阪神(★4対9☆)中日 =リーグ戦1回戦(2019.04.12)・阪神甲子園球場=
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中日
10020300391202
阪神
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勝利投手:笠原 祥太郎(1勝0敗0S)
敗戦投手:メッセンジャー(1勝1敗0S)

本塁打
【中日】ビシエド(4号・4回表2ラン),ビシエド(5号・6回表2ラン)

  DAZN
◆中日は1点リードで迎えた4回表、ビシエドの2ランで加点する。そのまま迎えた6回には、ビシエドの2打席連続となる2ランが飛び出すなど、この回3点を挙げ試合を優位に進めた。先発・笠原が6回1失点の好投で今季初勝利。敗れた阪神は、投手陣が振るわなかった。

◆阪神ランディ・メッセンジャー投手(37)が6回6失点(自責5)でKOされた。初回に失策がらみで1点を失うと、4回にビシエドに4号2ラン。 6回も再び相手の主砲に2ランを浴び、その後も1点を追加された。裏の攻撃で代打を出された。自身の代打の上本がこの試合ようやく初安打と援護もなかった。 開幕戦から2試合連続で安定した投球を見せていたが、今季初の甲子園のマウンドで乱れた。

◆阪神ドラフト3位木浪聖也内野手(24=ホンダ)が、プロ18打席目でプロ初安打をマークした。 黄色のジェット風船が飛んだ7回、1死から代打で登場。3球目、外角低めの136キロ直球をコンパクトに捉えて、打球をセンター前に運んだ。一塁ベース上では、感情が込み上げた。思わず両手を挙げてガッツポーズだ。 ただの1本ではない。待望の初安打となった。春季キャンプから結果を残して、首脳陣に存在感をアピール。オープン戦でも好調をキープしていた。オープン戦では12球団最多となる22安打を放ち、打率は3割7分3厘、規定打席到達者中3位。ドラフト入団選手のオープン戦打率5傑入りは、14年の首位打者井上(ロッテ)以来4人目で、阪神では初めてだった。 「キャンプが始まってから、ずっとやるべきことをやってきた。もちろん、自信がついた部分もある。でも、シーズンに入ってからが大切。練習からしっかりやっていきたい」 実力で開幕スタメンをつかみ3月29日は「1番遊撃」で先発出場。開幕戦からいい当たりを連発したが、無安打。2戦目はヤクルト先発石川の緩急自在の投球に苦しめられた。開幕3戦目は5回に代打鳥谷を送られて途中交代。好調をキープして臨んだ開幕カードだったが、Hランプは灯らなかった。 それでも矢野監督は「(試合に)出られることが最高やから。いま結果が出ないことを生かすことが1番大事。長嶋さんだって(開幕戦の)丸だって4三振でしょう」と、ルーキーの背中を押していた。 その後も、なかなかヒットが出ず。1軍に同行しながら、午前中は2軍戦に出場する日々も送った。9日の2軍戦では鳴尾浜で初回に三塁打を放っており"プロ初安打"を記録。午後の甲子園では心なしか表情が明るかった。 「最初だけだったらダメだよ。プロに入って、続けることが難しいって思った。試合に出してもらっているだけで感謝。落ち込んでいてもダメだから、前を向いていきたい」 開幕から結果が出ず、プロ18打席目での記念の1本。悔しさを晴らした気持ちは、一塁ベース上でベンチに向かって突き上げた両腕が物語る。きっと、木浪はここから勢いに乗る。苦しんだ先には未来がある。【真柴健】

◆阪神メッセンジャーが6回6失点で今季初黒星を喫した。 初回に暴投と梅野の悪送球で先制点を許すと、中日ビシエドに2打席連続本塁打を浴びた。「(調子は)悪くなかったが、うまく打たれた。彼が上手だった」。前回登板の5日広島戦では日米通算100勝を記録したが、この日は相手の主砲に屈した。

