楽天(☆4対3★)ソフトバンク =リーグ戦8回戦(2019.05.09)・楽天生命パーク宮城=
このエントリーをはてなブックマークに追加

 123456789
ソフトバンク
1110000003901
楽天
020000011X41002
勝利投手:松井 裕樹(1勝1敗8S)
敗戦投手:甲斐野 央(1勝1敗0S)

本塁打
【ソフトバンク】甲斐 拓也(3号・2回表ソロ)
【楽天】ブラッシュ(9号・2回裏2ラン),渡辺 直人(1号・8回裏ソロ)

  DAZN
◆楽天が2試合連続のサヨナラ勝利。楽天は1点を追う8回裏、代打・渡辺直のソロで同点とする。続く9回には、無死一二塁の好機から銀次が適時打を放ち、試合を決めた。投げては、4番手・松井が今季初勝利。敗れたソフトバンクは、先発・大竹が好投するも、救援陣が踏ん張れなかった。

◆楽天打線は今季左腕に苦戦。右投手に対しては打率2割7分5厘だが、左投手には打率1割8分1厘。本塁打も3日ソフトバンク戦で山下が嘉弥真から打った1本しかない。 前日7点差を逆転した勢いで、今日は相手の先発左腕大竹を打てるか。

◆楽天ジャバリ・ブラッシュ外野手(29)が3試合連続となる9号2ランを放った。 2点を先行された2回2死、6番銀次が前日から6打席連続安打となる中前打で出塁。7番ブラッシュはソフトバンク大竹が投じた膝元への直球を悠然と見逃した後、2球目のカーブを完璧に捉えて左翼席にたたき込んだ。 今季ここまでの5試合で防御率0・72と抜群の安定感を誇っていた大竹からの貴重な1発。「しっかりタイミングを合わせることができたよ。チームが勝つために次も打つよ」と頼もしく宣言した。

◆楽天古川侑利投手(23)は今季3度目の登板もシーズン初勝利はならなかった。 1回にソフトバンク・デスパイネに先制適時打を浴びると、2回には甲斐にソロを被弾。ブラッシュの2ランで追いついてもらった直後の3回にも今宮の適時打で3イニング連続失点。苦しい立ち上がりだったが、4回以降は追加点を与えずに踏ん張った。 6回7安打3失点の粘投も1点リードを許しての降板に「試合の入りが良くなかったですし、ボールが高かったです。同点に追いついてもらった後の失点が余計でした」と悔しさをにじませた。

◆楽天渡辺直人内野手(38)が、起死回生の1発を放った。 1点を追う8回に代打で登場。ソフトバンク・モイネロに2球で追い込まれたが、ボール球を3球見極め、フルカウントからのファーストスイングで左翼ポール際に運ぶ同点弾。今季出場6試合目での初安打が自身初の代打アーチとなり、同い年の平石監督と満面の笑みでタッチを交わした。

◆ソフトバンクは1回にデスパイネが先制適時打を放つと、3イニング連続得点。楽天は2回にブラッシュが3戦連発の9号2ラン。 ソフトバンク大竹は5回に3者連続三振を奪うなど、失点した2回を除いて安定した投球。楽天古川も追加点を許さず踏ん張った。 楽天は8回に代打渡辺直のソロで同点。9回に銀次のサヨナラ打で3連勝。松井が今季初勝利。ソフトバンク甲斐野はプロ初黒星。

◆2安打を放ったソフトバンク今宮健太内野手が首位打者を維持した。打率3割4分3厘に引き上げ好調を維持。それでも2戦連続のサヨナラ敗戦に笑顔はなし。「(打撃は)すごくいい状態だけど、チームが負ければ意味がない」。 3回に放った左前適時打を最後にチームは4回以降無得点。「昨日も7点取ってサヨナラ負け。今日も3点取ってから点を取れなかった。常に1点を取る気持ちを持っていないと」と、気を引き締めた。

◆好投のソフトバンク大竹耕太郎投手が白星を手にできなかった。7回94球を投げ2失点。 1点差で勝ち投手の権利を得て、2番手モイネロにマウンドを譲った。 しかし助っ人左腕が8回先頭の代打渡辺直に同点1号を被弾し、9回にサヨナラ負け。「(ブラッシュに)2ランを打たれなければ勝てていた。あの1球がもったいなかった」。2回の2ラン被弾を悔やんだ。それでも「どこまでも投げられる感じだったし、負けたけど、収穫も大きかった」と投球には納得していた。

