阪神(☆8対5★)中日 =リーグ戦20回戦・阪神甲子園球場=
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中日
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阪神
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勝利投手:岩貞 祐太(7勝7敗0S)
(セーブ:藤川 球児(4勝2敗2S))
敗戦投手:小熊 凌祐(3勝3敗0S)

本塁打
【阪神】糸井 嘉男(16号・1回裏2ラン),大山 悠輔(6号・4回裏3ラン)

  DAZN
◆阪神は2点ビハインドの1回裏、糸井の2ランで同点とする。その後は、3回に陽川の適時打で勝ち越しに成功すると、続く4回には大山の3ランなどで一挙5点を追加した。投げては、先発・岩貞が7回2失点の好投で今季7勝目。敗れた中日は、先発・小熊が誤算だった。

◆阪神糸井嘉男外野手が、豪快な1発で試合を振り出しに戻した。 2点を追う1回2死二塁。中日小熊の130キロスライダーを捉え、右翼席へ運んだ。8月21日中日戦以来となる16号2ラン。「まだ振り出しに戻しただけなので、しっかり集中して頑張ります」とコメントした。

◆連夜の豪快弾だ。阪神大山悠輔内野手が4回に、2試合連発となる6号3ランを放った。 「追い込まれていたのでコンパクトにスイングしようと思っていました。自分の形で、しっかりと捉えることができました」 この回、リードを2点に広げ、なおも続いた1死一、二塁のチャンス。小熊の129キロスライダーにバットを一閃(いっせん)。左翼席へ痛烈なアーチを懸けた。

◆阪神エフレン・ナバーロ内野手が4回に8点目のタイムリーを放った。 この回、大山の3ランなどで7-2とし、なおも2死二塁。又吉のスライダーに巧みにバットを合わせ、三遊間へ流し打った。「追い込まれていたので、しっかりコンタクトしようと自分に言い聞かせていました。コースに逆らわず良いスイングができたよ」。8月30日ヤクルト戦以来のスタメンで、しっかり結果を出した。

◆中日のドラフト6位ルーキー山本拓実投手(18=市西宮)が地元で1軍デビューを果たした。6点を追う7回に登板。糸原の打球が投手強襲の内野安打となり、いきなりプロの洗礼を浴びたが、続く大山を併殺に打ち取った。4番糸井に対しては大胆に内角を攻め、空振り三振を奪った。2回を1安打無失点。「腕が振れたのがよかった。自滅しなかったのは大きい」と自らに及第点を与えた。 兵庫県宝塚市出身で、幼少の頃から足を運んだ甲子園は憧れの球場だ。登板の指示を受け、マウンドに向かう時には、「真っ黄っ黄だ」と虎党で染まるスタンドに圧倒された。「ホームまで30メートルに感じた」と緊張を隠せなかった。先頭打者・糸原のライナーでグラブを弾かれた。「糸原さんのライナーで目が覚めた。気付いたら、ボールが後ろにあった」と苦笑。しかしその後は落ち着いていた。高卒ルーキーの姿に、森監督も「まだ高校を出たばかりで十分でしょう。怖さを知らない。自信になってくれたら」と評価した。

◆中日が阪神に敗れ、連勝は「5」でストップ。優勝の可能性が完全に消滅した。 先発小熊の乱調が誤算だった。初回に糸井に同点2ランを浴びた。4回には自らの悪送球でピンチを広げ、大山に3ラン。3回1/3で8失点と散々の内容だった。森監督は「ああいう配球は俺には考えられない。投げる方も投げる方だ」とバッテリーに苦言を呈した。3位巨人とは4ゲーム差に開いた。チームは落合政権最終年の11年を最後にリーグ制覇から遠ざかり、昨年まで5年連続でBクラスと低迷している。

◆阪神岩貞祐太投手が7回5安打2失点で7勝目も、反省が口をついた。 「初回からあやうくゲームをぶち壊すところでした。勝たせていただいて野手の方に感謝です」 初回2死から2四球と安打で満塁のピンチを招くと、高橋に2点適時打を浴び先制を許した。2回以降は立ち直り、先発の役目を果たした。「(2回以降は)より丁寧にというか、離されたら苦しい展開になるので。なんとかゲームを作れたのはよかった」と振り返ったが、笑顔はなかった。

