広島(☆3対2★)中日 =リーグ戦10回戦(2019.05.21)・三次きんさいスタジアム=
このエントリーをはてなブックマークに追加

 123456789
中日
0000000022601
広島
00002001X31000
勝利投手:野村 祐輔(3勝2敗0S)
(セーブ:中﨑 翔太(2勝2敗5S))
敗戦投手:大野 雄大(3勝3敗0S)

本塁打
【中日】福田 永将(7号・9回表ソロ)

  DAZN
◆広島が8連勝。広島は5回裏、菊池涼の2点適時打で先制する。そのまま迎えた8回には、1死満塁から代打・松山が押し出し四球を選び、貴重な追加点を挙げた。投げては、先発・野村が7回無失点の好投で今季3勝目。敗れた中日は、9回に追い上げを見せるも、あと一歩及ばなかった。

◆広島菊池涼介内野手(29)が先制の2点左前打を放った。 0-0で迎えた5回裏。無死満塁から2者が凡退した後、ファウルで粘った末に中日先発大野の9球目を左前にはじき返した。 一塁ベースに到達すると、右手を力強く握りしめた。「打ったのはストレートかな。頑張って必死につなぎました」と話した。

◆広島が今季2度目の8連勝で、19年初の単独首位に浮上した。 打っては菊池涼介内野手(29)が5回に先制の2点打。投げては野村祐輔投手(29)が7回を3安打無失点に抑え、今季3勝目をマークした。チームは最大8あった借金を返して貯金7、首位と最大7あったゲーム差もひっくり返した。

◆広島先発野村は2回1死一、二塁のピンチで加藤、大野雄を凡打に仕留め、3回まで無失点。中日先発大野雄も3回まで無失点。 広島は5回無死満塁から2者が凡退した後、菊池涼の2点左前打で先制した。野村は粘りの投球で6回まで無失点に抑えた。 野村は7回3安打無失点で3勝目。中崎が5セーブ目。広島が今季2度目の8連勝を決め、首位に浮上した。中日は9回に2点を返すも及ばなかった。大野雄は3敗目。

◆あと1歩及ばず、中日が今季最多の借金5に逆戻りした。0-3の9回1死から反撃は始まった。福田の7号ソロで2点差に。高橋の左中間二塁打で1点差とした。さらに2死満塁だったが、代打松井雅が三ゴロに倒れた。 先発大野雄は5回に2点を失ったが、7回2失点と粘った。「ゼロで抑えれば、負けなかった」と、左腕は唇をかんだ。仲間の反撃を待ったが、打線は広島野村の前に7回3安打。2回に得点圏に走者を置くのが精いっぱいで、3回から7回までは完璧に抑え込まれた。 与田監督は「先に点を取らないとリズムを作るのは難しい。あと1本まで来たが、それがいまのウチの力。足りないものを補なっていかないといけない」と、8連勝で首位奪取に成功した広島との力の差を痛感。最下位DeNAとは1・5ゲーム差となった。【伊東大介】

◆お待たせ! 広島野村祐輔投手(29)が7回を3安打、無四球無失点に抑える快投で自身、令和初勝利となる3勝目をマークした。広島県北部の三次で中日戦に先発。チームを今季2度目の8連勝&今季初の単独首位に導いた。ふがいない投球が続いていたが、得意の地方球場で16年から6連勝。3回以降は1人の走者も出さず、攻撃にリズムを与えた。好調先発陣に頼れる右腕が加わった。地方の鬼が、ワインで知られる広島県北の三次でよみがえった。広島野村は立ち上がりから同じ腕の振り、同じ軌道から各球種を投げ分け、中日打線を料理した。3回からは1人の走者も許さず、今季最長タイ7回を投げきった。3安打無四球で無失点。地方球場の連勝を7に伸ばす約1カ月ぶりの勝利で、チームは今季初の単独首位に立った。 「ゴロアウトが多かったので、自分の投球ができたと思います。今日は全体的にまとまっていた。球に力があったかなと思います」 試合前まで16年以降、地方球場6試合で5勝0敗と好相性だった。2回まで毎回走者を背負うも、マツダスタジアム同様に粘土質の土を入れられたマウンドは「気にならなかった」。尻上がりに調子を上げ、7回まで21アウトのうち11個のアウトをゴロで奪った。緒方監督も「中盤から球の切れが増した」と認めた。 先発生き残りをかけた登板だった。4月2勝から、5月は2連敗。微妙な判定もあり、3試合続けて5回以下で降板した。それでも「そうやって抑えてきた。そこで勝負するしかない」とスタイルを貫いた。直球は140キロ前後、空振りを奪う決め球はない。同じ軌道で各球種を投げる繊細さ、根気強さの渋味が魅力でもある。9年目の芳醇(ほうじゅん)な投球に、県北のファンは酔いしれた。 広島はエースに成長した大瀬良と復調したジョンソン、床田とアドゥワのフレッシュな新戦力が台頭した先発陣に引っ張られて上位に浮上した。そして出遅れていた右腕の復調で単独首位に立った。1月から禁酒を続ける野村は「まだ5月なのでね。これからもチームが勝ちを重ねていければ」と冷静だ。今秋も最高の美酒を味わうために、広島先発陣は熟成を重ねていく。【前原淳】

