巨人(☆8対2★)広島 =リーグ戦4回戦(2019.04.16)・平和リース球場=
このエントリーをはてなブックマークに追加

 123456789
広島
0002000002301
巨人
13000220X81002
勝利投手:山口 俊(3勝0敗0S)
敗戦投手:ジョンソン(0勝2敗0S)

本塁打
【広島】鈴木 誠也(7号・4回表ソロ)
【巨人】岡本 和真(6号・7回裏ソロ),陽 岱鋼(1号・7回裏ソロ)

  DAZN
◆巨人は初回、ゲレーロが適時打を放ち先制に成功する。続く2回裏にビヤヌエバの適時打などで3点を加えると、7回には岡本と陽にソロが飛び出すなど、着実に追加点を挙げた。投げては、先発・山口が7回2失点で今季3勝目。敗れた広島は、投打ともに精彩を欠いた。

◆巨人の新打線が、初回から機能した。 1回無死、今季初の1番で起用された坂本勇人内野手(30)が遊撃強襲安打で出塁。2死一、二塁とし、5番に入ったアレックス・ゲレーロ外野手(32)が先制の適時打を放った。「打ったのはチェンジアップですね。ボールを長く見る意識で打席に入りました。しばらくヒットが出ていなかったので、うれしい。チャンスで打ててよかったよ! バモス!」とコメントした。

◆巨人クリスチャン・ビヤヌエバ内野手(27)が、ラッキーな2点適時二塁打を放った。2点リードの2回2死一、三塁、左翼への痛烈な打球を放ち、左翼の松山が1度は落下地点に入ったかに見えたが、照明と重なって打球が抜けた。 「強く打てたが、野手の正面だったので...ですが、いい追加点になってよかったです」とコメントした。

◆広島クリス・ジョンソン投手(34)が登板2試合続けて3回降板となった。味方の拙い守備もあったものの、先発の大黒柱として役割を果たせなかった。 1回2死一、三塁からゲレーロに低めチェンジアップをうまく拾われ、左前への先制適時打を浴びた。2回は1死満塁から内野ゴロの間に失点。さらにビヤヌエバの左翼正面のライナーを照明と重なったのか松山が顔と体をそらし、2点適時二塁打となった。 来日5年目、94試合目で初めて地方球場での登板。試合前、佐々岡投手コーチは「対応してもらわないといけない。(相手投手と)お互いさまだから」と送り出すも、期待に応えられず。序盤から球が高めに浮き、大きく外れたときには足元を気にするなど気にするそぶりも見られた。 4回1死満塁で迎えた打席で代打を送られ、降板。大黒柱と期待された左腕は開幕から5回、3回、3回と早期降板が続いている。

◆1軍昇格した巨人山本泰寛内野手が、即結果を示した。6回無死、外角球をしぶとく右前に運んで出塁し、菊池保の暴投で一気に三塁を陥れると、打者小林の振り逃げ暴投で生還。ユニホームを真っ黒に汚しながらの好走塁で、貴重な追加点をもぎ取った。 腰痛で離脱した吉川尚の穴を埋める活躍に「完璧な走塁ではなかったが、結果としてはよかった」。プロ入り初のお立ち台で歓声を浴びた。

◆巨人は投打がかみ合った。1回にゲレーロの左前打で先制し、2回はビヤヌエバの二塁打などで加点。7回は岡本、陽岱鋼の本塁打で突き放した。山口が6四球を与えながら7回2失点で3勝目。広島はジョンソンの4失点が痛かった。

◆巨人山口俊投手(31)が鹿児島銘菓を連呼してスタンドのファンを喜ばせた。 昨季に続き2年連続の鹿児島での先発マウンドは、7回2失点で開幕から3戦無傷の3勝目を挙げた。強風も影響してか6四球と制球に苦しみ「ストライク先行を意識したけど、なかなかうまくいかなかった。勝ちはついているけど、もっと内容をよくして、いい試合ができるようにしたい」と振り返った。 お立ち台ではマウンドの印象を聞かれ「『かるかん』のにおいがした。再三、ピンチはあったけど、皆さんの声援に支えられた」。かるかんは鹿児島県民のソウルフードで九州地方特産の棒ようかんのかたちをした和菓子で、1686~1715年頃に薩摩藩で誕生し、藩主への食事にも出されたと言われている。九州・大分出身の右腕は「大好きな『かるかん』を食べながら熊本に行きたいと思います」とバスに乗り込み、熊本に向かった。

