巨人(☆10対1★)阪神 =リーグ戦3回戦(2019.04.04)・東京ドーム=
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阪神
0000100001611
巨人
30032101X101514
勝利投手:髙橋 優貴(1勝0敗0S)
敗戦投手:浜地 真澄(0勝1敗0S)

本塁打
【阪神】坂本 工宜(1号・5回表ソロ)
【巨人】岡本 和真(2号・1回裏2ラン),坂本 勇人(1号・4回裏3ラン),岡本 和真(3号・5回裏ソロ),亀井 善行(1号・5回裏ソロ)

  DAZN
◆巨人が一発攻勢で5連勝。巨人は1回裏、岡本が2ランを放ち先制に成功する。その後は、4回に坂本勇の3ラン、5回には岡本、亀井の2者連続本塁打が飛び出し、リードを広げた。投げては、先発・高橋が6回1失点でプロ初勝利。敗れた阪神は、投打ともに振るわなかった。

◆昨季限りで阪神を退団し、BC栃木でプレーする西岡剛内野手(34)が、巨人3軍との一戦でソロ本塁打を放った。 0-0で迎えた6回2死、巨人育成の橋本篤郎投手(21)から左翼の防球ネットに直撃する1発を放った。1打席目はルーキー戸郷翔征投手(19)の147キロの直球を二ゴロ。2打席目は戸郷のフォークを空振り三振だった。3打数1安打1打点で、6回裏の守備から交代した。

◆巨人原監督が仕掛けた。2点リードの1回2死一、三塁。打者田中俊のカウント1-2からの4球目だった。 一塁走者のゲレーロにスタートを切らせ、三塁走者の亀井も追うように本塁を陥れる鮮やかな重盗で追加点を奪った。

◆巨人陽岱鋼外野手が、阪神戦の7回に右手甲付近に死球を受けて負傷交代した。

◆プロ初先発した阪神浜地真澄投手が、2本の本塁打を浴びるなど4回9安打6失点で降板した。 初回、先頭の吉川尚に全球直球勝負で遊ゴロに。続く2番坂本勇に中前打を許すと、2死一塁から4番岡本に先制の2ランを浴びた。4回には2死一、二塁から坂本勇に3ランを献上。それでも3番丸からフォークで2つの見逃し三振を奪い、対戦した3打席全てを抑えるなど意地も見せた。 プロ初めての先発はほろ苦いものになった。「多少の緊張はありましたが、それ以前に自分の力を出し切ることが出来ず、悔しさの残る登板になってしまいました。初回の失点だけでなんとか粘りたかったのですが、先発の役割を果たすことができず、野手の方々に申し訳ないです」とコメントした。

◆ソフトボール女子日本代表の上野由岐子投手(36)と我妻悠香捕手(24=ビックカメラ高崎)が4日、東京ドームで、プロ野球巨人-阪神戦の始球式を行った。6月に行われる日米対抗ソフトボール(22、23日シェルコムせんだい、25日東京ドーム)のPRを兼ねたもので、大観衆の中、マウンド上で仁王立ちした上野は、我妻のミットめがけて、ど真ん中に直球を投げ込んだ。 全力ではなかったが、打席に立った阪神上本はのけぞるように空振り。球速は出なかったものの、我妻のミットに収まったバシッという大きな音に球場がどよめいた。堂々たる始球式を披露したが、無事に終わると2人とも「緊張しました」とホッとした表情。広い球場でインパクトのある投球をしようと考えていた上野は「少しでもソフトボールを知ってもらって、見に来ようかなと思ってもらえたら。たくさんの観客の前で投げられて、またここに戻って来たいと思えるようないい刺激をもらった」と話した。 女子日本代表は2月にオーストラリア、米国でみっちり合宿を行った。毎日のように練習試合を行い、技術面を強化し、経験を積んだ。5月にはアジアカップ(1日開幕、インドネシア)も控え、代表の戦いが熱を帯びてくる。 昨夏の世界選手権では、最大のライバル米国と激闘の末、決勝で敗れ銀メダルに終わった。東京五輪までお互いしのぎを削る戦いが続く。上野は「今まで以上に注目され、結果も求められると思う。昨年負けているので(日米対抗)でリベンジしたい」と意欲を燃やす。 13日からはリーグ戦も開幕。国内で試合をこなしながら、世界と戦うため、個々の力を上げていく。上野は「勝負の年になるので、しっかりアピールして戦っていく」と話し、我妻も「日米対抗に向け、新しいものを出していけるように力をつけたい」と意気込みを語った。日本を引っ張るエースと若き司令塔の2人にとって大事な1年がいよいよスタートする。【松熊洋介】

◆巨人岡本和真内野手が、2試合連続となる先制2号2ランを放った。1回2死一塁、阪神浜地のスライダーを左中間スタンドに運んだ。 「何とかつなぐ意識を持って、打席に入りました。入ってよかったです」とコメント。同学年の先発高橋を強烈な1発で援護した。

◆巨人が5連勝。先発したドラフト1位高橋が初登板初勝利。6回をソロ本塁打による1失点。15安打10得点の打線で岡本は1回に2戦連発となる先制2ラン、5回にも1発。阪神は初登板先発の浜地が打たれ4連敗。

◆巨人のドラフト1位、高橋優貴投手(22)が、阪神3回戦(東京ドーム)に初登板初先発し、プロ初勝利を挙げた。大卒新人では60年青木以来、球団59年ぶり。この日は阪神もプロ初登板の浜地真澄投手(20)が先発。伝統のGT戦では史上初の初登板どうしの先発対決だったが、6回1失点の好投で制した。巨人の新人が「伝統の一戦」で初登板初勝利を飾ったのは、史上初めてだ。勝利の証しとともに、目の前に夢に見た景色が広がった。高橋はジャビット人形を左脇、プロ初勝利のウイニングボールを左手に抱えながら、お立ち台へ。バックネット裏で見守る両親へ感謝の言葉を並べた。「ここまで育ててくださってありがとうございました。これからはこうやって活躍して恩返ししていきたいと思います」。22歳の長男として、晴れ姿を届けた。 阪神打線を相手に持てる力を出しきった。最速142キロの速球を中心にスライダー、スクリューで緩急をつけた。「オープン戦初登板の方が緊張しました」と時折笑みも見せながら、落ち着いた表情でテンポよく腕を振った。6回までソロ1本のみの4安打1失点。役目を果たし、ベンチでは宮本投手総合コーチにグータッチでたたえられた。 晴れの日まで、1歩ずつ歩んだ。元々衝動買いをしないタイプ。3月に買い物に行った際、2万円後半の「ポーター」のトートバッグを見つけたが「思ったより高かったので」と購入を見送った。巨人にも即戦力のドラ1として期待をかけられるが「僕は代表に入ったこともない。上茶谷、甲斐野、松本、清水と同じ土俵に立ってるのがおかしいくらいですよ」と、背伸びはしなかった。 2月の紅白戦では変化球の制球、セットポジションの精度、オープン戦ではマウンドへの慣れ、と課題を1つずつ克服。「階段を飛び越さないようにしたい。でも今、目の前にあるチャンスをつかまないと、この先もずっとつかめないと思う」。だからこそ、この1勝に価値がある。 上原、菅野も達成できなかった、球団59年ぶりの大卒初登板初勝利の偉業を成し遂げた。伝統の巨人阪神戦で新人が初登板初勝利したのは初めてのこと。「これからも日々勉強して、少しずつでも成長していきたい」。等身大の22歳の可能性が無限に広がった。【桑原幹久】

