広島(☆6対3★)巨人 =リーグ戦6回戦(2019.05.03)・マツダスタジアム=
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巨人
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広島
01000203X61122
勝利投手:フランスア(4勝1敗0S)
(セーブ:中﨑 翔太(1勝2敗4S))
敗戦投手:田原 誠次(0勝1敗0S)

本塁打
【広島】鈴木 誠也(8号・6回裏ソロ),安部 友裕(2号・8回裏2ラン)

  DAZN
◆広島は1-0で迎えた6回裏、バティスタの犠飛と鈴木のソロで追加点を挙げる。直後に同点を許すも、8回に西川の犠飛と安部の2ランで再びリードを奪った。投げては、3番手・フランスアが今季4勝目。敗れた巨人は、7回に同点とする粘りを見せるも、4番手・田原が踏ん張れなかった。

◆広島鈴木誠也外野手(24)が8号ソロを放ち、通算100号に王手をかけた。 2-0の6回1死の場面で、メルセデスの外角のスライダーをバックスクリーン右へ運んだ。4月16日巨人戦で山口から打って以来の1発。「自分のスイングでしっかり捉えることが出来ました」と話した。

◆広島会沢翼捕手(31)が先制打を放った。2回2死二塁。巨人先発メルセデスのフルカウントからの145キロのストレートを右前へはじき返し、鈴木をホームに迎え入れた。 「打ったのはストレート。つなぐ意識でいきました。いい先制点になりました」と話した。

◆広島が先制した。2回2死二塁で会沢が右前適時打を放った。先発床田は3回2死満塁のピンチを脱し、3回まで無失点。 広島は6回に2点を追加した。無死三塁からバティスタが中犠飛を放ち、鈴木が中堅右へ8号ソロを放ち、たたみかけた。 巨人は7回に広島の守備の乱れもあって同点とした。広島は8回に西川の犠飛などで3点を勝ち越し。9回は中崎が締め連勝した。 広島フランスアが4勝目、巨人田原が1敗目。

◆広島が競り勝ち4位に浮上。3-3の8回に西川の犠飛と安部の2ランで3点を勝ち越した。8回を抑えたフランスアが4勝目。9回は中崎が締めて4セーブ目。巨人は7回に3点差を追い付いたが、3度の満塁機を逃したのが響いた。

◆巨人阿部慎之助捕手が代打で適時打を放った。3点を追う7回無死一、二塁、床田の内角145キロ直球をさばいてライナーで右前へ。 「うまく打てた。明日も出番があれば打てるようにしたい」と反撃の一打を振り返った。打率4割5分5厘で今季4打点目を積み上げた。

◆広島が勝負をかけたプレーに成功し、価値ある勝利をつかんだ。巨人戦は3点リードの7回に守備の乱れで追いつかれたが、8回1死一、三塁で5番西川龍馬内野手(24)の打球は浅いレフトフライ。三塁走者の曽根海成内野手(24)が"ギャンブル"スタートを切って生還した。負ければショックの大きな一戦を制して連勝。4位浮上と再び上昇モードに入る気配だ。会心のギャンブルスタートだった。3-3の8回裏1死一、三塁。広瀬三塁コーチが、三塁走者曽根にささやく。「少々浅くても行くぞ」。タッチアップの確認。思惑通りに、西川の浅い飛球が左翼に上がった。ボールが重信のグラブに収まった瞬間「行け」の声と同時に曽根が走った。好返球ならアウトかというタイミング。だが返球は大きく一塁側にそれ、勝ち越し点が入った。 お立ち台の曽根は興奮を隠さなかった。「広瀬コーチのおかげです。少々浅くてもかえれる自信はあった」。代走出場の前、気配を察してベンチをストレッチしていた。広瀬コーチは「(重信の)捕り方、体勢、(打球への)入り方、コントロール、曽根の足を考え、少々浅くても勝負しようと決めていた」と振り返った。ベンチと選手が一体となった、会心のタッチアップだった。 絶対に勝ち越さなければならなかった。3-0の7回。まさかの2失策がからみ、同点に追いつかれた。無死一塁から併殺を狙った名手菊池涼の二塁送球がわずかに浮く悪送球となり、一、二塁オールセーフ。粘りに粘っていた床田がこらえきれず、代打阿部に適時打を浴びた。さらに三塁安部が適時失策。丸の犠飛で同点に追いつかれ、床田の5勝目が吹き飛んだ。ミス連発を帳消しにするためには、何としても失った流れを引き戻す必要があった。 勝ち越しの後、安部が7回の失策を帳消しにする2ランで勝利を決定づけた。緒方監督は「7回(の失策は)いつもできているプレーができなかった」と話した。一方で「エラーした安部が打って意地を見せてくれたし、粘り強い攻撃で最後、点を取ることができた」と手応えも口にした。流れを引き戻した広島が連勝を引き寄せた。【村野森】

