広島(☆10対3★)阪神 =リーグ戦2回戦(2019.04.06)・マツダスタジアム=
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阪神
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広島
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勝利投手:床田 寛樹(1勝1敗0S)
敗戦投手:岩貞 祐太(1勝1敗0S)

本塁打
【阪神】福留 孝介(1号・8回表ソロ)
【広島】鈴木 誠也(4号・3回裏2ラン),松山 竜平(1号・5回裏2ラン),會澤 翼(1号・5回裏ソロ),鈴木 誠也(5号・6回裏3ラン)

  DAZN
◆広島は2回裏、2死一三塁から相手失策の間に先制する。その後は3回に鈴木の2ラン、5回に松山の2ランが飛び出すなど、終わってみれば11安打で10得点を挙げた。投げては先発・床田が6回2失点で今季初勝利。敗れた阪神は、先発・岩貞が試合をつくれなかった。

◆プロ21年目の阪神福留孝介外野手(41)がNPB通算1000打点を達成した。8回1死、1号ソロを放った。2日の巨人戦で6回1死一、三塁で右前適時打を放ち王手をかけていた。41歳11カ月での達成は、中日谷繁の42歳5カ月に次いで史上2番目の年長記録となった。 今年、胸元のキャプテンマークは糸原に譲った。それでもベテランとして、陰で若手を導いていた。春季キャンプ2日目。特打をする若手野手のために、打撃投手を買って出た。驚く糸原、北條、植田らを相手に変化球を交えながら97球も投じた。 若手投手が入ったブルペンにもキャンプ序盤から積極的に足を運んだ。岩貞、馬場、藤浪...。その数時間後、ドーム球場内でトレーニングをする福留のもとに藤浪が歩み寄ってきた。福留は両手を大きく広げる動作をしながら、打者目線で気づいた点を約10分間にわたって助言した。 矢野監督もそんな姿に「孝介も素直に感じたことを教えてくれると思うから。そういう役割を買って、やってくれるのはありがたい」と感謝を口にしていた。福留自身にとってもコミュニケーションを取ることに、大きな意味がある。自分が思っていることを伝え、相手が考えていることを聞く。色々な選手と話すことが、福留の新たな学びにつながっている。 PL学園、日本生命を経てドラフト1位で中日へ入団。08年から大リーグに挑戦し、13年に阪神で日本球界に復帰。26日には42歳になる。セ・リーグ野手最年長のベテランは、悲願の優勝を目指して歩みを止めない。 ▼通算1000打点=福留(阪神) 6日の広島2回戦(マツダスタジアム)の8回、中田から1号ソロを放って達成。プロ野球46人目。初打点は中日時代の99年4月4日の広島3回戦(ナゴヤドーム)。41歳11カ月での達成は13年谷繁(中日)の42歳5カ月に次いで2位の年長記録となり、メジャーから日本球界へ復帰後に達成したのは07年中村紀(中日)16年井口(ロッテ)に次いで3人目。

◆広島鈴木誠也外野手(24)が2本の本塁打を放った。まずは1点リードの3回、追撃の4号2ラン。1死一塁から阪神岩貞の初球のカットボールを左翼席まで運び「甘い球を一発で仕留められて、追加点になってよかったです」と話した。 2発目は7-2の6回1死一、三塁から、3番手尾仲のストレートを左中間スタンドにライナーで突き刺す5号3ラン。「追加点になってよかった」と話した。

◆阪神先発の岩貞祐太投手(27)が4回6安打4失点(自責3)で降板した。2回に四球で走者を背負い、味方の失策がからみ先制を許した。3回には1死一塁から4番鈴木に高めに入った変化球を左翼スタンドへ運ばれた。 「追い込んでからの決め球を決めきれず、詰めの甘さが失点につながってしまいました。常にランナーを背負う投球になってしまい、昨日のいい流れを生かすような投球ができず、チームに申し訳ないです」とコメントした。初登板した3月30日のヤクルト戦では、7回途中1安打無失点の好投で勝利投手に。この日は思い通りの投球がなかなかできず、開幕連勝とはならなかった。

◆広島菊池涼介内野手(29)が2戦連続の適時打を放った。 3-0の4回裏2死一、二塁の場面。カウント2-1からの外角球を左前に運び、二塁走者を迎え入れた。「打ったのはストレート。バッティングカウントだったので思い切って打ちにいきました」と話した。