◆巨人のドラフト1位、高橋優貴投手(22)が、阪神3回戦(東京ドーム)に初登板初先発し、プロ初勝利を挙げた。大卒新人では60年青木以来、球団59年ぶり。巨人高橋の父幸司さん ひとまず、またこれから先につながる1勝だと思います。今日は野手に助けられたところもありましたし、全部がいいわけじゃないけど、そんなに悪くないピッチングだったと思います。これからもおごらずに頑張ってほしいですね。

◆巨人のドラフト1位、高橋優貴投手(22)が、阪神3回戦(東京ドーム)に初登板初先発し、プロ初勝利を挙げた。大卒新人では60年青木以来、球団59年ぶり。この日は阪神もプロ初登板の浜地真澄投手(20)が先発。伝統のGT戦では史上初の初登板どうしの先発対決だったが、6回1失点の好投で制した。巨人の新人が「伝統の一戦」で初登板初勝利を飾ったのは、史上初めてだ。 <巨人高橋優貴(たかはし・ゆうき)アラカルト> ◆生まれ 1997年(平9)2月1日、茨城県ひたちなか市生まれ ◆家族構成 両親と弟 ◆サイズ 178センチ、82キロ ◆ポジション 投手。左投げ左打ち ◆ドラフト1位 八戸学院大からドラフト1位で入団。契約金1億円、年俸1500万円、出来高5000万円(金額は推定) ◆球種 最速152キロのストレート、スライダー、カーブ、スクリューボール ◆全国経験なし 茨城・田彦小3年から勝田スポーツ少年団で野球を始めたが、学生時代は全国大会に出場がない。東海大菅生3年夏の西東京大会決勝では自身が打たれサヨナラ負け。大学4年春は全日本選手権の代表決定プレーオフで敗れ、涙をのんだ。 ◆指導者 田彦中時代に所属した友部シニアでは元巨人投手の原田明広監督、東海大菅生では元中日投手の若林弘泰監督に指導を受けた。中学、高校ではエースになれなかったが、日本ハム吉田輝星を金足農時代に指導した八戸学院大の正村公弘監督の下で、大学1年春からエースとして活躍。 ◆ドクターK 北東北大学リーグで通算301奪三振をマークし、西武多和田(富士大)が作ったリーグ最多記録を更新した。 ◆虎党 熱狂的な阪神ファンの父幸司さんの影響で6歳から野球に熱中。憧れの選手は藤川球児、金本知憲で、金本のユニホームを着て東京ドームや神宮に観戦に訪れた。 ◆野球カード 実家には、今もカードケースに保管された約1500枚のコレクションがある。 ◆好きな芸能人 吉高由里子。趣味はドラマ観賞

◆阪神坂本誠志郎捕手が大敗に険しい表情だった。5回、左翼に今季初アーチのソロ本塁打を放ったが、悔しげなしぐさを見せていた。「本塁打を打って、結果も大事かもしれないですけど、僕のなかでは今日は...」と言葉をのみ込んだ。 先発浜地をもり立てられず、1回は重盗も決められて失点してしまった。二塁送球が高く浮き、北條も体勢を崩しながら捕るほどだった。「タイミングもある。球が高くいってしまった」。骨折欠場中の梅野に代わって2試合先発マスクをかぶったが守りで結果を残せなかった。

◆巨人坂本勇人が、今季初の3安打でルーキー高橋を強力援護した。 3点リードの4回2死一、二塁、阪神浜地の高めに浮いたカーブを左中間席に1号3ラン。1回は中前打で突破口を開き、岡本の2ランで生還し、8回には二塁打を放ち、押し出し四球で10点目のホームを踏んだ。 「去年は1本出るまでに時間がかかったから、早めに打ててよかった」とホッとした。

◆巨人原辰徳監督が、足で仕掛けた。2点リードの1回2死一、三塁。打者田中俊のカウント1-2からの4球目に一塁走者のゲレーロがスタート。捕手の二塁送球と同時に、三塁走者の亀井がスタートを切り、鮮やかに本盗を決めた。 原監督は「うまく瞬時に機能したというところですね。コーチも含めて、5人が動いた」と評価した。元木三塁ベースコーチは「送球を見て亀井が本塁に行ったんでしょ。俺は知らないよ」とニヤリとしながらけむに巻いた。

◆阪神が平成最後の東京ドームでの「伝統の一戦」で完敗を喫した。若き右腕、3年目の阪神浜地真澄投手(20)を先発に送り出したが、巨人打線につかまった。後続投手陣も打たれ、さらに打線も巨人のドラフト1位、高橋優貴投手(22)を打てなかった。シーズン最初の巨人3連戦で3連敗は28年ぶり。チームは4連敗で借金2となった。平成最後の東京ドームで残酷な現実を突きつけられた。伝統の一戦は巨人ナインの独壇場だった。追うはずが、中盤にトドメを刺された。3点ビハインドの4回2死一、二塁。浜地が坂本勇に外角高めスライダーを捉えられ、左中間に3ランを浴びた。巨人打線の勢いは止まらない。2番手望月も火に油を注ぎ、岡本、亀井に連続被弾...。ワンサイドゲームで敗れ去った。 ベンチの矢野監督も険しい表情になった。昨季、最下位から逆襲を期すはずが4連敗。借金2に増えた。先発陣が振るわず、慢性的な貧打が追い打ちをかける。矢野監督も「なんかねえ...。(打線が)これだけ悪いというのもちょっと、なかなかないと思う。そんなの言ってもどうしようもない。ファンに申し訳ない試合になって、申し訳ない」と謝罪するしかなかった。 巨人3連戦3連敗。シーズン最初のカードでスイープされるのは91年4月9~11日以来、28年ぶりの屈辱だ。清水ヘッドコーチも「キツイですけど、まだ始まったばかり。悲観的になっても何も意味ない。昨年最下位ですし、開き直ってここから頑張っていくしかない」と話すしかなかった。 守りでも、自ら勝機を手放した。1回、岡本に先制2ランを浴びた後だ。2死一塁でゲレーロのライナーは右翼へ。猛チャージする糸井は追いついてグラブに当てながら捕れない。失策こそつかなかったが、攻守交代できず。一、三塁になると、重盗を仕掛けられた。一塁走者ゲレーロが二盗を企てる。坂本の二塁送球を見るや、三塁走者亀井が本塁突入。坂本の送球は高く浮き、北條は本塁のはるか頭上へ悪送球...。不意を突かれて、みすみす追加点を許してしまった。 今週の巨人、広島の強敵との6連戦前、矢野監督は「次の1週間がいい目安。俺らが何を感じ取れて、次にどう生かしていけるかという週」と話していた。新生・原巨人との初対決は強力打線に押されっぱなし。それでも指揮官は「前を向いてやっていくしかない」と先を見据え、令和時代のチーム再建に全力を注ぐ。大きく負け越した平成の東京ドーム。最後まで鬼門のままだった。【酒井俊作】

