オリックス(0対0)ソフトバンク =リーグ戦2回戦(2019.04.03)・大阪ドーム=
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ソフトバンク
0000000000000100
ORIX
0000000000000810
勝利投手:-
敗戦投手:-
  DAZN
◆オリックスの先発・山本は9回1安打無失点の快投。対するソフトバンク・先発の大竹も、8回途中6安打無失点の好投を見せる。試合は0-0のまま延長戦に突入するも、その後を受けた両軍の救援陣が無失点に抑え、3時間47分の熱戦は規定により引き分けに終わった。

◆オリックスは開幕から1分けを挟んで3連敗。開幕4連敗を喫すると、球団では15年以来10度目となってしまう。 2年ぶりに先発する山本由伸投手(20)が好調ソフトバンク打線を抑え、チームに今季初勝利をもたらすことはできるか。

◆左肩痛のため昨季1軍登板なしに終わったソフトバンク和田毅投手(38)が3日、319日ぶりとなる実戦マウンドに立った。 ウエスタン・リーグのオリックス戦(タマホームスタジアム筑後)に先発登板。1四球を与えたものの無安打無失点、2奪三振の投球。昨年5月の2軍戦以来の実戦となり、目標の1軍復帰へ大きく前進した。 ワインドアップから和田らしく小気味よく投げ込んだ。あっさり2球で2人を仕留めると、3番白崎はカウント2-2と追い込み124キロのチェンジアップで空振り三振に切った。直前の直球はファウルにされたものの、この日最速の140キロも計時。「2軍戦なので(本当の)開幕にはまだですが、2019年のスタートが切れた」。日米プロ通算17年目。昨年オフから慎重に慎重を重ねてきた復活プランが、ようやく花開いた。 2回は2死後に四球を与え二盗も許した。だが「セットも試すことができたし、よかったかな」。最後は変化球で右飛に打ち取り0封した。「肩の(不安の)ことを忘れて、腕が振れたのはうれしかった」。今後は球数とイニングを伸ばし、復活の1軍マウンドを目指す。【佐竹英治】

◆今年もあの「謎の黄色い集団」が京セラドーム大阪に集まった。 黄色い服、黄色い帽子に身を包んだファンがソフトバンクベンチ背後の三塁側内野席に陣取った。 昨年8月に続き、先発の大竹耕太郎投手を応援しようと駆けつけたのは大竹の母校、済々黌(熊本)の関西地区同窓会メンバーだ。副会長の中村弘則さんをはじめ、約20人が参戦。松田亨さんは「今年は開幕から頑張ってくれているので、楽しみです。交流戦もあるので、応援したい」と話した。 この日は息詰まる投手戦で、大竹がアウトを重ねるたびに黄色いうちわやタオルが揺れた。メンバーの1人は「令和を代表するピッチャーになってほしいですね」と、声を弾ませていた。

◆今季初先発したソフトバンク大竹耕太郎投手は好投も報われなかった。 オリックス山本に負けじと、7回まで連打を許さず0を並べた。8回は先頭若月に二塁打を浴び、続く佐野のバントが内野安打になり無死一、三塁で降板した。7回途中無失点だったが、味方援護がなく白星は付かず。「ロースコアになるとは思っていた。(8回は)あそこでもう一踏ん張りできないと」と次回を見据え反省した。

◆ソフトバンクのドラフト7位奥村政稔投手(26=三菱日立パワーシステムズ)が延長10回に登板し、1イニングを3人で2奪三振、無失点に抑えた。 「抑えないと生き残れない。人生がかかっているので」と気迫の投球だった。社会人での経験豊富な26歳は、京セラドーム大阪のマウンドが高いことも頭に入っていた。「ここでは社会人時代に2度投げた。高いからカーブが有効」と、熱くなるだけではなく冷静なマウンドさばきもみせた。

◆ソフトバンク打線が延長12回でわずか1安打に抑え込まれ、0-0の引き分けに終わった。 オリックス先発山本に8回1死まで無安打。松田宣が左前に初安打を運び、なんとかノーヒットノーランを阻止した。松田宣は「先発としては初対戦。(昨年の)リリーフの時と変わるかと思っていたが、変わらずパワフルだった。3打席目で何とか1本打ててよかった」と振り返った。 10回以降の救援陣も打てず、15年4月7日楽天戦以来4年ぶりの0-0の引き分け。工藤監督は「うちの打線を1安打に抑えるなんてなかなかできないこと。あっぱれです」と、オリックス投手陣を褒めるしかなかった。 だが、工藤監督は勝利へ執念の采配を見せた。8回には内川がシーズンでは移籍後初めて、延長11回には松田宣が14年4月12日以来5年ぶりに犠打を決めた。工藤監督は「今年はあると言っていた。彼らの仕事は次につながる」と両ベテランが、常にバント練習し、この日も1球で決めたことをたたえた。 投手陣は6人で無失点リレー。工藤監督は「投手陣全体に監督賞をあげたいくらい。花丸です」と開幕5連勝はならなかったが、12球団で唯一不敗を守ったナインの粘りを喜んでいた。【石橋隆雄】

