阪神(☆1対0★)ヤクルト =リーグ戦2回戦(2019.03.30)・大阪ドーム=
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ヤクルト
0000000000110
阪神
10000000X1401
勝利投手:岩貞 祐太(1勝0敗0S)
(セーブ:ドリス(0勝0敗1S))
敗戦投手:石川 雅規(0勝1敗0S)

本塁打
【阪神】糸井 嘉男(1号・1回裏ソロ)

  DAZN
◆阪神が接戦を制して開幕2連勝。阪神は初回、糸井がソロを放ち先制に成功した。投げては、先発・岩貞が7回途中無失点の好投。その後は3投手の継投で1点を守り抜き、岩貞は今季初勝利を挙げた。敗れたヤクルトは、先発・石川が試合をつくるも、打線が1安打と沈黙した。

◆阪神岩貞祐太投手(27)が6回1/31安打無失点と好投した。序盤から伸びのある直球で押し込みツバメ打線を圧倒。 3回には1死から3連続四球で満塁のピンチを招いたが、4番バレンティンを変化球で一飛、塩見を直球で空振り三振に斬った。 7回は先頭の村上から空振り三振を奪って2番手桑原にバトンタッチ。今季初登板を満点投球で終えた左腕は「今シーズン初登板で、立ち上がり緊張もありましたが、全体的に球威で押せた点は良かったです。ただ、四球などで球数も多くなり野手の方々の守備に助けてもらった投球だったので、次の登板に向けてしっかりと調整をしていきたいと思います」とコメントした。

◆ヤクルトに10年ぶりに復帰した五十嵐亮太投手が、公式戦で初登板した。 0-1で迎えた7回、敵地に集まったヤクルトファンからの大声援を受けながらマウンドへ。「少し、ふっと『(マウンドに)上がれたな』と感慨深かったけど、すぐに切り替えて投げました」と振り返った。 2死一塁でボークの判定を受けるも、落ち着いていた。阪神2番近本をカウント0-2からフォークボールで空振り三振を奪い、無失点に抑えた。「そんなに悪くないスタートが切れたと思う。自分らしいピッチングができた」と話した。

◆ツバメ打線が、16年8月21日広島戦以来の1安打完封負けを喫した。昨季セ最高のチーム打率2割6分6厘を誇った強力打線も、1回にヤクルト山田哲人が放った二塁打1本のみ。 3回には3連続四球で1死満塁のチャンスを迎えたが、4番バレンティン、今季初スタメンの塩見が凡退した。 開幕2連敗は16年以来で試合後は、若手が居残り練習でバットを振った。小川監督は「(3回は)バレンティンの調子が空回りしていて、結果的にこうなった。(打線は)状態としてはあまりよくないが、我慢かなと思います」と話した。

◆阪神岩貞祐太投手(27)に焦りはなかった。1点リードの3回1死から3者連続四球で満塁のピンチ。突然、制球が定まらなくなっても、思い切って腕を振った。 「自分で招いたピンチなので、開き直って『どうにかなるかな』と。あれだけ四球を出すのは、自分として珍しい。3つも出したので、これ以上はないなと自信を持って投げました」 一打逆転を許す場面にも動じない。4番バレンティンを一飛、続く塩見を空振り三振に仕留めた。矢野監督も「腕を振って、球の勢いとかキレで抑える部分が前面に出ていた。バレンティンと塩見を打ち取るところまで持っていくのは簡単なことじゃない」とバッテリーを絶賛した。 岩貞は7回途中を1安打無失点で救援陣にバトンを渡した。「ずっとオフから、真っすぐにこだわってきた。それが出せた。全体的に球威で押せた点はよかった」。昨季はヤクルトに対し、5戦で防御率5・57と打たれた。緩い変化球をコーナーに決めたり、クイック投法でタイミングを崩すなど工夫を凝らした。価値ある今季初勝利だ。 追いかける背中がある。キャッチボール相手の能見だ。日ごろからつきっきりでフォームを観察してもらっている。岩貞はそのポイントを明かす。「意識は体重移動。いかに、自分の体がバッターにシフトしているか。体の全体でスピードを生み出してボールを離す意識です」。大きく胸を張って、1ミリでも前でリリース。先輩左腕からの助言で直球の質が向上した。「ずっと能見さんに憧れていた。左のエースとしてやってこられたので、自分もそのポジションを任されたい」。 春季キャンプから成長の跡を残し、指揮官の信頼を勝ち取った。開幕2戦目という重要なポジションで期待に応えた。「(チームを)引っ張るというか、成績を出す以外にない。また継続できるようにやっていきたい」。次戦は4月6日広島戦(マツダ)に先発する見込み。エースの座を狙う左腕がチームを勢いづけた。【真柴健】 阪神金村投手コーチ(先発岩貞について)「あの打線を1安打に抑えるのはすごい。気持ちの強さが持ち味。よくしのいだ。(29日の)メッセもだけど、ブルペンでは正直よくなかった。(3回の)ピンチを越えたのでスッといけた」 阪神梅野(先発岩貞を好リード)「右バッターに対する意識付けとか、困ったときの真っすぐなど、お互いイメージ通りできたことが結果につながったと思います」

