広島(★2対5☆)巨人 =リーグ戦2回戦(2019.03.30)・マツダスタジアム=
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巨人
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広島
0001001002701
勝利投手:ヤングマン(1勝0敗0S)
(セーブ:クック(0勝0敗1S))
敗戦投手:床田 寛樹(0勝1敗0S)

本塁打
【広島】鈴木 誠也(1号・4回裏ソロ)

  DAZN
◆巨人は4回表、ゲレーロの2点適時打で先制する。1点差とされて迎えた6回には、再びゲレーロが適時打を放ち、リードを広げた。投げては、先発・ヤングマンが6回1失点の好投で今季初勝利。敗れた広島は、先発・床田が6回途中4失点と試合をつくれず、打線もつながりを欠いた。

◆広島が開幕から2試合連続となる完封勝利を目指す。29日の巨人との開幕戦は5-0で勝利。 開幕から2試合連続で完封勝利となれば15年西武(1-0、2-0)以来だが、広島では88年(3-0、2-0)以来、31年ぶりとなる。 広島は床田寛樹投手、巨人はヤングマン投手が先発予定。

◆アレックス・ゲレーロ外野手(32)が、先制の2点適時二塁打を放った。 0-0で迎えた4回2死一、二塁、フルカウントからのスライダーを左翼線ギリギリに落とした。チームの今季初打点を挙げ「追い込まれてからは、何とかランナーをかえすことだけを考えていました。2019年最初のチームの打点を挙げられたのは、すごくうれしい」とコメントした。

◆広島鈴木誠也外野手(24)が今季1号を放った。 2点を先制された直後の4回1死から巨人ヤングマンに追い込まれながらカーブをたたいて左翼席へ豪快に運んだ。「甘く入ってきたところを一発で仕留めることが出来ました」。開幕2戦目で4番に待望の1発が飛び出した。

◆巨人原辰徳監督がリクエストを成功させた。5回無死、安部の二塁への打球を捕球した吉川尚が一塁ベースカバーに入ったヤングマンにトス。安部は一塁へヘッドスライディングで滑り込み、一塁塁審はセーフの判定だった。 この判定にベンチの原監督が就任後初のリクエストを要求。リプレー検証の結果、判定はアウトに覆った。

◆広島床田寛樹投手(24)が710日ぶりとなる1軍登板を5回1/3を4失点で終えた。 3回までわずか39球の省エネ投法で巨人打線を無失点に抑える滑り出しも、4回に暗転した。1死から丸を四球で歩かせると、陽の安打で2死一、二塁となり、ゲレーロに左翼線へ先制2点二塁打を浴びた。後続は打ち取ったものの、この回だけで3回までの球数と同じ39球を要した。 5回は3者凡退に切るも、6回1死二、三塁の場面で降板。代わったヘルウェグがゲレーロに2点打を浴びた。

◆広島床田寛樹投手(24)が710日ぶりとなる1軍登板を5回1/34失点で終えた。 3回までわずか39球の省エネ投法で巨人打線を無失点に抑える滑り出しも、4回に暗転した。1死から丸を四球で歩かせると、陽の安打で2死一、二塁となり、ゲレーロに左翼線へ先制2点二塁打を浴びた。後続は打ち取ったものの「ちょっと高かった。いろんな球種でカウントをとれないといけない」と反省。この回だけで3回までの球数と同じ39球を要した。5回は3者凡退に切るも、6回1死二、三塁の場面で降板。代わったヘルウェグがゲレーロに2点打を浴びた。 黒星スタートに「内容があまり良くなかった。本番モードというか、レギュラーシーズンでは内容が良くなければ、結果も良くない。もっといい内容にしていかないといけない」と首をひねった。

