巨人(☆6対3★)日本ハム =2回戦(2019.03.20)・山日YBS球場=
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日本ハム
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巨人
40000020X6911
勝利投手:畠 世周(1勝0敗0S)
(セーブ:宮國 椋丞(0勝0敗1S))
敗戦投手:上原 健太(0勝1敗0S)

本塁打
【日本ハム】杉谷 拳士(1号・6回表ソロ)
【巨人】ゲレーロ(3号・1回裏満塁)

  DAZN
◆巨人は、オープン戦初登板の先発・畠が6回3失点の力投。開幕ローテーション候補としての起用に、結果で応えた。一方の日本ハムは、淺間が2本の二塁打を記録。1番打者候補として期待される若手が躍動した。

◆日本ハム杉谷拳士内野手がオープン戦1号を放った。2打席連続凡退で迎えた6回の第3打席に、巨人先発の畠から92メートルの右翼ポール際へギリギリ届くソロを運んだ。 「三度目の正直打法です。3打席目こそはという思いでした。真っすぐに差し込まれず、振り抜くことができました」。笑顔で三塁ベンチへ戻ると、栗山監督ら数人の首脳陣以外は祝福のハイタッチを"無視"するサイレントトリートメントを仕掛けられていた。

◆日本ハムは開幕ローテ入りを目指し、オープン戦初先発のマウンドに上がった上原健太投手が、課題と収穫を得た。 制球が乱れた初回はゲレーロに満塁本塁打を被弾。「自分でも納得してしまうくらい打ちやすいカウントにして、打ちやすいコースに投げてしまった」と反省。一方で2回からは無失点と立ち直った。「調子が悪い時にどう投げるのか。いい経験になった」と苦しんだ投球を前向きに捉えていた。

◆巨人アレックス・ゲレーロ外野手(32)が、オープン戦3号となる満塁本塁打を放った。 1回1死満塁、1ボールからの138キロ直球を左翼席に運んだ。「少し内よりの球ですかね。1ボールだったので、ストライクゾーンの速い球に絞っていました。最低限、犠牲フライでもと打席に入ったのが良かったのかな。満塁ホームランは、ジャイアンツに入って初めてだよ」とコメントした。

◆巨人アレックス・ゲレーロ外野手(32)が、"ソローロ"を返上する移籍後初の満塁弾を放った。1回1死満塁、日本ハム上原の直球を左翼席に運んだ。 昨季は15本塁打を放ったが、ソロが11本で2ランが4本。本塁打王を獲得した中日時代もソロが多く"ソローロ"とも言われたが、今季は中日との練習試合で3ラン、オープン戦2号も2ランを放つなど、変化の予感を漂わせる。ビヤヌエバらと外国人枠、亀井らと5番争いを繰り広げる大砲は「開幕まで秒読みの中、いい調整ができています。この調子をシーズンでも続けたいです」と意気込んだ。

◆打てば、打っただけ得点が生まれる。巨人の岡本和真内野手(22)が"4番の顔"を貫いた。20日の日本ハム戦(山日YBS)に「4番一塁」で先発フル出場。7回1死二塁の好機で打棒をさく裂させた。 直球勝負を挑んできた日本ハム宮台の外角球を芯で捉えた。強烈なライナーで二塁のすぐ近くにシフトしていた二塁手のグラブをはじく適時内野安打。「だいぶよくなってきた。最後は感じがよかったですね」と振り返った。 打点に100%直結する一打が続いている。オープン戦は、この日を含め8試合で23打数4安打で打率1割7分4厘。「アピールする立場なので(数字を)気にしないといけないとは思っている」と納得の結果ではない。だが、放った4安打の内容は1本塁打3適時打で、すべての安打に打点がついて、得点圏打率3割3分3厘をキープ。原監督も「ああいう場面でヒットが出ると本人もいいでしょうね。(開幕後は)もう少し打つでしょう」と若き主砲への信頼は揺るがない。 昨季は史上最年少で「3割30本100打点」に到達。無限の可能性を数字で示し、地位を確立した。ここまでのオープン戦は試行錯誤の連続で、凡退した19打席、四死球の10打席にも意味を求めて調整を進めてきた。「久しぶりに『打席が回ってこい、回ってこい』と思いながら野球ができた」と岡本。開幕まで残り10日を切り、4番の仕上がりは良好だ。【為田聡史】

◆巨人畠世周投手が開幕ローテ候補に浮上した。オープン戦初先発で6回3失点と好投。 最速148キロで、緩急も効果的に6三振を奪った。「三振を取りたいと思った時に取れたのは良かった」と話した。宮本投手総合コーチは「やるとは聞いてたけど、ここまでやるかと。参りましたね。今日の畠を見て、(21日西武戦で先発の高橋)優貴がどんな優貴を見せられるか。"勇気"を持って、投げられるか。楽しみだね」と期待した。

◆巨人ライアン・クック投手(31=マリナーズ)がチェンジアップを有効に使って、1回を無失点に抑えた。 1点リードの7回に登板。2死後、愛称の「クッキー」から命名された「クッキーチェンジ」で西川のタイミングを崩し、二ゴロに抑えた。「いいところに投げられた」と納得の表情だった。