◆新打線が機能した巨人が、連敗を2で止めて2位に浮上した。 今季初めて1番に入った坂本勇人内野手(30)が2安打1四球で3度出塁すると、2番丸佳浩外野手(30)も犠飛を含む2打点。不動の4番岡本和真内野手(22)は3試合連続となる6号ソロを放った。 これまで2番坂本勇、3番丸としてきた原辰徳監督(60)は「(2人を)離したくなかったというのはありますね」と説明。「1人1番バッター(吉川尚)が抜けたというところで、彼らはどの場所でもそこそこやってくれるというものはありますけど、むしろ3番バッターのビヤ(ビヤヌエバ)が、非常に存在感があった」と評価した。 上位打線の継続については「なんとも言えません。チームというのは生きていますしね。まあ、悪い手応えではなかったということですね」と言った。

◆広島クリス・ジョンソン投手が3回4失点で降板した。1回に先制を許し、2回には内野ゴロの間に1点を失い、続くビヤヌエバの左翼方向のライナーを照明と重なった松山が後逸し、さらに2失点。来日5年目、登板94試合目で地方球場初先発は散々の結果となった。 開幕から5回、3回、3回と早期降板が続く左腕は「今日は何もありません」と足早にバスに乗り込んだ。

◆広島が巨人に力負けし、開幕から6カード連続勝ち越しなし。借金8となった。緒方孝市監督(50)の談話は以下の通り。   - 先発ジョンソンがまたも序盤に失点 緒方監督 拙い守備もあったからね...。(自ら切り出し)打線は集中力あったよ、得点にはつながらなかったけどね。 - ジョンソンは開幕から早期降板が続く 緒方監督 俺があそこで(継投を)判断した。采配の部分。 - 4番鈴木に1発 緒方監督 誠也に1発が出たし、打者は粘りもあった。打線の集中力は(前のカードの)横浜からある。

◆広島打線は本塁打と犠飛による2得点に終わり、23イニング連続適時打なし。「タナキクノマ」の上位3人が11打数無安打に封じられた。 14日DeNA戦から4番鈴木が8打席連続で走者なしで打席に立つ悪循環。東出打撃コーチは「最低限の積み重ねが今はできていない」と状況に応じた打撃を求めた。

◆広島クリス・ジョンソン投手(34)が2試合続けて、わずか3回で降板した。1回に先制を許すと、2回には味方の拙い守備も重なり3失点。不運もあったが、3回まで毎回安打を浴びた。球は高く、またも本来の制球力は影を潜めた。先発陣の早期降板が続く悪い流れを大黒柱と期待された左腕も止めることができず、自身の立場も安泰ではなくなった。球が高めに大きく抜けると、マウンドのジョンソンはすぐに土を蹴った。今季3度目の先発も、1回からピンチを招き、ゲレーロにあっさり先制適時打を許した。2回も内野ゴロの間に失点。さらに左翼正面のライナーを照明と重なった松山が後逸し、2点を追加された。不運もあったものの、大黒柱と期待された左腕がまたも精彩を欠いた。 来日5年目、94試合目で初の地方球場。これだけ低いマウンドは初体験だったかもしれない。会沢とは17年9月30日DeNA戦以来となる公式戦のスタメンバッテリーだった。試合では味方の拙守にも足を引っ張られた。それでもはね返すのが大黒柱。佐々岡投手コーチは「不運な当たりもあったけれど、前回同様に球が高かった(今後は)話し合って決める」と厳しく指摘した。この日も3回で降板し、今季登板3試合目にして5回未満での降板は昨季と同じ2度目となった。 開幕から16試合、苦しい台所事情が大きなつまずきの一因となっている。週末に先発する大瀬良と床田を除く投手が先発した10試合中、6回以上投げたのは3日中日戦で勝ち投手となった野村1人しかいない。週頭のカードで先発が早期降板すると、チームの流れが悪くなる。中継ぎの起用も増えるため、その後の継投にも影響を及ぼす。この日はジョンソンを含め5投手で10安打8失点。力負けだった。 先発が粘れず、打線も反発力を欠く悪循環に陥った。この日は鈴木の1発と犠飛による2得点。4番に頼りっきりで23イニング連続適時打なし。投打の歯車がかみ合わない。緒方監督は「(2回松山の)拙い守備もあったからね...」とジョンソンをかばった。だが、復調の兆しをつかめない左腕は「今日は何もない」とだけ言葉を残し、球場を去った。守り勝つ野球を掲げる緒方広島の浮上は、投手陣の奮闘なくしてありえない。【前原淳】