◆阪神ドラフト1位の近本光司外野手が、プロ初となる猛打賞の活躍を見せた。 11日のDeNA戦でプロ初本塁打を記録し、この日は1番中堅で5試合ぶりのスタメン出場。7回に反撃の中前タイムリーを放つなど3安打と調子を上げてきた。「自分の考えが頭の中でシンプルになっている。それが今のところ、いいかなと思う」。同じルーキーの木浪がプロ初安打を打ったことには「むちゃくちゃ、うれしかった」と喜んだ。

◆阪神4番の大山悠輔内野手(24)が、開幕13試合目で初の途中交代を命じられた。近本の適時打などで2点差に迫った7回2死満塁。ファンは一打大逆転を夢見たが、力のない三ゴロに倒れてため息が充満した。前日は1号も出たが、矢野監督は4打数無安打の主砲を直後の守備からベンチに下げる決断。13日も4番継続の方針だが、低調な打線を象徴する交代劇が苦しい3連敗を浮き彫りにした。4番が途中交代した。開幕からフル出場中だった大山が今季初めて試合中にベンチへ退いた。7回、打線が猛反撃で2点差に詰め寄り、なおも2死満塁。一打同点の好機が巡ってきた。だが、自らの間合いに引き込めない。谷元が投じた外角低めへのカットボール、カーブに空振り。あっさり追い込まれると、3球目は懐を突かれて、力負けの三ゴロ...。勝負は決まった。 一塁ベンチ横の会見室で矢野監督も未練ありげに言う。「あと1本というところまで行きましたけど、結果的にこういう試合になって、何とかひっくり返すところまで行きたかった」。終盤は押せ押せムードだっただけに悔いの残る凡退になった。指揮官は続ける。 「そういうところに回ってくる打順。ちょっと客観的に自分を見られる部分がね。ああいうときこそ、自分自身が『行く』気持ちと冷静になる部分が必要」 まだ劣勢で2イニングの攻撃を残しながら、矢野監督は大山の打順に3番手のジョンソンを入れた。指揮官は「打順のね。投手の兼ね合いもあるし。それで代えただけ」と説明。大山も無言でクラブハウスに消えた。前日11日DeNA戦で今季初本塁打を放ったが、状態は一進一退。今日13日以降も4番起用を貫く。 左腕先発へのアレルギーも大きな敗因だ。技巧派の笠原が仕掛ける「前後」の揺さぶりに惑わされた。1回に糸井が117キロチェンジアップにハーフスイングの三振。2回も福留が低めチェンジアップに空振り三振...。実力者が翻弄(ほんろう)され、苦戦を予感させた。5回まで無安打投球を許し、6回に1点を奪うのが精いっぱい。指揮官も「流れを自分たちで呼び戻して来ないと」と嘆いた。 今季は左腕先発を崩せずにいる。巨人メルセデス、高橋、広島床田、DeNA浜口...。いずれも白星を許した相手で、左先発6戦は5連敗の窮状だ。まだ序盤戦とはいえ、気にかかる。3連敗で、今季最多の借金3に増えた。【酒井俊作】   ▽浜中治打撃コーチ「(大山について)チームを背負って4番を打っている。自分自身が切り開かないと」 ▽阪神清水ヘッドコーチ(大山について)「4番を打つ上で、チャンスに強い打者になってほしいと思っている。あそこで決められる打者に、早く成長してほしい。4番を打つ以上、いろいろ書かれるだろうが、何としても本当の4番になってほしい」   ▼阪神大山が、今季13試合目で初めて途中交代した。大山は今季すべて4番で先発フル出場していた。4番でのスタメンは17年、18年に計24試合あり、このうち途中交代は17年9月13日の巨人戦(甲子園)だけで、4打席3打数無安打で8回に投手の藤川を送られて交代している。