◆移籍後初スタメンマスクの巨人炭谷銀仁朗捕手が、存在感を発揮した。立ち上がりは制球が不安定だった先発ヤングマンを冷静かつ我慢強いリードで立ち直らせた。強力広島打線に対し緩急を使いこなした配球で的を絞らせず最少失点で切り抜けた。3回1死一塁では強肩を発揮し田中広の二盗を阻止。ディフェンス面で大きく貢献し、先発ヤングマンを6回1失点の初勝利へと導いた。 炭谷は「ジャイアンツではマツダスタジアムが鬼門と言われているけど、僕はいい意味で去年までを知らない。変なイメージを持つことなく試合に入れた。2つ目の盗塁を刺したかった。刺せるタイミングだった。ヤングマンは立ち上がりの制球が乱れていたけど、なんとか先制点を与えないようにとリードした」と振り返った。

◆巨人先発のテイラー・ヤングマン投手(29)が公式戦初対戦の広島打線を6回4安打1失点に抑え、今季初勝利を挙げた。白星は昨年7月17日阪神戦以来、256日ぶり。 立ち上がりは制球に苦しんだ。ひっかけ、抜け球が目立ち、ボール先行の投球が続いた。それでも、カット気味に動く速球とカーブで緩急をつけて打ち取った。走者を背負ってから課題のクイックモーション、けん制も無難にこなし、足も封じた。 5回まで毎回走者を背負いながら要所で粘り、4回の鈴木の1発のみの最少失点で99球を投げきった。 託された開幕2戦目のマウンドで、しっかりと役割を果たし「今日の試合を非常に楽しみにしていた。最初、立ち上がりは(フォームの)タイミングが合わなくて苦労したけど、途中から修正できた。(クイックモーションも)春季キャンプから練習してきたことが徐々によくなってきて、今日の結果になったと思う」と振り返り「自分のピッチングができて、チームが勝ったことが大きい」と喜んだ。 来日1年目の昨季は開幕からファーム生活が続いた。1軍初登板初先発の7月1日中日戦で初勝利をマーク。そこから連勝を重ね、来日1年目の外国人では88年ガリクソン以来、30年ぶりの来日初登板から3戦3勝を記録した。7月25日ヤクルト戦で打球を左手に当て骨折。痛い離脱を経験したが、2年目の今季はキャンプからアピールを重ねて、開幕ローテ入り。チャンスをものにし「毎試合いいピッチングを見せて、チームに貢献することを目指して頑張りたい」と今後の活躍も誓った。

◆巨人は4回にゲレーロの2点二塁打で先制し、2-1の6回にゲレーロの2点打で差を広げた。ヤングマンは6回1失点で勝利、9回はクックが抑え来日初セーブ。広島は床田が6回途中4失点と粘れず。巨人が鬼門のマツダで今季初勝利。

◆巨人が新方程式で逃げ切った。3点リードの7回から継投に入り、吉川光、中川、クックとつないで今季初勝利に結びつけた。 宮本投手総合コーチは「(吉川光は)1点は取られたけど直球のスピードも出ていた。全く心配していない。(中川は)素晴らしい投球。(クックも)落ち着いて投げてくれた」と絶賛した。

◆広島は2-5で巨人に敗れ、対戦成績は1勝1敗となった。緒方孝市監督(50)の一問一答は以下の通り。 -6回途中4失点で敗戦投手の床田について 緒方監督 力、入っていたね。少し球が浮き気味なところもあったし、ストライクをとってもらえない部分もあるし、ちょっとボール先行になって、苦しい投球になった。 -次回登板は 緒方監督 ぜんぜん問題ない。 -ヤングマンはほぼ初対戦 緒方監督 難しいところはあるよ、やっぱり。独特のカーブとかね。緩急はものすごくつくし、真っすぐは滑っているし。次回の対戦に行かせれば。 -鈴木が本塁打 緒方監督 誠也は問題ない。 -初登板の島内について 緒方監督 島内にしても、レグナルトにしても、ヘルウェグにしても、オープン戦とは違うんだし、公式戦で力が入る部分とか、いわゆるそういう雰囲気とか、最初はそういう部分があって力が入るもの。なかなか自分の思ったように力が発揮できない部分はある。2回目から落ち着いて入れるでしょう。まだ出ていない選手もいるけど。