◆阪神矢野燿大監督の必勝継投が連日ズバッとハマった。1点リードの7回。先発岩貞が村上を空振り三振に仕留めると、本調子でない広岡相手でも迷わず桑原にスイッチ。スライダーで空振り三振に料理し、中村も二飛の2者で片づけた。 指揮官は「初めから桑原は、あそこで行くと決めていました」と明かす。好調の岩貞を降板させ、あえて石橋をたたいて渡る継投だ。8回はジョンソンが150キロ級の速球、切れ味鋭いスライダーなどで3者凡退。「マイナー以外で、8回の大事なところを任されたことがない。信頼して任されてうれしい」と話した。 9回は守護神ドリスが主軸を圧倒。救援3投手による無安打無失点リレーで白星に導いた。指揮官は言う。「先発に勝ちがついて、中継ぎにホールドがついて、抑えにセーブがついて勝つ試合がチームとして一番いい勝ち方」。桑原、ジョンソンがホールドでドリスは今季初セーブ。理想の試合運びだ。投手陣は2戦で1失点と最高のスタートを切った。

◆ドキドキの今季初アーチだ! 阪神糸井嘉男外野手(37)が初回にチーム1号となる特大の先制ソロを放った。右翼ポール際へのアーチは「ドキドキした」と、リクエストによるリプレー検証で待たされたが、当初の判定通りホームラン。チームも虎の子の1点を守りきり、4年ぶりの開幕2連勝とアゲアゲ。セ界単独トップに躍り出た!糸井が京セラドームを総立ちにさせた。0-0で迎えた1回2死走者なしの場面。ヤクルト石川の初球カーブをつかまえた。「タイミングが合ったら初球からどんどんスイングしていこうと思っていました」。高々と舞い上がった打球は右翼ポール上空を通過し、5階席に突き刺さった。ホームランか、ファウルか-。ヤクルト側からリクエストが要求されたが、結果は判定通りの本塁打。初回からボルテージは最高潮だ。 冷静にダイヤモンドを一周した糸井だが、内心は「ドキドキしました」。ベンチで心臓バクバクのジェスチャーをして喜びを表現すると、ナインからもみくちゃにされた。両手を合わせて祈った矢野監督も「嘉男の動きを見ているとファウルかなと一瞬、思ったけど。心配していたけど、ホームランで良かった」とスマイルでガッツポーズだ。 ベンチで笑顔の超人もグラウンドでは野獣のように目をぎらつかせる。四球で出塁した6回にはアウトになったが、盗塁を試みた。同じく四球で出塁した8回にも二盗を狙った。ボークで盗塁は記録されなかったが、果敢な姿勢を見せた。今春キャンプでは毎日200メートル走のノルマを自身に課すなど、走り込みにも重点を置いた。初動負荷トレーニングを取り入れ、衰え知らずのボディーが完成。通算300盗塁まであと12と射程圏内だ。 岩貞とともに今季初のお立ち台に上がった糸井は、スタンドを埋め尽くす虎ファンに呼びかけた。「もちろん、みんな優勝目指して頑張ってます。大きな声援が力になります。応援よろしくお願いします」。4年ぶりの開幕2連勝でカード勝ち越しが決定。まだ始まって2試合だが、土つかずでセ・リーグ単独トップ。もう、期待せずにはいられない。【桝井聡】

◆阪神糸井嘉男外野手(37)が初回にチーム1号となる特大の先制ソロを放った。右翼ポール際へのアーチは、リクエストによるリプレー検証で待たされたが、当初の判定通りホームラン。チームも虎の子の1点を守りきり、4年ぶりの開幕2連勝とアゲアゲ。セ界単独トップに躍り出た。 ▼阪神の1-0勝利は、18年5月25日巨人戦(甲子園)以来。この試合も決勝点は糸井のソロ本塁打で、岩貞-桑原-ドリスの継投でしのいだ。 ▼初回に挙げた1点を守り切っての「スミ1勝利」は、16年5月27日巨人戦(東京ドーム)以来。初回のソロ本塁打のみで逃げ切った勝利は、97年5月18日ヤクルト戦(甲子園)で、3番新庄剛志のソロを川尻哲郎が完封で守って以来、22年ぶり。 ▼阪神はヤクルトを1安打に抑えた。「得点はソロ本塁打のみ」「被安打は1以下」の1-0勝利となると、81年7月20日中日戦(甲子園)で、4回オルトの本塁打を守り小林繁が完封して以来、38年ぶりの省エネ勝利。

