広島(☆6対1★)巨人 =クライマックスシリーズ1回戦(2018.10.17)・マツダスタジアム=
このエントリーをはてなブックマークに追加

 123456789
巨人
0000010001500
広島
10030011X6902
勝利投手:大瀬良 大地(1勝0敗0S)
敗戦投手:メルセデス(0勝1敗0S)

本塁打
【広島】鈴木 誠也(1号・4回裏2ラン),丸 佳浩(1号・7回裏ソロ)

  DAZN
◆広島が快勝でファイナルステージ第1戦を制した。広島は初回、丸の内野ゴロの間に先制する。そのまま迎えた4回裏には、鈴木の2ランと會澤の適時打でリードを広げた。投げては、先発・大瀬良が6回1失点の好投。敗れた巨人は、打線が5安打1得点と振るわなかった。

◆巨人阿部慎之助内野手(39)が2回の第1打席で負傷交代した。 カウント2-1から、広島大瀬良の内角への変化球に反応。ファウルしたが自打球になり、左膝付近に直撃した。そのままバットに寄りかかるようにもん絶し、しばらく動けず。 ベンチから出てきたトレーナーらの肩を借りて、治療のためにベンチに下がったが、そのまま交代。代わりに陽岱鋼が代打で送られたが、空振り三振に倒れた。

◆カープの熱狂的なファンで俳優の谷原章介が、マツダスタジアムで始球式を行った。真っ赤な上下に、ファンだという津田恒実、この日先発の大瀬良大地の背番号14の広島のユニホームをまとって、投げ込んだ。 ノーバウンドで会沢捕手のミットに収まったものの、先頭打者坂本勇人の後方を通過するボール球...。坂本勇も予期せぬボールの軌道に驚いた様子で、谷原も苦笑いを浮かべるしかなかった。 「オープン戦などで投げたことはありましたが、CSはさらに緊張感がすごいですね。1球も練習することができなかったのですが、坂本選手に当てちゃいけないと思っていたのにあそこにいくとは...。坂本選手も苦笑していましたね(笑い)。4回目になりますが、前回は真ん中にいったので悔しいです」と思うようなボールを投げられず、唇をかんだ。 それでもカープファンの代表として「CSは通過点なので、悲願の日本一へ突き進んでほしい」とナインへエールを送った。

◆広島鈴木誠也外野手が高々とアーチをかけた。1-0の4回無死一塁。メルセデスのカーブをしっかりとらえ、左翼席上段に打ち込んだ。走りながら力強くガッツポーズを繰り出し、雄叫びを上げた。「いい追加点になってよかったです」と息を弾ませた。 昨年はシーズン中の右足骨折のためCSを欠場。4番として初めて戦うポストシーズンだ。打撃フォームを改良して臨んだ短期決戦の初戦で、頼もしい姿を見せた。

◆広島野間峻祥外野手が得意の走力で貴重な1点をつかんだ。 4回、鈴木の2ランで3-0とし、なお1死一塁の場面。一塁走者の野間は、会沢が放った左中間への打球に素早く反応。打球は左翼亀井に止められたが、お構いなしに二塁、三塁と回ってホームに滑り込んだ。 会沢は「野間がよく走ってくれた」と感謝。広島ベンチもお祭り騒ぎで、背番号37を迎えた。

◆3年連続リーグ優勝の広島がクライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージの初戦を制しアドバンテージの1勝を含めて通算2勝0敗、日本シリーズ進出へあと2勝とした。 巨人は1回に1番坂本が中前安打で出塁も、2番田中が併殺打に倒れて先取点を奪えなかった。広島は初回から"タナキクマル"で先制点を奪った。まずは1番田中がフルカウントから四球で出塁。田中は2球目にスタートを切り、2番菊地が中前安打を放ち、一塁走者の田中は三塁まで進塁。エンドランを成功させた。3番丸の二ゴロの間に三塁走者が生還し、3人で先取点をもたらした。巨人は今回のCSで初めて追う展開になった。 1点を追う巨人は直後の2回にアクシデント発生。5番阿部が左膝近辺に自打球をあてて、トレーナーらとベンチ裏に下がって手当を受けたが、そのまま途中交代となった。3回に巨人は2死一、二塁で田中がライナー性の当たりを放つも丸の正面の中飛で追い付けられず。この日、初めて得点圏に走者を進めたが、チャンスをものにできなった。 広島打線が4回、牙をむいた。先頭の丸が中前打で出塁すると4番鈴木が甘く入ったカーブを左翼席へ2ランを放った。鈴木は昨年はシーズン中の右足骨折のためCSを欠場し、4番として初めて戦うポストシーズン初陣で役割を果たした。さらに会沢の適時二塁打で4点目を奪った。巨人先発のメルセデスは4回途中4失点で降板となった。 巨人は6回1死一、二塁でマギーが適時左前打を放った。その後、2死満塁としたが、長野が二飛に倒れて1点止まり。広島は7回から継投策に入った。 広島は7回に丸がソロ本塁打を放って、リードを4点に広げた。8回にフランスア、9回に中崎が締めくくり、白星発進とした。 勝ち投手は広島大瀬良1勝。負け投手は巨人メルセデスで1敗。第2戦の予告先発は広島ジョンソン、巨人田口。