◆巨人丸佳浩外野手が3四球で出塁し、チームの今季初勝利に貢献した。1回の1打席目に開幕戦から5打席連続三振を喫したが、4回の2打席目に四球で移籍後初出塁。 二塁に進塁後、ゲレーロの2点適時二塁打で今季のチーム初得点を記録した。6回にも四球で出塁し、再びゲレーロの適時打で生還。「ヒットは出ませんでしたが、我慢すれば得点につながる可能性が高くなる」と話した。 昨季、リーグ断トツの130四球を選んだ選球眼の良さを証明した。広島バッテリーが丁寧にコーナー、高低を突く中、冷静に対応。5打席連続三振を喫しても、自分のスタイルを崩さずに、フォア・ザ・チームの精神を貫いた。2番に坂本勇を置き、原監督が思い描く「勇人が先陣を切って、丸が後ろに控える」"ダブル3番"の期待通り、広島に重圧をかけ、得点を奪った。

◆4年ぶりに復帰した巨人原辰徳監督(60)が、第3次政権初勝利を飾った。 公式戦勝利は15年10月4日のヤクルト戦以来、1273日ぶり。3連覇中の広島に対して、開幕スタメンから外したアレックス・ゲレーロ外野手(32)を「6番左翼」で初先発させると、助っ人が3安打4打点と大活躍。8回は2番坂本勇人内野手(30)の2年ぶりとなる犠打を5点目につなげ、鬼門のマツダスタジアムで1勝1敗の五分に戻した。2点リードの9回無死一、二塁、原監督は攻撃的新打線の象徴だった「2番坂本勇」に犠打のサインを出した。坂本勇、丸と続くオーダーは「初回から2点取りにいく。3番打者が2人いる」と言う強力布陣。1回無死一塁の場面で犠打はないと公言するが、勝利がかかった試合終盤では別。「私の中では最善策。ゲームを支配する、勝つということですね」。主将の2年ぶり犠打でチャンスを広げると、内野ゴロの間に試合を決定づける5点目を奪った。 勝利をたぐり寄せるために、自ら積極的に動いた。開幕戦から6番ゲレーロ、7番中島と2人を入れ替え、新オーダーを組んだ。ゲレーロは4回に今季のチーム初得点となる2点適時二塁打を放つと、6回には広島を突き放す2点中前適時打。オフ期間からメールで連絡を取り、頭のぶれないフォーム変更のアプローチを続けた助っ人の活躍に「非常にいい場面で打ってくれた。価値ある4打点でしたね」。5回無死の場面では前回監督時にはなかったリクエストに初チャレンジ。セーフ判定だった内野ゴロをアウトにひっくり返し「すごく大きなプレーだった」と、広島に傾きかけた流れを呼び戻した。 還暦を迎え、3度目の監督就任。WBC世界一を含む監督12年間で築いた実績は「すべて捨てる。ゼロからのスタート」と決めた。若い選手と対話し、向き合いながら徹底した実力至上主義を取り入れ、調整が遅れたメジャー20本塁打の新外国人ビヤヌエバは開幕1軍から外した。選手のコンディション、力を正当に評価することが「チームの和をつくる」と貫く。 4年ぶりの勝利後、雨上がりの敵地マツダスタジアムには虹がかかった。「1勝目のような感じがしますね。何勝かしているというのは覚えてない。初勝利だ。バンザイ!」と笑った。監督通算948勝目。川上哲治氏(1066勝)、長嶋茂雄氏(1034勝)に次ぐ球団史上3人目の1000勝も迫る中、過去は捨て、今と向き合い歩みを進めていく。【前田祐輔】