◆阪神・糸井嘉男外野手(37)が30日のヤクルト戦(京セラ)で一回に先制の1号ソロを放った。  「タイミングが合ったら初球からどんどんスイングしていこうと思っていました」  今季虎1号は超人のバットから飛び出した。一回2死で打席に入り、ヤクルト・石川の初球103キロ低めカーブを捉えた。打球は右翼ポール際へぐんぐん伸びて着弾。着弾地点がきわどく、打った糸井本人も立ち止まって確認したが、すぐさま大歓声とともにダイヤモンドを一周した。  その後小川監督によるリクエストがあったが、判定は覆らず。「ドキドキしました」と判定を見守っていた。

◆ヤクルト・石川雅規投手(39)が30日、阪神2回戦(京セラ)に先発し、5回3安打1失点の好投を見せた。三回以降は走者を許したが、要所を締めて8奪三振。  18年目左腕は「この後、いい流れになって反撃し勝つことを願っています」とベンチから仲間を鼓舞する。

◆阪神・岩貞祐太投手(27)が30日のヤクルト戦(京セラ)に先発し、6回1/3を1安打無失点の好投を披露した。  一回2死から山田哲に左中間フェンス直撃の二塁打を浴びたが、打たれた安打はその1本のみ。三回には3連続四球で1死満塁のピンチを迎えたが、バレンティンを一飛、塩見を空振り三振に仕留めて切り抜けた。  力のこもった直球に、チェンジアップやスライダー、カットボールなどの変化球を多彩に織り交ぜ、ヤクルト打線に的を絞らせず。一回裏に糸井のソロで先制した1点を、しっかりと守り抜き試合をつくった。

◆阪神の糸井が一回、右翼ポール際へ特大の1号ソロ本塁打。これが両チーム唯一の得点となり、勝利をもたらした。  ヤクルトの石川が初球に投げたカーブを捉え「タイミングが合ったらどんどんスイングしていこうと思っていた。打てて良かった」と納得の一撃となった。リクエストによるリプレー検証でも判定は覆らず、矢野監督は喜びのガッツポーズ。37歳のベテランも「どきどきした」と言って笑顔を見せた。

◆ヤクルトの18年目、石川は一発に泣いた。一回に糸井に緩い変化球を右翼ポール際に運ばれ、リクエストによるリプレー検証でも判定は覆らなかった。5回で8三振を奪っても「先制点が全て。どんな試合でも先制点を与えない投球が大事」と悔しそうに話した。  39歳の技巧派は多彩な球種を操り、追加点は許さなかった。特に左打者の外角へのチェンジアップは有効で「次につなげていきたい」と話した。  自慢の打線が停滞し、ともに惜敗で開幕2連敗となった小川監督は「(石川は)よく投げた。(チームの)状態としては我慢の時期」と唇をかんだ。 五十嵐(10年ぶりにヤクルトに復帰。今季初登板は1回無失点) 「マウンドに上がった時にちょっと感慨深かったが、切り替えて投げた。僕自身は悪くないスタート」 マクガフ(来日初登板で1回無失点) 「ファンの熱気もすごかったし、エキサイティングだった」

◆阪神は救援登板した桑原、ジョンソン、ドリスの3投手が走者を一人も許さず、1点差の緊迫した試合を制した。開幕したばかりだが、リーグで唯一の連勝発進。矢野監督は「投手力がうちの強み。こういう接戦を取っていくことがすごく大事」と目を細めた。  七回1死から登板した桑原は右打者2人を抑えて役割を果たし「自分の結果が良ければチームの勝利につながる」と胸を張った。開幕戦に続いて八回を任されたジョンソンは「プレッシャーのかかる場面で投げさせてもらってうれしく思う」とベンチの信頼を意気に感じていた。 糸原(五回に二盗を決め) 「監督から積極的にと言われている。次の塁を狙う意識で盗塁した」 阪神・金村投手コーチ(岩貞に) 「あの打線を1安打に抑えたのはすごい」 阪神・浜中打撃コーチ(逸機が続き) 「どこかでもう1点取れれば良かった」

