ヤクルト(★6対11☆)DeNA =リーグ戦8回戦(2019.05.18)・明治神宮=
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DeNA
102030500111411
ヤクルト
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勝利投手:上茶谷 大河(1勝3敗0S)
敗戦投手:石川 雅規(1勝2敗0S)

本塁打
【DeNA】ソト(12号・3回表2ラン)
【ヤクルト】村上 宗隆(11号・4回裏3ラン),バレンティン(9号・7回裏2ラン)

  DAZN
◆DeNAは3-3の5回表、宮崎と筒香の適時打などで3点を勝ち越す。そのまま迎えた7回には3本の適時打で5点を加え、相手を突き放した。投げては、先発・上茶谷が6回途中3失点でうれしいプロ初勝利を記録。敗れたヤクルトは、投手陣が振るわなかった。

◆ヤクルト村上宗隆内野手が、11号3ランを放った。 3点を追う4回1死一、二塁、DeNA先発上茶谷の2球目、甘く真ん中へ入ってきた直球を燕党の待つ右翼席へ運んだ。 同点に追いつく11号3ランとなり「3点差だったので、後ろにつなぐ気持ちで打席に入りました。いい結果になってよかったです」と話した。 本塁打は、5月11日巨人戦(東京ドーム)以来。3ランは、4月16日阪神戦(松山)以来となる今季2本目となった。

◆ヤクルトは石川、DeNAはドラフト1位上茶谷が先発。DeNAは1回、ソトの右犠飛で1点先制。ソトは3回にも12号2ラン。 ヤクルトは4回村上が11号3ラン。DeNAは5回、宮崎、筒香の適時打などで3点。石川は5回途中、上茶谷は6回途中で降板。 ヤクルトは7回にバレンティンの9号2ランなどで3点も今季初の4連敗。DeNAは上茶谷がプロ初勝利で、チームは2連勝。ヤクルト石川は2敗目。

◆ヤクルト村上宗隆内野手が一時同点に追いつく11号3ランを放ち、33打点で打点ランクトップタイに立った。3点を追う4回1死一、二塁、DeNA上茶谷の甘く入った直球を燕党の待つ右翼席へ運んだ。 一塁を回ったところで右手でガッツポーズ。「打てたことは本当によかった。打点は、気にしていない。1試合、1打席に集中するだけ」と淡々。小川監督は「素晴らしい本塁打だった」と称賛した。

◆ヤクルト青木宣親外野手(37)が2安打を放ち、打率3割4分4厘で首位打者に立った。 3-11で迎えた7回無死一、二塁、DeNAエスコバーの3球目、149キロ直球を右前にはじき返し、1点をかえした。9回にも1死から左前打を放ち、4打数2安打とした。 試合後は「展開的に、もう1本(安打が)ほしかった」と反省。チームは今季初の4連敗を喫したが「長いシーズンで、こういうこともある。連敗もあれば、連勝もある。その中で、去年もみんなで力を合わせてやってきた。自分を信じてやっていくことで、打開できる」と前向きに話した。 NPB通算1500安打までは、残り1本。「明日にでも達成できるといいなと思います」と話した。

◆ヤクルトはケガから復活したコンビが7回にそろって結果を出した。 坂口は無死一塁で左前打を放ち、復帰後初安打をマーク。バレンティンは2死三塁で、DeNAエスコバーの初球直球を右中間スタンドへ。9号2ランは復帰後初アーチで「1本出たことで、より打席に集中できる。(連敗だが)明日からまたチーム一丸となって戦う」と気持ちを切り替えていた。