◆巨人の新打線が機能し、広島に快勝した。1番に上がった坂本勇人内野手(30)が2安打1四球で3度出塁。2番丸佳浩外野手(30)も犠飛を含む2打点と「サカマル」で連動した。不動の4番岡本和真内野手(22)は3試合連続の6号ソロ本塁打でダメ押し。8点を奪って、2位に浮上した。17日の広島戦は震災から3年を迎えた熊本で開催され、連勝を目指す。岡本が"どーん"と2年連続で鹿児島の夜空に飛球を打ち上げた。 4点リードの7回無死から、3試合連続の6号ソロ。広島にトドメを刺し、チームの連敗を2で止めた。「何とか1本出そうと思っていたので、良かったです」。ただ1人、不動の4番は3打席凡退にも動じず、抜けたフォークを仕留めた。 チームスローガンの「和と動」が、打線の中で息づいた。チームワークやチーム愛を意味する「和」のように、開幕から1番だった吉川尚の離脱を全員でカバーし、岡本「和」真が豪快に1発。打順は大幅に「動」いたが、各選手が機能し、10安打で8点を奪った。原監督は「チームは生きていますしね。まぁ、悪い手応えではなかったということですね」と評価した。 仕掛けたのは坂本勇、丸の新1、2番だった。1回は坂本勇が安打で突破口を開き、ゲレーロが先制打。2回には坂本勇が四球でつなぎ、丸の三ゴロ、ビヤヌエバの適時二塁打で3点を奪って、難敵ジョンソンを3回でKOした。6回にも坂本勇が左前打を放ち、丸が犠飛。新打線が「サカマル」を中心に連動した。 試合後、チームは17日の広島戦に向け、バスで熊本へ移動した。原監督は「何とかいい流れの中で、いいゲームをしたいなと思います」と号令。前夜、訪れた店が偶然にも昨年と同じ焼き肉店で、食事も"不動"だった岡本は「今日はチャンスで打てなかったので、明日は打てるように」と意気込んだ。【久保賢吾】

◆広島4番鈴木誠也外野手の2戦連続7号ソロはまたも空砲となった。4点を追う4回。巨人山口の真っすぐを豪快なフルスイングで右中間席に運んだ。 7本塁打、17打点はいずれもリーグトップ。それでも勝利にはつながらず、今季4度目の空砲。厳しい表情で「しっかり捉えられた」と言葉を絞り出し、球場を後にした。

◆巨人岡本和真内野手が13日のヤクルト戦から3試合連続の6号本塁打。3戦連発は、4試合連続で打った昨年9月1~8日以来自身3度目だ。 昨季は4番で24本塁打しており、これで4番では通算30号。巨人の4番打者で30本塁打以上は阿部以来16人目だが、22歳9カ月で30号到達は、63年に23歳1カ月で達成した王を上回る年少記録。王は巨人の4番で最多の392本塁打を打ったが、岡本はどこまで数字を伸ばせるか。

◆広島は先発のジョンソンが3回4失点で降板して2敗目を喫した。0-2の二回2死一、三塁では左翼手の松山がビヤヌエバの鋭い当たりを正面に入って捕球しようとしたが、照明が目に入って捕球できなかった。二塁打となり、2点の追加点を許した。  開幕から調子が上がらないジョンソンは「今日は何もないです」と足早に引き揚げた。

◆巨人の山口は制球にやや苦しんだが、要所を締めて開幕から無傷でリーグトップの3勝目を手にした。4-2の五回からは立ち直り、直球でカウントを整えて決め球のフォークボールを低めに決めた。「真っすぐが軸になれば変化球は有効になる」と一定の手応えを感じている様子だった。  7回2失点。ただ、6四球を与えたことに「自分をコントロールできなかった。何とか抑えたが、大量失点につながりかねない」と反省を口にした。