◆阪神糸井嘉男外野手が、特大の16号2ランを放ち、大量得点の火付け役となった。 初回、中日に2点を先制された直後、2死二塁から小熊が投じた真ん中の変化球を鋭いスイングで振り抜き、右翼スタンドに運び込み、ゲームを振り出しに戻した。試合後は「明日ちゃんと(勝ち星を)とれるように頑張ります」と言い残し、クラブハウスへ引き揚げた。 大山が3ランを放ち、リードを広げた後の第2打席では遊撃に打球を転がし、全力疾走で一塁を駆け抜け、内野安打とし、小熊をマウンドから引きずり下ろした。この日の勝利のポイントとして金本監督は「大山の3ランが一番だと思いますけど、その前に初回に点を取られた後、糸井がすぐ2ランで返してくれた。それでまたズルズルいかなかったホームランかなと思います」とたたえていた。

◆阪神藤川球児投手が9回2死から登板し、今季2セーブ目をあげた。 6点をリードして迎えた最終回だったが、岡本が3失点を喫して降板。急きょマウンドに上がった藤川が後続を断った。 「(捕手の)原口も久々だっただろうし、大事にいっていたので『もう少し楽に構えていいよ』と言いました。また頑張ります」 この日は守護神ドリスの代役。香田投手コーチは「いろんなことを考えてね。(抑えは)もちろんドリスです」と説明した。 金本監督は「まさか岡本でね、不運な当たりとか内野安打2本でヒヤッとしましたけど、ここは球児しかいないかなと」と絶大の信頼でマウンドに送っていた。 藤川はNPB通算225セーブ目、メジャーでは2セーブを記録している。

◆阪神糸井嘉男外野手(37)が目いっぱいに引っ張った打球は右翼ポール最上部付近を通過。コンタクトから約5秒の滞空時間を経て、スタンド中段に吸い込まれていった。初回に中日に2点を先制された直後、2死二塁のチャンスで超人の一振りが試合を振り出しに戻した。8月21日の中日戦以来となる16号2ラン。キャプテン福留不在の甲子園で、もう1人の頼れる男のバットが猛虎打線に火をつけた。 「明日ちゃんと(勝ち星を)取れるように頑張ります」 バットだけではなく、足でも虎党を魅了した。4回、大山が3ランを放った直後の打席、1死走者なしから小熊が投じた真ん中高めの変化球にくらいつき、遊撃内野安打。マルチ安打を記録し、通算1500安打まで残り8本とした。直後の陽川の打席では二塁を陥れ、チームトップの今季19個目の盗塁も成功させた。 6日の広島戦(マツダスタジアム)の5回、右前タイムリーを放った直後、一塁をオーバーランして戻った際に右足ふくらはぎの張りを訴え、途中交代していた。それでも出場を継続。この日はそんな心配を吹き飛ばすように、打って、走って、守った。金本監督は今日の勝利のポイントについて問われ、「大山の3ランが一番だと思いますけど、その前に初回に点を取られた後、糸井がすぐ2ランで返してくれた。それでまたズルズルいかなかったホームランかなと思います」とたたえた。 6月30日ヤクルト戦で死球を受け、右足腓骨(ひこつ)の骨折が完治していない状況でもチームの勝利のため、懸命に体を張った。8月は3割8分7厘、3本塁打、15打点と圧倒的な数字を残した。反撃を期す勝負の秋も、4番がチームをグイグイ引っ張る。【古財稜明】

◆阪神岩貞は反省ばかりの7勝目だ。立ち上がりは2死を取ってから2四球が絡んで2失点。怪しい空気が漂った。だが、2回以降はさすがの修正力を発揮。コーナーを突き、丁寧に堂々と勝負した。 「初回からあやうくゲームをぶち壊すところでした。勝たせていただいて、野手の方に感謝です」 ただ、終わってみれば7回5安打2失点。先発の役目は果たした。甲子園では9試合で防御率1・64と安定感はピカイチだ。「コントロールミスで打たれたりはしたんですけど、その後はインコースを突っ込んでいったり、ボールに勢いもあった。最後のイニングはバテましたけど、1試合トータルで考えればナイスピッチングでした」と金本監督からもたたえられた。 メッセンジャーが2軍調整となり、左のエース格への期待は一層高まる。「どんな状況でも先発は役割を果たさないといけない」。淡々と語る岩貞が頼もしい。