◆阪神・糸原が30日、ヤクルト2回戦(京セラドーム大阪)に「7番・二塁」で出場し、今季初安打&初盗塁をマークした。「矢野監督から『積極的にいけ』とずっといわれているので、次の塁を狙っていこうという意識でやっていました」。二回の第1打席で低めの変化球にしぶとく食らいつき、全力疾走で投前内野安打をもぎとった。五回には二失で出塁し、二盗を成功させて好機を拡大。昨季6盗塁だった新主将が足で存在感を発揮した。

◆阪神・ナバーロがヤクルト戦で2戦連続安打を放った。六回2死一塁でマクガフの初球、148キロの直球を強振し右前へ。好機を拡大した。  「チャンスをいただいているので、全力を尽くしています。しっかり対応しないといけない」  ただ四、八回と走者を得点圏に置いて迎えた打席では凡退。今後に向けて「ピッチャーもいい球を投げるけど、対応することが大事。しっかり準備します」と力を込めた。

◆前日29日の開幕戦で適時三塁打を放った阪神のD1位・近本光司外野手(大阪ガス)はヤクルト戦に「2番・中堅」で出場し、4打数無安打3三振と快音は響かず。「まだ2試合なので何が正解か分からないですが、やれることをしっかりやっていきたい」と気合を入れた。「1番・遊撃」で出場したD3位・木浪聖也内野手(ホンダ)も3打数無安打。前日も5打数無安打に終わっており、プロ初安打はお預けとなった。

◆ヤクルト戦に「8番・捕手」で出場した阪神・梅野は投手陣を好リードした。「(先発の岩貞は)粘ることが大事だったので、それが結果につながった。困ったときに外の真っすぐで強くいけたのは(バッテリーの)イメージ通りだった」。バットでは3打数無安打だったが、相手打線を1安打に抑えて守備で存在感を発揮した。

◆--岩貞は好調  矢野監督「ちょっとね。自作自演のね。自分でピンチを作って、自分で抑えるというところもありましたけどね。でも、勝負どころでリュウ(梅野)としっかりコミュニケーションを取って、意識を高めて、ピンチになればなるほどいいボールが来ていたと思う。最後の回も1人打ち取って代わるというのはなかなか難しいところなんですけど、最後まで投げきってくれました」  --梅野も好リード  「昨日からそうですけど。リュウがピッチャーを引っ張ってくれているというのは目立っていますしね。こういう試合で勝てるというのが僕の経験からも、キャッチャーはすごく成長できると思うんでね。リュウにとっても大きな2試合につながると思います」  --1-0の勝ち。今季の戦い方になるのか  「もちろん、ウチは投手力がセールスポイント、強みだと思う。1年間戦う上では、こういう接戦を取っていくのが大事。打線の援護がね、チームがムードに乗るというところでは明日は打ってくれると思う。明日は大量点で勝ちたい」