◆巨人は16日、広島4回戦に8-2で快勝。連敗を2で止め、2位に浮上した。原辰徳監督(60)の試合後の主なやりとりは以下の通り。  --山本の次の塁を狙う意識(暴投の間に一塁から三塁へ)  「もう素晴らしい(今季の1軍)デビューですよね。守備も非常に堅実ですし、バッティングもしぶとい結果が出ましたしね。キャンプの時から非常によかったんですね。(吉川尚が離脱した)状況の中で、彼の力が必要ということで、いいプレーをしてくれました」  --1番坂本勇、2番丸の新打線が機能  「そうですね、彼らはどの場所でもそこそこやってくれるというものはありますけど。むしろ3番のビヤヌエバがね、非常に存在感があった」  --岡本、陽岱鋼にも一発  「特にダイカンがかなりストレスがたまっている状況だったので、いい形の呼び水になってくれることを祈りますよ」  --先発の山口は  「やっぱりフォアボールを6個かな、本来ではないでしょう。ただやっぱり2点で抑えたというところに、彼の経験というものが生きたと思いますね」  --勝って熊本へ。震災から3年たつ  「熊本のジャイアンツファンの方はたくさんいるということは私も分かってますので、何とかいい流れの中でね、いいゲームを明日もしたいなと思いますね」  --1番・坂本勇、2番・丸の新打線が機能  「そうですね。(2人の並びを)離したくなかったというのはありますね。我々の戦いのスタイルとしてね、そういうスタイルで戦いたかったというところですね」  --岡本が3戦連発  「彼は色んなものと戦ってね、『岡本』という野球人を大きくしようとしていますよ」  --打順はしばらく継続か  「なんとも言えません。そこは、チームというのは生きていますしね。まあ、悪い手応えではなかったということですね」  --期待の山本も活躍  「そうですね、チーム内で競争を高いところでやってくれるのが、一番私の立場としてはいいですね」

◆巨人・岡本和真内野手(22)が16日、広島4回戦(平和リース)で3戦連発となる左越え6号ソロを放ち、8-2の快勝に貢献。これで打点は5試合連続でマークとなった。  6-2で迎えた七回先頭、広島・矢崎の高めに浮いた球を振り抜き、左翼席へほうり込んだ。「甘い球が来たので強くたたいた。いいホームランになってよかった」。開幕直後は苦しんだ主砲の調子が上向いてきた。

◆西武からFAで加入した巨人・岡本和真内野手が13日、広島4回戦(鹿児島)の七回に左翼へ6号ソロを放ち、昨年9月5日のDeNA戦(富山)以来の3戦連発、5試合連続の打点をマークし、8-2の快勝に貢献した。  4点リードの七回、替ったばかりの矢崎が投じた、高めに浮いたフォークを見逃さなかった。相手の4番・鈴木のリーグトップの7本に迫る6号ソロで駄目押し点をもたらしたが、「なんとか1本(結果を)出そうと思っていたのでよかった。チャンスで打てなかったので、明日はチャンスで打てるように頑張ります」と、走者を置いた他の3打席で凡退した反省も忘れなかった。  昨季も本塁打を放った平和リース球場での一戦で2年連続でアーチをかけた。昨季、地方で打率・488(41打数20安打)、5本塁打、14打点をマークした"地方の鬼"ぶりは今季も健在だ。

◆広島の4番鈴木が2試合連発となる7号ソロを放った。0-4の四回、山口の外角高めの速球をフルスイング。強烈な当たりは右中間席に飛び込み「しっかり捉えることができた」と振り返った。  「しっかり振れる状態で(試合に)入ろうと思っている」との心掛けが好結果に結びついている。チームは三回に3四球でつくった満塁機を逃す場面もあったが、緒方監督は「誠也(鈴木)にも一発が出たし、打線も粘りがあった」と話した。

◆松山の故郷・鹿児島での初めての公式戦はホロ苦い結果に終わった。打っては3打数無安打。左翼守備では0-2の二回、ビヤヌエバの正面のライナーを捕球しようとした際に照明が目に入って後逸(記録は2点二塁打)した。「変な緊張感があった。結果を出したかったですけど。悔しいです」。両親や地元後援会のメンバーが観戦する中、気合は空回り。守備について、高ヘッドコーチは「照明がね」とかばった。

◆ジョンソンは来日5年目で初めて地方球場で登板したが、軟らかいマウンドにも苦しみ、3回5安打3四球、4失点で2敗目を喫した。試合後は通訳を通じて「今日はないです」とコメントしただけだった。2日の中日戦(ナゴヤドーム)では5回3失点、その後は2試合連続で3回で降板となった助っ人の今後について、佐々岡投手コーチは「話し合って決める」と2軍再調整の可能性に言及した。

◆この日1軍に昇格し、「7番・二塁」で出場した山本が2安打と活躍。六回は暴投の間に一塁から三進する好走塁で得点にからみ、「ファームでも先の先の塁まで狙うようにやってきた」とうなずいた。腰痛で離脱した吉川尚にはLINEで「しっかり活躍するから」と連絡したという。原監督はお立ち台に上がった25歳を「素晴らしい。キャンプから非常によかった」とたたえた。