◆阪神が平成最後の東京ドームでの「伝統の一戦」で完敗を喫した。 3年目の阪神浜地真澄投手(20)を先発に送り出したが、巨人打線につかまり、打線は巨人のドラフト1位、高橋優貴投手(22)を打てず。シーズン最初の巨人3連戦で3連敗は28年ぶりだ。データは以下の通り。 ▼阪神の巨人戦同一カード3連敗は、18年7月16~18日(甲子園)以来。東京ドームでは、15年8月18~20日以来。シーズン最初の巨人3連戦に限ると、91年4月9~11日(甲子園)以来28年ぶり、平成2度目の屈辱となった。 ▼阪神は東京ドームでの平成最後の試合で敗戦。平成元年(1989年)から通算375試合を戦い、144勝223敗8分け、勝率3割9分2厘、借金79。なお平成初の試合は89年5月2日に行われ、3-4での黒星スタートだった。

◆阪神の上本博紀内野手が今季初めてスタメンで起用された。1番二塁で出場。3回無死一塁では強い打球を放つも一直に倒れて併殺。 この日は4打数無安打に終わり「いいときも悪いときもある。また頑張れるようにしっかりとやっていきたい」と話して東京ドームを後にした。

◆この日の運命を示していたかのように、高橋優貴投手、岡本和真内野手らの同級生会が開催された同じ店には先発マスクの炭谷銀仁朗捕手が、野上亮磨投手と食事中だった。 店の奥で岡本らが同級生会を開催中と知ると、店員に「会計はこっちに持ってきてください」と野上とおとこ気会計。先に帰るつもりだったが、岡本を先頭に5人からお礼された。「出世返しで頼むわ」とギャグで返したが、高橋がプロ初勝利、岡本からは2発で恩返しされた。 今季2度目のスタメンだった炭谷も、先輩の意地を示した。高橋を6回4安打1失点で好リード。打っては、移籍後初安打を含むマルチ安打で攻守に貢献した。「真っすぐはブルペンから強い球が来ていたし、堂々と投げていた。相手が阪神だったし、(西武時代にバッテリーを組んだ菊池)雄星の初登板を思い出した。日に日に成長していて、すげぇなと思います」とたたえた。【巨人担当 久保賢吾】

◆プロ初登板初勝利を挙げた巨人ドラフト1位の高橋優貴投手(22)が、2本塁打3打点と援護してくれた同学年の岡本和真外野手(22)に感謝した。 初回、岡本が先制の2号2ランを放った際には、キャッチボールしていた一塁側ベンチ前で両手を挙げて喜んだ。5回の3号ソロの時も、ベンチ前でハイタッチで迎えた。 「すごくうれしいです。同学年に見えないような感じで、まだまだ自分なんかは追いつけないようなところにいるんですけど、これからもっともっと日々勉強して、先輩や同学年の岡本に少しずつでもいいので、追いつけられたらなあと思います」と感謝の気持ちを言葉にした。

◆プロ初登板初先発した阪神浜地が、巨人打線にはね返された。 2本の本塁打を浴びるなど、4回9安打6失点で降板した。 初回、先頭の吉川尚に全球直球勝負を挑んで遊ゴロに仕留めた。だが、2死一塁から4番岡本に先制2ランを被弾。4回には2死一、二塁から坂本勇に3ランを献上した。「自分の持っている力を出せなかったのもありますし、実力不足です。力不足が明白になったと思うので、またしっかりやっていきたい」と声を振り絞った。 矢野燿大監督は「変化球がどうしても緩むよね。横から見ていても、ちょっと緩んでいるなというところで仕留められている。ストライクゾーンの甘いところに来ているのもプラスされている」と厳しい表情。浜地は2軍降格となる方向だ。「次また投げられるなら、成長して勝てる投球ができるように戻ってきたいと思います」。3バント失敗などを含めて6三振を奪うなど球のキレは感じさせるシーンはあった。苦い経験を必ず糧にする。

◆同学年の絆で、初勝利をアシストした。巨人岡本和真内野手(22)が、同学年のルーキー高橋を強力に援護する1試合2本塁打を放った。1回2死一塁から、左中間席へ2試合連続の先制2号2ラン。5回には右翼席へソロ本塁打を放ち、亀井の連弾を呼んだ。89代4番のアーチで、平成最後の東京ドームでの伝統の一戦を勝利で飾った。詰まっても、こすっても岡本はスタンドに放り込んだ。1回2死一塁、スライダーに「詰まった」が、左中間へ2戦連発の2号2ラン。5回には直球を「少しこすった」が、右翼席に今季初の1試合2本目のアーチをかけた。ともに滞空時間の長いアーチストらしい放物線だった。「(高橋が)楽になってくれればと思った」とプロ初登板の高橋に"勇気"を届けた。 あの日の夜、誓った活躍だった。キャンプ休養日の2月12日。高橋、岸田、山下亜、田島の同学年5人で焼き肉店に集まった。高橋と2人で1軍キャンプだったが、「僕も高橋も人見知り」。合同自主トレ中は実現せず、2軍が宮崎に入った後のキャンプ中に"人見知り会"が開催された。 店の奥の個室で肉を頬張りながら、盛り上がった。食事の途中、高卒5年目の岡本が「めっちゃ、うまいから」とお勧めの「台湾まぜそば」を推薦。「同い年ですけど、いきなりタメ口もどうかと思いますし、敬語っていうのも...」と吐露した不安は「楽しかった」と吹き飛び、高橋のデビュー戦でお互いに投打のヒーローで勝利に貢献した。 ダイヤモンド1周後、ベンチ前で出迎えた高橋の姿から心中を察知した。1本目は笑顔のハイタッチの裏で高橋から言葉はなく「まだ緊張してたと思うので」とさらなる援護に集中。2本目はハイタッチ後に「何か言ってくれた」と大歓声にかき消された一言で落ち着きを感じた。 平成最後の東京ドームでの伝統の一戦は運命の巡り合わせの連続だった。2本目は昨年10月9日の最終戦で史上最年少での「3割・30本・100打点」を達成した時に2ランを放った望月。「何もないです」と意識せず、その時以来の1試合2発を記録した。 3連戦で3発を放ち、チームを今季初の同一カード3連勝、広島2戦目から5連勝に導いた。「凡打しても明るいですし、いい雰囲気です。まだまだ試合はあるんでこれから」。先輩から親しみやすさと強烈な実力から「岡本さん」と呼ばれる大砲が、新生巨人をけん引する。【久保賢吾】

