中日(★2対3☆)阪神 =リーグ戦25回戦・ナゴヤドーム=
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阪神
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中日
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勝利投手:藤川 球児(5勝3敗2S)
(セーブ:ドリス(1勝7敗32S))
敗戦投手:祖父江 大輔(2勝2敗0S)
  DAZN
◆阪神は1点を追う9回表、相手の失策の間に同点とする。そのまま迎えた延長11回には、2死二塁から中谷の適時打が飛び出し、勝ち越しに成功した。一方の中日は、現役最後の試合を迎えた荒木が1番・セカンドでスタメン出場し2安打、9回に登板した岩瀬は打者1人を三振に抑えた。

◆CSの裏で戦う阪神金本監督のラストゲームに、チルドレンも気合十分だ。11日に今季限りでの辞任を表明し、今日13日の中日戦(ナゴヤドーム)が最後の采配になる。指揮官2年目の16年ドラフト1位指名された大山は、今季最終戦も4番で出場予定だ。 「監督は僕をプロの世界に導いてくれた人。感謝の気持ちでいっぱいです。結果で恩返ししたかったので悔しいです」。1位は創価大・田中(ソフトバンク)か桜美林大・佐々木(ロッテ)の即戦力投手かと思われたが、指揮官が大学JAPAN4番の実績を買って電撃指名。あの日の感動は忘れない。でも思うほど期待に応えられなかった悔いもある。この日は金本監督の見守る前で甲子園の指名練習に参加。「結果を残すことが僕にとっての恩返し。2年間指導してもらったことを生かしてやっていきたい」と集大成を誓った。 同じく同年5位の糸原も思いは同じだ。「『若いんだからミスとか恐れずにやれ』といつも言っていただいていた。すごくやりやすかった」。JX-ENEOSでの出場試合を極秘視察した指揮官が、実戦向きと評価して隠し玉的に指名。「ずっと使っていただいて感謝しています。僕ら若手がしっかり結果を出して恩返ししたい」。チーム唯一の全試合出場がかかる最終戦でも、成長の1本を届ける意気込みだ。 今季は1軍に定着して4番も任された陽川も表情を引き締めた。「(最後の)試合はしっかり集中して、変わりなくやる。悔しい気持ちと申し訳ない気持ちがあります」。感謝と無念、そして来季こその決意表明。チルドレンがそれぞれの思いをバットに乗せ、有終の白星を贈る。【真柴健】

◆中日白井文吾オーナー(90)が今季の本拠地最終戦が行われたナゴヤドームを訪れた。来季の監督を現楽天投手コーチの与田剛氏(52)に決めたことに関して口を開いた。 「(与田氏に期待するのは)しぶといところだ。失ったスピードを戻すために、命がけの練習をした。それで今日がある。取り組み方、常人のやり方を超えるすごさを持っていた。その気持ちは、いまも衰えていない。中日を任せても、オレなりに再建してみせようと、心の中で強い決意をもって引き受けてくれた」と白井オーナーは打ち明けた。中日にドラフト1位で入団後、90年に31セーブを挙げ、新人王、最優秀救援投手賞の2冠に輝いた与田氏。最速157キロの守護神だったが、肩、肘を痛め現役生活は短命に終わった。頂点からどん底までを味わった経験に竜の復活を託した。「(星野イズムの継承という)部分もある。精神力ある」とも話していて、与田氏が入団した当初監督を務めていた星野仙一氏(今年1月他界)のイズム継承も期待。3年契約を結んでいるが、「1年でも彼は成績を挙げるんじゃないか。ただちに再建のために全力投球するんじゃないか」と、来季Aクラス入りの可能性にも言及した。 また退任する森監督については同オーナーは「彼は彼で能力を発揮した。若手の育成で実を結ばなかった部分ある。本人も反省している」と、話した。今後は外国人獲得、国内のFA選手の獲得、トレードなど編成部門を託すことも明らかにした。

◆今季限りで引退する中日岩瀬仁紀投手(43)が現役最後のマウンドに上がった。今季最終戦となった阪神戦、2-2同点で迎えた9回2死三塁、5番手で登板した。引退試合とは思えない緊迫した場面。迎える打者は代打福留。同期で中日入りし苦楽を共にし、ライバルとしても渡り合った盟友を宝刀スライダーで三球三振に仕留めた。 プロ20年、通算1002試合登板で407セーブを築いた。いずれも今後抜かれることは不可能とも言える数字だ。今季も48試合に登板。「野球に対する心残りはない」と完全燃焼した鉄腕が見せた最後の勇姿にナゴヤドームが沸いた。 同じく今季限りで引退の中日荒木雅博内野手(41)も「1番二塁」で先発出場。9回に通算2045安打目を放つと、一塁上で感極まった表情を見せた。試合後には2人の引退セレモニーが行われ、森監督からファンに向けて退任のあいさつも予定されている。

◆中日岩瀬仁紀投手(43)が今季最終戦で、20年間の現役生活を締めくくる最終マウンドに上がった。9回、同点に追いつかれてなお2死三塁で佐藤からバトンを受け登板。今季限りで退任する森監督から直接ボールを受け取って慣れ親しんだマウンドに立った。 98年のドラフトで同期入団した、かつてのチームメート代打福留と対戦。3球で空振り三振に打ち取り、現役最後、通算1002試合目の登板を終えると帽子を取って、汗を拭うとホッとしたような表情をみせた。

◆中日ダヤン・ビシエド内野手の2つの打撃タイトルが確定した。セ・リーグの最終戦に4番で先発し、2打席凡退したところで交代。打率3割4分8厘で巨人坂本勇に3厘差で首位打者。最多178安打でシーズンを終えた。 ビシエドは来日3年目で初タイトルになった。

◆引退する中日荒木雅博内野手(41)が最終戦に「1番二塁」で先発し、延長11回フル出場で現役生活にピリオドを打った。 初回にいきなり右前打を放った。これが通算2044安打で、並んでいたソフトバンク内川を抜いて歴代単独43位とした。 場内からは「走れ荒木」コールも起きたが、スタートは切らなかった。 3回の第2打席は遊ゴロ併殺。6回の第3打席では元同僚の高橋聡文と対戦し、右飛。8回の第4打席は能見から右前打。現役ラストチャンスとみられた出塁で、二盗を試みたが、アウトに。それでも場内から大歓声を受け、目に涙を浮かべながら笑顔で応えた。 だが、9回に追いつかれて延長戦へ。1点を追う延長11回、5度目の打席が回ってきた。現役最終打席はドリスの前に三ゴロに倒れた。大きな拍手に手を挙げて応えた。 今年は盗塁なし。20シーズン連続盗塁は達成できなかったが、通算378盗塁は球団最多で、歴代11位。通算2045安打の数字を残した。 荒木は試合前に白井オーナーに「お世話になりました」とあいさつ。熊本から両親や知人が訪れ、親交の深い俳優・柳葉敏郎も観戦していた。引退試合としてはめずらしく、フル出場。惜しまれながらグラウンドを去った。