◆広島鈴木誠也外野手が自身最速で1号を放った。開幕6打席目の4回1死走者なしで、ヤングマンのカーブを左翼スタンドに運んだ。 これまでの最速1号は26本塁打を放った17年の8打席目。17年の右足首手術の影響が大きかった昨年は、1号までに24打席を要している。今季は開幕から花粉症に苦しんでいるが、影響を感じさせない。甘い球を一発で仕留め、進化を見せつけた。 自己評価は辛かった。「その前の得点圏の打席で打ちたかった」と1回1死一、三塁で三振した場面を猛省。ボテボテの内野ゴロでも先制点が入る場面だっただけに「何かしら転がすことはできた」と振り返った。 勝つために何がベストかを考え続けている。2点を追う8回2死走者なしの打席で、二塁への当たりに全力疾走。悪送球を誘って迷わず二塁まで進塁し「ベースを踏む前にボールが横を通過するのが見えたから」と話した。本塁打よりゴロで1点、本塁打より全力疾走。完敗の中、4番の頼もしさが際立った。

◆4年ぶりに復帰した巨人原辰徳監督(60)が、第3次政権初勝利を飾った。公式戦勝利は15年10月4日のヤクルト戦以来、1273日ぶり。3連覇中の広島に対して、開幕スタメンから外したアレックス・ゲレーロ外野手(32)を「6番左翼」で初先発させると、助っ人が3安打4打点と大活躍。9回は2番坂本勇人内野手(30)の2年ぶりとなる犠打を5点目につなげ、鬼門のマツダスタジアムで1勝1敗の五分に戻した。 2点リードの9回無死一、二塁、原監督は攻撃的新打線の象徴だった「2番坂本勇」に犠打のサインを出した。坂本勇、丸と続くオーダーは「初回から2点取りにいく。3番打者が2人いる」と言う強力布陣。1回無死一塁の場面で犠打はないと公言するが、勝利がかかった試合終盤では別。「私の中では最善策。ゲームを支配する、勝つということですね」。主将の2年ぶり犠打でチャンスを広げると、内野ゴロの間に試合を決定づける5点目を奪った。 勝利をたぐり寄せるために、自ら積極的に動いた。開幕戦から6番ゲレーロ、7番中島と2人を入れ替え、新オーダーを組んだ。ゲレーロは4回に今季のチーム初得点となる2点適時二塁打を放つと、6回には広島を突き放す2点中前適時打。オフ期間からメールで連絡を取り、頭のぶれないフォーム変更のアプローチを続けた助っ人の活躍に「非常にいい場面で打ってくれた。価値ある4打点でしたね」。5回無死の場面では前回監督時にはなかったリクエストに初チャレンジ。セーフ判定だった内野ゴロをアウトにひっくり返し「すごく大きなプレーだった」と、広島に傾きかけた流れを呼び戻した。 還暦を迎え、3度目の監督就任。WBC世界一を含む監督12年間で築いた実績は「すべて捨てる。ゼロからのスタート」と決めた。若い選手と対話し、向き合いながら徹底した実力至上主義を取り入れ、調整が遅れたメジャー20本塁打の新外国人ビヤヌエバは開幕1軍から外した。選手のコンディション、力を正当に評価することが「チームの和をつくる」と貫く。 4年ぶりの勝利後、雨上がりの敵地マツダスタジアムには虹がかかった。「1勝目のような感じがしますね。何勝かしているというのは覚えてない。初勝利だ。バンザイ!」と笑った。監督通算948勝目。川上哲治氏(1066勝)、長嶋茂雄氏(1034勝)に次ぐ球団史上3人目の1000勝も迫る中、過去は捨て、今と向き合い歩みを進めていく。【前田祐輔】

◆巨人・丸佳浩外野手(29)が30日、広島2回戦(マツダ)に「3番・中堅」で先発出場。四回2死一、二塁の場面で、ゲレーロの左翼線2点二塁打で、二走から生還した。  2019年のチーム初得点だ。1打席目は、古巣の広島先発・床田のスライダーに空振り三振を喫し、前日29日の開幕戦から5打席連続で三振。だが、四回1死からの2打席目はフルカウントから四球で出塁し、好機を作り、先制のホームを踏んだ。