◆いよいよ崖っぷちだ。開幕から低迷する広島は、6カード目の初戦も巨人に2-8で大敗し、首位ヤクルトとのゲーム差は今季最大の「7」に広がった。  「打線は粘り強くやっている。あとは俺の采配や判断だった」  緒方監督が声を絞り出した。"デッドライン"は目前に迫っている。広島の過去8度のリーグ優勝の中で最大の逆転優勝は、山本浩二氏の第一次政権3年目の1991年で、当時首位の中日との差は7・5ゲームだった。この日、ヤクルトが阪神に勝利したため、デッドラインまであと0・5。「逆転V」は風前の灯火となっている。  立て直すための手は打ったが、裏目に出た。開幕から2試合連続で5回、3回と早期降板していたジョンソンの女房役を石原から会沢に変更した。故郷・鹿児島での初めての公式戦に燃える松山を「5番・左翼」でスタメン起用したが、その2人が敗戦の一因になってしまう。  ジョンソンは一回にゲレーロに左前適時打を浴びてあっさり失点。二回にも先頭打者への四球から1死満塁のピンチを招くと丸の内野ゴロの間に失点。なお2死一、三塁では今度は松山がビヤヌエバのライナーを後逸して、さらに2点を失った。主導権を巨人に渡して、そのまま1度も追いつくことなく敗れ去った。  指揮官は「まずい守備(での失点)もあったから。打線は粘り強くやってくれているからね」とフォローしたが...。今回の巨人との対戦は鹿児島、熊本での2連戦。初戦を落としたことで、開幕から6カード連続の勝ち越しなしとなった。  17日、広島が巨人に敗れ、ヤクルトが阪神に勝つと、首位との差は"カープとしての限界"を超える。セ・リーグを3連覇した王者が、今季は、負の数字を次々と突きつけられている。 (柏村翔) ★1991年の広島逆転優勝VTR  4月は2位、5月終了時は1位と快調なスタートだったが、6月には失速してBクラスに転落。7月には首位中日とのゲーム差は最大の7・5に広がった。しかし、この夏の遠征中に、ナインは4月に「体調不良」で離脱した津田恒実の病名が脳腫瘍であることを知って全員が団結。山本浩二監督の「ツネを(優勝旅行の)ハワイに連れて行くぞ」の号令のもと後半戦は35勝23敗と驚異的な追い上げをみせて逆転優勝を飾った。

◆巨人は16日、鹿児島市の平和リース球場(県立鴨池球場)での広島4回戦に8-2で快勝し、連敗を2で止めた。1、2、3番を組み替えた新打線が機能し、七回には4番・岡本和真内野手(22)が3試合連発となる6号ソロで試合を決定付けた。チームは昨季7勝17敗1分けと苦しんだリーグ王者に3連勝とし、DeNAを抜いて2位に浮上した。  桜島からの火山灰が混じる黒土の上を、ゆっくりと走った。岡本が夜空に放物線を描き、薩摩のG党を歓喜させた。  「変化球をあっち(左翼)方向に打つホームランは、今年はなかった。何とか1本(結果を)出そうと思っていたので、よかったです」  4点リードの七回、矢崎の高めに浮いたフォークボールを見逃さなかった。広島の4番・鈴木がリーグトップの7号を放った試合で、負けじと巨人の4番も6号ソロで駄目を押した。  昨年9月5日のDeNA戦(富山)以来となる3戦連発で、5試合連続打点もマーク。昨季地方球場で打率・488(41打数20安打)、5本塁打、14打点をマークした"地方の鬼"が、今季初の地方球場での一戦で相性のよさを示した。  打線を活気付けたのは、原監督が選んだ"超攻撃型新オーダー"だった。開幕から1番を務めた吉川尚が腰痛で離脱したのに伴い、2、3番で固定していた坂本勇と丸を今季初めて1、2番で組ませ、3番にビヤヌエバを据えた。  一回は出塁率リーグトップ(・507)の坂本勇が内野安打で先制点のきっかけをつくり、二回は1死一、二塁で坂本勇が四球を選んで丸の三ゴロの間に1点を追加。ビヤヌエバの二塁打で2点を加えた。  「1番の役割としてはよかった」と坂本勇が言えば、ビヤヌエバも「(3番は)居心地がよかった」。六回も丸の中犠飛で突き放すなど新オーダーが機能。最後は、不動の4番が締める理想の形だった。  原監督は「1番打者が抜けたところで、彼ら(坂本勇、丸)はどの場所でもそこそこやってくれる。むしろ3番打者のビヤが、きょうは非常に存在感があった」と誇らしげに振り返った。昨季7勝しかできなかった相手に早くも今季3勝目。新打線で再び上昇気流に乗った巨人に広島への苦手意識はもはや、ない。 (谷川直之) 7回2失点で無傷の3勝目を挙げた巨人・山口 「(6四球で)最悪。反省するところだらけ」 七回の1号ソロに巨人・陽岱鋼 「ずっと(本塁打が)出なかったが、いい形で出てよかった。気持ちも楽になる」 打順が3番から2番になり、無安打も2打点の巨人・丸 「ヒットは出なかったけど、チャンスで最低限、(犠飛などで)打点を挙げられてよかった」