◆阪神が上本博紀内野手(32)の今季初タイムリーで2点をかえした。0-4で迎えた5回先頭の糸原、梅野の連打に相手失策がからみ無死二、三塁のチャンス。岩貞の代打で登場した上本が、外角に入った床田のチェンジアップをとらえて中前2点適時打を放った。 3日巨人戦以来のヒットが今年初のタイムリー。中盤に点差を縮める貴重な一打となった。

◆広島鈴木誠也外野手(24)が1点リードの3回、追撃の4号2ランを放った。 1死一塁から阪神岩貞の初球のカットボールを高々と打ち上げ、左翼席まで運んだ。「甘い球を一発で仕留められて、追加点になってよかったです」と話した。

◆広島5番一塁で先発した広島の松山竜平外野手が、長いトンネルを抜けた。 開幕から無安打が続いていたが、16打席目となるこの日の第2打席で中前打を放った。 3回1死走者なしの場面で岩貞の外角スライダーをとらえた。さらに6-2の5回1死走者なしの場面で、2番手藤川から1号ソロを放った。「打ったのはストレート。とにかく気合で打ちました」と話した。

◆プロ21年目の阪神福留孝介外野手(41)がNPB通算1000打点を達成した。8回1死、1号ソロを放った。2日の巨人戦で6回1死一、三塁で右前適時打を放ち王手をかけていた。41歳11カ月での達成は、中日谷繁の42歳5カ月に次いで史上2番目の年長記録となった。 ▼通算1000打点=福留(阪神) 6日の広島2回戦(マツダスタジアム)の8回、中田から1号ソロを放って達成。プロ野球46人目。初打点は中日時代の99年4月4日の広島3回戦(ナゴヤドーム)。41歳11カ月での達成は13年谷繁(中日)の42歳5カ月に次いで2位の年長記録となり、メジャーから日本球界へ復帰後に達成したのは07年中村紀(中日)16年井口(ロッテ)に次いで3人目。

◆プロ21年目の阪神福留孝介外野手(41)がNPB通算1000打点を達成した。 ◆PL学園時代の元監督中村順司氏 「40代になった今も、チームの中心選手として活躍し、また1000打点を達成したのは日ごろの節制のたまものだと思います。センターバックスクリーンへの本塁打で達成したのも、孝介らしい。高校時代から見てきて、春夏の甲子園でのホームランや国体などで記憶に残る記録を残してきたのが孝介です。本当におめでとう。でもグラウンドでの姿を見る限り、まだ通過点だと思います」

◆広島先発床田寛樹投手が阪神打線を6回2失点に抑え、1年目の17年4月12日巨人戦以来、724日ぶりのプロ2勝目を挙げた。 同年7月に左肘のトミー・ジョン手術を受けている。右上腕の腱(けん)を肘に移植する大手術。長いリハビリを経て復帰し、今季登板2試合目で勝った。6回無死一、二塁のピンチを自力でしのぎ、投球数は1、2軍通してプロ入り最多の111球。「勝ててうれしい」とかみしめた。緒方監督は「最後のところをしっかりと投げ切れたからね。いい経験をしたんで、また期待できる」とねぎらった。

◆広島は5番一塁で先発した松山竜平内野手がトンネルを抜けた。第2打席で岩貞から中前打を放ち、開幕からの連続打席無安打を15でストップ。 5回無死一塁の場面では、2番手藤川から1号2ランまでかっ飛ばした。「迷惑しかかけてないので、やるしかない」と神妙な表情。緒方監督は「やっと(個人的に)開幕できたんで、ちょっと肩の力は抜けるでしょう」と期待した。

◆広島は4番鈴木の2発を含む4本塁打10点の猛攻で阪神を圧倒した。緒方孝市監督(50)の一問一答は次の通り。 -打つべき人が打ち、出てきてほしい若手が勝った 緒方監督 床田は立ち上がり球が高かったけど、しかり修正して(試合を)つくってくれた。打線は4回まで非常にいい攻撃で、展開がよかった。ミスでの失点はしっかり反省する中で、最後まで集中して、いいスイングを、いい打撃をしてくれた。誠也しかり。松山もやっと(個人的に)開幕できたんで、ちょっと肩の力は抜けるでしょう。 -床田が粘った 緒方監督 最後のところをしっかりと投げ切れたからね。あそこで崩れるようだったらまた...。そこをしっかりしたボールを最後まで投げ切れた。いい経験をしたんで、また期待できる。

