中日(★1対4☆)巨人 =リーグ戦6回戦(2019.05.17)・ナゴヤドーム=
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巨人
0000030014600
中日
0000010001500
勝利投手:ヤングマン(3勝0敗0S)
(セーブ:澤村 拓一(0勝1敗1S))
敗戦投手:野本 圭(0勝1敗0S)
  DAZN
◆巨人は両軍無得点のまま迎えた6回表、岡本の適時二塁打などで3点を先制する。9回には2死二塁から炭谷が適時二塁打を放ち、貴重な追加点を挙げた。投げては、先発・ヤングマンが今季3勝目。敗れた中日は、プロ初登板の先発・勝野が好投するも、打線が援護できなかった。

◆巨人岡本和真内野手(22)が、先制の2点適時二塁打を放った。 0-0で迎えた6回1死満塁、カウント1-1からの変化球にタイミングを崩され、三ゴロかと思われたが、打球が三塁ベースに直撃。三塁手の高橋の頭上を越え、2点を奪った。 「何とかしたかった。当たりはよくなかったが、点が入れば何でもいいです。ラッキーですが、いい先制点になりました」とコメントした。

◆中日は勝野、巨人はヤングマンが先発。3回まで勝野は1安打無失点、ヤングマンも2安打無失点で、序盤は投手戦になった。 巨人は、6回1死満塁から岡本の適時二塁打などで3点を先制した。中日は6回無死満塁から1点を返しただけに終わった。 巨人は9回に1点を加点し逃げ切った。巨人の連敗は4でストップ。ヤングマンは3勝目、沢村が今季初セーブを挙げた。プロ入り初登板初先発の勝野は1敗。

◆巨人原監督が攻めの継投で中日との接戦をもぎ取った。 3点リードの6回。ここまで3安打無失点の好投を続けていたヤングマンが、3連続四死球で無死満塁のピンチを招いた。塁が埋まると指揮官が宮本投手総合コーチと同時にベンチから立ち上がった。「点を取られて代えるという選択肢、点を取られるまで代えないという選択肢、それはするべきではないと思った」。攻撃的な思考を貫いた継投策を決断した。 目の前の勝負の中で用兵を形成していくことが使命だと認識する。数試合前、明確な課題として浮き彫りになっている中継ぎ陣に「実績等々がある投手がいない。我々がどうやってつくっていくかの勇気だと思う。腹を決めて戦わせることが我々の仕事」と話していた。この日、ピンチで登板した2番手高木が高橋を空振り三振、1死満塁で3番手アダメスが犠飛と空振り三振で1点でしのぐ好リリーフ。7回戸根、8回中川、最後を締めた沢村まで、勇ましく育て上げていく。

◆巨人岡本和真が幸運の秘打で決勝点をたたき出した。 6回1死満塁の絶好機で打席に入った。カウント1-1からの3球目、調子が上がりきらない主砲が、好投の中日勝野の内角スライダーに反応。ぼてぼての三ゴロかと思われたが、三塁ベースに直撃した打球がポーンと跳ね上がり、三塁手高橋の頭上を越した。「ヒットはヒットなので。2打点ですから」と決勝の2点適時打二塁打を振り返った。 野球の神様からの追い風に乗る。2日の中日戦では、東京ドームの天井に直撃するラッキーな同点適時内野安打をマーク。早くも今季2度目の"幸運打"に「点が入ればなんでもいい。ラッキーですが、いい先制点になった」と恩恵に感謝した。打率2割5分2厘も、ここ10試合は3割2厘と徐々に上向き傾向にある。原監督も「運というか、いいラックだよね。いい方向に向いているわけだから、さらに追い風を吹かせないと」と加勢を厳命した。