◆自分が先発だとしても、ゾッとする。坂本勇と丸で始まる巨人の新オーダーだ。  吉川尚が1番ならば立ち上がり、全力で抑えにかかれる。坂本勇と丸では、そうもいかない。2人とも、安打はコンスタントに出る。パンチ力もある。選球眼もいいから、四球を取られる...。よーいドンで神経をすり減らし、6番・陽岱鋼までずっと、一発も警戒しなければならない。なんとも嫌な打線だ。  丸の2番も、坂本勇より適任だろう。走者一塁のケースでも、左打者のため、一、二塁間に強い打球を打てる。内野ゴロでも走者二塁、安打なら一、三塁。足も速く、併殺の危険性は低い。一回は遊ゴロ、二回は三ゴロがともに併殺崩れになり、得点につながったのが好例。相手の守備陣にとって、ダメージは小さくないだろう。  吉川尚に代わる二塁手として7番に入った山本も、打撃はしぶとく、走塁には抜け目がない。山本が出て、8、9番が進塁させ、坂本勇と丸でかえす。そのパターンも望める。だから、吉川尚が復帰しても、この並び方を続けていいと思う。  巨人打線にまた厚みが出た。新たなステップを踏む勝利になったのではないだろうか。 (サンケイスポーツ専属評論家)

◆巨人は今季初めて坂本勇と丸の1、2番コンビを組むと、序盤から得点を重ねて快勝。広島は先発のジョンソンが3回4失点で降板して2敗目を喫した。  巨人は一回、坂本勇が遊撃手を強襲する内野安打で出塁して2死一、二塁のチャンスをつくり、5番ゲレーロの左前打で先制点を奪う。二回1死一、二塁では坂本勇が四球を選び、満塁として丸の三ゴロの間に1点を追加。3番に入ったビヤヌエバの左翼への二塁打で2点を加えた。  元広島投手の北別府学氏(61)はこの日、ブログで「本当に細かいことを言えばキリがない。序盤、満塁で丸の打球、丸は足が速いのだからファーストに投げるよりホームに投げろ、、、投手たちよ、リズムが悪いからにも悪影響がある」(原文ママ)と嘆くしかなかった。

◆巨人の山口は制球にやや苦しんだが、要所を締めて開幕から無傷でリーグトップの3勝目を手にした。4-2の五回からは立ち直り、直球でカウントを整えて決め球のフォークボールを低めに決めた。7回2失点。ただ、6四球を与えたことを反省した。  元巨人監督の堀内恒夫氏(71)は17日、ブログで「山口は6つも出しといてよく2点でおさまったもんだ(笑)」と苦笑いだった。

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
ヤクルト
1150 0.688
(↑0.021)
-
(-)
12794
(+9)
62
(+5)
20
(+2)
5
(-)
0.254
(-)
3.600
(-)
2
(1↑)
巨人
960 0.600
(↑0.029)
1.5
(-)
12873
(+8)
62
(+2)
24
(+2)
5
(-)
0.281
(-)
3.780
(-)
3
(1↓)
DeNA
970 0.563
(↓0.037)
2
(↓1)
12771
(+1)
62
(+7)
19
(-)
4
(-)
0.249
(-)
3.460
(-)
4
(-)
中日
870 0.533
(↑0.033)
2.5
(-)
12869
(+7)
51
(+1)
16
(+1)
13
(+2)
0.281
(-)
3.360
(-)
5
(-)
阪神
6100 0.375
(↓0.025)
5
(↓1)
12756
(+5)
85
(+9)
9
(+1)
5
(-)
0.231
(-)
4.910
(-)
6
(-)
広島
4120 0.250
(↓0.017)
7
(↓1)
12747
(+2)
88
(+8)
14
(+1)
5
(-)
0.207
(-)
4.370
(-)