◆広島鈴木誠也外野手が勝利を呼ぶ豪快アーチでチームに勢いをもたらした。1-0で迎えた4回無死一塁、メルセデスのカーブをしっかりとらえ、左翼席上段に運んだ。走りながら力強くガッツポーズを繰り出し、雄叫びを上げた。4番の一撃に導かれ、チームは投打がかみ合い先勝した。 試合後のお立ち台ではお決まりの台詞「最高でーす!」を2度繰り返した後「(先発の大瀬良)大地さんが頑張っていたので。ホームランは頭になかったけですけど最高の結果になって良かった」とアーチを振り返った。 昨年はシーズン中の右足骨折のためCSを欠場。「去年の悔しさもあった」。2年越しの思いをバットにぶつけた ファーストステージを勝ち抜いた勢いで乗り込んできた巨人との一戦。「相手の勢いに正直、不安もあった」と話す。それでも「スタンドのものすごい声援のおかげで勝てた」。アドバンテージの1勝を加え2勝。本拠地の大声援も味方に、連勝で日本シリーズ進出王手へ一気に突き進む。

◆広島大瀬良大地投手が、6回1失点の好投でファイナルステージ1勝を挙げた。 お立ち台に上がった大瀬良は「とにかく最少失点でいけたらと思って投げた。入りが大事。勢いで抑えようと」。 初回から全力で飛ばした。ペナントで菅野と並ぶ15勝をマークした最多勝右腕は、1回に先頭坂本勇人に安打を許したものの、続く田中俊を二ゴロ併殺、3番マギーを三ゴロに抑えて波に乗った。5回まで散発2安打の快投。6回1死一、二塁の場面でマギーに適時打を許し、2死満塁とピンチを招くも「どんな形でもアウトを」と気持ちを奮い立たせ、長野を二飛。最少失点でしのいだ。 大瀬良の好投に刺激された救援陣もスコアボードに「0」を刻んだ。2番手以降、一岡、フランスワ、中崎がそれぞれ1イニングを無失点リレー。投手陣の踏ん張りに打線も強力援護。初回に先制、4回には4番鈴木誠也の2ランなどで3点を加点。7、8回にも1点ずつ加えた。 大瀬良の好投でチームはアドバンテージの1勝を含め2勝。「明日も勝ちましょう!」。エースがスタンドのファンへ向け、選手の気持ちを代弁した。

◆巨人先発のクリストファー・クリソストモ・メルセデス投手(24)が、4回途中5安打4失点と試合を作れず、黒星を喫した。 初回、広島の先頭田中を歩かせると菊池にバスターで中前打を打たれ、無死一、三塁。丸の二ゴロの間に1点を先制された。 4回には無死一塁から鈴木にカーブを完璧に捉えられ、左翼席上段へ2ランを打たれた。その後、1死一塁から会沢に左中間への適時二塁打を打たれ、この回3失点目を許した直後に吉川光へマウンドを譲った。 今季2戦1敗でセ・リーグで唯一白星がなかった天敵に返り討ちにされ「残念な結果になってしまった。CSだからといって、大きな違いはなかった。もうちょっと緩急を使わないと広島打線は抑えられない。3ボールが多かったし、有利なカウントを作れなかった」と悔やんだ。

◆巨人阿部慎之助内野手(39)が2回の第1打席で負傷交代した。カウント2-1から、広島大瀬良の内角への変化球に反応。ファウルしたが自打球になり、左膝付近に直撃した。そのままバットに寄りかかるようにもん絶し、しばらく動けず。ベンチから出てきたトレーナーらの肩を借りて、治療のためにベンチに下がったが、そのまま交代。代わりに陽岱鋼が代打で送られたが、空振り三振に倒れた。 試合中は治療に専念し、終盤からはベンチで戦況を見守った。試合後は「大丈夫、明日だな」と18日の第2戦以降の出場には問題ないと強調。しっかりとした足取りでバスに乗り込んだ。

◆巨人岡本和真内野手(22)が好機での凡退を悔やんだ。 1点を返した直後の6回1死一、二塁、広島大瀬良のど真ん中に入った128キロスライダーを打ち上げた。インフィールドフライになる捕飛で、反撃の一打を放てなかった。「甘い球だったのに仕留めきれなかった。残念です。明日は打てるように頑張ります」と話した。 第4打席目も中飛に倒れ、4打数無安打。13日のCSファーストステージ・ヤクルト戦から3試合で12打席連続無安打となった。

