オリックス(★2対3☆)広島 =オープン戦1回戦(2019.03.14)・大阪シティ信用金庫スタジアム=
このエントリーをはてなブックマークに追加

 123456789
広島
0000003003401
ORIX
2000000002711
勝利投手:一岡 竜司(1勝0敗0S)
(セーブ:島内 颯太郎(0勝0敗1S))
敗戦投手:小林 慶祐(1勝1敗0S)

本塁打
【広島】鈴木 誠也(3号・7回表3ラン)
【オリックス】吉田 正尚(1号・1回裏2ラン)

  DAZN
◆広島は先発・床田が5回3安打2失点の好投。開幕ローテーション入りへ、結果を残した。対するオリックスは3番・メネセスが2安打をマーク。好調の新助っ人が、今日もバットで存在感を示した。

◆オリックス吉田正尚外野手(25)のオープン戦1号は、豪快な場外弾となった。初回2死一塁で広島先発の床田のストレートを捉え、フルスイング。打球はシティ信金スタンドの右翼スタンドを悠々飛び越え、場外に飛び出した。「しっかりと自分のスイングで積極的に打つことができたと思います。先制点を取ることができてよかったです」。 9、10日に京セラドーム大阪で行われた日本代表のメキシコとの強化試合。メキシコの4番を務めたメネセスが2死から左前打でつくった好機を、日本の4番がものにした。

◆オリックスは侍ジャパン帰りの山本由伸投手が"オープナー"を務めた。初回、最速153キロの速球にスライダーなどを交え、すべて内野ゴロで3者凡退に。「ゴロアウトを取れるのはいいこと。野手もリズムがついてバッティングにもいい影響が出るんじゃないかな、と思ってるので」。 10日の試合で2回を投げており、20日中日戦の次回予定まで間があくため、この日1回を投げた。実際にオープナーを任せる可能性には、西村監督は「その考えはありませんよ」と説明した。

◆オリックス小林慶祐投手(26)が、開幕ローテーション入りに向け、力投した。 2回から2番手で登板し、広島の強力打線を相手に2~6回を1安打無失点と好投。7回に無死一、二塁から鈴木に逆転3ランを浴び「冷静になれなかったところがあった。(勝負球は)まっすぐでも良かったけれど、そこまでの配球など攻め方をもっと考えなければいけなかった」と悔しがった。 ただ3安打6奪三振の力投に、西村監督は「先発ローテーション争いに滑り込んでくる可能性は十分あります」と評価した。

◆広島鈴木誠也外野手(24)が3号逆転3ランで「日本の4番」を印象づけた。オリックス戦に4番右翼で先発。初回に相手の4番吉田正の右越え先制2ランを右翼で見送った後、7回にお返しの1発をたき込んだ。侍ジャパンの稲葉監督から日本の4番として期待されており、10日の日本代表対メキシコ戦で満塁弾を放ったライバルに、けた外れの存在感を見せつけた。 ボール気味の高めの直球を、鈴木は思い切りしばき上げた。0-2の7回表無死一、二塁。カウント2-2から高めの直球をファウルでしのぎ、ワンバウンドのフォークを見極めた直後。高低の揺さぶりを見極め、7球目を左翼席の芝に突き刺した。「ドライブがかかってたんで入るとは思わなかった。タイミングが合って自分のスイングができた」。進化を証明する3号3ランだった。 高めを捉えたことに意味がある。キャンプでテーマに定めて取り組んできたのが高め対策。最も打つのが難しいインハイをターゲットに定め、ティー打撃でたたき続けた。通常のやり方に加え、右手だけ、左手だけ、左手を上にして両手で握る逆グリップ...。バットを出す角度、強くボールをとらえる感触を養った。進化を見届けた緒方監督も「すごいのひと言だよ」と絶賛するしかなかった。 侍ジャパンで4番を争うライバルに、高い打撃技術とパワーを見せつけた。鈴木は初回、右翼で吉田正の右越え場外2ランを見送った。「(打球が)消えていったので(防球ネットを)越えたんじゃないですか」と振り返る。吉田正が侍の4番として10日のメキシコ戦で満塁弾を放った場面は、テレビで見ていた。「相手チームの4番は気にしていない」と話したが、かっこよすぎる逆転のお返し3ランだった。 鈴木は2月6日、宮崎・日南キャンプを訪れた日本代表稲葉監督から「4番はチームを勝たせるというポジションだと思うので、そういうところで期待はしたい」と言われた。それを正面から受け止め、こう言った。「(DeNA)筒香さんであったり、4番でもっと活躍している選手がたくさんいるので、その人たちに負けないように成績を出して、みんなに認めてもらって4番を打ちたい」。その決意にブレはない。 不動の4番鈴木は、リーグ4連覇を狙う広島を今年もけん引する。そして必ず、ジャパンの屋台骨になる。【村野森】