◆中日ダヤン・ビシエド内野手の2つの打撃タイトルが確定した。セ・リーグの最終戦に4番で先発し、2打席凡退したところで交代。 打率3割4分8厘で巨人坂本勇に3厘差をつけて首位打者。最多178安打でシーズンを終えた。 ビシエドは来日3年目で初タイトル。

◆今季限りで引退する中日岩瀬仁紀投手(43)と中日荒木雅博内野手(41)の引退セレモニーが行われた。 岩瀬は「ドラゴンズファンのみなさま、弱い僕の背中を押してくださってありがとうございます。本当にいろいろな人に支えられてここまできました。自分1人で何もできない中、自分の体、精神的な部分もいろいろな人に支えられてここまできましたので、本当に感謝しています」とあいさつした。 今季は9月29日阪神戦(ナゴヤドーム)で史上初の1000試合登板を果たすなど、20年間の現役生活で1002試合に登板し、407セーブを築いた。ラスト登板は同点の9回に2死三塁、98年に同期入団の阪神福留と対戦。スライダーで3球三振に仕留めた盟友には「ドラフト1位で入った(福留)孝介とは普段から仲良くしてきたから、先に辞めるのは辛いですけど、本当にありがとう」と感謝した。 荒木は「私、荒木雅博は23年間の現役生活を引退いたします。ありがとうございます。23年間携わっていただいた全て監督、コーチ、チームスタッフの皆さま方、選手のみんな、本当にありがとうございました。ファンの皆さま、引退する最後の最後の日まで背中を押してくださいまして感謝してもしきれない気持ちでいっぱいです。本当にありがとうございました」とあいさつ。花束を手渡した阪神福留、藤川には「本当にいっぱい思い出をつくってくれました。そして阪神ファンの強烈なヤジ、今となってはいい思い出です。岩瀬さんという大投手とともに引退のセレモニーを催して下さいましたことに感謝しまして私のあいさつとさせていただきます」と締めくくった。 胴上げには中日ナインの他に阪神福留、藤川、高橋聡が駆けつけるシーンもあった。2人の勇姿にナゴヤドームに駆けつけたファンは最後まで別れを惜しんだ。

◆今季限りで監督を退くことになった森繁和監督(63)が今季最終戦を終えてあいさつをした。 監督就任2年目の今季は2年連続で5位に沈んだ。「我々はクライマックスを目指してきましたが、このような結果となり、ファンの皆さまに申し訳ない。すいませんでした」と謝罪。来季へ「プレッシャーの中、いい経験をしたと思う。大きくなってくれると期待している」と選手たちに期待を込めた。 最後には「浅尾、野本、荒木、岩瀬。この人たちの今後を温かく見守って下さい。私はこの辺で結構です。荒木、岩瀬と同じ日にユニホームが脱げて幸せです」。最後まで森監督節でファンへ別れを告げた。

◆阪神が今季限りで辞任を表明した金本知憲監督(50)のラストゲームを勝利で飾った。今季ラストゲームとなった中日との一戦は、1点を追う2回一、二塁、8番板山の中前適時打で追いついた。同じく1点を追う9回、四球と安打に敵失が絡んで延長に持ち込んだ。11回2死二塁、中谷が左翼へ決勝打。金本監督に有終の白星を贈った。 試合後は金本監督を先頭に選手らともに阪神ファンが陣取る敵地左翼スタンドへ。整列し帽子を取って一礼した。

◆中日のドラフト2位、石川翔投手(18)が会心の1軍デビューを果たした。 7回に2番手で登板。中谷を三邪飛、梅野を三ゴロ、伊藤隼は詰まらせて遊飛。最速151キロの力のある速球が際立ち、スライダーの切れ味もあった。 青藍泰斗(栃木)では甲子園出場はなかったが、ドラフト1位クラスの能力と評価されていた。プロ入り後も4月に両足首の手術を受けるなど苦労したが、最終戦に間に合った。 15日からは、みやざきフェニックス・リーグに参戦する。「もっと2軍で鍛えて強くなって帰ってきたい。直球で空振りを取るのが目標なので、もっと直球を磨きたい。来年は先発で1勝したいです」。 1年目で名選手の引退を目の当たりにしたことも貴重な経験だ。「僕も長くやりたいと思いました。ベテランの方々の引退を見て、生意気ですが、自分がドラゴンズを支える選手になりたいと強く思いました」と期待の18歳右腕は目を輝かせた。

◆阪神福留孝介外野手(41)が、中日時代の盟友、岩瀬、荒木の引退に涙にくれた。2人の引退セレモニーに参加し、荒木に花束を手渡した際には一目をはばからずに涙を流した。 2人は95年ドラフトで、ともに中日から1位指名を受けた間柄。中日がPL学園(大阪)の主砲だった福留を1位指名も、7球団の競合で外し、外れ1位の東海大相模(神奈川)・原俊介捕手(当時3年)を外した末に熊本工の荒木を指名。福留は日本生命での3年間を経て98年に中日を逆指名して入団した。その際の2位が岩瀬。3人とも名球会入りを果たした。 この日、ナゴヤドームを埋めたファンの青いユニホームを眺め「これだけたくさんのファンの前で、荒木といい、岩瀬さんといい、応援されて送り出されて、幸せなことだと思います」としみじみと語った。

◆中日岩瀬仁紀投手(43)が今季最終戦で、20年間の現役生活を締めくくる最終マウンドに上がった。9回、同点に追いつかれてなお2死三塁で佐藤からバトンを受け登板。今季限りで退任する森監督から直接ボールを受け取って慣れ親しんだマウンドに立った。 98年のドラフトで同期入団した、かつてのチームメート代打福留と対戦。直球の後スライダーを続け3球で空振り三振に打ち取り、現役最後、通算1002試合目の登板を終えた。マウンドで帽子を取り、汗を拭うとホッとしたような表情をみせた。 「最後にまさかああいう展開で出るとは。楽しく笑って投げようと思ったけど、普段通りと同じで終わった。これも野球の怖さと思った。最後の最後までアウト1つの苦しみがよく分かった」とベテランも苦笑い。 試合後の引退セレモニーでは阪神藤川、チームメートの山井から花束を受け取った。中日ファンや首脳陣、チームメートに感謝を述べた。阪神ファンに向けては「精神的にもおどおどしていたけど、甲子園のヤジは怖かったです」と、あいさつ。対戦をした阪神福留、藤川、元中日の高橋聡らに感謝の言葉をつむごうとした際には、おえつをもらした。最後は、ナインの手で胴上げされ、8回宙を舞い、鉄腕がユニホームを脱いだ。

◆阪神金本知憲監督が就任3年間のラストゲームをものにした。1点を追う9回、大山の二盗が相手の適時失策を誘って同点に。11回表に5番中谷が勝ち越し打を決めた。 今季は17年ぶりの最下位に沈み、2日前の11日に極めて"解任色"が強い形での辞任を発表していた。「育成と勝利」の両立を理想に掲げ、積極的に若手を起用してきた3年間。「毎年勝つことを要求されるチームでしたけど、そこを思い切ってなるべく補強を避けて若い選手を作っていく、という面においては道半ばでした。これもプロ野球なんで、結果なんで仕方がないですね。選手はやってくれたんですけど、なかなか僕の力及ばずでファンの皆さんに申し訳ないです」と振り返った。 最後は「だいぶ育成も終わったので、そろそろ補強で勝たれた方がよろしいと思います」と冗談めかして笑わせ、穏やかな表情のまま会見場を後にした。