◆DeNAドラフト1位上茶谷大河投手(22)は中学時代、トイレ休憩でもタイヤを引っさげていた。 重さは約60キロ。2トントラックのタイヤをロープで腰に縛り、グラウンドやポール間はもちろんのこと、生理現象を処理するトイレでも離すことなく、プロで闘うための下半身を作り込んだ。所属した京都東山ボーイズの甲斐省三監督は「身長も160センチに満たない。大会でも1回くらいしか投げていない。大河はとにかく走っていた」。 タイヤ引きの大河-。親子鷹で、スポ根で最高峰の舞台を目指した。野球を始めたのは小学1年。夕食後、自宅ガレージに設置されたネットで、父篤史さんとティー打撃、ネットスローに明け暮れた。 毎日2時間の特訓は、中学に入っても続いた。軟式用ネットの中心部は、もうボロボロになっていた。「切れたら練習終わるなと。思いっきり投げました」と硬球でぶち破ると、後方に駐車していた高級SUV「ランドクルーザー」のフロントガラスを突き抜け大破。「次の日になったら、ネットもガラスも直っていて...普通に練習は続きました」と懐かしそうに笑った。 幼少期からの夢かない、ドラフト会議後に京都東山ボーイズが激励会を開いてくれた。予定になかった漫才をまさかの志願で披露する強心臓。ピンチに動じるはずもなかった。3点リードの4回。村上に同点弾を許したが、球速差がない直球とカットボールで後続を断った。後輩たちに「夢を諦めたらいけない」と話した男。5回2/3を3失点。7度目で、ようやくプロ初勝利をつかんだ。 試合が終わると毎回のように先輩・東の部屋を訪ね「どうしたら勝てますか?」と相談した。「そういう時期もある。いつか勝てるよ」と励まされ、ハレの日を迎えた。「1勝できてホッとしています。勝つことは難しい」。巨人の星を地でいく上茶谷大河。ドンッと第1歩を踏み出した。【栗田尚樹】

◆7度目の先発を務めたDeNA先発のドラフト1位上茶谷大河投手(22)は5回2/3を3失点でようやくプロ初勝利をつかんだ。「そろり、そろり」。マウンドを降りれば、DeNA上茶谷大河投手は京都出身らしく、お笑いが大好きな関西人。出身の京都学園の先輩には、和泉元彌のモノマネでブレークしたお笑いコンビ・チョコレートプラネットの長田庄平がいる。「めっちゃ好きなんですよね」と言いながら、報道陣の前で「そろり、そろり」とやってみせる。 ひょうきんな面も持ち合わせるが、律義な男でもある。ドラフト会議後には、所属した京都東山ボーイズへ、契約金の一部を贈った。そのお金で甲斐監督はチーム用の車を購入。ナンバーは上茶谷の背番号「27」に決めた。同監督は「あの子がプロになるなんて。でも当時から『プロに行く』って言っていた。強い子ですわ。大事に使わせてもらいます」と笑顔で話した。【栗田尚樹】

◆キングに久しぶりの快音が飛び出した。DeNAネフタリ・ソト外野手が、豪快な1発を放った。1点リードの3回2死一塁。ヤクルト先発・石川のスライダーを捉え、バックスクリーン左へアーチを描いた。 4月30日ヤクルト戦(横浜)以来となる12号2ラン。「打球が上がり過ぎたので、スタンドに入るとは思いませんでした。ホームランになり、最高の気持ちです」と素直に喜びを口にした。 昨季41発でセ・リーグの本塁打王に輝いた男にとって、久しぶりの1発となった。ラミレス監督は「スランプは誰にでもある。常に使い続ける」と信頼は揺らぐことはなく、生還したソトを笑顔で迎えた。初回には先制の犠飛。5回にも内野ゴロで、打点を挙げるなど、得点圏で本来の勝負強さを発揮した。 ハマの主砲も流れに乗った。2点リードとなった5回2死三塁。筒香が右前へ適時打をマークした。ヤクルト2番手・五十嵐の抜けたフォークを拾い、貴重な追加点をたたき出した。「チャンスの場面だったので積極的に打ちにいきました。高めに浮いてきたボールを、強いスイングでしっかりと打つことができました」。最下位に沈むDeNAだが、主軸たちのバットを起点に、打線に流れが出てきた。【栗田尚樹】

◆DeNA新人の上茶谷大河投手がプロ初勝利。同期入団の大貫はすでに2勝しており、5月までにDeNAのルーキー2人が白星を挙げたのは、鈴木隆が4月8日、島田が同12日、桜井が5月7日に初勝利を記録した58年以来、61年ぶり。 この日は6年目の今野龍太投手(楽天)と2年目のK-鈴木(オリックス)もプロ初勝利。18年4月4日に外国人投手4人が来日初勝利を挙げたが、1日に日本人投手3人がプロ初勝利は14年4月17日以来、5年ぶり。同じ日に4人がプロ初勝利を挙げた例は過去になく、1日3人はドラフト制後では8度目のタイ記録。

◆ヤクルト・村上宗隆内野手(19)が18日、DeNA8回戦(神宮)に「6番・三塁」で先発出場し、四回に11号3ランを放った。  0-3で迎えた四回は1死からバレンティンの中前打、雄平の四球で一、二塁。DeNA先発。上茶谷の2球目を完璧に捉え、ヤクルトファンが待つ右翼席まで運んだ。チームトップの11号に「後ろにつなぐ気持ちで打席に入りました。いい結果になってよかったです」と振り返った。