◆読者の皆様は多分、新聞なんてチョチョイノチョイでコンピューターで紙面が簡単に制作変更がきくご時世だから、ずいぶんラクになっただろう...とよく言われますが、それがあなたとんだ大間違いデス。  いわゆる一般紙の場合はニュースは締め切りの時点が"最新情報"なわけですが、スポーツ新聞の場合はあくまで「結果報道」が生命線です。  どういうことかといえば、いくら阪神がイイ試合をしても...「勝ったか」「負けたのか」がはっきりしない場合は一銭の値打ちもない...。  ですから...実は昨日の阪神は実にイイ試合をギリギリまでいたしましたんです。そりゃあなかなかのものでしたよ、皆様...といくら我がサンスポのトラ番連中がイイ記事を書いても、要するにそれで阪神は勝ったんかいナ。それとも負けたんかはっきりせんかとなります。  それが「結果報道」のつらい使命なのです。  でもって...前日(29日)がナイターでしかも延長戦。これがもう整理部と最前線の記者席とで脂汗と命の削りあいとなりまして...ご存じのように終わったのが実に残酷な時間...。となりますとトラ番キャップの大石豊佳はそれからトボトボと大阪市内の自宅に戻るわけですが、家族と幼子たちはもう寝ている。それをソーッと忍び足で帰り、冷蔵庫の冷えた缶ビールと愛妻の心づくしの...からあげで物音をたてずに黙って飲むわけ。そして次の日(つまりデーゲームの30日)はもうそこまで迫ってきているのです。今日も阪神が勝ってくれよ...と祈りつつフトンに入り、すぐ起きる(なにしろデーゲームだから...)。  これが独身の若い織原祥平記者の場合は夕方に食べ残したコンビニのパンの残りと冷えたコーヒーとを持ち帰りそれでバタンキューなのです。  もう一人、トラ番紅一点の箭内桃子姫となると「翌朝のデーゲームにそなえて...」と深夜に帰るととりあえず一風呂あびて何も食べずにバタンキュー。そして次の日、阪神の練習前に京セラドームにかけつけなくちゃならない。  つまりそういう切羽詰まった状況下ですから「今夜の阪神はイイ試合だった」とか「それにしても阪神は...」なんてシンミリなんかしてられないのです、結果報道が生命線の新聞の場合は。  そして、この朝、前夜の壮絶な延長を戦った阪神選手を手分けして追いかけるわけ。ですからこの30日の朝は空腹のヤツ、寝不足、まだふかしパンが前夜のまま残ったまんまのヤツ...などいろいろなんです。そこに編集局の「虎ソナ班」の窓際から「おい、昨日の試合みたいなヤツをもう一丁頼むぜ」なんて電話しようものなら...どんな反応になるかおわかりですか。  でね...開幕2戦目ともなりますと、もうエンジンがフルスロットルで眠れるヤクルトを岩貞-桑原-ジョンソン-ドリス...と矢野監督の捕手独特の嗅覚で継投策をきっちりときめ、初回の糸井兄ィのホームランの1点で守りきったのはそりゃあ花冷えの街で痛飲された皆様は大変ヨカッタでしょうけど、我々はこんな試合ばかりやられては美味しい酒をぐい飲みどころか、いずれどこかに"通院"しなきゃならんことにもなるんだ。  新里公章は「西勇輝投手が(31日にそなえて)厳しい表情で練習してましたッ」という。「高山選手はみんなより早くロングティーに汗をながしてました」と織原。とにかく若手のサバイバルがまだ開幕してタッタ2試合なのにもう...。  「ゆく河の流れはたえずして、しかももとの水にあらず...」(方丈記)という。だけど...もうおじさんはドドッとウレシイ疲れが...。

◆ソフトバンクを戦力外になり、2009年以来の復帰となった五十嵐が七回に初登板し、1回を無安打無失点に抑えた。「(1死から)四球を出してしまったけれど、そこから自分らしい投球ができた。状態も徐々に上がってくると思う」。直球の最速は145キロを計測。39歳右腕は「ボール自体は悪くなかった」とうなずいた。

◆先発した18年目の石川は、5回3安打1失点と粘ったが一発に泣いた。一回、糸井に緩い変化球を右翼ポール際に運ばれ、リクエストによるリプレー検証でも判定は覆らなかった。三回以降は要所を締めて8三振を奪う快投を見せたが「先制点が全て。本塁打は相手に勢いを与えてしまう」とし「次につなげていきたい」と前を向いた。

◆「スコアブックの字が小さすぎて阪神のヒットが見えな~い!! ケンさんには内緒だよ」  ヒエ~虎党が怒ってる。よーし、こーいうときには。  「ハンシンズキルーペかけてみて♪」  「おっ、ヒットが多くって...コラー良く見えてもわずか4安打の1点だけじゃねーか!?」  そーなんですよ...今季も虎の貧打線に苦しめられる予感が早くも...イヤイヤ、打てなくてもわが阪神は開幕連勝! 矢野阪神は試合巧者と考えましょう!!  三回、先発の岩貞は1死から3連続四球で打者バレンティンの大ピンチ。しかし、動じることなく後続を斬る大成長のピッチング! お尻の下敷きになっても全然壊れないハンシンズキルーペそのものじゃないのさー!!(なんのこっちゃ?)  ハンシンズキルーペより強かったのが、矢野阪神なのだ。ヤクルト先発は左腕・石川なのに右打者を先発起用する策をとらず、9人中7人が左打者の『阪神レフティーズ』を貫いたことである!! この腹のくくり方は、必ずやこの先猛虎ナイン全体のたくましさにつながる! と俺は信じるのだ!!  さ、第3戦も勝って平成最後の3月を無敗の虎にしたるでェ!!