◆阪神糸井嘉男外野手が2試合連続マルチ安打で気を吐いた。 初回2死から右翼線への二塁打で先制機をつくり、9回も先頭で二塁打。だが、どちらの長打も得点にはつながらなかった。開幕連勝後に4連敗と苦境が続くが「止めないとね。明日(5日)みんなで」と、総力戦で広島に立ち向かうチームの思いを代弁した。

◆優貴、初勝利おめでとう。東京ドームのスタンドで巨人高橋優貴投手(22)の母佳子さんが、息子の晴れ姿に目頭を熱くした。父幸司さん、弟俊士(すぐる)くんとともに勝利を見届けた。デビュー前々日の2日に息子の部屋にこっそり入った。親子の思い出を振り返りながら、万感のメッセージを送った。これまで悔しい思いもいっぱいしてきたし、勝った瞬間はいろんなことを思い出したよ。本当によかったね。 小さい頃から見るのも、やるのも、遊ぶのも野球だったね。漫画、ゲーム、小説も野球だったね。先日、部屋に行ってみましたけど本棚に立てかけてある本はみんな野球。小説なら「バッテリー」漫画なら「ダイヤのエース」「メジャー」「大きく振りかぶって」、雑誌なら「ベースボールクリニック」「ホームラン」。私にとっては1人目の子どもだから当たり前だと思っていたけど、やっぱり「野球オタク」だなと思いました。 何度も諦めるんじゃないかと思ったけど、自分で立ち上がって、はい上がってきたね。高校時代に甲子園に行けなかった時、八戸に行っても全国大会に1度も行けなかった。でも「また野球がやりたい」と言ってきた。高校野球も好きで小学生の時は、ひたちなか市民球場や水戸市民球場に予選をよく見に行ったね。自分が甲子園に行けなかった時はテレビでも甲子園も見なかった。いつも優しいけど、やっぱり男の子なんだなと思ったよ。 「つらいこと、悲しいことがあっても、自分の口から食べたものでしか体はできないからね」と口うるさく言ってきた。高級食材を食べさせてあげることはできないけど、食べ物には気を使いなさいと。中学2年の時に「なす」で大げんかしたのを覚えていますか? 炒め物を出したのに「絶対に食べない」って意地を張るから「ふざけるな!」って怒鳴ったよね。今でもなすは嫌いみたいですが、寮ではしっかり食べていると聞いて安心しました。 「巨人の高橋選手」は学生時代と違って、はるかかなたではないけど、少し距離が離れた感じがするかな。毎日、ニュースで活躍を見ていますよ。プロ入り後は連絡をしてくることもなくなったけど、親に連絡が来るようじゃまだまだだと思うし、これが通常かもしれないね。 家族の誕生日は電話で必ず「おめでとう」と言ってくれたね。自分で立ち上がり諦めずにここまでやってきたことは尊敬に値します。だから、これから先も「今そこにいることは自分1人の力じゃない」ということは、どんな立場になっても忘れないでほしい。私たち家族は見守ることしかできないけど、どこでも、どんな時でも一番に応援しているからね。 まだ始まったばかりだけど、この初勝利を自信にして、勝負の世界で生きると自分で決めたのだから、勝負に徹して、これからも頑張ってね。

◆巨人のドラフト1位高橋優貴投手(22)が、阪神3回戦(東京ドーム)に初登板初先発し、プロ初勝利を挙げた。大卒新人では60年青木以来、球団59年ぶり。この日は阪神もプロ初登板の浜地真澄投手(20)が先発。伝統のGT戦史上初となる初登板同士の先発対決を6回1失点の好投で制した。巨人の新人が「伝統の一戦」で初登板初勝利を飾ったのは史上初。 ▼巨人-阪神戦はともにプロ初登板のルーキー高橋(巨人)と3年目浜地(阪神)が先発。両軍の先発投手がプロ初登板(外国人投手は除く)だったのは89年6月2日西武-ダイエー戦で渡辺智(西武)と松本(ダイエー)が投げ合って以来、30年ぶり。36年に始まった巨人-阪神戦はこの日で1946試合目。このカードでプロ初登板初先発は、巨人が79年江川ら過去9人、阪神は91年湯舟ら過去8人いたが、両軍の先発が初登板は史上初めてだ。

◆巨人のドラフト1位高橋優貴投手(22)が、阪神3回戦(東京ドーム)に初登板初先発し、プロ初勝利を挙げた。大卒新人では60年青木以来、球団59年ぶり。この日は阪神もプロ初登板の浜地真澄投手(20)が先発。伝統のGT戦史上初となる初登板同士の先発対決を6回1失点の好投で制した。 ▼巨人-阪神戦はエースの投げ合いが多かった。1リーグ時代は巨人が沢村、スタルヒン、中尾、藤本英、阪神は若林、西村幸、御園生、梶岡らが中心。40年は全12回戦のうち半分の6試合がスタルヒン-若林の先発対決だった。2リーグ制後もエースが投げ、26回戦制だった58年巨人は別所、藤田ら4人、70年阪神は村山、江夏ら4人しか先発していない。このカードで先発の多い投手は、巨人が堀内恒97試合、別所84試合、桑田83試合の順で、阪神の3傑は村山92試合、江夏76試合、小山68試合。

◆巨人のドラフト1位高橋優貴投手(22)が、阪神3回戦(東京ドーム)に初登板初先発し、プロ初勝利を挙げた。大卒新人では60年青木以来、球団59年ぶり。この日は阪神もプロ初登板の浜地真澄投手(20)が先発。伝統のGT戦史上初となる初登板同士の先発対決を6回1失点の好投で制した。巨人の新人が「伝統の一戦」で初登板初勝利を飾ったのは史上初。 ▼初登板初先発対決は高橋に軍配。巨人の新人で初登板初勝利は15年高木勇以来、13人目。大卒新人では42年藤本英、60年青木に次いで59年ぶり3人目。過去に阪神戦で初登板初勝利をマークした巨人投手は83年槙原、12年宮国といたが、2人は高卒2年目にデビュー。36年から始まった「伝統の一戦」で初登板初勝利を記録した巨人の新人は高橋が初めてだ。

◆巨人は4日、阪神3回戦(東京ドーム)を戦う。試合に先立って先発メンバーが発表された。ドラフト1位・高橋優貴投手(22)=八戸学院大=が先発。大卒新人が初登板勝利を記録すれば、球団では1960(昭和35)年の青木宥明(ひろあき)以来、59年ぶりの快挙となる。コンビを組むのは、西武からFA移籍で新加入した炭谷。一方、阪神の先発・浜地真澄投手(20)はプロ3年目の右腕で、こちらも1軍デビュー戦となる。

◆巨人・岡本和真内野手(22)が4日、阪神3回戦(東京ドーム)で2試合連発となる先制の左中間越え2号2ランを放った。この日が1軍デビューの阪神・浜地の変化球をとらえ、同い年でプロ初先発のドラフト1位・高橋優貴投手(22)=八戸学院大=を援護した。  4番の仕事を果たした岡本は「打ったのはスライダーかカットですかね。なんとかつなぐ意識をもって打席に入りました。入ってよかったです」とコメントした。