◆広島が今季2度目の8連勝を決め、初の単独首位に立った。先発野村祐輔投手(29)が7回を0封。2番菊池涼介内野手(29)が中日先発大野雄に1人で31球を投げさせる驚異の粘りを発揮し、5回に決勝2点打を放った。 緒方孝市監督(50)の談話は以下の通り。 -最後はひやひやしたが先発野村が粘投 緒方監督 祐輔ね。立ち上がりはあれだったけど、中盤からキレが出てきた。いいところで今日は下げた。 -菊池涼が驚異の粘り 緒方監督 キク、いいねえ。紙一重のとこで、厳しいところはカットして、状態がものすごくいい。このままキクのところからクリーンアップに入れば、得点できる確率が高くなる。(前回対戦で完封負けした大野雄に対し)前回と違うところを各打者が見せてくれた。相手投手を苦しめられた。 -首位浮上 緒方監督 関係ないね。これは言い続けているけど、勝った中でも、しっかりしなくちゃいけないところ、ミスというのが出ている。こういうところが成長できれば、安定した戦いができるようになる。

◆広島が今季2度目の8連勝で首位に浮上。5月までに8連勝以上を2度マークしたのは、50年毎日(2度)16年ソフトバンク(3度)に次いで3度目。セ・リーグでは初めてだ。 4月16日の最大借金8(4勝12敗)から挽回。借金8以上からの首位は、12年西武が借金9から巻き返して以来になる。なお、借金8以上からの逆転Vは07年日本ハム(借金8)の1例しかない。

◆広島の守護神中崎翔太投手が冷や冷やの5セーブ目を挙げた。3点リードの9回に登板したが、福田に7号ソロを浴びるなど3安打2四死球で2失点。最後は2死満塁から代打松井雅を三塁ゴロに打ち取り、1点差で逃げ切った。 「いつもと変わらなかった。打たれたのは甘い球。勝ててよかったです。(地方球場で)投げにくいとかはなかった」と話した。

◆広島の菊池涼が0-0の五回に2点打を放ち、均衡を破った。2死満塁のフルカウントから、9球目の速球を左前に打ち返した。得点圏打率がリーグトップの4割5分5厘と勝負強い2番打者は「頑張って必死につないだ。投手が(試合を)つくってくれたから」と控えめに喜んだ。  チームは前回対戦した7日に完封を許した大野雄から、20イニングぶりの得点をマーク。三回2死一、三塁では空振り三振に倒れたが、球数を稼ぎ「集中できていたということ」とさらりと言った。(三次)

◆広島が今季2度目の8連勝で最多の貯金「7」。ゲーム差「0」で並んでいた巨人の試合が雨天中止となったため、単独首位に立った。  0-0で迎えた五回、二死満塁から菊池涼が左前2点適時打を放ち、均衡を破った。八回には一死満塁から松山が押し出し四球を選び、駄目押しした。先発の野村は7回3安打無失点の好投で3勝目(2敗)を挙げた。八回はフランスア、九回は中崎が締めて逃げ切った。  低迷していた4月がウソのような快進撃だ。4月16日には借金が最大8となり、首位ヤクルトに7ゲーム差をつけられていたが、わずか1カ月で首位に躍り出た。

◆九回に1点差まで追い詰めたが及ばなかった。借金は今季最多に並ぶ5に増えたが、与田監督は「完封されるかというペースの中、福田の本塁打で流れが変わった。あと一歩のところまできていた」と下を向かなかった。計3安打を放った一、二回に先制できなかったことが響いた展開。指揮官は「選手たちは勇気を持ってやっていくしかない」と次戦を見据えた。