◆オリックス吉田正尚外野手(25)のオープン戦1号は、本人も驚きの場外弾だった。 1回2死一塁で、広島の開幕ローテーション左腕、床田の内角直球をフルスイング。捉えた打球は大阪シティ信用金庫スタジアムの右翼スタンド最上段から伸びる高さ15メートルの防球ネットも超え、豪快な先制弾になった。 「インコース高めくらいだったと思いますけど、バットがスムーズに出たので。(打球は)見えなかったです。奥に消えたかなと思ったんですけど(球場の)造りが分からないので。(外に)出たんですか!?」。手応えは十分だった。ただ、推定130メートルの飛距離には、本人も驚いた。 一塁走者は「メキシコの4番」メネセスだった。右翼の守備位置には「日本の4番候補」鈴木がいた。世界レベルの顔ぶれが球場にそろう中、9、10日の強化試合・メキシコ戦(京セラドーム大阪)で4番を務めた吉田正が強烈な1発。「なんちゃって4番ですからね、ぼくは」と笑ったが、東京五輪に届けとばかりのアピール弾だ。 10日の試合で、吉田正は満塁弾を放った。プロが参加した主要な国際大会では史上初となる4番のグランドスラム。西村監督から不動の4番を託される主砲は、稲葉JAPANでも貢献し「内容重視で1日1日大切に、1打席1打席大切に。今年もケガなく、数字は昨年以上を目指して頑張っていきます」とキャリアハイを狙う。頼もしすぎる強打者が、2020TOKYOに集う。【堀まどか】

◆オリックス新外国人のジョーイ・メネセス内野手(26)が、5日ヤクルト戦のオープン戦初戦から出場全5試合で安打を放った。 この日の2本で通算12打数7安打、打率5割8分3厘と高打率をマーク。シーズンでも吉田正と3、4番コンビを組む可能性が高い。メキシコチームの4番を務めるが、この日は吉田正、広島鈴木と日本の4番候補の豪快弾を目の当たりに。「4番を打つ選手は、力がある。日本の4番もパワーがあるなと思います」と語った。

◆広島長野久義外野手(34)が14日オリックス戦(大阪シティ信用金庫スタジアム)の9回、右足に死球を受け途中退場した。駆けつけたトレーナーに付き添われて一塁まで歩いたが、代走を送られ、ゆっくりと自分の足で三塁側ベンチに戻った。ベンチ裏でアイシングを受け、怒りを抑えた表情のまま、歩いて迎えのバスに乗り込んだ。15日以降は様子を見て決める。 開幕まで2週間という時期だけに、今後への影響が懸念される。キャンプから慎重に調整を進め、今月12日の日本ハム戦で初めて左翼の守備位置に就いたばかり。13日の同カードで中堅も守ったが、この日は代打からDHとなっていた。緒方孝市監督は「ちょっと心配だね。当たりどころが悪かったから」と話した。左翼、中堅のレギュラー候補だが、状況次第で開幕に間に合わない可能性もある。今季構想の練り直しを迫られる可能性も出てきた。

◆広島島内颯太郎投手が8回からの2イニングを3安打無失点に抑えて回またぎテストをクリアし、初セーブを挙げた。9回2死一、二塁のピンチをつくったが、代打宮崎を高め直球で空振り三振に仕留めた。 「2イニング目のほうが腕は振れていた」と話した。緒方監督は「いろんな経験を積まないと課題が見えてこない。いいところだけじゃなく、本番に入ってもあわてないように」と高い期待を示した。

