広島(★0対13☆)日本ハム =オープン戦1回戦(2019.03.12)・マツダスタジアム=
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日本ハム
064000021131601
広島
0000000000320
勝利投手:マルティネス(1勝0敗0S)
敗戦投手:ジョンソン(1勝1敗0S)

本塁打
【日本ハム】横尾 俊建(3号・8回表2ラン)

  DAZN
◆広島は、先発・ジョンソンが2回7安打6失点の乱調。ローテーションの柱として期待される左腕が、開幕へ不安を残した。一方の日本ハムは、横尾が猛打賞を記録。定位置獲得へ向け、首脳陣に好アピールした。

◆ベンチスタートだった広島長野久義外野手(34)が6回表から左翼の守備に就いた。広島移籍後、実戦で守備に就くのは初。 巨人時代は中堅、右翼での出場が多く、左翼守備は公式戦では10年10月7日広島戦を最後に就いていなかった。

◆マツダスタジアムで守った! 打った! 広島長野久義外野手(34)が日本ハムとのオープン戦で今年初めてゲーム守備に就いた。 場所は巨人時代の中堅や右翼ではなく、左翼。難なくさばくと、打撃では幸運な本拠地初安打も記録した。開幕が近づくにつれ、長野の調整のペースも上がっていく。 この日最も大きな歓声は、左翼に向かう長野に送られた。遊撃に就いた新人小園とともにグラウンドを駆けた34歳は、慣れない左翼の位置で止まると、太陽の位置を確認。移籍後初めて実戦守備に就いた。いきなり先頭松本のライナーが飛んできたが、軌道に合わせて数歩前進すると難なく捕球。新たな戦場となる左翼で最後までプレーしたのは、敗戦の中で大きな収穫となったに違いない。 巨人時代は主に中堅と右翼を守ってきた。左翼での公式戦出場は10年10月7日広島戦(東京ドーム)を最後にない。景色が違えば、打球の回転、切れ方も違う。長野も「全然違ったので難しかった」と振り返った。広瀬外野守備走塁コーチは「(左翼守備は)ほぼ初めてでしょ。慣れてもらうしかない。試合を通じて慣れていってほしい」と、今後も左翼での出場を明言した。 開幕まで20日を切り、オープン戦5試合目にしてゲームで外野を守った。調整の段階は着実に上がっている。本人も「そうですね」とうなずく。高ヘッドコーチは「全然問題ない。スタメンだとレフトが多くなるけど、長野は(外野なら)全部できるから」と太鼓判。9回、西川が後逸した打球にしっかりカバリングするなど外野手としての動きは体に染み込んでいる。 7回の打席では、日本ハム浦野のスライダーをたたいたゴロが遊撃手前で高くレギュラーバウンドした。幸運な本拠地安打に「シーズン中にああいうのが欲しいですね」と苦笑い。迎打撃コーチは結果以上に「スイングの力が上がってきているのは間違いない」と状態の上向きを感じている。 まだ気温が低く、若手や慣れないポジションの選手にチャンスを与える期間でもある。開幕が近づき、チームが最終仕上げに入っていく中で、チーム最多の通算1271安打を記録する実力者も調整のペースを上げていく。【前原淳】

◆日本ハム横尾俊建内野手(25)がチーム打点王に躍り出た。12日、広島とのオープン戦に「6番三塁」でフル出場。オープン戦3号2ランを含む5打数3安打3打点と奮起した。6打点は中田、近藤を抜きチームトップ。レギュラー不在の二塁、三塁の開幕スタメンを目指し、持ち前の長打力アピールが続いている。 たくましく、ダイヤモンドを走り抜けた。西日が差し込み始めた8回1死一塁。横尾が、カープ女子の悲鳴を呼んだ。2球で追い込まれ、3球目。「まぐれです。風じゃないですかね」と言い放った打球は、左翼席中段へ。昨季定着した、おにぎりを握るパフォーマンスを披露することなく、静かにホームベースを踏んだ。 愛嬌(あいきょう)ある「ゆるふわ」なルックスながら、陰ではストイックな努力を惜しまない。移動中にメジャーリーグの動画でイメージトレーニング。「自分のやるべきことを、やっているだけです。変わらずに続けていけたら」。控えめな言葉とは裏腹に、力強く数字を刻んできた。 昨年のオープン戦も4本塁打を放ち、二塁での開幕スタメンをバットで勝ち取った。「これからも自分の打撃が出来たら」。シーズン開幕まで約2週間。空いている二塁、三塁のポジション争いへ、打力を武器に突き進む。【田中彩友美】