◆左足薬指を骨折しながら出場を続ける阪神梅野隆太郎捕手が、ド根性の3安打を放った。3回無死一塁、床田の直球をとらえて、チーム初安打となる左前打を放った。5回無死一塁では得点機を広げる内野安打を放ち、7回にも左前打と3打数3安打。 「次の試合に生きてくる部分はあると思うので、自分のやるべきことに関しては結果が出てよかったかなと思います」。チーム7安打中、約半分の安打を放って奮闘した。 2日の巨人戦(東京ドーム)の走塁で負傷し、2試合チームを離れたが5日に再合流。この日は7回守備から途中交代したが、痛みをこらえて連日気持ちのこもったプレーを見せている。試合は投手陣が4本塁打を浴び、10失点で完敗した。「また明日の試合があるので、1勝1敗で来ているので、なんとか勝ち越せるように」。週明け9日からはいよいよ甲子園で6連戦(対DeNA、中日)を戦える。白星をつかんでホームに帰りたい。

◆阪神がまたも拙攻拙守で王者広島に完敗した。2回2死一、三塁。投手床田の打球は一塁正面へ。だが、どん詰まりではずんで一塁中谷が捕球できず。 適時失策を犯すと、一塁送球にあわてて悪送球...。ダブルエラーを犯してしまった。攻守交代のはずが、みすみす先取点を献上。前夜の逆転勝ちの気勢はそがれた。 前日5日に代打逆転アーチを架けた中谷を一塁で今季初先発の用兵も実らず、矢野監督は「あれが(気持ちの)引いたプレーだったら俺もちょっとどうかなと思うけどね。俺の責任の部分はある。でも、マサヒロは、あれをアウトにできるようにやっていかなアカンと思う」と振り返った。2点差に迫った中盤は救援陣がつかまり、この日は4被弾。またも大量10失点で、今週は5戦で37失点と投手陣が本領を発揮できない。 打線も振るわず「初物」に連敗だ。この日は今季初めて近本を1番に起用。4戦連続で打線改造したが、緩急差で勝負する左腕床田を打ち崩せない。指揮官も「ちょっとこっちも、もうちょっと何かこう、なんていうのかなあ...。点を取れた感じはあった」と首をかしげた。4日巨人戦の新人高橋に続いて、またも初対決の投手に白星を許した。 チーム打率1割9分8厘だけでなく、チーム防御率4・89もリーグ最下位に転落。試合後は投手と野手を集めた緊急ミーティングを行った。指揮官は「俺が気づいたことをみんなに伝えさせてもらって、別に今日負けたことは取り返せないので、これから勝てるようにとか、もっと良くなるようにという話」と危機感をにじませた。【酒井俊作】   ◆阪神久慈内野守備走塁コーチ(中谷のダブル失策について)「(捕球ミスして)その後の送球で間に合わないなら投げなくていい。エラーが出ると、流れがなかなかね...」

◆プロ21年目の阪神福留孝介外野手(41)がNPB通算1000打点を達成した。8回1死、1号ソロを放った。プロ野球46人目。2年前の17年1月。宮崎の高級ホテルで"ルーキー"として名球会総会の前夜祭に参加した阪神福留孝介外野手は、日本国内だけの2000安打を誓った。 「まだ僕は日米通算の2000安打。日本だけで2000安打を打てるように頑張っていきたい」。居並ぶ重鎮たちを前にして珍しく数字の目標を掲げた。その時点で金字塔まで残り424安打。それから残り186安打まで減った。42歳シーズンもチームでは外野手のレギュラーとして欠かせない存在。もちろん、この記録も達成されると思っている。【阪神担当 桝井聡】

◆開幕から2番中堅でフル出場してきた阪神ドラフト1位ルーキーの近本光司外野手が初の1番に起用された。 5回に犠打を決めたが、投手交代の絡みもあり、プロ初の途中交代となった。「しっかり塁に出ること。状況に応じてしっかり仕事をすることを考えていました」。準備を整えゲームに臨んだが、結果は2打数無安打。矢野監督は打順変更について「いろいろ考えがある。これから何がいいのか探す部分でもある」と話した。

◆昨年6月の左膝前十字靱帯(じんたい)手術から再起を期す阪神上本博紀内野手が、復帰後初打点を2点タイムリーで飾った。 4点を追う5回に岩貞の代打で登場。無死二、三塁から床田の真っすぐを中前に運んだ。一時2点差に迫る反撃の一打だったが、その後大量失点で完敗。 試合後は「特にないです」と一言残してバスに乗り込んだ。