◆敗戦の中で、ルーキーの好投が希望の光になった。中日ドラフト3位の勝野昌慶投手(21)がプロ初登板初先発で巨人打線に1歩も引かなかった。力強い直球にスライダー、フォークなどで5回まで1安打無失点。しかし6回に不運に泣いた。1死満塁から主砲岡本を打ち取ったかに見えた三塁線へのゴロ。打球はベースに当たり、高橋の頭上を越える先制の2点タイムリー二塁打になった。さらに1点を失い、6回4安打3失点で降板した。 「先頭の投手を出して、リズムが崩れた。悪い流れになった。5回まではテンポ良く投げられた。次のチャンスがあれば、(今日の)初回から5回までのような投球がしたい」 中日の新人投手で巨人戦のプロ初登板初先発初勝利は、87年の近藤真一(現真市=中日スカウト)以来の快挙だったが、運と打線の援護に恵まれずプロ初黒星となった。 先発陣の駒不足が深刻。2軍で結果を残していた勝野に、白羽の矢が立った。昨秋にドラフト指名を受けた根尾ら6選手で、1軍デビュー一番乗りを果たし、投球内容も上々だった。与田監督は「初登板で素晴らしい投球をしてくれた。いろんな球をうまく使えていた。何よりも非常に落ち着いていた」と称賛した。昨秋には社会人日本選手権で三菱重工名古屋を日本一に導き、MVPを獲得。大舞台で大器の片りんをのぞかせた。リベンジの機会はすぐに訪れるはずだ。【伊東大介】

◆巨人沢村拓一投手(31)が、981日ぶりのセーブを挙げた。1軍昇格後、初戦となるこの日、3点リードの9回から登板。 友永を150キロ直球で二ゴロ、堂上を149キロフォークで空振り三振、大島を151キロ直球で遊ゴロの3者凡退で締めた。「ちょっと力みましたけど、結果的に3人で抑えられて良かった。どこのポジションでもチームのためにやるだけですから」と汗をぬぐった。

◆中日平田良介外野手(31)が18日に出場選手登録を抹消されることになった。 17日の巨人6回戦(ナゴヤドーム)で試合中に左足に違和感を覚え、7回守備からベンチに下がった。名古屋市内の病院で検査を受け、「左下腿(かたい)の肉離れ」と診断された。球団関係者は「左ふくらはぎの軽度の肉離れ。前カードのDeNA戦から違和感はあったそうだ」と説明した。

◆巨人宮本和知投手総合コーチが、沢村の好投に目頭を熱くさせた。 「先発、リリーフといろいろ申し訳ないことをしたなと。つらい思いをさせたなと思うけど、『やっぱり、お前が必要なんだ』と伝えた。涙が出そうになりました」と目を潤ませると、こぼれ落ちないように急ぎ足でバスへと向かった。

◆巨人の炭谷銀仁朗捕手がいぶし銀の活躍で勝利に貢献した。10日ヤクルト戦以来のスタメンマスク。6投手を好リードで導いた。 「連敗を止めること、とにかく勝つことだけを考えて準備した」と6回無死満塁のピンチも1点で切り抜けた。原監督も「小林も非常に参考になったと思う。リード面において存在感があった」と高評価。9回には左越え適時二塁打で貴重な追加点ももたらした。

◆「剛腕守護神」が、帰ってきた。リリーフに"再々転向"した巨人沢村拓一投手(31)が16年9月8日の阪神戦以来、981日ぶりのセーブを挙げた。3点リードの9回から登板。わずか11球、3者凡退のパーフェクト投球でチームの連敗を4で止めた。 10球投じた直球はオール150キロ超え。149キロの高速フォークも駆使する剛腕スタイルで、苦しむ救援陣の救世主に名乗りを上げた。

◆巨人のヤングマンはカットボールやカーブを織り交ぜ、六回途中まで1失点にまとめて3勝目を挙げた。球がばらついて3-0の六回に3四死球で無死満塁のピンチを招いて降板したが、中日打線を3安打に封じるなど試合はつくった。  来日2年目の右投手は「ゴロアウトを多く取れたし、五回までは自分のペースで投げられた。六回は反省しなくてはならない」と話した。昨年7月に来日初登板で勝利を挙げ「非常にいい記憶として残っている」という縁起の良いナゴヤドームで、先発として最低限の役割は果たした。 沢村(3年ぶりのセーブに) 「ちょっと力んだと思うが、結果的に3人で抑えられてよかった」

◆巨人の岡本が六回、幸運な先制の2点二塁打を放った。1死満塁から中日・勝野の3球目の内角球を引っかけたが、ぼてぼての打球は三塁ベースを直撃。大きくはね上がって左翼線に転がる間に2者が生還した。「何とかしたかった。当たりは良くなかったが、点が入れば何でもいい。ラッキーですが、いい先制点になった」と喜んだ。  昨季は143試合に出場して打率3割9厘、33本塁打、100打点を挙げる大活躍。今季は打率2割台中盤と、ここまではなかなか調子が上がっていない。好調な坂本勇、丸の後の4番を任され「チャンスで回ってくることが多いので、走者をかえせるようにしたい」と話す主砲が好機で泥くさい一打を放った。