◆ソフトバンクが2試合連続のサヨナラ負け。2戦連続サヨナラ負けは17年9月17、18日に西武に連敗して以来。 今季のソフトバンクは先取点を取ると強く、ここまで17勝4敗と大きく勝ち越している。逆転負けもリーグ最少タイの5だが、今回は救援陣がつかまり、今季初の2戦連続逆転負けを喫した。

◆ソフトバンクが「仙台の悪夢」に襲われた。楽天を相手に、17年9月17、18日西武戦以来の2戦連続サヨナラ負けを喫した。 1点リードの8回に防御率0・00のリバン・モイネロ投手(23)が、代打渡辺直に今季初被弾し同点。9回は甲斐野央投手(22)が無死から3連打を浴び、3戦連続失点でプロ初黒星となった。開幕から好投を続けていた救援陣が2試合続けて逆転を許した。 打球は無情にも、二塁ベースの右を抜けていった。同点の9回に登板した甲斐野が無死から2連打で一、二塁のピンチを招く。続く銀次のバスターの打球が、バントシフトをあざ笑うように外野へ転がった。まさかの2戦連続サヨナラ負け。自身3試合連続失点でプロ初黒星を喫した右腕は「バッターを抑えることだけを考えてマウンドに上がりましたし...。やることはちゃんとやって、結果、ゼロで帰ってくるのがベストでしたけど。また切り替えて臨みたい」と振り返った。 8日は7点差をひっくり返された。一夜明け、この日は継投策が裏目に出た。工藤監督は「だんだん相手が合ってきていた」と好投していた大竹を7回2失点で降板。セットアッパーに定着していた甲斐野ではなく、3点差以内の8回に今季初めてモイネロを送り込んだ。倉野投手コーチは「連投もあったし、モイネロの状態と比較して」と状況次第で甲斐野を休ませる狙いがあったと説明。だがモイネロは代打渡辺直に同点ソロを今季初被弾。防御率0・00だった左腕に、初めて自責点が付いた。 このカードが始まるまでは先制した試合で17勝2敗と圧倒的な強さを誇った。支えてきた盤石のリリーフ陣にほころびが見えた。指揮官は「リリーフ陣も一生懸命やった結果。そこを何とか言うつもりはない。頑張ってきてくれている」とかばい、甲斐野についても「ずっとゼロで頑張ってきたピッチャー。失点したからといって、(2軍に)落とすとかはない。これからも責任のあるところでやってもらいたい」と変わらぬ信頼を口にした。2位楽天との直接対決でまさかの2戦連続サヨナラ負けとなり、ゲーム差を2・5に縮められた。首位快走中に見舞われた「仙台の悪夢」だった。【山本大地】

◆値千金の同点弾に「松坂世代」の絆がにじんだ。楽天渡辺直人内野手が、8回に自身初の代打アーチで2戦連続サヨナラ勝ちを呼び込んだ。 大喜びで迎えた平石監督が「チャンスメークに期待していたから、本塁打という意味では99%期待してなかった。練習でも見たことない打球」と冗談めかせば、渡辺直は「練習ではもうちょっといい打球を打ってます」と切り返す。そして「監督に送り出してもらって、最高の恩返しができた」と心底うれしそうだった。 7回に1度準備をして出番が流れると、即座にターゲットを切り替えた。「8回は左、モイネロが来る、と予測していた。集中力を切らさないようにスタンバってました」。4月29日以来の8打席目。2球で追い込まれても、際どいボール3球を見極めた。平石監督が「3-2にもっていった時点で直人の勝ちでしょうね」と舌を巻いた勝負度胸。6球目、ファーストスイングで左翼席に引っ張り込んだ。今季初安打となるプロ通算7本目に「打ち慣れてないからね。もうちょっと余韻に浸りたいけど、全く覚えてない」と笑った。 4月12日のソフトバンク戦でモイネロから死球を受け、史上21人目の通算100死球まであと「1」。強打者でなくとも、チームのために体を張ってきたファイターの勲章だ。内野手登録の銀次が緊急でマスクをかぶった同7日のオリックス戦では「小さい頃につけて以来」というプロテクターに身を包み、ブルペンで不測の事態に備えた。ムードメーカー役も率先してこなす姿に、指揮官は「本当に大きな存在」と敬意を表する。「いつもみんなが頑張っている姿をベンチで見てきた。今日は力になれて良かった」と顔をくしゃくしゃにした。【亀山泰宏】