◆ヤクルトの青木が2安打を放ち、打率を3割4分4厘1毛として僅差でリーグトップに立った。通算1500安打にもあと1本と迫り「明日達成したい」と話した。  チームは4連敗を喫した。「長いシーズン、連勝も連敗もある。打開できると信じたい」と前向きに語った。

◆ヤクルトの石川は五回途中5安打5失点でKOされ2敗目を喫した。チームは4連敗となり「連敗を止めたかった。試合を壊してしまって申し訳ない」とうなだれた。  0-1の三回にソトに2ランを浴び、3-3と追い付いた直後の五回1死で投手の上茶谷と神里に連打を許し、降板。後続も悪い流れを止められなかった。「上茶谷への安打がもったいない。アウトを取れるところで取れなかった」と反省した。

◆青木が2安打を放ち、打率を・3441として僅差でリーグトップに立った(2位は広島・鈴木で同・3435)。それでもチームの4連敗に「展開的にもう一本ほしかった」と笑顔はなし。日本通算1500安打(日米通算は2273安打)まで残り1とした37歳は「あした(19日)達成できるといい。自分を信じてやっていく」と頼もしかった。

◆先発の石川が五回途中5失点で降板するなど、投手陣が大量11点を奪われた。五回は投手の上茶谷に許した安打をきっかけに3失点。2敗目を喫した39歳のベテラン左腕は「投手に安打を打たれたのは、もったいなかった」と悔やんだ。4連敗中は計33失点。投手陣の復調が連敗脱出の鍵だ。 石川にヤクルト・田畑投手コーチ 「投手に打たれるのは...。そこを乗り越えないと勝ちがこない」

◆DeNAは18日、ヤクルト8回戦(神宮)に11-6で勝利。ドラフト1位・上茶谷大河投手(22)=東洋大=が先発して六回途中まで3安打3失点にまとめ、プロ初勝利を挙げた。  上茶谷は大学時代、血行障害の手術を受け、3年まで勝利がなかった。東洋大・杉本泰彦監督(59)はさいたま市の自宅で勝利を知り、「大学4年の春に初勝利を挙げて、次の年の春にプロで初勝利とは、成長がすごいということでしょう。1勝目が早かったか、遅かったかは関係ない」とさらなる飛躍を期待した。一方、上茶谷は、引き揚げる三塁側通路に降り注いだ歓声に、知った声があることを聞き分けた。大学4年時の女房役で、1学年下の佐藤都志也捕手の声。ヒーローは逆に「トシヤ~!」と叫び、喜びを分かち合った。

◆ソトが完全復活をアピールする一発だ。三回に石川のスライダーを捉え、バックスクリーン左へ12号2ラン。「最高の気持ち。しっかり捉えることができたが、打球が上がり過ぎたのでスタンドに入るとは思わなかった」。4月30日のヤクルト戦(横浜)以来のアーチに加え、一回の犠飛などで計4打点を挙げ、上茶谷の初勝利をアシストした。

◆ヤクルトは今季初の4連敗を喫したが、高卒2年目の村上宗隆内野手(19)が見せ場を作った。3点を追う四回。一時は追い付く11号3ランを右中間席へ運んだ。  「打てたことはよかった。何とか次につなぐ気持ちでした」  開幕からチームでただ一人、全43試合出場。若き大砲は打率こそ・234だが、33打点は広島・鈴木に並んでリーグトップ。それでも「そこは気にしていないです」と表情は変えなかった。  本塁打数はチームトップ。小川監督は「素晴らしい本塁打だった。打点も多く挙げている」と頼もしく見つめる。2位・広島と2ゲーム差の3位タイ。村上は「勝ちたいと思ってやっている。あすは勝ちに貢献できるように」と連敗ストップを誓った。 (横山尚杜)