◆巨人ケーシー・マギー内野手(36)が唯一の適時打を放った。 6回1死一、二塁、カウント3-1から広島大瀬良の136キロカットボールを左前へとはじき返し、二塁走者辻が生還した。反撃の流れを作ったが、後続が続かなかった。「全打席でいい内容だったが、チームの勝ち負けが一番大事。明日も内容を良くして、チームの勝ちにつなげたい」と振り返った。

◆広島丸佳浩外野手が7回に上原から弾丸ライナーで右翼席に打ち込んだ。 5-1とリードを広げる一撃。「久しぶりにいいスイングができました。風にも乗ってくれましたね」と笑顔で語った。4回に2ランを放った鈴木誠也外野手とのアベック弾だった。 広島打線の力を初回から見せつけた。先頭田中が四球、菊池がヒットエンドランを決めて無死一、三塁。「広輔とキクがものすごくいい局面を作ってくれた。あまり気負わず、前に飛ばせば何とかなると思って。最低限ですね」。 その通りに、スライダーにタイミングを崩されたが、二塁前に転がすと、しっかり走って併殺を防いだ。短期決戦の初戦で、初回に先制点。ここで奪う「1点」の重要性を3番打者は分かっていた。 第2打席は鈴木の2ランの前に先頭打者で中前打。本塁打も含めて3度、点に絡んだ。「終始、うちの攻撃ができた。それぞれが役割を果たせたと思う」。手応えたっぷりのスタートを切った。

◆リーグ王者広島が先勝し、アドバンテージの1勝と合わせて2勝0敗とした。1回に田中と菊池が無死一、三塁の好機をつくり、丸の内野ゴロの間に先制。4回は4番鈴木の2ランなどで3点を加え、終盤にも丸のソロと安部の適時打で巨人を突き放した。先発の大瀬良は6回1失点の好投で白星を挙げた。緒方孝市監督(49)の談話は以下の通り。 -まず1勝 緒方監督 (大瀬良)大地のピッチングに尽きるでしょう。初回からあれだけ力を入れていた。気持ちが高ぶって球が暴れるかなと思ったが、しっかり最初から投げてくれた。一番は(6回の)満塁のピンチをしっかり抑えきったところ。本当にナイスピッチングだった。 -成長を示した 緒方監督 落ち着いているね。去年と全然姿が違う。頼もしく感じる。 -打線も援護 緒方監督 全員がプレーボールからいい集中力を持っていた。バットもみんな振れている。 -3、4番が1発 緒方監督 今日の試合はエースが投げて4番が打って勝ったと書かれるかもしれないけど、4番だけじゃない。打線みんながね。(田中)広輔、キク(菊池)にしても初回いい形でチャンスメークしてくれた。中押し、ダメ押しといいゲームができた。 -ブルペン陣も好投 緒方監督 しっかり投げてくれたね。こういう緊張感の中で投げて、どんどん経験してもらいたい。また明日以降、頑張ります。

◆広島が勝ち、アドバンテージの1勝を含め2勝。日本シリーズ出場をかけたプレーオフ、CSで2勝0敗は過去21度あり、20度が日本シリーズに進出している(突破率95%)。 唯一の敗退は昨年の広島がDeNAに2連勝から4連敗。今年は屈辱を晴らせるか。

◆広島の若き4番鈴木誠也外野手(24)が、特大アーチをかけた。クライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージ第1戦で1点リードの4回、巨人メルセデスから左翼席上段に2ランを放った。CSでは最年少4番弾で、勝利をたぐり寄せた。リーグ優勝による1勝アドバンテージと合わせ、広島は2勝。今日18日の2戦目に勝てば、早くも日本シリーズへ王手となる。 鈴木は打球の行方を見届けると、両手をパチンとたたいてほえた。1点リードの4回無死一塁。「頭になかった」というメルセデスの初球カーブを、反応で左翼席に放り込んだ。CS、日本シリーズも含めたポストシーズン自身初アーチ。4番が貴重な2ランでチームに活力を与えた。 「去年悔しい思いをしていたので、大事なところで打ちたいと思っていた。本当にうれしい」 昨年は右足首骨折の影響で出られなかったCSファイナル。2年ぶりの出場に胸を躍らせていた。「一昨年と比べて、楽しみがすごく大きかった。とにかく楽しもうと」。そして、強く決めた。「とにかく攻める気持ちを持ってやる」と。そんな攻撃的な姿勢が、初球アーチという最高の結果につながった。大事な短期決戦を前に、フォーム改造という大胆な策に出た。構えで小刻みに体を動かしながら、タイミングを取るよう変更。リスクは大きい。シリーズ前のシート打撃でも結果が出なかった。そんな心配を笑い飛ばす。「記者さんは書きやすいペンがあれば変えるでしょ。僕にとって、それと同じようなことですよ」。シーズン中からよりよいものを求めて修正を繰り返す若き主砲。そのタイミングが今シリーズ前だったというだけだ。そして、本塁打が出た。「今、一番結果が出やすいのがこの形なのかなと思う」と、今後のポストシーズンへ自分自身にも期待した。「久しぶりの試合だったので、どうなるんだろうと思った。早い段階で1本出たので楽になる。みんな新井さんと最後までやりたい気持ちが強いと思う。とにかく勝てればいい」。今季限りで引退する新井への思いをあらためて口にした鈴木。ラミレスDeNAに敗退した1年前のCSファイナルとは違う。4番がチームの中心に、どっしりと構えている。【大池和幸】▼24歳1カ月の広島鈴木が本塁打。プレーオフ、CSでは16年1Sの巨人戦で打った筒香(DeNA)の24歳10カ月を上回る最年少の4番アーチとなった。▼広島が勝ち、アドバンテージの1勝を含め2勝。日本シリーズ出場をかけたプレーオフ、CSで2勝0敗は過去21度あり、20度が日本シリーズに進出している(突破率95%)。唯一の敗退は昨年の広島がDeNAに2連勝から4連敗。今年は屈辱を晴らせるか。