◆広島が7回に2失策がからむ守備の乱れで同点に追いつかれながら、8回に勝ち越して逃げ切った。2連勝で4位に浮上。緒方孝市監督(50)の談話は以下の通り。 「床田がしっかりと粘り強く、ランナーを出しながら投げてくれた。7回、ピッチャーがきつくなるところで、落ち着いてできている守備が、今シーズンたまに、こうやって(失策として)出るんでね。そういうところ、ピッチャーが粘っているところで、ああいうところのワンプレーで流れが向こうにいってしまったのは、勝った試合の中でも大きな反省。ただ、エラーした安部が最後意地を見せてくれたし、同点に追いつかれながら、8回粘り強い攻撃で点を取ることができた。連戦は続くんで、また明日、しっかりやりたいと思います」。

◆巨人は3度の満塁機で無得点に終わるなど、4安打に封じられて連勝が2で止まった。 同点の8回は1死一、三塁のピンチから広島西川の浅い左飛に対して、重信が一塁ベンチ側に送球を大きくそらして生還を許した。本塁アウトになると見ていた原辰徳監督は「少なくても(ホームから)1メートルぐらいの間には来てほしいね。我々はよく(走者が)行ってくれたという感じ。いいボールを投げるでしょう、次は」と言った。 7回は広島の2失策も絡んで追い付いたが、3番ビヤヌエバが満塁のチャンスで2度凡退するなどリードは奪えなかった。決勝点を許した4番手の田原に黒星がつき、今季チーム11敗中、救援陣は5敗目(2勝)。先発防御率2・97に対して、救援陣は4・72と苦しい状況が続いている。原監督は不運な当たりもあった田原については「まずまず」と言い、劣勢から追い付いたチームに対して「1球1球あきらめず、連戦が続いてもよく戦っていると思います」と評価した。   ▽巨人重信(8回に本塁への送球をそらして決勝点を許す)「しっかり投げられるように練習します」   ▽巨人メルセデス(先発して5回2/3を8安打3失点)「(鈴木の本塁打で)展開が変わってしまった。投げなければいけないところに投げられなかった」

◆広島鈴木誠也外野手が通算99号となる8号ソロを放った。2-0の6回1死、メルセデスからバックスクリーン右へ運んだ。45打席ぶりの1発。 「自分のスイングでしっかり捉えることができました」と話した。2、8回にも安打を放ち3度目の1試合3安打。打率を3割3分7厘とし、首位打者に浮上した。 「まだ(数字は)動くんでそこはあまり意識していない。チームの順位が気になる」と話した。

◆巨人・坂本勇人内野手(30)が3日、広島6回戦(マツダ)で、開幕から続く自己最長の連続試合出塁を「29」に伸ばした。  「1番・遊撃」で先発した主将は0-1とビハインドの三回2死二塁で、フルカウントから広島・床田が投じた外角への直球を見極め、四球を選んだ。その後、丸が死球で満塁とするもビヤヌエバが二ゴロに倒れ、得点にはつながらなかった。  坂本勇は試合前の時点でセ・リーグトップの打率・345と好調を維持している。

◆巨人・阿部慎之助捕手(40)が3日、広島6回戦(マツダ)に代打で登場し、適時打を放った。  0-3とビハインドの七回、山本の内野安打と代打・小林の敵失で無死一、二塁。ここで原監督は切り札の阿部を代打起用。阿部はカウント2-1から、好投していた相手先発左腕の床田の内角への145キロ直球をライナーで右翼線へ。反撃ののろしを上げる適時打で1点を返した。チームは相手の失策にも助けられ、この回3得点で同点に追いついた。  代打専任の阿部は、これで今季通算11打数5安打、4打点。打率・455と貴重な仕事を果たしている。

◆広島の床田は7回途中3失点で、リーグトップに並ぶ5勝目はならなかった。5四死球を与えたが、2度の満塁のピンチをしのぐなど六回まで1安打に抑えたが、3-0の七回に2失策に足を引っ張られ、同点に追い付かれた。  開幕2戦目の今季初登板で黒星を喫した巨人に雪辱ならず「エラーは仕方ない。抑えれば信頼してもらえるけど、踏ん張りきれなかった」と唇をかんだ。

◆巨人は勝負どころで手痛いミスが出て勝ち越された。3-3の八回1死一、三塁で、西川の浅いフライを左翼手の重信が捕球。好返球ならアウトにできるタイミングだったが、送球は大きくそれた。重信は「練習します」と繰り返した。  直後に高木が2ランを浴びて突き放された。原監督は「あの送球はね。少なくとも(本塁から)1メートルの間には来てほしい」と苦言を呈した。

◆メルセデスは5回2/3を投げ、8安打3失点。打線が七回に同点に追いつき黒星は消えたものの、「投げないといけないところに投げきれなかった」と反省しきりだった。五回まで1失点でしのいだが、六回に2点目を失った後、4番・鈴木に外角のツーシームを右中間席へ運ばれた。「あの失投で試合展開が変わってしまった」と悔やんだ。

◆40歳の阿部が七回無死一、二塁で代打で登場し、左前適時打を放った。床田が内角に投じた145キロの直球をライナーで右翼線へ運び、「うまく打てた。明日(4日)も出番があれば打てるように」と振り返った。代打の切り札の役割を背負う今季は打率・455(11打数5安打)、4打点と勝負強さを発揮している。