◆日本ハムの開幕ローテ入りが濃厚なマルティネスが、3四球で2死満塁のピンチを背負った3回をポジティブに振り返った。 「自分でも珍しい」と制球が乱れたが、冷静に切り抜け4回1安打無失点。「3回は反省点もあるけど、良いところもある。最終目標は9回をちゃんと投げられるコンディションニングをすること」と見据えた。

◆日本ハムの調整が遅れていた6年目の浦野が、オープン戦初登板。7回に5番手でマウンドに上がり、2安打を許しながらも無失点でしのいだ。 「しっかりアピールしていかないと。ゆっくりはしていられない。あとは、結果を残すだけです」と開幕に照準を合わせる。栗山監督は「心配していたけど、何ともなくて良かったよ」と右腕の状態にホッと一安心していた。

◆先発ローテ入りを狙う広島九里亜蓮投手は、救援で4イニングを投げ4安打2失点の内容だった。 横尾に2ランを浴びた以外は粘りの投球。それでも「四球を2つ、出さなくてもいいところで出した。ホームランを打たれた球も、もっと厳しくいかないと」と反省の言葉を並べた。佐々岡投手コーチは開幕ローテを固める時期について「この3日間の中で」と明言を避けた。

◆2番打者で先発出場した日本ハム鶴岡慎也捕手(37)が12日、3打数2安打4打点と打撃でチームを引っ張った。 3回の2点適時三塁打は、中堅手が目測を誤るなど運もあったが「打つ方の状態は上がっている」と納得顔。今季からはバッテリーコーチを兼任。コーチミーティングへの出席や、若い捕手陣への目配せなど新たな仕事は増えたが、攻守ともに現役バリバリ。 栗山監督も「俺はツルの打撃をものすごく信頼しているからね」と目を細めた。

◆4戦連発はならなかった日本ハム大田泰示外野手(28)だが、地元広島で手応え十分の1安打にニンマリだ。 「5番右翼」で先発出場し、2打数1安打。2回には広島ジョンソンの内角148キロを、バットを折りながらも中前へはじき返した。「ジョンソンから打ててうれしい。カットボールやツーシームなどの変化球がある投手から打てて、良かった」と喜んだ。

◆広島の中村恭平投手と中田廉投手が1軍に招集され、救援登板した。4番手の中村恭は最速150キロの直球で押し1回無失点。 「いい投球を続けられるように」と話した。6番手の中田は1回を2安打1四球1失点で「先頭の入りが問題」と振り返った。佐々岡投手コーチは「いいものは見せてくれたが、恭平も(中田)廉も初球の入りが課題」と、今後のテーマを示した。

◆中堅でフル出場した広島西川龍馬内野手(24)が「空中イレギュラー」に翻弄(ほんろう)された。 3回無死一、三塁、鶴岡の正面のライナーを前進して捕球しようとしたが、打球が鋭くフックして後逸、三塁打とした。9回1死一、三塁では田中賢の飛球の変化に対応できず、再びそらして二塁打に。「僕がへたくそなだけ。練習します」と唇をかんだ。 広瀬外野守備走塁コーチは「空中でイレギュラーしました? あんな打球、初めて見た。センターは正面の打球が一番難しい。経験を生かしてほしい」とかばった。

◆広島のクリス・ジョンソン投手(34)が12日、日本ハムとのオープン戦(マツダ)に先発したが、2回7安打6失点の大炎上で予定より早く降板した。  二回先頭の浅間に左前打、谷内を死球で一、二塁とし、中島の犠打を内野安打にされて満塁のピンチを招いた。続く西川をフルカウントまで追い込んだが、6球目の内角球がボールとなり、押し出し四球で先制点を献上した。  なお、満塁で鶴岡に左中間へ2点二塁打、中田の中犠飛、近藤の左前適時打で5失点。さらに1死一塁から大田に中前打で一、三塁とされて、横尾にも右前適時打を浴びるなどこの回6安打6失点でKOされた。  広島の開幕ローテーションは大瀬良、ジョンソン、野村の三本柱に大卒3年目の床田が当確を決めて、1軍での実績の九里、岡田がアピールを続けている。左のエースとして期待されるジョンソンだったが、開幕前に不安を残した。

◆日本ハムは先発の一角を担うマルティネスが4回を単打1本に抑え、順調な仕上がり。横尾がオープン戦3号2ランを含む3安打と振れている。広島はジョンソンがリズムに乗れず2回6失点。先発候補の九里は4回を2失点にまとめた。 栗山監督(13得点の打線に) 「つながってくれた。いい形で打席に入ってくれている」 マルティネス(4回1安打無失点) 「1イニングで3四球を出したので、制球面で課題がある」 長野(移籍後初めて実戦で左翼守備に就き) 「(景色が)全然違ったので...」 高ヘッドコーチ(長野に) 「守備自体は全然問題ない」 ジョンソン(2回6失点) 「制球が悪く、全ての持ち球でストライクが取れずにバランスが悪かった」