◆日本ハム宮台康平投手がアピールしきれなかった。巨人戦の7回から3番手で、2年目にしてオープン戦初登板。 7回1死一塁で立岡に左越え適時二塁打を献上し、岡本には痛烈な二塁強襲の適時打も浴びた。2回3安打2失点という内容に「自分の力不足です。まずはファームに帰って、またアピールしたい」と話した。

◆初の開幕1軍どころか「1番三塁」での開幕スタメンも見えてきた。日本ハム浅間大基外野手(22)が、巨人とのオープン戦(山日YBS)に「1番三塁」で出場。 4打席で適時打を含む二塁打2本を放った。スピードと積極性が売りの打撃は好調で、今季から挑戦中の三塁守備にも日々自信を付けている。本職の外野守備も万全。昨季まで腰痛に苦しんだ逸材が、万全のコンディションで一気に開花の予感だ。初球の甘い直球を、迷わず振り抜いた。3回無死一塁。浅間が放った打球は、あっという間に左中間を破った。俊足の一塁走者・中島が悠々と生還する適時二塁打とした。5回はカウント2-1から、ファーストスイングでスライダーを捉えて中堅フェンス直撃の二塁打。「2本は球種は違ったけど、つかまった打球だった。理想的な打撃でした」。ともに一振りで仕留めた納得の内容だった。 今季から本格的に取り組む三塁守備も軽快だ。2回は巨人の快足・吉川尚のセーフティー気味の送りバントにもきっちり反応。猛ダッシュして一塁送球も完璧だった。近藤や大田と練習中も競い合うようにノックを受け続けている。「経験が浅いので、試合の中で打球をさばいて、小さな自信をつけていきたい」。選手としての幅が、確実に広がった。 初の開幕1軍はほぼ確実で、開幕スタメンの可能性も広がっている。昨季までは腰痛に苦しんだ。16、17年は米アリゾナキャンプ中に発症。現地の硬い地面から受ける衝撃に体が持たなかった。17年オフには手術。その影響で昨季も開幕は出遅れたが、抱えていた爆弾を取り除いたことで、今春のアリゾナキャンプはフルメニューを消化し、追い込める肉体を手に入れた。 オープン戦では6試合で1番打者を務めている。「1番としては出塁率が、まだまだ低い。もっと四球を取れたりするのが理想」と話すが、この日のように積極的な姿勢はチームの攻撃にもリズムを与える。栗山監督も「本当にサードもうまくなっている。打撃の状態もいい。いろんなところで大基も何とかしようというのは伝わっている」と高評価している。29日の開幕戦、オリックスの開幕投手は右腕の山岡。難敵を打ち崩す切り込み隊長として、浅間が「1番三塁」で抜てきされる可能性は十分ある。【木下大輔】

◆巨人のアレックス・ゲレーロ外野手(32)が20日、日本ハムとのオープン戦(甲府)に「5番・左翼」で出場し、一回にオープン戦3号となる先制の満塁本塁打を放った。  吉川尚が左前打、坂本勇が四球、丸が左飛に倒れ、岡本も四球でつないで1死満塁。ゲレーロは日本ハムの先発左腕、上原の直球を捉え、大勢のファンが芝生の上に腰掛ける小瀬スポーツ公園野球場の左中間席へほうり込んだ。  首痛のために遠征に帯同していないビヤヌエバらとの外国人枠競争の中、持ち味の長打力をアピールする一発となった。

◆日本ハムの浅間が2本の二塁打を放ち開幕戦の先発出場へアピールした。三回無死一塁で直球を左中間へはじき返して適時二塁打とすると、五回は変化球に対応して再び左中間へ打ち「理想的な打撃ができたかな」と自賛した。  挑戦中の三塁の守備では、五回に痛烈な三遊間の打球を好捕し「経験が浅い。試合の中でさばいていくうちに自信をつけられれば」と意欲を示した。栗山監督は「三塁の守備は良くなっている」と及第点を与えた。

◆今季オープン戦初登板の畠が6回106球を投げ、7安打3失点。直球が高く浮く場面もあり「もっと低めに投げたかった。直球の精度を上げたい」と課題を挙げた。これまではファームで調整してきたが、開幕ローテーション候補に急浮上。宮本投手総合コーチは「内容はよかった。全ての球種でストライクが取れる。うれしい悩みが増えた」とたたえた。

◆「5番・左翼」で出場した巨人のアレックス・ゲレーロ外野手(32)が、先制の満塁本塁打。オープン戦チーム最多の3号とし、持ち味の長打力をアピールした。  「満塁弾は巨人で初めてだから一層うれしい」  一回に吉川尚の安打と2四球で1死満塁。日本ハムの4年目左腕、上原の直球を左翼へ吹く風に乗せ、山梨・山日YBS球場の左中間席へ運んだ。坂本勇、岡本ら出塁率の高い打者が上位に並ぶ打線の理想的な得点劇を完成させ、チームを6-3の勝利に導いた。  来日1年目の2017年に中日で本塁打王(35本)に輝いたが、巨人へ移籍した昨季は15本と期待外れに終わった。復活を果たすためには、首痛で遠征に帯同しなかった新外国人野手、ビヤヌエバ(前パドレス)らとの外国人枠争いを制しなければならない。  「ポイントゲッターとして、(結果を)出すときには出している。そういう点では、きょうは言うことありません」と原監督。開幕まで残り8日となり、大砲は「開幕まで"秒読み"というぐらい、状態はよくなっているよ」と上機嫌だった。 (谷川直之)