◆広島鈴木誠也外野手が2発5打点と打ちまくり、9年ぶりの開幕3カード連続負け越しを阻止した。 4号2ランは1点リードの3回、岩貞の甘いカットボールを左翼スタンドへ。5号3ランは5点リードの6回、3番手尾仲の直球を左中間席にライナーで突き刺した。いずれも相手に大きなダメージを与える豪快弾だった。 セ・リーグ打撃2冠に躍り出た。5本塁打、12打点はいずれも単独トップ。それでも「ホームランはたまたまです。狙ってないです。ヒットの延長がホームラン」とそっけない。打点にこだわりを持つが「すぐに抜かれます。今はそこで勝負していない」と、勝利への貢献を重視している。8回には右前打でチャンスメークし、今季初の猛打賞で打率も4割に乗せた。 打たなければならなかった。2年ぶりの勝利を目指す同学年の床田が先発していた。17年に右足首を骨折して広島・廿日市市の2軍施設でリハビリを行った際、左肘手術から復活を期す床田がいた。同じ苦しみを共有した同志。「粘って投げてくれていたんで、何とか援護できればと思っていた」と振り返った。 チームの中心に、4番鈴木がいる。ヒーローインタビューでは「打って、打ちまくれるようにがんばります」と、さらなる打棒爆発を予告した。【村野森】

◆意地のメモリアル弾だ。阪神福留孝介外野手(41)が日本通算1000打点を今季1号で飾った。8回8点ビハインドにも集中力を研ぎ澄まし、広島中田の変化球をバックスクリーンに運んだ。41歳11カ月の達成は谷繁元信氏(48=日刊スポーツ評論家)の42歳5カ月に次ぎ、2番目の年長記録。前夜逆転勝ちの勢いを生かせず10失点で完敗した中で、前主将がバットでチームを鼓舞した。記念すべき打点を、驚きの豪快アーチで刻んだ。8回1死走者なし。カウント1-2の6球目だった。白木のバットを握りしめた福留が、広島中田の真ん中に入った変化球をきれいなスイングでつかまえた。打球はセンター方向へ一直線に伸びると、そのままバックスクリーンに吸い込まれた。 夕刻のマツダスタジアムに敵味方関係なく降り注ぐ両軍ファンからの拍手。ダイヤモンドを一周し、花束を持った福留は、スタンドに向かって深々と頭を下げた。「本当にありがたいこと。1人で出来ることではない。そういう中での積み重ね。周りの方にも感謝です」。大量8点差にも集中力を切らさず、3年前に日米通算2000安打を放った球場で、メモリアル打点を記録した。 「孝介がホームランを打つ夢を見た。そんなことばっかり考えてるからかな」。広島からはるか600キロも離れた鹿児島・大隅半島で毎日のようにテレビの前に陣取る父・景文さんだ。開幕直前に福留が本塁打をかっ飛ばす姿が夢に出てきた。予言していた豪快アーチ。だが、まさかそれが日本通算1000打点を刻むアーチとは...。夢を超える現実だった。 今月26日には42歳の誕生日を迎える。セ・リーグ野手最年長に、チーム最年長と「年長」が注目される。だが、グラウンドでユニホームを着る福留は、年齢を理由にすることは一切ない。敗戦の試合後、プロ20年生はいつものように次戦に目を向けた。「今日の負けを引きずるんじゃなく切り替えて。毎日それの繰り返しだから」。日々繰り返す努力を積み重ね、想像を超える領域に到達。完敗試合でもナインを鼓舞し、7日の必勝を期した。【桝井聡】   ◆PL学園時代の元監督中村順司氏「40代になった今も、チームの中心選手として活躍し、また1000打点を達成したのは日ごろの節制のたまものだと思います。センターバックスクリーンへの本塁打で達成したのも、孝介らしい。高校時代から見てきて、春夏の甲子園でのホームランや国体などで記憶に残る記録を残してきたのが孝介です。本当におめでとう。でもグラウンドでの姿を見る限り、まだ通過点だと思います」