◆巨人が一発攻勢で大量リードを奪った。阪神3回戦(東京ドーム)で一回に岡本が左中間越え2号2ランを放つと、四回には坂本勇が左中間越え1号3ラン。さらに五回にはこの日2本目の岡本と亀井の2者連発が飛び出し、五回終了時点で8-1と優位に試合を運んだ。この日はD1位・高橋(八戸学院大)がプロ初登板初先発。打線がルーキーを援護した。  ◆岡本「打ったのはスライダーかカットですかね。なんとかつなぐ意識をもって打席に入りました。入ってよかったです」  ◆坂本勇「打ったのはカーブです。(吉川)尚輝が、繋いでくれたチャンスだったのでなんとかしたかった。しっかりととらえることができました!」  ◆岡本(2本目のあとに)「打ったのはまっすぐです。少しこすりましたが、入って良かったです」  ◆亀井「打ったのはまっすぐ。しっかりとらえることができました。"岡本さん"の後に続くことができました。ほっとしました。良かったです」

◆高卒3年目でプロ初登板先発の阪神・浜地は2被弾を浴び、4回6失点。ホロ苦デビューとなった。  「多少の緊張はありましたが、それ以前に自分の力を出し切ることができず、悔しさの残る登板になってしまいました。初回の失点だけでなんとか粘りたかったのですが、先発の役割を果たすことができず、野手の方々に申し訳ないです」  一回2死一塁から4番の岡本に左中間へ2ランを被弾。124キロスライダーをスタンドに放り込まれた。さらに守備の乱れもからんで一挙3失点となった。  四回2死一、二塁では坂本勇に左中間へ3ラン。9安打2被弾6失点と打ち込まれ、悔しい初登板となってしまった。  阪神の投手が初登板先発で巨人を相手に白星を挙げれば、球団史上初の快挙だったが...。ただ、4イニングで6三振。三回の打席ではプロ初安打も放ち、光るものは見せた。

◆巨人は4本塁打を含む15安打の猛攻。4番岡本は一回に左中間席への2ランで2試合連続本塁打とすると、五回は代わった望月から今度は右翼席に流し打った。初登板先発だった同学年の高橋を強力援護し「ちょっとは楽に投げてくれたのでは」と謙虚に喜んだ。  2番坂本勇にも今季1号が飛び出た。四回2死一、二塁から変化球を完璧に捉え、左中間席に放り込み「つないでくれたチャンスだったので、何とかしたかった」と胸を張った。

◆巨人のドラフト1位・高橋優貴投手(22)=八戸学院大=が4日、阪神3回戦(東京ドーム)に先発。6回101球を投げ4安打1失点で5三振を奪い、プロ初勝利を挙げた。  「正直ほっとしています。勝てたことがよかったと思います」  偉業達成だ。球団では1960年の青木宥明(ひろあき、関東学院大出)以来、59年ぶりとなる大卒新人の初登板勝利。ドラフト1位投手の初登板勝利も、05年の野間口貴彦(社会人・シダックス)以来、14年ぶりだ。

◆巨人のドラフト1位・高橋優貴投手(22)=八戸学院大=が4日、阪神3回戦(東京ドーム)に先発。6回101球を投げ4安打1失点で5三振を奪い、プロ初勝利。チームを5連勝に導いた。球団では1960年の青木宥明(ひろあき、関東学院大出)以来、59年ぶりとなる大卒新人の初登板勝利という偉業を達成した。  --いまの気持ちは  「正直ほっとしています。勝てたことがよかったと思います」  --勝利球(ウイニングボール)は  「届きました。22年間育ててくださった両親にプレゼントしたいと思います」  --両親へメッセージ  「ここまで育ててくださって、ありがとうございました。これからはこうやって活躍して恩返しをしていきたいと思います」  --最後には原監督と握手。言葉は  「バントの失敗があったので、それもしっかりやろうと言われました」  --緊張は  「緊張はしたんですけど、炭谷さんのリードや野手陣の打撃に助けられました」  --内角には投げることができた  「いつもよりはインコースにいけたと思いますけど、まだまだこれから日々成長だと思うので、頑張りたいと思います」  --宮本投手総合コーチの存在は  「毎回毎回自分のところに来てくださって、アドバイスをくれるので、とても心強いです」  --大学卒業のルーキーでは59年ぶりとなる初登板初勝利の快挙  「そういう実感はないですけど、こうやっていろんな人に助けられて勝利ができていると思うので、感謝をして日々頑張りたいと思います」  --チームは5連勝  「自分も、少しでもジャイアンツの日本一に貢献できるように頑張りたいと思います。応援よろしくお願いします」

◆ともにピンと手の切れそうな新品のカード。いわば今シーズンに賭ける両監督の、とっておきの秘蔵っ子という意味合いもあった。阪神は高卒3年目の浜地真澄投手(20)。巨人はドラフト1位の高橋優貴投手(22)。これから伝統を競う若者なのだ。  試合前、東京ドームの記者席から編集委員上田雅昭が電話をくれた。  「もし浜地がピリッとしたピッチングをしてくれたら、流れは変わる。プロ初登板で巨人戦といえば、1996年の舩木聖士投手を思い出しますヮ。監督は前年の途中から中村勝広から指揮を受け継いだ藤田平。期待も大きかった...」  藤田監督が3戦目の東京ドームでドーンと先発させた。上田はシミジミとこう続けた。  「それが今年の雰囲気そのまんまで、悲しいかな試合は1-2で、九回途中2失点と力投の舩木に黒星がついた。残念やった。援護がなかった。貧打やったもんなぁ...」  上田にはこの夜の浜地に舩木がダブった。いや、あえて古手のトラ番として誰もが固定観念のようなプレッシャーを抱くのは「巨人戦となると、やや阪神の投手は臆する運命」を背負っていたのは否めない。  江夏豊がデビューした1967年もON砲全盛の巨人に対し、阪神は村山、江夏という投手力で対抗した。だが、藤本定義監督は当初、江夏を巨人戦に使わなかった。当時のエース村山は右腕の血行障害に悩まされていたのに...だ。  江夏の巨人戦初登板は67年5月31日。すでに江夏は9試合で5勝していた。だが...あえて巨人戦には出さない藤本流の深慮遠謀の采配。そして5月31日の後楽園で、ひょいっと「江夏、用意しとけや」と言った。  先発は村山。右手指が冷える血行障害の彼はベンチに洗面器を2つ用意して熱湯で手を温めてからマウンドへ...その鬼気迫る光景を江夏は間近でみて「プロはそこまでするんか...」と驚愕する。  その光景が江夏の対巨人のプレッシャーを吹き飛ばし、4回からの緊急登板で6イニングを85球で投げきり「巨人戦初登板初勝利」となった。  老獪な藤本監督の心理操作の術である。「風向きが悪い時は、無理して帆をあげて突き進んだらあかんのや」。藤本さんのセリフを思い出した。  この日、東京ドームは4回で浜地は79球...2発6失点でベンチへ下がった。試合は五回が終わって2番手の望月が打ち込まれて...1-8。岡本の2発を含む巨人の情け容赦ないホームラン攻勢は単なる打線の偏差値の差なのか。メンタリティーの演出の巧拙に疑義をはさんでも仕方ないか...。  ♪山には山の うれいあり 海には海のかなしみが...アザミのトゲが胸に突き刺さるではありませんか。  この日の当番Dは堀啓介。よもやこんなビショビショの泥だらけのゲームになるなんて想像もしていませんでした。今、好評発売中の阪神開幕特別号『14年ぶりVへ 矢野虎がヤル』の巻頭文には、こうあるのです。  「金本前監督が種をまき、水をやり、矢野監督が大切に育てた若虎たちは、着実に日々成長を続けている。2019年はまだ"日の出直前"かもしれない。同時に大きく花開く可能性も...」  この日は4月4日。3月3日は桃の"絶句"(節句)でも5月5日の端午の"絶句"(節句)でもないのです。切り替えていこうぜ...。