◆DeNAは18日、ヤクルト8回戦(神宮)に11-6で勝利。ドラフト1位・上茶谷大河投手(22)=東洋大=が先発して六回途中まで3安打3失点にまとめ、プロ初勝利を挙げた。開幕ローテーション入りしながら援護にも恵まれず、先発7度目の挑戦で初白星をゲット。チームは打線も14安打で今季最多の11得点と爆発し、5月2日以来となる連勝で5カードぶりの勝ち越しを決めた。  最後のアウトを見届け、三塁側ベンチから先輩たちに押し出されると、上茶谷の表情がようやくほどけた。「勝つことは難しい。正直、うれしいです」-。手にしたウイニングボールは京都の両親へ「ゆうパックで送ります!」。もう一つ、プロ初安打(五回の中前打)のボールを自分用にと、しまい込んだ。  粘り強く投げた。3-3の同点から、味方の援護で6-3となった直後の五回、1死一塁で迎えた青木を直球で詰まらせて中飛に。続く山田哲はカットボールで誘いながら、やはり最後は直球で中飛に取った。六回途中で救援を仰いだが、99球を投げて3安打3失点の好投でプロ初勝利。ラミレス監督は「ついにこの日が来ましたね」と祝福した。  新人ながら開幕ローテーション入りし、初先発した4月2日のヤクルト戦(神宮)から46日。長いトンネルだった。打線の援護に恵まれない歯がゆい展開が続き、2軍でのリフレッシュ期間を経ても、勝利は遠かった。  沈む心に活を入れてくれたのは、先輩の今永だった。「勝てないのは、お前に何かが足りないからだ。1点も取られないようにしろ。ゼロに抑えたら負けないんだ!」。  現在リーグトップの5勝を挙げる先輩も、「初勝利」には苦労した。2016年に同じく開幕ローテ入りし、プロ初登板から5試合に先発して0勝4敗。しかも全登板で自責点3以下に抑えながら、援護点が5試合でわずか「2」という悲運を断って初勝利し、1年目で8勝を挙げた。  道を切り開くのは自らの腕のみという、プロの世界を生き抜く矜持(きょうじ)。金言を授かった22歳は「厳しい言葉を頂きました」と背筋を伸ばして"甘え"を断ち、変化球に逃げず、粘り強く挑む投球を心がけた。  プロ初登板、プロ初勝利はいずれも神宮になった。東洋大時代の昨年5月、東都大学リーグ新記録の1試合20奪三振を打ち立てた思い出の球場。「(初登板のときより)精神面は強くなったかな。打たれてもカリカリしなくなったし、平常心でいけるような気がします」。鍛えられた心とともに、ここからスターダムへと駆け上がる。 (佐藤春佳) ★上茶谷大河という男(かみちゃたに・たいが)  ◆生まれ 1996(平成8)年8月31日生まれ、22歳。京都府出身。  ◆球歴 中学時代は京都レッドベアーボーイズで4番手投手。沢村栄治を輩出した古豪の京都学園高を経て、東洋大に進学。大学4年春に東都大学リーグ新記録の1試合20奪三振をマークするなど6勝を挙げ、リーグ3連覇に貢献。2019年ドラフト1位でDeNA入団。  ◆同期右腕もプロ入り 東洋大同期の甲斐野はソフトバンクD1位、梅津は中日D2位で今年プロ入り。甲斐野はここまで18試合に投げ、1勝1敗12ホールド。  ◆珍しい名字 本人によれば「先祖をたどると、静岡でお茶ですごかった人」。名字検索サイト「名字由来net」(株式会社リクスタ)によると全国で約90人、3万3599位。  ◆尊敬する人 通算172勝の元エース・三浦投手コーチ。「三浦さんのように長く活躍し、ファンの人に愛される存在でいたい」。  ◆背番号27 「カミソリシュート」を武器に通算201勝し、野球殿堂入りした平松政次氏の番号を継承。「見合う活躍をして『27は上茶谷』といわれたい」。  ◆サイズなど 181センチ、83キロ。右投げ右打ち。独身。年俸1500万円。

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
巨人
23161 0.590
(↑0.011)
-
(-)
103208
(+5)
154
(+1)
51
(+1)
22
(+1)
0.266
(-)
3.500
(↑0.06)
2
(-)
広島
23181 0.561
(↑0.011)
1
(-)
101165
(+4)
164
(-)
40
(+2)
24
(-)
0.242
(↓0.001)
3.090
(↑0.07)
3
(-)
ヤクルト
21202 0.512
(↓0.013)
3
(↓1)
100213
(+6)
210
(+11)
50
(+2)
18
(-)
0.249
(-)
4.350
(↓0.13)
3
(-)
阪神
21202 0.512
(↓0.013)
3
(↓1)
100170
(-)
188
(+4)
31
(-)
26
(-)
0.245
(-)
3.770
(-)
5
(-)
中日
18230 0.439
(↓0.011)
6
(↓1)
102144
(+1)
158
(+5)
27
(-)
27
(-)
0.258
(-)
3.770
(↓0.03)
6
(-)
DeNA
16250 0.390
(↑0.015)
8
(-)
102158
(+11)
184
(+6)
47
(+1)
8
(+1)
0.238
(↑0.004
4.090
(↓0.05)