◆広島・鈴木誠也外野手(24)が6日、阪神戦(マツダ)の1-0の三回1死一塁で左翼へ2戦連発となる4号2ランを放った。悠々とダイヤモンドを一周すると笑顔でナインとハイタッチを交わした。  「甘い球を一発で仕留められて、追加点になって良かったです」  1点リードの三回1死から野間が中前打、そして鈴木が岩貞の初球カットボールを振り抜き、怪力で左翼席まで引っ張った。2戦連発弾に3万人以上が入ったマツダスタジアムはドッと盛り上がった。  ここまで8試合で4本塁打を放っている若きスラッガーはシーズンの143試合で換算すると72本塁打(71・5)と驚異的なペースでアーチを量産している。

◆広島・松山竜平外野手(33)が6日、阪神戦(マツダ)の4-2の五回無死一塁で藤川から右翼へ今季1号2ランを放った。「鯉のアンパンマン」の愛称で親しまれているスラッガーの"アンパンチ"に球場のちびっ子は大喜びだ。  「とにかく気合で打ちました」  先頭の鈴木が四球で歩き、松山が藤川の直球を振り抜き、打球は右翼席の前列に着弾。試合前時点で14打席ノーヒットの男が3試合ぶりのスタメン起用に気持ちが奮い立った。  松山は九州国際大時代からいつも丸刈りで顔がまるまるとしていることから愛称は「アンパンマン」。カープに入ったことから「鯉のアンパンマン」として呼ばれるようになった。

◆阪神は6日、敵地マツダスタジアムで広島と対戦、守りのミスで先制点を与えて、連勝に失敗した。二回2死一、二塁で先発岩貞は投手の床田を一ゴロに打ち取ったが、一塁手で先発した中谷がファンブルし、さらに一塁に悪送球、二塁走者が生還し、先制点を与えた。岩貞は三回、鈴木に2ランを浴びた。四回にも菊池涼にタイムリーを浴び、4回4失点。阪神は五回、代打上本の左前2点打で追撃態勢に入ったが、五回から登板した2番手藤川が松山に2ラン、会沢にソロを浴び、点差を広げられた。阪神は福留が八回に今季1号ソロを放ち、NPB通算1000打点に到達したが、3-10で敗れた。投手陣は4被弾で最下位に転落した。

◆阪神の福留が八回に1号ソロを放ち、41歳11カ月で通算1000打点を達成した。中日時代の谷繁の42歳5カ月に次ぐ、史上2番目の年長記録になった。中堅に豪快に運んだが、チームは大敗。「ランナーがいる場面で打てていればもっとよかった」と笑顔はなかった。  中軸を担うベテランに、矢野監督は「そこを目標にやっているわけではないと思うが、やってきた勲章でもある。またいい場面で打ってくれたら」と賛辞を贈った。

◆広島は4本塁打が飛び出すなど、ともに今季最多の11安打10得点と打線が爆発した。緒方監督は「最後まで集中していいスイングをしていた」と褒めた。  三回、鈴木が2試合連発となる2ランを左越えに運ぶと、五回は松山、会沢がそろって今季1号。六回にも鈴木がリーグトップとなる5号3ラン。「甘い球をしっかりと振り切れたのがよかった」と喜んだ。  開幕から当たりが出ず、三回に今季16打席目で初安打をマークした5番の松山は「とにかく気合で打ちました」と笑顔だった。

◆前日に連敗を「4」で止めたが、流れを変えられない。阪神は広島に3-10で惨敗。打てない、守れないの完敗に、矢野監督は厳しい表情を浮かべた。  「毎日、毎日、気持ちを切り替えてという部分だけじゃないよ。今日の試合で切り替えて明日、頑張りましょうみたいな、そんな簡単な話をしているつもりはない」  2番に固定していたD1位・近本を1番に起用し、前日に代打逆転弾を放った中谷を6番に起用する新打線で臨んだが、不発。中谷は二回の守備で打球を弾き、さらに悪送球して先制点を献上してしまった。  開幕から8試合連続3得点以下は1959年の7試合を超えて球団史上ワースト。開幕から8試合連続2桁安打なしも63、91年を超えて球団史上最悪となった。  「俺が気づいたことを、みんなに伝えさせてもらった。今日負けたことは取り返せないので、これから勝てるようにとか、もっと良くなるようにという話を」  シーズンは始まったばかりなのに、危機感たっぷり。新監督が早くも正念場に立たされている。(大石豊佳)