◆阪神上本博紀が代打で苦境を打開した。 6回に先頭打者で登場し、中日笠原から右前打を放った。これがチーム初安打だった。「自分の準備をするだけ。先発でも代打でも、いつも変わらないです」。7回にはファウルで粘って四球を選ぶなど2打数1安打。開幕から16打数2安打と精彩を欠いたが、浮上の兆しを見せた。

◆苦しんでいた阪神ドラフト3位の木浪聖也内野手(24)が、18打席目でプロ初安打を放った。7回1死の代打で中日佐藤から中前打。このヒットを口火に、4試合ぶりに先発復帰したドラフト1位近本光司外野手(24)の適時打などで3点をかえして一時2点差に迫り、大逆転の夢を抱かせた。反撃及ばず3連敗を喫したが、開幕で1、2番を組んだキナチカの復活が希望の光だ。木浪が一塁ベース上でほっとした笑みを浮かべた。「ずっと出なくて苦しかったので、うれしかったです」。5点を追う7回1死に代打で登場。中日佐藤の136キロ直球をセンターへきれいにはじき返した。待望のプロ初ヒット。一塁ベンチに向けて両手を突き上げると、笑顔のナインが大きな拍手で応えた。 18打席目でやっと出たヒットだった。オープン戦では12球団最多の22安打を放ち、阪神のルーキー最多安打も更新。飛ぶ鳥を落とす勢いで、「1番遊撃」で開幕スタメンをつかんだ。だが開幕後はさっぱり快音が響かず、3日の巨人戦からスタメン落ち。代打での出場が続いていた。だがこの日は、カウント1-1から思い切り振り抜いた。「オープン戦の時も良かったのはそういうところ。積極的に行きました」。長所を思い出しての快音だった。 苦しかった時間も「いい勉強になりました」と振り返る。昼は鳴尾浜の2軍戦で実戦経験を積み、夜は1軍戦に親子出場する日々。「最初だけだったらダメ。プロに入って続けることが難しいと思った。試合に出してもらっているだけでも感謝です」。自分に言い聞かせるように黙々とバットを振った。近本らチームメートに自分の打撃が今どんな状態か、客観的なアドバイスを求めてもみた。試合中はベンチの最前列で戦況を見つめて声援を送り、チャンスをうかがってきた。 木浪の初安打で勢いづいたチームは7回、近本の適時打などで3点をかえし、一時2点差まで迫った。いいところなく完敗しかけた試合を1本のヒットが盛り上げ、大逆転の夢を見させた。矢野監督は「オープン戦にかなりいい状態で入って、シーズンで苦しんだ中で出た1本。本人も前を向いていける1本になった。持っている能力はいいものを持っている」とルーキーの背中を押した。開幕で1、2番を組んだ近本も一時スタメンを外れたが、この日は初猛打賞で上り調子。キナチカ復活再び。この1本を自信に、レギュラー奪回を目指す。【磯綾乃】   ▽浜中治打撃コーチ「(木浪は)1本出てほっとしているでしょう。オープン戦では力を発揮しているので、どんどんチームに貢献してくれると思う。(近本は)状態は良くなっている。力を発揮してくれている」 ▽木浪父・弘二さん「(自宅でインターネット中継で観戦)やっと出ましたね! よかった、よかった。ヒットが出なかったので、本人も焦っていたと思う。それでも1軍に帯同させてもらって...。やっと1本。まだまだこれから。たくさん打ってほしいですね。ゴールデンウイークは甲子園に行きます! 4月30日から5月5日まで。鳴尾浜じゃなくて甲子園で聖也を見たいですね」

◆開幕投手を務めた中日笠原祥太郎投手が今季3戦目で初白星を挙げた。5回までノーヒットノーランペースだったが6回に崩れ、6回2安打1失点で降板。 「序盤はいい感じで投げることができましたが、中盤以降、四球が絡んで球数が多くなった。もう少し長いイニングを投げられるように無駄球をなくしたい」と、初勝利にも反省が口をついた。