◆巨人にとってマツダスタジアムの鬼門ぶりは変わらなかった。初回、1試合平均1・56四球のメルセデスが先頭田中に四球。菊池の安打で一、三塁、丸の内野ゴロで早々と先制点を献上した。4回は鈴木に2ランを浴びるなど4回途中4失点で今季最短KO。球審の厳しめのゾーンに苦しみ3四球と、らしくなかった。 4番岡本の打棒も振るわなかった。6回、1点を返し、なお1死一、二塁の好機。大瀬良の甘く入った初球スライダーに捕飛に倒れた。ポストシーズンは10打数無安打。岡本は「甘い球を仕留めきれなかった。明日頑張ります」と振り返り、指揮官は「責めるところでもない。積極的にいった結果が紙一重」と話した。 高橋監督の辞任表明後、この地で始まった連勝は4でストップした。CSファイナル初戦を落としての逆転突破は昨年のDeNAだけで、確率わずかに5%。アドバンテージを含む2敗からの奇跡を、今季2勝10敗1分けの球場で起こさなければならない。"ジャイアンツ・キリング"の道は険しい。

◆エースの仕事だ。CSファイナルS初戦の先発を任された広島大瀬良大地投手(27)が、6回1失点の好投で快勝の原動力となった。1回無死一塁を併殺打で切り抜けるとリズムに乗り、力で巨人打線を押し込んだ。今季15勝を挙げ飛躍した本格派が、チームに最高の勢いを運んだ。 4年ぶりCS先発。しかも初戦。大瀬良は自分の気持ちを抑えきれなかった。プレーボール直後、先頭坂本勇に150キロ超の真っすぐを4球続けた。結果は中前打も手応えを得た。「高ぶっていたのはあるかもしれない。大胆にいくところは大胆に。スピードガンと打者の反応からも(好調が)分かった」。無死一塁としても、田中俊を追い込むと最後は内角直球で詰まらせ二ゴロ併殺。巨人の勢いを止め、勢いに乗った。 中9日で万全を期したマウンドでは、思った以上に球が走った。大胆な投球とは裏腹に、頭の中は冷静だった。シーズン中とは異なり、同じ打者に同じ球種を続け、これまでにない配球で巨人打線を惑わせた。話し合いを重ねた会沢との息はぴったり。6回まで4度、先頭打者を出すも「点を与えなければ大丈夫」と切り替えた。6回は1点を失い、なおも2死満塁としながら最後は宝刀カットボールで長野を二飛に切った。 初の"開幕投手"。重圧はあった。プロ1年目から精神的な影響で発症するようになったじんましんが、CS直前にひどくなった。12日には薬を処方してもらうため病院に立ち寄った。それでも「緊張はない。これまで経験させてもらっているのもある」と自信を持ってマウンドに上がった。2月のオープン戦で確かな成長への確信を得た相手と同じ、坂本勇との対戦で勢いづいた。 6回1失点。ポストシーズン初勝利で大役を果たした。緒方監督は「大地の投球に尽きるでしょう。昨年とは姿がまったく違う。頼もしく感じる」とたたえた。今日勝てば王手も、もつれれば中4日で22日に先発する可能性が高い。「行けと言われれば行くつもりで準備したい」。白星発進に導いても、次なる戦いに向けて引き締め直した。喜ぶのはまだ早い。【前原淳】

◆広島田中広輔と弟の巨人田中俊太がそろって出場。 CSの兄弟対決はパ・リーグの12年ファイナルステージ第1戦で陽耀勲投手(ソフトバンク)が先発、弟の陽岱鋼(日本ハム)が1番を打ち、投打で3打席対決(三ゴ、中飛、中安)しているが、セでは初めて。

◆巨人阿部慎之助内野手(39)が、広島とのCSファイナルステージ第1戦(マツダスタジアム)で負傷交代した。 2回の打席で左膝付近に自打球を当てベンチに退いた。試合終盤からはベンチで戦況を見守った。18日の第2戦出場について「大丈夫、明日だな。なめれば治る」と話し、しっかりとした足取りでバスに乗り込んだ。