◆阪神・福留孝介外野手(41)が6日、広島戦(マツダ)の八回に1号ソロを放ち、41歳11カ月でNPB通算1000打点を達成した。中日時代の谷繁の42歳5カ月に次ぐ、史上2番目の年長記録となった。「一人でできることではない。周りの方に感謝したいです」。ただ試合は大敗し(ホームランは)もっと早く、チームが勢いづく場面の方がいいけれど」と淡々と振り返った。

◆福留がNPB通算1000打点を挙げた。NPBでは46人目。41歳11カ月での達成は谷繁元信(中日)の42歳5カ月に次ぐ史上2番目の年長  福留はメジャーリーグで195打点。日米通算では山崎武司(中日など)の1205に続く歴代25位、現役では阿部(巨人)に続く2位

◆いつ濡れし 松の根方ぞ 春しぐれ...(久保田万太郎)  お花見に行かれましたか? みなさま...。  いえ、言いたいことはいっぱいたまってるんでござんしょう。それに言ったってドーにもならないことが、実はゴミ収集車に頼んで回収にきてもらいたいほど"散らかって"いるハズです。でもねぇ...今、日本中は花盛り。そしてどこにいってもお花見を楽しむ人々...。ですから、やけ酒にぐでんぐでんになって「あのなぁ俺は毎年優勝してくれとは言うたことないんじゃ。たまにでエエ...たまに...。ゼイタクは言わんのや...」。  春時雨(しぐれ)とは、この時期に「たちまちに晴れ、またしても降ってくる雨...」のことです。それも生暖かく、それでいて思わせぶりな...降りかたをするんです。それなのにこの時期のしぐれは「花時雨」と書いて...なんかイイ女みたいな感じをかもしだすんです。  え、何をブツクサ言うのかって...別に言うのは私の勝手でしょ。  そういえば昨日は広島の方で何ぞおましたんでっか。編集委員上田雅昭は電話をくれて言うのです。「昨日は東京から広島へ新幹線移動で満開の桜を見た。そして今朝は鯉城の周囲はもちろん桜が満開や。これを見ずに平和公園を散策せんと帰阪できへんでェ...」。  上田はあえて試合の話を割愛した。大阪で俺の歯ぎしりが聞こえるか。  するとね、若いトラ番竹村岳までが「せっかくここまで来たら鯉城の夜桜を見ながらランニングしない手はないですョ。それで前夜は試合後に走りました」というのです。また歯ぎしりです。  要するにやつらは会社の金で広島に何しに行っとるんじゃ!  おいキャップ大石豊佳よ、貴様は何か希望の糸口をこの『虎ソナ』の読者だけにコソッと知らせてくれるんじゃろな...。  「もちろんです。きょうは近本1番です。期待してください。僕の花粉症はなくなりました。けど今度は大陸の方から"黄砂"がものすごいんです。敏感なのは損です。先輩はその点、いいですね」だと。コラコラァ、俺は"鈍感"だというのか...。  実は1989(平成元)年4月8日、阪神は開幕戦を広島で迎えた。この年は、前年にバースが息子の病気で退団、掛布雅之(現オーナー付SEA)も引退して史上最強のクリーンアップはガタガタ。当時の村山監督は仕方なく「少年隊」で戦うと、今の矢野阪神のように若手を並べたがそう簡単にはいかない。となると投手陣が深夜に集合して「せめて俺達だけでもがんばろう!」と決起集会をひらいて意思統一をはかったが、野球は点をとらないと勝てない。  開幕戦は新大砲のフィルダーが本塁打を放って○5-4。ここまではよかったが、2戦目は●0-8。そして甲子園にもどり、巨人→中日→大洋に○●●●●●●...最下位に落ちて...。哀しき歴史のリフレイン。  マツダスタジアムという舞台でこの日、演じられたパフォーマンスを「まだ始まったばかりだから...」というのは空虚な"なぐさめ"にすぎないのだ。  大正から昭和の初期に異色の作家梶井基次郎が『桜の樹の下には』という散文詩を書いた。  -桜の樹の下には屍体(したい)が埋まっている!  つまり、桜の美しさは人間を含めた動物の死によって成り立っている、死によってこそ美しさが信じられる...と。  八回に福留孝介のNPB通算1000打点のホームランが出た。このアーチの底にある美しさ...桜はその覚悟で咲くしかないのだろうか。