◆17年ぶり最下位の責任を取る形で今季限りで辞任となった阪神金本監督が、ラストを飾った。 「今日も足を絡めたり、そういう野球ができた。最後の最後に良かったです」 就任3年間の最終戦。訴え続けた「執念」を、スタメン平均年齢25・1歳の若虎軍団が体現してくれた。1点を追う9回、大山の盗塁が相手のミスを誘い、試合を振り出しに戻した。延長11回、右の長距離砲として期待をかけ続けた5番中谷が決勝打。「3年間いろいろ目をかけて朝練を付き合った選手が来年以降、芽が出て花が咲いてくれないと、僕まで悲しくなる。来年以降きれいなすごい花を咲かせてほしい」。そう照れくさそうに笑った。 3年間の感情を問われると「しんどかったですね、やっぱり」と苦笑いした。 「全部、僕が環境作りをする能力がなかったからこういう結果になったわけで、選手たちは本当に一生懸命やってくれた。(若い選手は)自信を持ってほしい。どんどん失敗して、チャレンジ精神を持って、前向きに、前のめりになってたくさん失敗してほしい」 最後は子を思う親のような笑みを浮かべ、ユニホームを脱いだ。【佐井陽介】

◆「1番二塁」で先発した中日荒木が安打を記録して23年の現役を終えた。 8回の第4打席は能見から右前打。果敢に狙った二盗には失敗し20年連続盗塁はならなかった。それでも延長11回までフル出場し、大歓声を浴びた。セレモニーでは同学年の元同僚、阪神福留から花束をもらうと涙ぐんだ。ファンには「引退する最後の最後の日まで背中を押してくれて感謝してもし切れない気持ちでいっぱい」と頭を下げた。

◆今季限りで引退する中日岩瀬が、現役ラスト登板でドラフト同期入団の元同僚、福留を三振に切った。 9回、同点とされてなお2死三塁で通算1002試合目のマウンドへ。感情を抑え、最後は宝刀スライダーで3球三振。「最後楽しく投げようとしたら普段と同じで終わった」と苦笑いした。試合後のセレモニーでは涙を浮かべ「最後くらいは自分によく頑張ったと言ってあげたい」。万感の思いで鉄腕がユニホームを脱いだ。

◆阪神原口が、新代打の神様としての立場を作ったシーズンを終えた。5日の中日戦で今季23本目の代打安打を放ち、桧山進次郎氏(日刊スポーツ評論家)が08年に作った球団記録に肩を並べた。 新記録は逃したが「1年間積み重ねた結果」と23本の歩みを振り返った。球団史に名前を残したが「与えられたところで結果を出す難しさも経験しました。もっと練習して頑張ります」と次を見据えていた。

◆救援の柱として存在感を放った阪神藤川が、巻き返しを誓った。シーズンを総括し「全く良くないですよね。でもファンの方が必死に応援してくれて感謝しているし、これを生かさないと失礼」。 金本監督とは現役時代から深い間柄だけに思いは募る。終盤には起用法変更を申し出ようとしたと明かした。「全体のバランス、相手に劣らないリリーフ陣にと考えたときに自分が一番働ける場所がどこか。重要なところを目指さないといけないと思っていた。もっと成長しないといけない」。頭にあったのはクローザーとみられる。人知れず「最強リリーフ陣」を目指した1年でもあった。

◆17年ぶり最下位の責任を取る形で、今季限りで辞任となった阪神金本知憲監督(50)がラストを飾った。今季最終戦となった13日の中日戦(ナゴヤドーム)を延長11回、中谷将大外野手(25)の勝ち越し打でものにした。志半ばでチームを去る金本監督は「この3年間、目をかけてきた選手の芽が出て、花が咲いてくれないと僕まで悲しくなる。来年以降、きれいな花を咲かせてほしい」と若虎にエールを送った。 黄色く染まった左翼席へ、穏やかな面持ちで歩を進めた。金本監督は帽子を取り、深々と頭を下げた。現役時代のヒッティングマーチが大歓声と交わり、別れの寂しさを際立たせる。「ありがとう」「いつかまた...」。数え切れない応援ボードが悲しげに揺れる中、静かに右手を上げた。柔らかな表情はもう、勝負師のそれではなかった。 「今日も足を絡めたり、そういう野球ができた。最後の最後に良かったです」 就任3年間の最終戦。口を酸っぱくして訴え続けた「執念」を、スタメン平均年齢25・1歳の若虎軍団が体現してくれた。1点を追う9回、大山の盗塁が相手のミスを誘い、土壇場で試合を振り出しに戻す。そして延長11回、右の長距離砲として期待をかけ続けた5番中谷が決勝打。「3年間いろいろ目をかけて、朝練を付き合った選手が来年以降、芽が出て花が咲いてくれないと、僕まで悲しくなる。来年以降きれいな、すごい花を咲かせてほしい」。そう照れくさそうに笑った。 3年間の感情を問われると「いや~しんどかったですね、やっぱり」と苦笑いした。「育成と勝利」の両立を追求し、無名の若手を次々とグラウンドへ送り出した。育てたい。でも勝たなければ...。ジレンマに苦悩した3年目、結果は17年ぶりの最下位だった。日増しに強まる批判の声。それでも3年間、必ず試合後の会見場に現れた。「皆勤賞でしょ?(笑い)。それは仕事だと思っていたし義務ですから」。壮大なチャレンジの結末は「道半ばで」極めて"解任色"が強い形での電撃辞任。最後も指揮官としての職務を全うし、潔く全責任をかぶった。「全部、僕が環境作りをする能力がなかったからこういう結果になったわけで、選手たちは本当に一生懸命やってくれた。(若い選手は)自信を持ってほしい。どんどん失敗して、チャレンジ精神を持って、前向きに、前のめりになってたくさん失敗してほしい」とてつもなく重たかった肩の荷を下ろし、最後はウイニングボールを大事にしまった。子を思う親のような笑みを浮かべ、ユニホームを脱いだ。【佐井陽介】▼阪神は62勝79敗2分け、勝率4割4分の最下位で全日程を終了した。野村克也監督時代の01年80敗以来、17年ぶりの年間80敗はかろうじて免れた。▼チーム防御率は4・03で、本塁打数は85本。防御率は10年4・05以来の4点台だが、この年は173本塁打の猛打で補い、チームは2位に。防御率4点台で本塁打2桁となると、最下位となった99年以来、19年ぶり。▼今季の阪神最多本塁打は糸井16本。シーズン20本塁打不在は、13年(最多はマートン19本塁打)以来5年ぶり。▼勝ち頭は11勝のメッセンジャーだが、日本人最多は岩貞、小野の各7勝。日本人の2桁勝利投手不在は、01年(最多は井川慶、福原忍各9勝)以来、17年ぶりとなった。▼セ・リーグは公式戦全日程を終え、各球団の観客動員も出そろった。阪神は1試合平均4万831人で、前年の4万2148人からマイナス3・1%。セ6球団で唯一の前年割れとなった。