◆巨人のアレックス・ゲレーロ外野手(32)が30日、広島2回戦(マツダ)に「6番・左翼」で先発出場。両軍無得点の四回2死一、二塁から、左翼線への先制2点二塁打を放った。  「追い込まれてからは、なんとかランナーをかえすことだけを考えていました。2019年最初のチームの打点をあげれたのはすごくうれしい」  相手先発・床田が投じた136キロのスライダーに反応し、左翼線に落ちる一打。二走・丸と一走・陽岱鋼が生還した。前日29日の開幕戦は、完封負けを喫したため、チームの今季初打点。スタメン起用に応えた。

◆広島-巨人2回戦が30日、マツダスタジアムで行われ、広島は床田、巨人はヤングマンが先発。4年ぶりに指揮を執る巨人・原辰徳監督(60)が、初めてリクエストを要求した。  場面は五回裏。巨人が守備についているときだ。先頭・安部の打球は、大きく跳ねて一塁手の方向へ。一塁手・岡本が捕球しにいったが、結果的に二塁手・吉川尚が捕球し、投手のヤングマンが一塁ベースをカバー。打者の安部が一塁にヘッドスライディングをして、最初はセーフと判定された。  直後、ベンチから原監督が出て、リクエストを要求。審判団による数分間の協議の末、判定は覆り、アウトとなった。リクエスト制度は昨年から日本のプロ野球にも導入されている。

◆広島・鈴木誠也外野手(24)が30日、巨人開幕2戦目(マツダ)の0-2の四回に左翼へ豪快な今季1号ソロを放った。  「甘く入ってきたところを一発で仕留めることができました」  2点を追う四回1死走者なしで迎えた2打席目にヤングマンの甘く入ったカーブを一閃。完璧にとらえた打球は左翼席の上段に突き刺さり、3万人以上が入った満員のマツダスタジアムは一気に盛り上がった。  鈴木は昨年11月に2年前に右足首を手術をした際に入れたボルトを抜く手術を受けて、春季キャンプは一部別メニューだった。その分、個人でしっかり振り込み、開幕2戦目でしっかり本塁打を放った。

◆巨人のテイラー・ヤングマン投手(29)が30日、広島2回戦(マツダ)に先発。6回計99球を投げ4安打1失点と好投した。  一回、先頭の田中に4球連続ボールで四球を与えたが、後続を抑え無失点。六回以外は毎回走者を背負ったが、粘り強い投球で失点は四回1死から、広島の4番・鈴木に左越えソロを浴びた1点のみ。最速148キロの直球と大きく曲がるカーブで広島打線を封じ、開幕2戦目での先発起用に応えた。

◆巨人のアレックス・ゲレーロ外野手(32)が30日、広島2回戦(マツダ)に「6番・左翼」で先発出場。1点リードの六回1死二、三塁の3打席目に中前2点打を放ち、チームに貴重な追加点をもたらした。  「二、三塁とチャンスで、球の強い投手とわかっていたので、力負けしないように、コンパクトに、最低でも外野フライをイメージして打席に入りました。うまく打ち返せてよかった。家族もきていて、ベンチに帰ったらみんなに『ファミリー! ファミリー! 家族のおかげだな!』と声をかけてもらい最高の気分だよ」  代わったばかりのヘルウェグが投じた4球目を中前に弾きかえした。1打席目は左前打、2打席目は左翼線への2点二塁打を放ち、1試合3安打以上の猛打賞を記録。開幕スタメンを逃した助っ人が、開幕2戦目で存在感を発揮した。

◆広島からフリーエージェント(FA)で加入した巨人・丸佳浩外野手(29)が「3番・中堅」で先発出場し、2打数無安打3四球2得点だった。  丸は前日29日の開幕戦では4打席連続で三振。この日は一回2死走者なしの第1打席では空振り三振に倒れたが、四回1死からの第2打席はフルカウントから四球で出塁して好機を作り、先制のホームを踏んだ。六回の第3打席もフルカウントから四球で出塁し、1死二、三塁からゲレーロの中前2点打で生還した。  巨人3点リードの七回1死二塁、古巣ベンチは2番・坂本勇を申告敬遠で歩かせて丸との勝負を選択したが、第4打席の結果は左飛だった。  九回1死二、三塁の第5打席はフルカントから四球を選んだ。チームは続く岡本の遊ゴロの間に三走が生還し、1点を追加。クックがその裏を3人で締めて5-2で逃げ切り、巨人が今季初勝利を飾った。

