巨人(★3対6☆)楽天 =オープン戦1回戦(2019.02.23)・沖縄セルラースタジアム那覇=
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楽天
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巨人
00100200031021
勝利投手:森 雄大(1勝0敗0S)
(セーブ:宋 家豪(0勝0敗1S))
敗戦投手:菅野 智之(0勝1敗0S)

本塁打
【楽天】ブラッシュ(1号・2回表ソロ),田中 和基(1号・3回表ソロ)
【巨人】陽 岱鋼(1号・6回裏ソロ)

  DAZN
◆巨人は、1番・セカンドで出場した吉川尚が、2安打2盗塁を記録。レギュラー定着へ向け結果を残した。対する楽天は、緊急先発となった森が3回4安打1失点と要所を締め、開幕ローテーション入りに向け、アピールに成功した。

◆巨人育成の坂本工宜投手が、支配下登録に向け、またアピールした。7回から登板。オープン戦初登板で1回1/3を無安打無失点に抑えた。 「自分の持ち味がしっかり出せた。こういう形を続けていきたいです」と話した。今春は4戦で計9回1/3を自責2。宮本投手総合コーチは「毎回、『おっ』という投球をしてくれているね」と評価した。

◆巨人菅野智之投手(29)が今季初の実戦登板に臨み、2回2安打1四球2失点でマウンドを降りた。 西武から新加入の炭谷とコンビを組み、迎えた初回。先頭のオコエを中飛に打ち取ると、田中をカーブで三ゴロ、浅村はスライダーで遊飛に抑えた。 2回、先頭のブラッシュにカウント1-1から、この日最速の151キロの高め速球を捉えられた。バックスクリーン左横へソロ本塁打を運ばれ、先制点を許した。 続く島内に147キロの速球を左前打とされると、ウィーラーの三ゴロを三塁手のビヤヌエバが二塁へ送球。二塁手吉川尚が後逸(記録は三塁手の野選と二塁手の失策)し、無死一、三塁とピンチをまねく。続く銀次の二ゴロの間に三塁走者が生還し、2点目を奪われた。その後は1四球を与えるも追加点は与えなかった。 2回で打者10人へ41球、2安打1三振1四球で野上へマウンドを譲った。「この日を楽しみにしていたので、いろんな環境が変わって意気込みすぎました。力みすぎましたね。思ったより自分をコントロールできなかった。ブルペンから球が散っていたので、(炭谷)銀仁朗さんには『ちょっと荒れると思います』と話していました。試合をやる以上結果を出さないといけないので、反省点が多かったです。少し体が軽すぎる部分があるので、投げ込みをして、体を張らしていきたいです」と振り返った。

◆巨人吉川尚輝内野手が持ち味を快足を発揮した。1番二塁で出場し、オープン戦チーム初安打を含む2安打。1、3回ともに二盗を決め、3回は捕手が投球を前にはじく間に好判断で三塁に進塁(記録は暴投)し、ゲレーロの適時打で生還した。 「積極的に打つことができた。どんどんスタートを切っていこうと思っていたし、継続したい」と話した。

◆背中痛で別メニュー調整だった巨人阿部慎之助捕手がチーム本隊に合流し、今季初めて実戦に出場した。 7回に代打で出場し、中堅に痛烈な打球を放ったが、好守に阻まれた。「体は大丈夫」と話した。試合前には、自主トレで訪れる沖縄・伊江村の島袋村長からラム酒などを贈呈され「(あと1本の)400号を達成してほしいです」と激励された。

◆西武からFA加入した巨人炭谷銀仁朗捕手が、菅野との初バッテリーで手応えを示した。 2回までだったが「少ないイニングの中でやりたいことはできました。智之でも、シュート回転すればつかまることが確認できた。抑えてばかりじゃ、ピンチの時にどうやっていいか分からない。いいことばかりじゃいけない」と実戦から得た収穫を口にした。