◆内野手登録ながら、打力を買われ、中堅で先発起用された広島の西川が拙守を重ねた。三回は鶴岡の飛球が不規則に変化したとはいえ後逸(記録は三塁打)、2走者の生還を許した。九回は田中賢の当たりに追い付いたものの捕り損ね、適時二塁打とされた。  広瀬外野守備走塁コーチは「打球が曲がるのは初めて来たと思う。経験にしてほしい」とかばったが、西川は「僕が下手くそなだけ。練習します」と唇をかんだ。外野は肩の仕上がりに時間を要した長野がこの日初めて実戦で左翼に就くなど、移籍した丸の穴埋めに苦慮している。

◆先発の一角を狙う広島の九里は五回から登板し、コースを広く使う持ち味を発揮した。しかし八回に横尾に一発を浴び、4回2失点。開幕ローテーション入りを確実にできなかった。六回1死満塁では中島を投ゴロ併殺打にして切り抜けただけに悔やまれた。  この日の春季教育リーグの阪神戦で先発枠を争う岡田が好投し、ローレンスらも加えた競争は激化。九里は「四球を出さなくてもいいところで出したし、本塁打を打たれた球はもう少し厳しいところに投げないといけない」と反省した。

◆昨季のセ王者を16安打13得点で圧倒した。この日は2番にベテラン捕手の鶴岡を置き、主砲の中田を3番に、近藤、大田と続く意外な顔ぶれ。1点リードの二回無死満塁で鶴岡が中越えに2点二塁打、中田の犠飛、近藤の左前適時打とつながり、打者一巡の猛攻でジョンソンを攻略した。栗山監督は「打順が最終戦と開幕戦で全く違うということもある」と変幻自在の"猫の目"打線を予告した。

<オープン戦順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(2↑)
楽天
410 0.800
(↑0.05)
-
(↓1)
33
(+7)
16
(+1)
6
(+1)
2
(+1)
0.302
(↑0.003)
2.800
(↑0.7)
1
(-)
広島
411 0.800
(↓0.2)
0
(-)
36
(-)
28
(+13)
5
(-)
0
(-)
0.283
(↓0.03)
4.670
(↓1.67)
3
(2↑)
ORIX
520 0.714
(↑0.047)
0
(↓1)
38
(+7)
28
(+6)
6
(+1)
13
(+3)
0.299
(↓0.01)
2.430
(↓0.1)
4
(2↓)
ソフトバンク
420 0.667
(↓0.133)
0.5
(-)
22
(+2)
22
(+4)
5
(+1)
2
(-)
0.232
(↓0.001)
3.670
(↓0.07)
5
(2↓)
ロッテ
321 0.600
(↓0.15)
1
(-)
23
(-)
17
(+4)
3
(-)
7
(+1)
0.214
(↓0.014)
2.500
(↓0.1)
6
(-)
巨人
540 0.556
(↑0.056)
1
(↑1)
32
(+4)
35
(+2)
7
(+1)
6
(+1)
0.244
(↓0.005)
3.870
(↑0.24)
7
(3↑)
ヤクルト
450 0.444
(↑0.069)
2
(↑1)
34
(+4)
36
(-)
9
(+1)
7
(-)
0.233
(↓0.003)
3.380
(↑0.44)
8
(3↑)
日本ハム
232 0.400
(↑0.15)
2
(↑1)
36
(+13)
24
(-)
9
(+1)
4
(+1)
0.288
(↑0.021
3.390
(↑0.59)
9
(2↓)
中日
351 0.375
(↓0.054)
2.5
(-)
23
(+4)
35
(+5)
4
(-)
2
(-)
0.190
(↓0.003)
3.890
(↓0.14)
10
(2↓)
DeNA
242 0.333
(↓0.067)
2.5
(-)
26
(+1)
38
(+7)
6
(-)
4
(+1)
0.254
(↓0.015)
4.630
(↓0.28)
10
(2↓)
西武
240 0.333
(↓0.067)
2.5
(-)
32
(+6)
36
(+7)
4
(-)
6
(+4)
0.266
(↓0.008)
3.760
(↑0.33)
12
(-)
阪神
161 0.143
(↑0.143)
4
(↑1)
17
(+5)
37
(+4)
3
(-)
8
(+3)
0.203
(↑0.02)
4.840
(↑0.28)