◆オリックス宮内義彦オーナーが観戦に訪れ、メネセス、吉田正の3、4番の打撃に目を細めた。 オープン戦で2人が3、4番を組むのは5試合目で、全試合でともに安打を記録。いい相乗効果に、オーナーは「今のところはね。結構です」と笑顔。 13日の激励パーティーで「冥土の土産がないままに閻魔(えんま)さんに会うのは非常にまずい」と、チームを叱咤(しった)。そろい踏みを見届け、球場を後にした。

◆オリックス・吉田正尚外野手(25)が14日、広島戦(シティ信金スタ)に「4番・左翼」で出場。一回2死一塁で、右翼に特大の場外弾を放った。  「打ったのは真っすぐです。しっかりと自分のスイングで積極的に打つことができました。先取点を取ることができてよかったです」  一回2死から新外国人のメネセスが左前打で出塁。メキシコ代表の4番が好機を作ると、日本代表の4番がひと振りで決めた。カウント0-1からの2球目。広島先発・床田が投じた内角高め138キロの直球をフルスイングすると、打球は右翼後方の防球ネットを軽々越え、場外へ。推定130メートルのオープン戦1号を放った。

◆広島の守護神、中崎が七回に登板、打者4人に投げ、アウト三つを全て三振で奪い1回無失点と健在ぶりを示した。先頭の頓宮は直球で仕留め見逃し、マレーロは変化球で空振りさせた。続く杉本に四球を与えたが、代打T-岡田は空振りと圧巻の投球だった。  昨季までセットポジションだった投球フォームを、オープン戦に入ってノーワインドアップに変更したものの、危なげなし。「もう少ししっかり(打者に対して)入っていければ。精度的にはもう少し良くしないといけない」と淡々と話した。

◆先発再転向を目指すオリックスの山本は一回を三者凡退で終えて降板した。「1回だけだが(長いイニングを放る)先発と同じ気持ちで投げた。立ち上がりをきっちりできた」と話した。  昨季、広島のリーグ3連覇に貢献した1番田中広、2番菊池涼の好打者にも物おじせず、速球を主体にアウトは全て内野ゴロで取った。次の登板では長い回を投げる予定。首脳陣からは体力面を懸念されているが「スタミナ強化はずっと取り組んできた。特に不安はない」と自信をにじませた。

◆広島の長野が九回の打席で右ふくらはぎ付近に投球を受け、そのまま交代した。緒方監督は「当たったところが悪かった。心配」と気遣った。

◆オリックスの吉田正が一回2死一塁で、オープン戦1号本塁打を右越えに運んだ。初球のストライクを見逃し、2球目の高めの球を振り抜いた。「追い込まれまい、と思って打ちにいった。コースに対して引っ張れた」と充実した表情を浮かべた。  日本代表に初選出され、10日に行われたメキシコとの強化試合第2戦では4番を務めて満塁本塁打を放つなど、好調を維持している。「一日一日を大切に臨めたらいいと思う」と開幕を見据えた。

◆先発した山本は、1回を無安打無失点。侍ジャパンからの復帰後初登板をピシャリと抑えた。登板間隔の都合で1イニングとなったが、「まずまずの出来。(開幕まで)しっかり丁寧に調整できればと思います」と手応え。次回は20日の中日戦(ナゴヤドーム)に登板。課題とされる長い回を投げる予定だが、西村監督は「やってくれるでしょう」と信頼を寄せた。

◆鈴木が0-2の七回無死一、二塁でオープン戦3号となる逆転3ラン。187センチの右腕、小林の高めの直球を左翼席に運んだ。前の2打席は遊ゴロ、一飛だったが、きっちり修正。3打席目は低めのフォークボールに手を出さず、7球目を豪快に振り抜いた。技術面を問われると「一つのことを意識して打席に入った。(中身は)内緒」とはぐらかしたが、自信を深める打席になった。 2回無失点の広島D2位・島内(九州共立大) 「真っすぐに関しては良かった。与えられた場所でやるだけ」