◆野村は7回無失点の好投で、約1カ月ぶりの3勝目。打たせて取る投球が光り、「ゴロアウトが多くて自分の投球ができた。球に力があった」と三回以降は走者を許さなかった。これで地方球場での登板は6連勝。来月で30歳になる右腕は「ずっと安定し、けがもしない、ローテも外さない。活躍し続けることが信頼を得る」と気を引き締めた。

◆年に1度の三次(みよし)は飲んでよし! 食べてよし! そしてカープよし! だ。  広島が今季最大7ゲーム差をつけられた最下位から巻き返して、ついに今季初の単独首位に浮上。"定位置奪還"の立役者は、2点V打を放った菊池涼だ。  「集中できている。祐輔(野村)が(試合を)つくってくれた。頑張って、必死でつなぎました」  五回2死満塁で、中日・大野雄から5球ファウルで粘ったあと、9球目の直球を左翼へ。自身8試合連続となる安打で2人を迎え入れた。  三次で怖いのは名物の妖怪だが、カープでもっとも怖い打者が菊池涼だ。今季の得点圏打率は・455で堂々の1位。竜のエース左腕を撃破する殊勲を挙げた最強2番打者を、緒方監督も「いいね。厳しいところでカットで逃げてね。ものすごくいい」と絶賛した。  2009年に「三次きんさい(広島弁でおいでの意味)スタジアム」で公式戦が行われるようになってから、広島は8試合で5勝3敗。69年前の1950年6月7日の大洋(現DeNA)戦(当時は、十日市町営球場)でセ・リーグ記録となる28安打を放って22得点で大勝した伝説の地で、この日もファンの記憶に残る勝利を飾った。  菊池涼は緒方監督就任1年目の2015年に「丸とともにチームを引っ張っていってほしい」とリーダーに指名され、先輩にも後輩にも明るく声をかけるなどして盛り立ててきた。3連覇後、同級生のリーダーは巨人へFA移籍したが、菊池涼がカープの顔として、けん引する。  「またあした、頑張ります」  今季2度目の8連勝で貯金7。この日試合が雨天中止となった巨人を抜き、0・5ゲーム差で単独首位に浮上した。泥沼の借金8まで低迷したカープがペナントレースでも「逆転のカープ」を発動する。 (柏村翔)

◆野村は前回まで3試合の登板内容が良くなかったので心配していたが、この日は本来の投球ができていた。彼の真骨頂は低めに丁寧に投げ、小さな変化で打ち取るところ。悪い時はシュート、スライダー、カットボールと変化球に頼りすぎる部分があったが、この日のように直球をしっかり見せられれば、おのずと変化球が生き、ゴロを打たせることができる。  野村の勝利はチームにとって非常に大きい。ジョンソンの調子が上がってきて、アドゥワは防御率1・42と絶好調。これに野村が加わり、先発はある程度、計算できる。  不安材料もある。抑えの中崎が九回に2失点。フランスアの調子がいいので中継ぎは大崩れしていないが、4年連続で50試合以上に登板してきた守護神には"勤続疲労"があるだろう。  広島が首位に立ったとはいえ、セ・リーグは全チームが連勝もすれば、連敗もする。ヤクルトが調子を落とす一方、DeNAは攻撃陣が上がってきた。巨人も投手陣に不安を抱え、うかうかしていられない。何が起こるか分からない、見る側にとっては、非常に面白いシーズンになりそうだ。 (サンケイスポーツ専属評論家)

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(1↑)
広島
25181 0.581
(↑0.01)
-
(-)
99173
(+3)
167
(+2)
40
(-)
25
(-)
0.245
(↑0.002
3.020
(↑0.02)
2
(1↓)
巨人
23171 0.575
(-)
0.5
(↑0.5)
102212
(-)
159
(-)
52
(-)
24
(-)
0.266
(-)
3.540
(-)
3
(-)
阪神
22212 0.512
(↑0.012)
3
(-)
98174
(+3)
195
(+2)
31
(-)
26
(-)
0.244
(↑0.001)
3.740
(↑0.06)
4
(1↓)
ヤクルト
21222 0.488
(↓0.012)
4
(↓1)
98215
(+2)
220
(+3)
51
(+1)
19
(+1)
0.245
(-)
4.390
(↑0.02)
5
(-)
中日
19240 0.442
(↓0.01)
6
(↓1)
100151
(+2)
165
(+3)
28
(+1)
27
(-)
0.260
(↓0.002)
3.770
(↑0.01)
6
(-)
DeNA
17250 0.405
(-)
7.5
(↓0.5)
101165
(-)
184
(-)
50
(-)
9
(-)
0.238
(-)
3.990
(-)