◆広島の鈴木が1号ソロを含む2安打と気を吐いた。0-2の四回1死で真ん中に入ったカーブを左越えへ運んだ。2-4の八回2死では二塁内野安打の際、二塁手の悪送球の間に二塁まで進む隙のなさも見せた。  それでも4番打者として、一回1死一、三塁で空振り三振に倒れたことを悔やみ「本塁打は自分の中で評価できるところでない。その前の得点圏の打席で打ちたかった」と反省した。

◆広島の床田は六回途中4失点で左肘関節手術からの復帰登板を白星で飾れなかった。プロ1年目だった2017年4月以来の公式戦。四回2死一、二塁でゲレーロに内角球を左翼線への二塁打とされて2点を先制され、1-2の六回に四球と二塁打でピンチを招いて降板。後続も打たれた。  ゲレーロには3月5日のオープン戦でも2安打されていた。床田は「ちょっと高かった。(内角に)ボールでもいいくらいの気持ちで思っていたけど投げきれなかった」と悔やんだ。 緒方監督(床田に) 「力が入っていた。球が浮き気味だったし、ボール先行で苦しい投球になった」 島内(ドラフト2位新人。プロ初登板で1回1失点) 「いつも通り緊張した。先頭打者への四球が気になってしまった。その時点で開き直っていれば良かった」 レグナルト(来日初登板で2/3回を無失点) 「制球がきちっとしていなかったが、結果的に無失点で終えられて良かった」

◆巨人の新外国人選手のクックが九回に初登板し、三者凡退に抑えてセーブをマークした。丁寧に球を低めに集めてゴロを打たせ「興奮が高まり過ぎたが、気持ちが入ったことでいい方につながった。正しい一歩目を踏み出せた」と余韻に浸った。  雨が降る悪条件にも集中力を保って好投。広島ファンで真っ赤に染まったスタンドの様子にも意に介さず「いいチームの敵地。そういう雰囲気で投げられて楽しかった」と余裕の表情だった。

◆広島からフリーエージェント(FA)で加入した巨人・丸佳浩外野手(29)が30日、広島2回戦(マツダ)で2打数無安打も3四球2得点を挙げ、5-2でのチームの今季初勝利に貢献した。  前日29日の開幕戦でまさかの4打席4三振デビューとなった2年連続MVP男は、一回の第1打席で広島の左腕、床田の前に空振り三振を喫し、前夜から5打席連続三振となった。  それでも第2、第3打席は四球で出塁して生還し、2得点。九回の第5打席も、この試合3つ目の四球を選んだ。移籍後初安打こそお預けとなったが、「ヒットは出ていないけど、今日のように我慢したら得点につながる可能性が高くなる。結果的に(得点に)つながってよかった」と話した。昨季、12球団で断トツ1位の出塁率・468、130四球を積み上げた選球眼は健在だ。

◆巨人の炭谷が移籍後初めて先発マスクをかぶった。バッテリーを組んだヤングマンを好リードで勝利に導き「立ち上がりコントロールが悪かったが、先制点を与えないようにリードできた」と満足そうに話した。  バットでは3打数無安打だったが、三回には田中広の二盗を強肩で刺すなど、守備で存在感を発揮した。 ヤングマン(6回1失点で1勝目) 「自分の投球ができて、チームが勝ったことが大きい」 坂本勇(九回に2年ぶりに犠打をマーク) 「一発で決まった。点が入って良かった」 丸(3四球を選んで2得点) 「安打は出ていないけど、我慢しながらつなげていけば得点につながる確率が高くなる」