◆中日が4番ダヤン・ビシエド内野手(30)の2打席連続アーチで今季初の連勝を飾った。1-0の4回に阪神メッセンジャーから左翼席へ4号2ランを運び、6回にも右翼席へ5号2ラン。昨季の首位打者が好相性の右腕から4打点を稼ぎ、チームは勝率5割に復帰。ここから反攻をかける。主砲のバットがうなった。ビシエドだ。まずは1点リードの4回1死一塁。メッセンジャーの低いフォークボールをすくい上げるように捉え、打球は一直線に左翼スタンドへ消えた。6回1死一塁では再びメッセンジャーの直球を逆方向の右翼ポール際へダメ押しの2ラン。昨年8月26日の広島戦(マツダスタジアム)以来、来日3度目の2打席連弾で先発笠原を援護した。 「何だか今日はボールがよく見える気がする。なかなか相手は勝負してくれないが、勝負に来たときミスショットしないように集中していきたい」 試合後は「眼力」が好調だと言ったが、来日10年目のメッセンジャーには昨年も10打数4安打1本塁打と好相性。昨年初めて首位打者と最多安打の2冠に輝いたビシエドは、今年もしっかりえじきにする勝負強さをみせた。 今季から新たに3年契約を結び、来日4年目のカリビアンは先を見据えている。対戦したメッセンジャーは今季から外国人枠を外れ、日本人枠で出場選手登録されており、ビシエドも同様に「日本人枠に入れることが目標だ」と話す。昨季のシーズン最終戦で岩瀬、荒木の引退セレモニーに参加。「自分も最後はあんな風に祝ってもらいたい」と、青いユニホームで野球人生を全うすることを夢見ている。順調なら24年シーズンに中日の助っ人では初の国内FA権を手にする。 与田監督も主砲の活躍にほほを緩めた。「左翼への本塁打も素晴らしい打球でしたし、右翼もそう。いいところでの1発で流れを変えるというか、いい形だった」。中日時代のチームメートだった阪神矢野監督との初対戦で先勝し、連勝も決めた。「初めての連勝はうれしいんですけど、どんどん多く勝ちを積み上げていかなければいけない」。3連勝を決めれば1046日ぶりの貯金生活に入る。【伊東大介】   ▼中日ビシエドが2打席連続本塁打。ビシエドの1試合2本塁打は来日4年目で通算7度目だが、2打席連続は16年5月7日巨人戦(今村から2本)、18年8月26日広島戦(高橋樹から2本)に次いで自身3度目だ。

◆阪神のランディ・メッセンジャー投手が12日の中日戦(甲子園)で先発したが、6回8安打6失点(自責5)で降板。日米通算101勝目はお預けとなった。  一回1死から遠藤に右翼線への二塁打を浴びると、自らの暴投と捕手・梅野の三塁への悪送球で先制点を献上。四回に1死からアルモンテに中前打を浴び、ビシエドに2ラン。六回にも1死からアルモンテを四球で歩かせた後に、ビシエドに2打席連続となる2ランをくらった。さらに2死一、二塁から加藤に中前適時打浴び、6失点。打線の援護にも恵まれず、六回裏の打席で代打を送られた。  前回登板の5日の広島戦(マツダ)では6回2失点で日米通算100勝を達成したが、連勝とはならなかった。

◆阪神のドラフト3位・木浪聖也内野手(ホンダ)が12日の中日戦(甲子園)で待望のプロ初安打を放った。  1-6の七回1死から代打で登場。カウント1-1から2番手・佐藤の136キロ真っすぐを中前へ。プロ18打席目で初めて「H」のランプを点灯させると、両手を3度叩いて喜びを爆発させた。この回は相手の暴投も絡み、近本、糸原が連続適時打。木浪の一打が一挙3点の反撃の起爆剤となった。  オープン戦で12球団最多の22安打を放ち、17試合中6試合でマルチ安打をマーク。鳥谷、北條らとのレギュラー争いを制し、3月29日の開幕ヤクルト戦(京セラ)から「1番・遊撃」で4試合スタメン出場したが、快音なし。その後は代打での出場が続いていた。