◆ヤクルトが1安打零封負け。1安打のみで敗れたのは、昨年10月1日のDeNA戦での阪神(0-10)以来。ヤクルトの1安打零封負けは、2016年8月21日の広島戦(0-3)以来3年ぶり。開幕カードに限ると、同じくシーズン2戦目だった15年3月28日の広島戦以来4年ぶりで、唯一の安打はこの日と同じ山田哲。スコアも0-1だった。

◆「8番・捕手」で出場した梅野は投手陣を好リードした。「(先発の岩貞は)粘ることが大事だったので、それが結果につながった。困ったときに外の真っすぐで強くいけたのは(バッテリーの)イメージ通りだった」。バットでは3打数無安打だったが、相手打線を1安打に抑えて守備で存在感を発揮した。

◆糸原が今季初安打&初盗塁をマークした。「矢野監督から『積極的にいけ』とずっといわれているので、次の塁を狙っていこうという意識でやっていました」。二回、低めの変化球にしぶとく食らいつき、全力疾走で投前内野安打をもぎとった。五回には二失で出塁し、二盗を成功。昨季6盗塁だった新主将が足で存在感を発揮した。

◆自慢のリリーフ陣を存分に見せつけた。矢野監督が送り出した救援陣が、またも満点回答の零封リレー。これが矢野虎の強みだ。  「信頼関係でね。コールしたら信じるしかないし、もちろん信じてる。あとは思い切っていってもらうだけ。もうそこはみんな実行してくれてるというか。頼もしいね」  じっと勝負どころを見極めた。先発の岩貞が一回に山田哲に許した1安打のみで、四回以降は走者すら許さない尻上がりの好投。それでも七回先頭、左打者の村上を空振り三振に仕留め、右の広岡を迎えたところで交代を告げた。  「桑原は、あそこで行くというのは決めていた」  オープン戦序盤まで采配を封印していたが、継投に迷いはない。打者との兼ね合い、投手の疲れ具合...。2005年以来リーグ優勝から遠ざかる間、岡田彰布、真弓明信、和田豊、金本知憲と野手出身の監督が続いていたが、昨季は2軍監督としてファーム日本一に導き、捕手としての経験がタクトに大胆さを加える。桑原は期待に応え、4球で打者2人をピシャリ。ジョンソン、ドリスとの4投手で、球団初の"スミ1"の1安打完封だ。  開幕2連勝は4年ぶりだが、新監督に限ると2004年に巨人戦で3連勝した岡田監督以来15年ぶり。とはいえハラハラドキドキの連続に将は「しんどいですね。ずっと緊張しながら、頑張れ頑張れ、と思いながら見ているのはなかなかしんどいですけどね」と本音もちらりとのぞかせた。  「2つ勝てたからこそ明日が大事になる。さらにムードをよくできる戦いっていうと、打線が活発になりながら西の初勝利。明日はそれを目指してやっていきます」  リリーフ陣の登板過多は避けたいだけに、3連勝を目指して打線の奮起を促した。矢野虎が本当にノっていくのは、ここからだ。 (大石豊佳) 七回1死から登板し、4球で打者2人を仕留めた阪神・桑原 「自分の結果がよければチームの勝利に貢献できるので、与えられたところでしっかり仕事をしたい」 八回を三者凡退に抑えた阪神・ジョンソン 「ストライク先行でいこうと思っていた。自分の仕事ができた」

◆だから守護神だ。切れのいいツーシームで、ねじ伏せた。1-0の九回に登板したドリスが打者3人を無安打2奪三振に抑え、今季初セーブをマークした。  「調子自体は悪くなかった。(打線の)核となるところだったので、慎重に。先頭をしっかり抑えようと思っていた」  先頭の山田哲にフルカウントまで粘られたが、低めの153キロのツーシームで空振り三振。続くバレンティンには三塁線へ鋭い打球を打たれたが、大山が好捕し、三直に。思わず胸に手を当てて安堵の表情を浮かべた。最後の塩見には外角低めの直球で空振り三振を奪い、リードを守りきった。  前日の開幕戦は1-1の九回に登板し、三者凡退。昨季は1勝7敗32セーブ、防御率2・85。7敗のうち、6敗が同点の状況であるように緊迫した場面での不安定さはあったが、今季はオープン戦でも5回をわずか1安打。藤川との抑え争いを制し、安定感は抜群だ。  八回はジョンソンが11球で三者凡退に抑えてバトンをつなぎ、勝ちパターンを形成。守り勝つ矢野虎の大きな支えとなる。 (織原祥平)