◆前日の開幕戦で4打席連続三振に終わった丸は、一回に床田から空振り三振を喫し、昨年9月29、30日の巨人戦以来となる5打席連続三振を記録した。以降は3四球を選んで2得点と勝利に貢献し「安打は出ていないけど、今日のように我慢したら得点につながる」と前向きに捉えた。昨季12球団トップの130四球を記録した選球眼は健在だ。

◆開幕戦に続いて2番に入った坂本勇が、2017年9月13日の阪神戦(甲子園)以来、2季ぶりの犠打を決めた。4-2の九回無死一、二塁で初球を一塁寄りの投前へ転がし「一発で決まって点が入ってよかった」。今季チームは5点取って3点以内に抑える野球を目指しており、原監督は「私の中では最善策」と終盤の1点にこだわる采配を振り返った。

◆3点リードの九回、今季巨人に加入したライアン・クック投手(32)=前マリナーズ=が最速152キロの直球を武器に三者凡退で締めた。  「いいチームを相手に投げられて楽しかった。気持ちが高まりすぎて抑えないといけないぐらいだったけど、いい方向にいったよ」  来日初セーブに新守護神は満足げに笑った。昨季は救援陣だけで20敗を喫するなど、ブルペンの再整備がV奪還の課題だった。3月に来日した同学年の夫人のリンジーさんと桜を見にいくなど、日本文化に溶け込む右腕の好投は好材料だ。  左膝手術明けの43歳、上原はオープン戦終盤に昇格も2軍で再調整している。七回は吉川光が1点を失ったがプロ13年目で初ホールドを記録し、八回は中川が無失点。新たな勝利の方程式確立へ、一つの形を示した。  原監督は「(球が)強い投手から入れた」と説明。宮本投手総合コーチは個々を評価した上で「勝利の方程式が卵から出てきそうな、生まれそうな感じがします」と手応えを示した。新救援陣が「逆転の広島」を相手に、開幕2戦目で機能した。(赤尾裕希) 2点リードの八回に登板し1回1安打無失点の巨人・中川 「今年初登板だったので、思い切って投げることだけを考えた」 6回4安打1失点で今季初勝利を挙げた巨人・ヤングマン 「きょうの試合を楽しみにしていた。チームが勝ったことが一番大きい」

◆巨人は30日、広島2回戦(マツダ)に5-2で競り勝ち、今季初勝利を挙げた。4年ぶりに現場復帰した原辰徳監督(60)が第2次政権の2015年10月4日のヤクルト戦以来、レギュラーシーズンでは1273日ぶりの白星を飾った。「6番・左翼」で起用したアレックス・ゲレーロ外野手(32)が4打数3安打4打点の大活躍。昨秋の就任直後から指導を施し、"再生"させた17年の本塁打王が鬼門の敵地で躍動した。  忘れかけていた感覚だ。九回2死、新守護神のクックが小窪を三ゴロに打ち取ると、原監督は満面の笑みで三塁側ベンチを飛び出した。  「1勝目のような感じがしますね。何勝かしてるんだけどね、覚えてない。初勝利だ。万歳!」  監督13年目で通算948勝目。昨年7月に還暦を迎えた指揮官が無邪気に喜んだ。4年ぶりの現場復帰で、2015年10月4日以来、1273日ぶりの白星をつかんだ。  起用がズバリとハマった。今季初勝利の立役者は3安打4打点のゲレーロだ。四回に先制の2点二塁打、六回1死二、三塁では2点中前打を放ち、真っ赤なスタンドを沈黙させた。  「去年から広島は難しいチームで、(マツダは)難しいスタジアム。自分が貢献できたのが、うれしい」とゲレーロ。開幕戦では右の大瀬良が先発だったこともあり、スタメンから外された。一夜明け、「6番・左翼」で起用されると、17年の本塁打王は鬱憤を晴らすように大暴れした。  「与えられたチャンスを生かす。それだけだよ」。前夜の悔しさは胸にしまい、短い言葉にプロの誇りをにじませた。  中日時代の17年に35発も、巨人加入1年目の昨季は出場機会に恵まれず、15本塁打。真っ先に"再生"に乗り出したのがベンチで手をたたいて迎えた原監督だった。就任早々の昨秋に「アドバイスがある」とメールを送った。2月の宮崎キャンプでは、初日から大鏡のある部屋で約30分間の直接指導を行った。スイング時に顔や体が大きく動く悪癖を修正。大砲は「特別なレッスンだった」と感謝している。  15年秋の監督退任から3年。多岐にわたる活動で見聞を深めた。17年11月にはペルーへ野球教室に出かけ、日系人の子供ら100人以上に野球の楽しさを伝えた。昨年は大好きなゴルフのシニアツアーにも参戦。駅伝やプロレスの観戦など、多くのスポーツに触れ、野球観を広げた。  昨季はマツダスタジアムで2勝9敗1分け。17年8月12日から昨年8月10日まで13連敗を喫した"鬼門"だった。だが、広島の3連覇は、指揮官のいなかった3年間。苦手意識などない。今季は2戦目で勝利をつかんだ。  「1がなければ、2もないわけだから。(初勝利の)喜びも糧としたい」。試合終盤に強い雨が降ったのち、すぐに晴れ間がのぞいた。G党が陣取ったスタンドには、大きな虹がかかっていた。 (伊藤昇) ★ゲレ家族帯同  開幕カードには、ゲレーロ夫人のアニスレイさんと娘のアレキサンドラちゃん(7)が帯同。28日には一緒に羽田空港から航空機で広島入りした。この日も左翼付近のスタンドで観戦した。左翼を守ったゲレーロは「アイコンタクトを交わすことができたよ」と笑顔を見せた。家族の前で頼もしい姿を披露した。