◆いきなり両大砲そろい踏みだ。広島丸が7回に上原から弾丸ライナーで右翼席に打ち込んだ。5-1とリードを広げる一撃。「久しぶりにいいスイング。風にも乗った」。4回に2ランを放っていた鈴木とアベック弾を決めた。 初の本塁打王は逃したが、自己最多の39本塁打を放った。だがシーズン終盤は失速。9日間の調整期間を利用してフォーム修正に励んだ。2年連続MVP候補の真骨頂は長打力だけじゃない。初回無死一、三塁は二ゴロ併殺崩れで先制の1点をつかんだ。「前に飛ばせば何とかなると気負わずいった。最低限」。第2打席は鈴木の2ランの前に中前打。3度も点に絡んだ3番打者の仕事ぶりは広島の強さの象徴だ。 「本塁打もですが非常に効率よく、終始うちの攻撃ができた。それぞれが役割を果たせたと思う」。好発進にホッとした表情ものぞかせた。【柏原誠】 ▼広島は鈴木、丸が本塁打。広島の3、4番がアベックアーチはCSでは初めて。ポストシーズンでは西武との86年日本シリーズ第1戦で3番小早川、4番山本浩が放って以来になる。

◆巨人のクリストファー・クリソストモ・メルセデス投手(24)が17日、マツダスタジアムで行われた、広島とのクライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージ第1戦に先発。広島打線につかまり、四回途中5安打4失点でマウンドを降りた。  一回、先頭の田中に四球を与えると、続く菊池の中前打で無死一、三塁。丸の二ゴロの間に1点を先制された。さらに、四回には先頭・丸に中前打で出塁を許し、続く4番・鈴木に左翼席への2ランを浴びた。その後、一死一塁から、会沢に左中間適時二塁打とされたところで降板。先発の役目を果たせなかった。

◆広島が小刻みな加点で巨人に快勝。2年ぶりとなる日本シリーズ進出へあと2勝とした。先発の大瀬良は6回を投げ5安打1失点。巨人は得点を挙げた六回を除き打線がつながりを欠いた。  広島は一回、四球と菊地の中前打で無死一、三塁とすると、3番・丸のニゴロの間に三走・田中が生還し、巨人先発のメルセデスから先制点を奪った。巨人は二回、5番・阿部が左ひざ付近へ自打球を当て、代打・陽岱鋼が送られた。  広島は四回にも無死一塁から4番・鈴木の左翼席上段に運ぶ2ランで追加点。さらに一死一塁として7番・会沢が左中間への適時二塁打を放った。巨人はここでメルセデスに代えて2番手・吉川光が登板した。  4点を追う巨人は六回一死一、二塁から3番・マギーが三遊間を破る適時打を放ち反撃。巨人はその後二死満塁と逆転機を作ったが、6番・長野が二飛に倒れ、この回は1点を奪うにとどまった。大瀬良はこの回限りでマウンドを降りた。  広島は七回一死で巨人の4番手・上原から3番・丸が右翼席最前列に飛び込むソロ本塁打。八回にも5番手・沢村を攻め、8番・安部の右前適時打で差を広げた。投げては七回は一岡、八回をフランスアがそれぞれ三者凡退に切って取り、九回は中崎が締めた。

◆巨人のケーシー・マギー内野手(36)が17日、マツダスタジアムで行われた、広島とのクライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージ第1戦に「3番・三塁」で先発出場。4点を追う六回一死一、二塁から、左前適時打を放った。  助っ人の一打で、1点を返した。相手先発は、リーグ最多勝(15勝)の大瀬良。甘く入ってきた136キロのカットボールを、左前に運んだ。  若手がつなぎ役となった。先頭の代打・辻が右前打で出塁し、一死後、2番のD5位・田中俊(日立製作所)が左前打で好機を演出した。

◆巨人のメルセデスは四回途中4失点と広島打線に屈した。  制球が定まらず、一回に四球から先制点を許すと、四回は鈴木の2ランなどで3点を失った。「有利なカウントをつくれなかった。緩急をつけて投げないといけない」と肩を落とした。  第6戦までもつれれば、中4日で登板する可能性もある。「次のチャンスがあれば、今日の反省を生かしたい」と前を向いた。 巨人・高橋監督 「(好機で凡退した岡本に)積極的にいった結果が、紙一重だった。(メルセデスは)そんなに悪いとは思わなかった。とにかく明日ですね」 巨人・村田ヘッド兼バッテリーコーチ 「1勝すれば流れは変わる。切り替えて、明日頑張るだけだ」 上原(丸にソロを浴び) 「(相手の)流れを止めてほしいと送られたのに、止められず悔いが残る」