◆静かに左拳でグラブを叩いた。気迫のこもった投球で、岩貞が6回1/3をわずか1安打に封じ無失点。力強い直球で押し、今季初登板で白星を挙げてみせた。  「ずっとオフから真っすぐにこだわってやってきたものがきょうこうやって、1戦目で出せたので。いい準備ができたと思います」  唯一にして最大の山場は、1点リードの三回に訪れた。1死から坂口、青木、山田哲に3者連続四球で満塁に。「自分でつくったピンチ。開き直って投げました」。気持ちを切り替え、思い切り腕を振った。バレンティンをカットボールで一飛に仕留めると、塩見は外角低め144キロ直球で空振り三振。ここからギアを上げ、四回以降は出塁を許さなかった。  尊敬する先輩からの言葉を胸に、自らと向き合ってきた。年明け、能見一家と家族ぐるみで食事に出かけたときだった。昨年までは自主トレをともにするなど、同じ先発左腕として追いかけてきた存在。しかし能見が昨季から中継ぎに転向したこともあり、今年の自主トレは別々に...。出発を前に、ベテランは厳しくも優しい言葉で背中を押してくれた。  「サダ(岩貞)は人と群れている時間が長いんじゃないの。やるときはしっかりやらないと。でもけがだけはすんなよ」  気持ちが引き締まるには十分だった。自主トレからキャンプ、オープン戦、そしてシーズンへ。それぞれの時期でどんな課題に取り組むかを綿密に計画し、練習や実戦に落とし込んでいった。  「去年自分が失点しているケースだとか、チームとしてシーズンに入ったら対策していくようなことを考えて」。ここ数年は使っていなかったカットボールや、右打者の外角への直球、打者との間合い...。着実にクリアし、シーズンにつなげていった。  矢野監督は「気合も入っていたし球も走っていた。腕を振ってしっかりと球の勢いとかキレで抑えるっていう部分がすごく前面に出ていた」。開幕2戦目の抜てきに応える快投に、すっかり目尻を下げた。  「成績を出す以外ないと思うので。また1週間後に向けてしっかり準備をして、またこれを継続できるように」。16年に2桁勝利を挙げたが、昨年は秋に失速して7勝10敗。殻をブチ破り、飛躍のシーズンへ最高のスタートを切った。 (箭内桃子) 岩貞について阪神・金村暁投手コーチ 「力んで、球数が多かったけど、あの打線を1安打に抑えられたのはすごい。彼の良さである気持ちの強さが前面に出ていてよかった」

◆2016年以来、3年ぶりの開幕2連敗にヤクルト・小川淳司監督(61)は開口一番、「我慢だな」と口にした。  「チャンスといっても(三回の)あれぐらいしかなかった。巡り合わせもある。(バレンティンは)空回りしている状態。昨日、今日の感じでは(打線に)我慢が必要だと思う」  前日29日の開幕戦は8安打1得点と決定打を欠き、この日は雄平に代えて5番に塩見を先発起用した。唯一の好機は三回。3連続四球で1死満塁としたが、バレンティンが一飛、塩見が空振り三振に倒れた。バレンティンは一回2死二塁でも中飛。開幕戦も得点圏に走者を置いて2度凡退しており、4番の不振が得点力不足に直結している。  1安打零封負けは16年8月21日の広島戦(マツダ)以来。一方で、この日も4投手で1失点と投手陣は奮闘している。指揮官は「始まったばかりだが、状態としては我慢の時期。突破口というか、切り開いていけるようにしないと」と現状打破を求めた。 (長崎右)