◆まさかの借金生活が続く中、開幕8試合目で一気にマグマが噴火したような勢いだった。広島が今季最多の10得点で阪神を粉砕。鈴木が1試合2本塁打を含む3安打5打点の活躍で、同学年の床田に724日ぶりの勝利をプレゼントした。  「床田とは大野(練習場)で一緒に(リハビリを)やってきた。しっかりと投げてくれていたので、援護できればいいなと思っていました」  ともに24歳で、鈴木は2017年8月に右足首の手術を、床田は同年7月に左肘の靱帯再建手術を受けて、同時期に大野練習場でリハビリを続けた。同じような苦労を味わって1軍に戻ってきた床田をバットで援護しようと気合が入った。  まずは1-0の三回1死一塁で岩貞のカットボールを捉えて左翼席へ4号2ランを放り込むと、五回は四球、5点リードの六回1死一、三塁では尾仲の直球を左中間へ運ぶ5号3ラン。八回には守屋から右前打で今季初の猛打賞をマーク。これで打率・400、5本塁打、12打点とし、本塁打と打点でリーグトップに浮上。通算100本塁打にもあと「4」と迫った。  負ければ、2015年8月以来のマツダスタジアム4連敗、2010年3月以来の開幕から3カード連続での負け越しとなるところだったが、鈴木の2本塁打に呼応して松山と会沢にも一発が飛び出し、連敗を阻止。緒方監督も「打席で集中してくれている」とうなずいた。  「まだ130試合もある。心配しないでください。打って、打って、打ちまくれるように頑張ります」  鈴木が、お立ち台から、3万1777人の大観衆に、チームの巻き返しと4番のさらなる打棒爆発を約束した。 (柏村翔)

◆1つの勝ちも良薬にはならず、また貧打に泣かされた。打線組み替えも不発で、球団史上ワーストを更新する開幕から8試合連続3得点以下。記録的貧打に、矢野監督は厳しい表情を浮かべた。  「毎日、毎日、気持ちを切り替えてという部分だけじゃないよ。今日の試合で切り替えて明日、頑張りましょうみたいな、そんな簡単な話をしているつもりはない」  試合後、選手に切り替えてという話をしたのか? と問われ、ぶつけようのない怒りを押さえ込むように言葉を発した。  こだわりを捨てて打線を組み替えた。オープン戦から2番に固定していたD1位・近本光司外野手(大阪ガス)を初めて1番で起用。「俺の中で考えはあるけど、それをみんなに言うことはできない。これからも何がいいか探す部分でもあると思うから」。2番として「理想的」とまで評したルーキーを動かしたが、うまくいかなかった。  近本は2打数無安打で途中交代。2番・北條も5タコで、新1、2番コンビは機能しなかった。6番には前日に代打逆転2ランを放った中谷を起用したが、4打数無安打のうえ、守っては二回に打球の処理を焦り、先制点を献上する失策。投手陣は先発・岩貞が4回4失点と試合を作れず、流れを変えようと投入した2番手・藤川が2被弾3失点。接戦を制して連敗を止めた前夜がウソのような完敗ぶりだった。  開幕から8試合連続3得点以下は1959年の7試合を超えて球団史上ワースト。開幕から8試合連続2桁安打なしも63、91年を超えて球団史上最悪となった。  試合後には野手を集めて「今日負けたことは取り返せないので、これから勝てるように、もっと良くなるように」とハッパをかけた。「俺が気づいたことを、みんなに伝えさせてもらった」。シーズンは始まったばかりなのに危機感たっぷり。新監督が早くも正念場に立たされている。 (大石豊佳) 初めて1番で出場した阪神のD1位・近本光司外野手(大阪ガス) 「しっかり塁に出ることが一番大事。状況に応じて仕事をしないといけないと思っていた」 打順の組み替えについて阪神・清水ヘッドコーチ 「監督、バッティングコーチと相談していきます」 三回の守備で中谷が打球を弾き、さらに悪送球した失策について阪神・久慈内野守備走塁コーチ 「捕球ミスした後の送球がいらなかった。エラーは出るものだけど、そのなかでもう1つ出ると、ビジターなので流れが(悪くなる)ね」