◆巨人の阿部は二回の第1打席で左膝付近に自打球を当て、途中交代した。試合後はバットをつえ代わりにして歩きながら「大丈夫。明日だな」と切り替えを強調した。

◆広島が小刻みな加点で巨人に快勝。2年ぶりとなる日本シリーズ進出へあと2勝とした。先発の大瀬良は6回を投げ5安打1失点。打っては主砲の鈴木と丸の一発が飛び出した。  以下は大瀬良と鈴木の一問一答。  --大事な初戦を任された  大瀬良「初戦を取れてよかったと思います」  --6回1失点  大瀬良「とにかく最少失点でいけたらと思っていたので、頑張ったと思います」  --ストレートが走っていた  大瀬良「チームとしてこのシリーズ一発目だったんで、とにかく初回の入りが大事だと思って、初回は勢いでゼロに抑えようと思って頑張りました」  --六回の二死満塁を切り抜けた  大瀬良「1点取られた後だったんで、どんな形でもあと1個アウトを取ろうと思って。1点で防げたので良かったです」  --球場の熱気は  大瀬良「いつもより大きな声援を頂いて、なんとかこういうピッチングができたので、また明日からもお願いしたいです」  --四回、2ランの4番・鈴木について  大瀬良「4番としてすごく頼りにしているので、いつか打ってくれると思って一生懸命投げていました」  --2ランを振り返って  鈴木「最高です!」  --手応えは  鈴木「最高です!」  --4番の仕事ができた  鈴木「そうですね。(大瀬良)大地さんも頑張ってくれていたので、なんとか追加点がほしいという場面がありましたので。ホームランていうのは全く頭になかったんですけど、最高の結果になってよかったです」  --昨年は故障でCSを棒に振った  鈴木「本当に去年悔しい思いをしていたので、なんとか大事なところでずっと打ちたいというふうに思っていたので、シーズン中にあんまり自分が納得するような打撃というのはなかったので、こういう場面で打てたのはうれしいです」  --明日以降に向けて  鈴木「今日の試合は相手もですね、ファーストステージからノリにノッた状態でね、来ていたので、正直不安もありましたし、怖さもあったんですけど、グラウンドに来て、ファンの皆さんの温かい声援で、ものすごい声援だったのでそのおかげで勝てました。ありがとうございました。明日以降もね、しっかり自分たちの野球をして、勝ちたいと思います。応援よろしくおねがいします」  大瀬良「誠也が全部言ってくれたので...。明日も勝ちましょう!」

◆巨人のクリストファー・クリソストモ・メルセデス投手(24)が17日、マツダスタジアムで行われた、広島とのクライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージ第1戦に先発。四回途中5安打4失点でマウンドを降り、敗戦投手となった。  「有利なカウントを作ることができなかった。きょうは残念な結果になったけど、次回チャンスがあれば反省をいかしていければ」  広島打線に流れを奪われた。一回、先頭・田中に四球を許すと、菊池の中前打で無死一、二塁。丸の二ゴロの間に1点を先制された。さらに四回には、先頭・丸に中前打とされ、続く4番・鈴木に左翼席への2ランを被弾。その後、会沢に適時二塁打を浴びたところで降板した。  「もう少し緩急をつけて投げないといけない。コースもそうだけど、緩急をつけて投げないと」  CS初登板は、悔しさが残った。広島に先勝され、アドバンテージを含むと星を2つ落としている状況だ。だが、まだ終わったわけではない。この日は60球しか投げていないため、チームが勝てば、もう一度出番が回ってくる可能性がある。その日のために、しっかり準備をするだけだ。

◆一回の攻防が明暗を分けた。広島は無死一塁の守りで、強攻策に出た相手の攻撃を併殺打で切り抜ける。直後に先頭打者の田中が四球を選んで出塁すると、すかさず菊池の打席で2球目にエンドランを仕掛けた。「強く打とうと思いっ切りいった」  見事に打球は中前へ抜けて無死一、三塁の好機が生まれ、丸の二ゴロの間に1点をもぎ取った。緒方監督が「うちの攻撃のパターンの一つだから」と大きくうなずく鮮やかな先制攻撃。一回から主導権を奪って、逃げ切った。

◆ファイナルステージが両リーグで開幕。セ・リーグは3連覇した広島が、レギュラーシーズン3位から勝ち上がった巨人を6-1で下し、リーグ優勝チームに与えられる1勝のアドバンテージを含めて2勝0敗とした。1-0の四回に、鈴木誠也外野手(24)が左翼席へ2ラン。過去2年のクライマックスシリーズ(CS)で悔しい思いをしてきた主軸が、今年は4番打者として初戦から勝利に貢献した。  3番・丸も一発。3点リードの七回に上原のスライダーを捉え、今季レギュラーシーズンでは6度あった鈴木との"マル・セイヤ"アベック弾を決めた。9月26日にリーグ3連覇を決めた翌日からは、28打数1安打16三振と不振だった男に、久々の快音。「久しぶりにいいスイングができた。本塁打もそうだし、効率のいい点の取り方。終始うちのペースでできた」と納得の表情だった。