◆オリックス・吉田正尚外野手(25)が、広島戦(シティ信金スタ)に「4番・左翼」で出場。一回2死一塁で、右翼にオープン戦1号を放った。"お忍び視察"した宮内義彦オーナー(83)の前での豪快な特大場外弾。新外国人、ジョーイ・メネセス内野手(26)も2安打を放ち、総帥は「けっこうです」と上機嫌だ。  オリックスの新3、4番コンビが、総帥をホクホク顔にした。吉田正が右翼へ豪快な先制2ラン。スタンド後方の高さ15メートルの防球ネットを越える場外弾で、オープン戦1号をマークした。  「インコース高めにバットがスムーズに出たので、よかったです。しっかりバットを振れた」  衝撃の一発だった。一回2死一塁。3番のメネセスが左前打で出塁し、走者を置いて打席が回ってきた。「初対戦だったので積極的に打ちにいった」。初対戦となった広島・床田の1ストライクからの2球目をフルスイング。内角高め138キロの真っすぐを、場外まで軽々運んだ。好調を維持し、オープン戦の打率はなんと6割(10打数6安打)。この日がオープン戦1本目というのが意外なくらい、打ちまくっている。  また、3番のメネセスも絶好調。3打数2安打でオープン戦打率は・583(12打数7安打)。吉田正とコンビを組んだ全5試合でそろって安打を記録するなど、刺激し合っている。メネセスが出塁し、吉田正がかえすという形に、西村監督も「この3、4番は相手にとっても恐怖だと思う」とうなずいた。  "お忍び"で関係者席から視察していた宮内オーナーも2人の好調ぶりに「いまのところはねぇ。けっこうです」と笑顔。前夜は出席した激励パーティーで「冥土の土産がないままに閻魔さんに会うのは非常にまずいな、と。早いこと土産を買ってもらいたいな」とチクリと言っていたが、その心配は無用かもしれない。  「ジョーイ(メネセス)の打撃がいいですし、走者がいるところで多く打席が回ってくるので、なんとかかえせたら」と吉田正。「冥土の土産」はこの2人がもたらしてくれそうだ。 (西垣戸理大)

<オープン戦順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
広島
611 0.857
(↑0.024)
-
(-)
44
(+3)
31
(+2)
6
(+1)
4
(-)
0.261
(↓0.019)
3.880
(↑0.26)
2
(-)
楽天
511 0.833
(↑0.033)
0.5
(-)
41
(+5)
21
(+2)
7
(+1)
3
(-)
0.282
(↓0.007)
2.430
(↑0.07)
3
(-)
ORIX
531 0.625
(↓0.089)
1.5
(↓1)
42
(+2)
33
(+3)
7
(+1)
14
(+1)
0.288
(↓0.005)
2.330
(↑0.05)
3
(-)
ソフトバンク
530 0.625
(↓0.089)
1.5
(↓1)
28
(+3)
28
(+4)
6
(+1)
3
(+1)
0.221
(↓0.005)
3.500
(↓0.07)
5
(-)
巨人
650 0.545
(↑0.045)
2
(-)
38
(+4)
41
(+3)
7
(-)
7
(+1)
0.227
(↓0.012)
3.560
(↑0.06)
6
(1↓)
ロッテ
331 0.500
(-)
2.5
(↓0.5)
28
(-)
26
(-)
3
(-)
7
(-)
0.218
(-)
3.430
(-)
6
(1↓)
ヤクルト
550 0.500
(-)
2.5
(↓0.5)
43
(-)
41
(-)
9
(-)
8
(-)
0.241
(-)
3.540
(-)
8
(-)
西武
341 0.429
(↑0.096)
3
(-)
37
(+3)
38
(-)
4
(-)
10
(+4)
0.260
(↓0.003)
2.930
(↑0.43)
9
(1↓)
日本ハム
242 0.333
(-)
3.5
(↓0.5)
37
(-)
29
(-)
10
(-)
5
(-)
0.279
(-)
3.650
(-)
10
(2↓)
中日
371 0.300
(↓0.033)
4.5
(↓1)
25
(-)
42
(+3)
4
(-)
3
(+1)
0.189
(↓0.001)
3.730
(↑0.07)
11
(3↓)
DeNA
253 0.286
(↓0.047)
4
(↓1)
31
(+2)
46
(+5)
7
(-)
4
(-)
0.241
(↓0.005)
4.240
(↑0.2)
12
(-)
阪神
261 0.250
(-)
4.5
(↓0.5)
21
(-)
39
(-)
4
(-)
9
(-)
0.216
(-)
4.500
(-)