◆大山、覚醒! 阪神がキャプテン福留孝介外野手(41)欠場の大ピンチで踏ん張り、先発野手全員安打で中日に快勝した。試合を決めたのは、福留に代わって3番に入った大山悠輔内野手(23)。リードを2点に広げた直後の4回1死一、二塁で、左翼席に6号3ランをたたき込んだ。前日11日にはプロ初の2本塁打。2戦3発、ここ5戦で4発という大暴れで甲子園の虎党を沸かせた。 豪快に放物線を描いた。大山が内角に来たスライダーを思い切りひっぱたく。細かく降り出した雨も、左から右に吹く逆風も切り裂いた。 2点リードの4回1死一、二塁。カウント2-2からの5球目を強振。白球を左翼席に突き刺さした。6号3ランはプロ入り初の2戦連弾。前日11日にもプロ入り初の1試合2本塁打をぶち込んだばかり。2戦で3発、ここ5戦で4発の固め打ちは覚醒の証しだ。 「追い込まれていたのでコンパクトにスイングしようと。自分の形で、しっかりと捉えることができた。チームが勝てたのが全てなのでよかったです」 金本監督は大山覚醒に「まだ早すぎでしょう」と話しながらも、「でも本人はそう思っていいんじゃない? いい意味で勘違いをしてほしい。自分を乗せていく、というか。どんどん暗示をかけるぐらいで僕はいいと思う」と期待を込めた。さらに今春キャンプを思い返し、「いい時の状態に戻っている。今年はずっと打ててなかったんですけど、9月に入ってから活発に打ってくれている(打率4割3分8厘)。失敗を恐れずやってほしい」と背中を押した。 チームを襲った思わぬアクシデントも、若武者がカバーしてみせた。主将の福留が前日11日、一塁に駆け込んだ際に右足を負傷して途中交代した。球団は「右太ももの張り」と説明。この日はベンチ入りしたがバットを握ることはなかった。そんな窮地に代役3番で結果を残し、和製大砲誕生の予感を漂わせた。 持ち味は積極性だが、2年目の今季は状況を考えた打撃を意識して「思い切りのよさ」が影を潜めた。壁を突き破るために取り組んだのは"壁ドン"。脇を締め、インパクトを強くするために、球場の柔らかいラバー近くに立ってグリップエンドを「ドン」とぶつける。「結果に対して貪欲になって、修正していきたい」。フォームを確認してきた成果が出た。 お立ち台では「すごくいい状態で来てる。もっともっと打てるように頑張ります!」と逆襲を誓った。3位巨人とは1・5ゲーム差に迫った。シーズン終盤は総力戦。それぞれがキャプテンの穴を埋めて、勝負の秋を突き進む。【真柴健】

◆中日の高橋が一回に先制の2点適時打を放った。一回二死満塁から高めの速球を力負けせずに振り抜き、中前へはじき返した。「チャンスだったのでランナーをかえすことだけ考えていた」と語った。  前日にはシーズン100安打に到達。8月から「6番・二塁」に定着し、初の規定打席到達も視野に入ってきた。

◆阪神が糸井と大山の本塁打などで中日投手陣を打ち崩し、連敗を2で止めた。先発の岩貞は7回を投げ5安打2失点で7勝目(7敗)。中日は一回に先制したものの、先発の小熊が3回1/3を投げ8安打8失点と乱調。連勝は5でストップした。  先制したのは中日。一回、二死から2つの四球とビシエドの安打で満塁のチャンスをつくると、高橋が岩貞の足元を抜ける中前2点打を放ち先制。阪神はその裏、一死から糸原が左翼線二塁打で出塁すると二死後、糸井が小熊から左翼席中段に運ぶ16号2ランを放ち追いついた。  阪神は三回二死一、二塁から陽川の中前に落ちる適時打で勝ち越した。続く四回にも一死一、三塁から糸原の投ゴロが小熊の失策を誘い追加点を挙げ、さらに一死一、二塁で大山が右翼ポール際へ6号3ラン。その後ナバーロにも適時打が飛び出し、点差を6点に広げた。  中日は九回に3点を返したが及ばなかった。

◆阪神が糸井と大山の本塁打などで中日投手陣を打ち崩し、連敗を2で止めた。先発の岩貞は7回を投げ5安打2失点で7勝目(7敗)を挙げた。  以下、岩貞のヒーローインタビューでの一問一答。  --投球を振り返って  「正直一つもいいところがなかったと思うけど、野手の方に打っていただいたので、なんとか試合を作ることができました」  --マウンドに向かうときの意識は  「もちろんゼロに抑えるという気持ちで上がったけど、なかなか相手も手強いし、初回に失点してしまったので、ここからは一人ひとり集中して投げていくしかないと思いました」  --第1打席では12球投げさせ、その後も2四球。打席でも粘りを見せた  「自分のミスからの失点だったので、打席でも、なんとかチームのためにできることはああいうことしかできないので、なんとか食らいついていきました」  --四回には大山の3ラン  「いや、見事です」  --ファンへ  「もう残り試合も少ないですが1試合1試合全力でやっていきます」