◆竜のレジェンド2人が涙で現役に別れを告げた。今季限りで引退を表明している岩瀬仁紀投手(43)と荒木雅博内野手(41)が13日、今季最終戦となったナゴヤドームでの阪神戦に出場。引退セレモニーではそれぞれが涙を浮かべ、ユニホームを脱いだ。森繁和監督(63)も今季限りで退任。来季はOBの与田剛氏(52)を新監督に迎え、新たな体制で巻き返す。 レジェンド2人が涙を流した。荒木は「1番二塁」で先発。延長11回までをフル出場し、今季7度目のマルチ安打もマークした。8回の第4打席は能見から右前打。果敢に狙った二盗には失敗し、20年連続盗塁は未達に終わったが、背番号2が最後までナゴヤドームで躍動した。 セレモニーでは同学年の元同僚、阪神福留から花束を手渡された。抱き合うと、引退会見でも見せなかった涙が頬を伝った。ファンには「引退する最後の最後の日まで背中を押してくれて感謝してもし切れない気持ちでいっぱい」と頭を下げた。 前人未到の1002試合目の登板となった岩瀬は9回に登場。同点に追いつかれてなお2死三塁で佐藤からバトンを受けた。退任する森監督からボールを受け取って登板。98年のドラフト同期、かつてのチームメートでもある代打福留と対戦した。初球は真っすぐ。そこから宝刀スライダーを続けて3球で空振り三振。汗を拭い、ホッとしたような表情をみせた。 「まさかああいう展開で出るとは。楽しく笑って投げようと思ったけど、普段通りと同じで終わった。最後の最後までアウト1つの苦しみがよく分かった」と苦笑いだった。 荒木に続いて引退セレモニーに臨んだ岩瀬は、20年分の喜怒哀楽が染みこんだマウンドで胴上げされた。「最後くらいは自分によく頑張ったと言ってあげたい」としみじみと言った。 岩瀬と荒木。中日の黄金期を支えた2人は、万感の思いでユニホームを脱いだ。【伊東大介】

◆阪神が延長十一回の末、中日を3-2で下し、今季限りの辞任を発表した金本知憲監督(50)の花道を白星で飾った。今季限りでの引退を表明している中日の荒木雅博内野手(41)と岩瀬仁紀投手(43)もそろって公式戦最後の出場を果たした。「1番・二塁」で先発した荒木は5打数2安打で、マルチ安打をマーク。岩瀬は同点で迎えた九回二死から登板し、福留を三振に斬って取った。  名古屋ドームのファンの歓声に迎えられて打席に立った荒木は一回先頭で右前打で、出塁。八回一死の第4打席でも通算2045本目の安打となる右前打で、マルチ安打をマークすると、出塁後果敢に盗塁を試みたが、失敗に終わった。苦笑いを浮かべ、ベンチに戻った荒木は、中日ナインにハイタッチで迎えられた。延長十一回先頭で回ったプロ生活最後の打席は、三ゴロに倒れた。  またこの日までNPB歴代最多となる通算407セーブを積み重ねた岩瀬は、同点で迎えた九回二死三塁、一打逆転の場面で登板。阪神・福留をカウント0-2から、最後は変化球で空振り三振に仕留めた。  試合は中日が一回一死二塁から大島が、プロ初先発の阪神・竹安から中前適時打を放ち先制。阪神も二回二死一、二塁で、板山が中日先発の柳から中前に弾き返す適時打を放ち、追いついた。中日は五回一死一塁から高橋が、右中間を真っ二つに破る適時二塁打を放って勝ち越した。  阪神は九回一死一、三塁の中谷の打席で、一走の大山が盗塁を試みた際に中日捕手・松井雅の悪送球を誘い、三走が生還して土壇場で追いついた。そのまま延長戦に突入した試合は、十一回二死二塁から阪神・中谷が左前適時打を放って3-2と勝ち越し、そのまま逃げ切った。

◆今季限りで退任する中日・森繁和監督(63)が、試合後のファンへのセレモニーであいさつを行った。中日ナインと並んで、マイクの前に立った指揮官は「監督として最後に一言、あいさつをさせていただきます」と切り出し、「クライマックスを目指し最後まで頑張ってきましたが、このような結果になり監督として、ファンの皆様には本当に申し訳なく思います。すいませんでした」と謝罪した。  その後は右翼スタンドの地元ファンの方を向いて、「ライトスタンドの応援団の皆さん、熱い応援、力強い声援最後まで本当にありがとう。クライマックスに連れていくことができず、ごめん。来年に期待してください」と呼びかけた。  続けて、今季限りで引退する選手についても触れ、「今シーズンでユニホーム脱ぐ浅尾、野本、荒木、岩瀬、この人たちの今後を温かく見守ってあげてください」と話すと、最後は「荒木と岩瀬と同じ日にユニホームが脱げて幸せです。ありがとうございました」と締めた。

◆今季限りで退任するプロ野球阪神の金本知憲監督(50)が、名古屋市東区のナゴヤドームで行われた中日戦で最後の指揮を執った。試合中のベンチでは時折笑みを浮かべ、今シーズン最終戦を3-2で制すと選手らと一緒に整列し、阪神ファンがいる左翼席に向かって脱帽して一礼した。  チームを率いた3年間については「1年目や去年は若い選手を見ていると楽しいし、ベテランを見ていると心強かった。今年は勝てなかったので一番しんどかったかもしれない」と振り返った。ファンについては「申し訳ない気持ちと感謝の気持ち。弱いときに応援してくれたファンにはありがたみを感じる」としみじみ話した。 福留(中日時代にチームメートだった岩瀬、荒木の引退に) 「これだけのファンの方に応援してもらって、最後まで見てもらえるというのはすごく幸せなことだと思う」 糸原(チームただ一人の全試合出場) 「けがなく、全試合に出るのが目標だった。それができて良かった。レベルアップして、来年もチームに貢献できるように頑張りたい」