◆巨人が"令和3試合目"で初黒星。原辰徳監督(60)は「4安打というのは難しいですね。(床田に対して)バットの芯で捉えられなかった」と振り返った。  吉村打撃総合コーチが「今永(DeNA)に並んで今一番いい投手の一人」という相手先発、床田を攻略仕切れなかった。五回2死まで無安打に封じられ、四死球などで三、五回に2死満塁のチャンスをつくったがビヤヌエバが凡退。八回の同様の場面でも坂本勇が倒れ、3度の絶好機を逸した。  この日は1-4番に快音がなく「次の機会にアジャストしたい」とビヤヌエバが言えば、坂本勇も「切り替えて頑張ります」と前を向いた。原監督は「諦めずによく戦っている」と七回に相手の失策に乗じて追いついた選手の姿勢を評価した。  ただ、復調気配の鯉をこれ以上、勢い付かせるわけにはいかない。 (伊藤昇)

◆今季最多3万1951人が入った本拠地球場が大歓声に包まれた。  「マツダ」で「スズキ」が「メルセデス」から会心の一発。広島・鈴木が、プロ通算100号にあと1本に迫る8号ソロを含め3安打の活躍で自身は首位打者に浮上、チームを4位浮上に導いた。  「走者が出塁していればつなぐこと、走者がいなければ出塁することを意識している。状況に応じた仕事をするのが僕のスタイルです」  六回にバティスタの中犠飛でリードを2点に広げたあと、巨人の助っ人左腕のスライダーを右翼席に運び、通算99本塁打とするとともに本拠地マツダスタジアムで通算50号に到達した。  チャンスメークもできる4番は、二回先頭で右前打で出塁すると、会沢の右前打で生還。3-3で迎えた八回1死一塁では田原から右前打を放って、その後の西川の決勝犠飛、安部のダメ押し2ランをお膳立て。鈴木が中心となった攻撃に、緒方監督も「意地をみせたね。粘り強くやってくれた」とうなずいた。  4月23日の中日戦(マツダ)でコンディション不良を訴え、4試合スタメンを外れた。シーズンの目標にノーモア故障を掲げていた鈴木にとって悔しい出来事だったが、出場できないときでもナインが得点する度にベンチで声を出し、盛り上げ役を担った。尊敬する昨年引退した新井貴浩氏(42)のフォア・ザ・チーム精神をしっかり継承している。  巨人・坂本勇を抜き打率・337で首位打者に浮上したが、「興味はない。チームが勝てればいい」と話すスタンスも先輩・新井と同じだ。借金を2に減らし、3位・阪神との1ゲーム差をキープしたチームとともに、主砲の逆襲が始まる。(柏村翔)

◆三、五、八回。2死満塁のチャンスを3度も逃せば、結局は突き放されるわな。  2死満塁で得点が入ると、相手にはダメージになり、自軍には勢いがつく。逆に入らないと投手はイライラを募らせ、追加点を許す。しかも五回は、メルセデスが自らチーム初安打を放って、塁上にいた。"なんだ、1点も取れないのか"となっても不思議はないよ。  流れも悪い。三回と五回はいずれも、走者がいると打てない3番ビヤヌエバに回ってしまった。そこが、打線が下降線をたどり、チーム力が低下している、一種の象徴だね。  なにしろビヤヌエバ、岡本、陽岱鋼、ゲレーロの中軸の打率が、軒並み2割5分以下。最もアベレージの高い1番・坂本勇と、勝負強い2番・丸が歩かされると、あとは尻すぼみ...。  首位に立っているとはいえ、本当の強さは、まだまだ出てこない。このオーダーは、早く考え直すべし。しばらく試行錯誤を続けるしかないよ。 (サンケイスポーツ専属評論家)

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
巨人
18110 0.621
(↓0.022)
-
(-)
114145
(+3)
108
(+6)
40
(-)
15
(-)
0.263
(↓0.005)
3.490
(↓0.06)
2
(-)
ヤクルト
17131 0.567
(↑0.015)
1.5
(↑1)
112154
(+7)
134
(+2)
40
(+1)
12
(-)
0.252
(-)
4.050
(↑0.07)
3
(-)
阪神
15151 0.500
(↑0.017)
3.5
(↑1)
112117
(+2)
133
(+1)
23
(+1)
18
(-)
0.239
(↓0.002)
3.650
(↑0.1)
4
(1↑)
広島
14160 0.467
(↑0.019)
4.5
(↑1)
113103
(+6)
129
(+3)
27
(+2)
12
(+1)
0.233
(↑0.004
3.460
(↑0.12)
5
(1↓)
中日
13160 0.448
(↓0.016)
5
(-)
114104
(+2)
106
(+7)
21
(-)
17
(+1)
0.266
(↓0.004)
3.590
(↓0.12)
6
(-)
DeNA
12180 0.400
(↓0.014)
6.5
(-)
113113
(+1)
126
(+2)
35
(-)
5
(-)
0.235
(↓0.002)
3.690
(↑0.07)