◆阪神は12日、中日に4-9で敗れ、3連敗を喫した。  2点差まで詰め寄った七回2死満塁で大山は三ゴロ。開幕から13試合すべて4番を任されてきたが、4打数無安打、打率・200と低迷。復調の気配が見えない中、矢野監督は八回の守備からベンチに下げる決断をした。試合経過は以下の通り。中日は先発の笠原が五回までノーヒットと好投し、6回2安打1失点と試合を作った。打線は一回1死二塁から暴投と捕手・梅野の三塁悪送球で先制に成功。1-0の四回1死一塁にビシエドが左翼席へ4号2ラン、さらに六回1死一塁から右翼ポール際へ5号2ランをたたき込んだ。一時は2点差に詰め寄られたが、九回に3点を追加し、阪神を突き放した。  阪神は先発のメッセンジャーが6回8安打6失点(自責5)と誤算だった。七回に代打で登場したD3位・木浪聖也内野手(ホンダ)がプロ18打席目で初安打となる中前打を放ったが、勝利につなげられなかった。

◆においが気になったのだろうか...。  この日の先発メッセンジャーは、無類のラーメン好き。一回1死二塁からの暴投、さらに捕手・梅野の三塁悪送球で先制点を献上したとき、ヘンな心配をしてしまいました。  甲子園球場では、この中日3連戦と来週末(19-21日)の巨人3連戦で「ラーメン祭り」が開催されます。某テレビ局の情報番組の人気コーナーとのコラボ企画で、関西の有名店が5店舗ずつ球場の外周(一塁側)に出店するのです。  「全部おいしそうでしたよ」  阪神取材の応援に駆けつけていたデスク澄田垂穂です。阪神の練習後、おいしそうなにおいが漂ってきたそうで、それにつられて球場の外へ。「青二犀」や「ENISHI」など行列ができている中で「らーめん小僧」に並びました。  「800円の『黒豚骨 炙り肉ラーメン』に、いろいろトッピングして1100円。寒かったからうまかったです」  ちなみに、メッセンジャーは澄田とは逆で「おいしいスープが薄くなるのが嫌だ」と言って、注文するときは「もやし抜き」「ネギ抜き」「メンマも抜き」。チャーシューと味玉とナルトしかのっていない"トッピング外し"の食べ方をしているそうな。  「僕のトッピングは特製チャーシューと...」  そんな話をしていたら、メッセンジャーが四回にビシエドに2ランを浴びてしまった。まさか本当にラーメンのにおいのせいだったりして。  「ラーメン? ズェンズェン(全然)気付かなかったデズ」  阪神キャップ大石豊佳が鼻声でした。この時期はいつも花粉症に悩まされていて、ラーメンのにおいどころではなかったらしい。  「僕の花粉症は時期が過ぎれば治ります。それより阪神の左アレルギーの方が気になります」  阪神打線は巨人のメルセデスと高橋、広島の床田、1安打で完封されたDeNAの浜口と左腕が先発してきた試合は4連敗中。開幕2戦目の石川(ヤクルト)のときは勝っていますが、スコアは1-0でした。  「ですから、きょうも苦戦するようだと...」  笠原に五回まで四球2つだけ。まさか...は杞憂に終ったけれど、笠原が投げていた間は1点のみ。一方の中日はビシエドが六回にも2ラン。ウチの右の大砲の助っ人・マルテはどうしとるんだと聞いたら、鳴尾浜の練習を取材している織原祥平はこう言うのです。  「ゴールデンウイーク明けかもしれません」  そんなにかかるのか!?  「きょうも打撃練習は室内でした。外で打つのは来週からかな、という感じなんです」  右ふくらはぎの張りからの復帰はまだ時間がかかりそうです。ところで織原はラーメンは?  「僕はいま、のどが痛くてそんなに食欲が」  竹村岳も「もともと、ラーメン、そんなに好きじゃないので。寒かったし、球場の中の食堂で食べました」  え~!? 澄田デスク、誘ってくれんかったん? じゃあ、取材も原稿もいっぱい手伝ってもらいなさい。おいしいラーメンを、トッピングたっぷりで楽しんだぶん、働いてもらお。