◆--浜地は真っすぐ自体も悪くなかった  矢野監督「真っすぐ...まあねえ。やっぱり変化球がどうしても緩むよね。横から見ててもちょっと緩んでるなっていうところで、やっぱりこう仕留められてるなっていう感じには見えた」  --打者に分かってしまうくらい  「ストライクゾーンの甘いところに来ているというのもプラスされてるとは思うけど。前のボールより甘くなったりしたら、バッターも1球は見逃してくれても、次はなかなか、見逃してくれない」  --次の登板は  「まあ、ちょっと考えるわ。うーん...。チーム全体とか、まあいろんなこと考えながら判断しようかなと」  --打っていないと、どうしても元気がなく見える  「そりゃ、そうなるよね。そんなん、なかなかねえ。俺らもベンチで声出したり、みんなも声出したりしてるけど。まあでも、前向いてやっていくしかない」

◆この3連戦で巨人に取られたのが「9点」「6点」「10点」って。何かのお笑い番組の審査員の得点じゃねーってんの。百歩譲って負けるのは仕方ないにしてもさ、巨人さん、ちゃんと相手にしてくださ~い!!  俺は見たかんね。五回に先発の浜地に代わって4年目の望月がマウンドに上がった時、巨人・後藤コーチはファンが持っているプロ野球選手名鑑をめくってたかんね!  そりゃ、天下の大巨人軍のコーチ様だから、虎の若手なんて眼中にないだろうけど...。あまりにも悔しいやら情けないやら...。よーし、ならばその屈辱をマウンドで晴らしたれ~と息巻いた途端に岡本と亀井に連続アーチを浴びたもんだから、俺は失神しちまったじゃねーか!!  あくまで独断だけど、最下位OK!! 矢野阪神が2年間最下位で、トータル3年連続の最下位でも俺は動じない!!  ただし、3年先に他のチームへ行ってもレギュラーをはれる野手を4人、いや3人作ってくださーい!! その夢を抱いて、風が吹こうが、雨が降ろうが、1番・木浪、2番・近本、4番・大山でいいんじゃねーか!!

◆巨人・陽岱鋼外野手が4日、阪神3回戦(東京ドーム)の七回に右手に死球を受け、ベンチに退いた。5日のDeNA戦(横浜)はチームに帯同する見込み。

◆梅野の離脱で2試合連続で先発マスクを被った坂本は、15安打10失点と投手陣を引っ張れなかった。一回2死一、三塁では重盗を決められ、追加点を献上。五回1死では今季初安打、2年ぶりの本塁打となる1号ソロを左翼席に放り込んだが「結果も大事かもしれないけど、僕の中できょうは...。(重盗は)タイミングもあるけど、ボールが高く浮いてしまった」と守備の面を反省しきりだった。

◆重盗で3点目をもぎ取った。一回に2点を先制し、さらに2死一、三塁から一走・ゲレーロが二盗。捕手が送球したのを見て三走・亀井が生還した。「送球が高かったし、『隙あらば』と思っていた」と亀井。今季は現役時代に走塁のスペシャリストだった鈴木外野守備走塁コーチの指導のもと、走塁改革に取り組んでおり、足でも得点できる形を示した。

◆開幕から6試合連続で4番を託された大山は3打数無安打。一回2死二塁で四球を選ぶも、九回無死二塁は遊ゴロ。これで打率・095(21打数2安打)、得点圏ではいまだに無安打と苦しんでいる。浜中打撃コーチは「みんな上向きにはなっているんだけど、ちょっとつながりは悪い中なので...」とがっくり。打順については「監督が決めること」としたが、「打線は試行錯誤?」と問われると「に、なるんじゃないですかね」とコメント。大山を含め、再編する可能性も示唆した。

◆巨人のドラフト1位・高橋優貴投手(22)=八戸学院大=が4日、阪神3回戦(東京ドーム)に先発し、6回4安打1失点でプロ初登板勝利を挙げた。大卒新人の初登板勝利は、球団では1960年の青木宥明(ひろあき、関東学院大出、故人)以来、59年ぶりとなった。  高橋の父・幸司さん、母・佳子さんが、茨城県内の実家から東京ドームに駆けつけた。父は「マウンドに上がるときは違う感じがしますね。高校のときも大学のときも、みんなに拍手されてというのがないので、そういう姿を見ると、やっぱりプロ野球選手になったんだなという感じですね」と感慨深げ。お立ち台に立つ愛息の姿に「また、これから先につながる1勝だと思います。これからもおごらずに頑張ってほしい」とエールを送った。

◆ホロ苦いデビューとなった。高卒3年目の阪神・浜地真澄投手(20)がプロ初登板先発したが、4回9安打6失点と試合を作れなかった。  「使ってもらったので結果を出したかったですが...。空振りが取れていなかったですし、自信のないまま投げていた。ボールも強くなくて、打たれるべくして打たれたと思います」  初登板先発で巨人に勝てば球団史上初だったが強力打線につかまった。一回、2死一塁から岡本に甘いスライダーをとらえられ、左中間へ先制2ランを浴びると、四回にも2死一、二塁から、坂本勇にスライダーを痛打されて、左中間へ3ラン。「次また投げられる時は成長して、勝てるような投球ができるようになって戻ってきたいです」と前を向いた。  矢野監督は次回登板について「ちょっと考える」とコメント。5日にも出場選手登録を抹消される見込みで、代わりの先発候補には昨年10月の右膝手術から復帰した秋山拓巳投手(27)が有力視される。 浜地について阪神・福原投手コーチ 「緊張感があったのかな。レベルの高さとか勉強になったとところもあると思う。まだまだ先は長いので、生かしてほしい」