◆最後はキャプテンが決めた。楽天銀次内野手(31)が9回無死一、二塁からバスターで右前にサヨナラ打を放った。相手の極端なバントシフトを見透かし、自慢のバットコントロールでとっさに対応。7点差をひっくり返してサヨナラ勝ちした前日に続き、首位ソフトバンク相手に劇的な連勝を飾って、2・5ゲーム差に迫った。匠(たくみ)の技だった。9回無死一、二塁。打席に向かう直前、銀次は小谷野打撃コーチに耳打ちされていた。「前にチャージしてきたら、打っていいから」。ソフトバンクの一塁手内川が前に出てきた1球目のバントは、三塁線へのファウル。2球目はさらに内川が激しくチャージをかけ、内野全体が連動する三塁封殺シフトだった。「1球目よりも、一塁手が近くまで来ていた。2球目にシフトを敷いたのは、見えていました」。瞬時にバスターに切り替え、がら空きの一、二塁間を抜いた。 「球は速いですけど、シフトを敷くということは、ストライクを投げてくる確率が高いわけですから」。剛腕ルーキー甲斐野の149キロを狙って転がす高難度のミッションを完遂しても、チーム屈指のバットコントロールを誇る男は涼しい表情。前カードの西武戦で今季初めてスタメンを外れたが、平石監督は「銀次らしさはこのところずっと出ていた」と見ていた。前日からこの日の第1打席にかけて6打席連続安打をマーク。後ろを打つブラッシュの本塁打で3度ホームを踏み、打線をつないできた。 前日は島内、ウィーラー、銀次、ブラッシュと怒濤(どとう)の連打から最後はドラフト1位ルーキーの辰己が決めた。この日も島内とウィーラーがリプレーのような連打を見せ、銀次が仕留めた。「『つなぎ』がどれだけ大事か、あらためて感じた。これで勢いに乗っていけるんじゃないですか」。首位をたたいた主将の言葉に、はっきりと手応えがにじんだ。【亀山泰宏】

◆「松坂世代」の楽天渡辺直人内野手が、8回に自身初の代打アーチで2戦連続サヨナラ勝ちを呼び込んだ。 ◆松坂世代 中日松坂と同世代の「松坂世代」でNPBの現役は8人に減った。投手は松坂以外に広島永川、ヤクルト館山、阪神藤川、ソフトバンク和田、楽天久保。野手は日本ハムで2軍育成コーチを兼任する実松捕手と渡辺直の2人だけ。今季1軍出場があるのは藤川、実松、渡辺直の3人。渡辺直の1発は松坂世代の今季初安打になった。

◆楽天銀次が9回にサヨナラ打。銀次のサヨナラ打(犠飛、四死球、ゴロを含む)は17年9月18日ロッテ戦の押し出し死球以来5度目。楽天で通算5度のサヨナラ打は松井稼、嶋、岡島に並ぶ球団最多となった。 ▼楽天は8日ソフトバンク戦に続いてサヨナラ勝ち。チーム2試合連続サヨナラ勝ちは今季両リーグで初めて。楽天では14年9月8、9日オリックス戦以来、球団5度目のタイ記録。

◆ソフトバンクが「仙台の悪夢」に襲われた。楽天を相手に、17年9月17、18日西武戦以来の2戦連続サヨナラ負けを喫した。1点リードの8回に防御率0・00のリバン・モイネロ投手(23)が、代打渡辺直に今季初被弾し同点。9回は甲斐野央投手(22)が無死から3連打を浴び、3戦連続失点でプロ初黒星となった。開幕から好投を続けていた救援陣が2試合続けて逆転を許した。 打球は無情にも、二塁ベースの右を抜けていった。同点の9回に登板した甲斐野が無死から2連打で一、二塁のピンチを招く。続く銀次のバスターの打球が、バントシフトをあざ笑うように外野へ転がった。まさかの2戦連続サヨナラ負け。自身3試合連続となる失点でプロ初黒星を喫した右腕は「バッターを抑えることだけを考えてマウンドに上がりましたし...。やることはちゃんとやって、結果、ゼロで帰ってくるのがベストでしたけど。また切り替えて臨みたい」と振り返った。 8日は7点差をひっくり返された。一夜明け、この日は継投策が裏目に出た。工藤監督は「だんだん相手が合ってきていた」と好投していた大竹を7回2失点で降板。セットアッパーに定着していた甲斐野ではなく、3点差以内の8回に今季初めてモイネロを送り込んだ。倉野投手コーチは「連投もあったし、モイネロの状態と比較して」と状況次第で甲斐野を休ませる狙いがあったと説明。だがモイネロは代打渡辺直に同点ソロを今季初被弾。防御率0・00だった左腕に、初めて自責点が付いた。 このカードが始まるまでは先制した試合で17勝2敗と圧倒的な強さを誇った。支えてきた盤石のリリーフ陣にほころびが見えた。指揮官は「リリーフ陣も一生懸命やった結果。そこを何とか言うつもりはない。頑張ってきてくれている」とかばい、甲斐野についても「ずっとゼロで頑張ってきたピッチャー。失点したからといって、(2軍に)落とすとかはない。これからも責任のあるところでやってもらいたい」と変わらぬ信頼を口にした。2位楽天との直接対決でまさかの2戦連続サヨナラ負けとなり、ゲーム差を2・5に縮められた。首位快走中に見舞われた「仙台の悪夢」だった。【山本大地】 ▼ソフトバンクが2試合連続のサヨナラ負け。2戦連続サヨナラ負けは17年9月17、18日に西武に連敗して以来。今季のソフトバンクは先取点を取ると強く、ここまで17勝4敗と大きく勝ち越している。逆転負けもリーグ最少タイの5だが、今回は救援陣がつかまり、今季初の2戦連続逆転負けを喫した。