◆侍ジャパンにも選ばれたオリックスの高卒3年目右腕、山本由伸投手(20)が先発再デビュー戦でノーヒットノーラン目前の快投を演じた。 8回1死までソフトバンクを無安打に抑えたが、松田宣に左前に初安打を運ばれた。それでも9回1安打無失点、8奪三振。大記録どころか延長12回で0-0の引き分けに終わり、白星さえつかなかったが、昨季の日本一球団をねじ伏せた。 「(無安打無得点試合は)意識しなかった。しっかりと準備してきたことが試合に出せた。相手もいい投球をしていたので、粘り負けないようにと思って投げた」。150キロを超える直球やフォークボール、さらにシュートや昨季はあまり使わなかったカーブもさえた。打者のタイミングを外すため、ワインドアップから投球モーションのスピードに変化を加えた。 味方打線は8回無死二、三塁で沈黙するなど拙攻が目立った。西村監督は「絶対勝たせてあげないとダメでしょ。『何やってるんだ!』と言われてもしょうがない。恥ずかしい」と語気を強めた。 宮崎・都城高からドラフト4位で入団。2年目の昨季はセットアッパーとして8回を任され、リーグ2位の32ホールドを記録した。この日は17年10月9日ロッテ戦以来、約1年半ぶりの先発で今季初登板だった。「(捕手の)若月さんと『真っすぐで押せるから、そこは絶対に押し切ろう』と話をしていた」。西(現阪神)らが抜けた新生オリックスの希望の光として、山本が強烈な存在感を示した。【古財稜明】

◆侍ジャパンにも選ばれた高卒3年目右腕のオリックス山本由伸投手(20)が、先発再デビュー戦で強力ソフトバンク打線を完璧にねじ伏せた。 17年10月9日ロッテ戦以来、約1年半ぶりの先発登板。「登板前から若月さんと『真っすぐで押せるからそこは絶対に押し切ろう』と話をしていました」と終始150キロ超えの直球を軸とし、2日までチーム打率3割1分9厘と猛威を振るっていた打線を封じ込め、8回1死までノーヒットノーランを続けた。 終わってみれば9回1安打無失点。圧倒的な"完封劇"に球場のファンが酔いしれた。「ここまでしっかりと準備してきたことが試合に出せた。相手もいい投球をしていたので、粘り負けないようにと思って投げました」とプロ入り後最多の100球に手応えをみせた。 2年目の昨季はセットアッパーとして8回を任され、54試合でリーグ2位の32ホールドを記録しブレーク。先発転向へ向け、シュートや昨季はあまり使わなかったカーブも磨き、変化球でも空振りを連発。この日も打者のタイミングをずらすため、ワインドアップから投球モーションのスピードに変化を加える工夫も凝らし、8奪三振を奪った。 打線の援護に恵まれず、惜しくも白星を挙げることはできなかった。チャンスで沈黙した打線に西村監督は「絶対勝たせてあげないとダメでしょ。『何やってるんだ!』と言われてもしょうがない。恥ずかしいです」と語気を強めたが、若返った新生オリックスの希望の光として、新たな"新戦力"が今季初登板で強烈なポテンシャルの高さを示した。【古財稜明】

◆侍ジャパンにも選ばれたオリックスの高卒3年目右腕、山本由伸投手(20)が先発再デビュー戦でノーヒットノーラン目前の快投を演じた。8回1死までソフトバンクを無安打に抑え、9回1安打無失点、8奪三振。延長12回で0-0の引き分けに終わり、白星さえつかなかったが、昨季の日本一球団をねじ伏せた。 <山本由伸(やまもと・よしのぶ)> ◆生年月日 1998年(平10)8月17日 ◆出身 岡山県生まれ ◆命名 巨人ファンの父が高橋由伸選手にあやかって ◆球歴 東岡山ボーイズでは二塁手で全国大会に出場。都城高(宮崎)では甲子園出場なし ◆大谷認めた男 ルーキーだった17年9月に対戦した日本ハム大谷翔平を三振にとり「今年対戦した投手で一番良かった」と絶賛された ◆日本代表 今年3月に侍ジャパンで無失点デビュー ◆最速 155キロ ◆球種 カーブ、スライダー、フォーク、シュートなど

◆オリックスの1番打者、福田が自身初の1試合4安打を放った。一回、先発の大竹から右前打を放つと、すかさず今季三つ目の盗塁に成功。三回と六回に中前打、延長十一回には右前打を放った。開幕から5試合で12安打を記録し「しっかり見極められている。ボールの見え方がいい」と好調ぶりを示す。  広島・広陵高から明大-NTT東日本を経て2018年ドラフト3位入団。2年目の今季からは主将を任されたが「気負いはない」と言い切り、実力でチームを引っ張っている。

◆オリックス・山本由伸投手(20)がソフトバンク戦に先発し9回1安打無失点の好投を見せたが、味方打線の援護がなく勝ち負けは付かず。8回1死までソフトバンク打線を無安打に抑えたが、松田に左前打を打たれ、無安打無得点試合は達成できなかった。