◆巨人菅野智之投手(29)が「19年版速球」の片りんを披露した。オープン戦開幕の23日、楽天戦(沖縄セルラースタジアム那覇)に先発。2回2安打2失点も、最速151キロをマークした。全41球のうち、20球を投げ込んだ直球の平均球速は148キロ。昨季の最終登板でノーヒットノーランを達成したクライマックスシリーズ(CS)ヤクルト戦より格段にスピードアップした"超速球"が武器に加わる。 ちゅうちょはなかった。1回2死、楽天浅村への初球。菅野は初コンビの炭谷のサインにうなずくと、膝元の内角いっぱいに150キロの速球を差し込んだ。「あの打席は、ある程度狙ったところに投げられた」と昨季3割30本100打点を記録した強打者を圧倒した。最後は内角のスライダーで体勢を崩させて遊飛。打席に立った浅村の「速さも感じましたが、制球がすごかったです」という証言がすごみを物語っていた。 「直球」ではない「速球」に独特の思考を持っている。「僕の感覚としては、ストレートは『一番球速が速い変化球』だと思っている。フォーシームも、全く同じ軌道のボールはない。意図しなくても、微妙に変化はしている」。球界屈指の変化球と制球力を武器に相手打者をなぎ倒してきた。さらなるスケールアップの過程の中で、最強の球種として、頭の中には同じ軌道が2度とない「速球」がある。 今季初実戦は「ストレートを中心にこのキャンプは磨いてきたつもりなので、どこまで通用するか」とテーマを設定。2回の楽天ブラッシュには、151キロが、やや中へ高く入り、左中間席に運ばれた。「少し、意気込みすぎた。自分をコントロールできなかった」と今季初実戦マウンドで気持ちの力みが出た。それでも150キロ超えを4球も計測した。「ノーノー」を達成した、昨季CSヤクルト戦の速球の平均球速は144キロ。開幕前の現時点で、昨季からの上積みを明確な数字で示した。 あぶり出た課題は大勢に影響ない。「ちょっと体が軽すぎる部分がある。投げ込んで、もう1回体を張らして、自分の感覚を呼び戻したい」と今後の道筋を明確にした。次回登板は3月2日からのオープン戦ヤクルト2連戦(東京ドーム)が有力。「後ろ向きなことは一切ない。ただ、もう1回これを繰り返すようでは話にならない。しっかり修正します」。目線を上げて、自信と責任を入り交じらせた。【桑原幹久】 ◆菅野の昨季CSヤクルト戦・速球VTR 序盤は140キロ台前半の遅い球で組み立てた。勝負どころの山田哲、バレンティンにも最速149キロだった。2戦連続で中4日での登板ということもあったが、150キロを超える直球はなかった。主に変化球をコーナーに制球。ヤクルト打線に的を絞らせず、CSでは史上初のノーヒットノーランを達成した。

◆楽天4番指名打者ジャバリ・ブラッシュ(29)が、巨人エース菅野から先制ソロ本塁打を放った。3球目の直球をバックスクリーン左に豪快に放り込んだ。「いいピッチャーと知っていたし、1試合目からいい形で打つことができてよかったよ」。

◆楽天田中和基外野手(24)が、バックスクリーンに飛び込むソロ本塁打を放った。 3回無死、この回から登板した巨人野上の初球、高めの直球を迷いなく振り切った。「練習試合で結果が出ていなかったので、このオープン戦初戦で結果を出すことができてよかったです」とホッとした表情で話した。

◆楽天森雄大投手(24)が、スクランブル先発で3回を4安打1失点とまずまずの好投を見せた。先発予定だったエース則本昂が首を寝違えて登板を緊急回避するアクシデントにも冷静だった。 「もともと2番手の予定だったので、気負いすぎず、1イニングずつと思っていきました。ゲームをつくれたことはよかったし、右打者へのチェンジアップは昨年まではなかった引き出し。今後も使っていければ」。毎回、先頭打者に安打を許す苦しい内容も要所を締め、納得の表情だった。

◆エ...エグッ! 楽天ジャバリ・ブラッシュ外野手(29=エンゼルス)が、巨人菅野から、バックスクリーン左へ飛び込む推定125メートルの先制ソロ本塁打をたたき込んだ。196センチ、106キロの新助っ人が、いきなり存在感を見せつけた。 日本球界最高峰右腕の剛球を、豪快にはじき返した。2回の第1打席。バットのヘッドを投手側に傾け、両足をピタリそろえて構える独特のフォームから、真ん中高めの151キロ直球を捉えると、スタンドのどよめきとともに、中堅左の芝生席に高々と放り込んだ。 ブラッシュ いい直球にいい変化球。すごい投手なのは知っていたよ。シンプルに、ベースの上にくるストライクを力強く振ることを考えていたんだ。 変化球への対応力も示した。3回の第2打席、巨人2番手野上のカーブを左前へ運んだ。「1打席目で真っすぐを打ったので緩い球を狙っていた。どんな球でも自分のスイングをすることが大事だと思うんだ」。 元ロッテのフリオ・フランコにも似た独特のフォームは、17年の終盤から独自に身に付けたもの。「頭のブレを抑えてバランスがよくなったんだ。フランコと同じようなフォームだとは知ってるし、サダハル・オーにも似ていると思うよ」とニヤリ。バスで球場を引き揚げる際には、早くも「JB!」と愛称で呼ぶファンの姿も。オープン戦初戦からパワーの片りんを示した楽天の新4番。今後も「JB弾」量産が見られるか。【鈴木正章】 ◆ジャバリ・ブラッシュ 1989年7月4日生まれ。米領バージン諸島出身。10年ドラフト8巡目でマリナーズ入りし、15年オフにパドレスに移籍。大リーグ通算3年で123試合、打率1割8分6厘、8本塁打、22打点。196センチ、106キロ。推定年俸1億2000万円。右投げ右打ち

◆巨人・菅野智之投手(29)が23日、オープン戦開幕・楽天戦(沖縄セルラー)に先発し、2回41球2安打2失点(自責1)で交代した。  一回は三者凡退に抑えたが、二回に先頭のブラッシュ(前エンゼルス)に中越えソロを浴びると、その後は失策などもからみ、無死一、三塁から銀次の二ゴロの間にもう1点を失った。  菅野はこれが今季初実戦。制球などに課題を残した。また、親交の深い相手エースの則本昂大投手(28)は首の寝違えで先発を回避し、投げ合いは実現しなかった。