◆ドキドキ特大弾で連勝発進! 阪神・糸井嘉男外野手(37)が一回にチーム今季1号となる先制ソロを右翼ポール際に叩き込んだ。リプレー検証も判定通りで本塁打に。この"スミ1"で逃げ切って、ヤクルト相手に4年ぶりの開幕2連勝。矢野虎が2005年以来のリーグVへ、早くも単独首位に立った。  ポール際の打球はフェアか、ファウルか-。ドッキドキの待ち時間の末に、リプレー検証を終えた球審の手がまわって大歓声に包まれた。手を合わせて祈った矢野監督も破顔一笑。糸井もベンチ内で心臓に悪いわ~といわんばかりに胸元に手をあて喜んだ。特大のチーム1号で、開幕2連勝を呼び込んだ。  「(リプレー検証に)ドキドキしました。いや、あの~、ビデオ判定になるのはわかっていました。入ってくれてよかったです。本拠地開幕の2戦目で、先制点につながる一打が打ててよかったです」  この日唯一の得点をたたき出したヒーローの豪快な1発が、昨年4月11日以来、353日ぶりの単独首位に押し上げた。一回2死。先発・石川の103キロカーブを豪快に運び去った。投手陣がこの1点を死守し、燕相手に連勝発進だ。  打席のなかで右足を踏み込み、一瞬、ピタリと止まって緩い球にタイミングを合わせきったのも鍛え上げた下半身のたまものだ。今年2月。糸井は「僕を見つけたら捕まえてください」と、伊藤トレーニングコーチに第3クールまでの走り込みを直訴した。  移籍元年のオフに右膝の関節炎が再発するなど、虎入り後は何度も下半身の故障に泣かされてきた。その男の"ランニングマン宣言"は自信の表れそのものだ。「鬼コーチ!」。200メートル×10本を全力でこなし、息を切らしながらもその表情には充実感があふれた。  追い込み期間中、急なスコールが降り「きょうはやめとけって、お天道さまがいうてるわ...」と思わず天を見上げた。空の上から休養をすすめられるほどの走り込みで土台は完成。3月の練習中に甲子園の芝生で足を滑らせて別メニュー調整となったが、膝への負担が少ない練習法を模索して室内でバイクをこぎまくって、さらに鍛えた。  通算300盗塁まであと12と迫り、新たなモチベーションにもなっている。八回に四球で出塁し、二盗を試みてボークと判定された場面は、試合後に何度も悔しがったという。足へのプライドは、好調なバットの一因にもなっているはずだ。  矢野監督は「ホームランだったので一緒に喜びましたけど、その後はドキドキしていました」と目を細め、糸井も「もちろんみんな、優勝を目指して頑張っています! 大きな声援が力になります。応援よろしくお願いします」と力を込めた。  虎移籍後開幕カード3年連続弾をお見舞いした主砲の力が、下克上を目指す虎を頂点まで引っ張り上げる。 (新里公章) 糸井の一発について阪神・浜中打撃コーチ 「(カーブに)ピタッと止まって、いい打撃をしてくれた。初球を仕留められるのは糸井らしい。初回でしたし、ホームランは大きかった」 ★糸井の阪神移籍後のシーズン1号  ◆2017年 開幕3試合目の4月2日の広島戦(マツダ)。0-2の三回に九里から右翼席へ豪快にほうり込んだ。開幕3試合で9打数4安打(打率・444)、1本塁打、5打点と猛打を奮ったが、続く五回の打席で右腕に死球を受け、途中交代。試合も1-9で大敗し、開幕カードは1勝2敗で負け越し  ◆2018年 開幕2試合目の巨人戦(東京ドーム)。一回2死。田口のチェンジアップを右翼席上段に放り込む先制ソロ。試合は4-8で敗れ、開幕カードも1勝2敗で負け越し。開幕3試合の安打は本塁打1本のみで、12打数1安打(打率・167)

◆阪神ベンチが七回1死無走者で継投に踏み切った時は、思わず「エッ」と声を上げた。岩貞は被安打わずか1。しかもタイミングが合っていない下位打線相手。"スミ1"での完封は投手にとって勲章で「この日の岩貞なら」とも思える内容だったから意外だった。  ただ、結果を見れば桑原、ジョンソン、ドリスとつないで完封リレー。事情を最も把握しているベンチが何かを感じて、継投に踏み切ったのだろう。矢野監督の「冴え」が正解を導き出した。  とはいえ、七回途中まで好投した岩貞が最大の殊勲者。長打力のあるヤクルトの強力打線に対して「変化球は低めへ」を徹底していた。ショートバウンドストップを確実にしてくれる捕手・梅野への信頼感も感じた。  三回には警戒しすぎて3者連続四球。決して褒められないが、細心の注意を払った結果と受け止めたい。矢野監督が開幕2戦目に指名した理由が分かる好投だったし、大崩れはしそうにない。  ただ、打線には言いたい。「もう少し点を取ってやれ」と。 (サンケイスポーツ専属評論家)

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
阪神
200 1.000
(-)
-
(-)
141
(-1)
3
(+1)
1
(-)
1
(+1)
1.000
(↑1
0.000
(-)
2
(1↓)
広島
110 0.500
(↓0.5)
1
(↓1)
141
(-1)
7
(+2)
5
(+5)
2
(+1)
1.000
(↑1)
0.000
(-)
2
(2↑)
巨人
110 0.500
(↑0.5)
1
(-)
141
(-1)
5
(+5)
7
(+2)
0
(-)
0.000
(-)
0.000
(-)
2
(1↓)
DeNA
110 0.500
(↓0.5)
1
(↓1)
141
(-1)
9
(+1)
10
(+9)
1
(-)
0.000
(-)
0.000
(-)
2
(2↑)
中日
110 0.500
(↑0.5)
1
(-)
141
(-1)
10
(+9)
9
(+1)
0
(-)
1.000
(-)
0.000
(-)
6
(2↓)
ヤクルト
020 0.000
(-)
2
(↓1)
141
(-1)
1
(-)
3
(+1)
0
(-)
0.000
(-)
0.000
(-)