◆オリックス・山本由伸投手(20)が3日、ソフトバンク戦(京セラ)で今季初先発。開幕から4連勝中と勢いに乗るソフトバンク打線相手に、9回を1安打無失点と完璧な投球を見せた。  高卒3年目の今季は先発に再転向。ルーキーイヤーの2017年10月9日のロッテ戦(ZOZOマリン)以来、541日ぶりの1軍公式戦先発では八回1死までノーヒットピッチ。最速153キロを計測した直球や切れのある変化球で、スコアボードにゼロを並べた。  しかし、打線の援護がなく、九回を投げ終えたところで降板。球数はプロ入り後最多の100球だったが、90球を超えても150キロをたたき出すなど、今後の成長にさらなる期待がかかる内容となった。

◆オリックスの西村監督は、九回1死一塁で安達が送りバントに失敗した場面を挙げ「打てないのはしょうがない。バントとか、そういうのはしっかりできないとチームとして上に行けない」と苦言を呈した。  2度試みたバントはいずれもファウルで、次の変化球を見逃して三振に倒れた。途中出場で遊撃を守った安達は八回に失策も犯した。西村監督は「全てにおいて精彩を欠いている」と手厳しかった。

◆開幕から4連勝していたソフトバンクは好調だった打線がわずか1安打で無得点。それでも6投手のリレーで引き分けに持ち込んだ。先発の大竹が6安打されながら7回0/3を投げて得点を許さず、八回無死二、三塁の窮地は2番手の嘉弥真が空振り三振、中飛からの併殺でしのいだ。工藤監督は「投手全員に監督賞をあげたいくらい」とたたえた。  レギュラーシーズンでは内川が2010年以来、松田宣が14年以来となる犠打をともにしっかり決めた。工藤監督は「彼らの仕事は次につながる」と両ベテランの献身的な姿勢をたたえた。

◆わずか1安打で、ドローに持ち込んだ。八回に唯一のヒットを左前に放った松田宣は「(山本は)ずっといい球を投げていた。パワフルな投手。何とか打ててよかった」。延長十一回無死一塁では、5年ぶりの犠打を決めた。八回には内川も、レギュラーシーズンでは9年ぶりとなる犠打を成功。工藤監督は「練習していないとできない。彼らの仕事は必ず今後に生きる」とうなずいた。

◆20歳の若者が無安打無得点級の力投を見せても、オリックスは勝てなかった。延長十二回をスコアレスドロー。山本を見殺しにした野手陣に西村監督は苦言を呈した。  「(山本)由伸は素晴らしい投球だった。好機を何回も作っているだけに、絶対に勝たせてあげないといけない試合。由伸を勝たせたかったし、その後の投手も安打を打たれていないわけだから、『何しているんだ』といわれても仕方ない」  嘆き節に近かった。今季先発に再転向し、2017年10月9日のロッテ戦(ZOZOマリン)以来、541日ぶりの1軍公式戦先発となった山本が、八回1死までノーヒットピッチ。許した安打は松田の左前打のみで、9回を8奪三振無失点という圧巻の内容だった。  ただ、打線は4度も得点圏に走者を進めながら、あと1本が出ない。1番・福田が4安打と気を吐いたが、開幕から5戦勝ち星なしは開幕6連敗を喫した2002年以来17年ぶりで、将は「ここまでやってきたことがやれていないというのは監督の責任でしょうし、あとは各担当がやらないといけない。恥ずかしいですよね」と自らも戒めた。  "先発復帰戦"を勝利で飾れなかった右腕は「相手投手もいい投球をしていたので、1年間ではこういう日もある。そういうときに投手が助けられたら。1年目より2年目、2年目より3年目の方が成長していると実感できた」と前を向いた。惜しかった快挙にも「ノーヒットノーランは意識しなかった」と冷静な期待の星。山本の姿に野手全体が奮起し、まずは1勝を届けてほしい。 (西垣戸理大)

<パ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
ソフトバンク
401 1.000
(-)
-
(-)
138
(-1)
25
(-)
14
(-)
7
(-)
3.000
(-)
0.000
(-)
2
(-)
楽天
410 0.800
(↑0.05)
0.5
(↓0.5)
138
(-1)
28
(+3)
15
(+2)
8
(+1)
1.000
(-)
0.000
(-)
3
(-)
日本ハム
221 0.500
(↓0.167)
2
(↓0.5)
138
(-1)
17
(+2)
14
(+3)
2
(-)
1.000
(-)
0.000
(-)
4
(-)
西武
230 0.400
(↑0.15)
2.5
(↑0.5)
138
(-1)
26
(+9)
21
(+3)
5
(-)
6.000
(↑4)
0.000
(-)
5
(1↓)
ロッテ
140 0.200
(↓0.05)
3.5
(↓0.5)
138
(-1)
19
(+3)
38
(+9)
8
(+1)
5.000
(-)
0.000
(-)
6
(-)
ORIX
032 0.000
(-)
3.5
(-)
138
(-1)
12
(-)
25
(-)
1
(-)
8.000
(↑3
0.000
(-)