◆中日の平田が七回の守備から退いた。試合中から違和感を抱いて名古屋市内の病院で検査した結果、左ふくらはぎの肉離れと診断された。16日までのDeNA戦から既に不調だったそうで「離脱が一番よくないので、もっと前に言っておけばと後悔している」と話した。全治4~6週間で、18日にも登録を抹消される見込み。  平田は「一日でも早く治します」と話した。チームはこの日も5安打1得点と打線の調子が落ちているだけに、主力の離脱は追い打ちをかけそうだ。 与田監督(勝野に) 「いろいろなボールをうまく使えていた。何より非常に落ち着いていたのが良かった」 谷元(八回に投入され、3者三振) 「あんなに低めに集まったのは久しぶり。良かった」

◆D3位・勝野(三菱重工名古屋)がプロ初登板で6回3失点。ピンチでも顔色を変えず試合をつくり「次は(無失点だった)五回までのような投球をしたい」と前を向いた。「打者の顔を見ればどんなバッティングをするか分かる」という通り、力強い直球で押しながら変化球でストライクを奪うクレバーな投球を見せた。昨年の社会人日本選手権で優勝に貢献し、最高殊勲選手に選ばれた右腕。次回登板を期待させる門出だった。 勝野について中日・与田監督 「何より非常に落ち着いていたのが良かった」

◆巨人・岡本がプロ初登板の中日・勝野から決勝の2点タイムリーを放った。今季、巨人戦に初登板したセ・リーグの先発投手は計7人(阪神・浜地、中日のロメロと勝野、ヤクルトの高橋とスアレス、DeNAの上茶谷と大貫)。岡本はこの日の勝野を含め、7人全員から安打を放ち、計16打数8安打の打率.500、2本塁打、8打点。"初物"に絶対的な強さを見せている。

◆笑顔でバッテリーを組んだ炭谷とガッチリ握手を交わした。1軍に昇格した巨人・沢村拓一投手(31)が九回を3人で締め、最多セーブに輝いた2016年以来、3年ぶりのセーブを記録。「気持ちは先発投手のつもりで投げた。3人で抑えられてよかった」と汗を拭った。  友永を150キロの直球で二ゴロ、堂上を149キロのスプリットで空振り三振に仕留めると、最後は大島を151キロの直球で遊ゴロに打ち取った。「ちょっと力んでいた」というが、変化球はスプリットの1球だけ。10球を投げた直球は最速153キロを計測し、全て150キロ超え。力みより、力強さが目立った。  春季キャンプ後は先発に再転向したが結果が出ず"本職"の救援で、この日約1カ月ぶりに昇格。原監督は、主軸打者がまわってくる八回に今季無失点投球を続ける中川をぶつけたが、沢村についても「そういう役割をできる中で、(救援陣の)一員になってもらっているわけだから」と評価した。 (伊藤昇)