◆今季限りで辞任する阪神・金本知憲監督(50)が13日の中日戦(ナゴヤドーム)に勝利して、3年目のシーズンを終えた。以下、最後の取材の一問一答。  --最後は見事な勝利だった  金本監督 「そうですね、ここ何試合かは接戦を勝ち取ることができて、今日も足を絡めたりとかできたので、最後の最後で良かった」  --執念を見せた  「ですね、さっきも言ったけど、今日みたいな試合を、接戦を勝ち取る、執念を出して勝ち取るという野球をやりたかったんだけど、本当になかなか苦しいシーズンで終わってしまって、これで全部、僕が指導というか、そういう環境作りというか、そういう能力がなかったからこういう結果になったんであって選手たちは本当に一生懸命やってくれた」  --きょうもクリーンアップが期待を持てる若手になってきた  「中谷が決めたり、陽川、大山あたり。やっぱりこの3年間、いろいろと目にかけて朝練に付き合ったりいろいろしてそういう選手が来年以降、芽が出て花が咲いてくれないとなんか僕まで悲しくなる。来年以降できれいな花を咲かせて欲しい」  --右の長距離打者は芽が出そう  「調子のいいときと悪いときの差が激しかったりしたけど、何とか1軍の投手の球にぼちぼち慣れ始めたのかなという感触が出てきたのは間違いないと思う」  --阪神という球団で若手を使うのはチャレンジだった  「そうですね、毎年勝つことを要求されるチームだったけど、そこを思い切ってなるべく補強を避けて若い選手でつくっていくという面では、道半ばだったけど、これもプロ野球なので、結果なので仕方ないというかね。さっきも言ったとおり選手はやってくれたけど、なかなか僕の力が及ばずでファンには申し訳ないと思う」  --印象に残っているゲームは  「結構いっぱいあるのでね、これというのはあまり覚えていないけど、1年目とか青柳とか去年小野とかそういう投手を使ったりしたけど、彼らの初勝利とか、今年も高橋遥人とか、そういう試合は意外と覚えているけど、野手は毎日なのでね、覚えきれないですね」  --若手にどんな思いを託す  「苦しい練習を課したりしたしいろいろしんどい練習も与えて、それにしっかりついてきてくれたので自信を持ってほしい。前向きにというか、若いんだからその若さを出して。就任1年目からいっているように失敗して覚えなさいというね。失敗しないと覚えていかないので。どんどん失敗オッケーというチャレンジ精神を持って、前向きに前のめりになって失敗して欲しい」  --どんな3年間だった  「いやあしんどかったですね、やっぱり。1年目とか2年目は若い選手を見ていると楽しみだったし、ベテランを見てると心強かった。いろんな思いがあったけど、今年やっぱり勝てなかったので、一番しんどかったかもしれないですね」  --次の首脳陣にどんな思いを託したい?  「いえいえ、次の首脳陣は次の首脳陣でね、考え方と方針の下、やっていけばいいと思う。だいぶ育成も終わったのでね、そろそろ補強で勝たれたほうがよろしいと思います」  --ファンにメッセージを  「まず、応援してくれてありがとうございます。次に、ありがとうという前にまず申し訳ありませんでしたという気持ちが本当実は一番強いんだけど、申し訳ない気持ちと感謝の気持ちと。あと、ありがとうございましたという。弱いときに応援してくれたファンには、そこが一番ありがたみを感じる」  (囲み取材)  --一度も取材拒否しなかった  「皆勤賞でしょう? あの温厚な和田さんでも。それはね、仕事だと思っていたし。義務だったから。ありがとうございました。応援記事をたくさん書いて頂いて」

◆今季で引退する球界最年長の43歳、中日の岩瀬は同点に追い付かれた九回2死三塁で救援し、史上最多の登板数を1002とした。「ああいう展開になると思っていなかったので、最後楽しく投げようとしたら普段と同じで終わった」と20年間の現役生活と同じように険しい表情でマウンドに立った。  同期入団の阪神・福留が代打で登場して直球、スライダー、最後も代名詞のスライダーとわずか3球で空振り三振に仕留めた。岩瀬は「最後の最後までアウト一つの苦しみがよく分かった。最後くらいは自分によく頑張ったと言ってあげたい」と万感の笑みを浮かべた。 柳(岩瀬、荒木の現役最終戦で6回1失点) 「ゲームをつくることができて本当によかった」 石川翔(プロ初登板) 「落ち着いて投げることができた。憧れの場所でまず1試合投げられてよかった」 山井(岩瀬引退に) 「寂しい。笑わせてと言われて笑わそうと思ったが辞めないでくれと思ってできなかった。思い出に1番、2番もないがやっぱり(2007年の)日本シリーズになるのかな」

◆今季限りで辞任する阪神・金本知憲監督(50)が13日の中日戦(ナゴヤドーム)に勝利して、3年目のシーズンを終えた。 阪神・大山 「悔しい気持ち。たくさん出させてもらって、いろいろな経験ができた。このまま終わらせたら意味がないので、これからが大事だと思う。来年しっかりできるようにやっていきたいです」 今季全試合出場の阪神・糸原 「けがなく全試合出ることが目標だったのでよかったです。(来年に向けて)まだまだ全然だと思うので、レベルアップしてしっかりチームに貢献できるように頑張りたいです」 プロ初先発で5回2失点の阪神・竹安 「立ち上がりで球が上ずってしまった。2ボールになってしまうことが多かったので、2球で1-1をつくらないと。(来年につながる内容だった)きょう経験したことで課題が明確になったので、足りないところをしっかり詰めて来年に向けてやっていきたいです」

◆中日は今シーズンの戦いぶりを象徴するように、救援陣がリードを守れず延長に持ち込まれて逆転負けした。退任する森監督の最終戦を勝利で飾れなかった。  試合後のセレモニーで森監督は「このような結果になり、監督としてファンの皆さまには本当に申し訳なく思う」と謝罪。改めて監督を退くことをファンに報告し「選手たちが来シーズンは一回りも二回りも大きくなってくれることを願っている。(最終試合の)荒木と岩瀬と同じ日にユニホームが脱げて幸せ」と語った。

◆今季限りで引退する中日の荒木が現役最終戦に「1番・二塁」でフル出場し、5打数2安打だった。一回は高めの速球を捉えて右前に運び、八回も外角速球を振り抜いて右前にはじき返し「最後にいい当たりができた」と笑顔だった。  引退セレモニーでは大島や阪神・福留から花束を贈呈されて涙を見せ「23年間、携わってきた全ての監督、コーチ、チームスタッフ、選手のみんな本当にありがとうございました」とスピーチ。ファンには「引退する最後の最後の日まで背中を押してくれて感謝してもし切れない気持ちでいっぱい」と語った。

◆今季限りで引退する中日・荒木雅博内野手(41)が、試合後のファンへのセレモニーであいさつを行った。かつてチームメートだった阪神・福留や、後輩の大島から花束を受け取った荒木は、整然とした口ぶりで感謝の言葉を述べた。  以下、荒木のスピーチ全文。  今年もまたファンの皆様にはたくさんのご声援をいただきましたにもかかわらず、クライマックスシリーズに出場できなかったことを、選手を代表いたしましてお詫び申し上げます。本当に申し訳ございませんでした。  中日ドラゴンズの2018年の公式戦が終わりました。それと同時にわたくし、荒木雅博は23年間の現役生活を引退いたします。ありがとうございます。  23年間携わっていただきましたすべての監督、コーチ、チームスタッフの皆様方、選手のみんな、本当にありがとうございました。そして何よりファンの皆さま引退する最後の、最後の日まで背中を押してくださいまして、感謝してもしきれない気持ちでいっぱいです。本当にありがとうございました。  そして、このセレモニーまで残ってくれました阪神タイガースの福留選手、藤川選手、本当にいっぱい思い出を一緒に作らせてもらいました。それと、なんといっても、阪神ファンの強烈なヤジ、今となっては本当にいい思い出です。ありがとうございました。  最後にこれだけたくさんのお客さんの中で、岩瀬さんという大投手とともに引退のセレモニーを催してくださいましたことに感謝いたしまして、わたくしのあいさつとさせていただきます。本当にありがとうございました。