◆プロ野球のベンチワークで最も難しいのが「継投」とよく言われる。先発完投型から分業制へ移行して久しい。かつての大エースと呼ばれた人たちなら「これは俺の試合だ!」と言って、最後までマウンドに立ち続けたのだろうが、今はその姿もロマネスクだ。 7回94球。2失点の粘投で初体験の敵地マウンドに上がったソフトバンク大竹は、バスタオルとグラブを持ってベンチ裏に引き揚げた。まさにその直後。2番手モイネロが代打渡辺直に痛恨の同点1号ソロを被弾。大竹の白星が消えた。それどころか、9回サヨナラ負けでチームは2戦連続の屈辱敗戦となった。 結果論と言われれば、そうかもしれない。だが、まだ94球。今季最少数だった大竹の続投はなかったのだろうか。腐心の継投策ということは重々承知しているが、交代ならば前日(8日)、8回に2ランを被弾した甲斐野を2番手で送り込んでもよかったのではないだろうか。大竹はけなげにも2回に被弾した2ランを猛省していたが、完投の体力は十分にあったという。試合前練習中には初体験のマウンドの状態を入念に確認。今季6試合目の登板に向け調整法も変更して臨んだ。伸び盛りのサウスポーに託してもよかったように思う。 98年、横浜ベイスターズ(現DeNA)を日本一に導いた権藤博監督(現プロ野球評論家)は絶対的守護神だった大魔神こと佐々木を据え、中継ぎ陣の「ローテーション」が話題を呼んだ。「打たれたヤツは連投で使う」が信念だった。継投策であれば、8回の甲斐野が見たかった。【ソフトバンク担当 佐竹英治】

◆ソフトバンクの大竹は7回2失点の好投で2勝目の権利を持って降板したが、チームはサヨナラ負けを喫した。今季6試合は全て7回以上を投げ、自責点2以下。防御率はリーグトップの1・02を誇り「(チームは)負けたけど、自分としては収穫が大きい試合」と手応えを口にした。  二回にブラッシュに同点2ランを献上したが、三回以降は丁寧に低めを突いて得点を許さない。94球で降板し「体に疲れはなかった。何回までもいけた」と余力十分だ。従来は登板2日前にブルペンで投球練習したが、今回はコンディション面なども考慮して3日前に変えたのが奏功した。

◆「7番・右翼」のブラッシュが二回、左翼席へ同点の9号2ラン。3試合連続の一発に「カーブだった。しっかりタイミングを合わせることができた。チームが勝つために次も打つ」と胸を張った。平石監督は「(6番の)銀次が出塁して、先発の古川を助ける貴重な一発になった」とたたえた。

◆九回にD1位・甲斐野(東洋大)が3連打を浴び、2試合連続のサヨナラ負け。デビュー戦から13試合連続無失点が一転、3試合連続で失点しプロ初黒星の右腕は「切り替えてやるしかない」と出直しを誓った。八回は2番手モイネロが同点ソロを喫した。工藤監督は「救援陣は一生懸命やった上での結果。疲労はあるだろうし、失点することもある」と責めることはなかった。