◆前日5日に連敗を「4」で止めた阪神は、広島に3-10と惨敗。福留孝介外野手(41)が八回にNPB通算1000打点を記録する1号ソロを放ったが、またも3点取るのが精いっぱい。球団ワーストを更新する攻撃陣の貧弱さに、矢野燿大監督(50)は「切り替えて明日、頑張りましょうみたいな、簡単な話をしているつもりはない」と渋い表情だった。  劣勢のなかで花束を受け取る横顔に笑顔はなかった。福留が1号ソロでNPB通算1000打点に到達。大敗のなか、虎党の留飲を下げるアーチをかけた。  「一人でできることではない。周りの方に感謝したいです。(ホームランは)もっと早く、チームが勢いづく場面の方がいいけれど」  試合後は淡々と振り返った。2-10の八回1死。カウント1-2から広島の3番手・中田の甘いカットボールを見逃さず、フルスイング。バックスクリーンへ運んだ。  31打席目での今季初本塁打で、プロ21年のキャリアに新たな勲章が加わった。米大リーグでも195打点を積み上げているが、国内だけで1000打点に到達。41歳11カ月での達成は谷繁元信(中日)に次ぐ史上2番目の年長記録だ。  オンもオフもない。野球への情熱は、いつ、どこにいても熱く燃える。遠征先の食事会場でも、若虎とテーブルを囲むと「(ティー打撃の)台をこするだろう? 難しいんだよな」と安定したミートポイントの重要性を説き始める。プロの世界を生き抜いてきた術を"福留塾"で伝え、自らのバットでもチームをけん引。苦戦が続く矢野虎にあって、41歳の存在感が猛虎のファイティングポーズを支えている。  矢野監督は「1000打点ってすごいことやしね。ベテランになって数字が残るっていうのは、もちろんこれからの励みっていう部分もあるし、やってきた勲章でもあると思う」と称賛。「明日からまたいい場面で打ってくれるようになってくれたら」と最敬礼した。  チームは借金「2」となって広島、中日と並んで再び4位タイの最下位となったが、まだ8試合を戦っただけ。下を向くのは早すぎる。福留もそれを強調した。  「選手がきょうの負けを引きずるんじゃなく、切り替えていかないと。毎日、それの繰り返しです」  1000打点は通過点。もっともっと、ひと振りでチームを救う。(新里公章)

◆一方的な展開になったのは4本塁打を浴びたこと。被本塁打13本は12球団ワーストだ。前カードの巨人戦から、坂本勇、丸、岡本(いずれも巨人)、鈴木(広島)ら力のある打者に一発を浴びて、試合の流れが一気に傾いてしまっている。  現状で大量得点を望めない以上、いかに失点を防ぐか。どうすれば本塁打を減らせられるか、もっと考えなければいけないだろう。各打者にどんな攻めが有効なのか、洗い直す必要もある。お手本になるのが5日のメッセンジャー。低めに丁寧に投げて、被害を最小限に抑えていた。  攻撃面では正直、特効薬は見当たらない。近本を1番にするなど打順を入れ替えたが、これは選手に刺激を与えるため。調子のいい打者が見当たらない状況では、誰を何番に、と言いづらい。選手個々がミーティングの情報から、練習の中で、トレーニングの中で、取っかかりを見つけて、調子を上げるしかない。  試合を見ていて感じることが1つ。これだけ長打が少ないのは、各自の絞り球がうまくできていないのではないか。追い込まれて、食らいついての単打はあるが、最初からしっかり対応して打てた安打が少なすぎる。ミーティングでの事前情報を生かして打席に立ってもらいたい。(サンケイスポーツ専属評論家)

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
巨人
620 0.750
(↓0.107)
-
(-)
135
(-1)
41
(+2)
28
(+9)
12
(-)
4.000
(-)
0.000
(-)
2
(-)
ヤクルト
530 0.625
(↑0.054)
1
(↑1)
135
(-1)
30
(+4)
30
(+3)
8
(+2)
4.000
(↑2)
0.000
(-)
3
(-)
DeNA
440 0.500
(↑0.071)
2
(↑1)
135
(-1)
39
(+9)
32
(+2)
9
(+1)
2.000
(-)
0.000
(-)
4
(2↑)
広島
350 0.375
(↑0.089)
3
(↑1)
135
(-1)
31
(+10)
29
(+3)
11
(+4)
3.000
(-)
0.000
(-)
4
(1↓)
中日
350 0.375
(↓0.054)
3
(-)
135
(-1)
34
(+3)
33
(+4)
8
(+2)
7.000
(↑3)
0.000
(-)
4
(1↓)
阪神
350 0.375
(↓0.054)
3
(-)
135
(-1)
17
(+3)
40
(+10)
4
(+1)
2.000
(-)
0.000
(-)