◆契約最終年の中日・ビシエドが契約を更新して残留する意思を示した。打率3割4分8厘で首位打者になった主砲は来季もこのチームでプレーするのかという問いに「もちろん」と応じ「ドラゴンズブルーの血が流れている。家族も名古屋に慣れてきて好きになっている」と語った。  西山球団代表は「気持ち的には合意している」と交渉が詰めの段階にあることを明かした。アルモンテ、ロドリゲス、ガルシア、モヤ、R・マルティネスについても本人たちは現状では残留を望んでいるという。

◆今季限りで引退する中日・岩瀬仁紀投手(43)が、試合後のファンへのセレモニーであいさつを行った。同じ抑え投手としてしのぎを削った阪神・藤川、2007年の日本シリーズ第5戦でともに完全試合リレーを演じたチームメートの山井から花束を贈られた岩瀬は、時折声を詰まらせながら20年の現役生活を振り返った。  以下、岩瀬のスピーチ全文。  今日はこのようなセレモニーを開いてくれた球団関係者、並びにドームの関係者の皆さま、ありがとうございます。監督、コーチ、スタッフ、選手の皆さん。本当にありがとうございました。  最後まで残ってくれた(阪神の福留)孝介、(藤川)球児、(高橋)聡文、本当にありがとう。  荒木のようにうまくはしゃべれませんが、精いっぱい話そうと思います。  1999年から入団いたしまして、ここまで20年間、苦しい時も楽しい時もありましたけど、今思えばあっという間です。プロに入って星野(仙一)さん、山田(久志)さん、プロの厳しさを教えていただきありがとうございました。そして落合(博満)監督、森(繁和)さん、僕を守護神として使っていただき本当にありがとうございました。  精神的に強くない自分ですけど、九回というポジションを必死で守ってきました。これからは若い子たちに、安心て見ていられるようなピッチングをしていただきたいと思います。  (同じ年に)ドラフト1位で入った孝介とは、普段から仲良くしてきたので、先に辞めるのはつらいんですけど、本当にありがとう。  そして阪神ファンの皆さん、本当に精神的に僕はオドオドしていたんですけど、甲子園のヤジは怖かったです。  そして何より中日ドラゴンズのファンの皆さま、弱い僕の背中を押してくれて本当にありがとうございました。  本当にいろいろな人に支えられてここまで来たんです。自分一人では何もできない中、自分の体、精神的な面もいろいろな人に支えられてここまで来ましたので、本当に感謝しております。本当にありがとうございました。

◆-鳥と虫は鳴けども涙落ちず...と言ったのは日蓮上人です。自分は声をあげて泣くことはしないけれども、衆生のことを思うと涙はとどまらない...と。  それほど大げさなものではないかもしれないけれど、志なかばでこの日、最終戦を迎えた金本知憲監督、そして相手ベンチの中日森繁和監督もまた共通する思いではなかっただろうか。  阪神の「監督問題」はいつものように突然にやってきて、衝撃をもたらし、我々にいろいろな"涙"をもたらした。  振り向くと数々のストレス、繰り返されたないものねだり、いつもの初歩的な疑問...補強の空振り、広島にできて阪神がなぜできないんだ...という舌打ち...努力家の指揮官はそれでも笑顔を絶やさなかったのです。  我がサンスポのトラ番軍団はふってわいた全員"休日返上"です。もちろん運動部長大澤謙一郎、大ベテラン編集委員上田雅昭、キャップ阿部祐亮らも臨戦態勢で、長友孝輔からピヨピヨ軍団までほぼ全員非常招集でした。思わず「おい、そこの××ッ。眠そうな顔なんかするなッ」てなお叱りもあったりして...とにかくナゴヤドーム(最終戦)宮崎空港(揚塩球団社長)宮崎サンマリン(2軍教育リーグ)残留組練習(鳴尾浜)それに各空港の到着口のマーク...もう"猫の手"も借りたい状態でした。  「僕は愛知が地元でしたから子供の頃は中日ファンでした。特に荒木雅博選手と岩瀬仁紀投手のラストゲームを取材することもできてとても感慨深いです...」と虎番サブキャップ長友記者は阪神の有為転変の姿に胸をかきむしりながら...野球少年時代を熱く振り返っていた。  宮崎に飛んだ阿部祐亮は金本監督のラストゲームを見られないので「ありがとうございました」というメールを数日前に送ったそうです。彼はしんみりと「どんな悔しい試合でも、惨めな敗戦でも金本さんは我々の囲みを拒否することなく、優しい笑みすらうかべて『監督コメント』を語ってくれました。そのお礼が言いたかったんです」と言った。  金本監督からこんな返信が入っていたそうだ。  「今度また、メシでも食おうや...」  どんなに血が逆流するような試合でも、編集委員上田雅昭は「選手をなじるような言葉は一切なかった誠実な監督やったなぁ」としみじみ。  去りゆく「もののふ」に対する惜別だからきれいに言うのではない。そういえば金本知憲という監督は会見場でも怒声をあげたことはない。亡くなった星野仙一元監督が強引に「阪神に来い」とたぐり寄せた。実は彼は「来てみて、こんな日本一熱くて厳しいファン、マスコミとは...」と驚いた。それと同じ驚がくを金本さんは経験したのだ。これは必ず近い将来にプラスになるのだろう。  -阪神が勝ったら朝、サンスポを買う。今年はそれが少なかった。「虎ソナ」で記者さんが走っているのでビックリ。私もメタボ気味なので走ってます。12月2日には馬の気持ちになり、園田競馬の『ダートランinそのだけいば2018』(5・3キロ)に出ます。やはりダートは砂をかぶらない内コースがいいのか? と京都市南区・池上博さんからのおはがき。ありがとうございます。  この日、ナゴヤドームでは18年を象徴するような延長戦の末、阪神が勝ちました。せめてもの若虎たちの感謝の○...笑顔のなかに押し込めた金本知憲の胸中に去来するものは何だったろうか。  1282(弘安5)年この10月13日に60歳で入寂した日蓮上人は「いかに強敵なるとも、ゆめゆめ退くなかれ」(何事にも屈することなく信念を貫け)と教えた。

◆主将の福留は金本監督の辞任について初めて口を開いた。「監督の責任ということでもなく、僕らが結果を出せなかったことで最下位という事実を作ってしまったわけですから。やっぱり僕らの力が及ばなかったところというのは、申し訳なく思っていますし、悔しい」。この日は2-2の九回二死三塁から代打で出場。引退試合となった元同僚の岩瀬と最後の直接対決をし、3球三振だった。

◆白井オーナー(中日新聞社会長)が最終戦を視察し、次期監督に就任が決まった与田剛氏について「しぶとさに期待している。(現役時代に右肩痛で)失ったスピードを取り戻すために命がけの練習をした。その強い決意で、ドラゴンズを再建してくれるでしょう」と語り、「若手育成」を期待した。退任する森監督には「能力を発揮したが、実を結ばなかった部分がある」とねぎらった。

◆ビシエドが首位打者(打率・348)、最多安打(178本)の2冠を達成。来日3年目で初めてのタイトルに「今年はけががなかったのが一番。日本(の野球)に慣れたこともある」と胸を張った。今年で2年契約がきれる。代理人は阪神など他球団に売り込んでいたが、ビシエドは「僕にはドラゴンズの血が流れている。家族も名古屋が気に入っている」と移籍を否定した。西山球団代表も「(残留交渉は)詰めの段階に入っている」と語った。