◆阪神は中日に4-9で敗れ、今季2度目の、それも甲子園で3連敗となった。完敗のなか、七回に代打で登場したD3位・木浪聖也内野手(24)=ホンダ=が反撃の口火となるプロ初安打。  木浪の篠田小時代の恩師・安田ヤンヤンボーイズの澤田憲郎監督(63)は、青森市内の自宅で試合を観戦。DAZNやスカパーなどあらゆるチャンネルに登録し、リアルタイムで初安打を見届けた。「毎日、夜が来るのが楽しみで、きょうはテレビの前でカメラを構えて、今か今かと待っていました。打った瞬間『出た~!!』と。笑顔が見られてうれしいですね」と喜んだ。  自宅の車庫には、木浪の直近の活躍を伝える"聖也メーター"の横断幕を設置している。「今は『巨人戦、ヤクルト戦出場、元気モリモリ!』なんです。今度は何て(横断幕に)貼ろうか、これから考えないといけないですね」とうれしい悩みを明かした。

◆ビシエドが2打席連続本塁打を放った。四回は変化球を左翼席に運ぶ4号2ラン。昨季の首位打者は「しっかり自分のスイングで打つことができた。久しぶりの良い感覚だった」。六回はフルカウントまで粘り、直球を右翼席に打ち込む5号2ラン。昨季の対戦打率が4割だったメッセンジャーから2発。「ボールが良く見える気がする」と好感触を口にした。

◆阪神は中日に4-9で敗れ、今季2度目の、それも甲子園で3連敗となった。完敗のなか、七回に代打で登場したD3位・木浪聖也内野手(24)=ホンダ=が反撃の口火となるプロ初安打。D1位・近本光司外野手(24)=大阪ガス=は自慢の俊足を生かして、プロ初の猛打賞。若虎の躍動が、敗戦のなかでの光明だ。  トンネルを抜けた先に、甲子園の大歓声が待っていた。まばゆいカクテル光線の中、両手を突き上げる。D3位・木浪がプロ初安打だ。18打席目にしてあげた待望の産声が、3連敗と苦しむチームの希望となった。  「オープン戦のときによかったのはそういうところだと思い出して、積極的にいきました。(無安打の期間は)いい勉強になりました」  七回1死で代打で登場すると、2番手・佐藤のカウント1-1からの3球目、136キロをとらえた。白球はライナーで中前へ。一塁上でガッツポーズすると、ベンチもスタンドも大盛り上がり。一挙3得点の口火を切り、笑顔が弾けた。  オープン戦で破竹の22安打を記録。3月29日のヤクルト戦(京セラ)で開幕スタメンを射止めたが、シーズンでは快音が遠かった。開幕5試合目から先発落ちの日々。やっと奏でた快音に、矢野監督も「前を向いていける1本になったと思います」とひと安心だ。  野球をやっていた父・弘二さん(51)の影響でバットを握った。亜大時代、卒業後の進路も父が道しるべとなった。地元・青森でホンダの販売店に弘二さんが勤めていたこともあり、家族や亜大・生田監督との話し合いの末に「(父の影響は)ありました。社会人が強いところがホンダだった」と入社を決断。無安打が続いた中でもLINE(無料通話アプリ)で弘二さんが「新人らしく、がむしゃらに頑張れ」と励ましてくれた。  ドラフト候補にまで成長させてくれたホンダへの感謝は忘れない。同門から指名されたD4位・斎藤友貴哉投手、ロッテのD7位・松田進内野手とともにグラウンドを整備するバギーと、倉庫を寄贈した。  「お世話になったので。乗り回しているみたいですね」  大先輩の広島・長野は打撃マシンを贈呈。それまでトンボだけで整備をしていたこともあり、在部中の選手からはお礼の電話が相次いだ。感謝を胸に放った初安打だからこそ、心から笑顔になることができた。  「苦しんでいたので、1本出てよかったです」  恩返しは、まだまだこれから。再びアクセル全開で、虎の未来を明るく照らす。(竹村岳) ★父は風呂入らずに...  木浪の父・弘二さんは、母・忍さん(51)と青森県内の自宅でテレビ観戦。お風呂に入ろうとしたところで木浪の出番となり、固唾をのんで見守った。安打を放ったときは忍さんとハイタッチ。愛息の待望の初安打に「試合に出ていないし、負けるし、ずっとピリピリしていました。苦しんだと思うけど、これをスタートにして2本、3本と打ってほしい」とエール。木浪本人も記念球について「(両親に)あげます」と明言していた。