◆巨人には大きな白星になったね。開幕戦に続き、原監督の"お試しゲーム"で、しっかり勝ちきったのだから。  打線では6、7番を前日の亀井、田中俊から、ゲレーロ、中島の対左腕仕様にチェンジ。そのゲレーロが4打点。起用も結果もオーケーで、オーダーの幅広さを見せつけた。  以前にも指摘した通り、上位打線はいじらずに、6、7番をその都度代えていくシステムを確立すれば、いいんじゃないかな。  スタメン捕手も、小林から炭谷にチェンジ。さすがにベテランだけあって、捕手としての型ができている。炭谷と若手組の使い分けも、うまくいきそうな感触を持った。  懸案のリリーフ陣も、3イニングを1点でしのいだ。クックはピッチングがうまく、使えそうだよ。  何より広島のお家芸、マツダスタジアムでの異様な逆転ムードを軽く断つあたり、原監督の采配・起用のなせる業。これからも、実戦の中で様子をうかがいながら、信頼の置ける選手を見極めていくのでは?  何せ前言にとらわれず、あっさり翻して、シビアに戦力を整えていくのが、原監督の持ち味。いろいろな意味で、巨人の野球を見るのが楽しみになってきたよ。 (サンケイスポーツ専属評論家)

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
阪神
200 1.000
(-)
-
(-)
141
(-1)
3
(+1)
1
(-)
1
(+1)
1.000
(↑1)
0.000
(-)
2
(1↓)
広島
110 0.500
(↓0.5)
1
(↓1)
141
(-1)
7
(+2)
5
(+5)
2
(+1)
1.000
(↑1
0.000
(-)
2
(2↑)
巨人
110 0.500
(↑0.5)
1
(-)
141
(-1)
5
(+5)
7
(+2)
0
(-)
0.000
(-)
0.000
(-)
2
(1↓)
DeNA
110 0.500
(↓0.5)
1
(↓1)
141
(-1)
9
(+1)
10
(+9)
1
(-)
0.000
(-)
0.000
(-)
2
(2↑)
中日
110 0.500
(↑0.5)
1
(-)
141
(-1)
10
(+9)
9
(+1)
0
(-)
1.000
(-)
0.000
(-)
6
(2↓)
ヤクルト
020 0.000
(-)
2
(↓1)
141
(-1)
1
(-)
3
(+1)
0
(-)
0.000
(-)
0.000
(-)