◆巨人のドラフト1位・高橋優貴投手(22)=八戸学院大=が4日、阪神3回戦(東京ドーム)に先発し、6回4安打1失点でプロ初登板勝利を挙げた。大卒新人の初登板勝利は、球団では1960年の青木宥明(ひろあき、関東学院大出、故人)以来、59年ぶりとなった。  両親や周囲への感謝を忘れない巨人・高橋は、2012年にひたちなか市立田彦中を卒業する際に書いた作文でも「これからは高校の寮に入り、大変になりますが、東京の学校に出してくれた両親に感謝して、頑張りたいと思います」とつづっている。中学2年から平日に友部リトルシニアの夜間練習を行い、帰宅は午後9時頃。土日には元巨人投手で同シニアの原田明広監督(52)に志願し、午前7時からの朝練習も始めた。その後に親元を離れ、東京・東海大菅生高への進学を決めた。

◆4番の勢いが止まらない。巨人・岡本和真内野手(22)は本塁打を確信したように、一塁へ走り始めた。一回2死一塁から浜地のスライダーをフルスイングで捉えた。左中間席へ前日に続く2号2ランをたたき込み、五回には右越えにこの日2本目となる3号ソロ。「何とかつなぐ意識を持って打席に入った。入ってよかった」と笑った。  プロ初登板の高橋は同い年。高卒で先にプロ入りした岡本は、大卒の同世代の入団を心待ちにしていた。「結果的に、楽になってくれたならよかった」。これで3本塁打、9打点とし、ともにリーグトップに並んだ。  好調なのは、岡本だけではなかった。2番・坂本勇が1号3ランを含む3安打と引っ張り、先発野手全員安打で15安打10得点。上位の吉川尚、坂本勇、岡本、亀井に加え、8番・炭谷と先発野手8人のうち5人が複数安打をマーク。打線はこの3連戦で、計25得点を奪った。若手の活躍に、主将の坂本勇は「いい刺激になる」と目尻を下げた。 (伊藤昇)

◆巨人のドラフト1位・高橋優貴投手(22)=八戸学院大=が4日、阪神3回戦(東京ドーム)に先発し、6回4安打1失点でプロ初登板勝利を挙げた。大卒新人の初登板勝利は、球団では1960年の青木宥明(ひろあき、関東学院大出、故人)以来、59年ぶりとなった。平成最後の本拠地での「伝統の一戦」で、歴代のエースも果たせなかった快挙を達成。10-1での快勝に貢献し、チームを5連勝に導いた。  お立ち台で大観衆からの歓声を一身に受けた。高橋はウイニングボールを左手に握り、4万4312人の中の2人へ、感謝の言葉を並べた。  「ここまで育ててくださって、ありがとうございました。こうやって活躍して、恩返しをしていきたいと思います」  スタンドで見守ってくれた父・幸司さん(50)、母・佳子さん(45)に晴れ姿を届けた22歳は「勝てたことはすごくよかった。いろいろな人に助けられて、勝利ができたと思う」と大粒の汗を拭った。  序盤から落ち着いた投球で強心臓ぶりを発揮した。一回2死一、二塁のピンチでは福留を外角スライダーで空振り三振。武器のスクリューボールも決まり、6回4安打1失点にまとめた。  大卒新人投手のプロ初登板勝利は、球団では1960年の青木以来59年ぶり。昨秋のドラフトでは2度の抽選の末"外れの外れ"で入団が決まった左腕が上原浩治、菅野智之ら歴代のスターも成し得なかった快挙を果たした。チームは2位に2ゲーム差をつける5連勝。快進撃の一翼をルーキーが担った。  東京ドームでの「伝統の一戦」は、この日が平成最後だった。平成元(1989)年5月2日の阪神戦に4-3で巨人が勝利してから通算223勝目。多くの名勝負が生まれた舞台で、平成9(1997)年生まれの高橋が最後を締めた。  野球を始めたのは阪神ファンだった父の影響だ。小学校入学前は両手で投げられたが、父に勧められて左投げに専念。小学3年で入った友部リトルシニアでは控え投手、東京・東海大菅生高でも2番手投手、青森・八戸学院大では全国大会出場を一度も果たせなかった。  それでも、プロを夢見てきた。中学2年時には習字の授業で「信念を貫く」としたため、現在でも茨城県内の実家の部屋に飾られている。高校時代にしたためた「夢、追い続ける」の色紙も実家の玄関に飾られている。  一度だけ信念が揺らいだことがある。大学4年春。「俺、プロで通用するのかな?」と母に電話をかけた。すると「駄目だったからって、笑う人なんて誰もいない」と背中を押され、厳しい父も相談に乗ってくれた。  プロ志望届を出した際にはLINE(無料通信アプリ)で母に「書きました!」と報告。1月末に初任給が出た際、背中を押してくれた父に仕事用のリュック、母には肩掛けカバンを贈った。勝利球も両親に渡すことを決めている。  今後は出場選手登録を外れるが、原監督は「1歩踏み出したということは、2歩目を踏み出せるチャンスがある」と期待した。「いろいろな人に感謝して勉強していきたい」と高橋。「感謝」の2文字を忘れないドラ1左腕が、巨人の未来を明るく照らす。 (赤尾裕希) 高橋とバッテリーを組んだ巨人・炭谷 「ブルペンから真っすぐが強かった。オープン戦のソフトバンク戦はガチガチの顔をしていたけど、(デビュー戦には)見えなかった。(西武で同僚だった菊池)雄星の初登板を思い出した」 高橋について巨人・原監督 「ドキドキしていたんでしょうけど、彼のペースというか、いいピッチング、いいデビューを飾ってくれた」 東京ドームで観戦した高橋の高校時代の恩師、東海大菅生高・若林弘泰監督(元中日投手) 「矢野(阪神監督)と一緒にやっていたけど、きょうは高橋だけを応援ですね」 昨年まで高橋を指導した八戸学院大・正村公弘監督 「先制点をもらった後の投球と、五回で球数が90球近くになったのが気がかりだった」