◆D5位・田中俊(日立製作所)が「2番・二塁」で先発出場。広島の兄・広輔もスタメン出場し、セのCSでは初の兄弟同時出場を果たした。バットでは六回一死一塁から左前打を放ち、マギーの適時打につなげ「塁に出て回せば、3、4番にチャンスで回ると思っていた」。チームの敗戦にも「また、頑張ります」と前を向いた。

◆大事な初戦で新エースが躍動した。広島・大瀬良大地投手(27)が6回5安打1失点。先発の役割をしっかりと果した。  「単打OKという気持ちで、大事にいくところは大事にいけた。何とか1点で抑えられたので良かったです」  一回から150キロ台の直球を連発した。「気持ちの高ぶりはあったのかな」と攻め抜いた。  二回。警戒していた巨人4番・岡本には5球連続の内角直球勝負で空振り三振。続く阿部には、4球連続のカットボールで懐を攻めた。  昨季のCSファイナルステージの登板は中継ぎで1試合のみ。今季は最多勝(15勝)、勝率第1位(・682)の2冠に輝き、新エースとして"開幕戦"を託された。  最大のピンチは六回だった。マギーに適時打を許して、なおも二死満塁。ここで長野を二飛に仕留め、拳を握りしめた。緒方監督も「大地の投球につきる。初回から力が入っていたけど、落ち着いてしっかりと投げてくれた」とたたえた。  投球数92で余力を残して交代。今後の勝敗次第では中4日で第6戦に先発することも考えられる。「いけといわれればいくつもりです」と大瀬良。悲願の日本一まで、フルスロットルで腕を振り続ける。 (原田遼太郎) 四回、左中間に適時二塁打を放った広島・会沢 「いい反応で打つことができた」 八回に登板し、自己最速タイの158キロを計測するなど3者凡退に抑えた広島・フランスア 「きょうは真っすぐが良かった」 六回に代打出場で四球。チームの勝利に広島・新井 「追い込まれていたし何とか粘ろうと思った。各自がいいスタートを切れたことがよかった。これをあしたにつなげていきたい」

◆レギュラーシーズン3位の巨人は広島に1-6で敗れ、0勝2敗(広島に1勝のアドバンテージ)となった。今季2勝9敗1分けだったマツダスタジアムでまた黒星。期待の4番・岡本和真内野手(22)は4打数無安打で、CSは3戦連続ノーヒットの不振。5番で先発した阿部慎之助内野手(39)は二回の第1打席で負傷交代と、打線に元気がなかった。  カープファンで埋まる敵地・マツダスタジアムで初戦は黒星。三塁側上層のビジター応援席から届くG党の声援に、勝利で応えられなかった。  「メルセデス? そこまで悪いと思わなかった。とにかく、あす(18日)ですね」  高橋監督はすぐに気持ちを切り替えた。レギュラーシーズン3位。同2位・ヤクルトとのファーストステージは2連勝で突破した。特に14日の第2戦は菅野がノーヒットノーラン。勢いは確かに巨人にあった。だが...。  広島との分の悪さが出た。今季の広島戦は7勝17敗1分け。ファイナルステージの舞台であるマツダでは2勝9敗1分けと大きく負け越した。  この日は先発左腕のメルセデスが四回途中4失点。打線は阿部が二回の第1打席で自打球を左膝付近に当て、交代するアクシデント。さらに4番の岡本は4打数無安打に終わり、ファーストステージからの3戦で12打席無安打(1犠飛、1四球を含む)。プロ野球史上最年少となる22歳シーズンでの「3割・30本塁打・100打点」を達成した主軸に快音が出ない。  それでも、高橋監督は岡本について「シーズンでしっかり頑張ってきた選手。こちらの信頼は変わらない」ときっぱり。岡本は「(六回の好機の凡退は)甘い球だったけど、仕留めきれなかった。あす(18日)は打てるように頑張ります」と必死に前を向いた。 (吉村大佑) 四回途中5安打4失点で降板した巨人・メルセデス 「残念な結果になったけど、次回チャンスがあれば、反省を生かしていければ。もっと緩急をつけて投げないといけない」 メルセデスについて巨人・斎藤投手総合コーチ 「早いカウントから打たれていたから、もっと慎重に、というのもほしかった」 七回に登板し、丸にソロ本塁打を浴びた巨人・上原 「(試合の)流れを止められなかったのは、すごく悔いが残る。もう少し内に投げたかった」 敗戦に巨人・村田ヘッドコーチ 「ここまできたら、振り返っていてもしようがない。1勝したら流れも変わる。勝たないと始まらない」 巨人・坂本勇 「明日、なんとか頑張るだけです」