◆風のように一塁ベースを駆け抜けて、内野安打をもぎとった。敗戦のなか、D1位・近本光司外野手(大阪ガス)がプロ初の猛打賞を記録した。  「自分の考えとか、頭のなかがシンプルになってきていることが、今のところ、いい結果につながっていると思います」  チームが敗れたため喜びは控えめだが、6日の広島戦(マツダ)以来、5試合ぶりのスタメンで輝きを放った。六回無死一塁では左前打を放って好機をひろげ、七回には谷元の初球144キロを中前へ弾き返し、甲子園初タイムリーを刻んだ。  九回はボテボテの当たりで中日守備陣がモタつくなか、俊足を飛ばして一塁にいち早く到達。内野安打として、3安打1打点だ。「初回に(塁に)出られなかったことが課題」と反省も忘れなかったが、前夜のプロ初本塁打の勢いそのままに快音を響かせた。  戦友の一打に胸を熱くした。この日、同期のD3位・木浪聖也内野手(ホンダ)が七回にプロ初安打。実は新人2人でお互いの打撃の状態を確認し合い、なんとかプロの壁をぶち破ろうと試行錯誤を続けてきていた。  努力が実り、木浪が「今、(自身の打撃が)どういう状態か、(近本に)聞いたりしていました」と感謝の思いとともに振り返れば、近本も「メチャクチャうれしい。きょうの雰囲気だと、聖也(木浪)なら打てると思っていました」と声を弾ませた。  矢野監督は「チームにとっても大きいし、近本にとってもレギュラーが近づいてくることになっていくと思う」と目を細めた。切磋琢磨できる仲間とともに、背番号5が右肩上がりの成長曲線を描いていく。(新里公章) 近本&木浪の新人コンビについて阪神・清水ヘッドコーチ 「若いやつが活躍してくると(打線が)活性化してくる。(2人が)勢いつけてくれると変わってくる」