◆歴史的貧打で屈辱的敗戦...。阪神は平成最後の東京ドームでの巨人戦に1-10と大敗。宿敵のドラフト1位・高橋優貴投手(22)=八戸学院大=にプロ初登板先発勝利を献上し、開幕から6試合連続3得点以下は実に60年ぶりとなった。Gとの最初の対戦で同一カード3連敗は28年ぶりで、東京ドームでは球団初。4連敗での借金2に矢野燿大監督(50)は「申し訳ない」とファンに謝罪した。  平成最後の春、虎は歴史的貧打で散った。今季こそはと勇ましく乗り込んだ宿敵の本拠地で、ことごとく打てず、とことん打たれ同一カード3連敗。開幕から6試合続けて3得点以下に終わるのは、60年ぶりという不名誉で、4連敗となった。  「まあでも、前向いてやっていくしかないし。ファンに申し訳ない試合になって、それはもう申し訳ないなと思うけど。あしたも試合あるんで」  矢野監督もざんげするしかなかった。まだ6試合と前を向きたくても、その6試合の内容があまりにも寂しすぎた。ましてこの日のG先発は、D1位・高橋。絶対に打たなくてはならない相手に6回4安打1失点で初星を献上してしまった。  テコ入れも不発に終わった。6試合目で初めて助っ人ナバーロを下げ、上本を初スタメンで「1番・二塁」に起用。二塁の糸原を三塁にまわし、三塁を守ってきた4番・大山を一塁に就かせた。だが、前日に代打で安打を放った上本も4打数無安打。不振の大山は3打数無安打1四球で、連続打席無安打を「18」に伸ばしただけだった。  プロ初先発の浜地が一回から3点を失う苦しい展開ではあったが、坂本が五回に放ったソロ本塁打の1点だけでは、あまりにむなしすぎた。  まさか、開幕早々にこんなにも打てないとは。指揮官も「こんだけ悪いっていうのもね、ちょっとなかなかないとは思うんだけど。もうそんなん言うててもどうしようもないし。まあまあ...」と言葉に詰まった。  平成史に残る、どころではない。60年ぶりの貧打に加えて、巨人とのシーズン最初のカードで3連敗を喫するのは1991年以来28年ぶり。東京ドームでは球団初の屈辱だ。平成最後の東京ドーム、就任1年目の矢野監督は悔しさにまみれ、負の歴史ばかりを掘り起こしてしまった。  ヤクルトとの開幕3連戦(京セラ)で奮投を見せた投手陣も、打てない打線に糸が切れたように炎上した。浜地、望月で4被弾。同一カード3戦で計8被弾は、これまた2010年の巨人戦(東京ドーム)以来の不名誉な記録となった。  ただ戦いは、待ってくれない。もう進むしかない。「俺らもベンチで声出したり、みんなも声出したりしてる」と矢野監督は語気を強めた。声も元気も出していく。5日からリーグ3連覇中の広島との3連戦(マツダ)。打線、沈黙の春は春で終わらせる。「令和」へは引きずらない。反発力を信じたい。 (長友孝輔)

◆初登板勝利を挙げた高橋は、"強み"が分かりにくい投手だ。抜群の球速、球威があるわけでなく、変化球はしいて言えばスライダーが良いくらい。制球力はそれなり。ところが試合になると、そこそこ抑えてしまう。本番に強く、肝が据わっている。茨城出身の後輩なので率直に言えば、今どきの若者らしい『天然力』の持ち主だろう。  バッテリーを組んだ炭谷は、本来コースに寄って打者の弱点を突きたいタイプだが、この日はほぼ真ん中に構えていた。平気で真ん中に投げ込める高橋の『天然力』を踏まえた巧みなリードがうまくはまり、テンポ良く投げることができた。  今後は相手に研究されるだろうが、このタイプはよほど炎上しない限り、何も変えない方がいい。直球は"垂れて"いるからこそ打ちづらく、切れが出ると打ちごろになるかもしれない。  攻撃では、巨人の一回の重盗にうなった。監督が100%責任をとる、と腹をくくらないと出せないサイン。左打者(田中俊)の打席だから、捕手から見て三塁方向はがら空きで、捕手が三走に目線を送ると走れない。経験の少ない坂本はそれができておらず、初登板の浜地がカットすることもないと見破っていた。改めて原監督のすごさを感じた場面だった。 (サンケイスポーツ専属評論家)

◆屈辱の巨人戦同一カード3連敗。2連勝でスタートを切った新生・矢野阪神も気が付けば4連敗で借金2だ。しかも負け方がひどい。西武、阪神でヘッドコーチを務めるなど、参謀として勝つ野球を知り尽くしているサンケイスポーツ専属評論家・黒田正宏氏(71)に、編集委員・上田雅昭が鋭く迫った。  上田 東京ドームでの3連敗は馬に食わすほど見てますが、今回はワーストに近い内容ですね。計25失点ですから。  黒田氏(以下、黒田) すべて先に大量失点して、ほぼ見せ場もなくやられたからな。  上田 まず3戦目の話から。プロ初登板の浜地が2発6失点。残念ながら、まだまだ力不足の感があります。  黒田 6失点はすべて2死から。しかも走者をためて本塁打。これは絶対にやってはいけないことの1つ。狭い東京ドームはゴロの適時打は仕方ないと割り切って一発を防ぐ投球が必要。徹底して低めに投げなければいけない。なのに、浜地は抜けて高めや真ん中に。これでは抑えられない。徹底できていなかったと言われても仕方ない。  上田 一回の3点目は重盗を決められた。好き放題やられて...。  黒田 滅多に走ることのない一走・ゲレーロがスタートを切った時点で、捕手・坂本は「怪しい」と思わなければいけない。決めごとで前へ出てきた遊撃・北條に投げるのだが、その前にまず、三走に注意しなければ。確認したら、三走のスタートは早かったから、投げずに済んだ。そのまま二塁へ送球してしまった坂本は、大いに反省してほしい。  上田 備えができていなかった、ということですね。ただでさえ巨人とは攻撃力に差がある。無駄な失点を防ぐ野球をしなければいけないのに。一方で巨人のルーキー高橋は攻略できそうに見えたんですが...。  黒田 何言ってんの。真っすぐの切れは良かったし、スライダーもいい。好投手。打者はタイミングを合わせずらそうにしていた。先に援護をもらって楽に投げられたのも大きいけれど。  上田 3連戦すべて、先に点を取られたのが致命傷になりました。  黒田 その通りなんだけれど、やっぱりまず投手が相手の攻撃を抑えないと。この3連戦は先発が先に崩れる。必然的に勝ちパターン以外の投手が2番手で登板して、さらに失点を重ねる。結果的に3試合とも大敗した  上田 5日から広島戦。まずは無駄な失点を防げ、ですね。  黒田 表ローテの3人に期待したい。 ★勢いつけられた  一回、2点を先制され、なお2死一、三塁の場面。スタートを切った一走・ゲレーロに対し、捕手・坂本は二塁に送球。これを見て三走・亀井がホームを狙った。遊撃・北條が前にでて捕球し、本塁へ送球も大きく逸れ、追加点を献上。久慈内野守備走塁コーチは「警戒していたとは思うけど、あそこで悪送球でセーフになると相手もイケイケになってしまう」と苦言を呈した。

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
巨人
510 0.833
(↑0.033)
-
(-)
137
(-1)
36
(+10)
17
(+1)
9
(+4)
4.000
(↑2
0.000
(-)
2
(-)
ヤクルト
330 0.500
(↓0.1)
2
(↓1)
137
(-1)
18
(+5)
20
(+10)
4
(+2)
1.000
(↑1)
0.000
(-)
2
(1↑)
DeNA
330 0.500
(↑0.1)
2
(-)
137
(-1)
28
(+10)
27
(+5)
6
(+4)
2.000
(↑2)
0.000
(-)
2
(1↑)
中日
330 0.500
(↑0.1)
2
(-)
137
(-1)
24
(+3)
21
(+2)
3
(+2)
3.000
(↑1)
0.000
(-)
5
(2↓)
広島
240 0.333
(↓0.067)
3
(↓1)
137
(-1)
19
(+2)
23
(+3)
6
(-)
2.000
(-)
0.000
(-)
5
(2↓)
阪神
240 0.333
(↓0.067)
3
(↓1)
137
(-1)
11
(+1)
28
(+10)
2
(+1)
2.000
(-)
0.000
(-)