◆阪神が糸井と大山の本塁打などで中日投手陣を打ち崩し、連敗を2で止めた。先発の岩貞は7回を投げ5安打2失点で7勝目(7敗)を挙げた。  以下、金本監督の試合後の一問一答。  --最後(九回の3失点後)は藤川を投入  「いや、まあ、まさか(九回に登板した)岡本でね。不運な当たりとか、内野安打2本というので、ちょっとヒヤッとしましたけど。ここは球児しかいないかなと」  --勝利に向けてのポイントは  「(四回の)大山のホームランが一番だと思うんですけど、その前に初回に2点取られてね、糸井がすぐに2ランで返してくれたんでね、これでこのままズルズル行かなかったホームランかなと思います」  --最近の大山の打撃について  「いい時のね、去年の秋とか、今年の春のキャンプのときぐらいですかね。そういういい時の状態に戻っているなとは思いますね」  --9月に入り打線全般も活発  「今年ずっと打てなかったんですけど、9月に入ってからですかね、活発に打ってくれているんで、どんどん自分の持っているもの全部ね、出してほしいというかね、結果を恐れずやってほしいですね」  --1番(北條)と2番(糸原)を入れ替えた経緯は  「まあ、ここでは黙っておきましょうか(笑い)」  --岩貞が二回以降に立ち直った  「立ち上がりちょっと不安定なところがあったんですけど、コントロールミスで打たれたりしまして、その後ちゃんとインサイドも突っ込んでいったりね、ボールに勢いもありましたし、最後のイニング(七回)はバテましたけど、しっかりと1イニングトータルで考えればナイスピッチングでした」  --明日は才木vs松坂  「松坂といえば誰もが知ってる日本のエースですから。そこへ若い才木がね、必ず投げ勝てるようにね、頑張ってほしいです」

◆中日のドラフト6位新人、山本拓がプロ初登板し、糸井から初三振を奪うなど2回無失点だった。2四球を与えたが「自滅しなかったのが大きい。腕が振れていたのでよかった」と胸をなで下ろした。  球場からほど近い兵庫県の進学校、市西宮高出身。森監督は「十分でしょう。自信にしてくれればいい」と評価した。 大島(九回に犠飛) 「ヒットでつなぎたかったが、最低限の仕事ができた」 ビシエド(九回に適時打) 「食らいついていった」

◆阪神の岩貞が7回を2失点にまとめ、7勝目を挙げた。一回に2四球が絡んだ二死満塁から、高橋に浮いた球を捉えられて先制の2点適時打を許した。二回以降は立ち直り、内角を果敢に攻めるなど丁寧にコースを突いて三塁を踏ませなかった。118球の熱投で、打線好調で5連勝中だった中日を5安打に抑えた。  自身の星も五分に戻したが「正直一つもいいところがなかった。試合を壊すところで何とか粘れて良かった」と喜びは控えめだった。 ナバーロ(四回に適時打) 「コースに逆らわず、いいスイングができた」

◆阪神の福留が欠場した。11日の試合で内野安打を打って出塁した際、右太ももの張りを訴えて途中交代した。この日は試合前の練習に姿を見せなかった。球団によると兵庫県尼崎市内の病院で診察を受け、今後は様子を見ながら出場について判断するという。金本監督は「3、4日かかるのかな。出血はないみたいで安心した」と話した。

◆ひ~っ、真夏の猛暑は過ぎたっちゅうに虎ファンは汗だくやんかー!!  八回終了して8-2と楽勝ムードが何で九回に中日・高橋に一発浴びたら同点の場面になるわけ? と嘆きつつ最後は勝利したからバンザーイ!!  先発岩貞も一回に2点先制されはしたが、7回を投げ、その失点だけで粘ったのはお見事!!  2試合連続となる6号3ランの大山もついに来た! 来た! よ~ドラフト1位のその力、待ってましたア!!  要するに単純にぶっちゃけた話、情けないけど今季のセ・リーグは『1強5弱』。もしくは『1強5おまけ』。あるいは『1強その他』なのだ!  広島以外は正直弱いのだ! トーゼンわれらが阪神も決して強くはありません。  ではどーしたらCS出場の3位以内に残れるか? その答えこそ本日の試合なのだ!! 好投手大瀬良に勝てるなんて申しません!! 名投手菅野を打ち込めなんて言いません!! だけど、本人には悪いけど本日の中日の小熊のような二線級は確実に打ち崩すこと!! そこに虎の光が見えてくるはずなのだ!!  さあ第3戦は名は一級、力は?級の松坂。猛虎打線は?に何の数字を入れるんでしょう!?

