の甘く入った変化球を逃さずに仕留め「つなぐ意識で打席に入った。コンパクトにスイングできた。先制できて良かった」と笑顔で話した。  三回も1死一塁で左前にはじき返して好機をつくった。勢いに乗る主将の一打に後続も続いて2点を加え、この回限りで金子をマウンドから降ろした。

◆日本ハムの金子は三回に押し出し四球で失点するなど持ち前の制球が鳴りを潜め、3回を7安打4失点で3敗目を喫した。「各イニングの先頭打者を抑えることはできたが、その後に連打され、うまく切り替えることができなかった」と肩を落とした。  最多勝や沢村賞にも輝いた実績のある35歳のベテラン。オリックスから加入した今季は投手陣の柱として期待されているが、前回15日の登板に続いて先発の責任を果たせなかった。「一人の打者への球数が多くなってしまい、自分で苦しくしてしまった」と渋い顔だった。

◆楽天の浅村が3試合連続本塁打を放った。4-1の六回1死一、二塁で吉田侑の変化球を豪快に振り抜き、左翼スタンドへたたき込んだ。勝利を引き寄せる12号3ランに「塩見さんが初先発ですからね。得点圏でしっかり打ててよかった」と喜んだ。  浅村は四回の中前打を含め、3試合連続の複数安打と波に乗る。3番打者がけん引する打線は今季最多の13得点で快勝し「先制、中押し、駄目押しと理想的な展開ができた。できる限りこれを続けたい」とうなずいた。

◆浅村が3試合連続本塁打となる左越えの12号3ランを放った。4-1の六回1死一、二塁で吉田侑のフォークボールを仕留め「きょうは塩見さんが初先発なので、得点圏でしっかり打ててよかったです」とはにかんだ。四回の中前打を含め、3試合連続の複数安打と波に乗る不動の3番に、平石監督は「どうしても1点がほしい場面。非常に大きくて効果的な一発だった」と絶賛した。

◆今季初登板で完全復活を遂げた。古傷の腰痛で出遅れていた楽天・塩見貴洋投手(30)が6回2失点で初勝利だ。  「序盤は緊張したけど、のらりくらり投げられました。3点まではOKくらいの気持ちで投げました」  昨年8月26日の日本ハム戦(札幌ドーム)以来となる1軍マウンドで、白星は同7月20日の西武戦(メットライフ)以来。通算40勝目の記念球を受け取った。2月の沖縄・久米島キャンプは2軍スタート。腰の負担を軽減するために、88キロあった体重を4キロ減らした。  塩見の力投で貯金2とし、首位のソフトバンクとは再び2ゲーム差に迫った。平石監督は「期待している投手。いい投球だった」と笑顔。岸、則本昂の2枚看板が不在の中で貴重な左腕が帰ってきた。 (広岡浩二) 塩見に楽天・伊藤投手チーフコーチ 「しっかり試合をつくってくれた。修正能力があるし経験のある投手。素晴らしい投球」 先制2点二塁打を含む3安打2打点の楽天・銀次 「塩見のために打ちたかった。塩見! 待ってたぞ! お帰りなさい!」

<パ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
ソフトバンク
24182 0.571
(↓0.014)
-
(-)
99190
(+6)
163
(+7)
57
(+1)
44
(+3)
0.260
(↑0.001)
3.290
(↓0.09)
2
(-)
楽天
22201 0.524
(↑0.012)
2
(↑1)
100224
(+13)
206
(+3)
54
(+1)
14
(-)
0.262
(↑0.002
4.550
(↑0.04)
3
(-)
ロッテ
21201 0.512
(↑0.012)
2.5
(↑1)
101184
(+8)
175
(+4)
50
(+1)
33
(-)
0.246
(↑0.002)
3.740
(-)
4
(1↑)
西武
21211 0.500
(↑0.012)
3
(↑1)
100223
(+7)
231
(+6)
54
(+2)
54
(+1)
0.252
(↓0.001)
4.660
(↑0.01)
5
(2↓)
日本ハム
20212 0.488
(↓0.012)
3.5
(-)
100172
(+3)
170
(+13)
25
(-)
15
(+1)
0.252
(↓0.001)
3.720
(↓0.2)
6
(-)
ORIX
16243 0.400
(↓0.01)
7
(-)
100141
(+4)
189
(+8)
33
(+1)
37
(+1)
0.224
(↑0.001)
3.990
(↓0.05)