◆巨人の吉川尚が1番打者で2安打、2盗塁を決めた。キャンプ中から実戦で好アピールを続けている。丸が2番に入ったことで「僕が逆にプレッシャーをバッテリーに与えられたらいい。まずは走ることを意識してやっていきたい」とうなずいた。  俊足と高い守備力が持ち味で、正二塁手の筆頭候補だ。3年目を迎え「余裕を持ってプレーできるようになった部分はある。オープン戦でしっかり自信をつけてやっていければ」と表情を引き締めた。

◆巨人の阿部がオープン戦初戦で今季初実戦を迎えた。コンディション不良でキャンプは21日まで全体練習から外れて別メニューで調整していた。七回2死無走者で代打として出場すると、中堅手に好捕されたが、初球を右中間へ鋭くはじき返した。  26日の練習試合で実戦に入ることを想定していたが、予定よりも急ピッチで状態を上げてきた。「チャンスをいただいたので感謝です。(体も)大丈夫」と笑顔だった。

◆今季初実戦となったエース・菅野は2回2安打2失点。一回は3者凡退に抑えたが、二回先頭のブラッシュ(前エンゼルス)にソロ本塁打、島内に左前打を許し、「ちょっと力みすぎた。思ったよりも自分をコントロールできなかった」と振り返った。楽天・則本昂が首の寝違えで先発を回避し、投げ合いが実現しなかったことについては、「いい枕をプレゼントしたい」と笑わせた。 西武からFA加入で菅野とバッテリーを組んだ巨人・炭谷 「上ずった球も多かったが、本来はそうじゃないと思う。(回数が)少ない中だったが、やりたいことはできたし良かった」

◆FAで広島から加入した丸にオープン戦初安打が生まれた。「2番・中堅」で先発し、五回1死の第3打席で楽天2番手、石橋から右前打を放った。第1打席は四球を選び、昨季130四球の選球眼も披露。「より内容のある打席を増やしたい」という攻撃的な2番は、初戦から持ち味を発揮した。

◆巨人の育成選手、坂本工宜投手(24)が23日、オープン戦開幕・楽天戦(沖縄セルラー)に登板。1回1/3を無安打無失点2三振に抑え、支配下登録にまた前進した。  「自分の持ち味を出せた。絶対に支配下登録されて1軍で活躍したい」  背番号「006」が躍動した。七回、山崎に対して内角の直球で簡単に追い込むと、3球勝負の内角スライダーで見逃し三振に。八回には先頭の卓丸をやはり内角のスライダーで空振り三振に斬った。勝負度胸は十分。「内角を効果的に使えた」と胸を張った。  キャンプは2軍スタートだったが実戦で結果を残し、育成選手ではただ1人那覇キャンプのメンバーに入った。実戦4試合で9回1/3を2失点とアピールを続けており、関学大準硬式野球部出身の異色右腕を原監督も「ひたむきさ、ハングリーさ。そういうのは素晴らしい」と評価した。チームの課題となっているブルペン陣の一角を担うだけの素質は秘めている。 (伊藤昇)

◆巨人が23日、楽天とのオープン戦初戦(沖縄セルラー)に3-6で敗れた。「1番・二塁」で起用された吉川尚輝内野手(24)は、2安打2盗塁と躍動。"初陣勝利"とはならなかった原辰徳監督(60)だが、2019年打線のリードオフマンとして、バットと足で見せ場をつくった3年目の正二塁手候補に高評価を与えた。  スイングにも、足の運びにも迷いがない。吉川尚が、チャンスメーク能力の高さを"開幕戦"から証明した。  「スタートを切れたら、どんどんいこうと思っていた。積極的にいけたのでよかった。僕が相手バッテリーにプレッシャーを与えられたらいい」  打っては一回に投手強襲の内野安打、三回に中前打を放つなど3打数2安打をマークした。さらに2度の二盗も決め、三回には暴投の間に二塁から三進するなど、相手のわずかな隙も見逃さなかった。2番・丸、3番・坂本勇、4番・ゲレーロのクリーンアップにつなげる1番打者として、バットと足で得点機を演出した。  これで今キャンプの対外試合は全て「1番・二塁」で先発出場して12打数7安打。昨季76キロだった体重は、オフのウエートトレーニングで一時80キロを超すなど肉体を進化させ、課題の打撃に力強さが増した。出塁機会が増えれば、俊足もより生かせる。原監督は「スチールもさることながら、ワンジャッグル(一つの守備側のお手玉)でサードまでいったのは非常に評価できます。(打撃面も)ずっと存在感あるよね」とたたえた。  一方で、指揮官はトップバッターの構想について「陽岱鋼も控えてるし、田中俊太もいる」と現状を説明した。六回に右中間ソロを放った陽岱鋼の1番起用を含め、まだまだ競争をあおっていく姿勢だ。  開幕に向けたオープン戦で激しさを増すレギュラー争いが、原巨人を強くする。吉川尚は「オープン戦でしっかり自信をつけてやっていければ」と表情を引き締めた。 (谷川直之)