◆楽天は9日、ソフトバンク8回戦(楽天生命パーク)に4-3で2試合連続のサヨナラ勝ち。銀次内野手(31)が九回無死一、二塁からバスターで右前に運び、試合を決めた。八回には代打で登場した渡辺直人内野手(38)が同点の1号ソロ。首位・ソフトバンクとのゲーム差を2・5に縮めた。  乾いた打球音が大歓声に変わった。3-3の九回無死一、二塁。バントの構えをしていた銀次が、とっさの判断でバスターを仕掛けた。  「相手の一塁手がチャージしてきた。内野(一、二塁間)が空いたから思い切って打った。打球は一、二塁間に行きませんでしたけど」  打席に入る前、小谷野打撃コーチから「内野手が前に来たら打っていい」と耳打ちされた。初球はバントを失敗したが、2球目に強攻策へ変更。二塁手が一塁ベースカバーに向かったことも幸いし、打球は二塁ベースの右を抜けた。  銀次は、サヨナラ勝ちした前日8日のソフトバンク戦でも5安打を放った。この日の1打席目に安打を放ち、6打席連続安打をマーク。試合前から気分は乗っていた。  午前中に夫人の夏子さんと仙台市内のスーパーマーケットに買い出しに出かけ、マスの切り身を購入した。サケと味は似ているが「サケじゃなくてマスが食べたかった」とニッコリ。夏子さんの手料理はスタミナ源で「具だくさんの豚汁が最高にうまい。おそらく普通の豚汁と違うのは、ナスも入っているところです。これがマジでうまい」と感謝する。  1点を追う八回には1980年生まれの平石監督と同級生で、"松坂世代"の渡辺直が代打で同点の左越え1号ソロ。チームは4連敗後の3連勝で単独2位となり、首位・ソフトバンクに2・5ゲーム差に迫った。  平石監督は銀次について「シフトを敷かれた厳しい状況で、よくバスターをやってくれた」と絶賛。今季初安打が本塁打となった渡辺直には「練習でも、あんな打球は見たことがない。最高の仕事をしてくれた」と目を丸くした。再び息を吹き返した楽天が鷹の独走を止める。 (広岡浩二) プロ13年目で初の代打本塁打に楽天・渡辺直 「すごかった。あまり覚えていない」

◆楽天は9日、ソフトバンク8回戦(楽天生命パーク)に4-3で2試合連続のサヨナラ勝ち。銀次内野手(31)が九回無死一、二塁からバスターで右前に運び、試合を決めた。  出るべくして出た殊勲打だ。銀次は無死一、二塁で、初球のバントを失敗。ソフトバンクは2球目もバントと読んでシフトを敷いた。甲斐野が左足を上げる少し前から、三塁手・松田宣の前進に合わせて遊撃の今宮が三塁へダッシュ。これだけで打者は、直球しか来ないと読める。  バスターの構えをしていた銀次は甲斐野の149キロの直球に対し、自然と最短距離でコンパクトに打ちにいく形になる。二塁手・川島は一塁のカバーに入り、守りは投手だけというガラ空きの空間に、たやすく安打することができた。  楽天は球団創設以来、ドラフトも補強も投手重視でやってきた。ドラフト戦略で野手は「俊足の左打者」が多く、コツコツと点を取る野球が染み込んでいる。銀次はそれを積み重ねてきた選手で、この場面では自然と体が反応したのだろう。  この編成方針で投手は本来レベルが高く、打つことができれば勝つチーム。石井一久GMの就任後は浅村やブラッシュら一発のある打者を補強し、最大の弱点を補った。今季のチームは岸と則本昂を欠いても、そう簡単には負けない陣容だ。 (サンケイスポーツ専属評論家)

<パ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
ソフトバンク
20132 0.606
(↓0.019)
-
(-)
108153
(+3)
120
(+4)
43
(+1)
35
(+1)
0.261
(-)
2.980
(↓0.04)
2
(-)
楽天
17151 0.531
(↑0.015)
2.5
(↑1)
110167
(+4)
146
(+3)
38
(+2)
10
(-)
0.257
(↑0.002
4.130
(↑0.04)
3
(1↓)
日本ハム
16162 0.500
(↓0.016)
3.5
(-)
109125
(+1)
130
(+2)
18
(-)
14
(-)
0.242
(↓0.002)
3.690
(↑0.05)
3
(1↑)
ロッテ
16161 0.500
(↑0.016)
3.5
(↑1)
110134
(+5)
140
(+4)
40
(+1)
31
(+3)
0.239
(↑0.002)
3.780
(↑0.05)
5
(1↓)
西武
15171 0.469
(↓0.015)
4.5
(-)
110171
(+4)
181
(+5)
37
(-)
38
(-)
0.249
(↓0.001)
4.810
(↑0.03)
6
(-)
ORIX
12193 0.387
(↑0.02)
7
(↑1)
109103
(+2)
136
(+1)
25
(+1)
31
(+1)
0.222
(↑0.001)
3.690
(↑0.08)