◆セ・リーグ首位の巨人は17日、中日6回戦(ナゴヤドーム)に4-1で勝ち、連敗を4で止めた。4番の岡本和真内野手(22)が0-0の六回、打球が三塁ベースに当たって三塁手を越える幸運な先制の2点二塁打を放った。2日の中日戦では東京ドームの天井を直撃する同点打。今季、打率・252の主砲は運も味方にして上昇気流に乗る。  三塁手が捕球体勢に入った、その時だった。岡本が放った打ち損じの打球は三塁ベースでポーンと跳ね、三塁手の頭上を通過。左翼線に転がる間に2者が生還した。  「『ヤバい!』と思ったけど、ヒットはヒットなので。日頃の行いがいいんです。こういうのがいい方向にいってくれればいい」  0-0の六回1死満塁。岡本は初対戦となった中日先発の勝野が投じた内角のスライダーを引っかけたが、運を味方につけた。打ちあぐねていた新人右腕からラッキーな先制の2点二塁打。これが決勝打になり、連敗は4で止まった。  今季の岡本は8本塁打、24打点をマークしながら打率は・252。昨季は・309を記録しただけに本調子とはいえない。軸回転を安定させるために打席でのスタンスを1足分、小さくするなど試行錯誤を続ける若き4番に、勝利の女神がほほ笑んだ。  岡本は2日の中日戦(東京ドーム)でも幸運な一打を放っていた。五回に放った打球がグラウンドから約61メートルの高さの天井を直撃し、内野手の間に落下して同点打に。勢いに乗った打線は逆転勝利を飾った。規格外のパワーと強運を見せつけた岡本。今季は"持っている"男だ。  神頼みが通じたのかもしれない。岡本はチームきっての"験担ぎ信者"。「よかったときと同じようにしたいんです。気になるんです」。試合前の食事で「そば」か「うどん」を選択するだけではなく、トイレで使用する便器までも打撃結果次第で続けたり、変えたり...。お守りは大ブレークした昨季、履いていたユニホームの下着のスパッツ。ボロボロになった今でも、愛を込めて身につけている。  チームの貯金は6。「運というか、いいラックだよね。いい方向に向いているわけだから、彼(岡本)がさらに追い風を吹かせないと」と原監督。主砲の復調とともにセ・リーグの首位街道をひた走る。 (谷川直之) ★巨人・岡本の天井打VTR  2日の中日戦(東京ドーム)の1点を追う五回2死一、二塁。岡本が打ち上げた打球は高さ約61メートルの天井を直撃し、三遊間にポトリと落ちる同点打となった(記録は三塁内野安打)。直後に陽岱鋼の勝ち越し3ランが飛び出すなど9-3で逆転勝利。打ち損じにバットをたたきつけて悔しがった岡本は「(打った瞬間は)終わったと思いました。運が味方していますね」と笑顔に変わった。

◆ピッチャーは切れが大事。監督も、切れが重要。原監督の采配の切れが光る勝利だったね。  3点を先行した直後の六回。先発のヤングマンが四球、四球、死球で無死満塁のピンチを招き、左の高橋に左腕・高木。これを三振に取ると、右の福田に右腕・アダメス。犠飛による最少失点で乗り切った。  リリーフ陣の弱さを見かねたエモトは、以前から「一人一殺リレー」を提唱していた。ようやく実行に移したか...と、うなずく半面、慣れないことをして大丈夫か...と心配もしたけれど、それを吹き飛ばしたのが原監督の切れ。スパッ、スパッと交代させる決断の早さは、さすがだよ。  ベンチが迷うと、選手に不安と焦りが伝染する。マウンドに集まって打ち合わせなどしようものなら、逆効果。投手がプレッシャーを感じるだけ。間髪入れずに、というのが、最高の手順なんだ。  八回には、クリーンアップに中川をぶつけ、九回に1点を追加して、最後の沢村に3点のリードを贈呈。こうした切れのある展開も、原監督が呼び込んだといえるね。  投打とも不安が頭をもたげてきた矢先、采配の妙で連敗を止めた原監督。あとは選手が、どれだけ切れを取り戻すか、だよ。 (サンケイスポーツ専属評論家)

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
巨人
22161 0.579
(↑0.011)
-
(-)
104203
(+4)
153
(+1)
50
(-)
21
(-)
0.266
(↓0.002)
3.560
(↑0.07)
2
(-)
広島
22181 0.550
(↑0.012)
1
(-)
102161
(+10)
164
(+2)
38
(-)
24
(-)
0.243
(↑0.003)
3.160
(↑0.03)
3
(1↓)
ヤクルト
21192 0.525
(↓0.013)
2
(↓1)
101207
(+3)
199
(+4)
48
(+1)
18
(+1)
0.249
(-)
4.220
(↑0.01)
3
(1↓)
阪神
21192 0.525
(↓0.013)
2
(↓1)
101170
(+2)
184
(+10)
31
(-)
26
(-)
0.245
(-)
3.770
(↓0.16)
5
(-)
中日
18220 0.450
(↓0.012)
5
(↓1)
103143
(+1)
153
(+4)
27
(-)
27
(+3)
0.258
(↓0.003)
3.740
(↓0.01)
6
(-)
DeNA
15250 0.375
(↑0.016)
8
(-)
103147
(+4)
178
(+3)
46
(+1)
7
(-)
0.234
(↓0.002)
4.040
(↑0.05)