◆ファイナルステージが両リーグで開幕。セ・リーグは3連覇した広島が、レギュラーシーズン3位から勝ち上がった巨人を6-1で下し、リーグ優勝チームに与えられる1勝のアドバンテージを含めて2勝0敗とした。1-0の四回に、鈴木誠也外野手(24)が左翼席へ2ラン。過去2年のクライマックスシリーズ(CS)で悔しい思いをしてきた主軸が、今年は4番打者として初戦から勝利に貢献した。  "スズキ"が"マツダ"で"メルセデス"を撃破した!! 2年ぶりにポストシーズンに出場した広島・鈴木が、これぞ4番の仕事をやってのけた。特大の一発で、赤ヘルを白星発進に導いた。  「最高です!! 昨年は(けがで)悔しい思いをしていて、大事なところで打ちたいと思っていました。(大瀬良)大地さんを援護したいと思っていて、最高の結果になりました」  1-0で迎えた四回無死一塁。巨人の左腕、メルセデスの甘く入ったカーブを力強く振り抜き、左翼席上段に運んだ。15日のマツダスタジアムでの全体練習をコンディション不良で回避して心配されたが、初戦からいきなり鈴木らしい、豪快な一発が飛び出した。  24歳1カ月でのCS1号は、2013年の丸の24歳6カ月を抜く球団史上最年少弾。これで勢いづいた打線は、会沢の左中間への適時二塁打などでもう1点を奪い、ドミニカ共和国のカープアカデミー出身のメルセデスをノックアウト。2013年のCSファイナルステージ(東京ドーム)で3タテを食らった巨人からCS初勝利を飾った。  この日チームは、メルセデスのクロスファイア対策として、左腕の打撃投手を投手プレートの一塁側に立たせて打撃練習を行った。打撃マシンもスライダーに設定。レギュラーシーズンで17勝7敗1分けと大きく勝ち越した巨人が相手でも、対策にぬかりはなかった。同シーズン最終戦から中9日の実戦でも息の合ったプレーを見せた選手に、緒方監督は「4番だけじゃない。全員がいい準備をしてくれた」と満足げな表情を浮かべた。  勝利の立役者になった鈴木だが、右足がうずくたびに悔しさが込み上げる。昨年8月23日のDeNA戦(横浜)で、守備の際に右足首をひねって骨折。手術を受け、昨季のCS期間中は1軍本隊から離れ、大野練習場でリハビリを続けていた。復活した今季は打率・320、30本塁打、94打点でリーグ3連覇に貢献したが、右足には今もボルトが入っている。  「(今季限りで引退する)新井さんと最後までやりたいと、みんなが思っている。最後まで頑張ります」  リーグ優勝アドバンテージの1勝を含めて2勝0敗とし、2年ぶりのCS突破まで2勝。昨年はここからDeNAにまさかの4連敗を喫したが、今年は鈴木がいる。同じ失敗は繰り返さない。 (柏村翔) ★広島と鈴木・過去2年のCSファイナルステージ  ◆2016年 3位・DeNAと対戦。初戦はジョンソン、第2戦は4投手による継投で2試合連続完封勝利。王手をかけて迎えた第3戦は零敗も、第4戦は一回に5番・鈴木がCS初安打となる適時打を放つなど一挙6点。猛追をかわして8-7で接戦を制し、日本シリーズに進出。鈴木はこのCSで12打数1安打だった。  ◆17年 鈴木は8月下旬の試合での右脛骨(けいこつ)内果剥離骨折で、この年の残り試合をすべて欠場した。チームは再び3位・DeNAと戦い、第1戦は降雨のため五回で打ち切られ、3-0でコールド勝ち。第2-4戦は投打がかみ合わず3連敗を喫し、第5戦も好機を作りながらあと1本が出ず3-9で敗戦。日本シリーズ進出を逃した。

◆初戦の、それも立ち上がりの意識付けという点で、広島バッテリーが一枚、上手だった。  大瀬良-会沢は、二回先頭の4番・岡本に対して、内角ストレートを5球続けて、空振り三振。5番・阿部にもカットボール4球で内角をえぐる投球をみせ、自打球ファウルで負傷退場に追い込んだ。  捕手は、同じ球種とコースを続ければ続けるほど、恐怖心がわいてくるものだ。しかも、大事な試合の第1打席。走者なしの場面で中軸打者には一発長打を警戒するところ。そこであえて、偏った攻め方をした。  これこそ、どうにかして崩してやろうという、意識付け。岡本が六回一死一、二塁のチャンスで、真ん中に入ってくる甘いカットボールを打ち損じ、捕飛に終わったのは、まさに、内角速球のイメージを植え付けられたからだ。  一方、メルセデス-小林はいつも通りだった。調子がよければ抑える。悪ければ打たれる。結果は悪い方に出た...。ただ、それだけのこと。  広島バッテリーが第1打席から、試合の後半、勝負どころを見据えて、"布石"を打ったのとは、あまりにも対照的。そしてこの石は、第2戦以降にも生きてくるのではないだろうか。(サンケイスポーツ専属評論家)