◆阪神、金本知憲監督の3年の挑戦の幕が下りた。『勝てば官軍、負ければ賊軍』のプロ野球界とはいえ志半ばの退任は無念であろう...。  スタメンにズラリと名を連ねた金本種の若虎たちよ、近い将来、本日の延長勝利のような花をいくつも咲かせ将の無念に報いたれー!!  さて、わが阪神タイガースの次期監督は誰? 大方の予想では矢野2軍監督のようだけど、本年最後の『虎の通信簿』に俺は虎党大盛り上がりとなる監督総選挙を提案するのだ!!  プロ野球の歴史はまだ1世紀もないのだ!! ならば史上初のことをやってもいーじゃない!! そこで次期監督を虎党が投票して決めるのだ。  立候補者は永遠のミスタータイガース掛布さん、リーグV監督の岡田さん、ダンディー真弓さん、CSで巨人に勝った和田さん、ベンチがアホだから!発言の江本さんならどんなアホでない采配をしてくれるの? (このひとは国会議員もやっているから選挙強いぞ!!)、大穴男・川藤さんに、もちろん矢野2軍監督も出馬しての阪神監督総選挙やー!! ワッショイ、ワッショイ!! 今年最後の虎党祭りやー!!

◆救援陣がリードを守れず延長に持ち込まれて逆転負け。退任する森監督の最終戦を勝利で飾れなかった。試合後のセレモニーで森監督は「このような結果になり、監督としてファンのみなさまには本当に申し訳なく思う」と謝罪。改めて監督を退くことをファンに報告し「選手たちが来シーズンは一回りも二回りも大きくなってくれることを願っている。(最終試合の)荒木と岩瀬と同じ日にユニホームが脱げて幸せ」と語った。

◆今季限りで現役を引退する中日・岩瀬の最後の対戦相手は、元同僚で同期(1999年)入団の福留(ドラフト1位、岩瀬が2位)だった。  「最後は思い切って投げた。一緒に入ってきた仲なので、もしかして遠慮してくれたんだなあと。複雑な思いがあった」  九回、同点とされた直後の二死三塁で登板し、歴代1位の登板記録を1002試合に更新した。そこに合わせて代打で登場してきた福留を簡単に追い込み、最後はスライダーで空振りを奪った。通算841個目の奪三振。福留が目をうるませながらボールと全然違う場所をフルスイングしているのを見て、岩瀬も感極まった。  「ありがとうという気持ちしかない」  試合後、荒木とともに引退セレモニーが行われた。阪神・福留、藤川らも残ってくれた。虎ファンからも大きな声援を受けた43歳は「最後ぐらいは自分によく頑張ったと言ってあげたい」。自分に厳しかった男が、初めて自分を褒めた。 (三木建次) 「1番・二塁」で先発出場して2安打を放ち、通算2045安打で現役生活に別れを告げた中日・荒木 「最後に、これだけのお客さんの中で大投手の岩瀬さんとともに引退セレモニーを催してくださったことに感謝したい」

◆谷本球団本部長兼副社長が最終戦を観戦し、試合後のミーティングで口を開いた。「監督、コーチ、スタッフ、この悔しさを絶対に忘れずにやっていきましょうという話をしました」。延長戦の末に中谷の適時打で勝ったこの日の試合は「勝ってよかった。金本チルドレンが活躍して」と話し「(金本)監督は愛情があって、決断力もあって...。私にとっては最高の監督でした。一緒にやらせていただいて本当によかったと思います」とあらためて感謝を表した。

◆--最後は見事な勝利だった  金本監督 「そうですね、ここ何試合かは接戦を勝ち取ることができて、今日も足を絡めたりとかできたので、最後の最後で良かった」  --執念を見せた  「執念を出して勝ち取るという野球をやりたかったんだけど、本当になかなか苦しいシーズンで終わってしまって、これで全部、僕が指導というか、そういう環境作りというか、そういう能力がなかったからこういう結果になったんであって選手たちは本当に一生懸命やってくれた」  --きょうもクリーンアップが期待を持てる若手になってきた  「中谷が決めたり、陽川、大山あたり。やっぱりこの3年間、いろいろと目にかけて朝練に付き合ったりいろいろしてそういう選手が来年以降、芽が出て花が咲いてくれないとなんか僕まで悲しくなる。来年以降できれいな花を咲かせて欲しい」  --若手にどんな思いを託す  「苦しい練習を課したりしたしいろいろしんどい練習も与えて、それにしっかりついてきてくれたので自信を持ってほしい。失敗しないと覚えていかないので。どんどん失敗オッケーというチャレンジ精神を持って、前向きに前のめりになって失敗して欲しい」  --どんな3年間だった  「いやあしんどかったですね、やっぱり。1年目とか2年目は若い選手を見ていると楽しみだったし、ベテランを見てると心強かった。いろんな思いがあったけど、今年やっぱり勝てなかったので、一番しんどかったかもしれないですね」  --次の首脳陣にどんな思いを託したい?  「いえいえ、次の首脳陣は次の首脳陣でね、考え方と方針の下、やっていけばいいと思う。だいぶ育成も終わったのでね、そろそろ補強で勝たれたほうがよろしいと思います」  --ファンにメッセージを  「まず、応援してくれてありがとうございます。次に、ありがとうという前にまず申し訳ありませんでしたという気持ちが本当実は一番強いんだけど、申し訳ない気持ちと感謝の気持ちと。あと、ありがとうございましたという。弱いときに応援してくれたファンには、そこが一番ありがたみを感じる」

◆金本監督の辞任とともに責任を問われる阪神・片岡ヘッド兼打撃コーチは今季最終戦後、自身の去就について明言を避けた。  「何も決まっていないから、答えられない」  この日、揚塩球団社長が矢野2軍監督に来季1軍監督の就任を要請。すでに福原投手、藤井バッテリー、藤本内野守備走塁の2軍3コーチの1軍昇格は決まっているが、1軍監督の決定には当分時間がかかりそうで、それ以外は白紙となっている。この日も谷本球団本部長らがナゴヤドームを訪れていたが、来季の契約更新などについての通達はなかったもようで、選手への別れの挨拶も金本監督だけだった。  チーム打率・253はセ・リーグ5位。宙ぶらりん状態のコーチ陣が多いが、片岡ヘッドの退団は避けられない状況。新監督が決定次第、球団サイドは早急に組閣作業に入っていく。