◆矢野の断! 阪神は中日に4-9と完敗。順位は5位のままだが、借金はワーストの「3」にふくらんだ。矢野燿大監督(50)は、開幕から4番にすえてきた大山悠輔内野手(24)を八回の守備から今季初めて途中交代させた。主砲として期待する若虎をベンチに下げてまで流れを変えようとしたが...。これで甲子園で3連敗だ。  わずか4日前、本拠地開幕戦で勝利した歓喜が遠い昔のように、甲子園にため息があふれた。4番のブレーキで今季2度目の3連敗。矢野監督もついに動き、大山を途中交代させる断を下した。  「あそこで(大山)悠輔自身も打ってやろうという気持ちだったと思うけどね。ああいうときこそ、いく気持ちと、冷静になる部分というのも必要かなと」  七回、D3位・木浪聖也内野手(ホンダ)のプロ初安打や暴投、D1位・近本光司外野手(大阪ガス)のタイムリーなどで攻め立て、3点を奪って2点差。なおも2死満塁と逆転のチャンスだ。ここで打席には大山。直前で糸井が申告敬遠されていた。打つしかない。4万1109人の虎党は誰もが主砲の一打で、大逆転劇を思い描いた。  しかし...。1、2球目ともに外角低めの変化球を空振りすると、3球目の内角直球に詰まって三ゴロ。竜の背中をつかむことはできなかった。  ここで将が決断した。開幕から13試合連続で固定してきた大山をベンチに下げ、4番に3番手・ジョンソンを投入。「打順のね。ピッチャーの兼ね合いもあるしね。それで代えただけ」と説明したが、流れを変えようとあがいた。しかし、九回2死満塁で再び4番...。代打・鳥谷も空振り三振で試合が終わったのは、あまりにも皮肉だった。  生え抜き4番という大きな期待を背負い、プレッシャーと戦う背番号3は試合終了約30分後、誰よりも遅くロッカーを出て、口を真一文字に結んだままクラブハウスに引き揚げた。指揮官は「(重圧を)背負う打順だもん。そこで悠輔自身が成長していかなアカン」と奮起を促し「(打順の変更は)考えていないです」と降格を否定した。  先発・笠原を打ち崩せず今季、左腕にはこれで5連敗。今季最多の借金「3」という数字以上に課題は山積だ。  「流れを自分たちで持ってこないと。先に先にいけるようにやっていかないとダメかなと思う」  敗れても整列し、ファンに頭を下げる矢野阪神には拍手が送られた。だが、こんな試合での拍手は不本意。今度こそ、勝利という結果で、大きな拍手をわかせてみせる。(大石豊佳)

◆点差以上に競った試合だっただけに、勝敗を決めたのは4番の差でしょうね。エアポケットになっていた大山と、2ラン2発で流れを作ったビシエドは対照的でした。  投手目線で言うと今の大山には怖さがない。威圧感もない。言い方は悪いけど、積み上げた実績もないし、状態もそれほどよくない。王(貞治)さんや長嶋(茂雄)さんは調子が悪いときでも対戦するときは嫌だった。実績がありますから。それが投手の心理です。  今の大山なら、警戒してボールから入ることもないでしょう。七回に糸井を敬遠して満塁で大山で勝負したのも十分、分かります。逆にいえば、あそこで「なにくそ」って打っていれば、4番として成長したでしょうし、信頼もされたでしょう。だけど、勢いを完全に止めてしまいました。  3番の糸井と勝負されないし、大山で攻撃が切れるから、勝負強い福留の前に走者を置けない。矢野監督も難しいでしょうが、大山は6番に置くのがいいのではないでしょうか。打線が打ててないから、4番にこだわる必要はないと思います。(サンケイスポーツ評論家)

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(1↑)
巨人
840 0.667
(↑0.031)
-
(↓0.5)
131
(-1)
53
(+6)
38
(+1)
16
(+2)
5.000
(-)
0.000
(-)
2
(1↓)
ヤクルト
850 0.615
(↓0.052)
0.5
(↑0.5)
130
(-1)
63
(+1)
45
(+6)
11
(+1)
5.000
(-)
0.000
(-)
2
(1↑)
DeNA
850 0.615
(↑0.032)
0.5
(↓0.5)
130
(-1)
65
(+6)
47
(-)
16
(+2)
4.000
(↑1)
0.000
(-)
4
(-)
中日
660 0.500
(↑0.045)
2
(↑0.5)
131
(-1)
50
(+9)
43
(+4)
13
(+2)
9.000
(↑2
0.000
(-)
5
(-)
阪神
580 0.385
(↓0.032)
3.5
(↓0.5)
130
(-1)
44
(+4)
64
(+9)
7
(-)
4.000
(-)
0.000
(-)
6
(-)
広島
3100 0.231
(↓0.019)
5.5
(↓0.5)
130
(-1)
37
(-)
75
(+6)
12
(-)
3.000
(-)
0.000
(-)