◆思いを込めた打球が左翼線のフェアゾーンに弾むのを確認すると、中谷は少しだけ表情を緩めた。延長十一回にもつれ込む接戦。最終戦で「執念」をみせた。  「結果が出ないなか使ってもらったので。最後ああいう形で打てたのはよかった」  指揮官が理想とする足を絡めた攻撃を体現だ。1-2の九回一死一、三塁は大山の二盗が捕手の悪送球を誘い、三塁走者の植田が生還。延長十一回は一死から中前打で出た植田が二盗。二死二塁から中谷が決勝の左前打を放った。  昨季20本塁打を放ち、金本監督から主軸としての活躍を期待されていたが...。今季は打率・230、5本塁打と苦しみ、2軍落ちも経験。甘い球を見逃し、難しい直球に打ち負ける姿に将から「先が見えない」と厳しい言葉を投げかけられた。それでも自ら身ぶり手ぶりで指導し、我慢強く起用し続けてくれた虎将に、結果で恩返しをという思いで放った一打だった。  「去年出させてもらって、監督のおかげで20本打てたと思うので感謝しかない。今年はふがいない成績で迷惑をかけたので、来年しっかり活躍できるようにやっていきたいです」  金本監督の教えを胸に、来季こそチームを勝利へと導く大砲に成長する。 (織原祥平)

◆笑顔のラストタクト! 今季限りで辞任する阪神・金本知憲監督(50)が、今季最終戦で中日相手に白星で飾った。3年目の最後の最後でみせた「執念」での勝利に、試合後は柔らかな笑み。「申し訳ない」と謝罪の言葉を繰り返し、若手の育成だけでは勝てなかった現状を痛感しつつ、静かにタテジマを脱いだ。  耕し、種をまき、水をやり続けた。咲き続ける花ばかりではなくても、最後も「執念」は顔をのぞかせた。金本監督が、勝って、笑顔でタクトを置いた。左翼席に向かって整列し、帽子を取って深々と頭を下げる。現役時代の応援歌が聞こえた。志半ばに違いなかったが、虎が抱えてきた課題に全身全霊でぶつかった3年間だった。  「きょうみたいな試合を、執念を出して勝ち取るという野球をやっていきたかったんですけど。なかなか本当に苦しいシーズンに終わってしまいました。全部僕が、指導というかね、そういう環境作りというかね、そういう能力がなかったからこういう結果になった。選手たちは本当に一生懸命やってくれました」  すがすがしい表情で振り返った。4位、2位と来て、開幕前「これまでのチームでは一番強い」と言い切って臨んだ就任3年目。まさかの球団17年ぶりの最下位に沈み、11日に「辞任」が発表された。選手らに自らの言葉を伝えられたのは、この日の試合前だった。  宿舎出発前に全選手、首脳陣、スタッフを集め「体を張ってみんなよく頑張ってくれた」、「力はあると思う」、「申し訳ない」と語りかけた。勝利と育成を同時に求めてきた。特に育成は、これまでの阪神に欠けていた大命題だったが、2016年に新人王を獲得した高山も、17年に20本塁打も、そのままレギュラーに定着させることは叶わなかった。春、秋のキャンプでも真正面から向き合い猛練習で成長を促したが、殻を突き破らせてやることはできなかった。だが、この日は1点を追う九回一死から陽川が四球、大山が左前打でつなぎ、敵失で同点&延長戦に持ち込んだ。そして、延長十一回二死二塁では中谷が決勝の左前適時打。苦しんできた、かわいい教え子たちが、白星をもぎ取ってくれた。  17年には糸井を獲得したが、例年、助っ人砲が期待外れに終わった。今季は米大リーグ通算71発で年俸3億4000万円と、大きな期待を背負って入団したロサリオが8発の大誤算。62勝79敗2分け。6位。育成に力を注いだが、育成だけでは勝てないことを痛感させられ、虎を去る。最後は普段の「アニキ」の顔を見せ、虎に冗談とも本気ともつかない、メッセージを送った。  「だいぶ育成も終わったんでね、そろそろ補強で勝たれたほうがよろしいと思います」  ファンの声援に感謝し、ファンに申し訳ないと繰り返した。だが、最後だけいたずらっぽく笑い、金本監督はここで一旦、虎を去った。 (長友孝輔) 金本監督の辞任について阪神・藤川 「金本監督とは同じ時期にタイガースに戻ってきた。自分として、そろそろこういうポジション(クローザー)で勝負していきたいというのが出てきて、それを伝えようと思っていたところだった。チームのために自分が働ける場所を考えたときに、自分がもっと成長しないといけないと感じた」 阪神・能見 「悔しいしかない。申し訳ない気持ちもあるし。(ことしは中継ぎとして貢献)新しい発見はいろいろありましたけど、1年やっているわけでもないしね。(金本監督の辞任)一緒にやらせてもらって、すごいということは肌で感じていた。あまり力になれませんでした」 阪神・高橋聡 「前もって(荒木相手に)行くというのは言われていたので。いろんなことを思い出しながら投げました。(岩瀬も荒木も引退で)寂しい気持ちでいっぱいです。(降板時の拍手は)本当にすごい拍手をいただいて、すごくドラゴンズファンの方が温かいことも知っているので」 阪神・梅野 「今までで最多の出場でしたし、悔しい気持ちはありますけど、今年辞める監督のこともあって、それ(期待)に応えられなかったという思いです。いろんな経験はできたので、打撃にしても言い方向に向かっているのかなというのはあるし、自信をもって来年へ向けてやっていきたい。(荒木を刺したが)もちろん盗塁をね、走ってくるというのも宣言していたし、プロなので。簡単に抜くことはできないし、自分の中ではよかったです」 阪神・高代作戦兼総合コーチ 「まだ終わったばかり。僕から発信することはないです。少しゆっくりしたい」 金本監督辞任を受け阪神・久慈コーチ 「(選手たちは)監督に3年間チャンスをもらったからいい経験にできたと思うし、来年からつないでいかないと」 今季最下位に終わったチームについて阪神・香田投手コーチ 「結果を真摯に受け止めて、しっかり反省して来年に向かってしっかり修正点を明確にしながらやっていかないと」 阪神・山田バッテリーコーチ 「梅野がこれだけ出られたということで、それだけでもよかった。監督が使ってくれたのでね。これを来年につなげてないと。本人も感じて、自覚してほしい。(自身の去就は)それは、まだまだ」 阪神・金村投手コーチ 「結構大変なシーズンだったけど、(藤川)球児を中心にみんな頑張ってくれたので、こうやって(リリーフは)いい成績で終わることができた。(自身の去就は)それは僕が決めることじゃないので、まだ分からないです」

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
広島
82592 0.582
(-)
優勝
(-)
0721
(-)
651
(-)
175
(-)
95
(-)
0.262
(-)
4.12
(-)
2
(-)
ヤクルト
75662 0.532
(-)
7
(-)
0658
(-)
665
(-)
135
(-)
68
(-)
0.266
(-)
4.13
(-)
3
(-)
巨人
67715 0.486
(-)
13.5
(-)
0625
(-)
575
(-)
152
(-)
61
(-)
0.257
(-)
3.79
(-)
4
(-)
DeNA
67742 0.475
(-)
15
(-)
0572
(-)
642
(-)
181
(-)
71
(-)
0.25
(-)
4.18
(-)
5
(-)
中日
63782 0.447
(↓0.003)
19
(↓0.5)
0598
(+2)
654
(+3)
97
(-)
61
(+1)
0.265
(-)
4.36
(↑0.02)
6
(-)
阪神
62792 0.44
(↑0.004)
20
(↑0.5)
0577
(+3)
628
(+2)
85
(-)
77
(+2)
0.253
(-)
4.03
(↑0.03)