◆唐の詩人杜牧(とぼく)はこの季節を-霜葉(そうよう)は2月の花よりも紅(くれない)なり...と詠んだ。  そんなの当たり前じゃねぇか。だって今は9月で2月じゃないのだから...といっちゃ色気はないヮ。まぁ、久しぶりに"秋"らしい朝でございました。別にヒガンでそう言うのじゃないけど、なんとなくそんな楓林(かえで)にフト心をひかれて眺める...。その赤くなった葉にフト足をとめる...それは2月の桃の花よりもあざやかなんです。  え? そんなノンビリしたことを言っても腹の足しにもならんヮ...色気がないなぁ皆様...ガツガツしなさんな。この日の当番D澄田垂穂もやけにジタバタせずに淡々としてました。「もう現実を受け止めますョ」と...こうでなくっちゃ。  阪神は試合前の練習は室内で野手組。甲子園の外野は投手が使いました。それを見ながら竹村岳記者はこんな電話をかけてきた。  「あの...僕は一昨夜、糸井さんと食事に行きまして...あ、夢の中の話ですョ。慌てないでください...」  フムフムそれで...「糸井さんはテーブルいっぱいに、いろんな料理を並べてムシャムシャと平らげていくんですョ。その食欲があまりに見事だったので...今日糸井さんの顔をみるなり思わず夢の話をしました。糸井さんはものすごい食欲でしたョ...と」。フーン、それで糸井選手はどんな反応だった。「フフフ、糸井さんは思わず『どんな夢やねんそれ...』と苦笑されてました。だけど...たとえ夢の中とはいえ、あれだけ元気いっぱいなんだから今夜はキット、糸井さんがガーンといきますョ」  なんとそれが試合開始30分前なのだが竹村のソレは"正夢"だった。  一回に小熊のスライダーをなんと右翼席中段あたりまで飛距離十分の同点2ランをブチこんだのです。おい竹村よ、これからは寄り道しないで毎晩早く帰ってふとんにもぐりこめよ。そして夢の中で糸井さんを呼び出してジャンジャンご馳走しなさい。ただし取材費の伝票は出すなよ。だって夢の中なんだろ...。  新里公章記者はこの日に「引退決意会見」をした巨人杉内俊哉投手についていわゆる"松坂世代"として同期の藤川球児投手を取材。「このところ松坂世代といわれる選手が続々と現役を引退していく...その度にどうしても藤川球児さんにコメントをもらいに行くわけで...僕もちょっと恐縮してるんですョ。でも、まだまだ藤川さんは元気いっぱいです。がんばっていただかないと。11日(中日戦)の八回3者連続三振なんてのはすごかったですョ。それでいろんなお話を聞けました」と新里。  その頃、トラ番キャップ阿部祐亮は中日土井正博コーチと話し込んでいた。土井さんは前日の福留選手が六回の内野安打で全力疾走で一塁に駆け込んだときの痛めた足について「まずは、しっかりと休んで治してほしい。福留君は、まだまだ活躍しなければいけないからね。頑張ってほしい」と、敵味方をこえて長距離打者のレジェンドとしてエールを送った。  それにしてもいきなり一回の表と裏に2点ずつ...ああまた風雲急の予感がしたのです。だけど阪神は糸井と若い大山にホームラン! 四回などは打者10人の猛攻です。  おーい竹村記者。今夜も糸井さんに大山選手もいれて豪華なディナーをおごれよ! 夢のなかで...それにメッセンジャーが登録抹消で...ひと呼吸いれて...という金本作戦なのか。だとすれば...岩貞投手も夢の宴会にご招待してさぁ、カワイ子ちゃんもドンドン指名してさぁ...俺も呼んでくれい『竹村亭』に...。

◆--最後は藤川投入  金本監督 「まさか岡本でね。不運な当たりとか内野安打2本ということでヒヤッとしましたけど、ここは球児しかないかな、と」  --大山の状態がいい  「いいときのね、昨年の秋とか今年の春のキャンプのときとか、いいときの状態に戻っていると思いますね」  --打線は活発  「今年ずっと打てなかったんですけど、9月に入ってからですかね、ずっと活発に打ってくれているんで、どんどん自分たちで持っているものを全部出してほしいというかね、失敗を恐れずやってほしいですね」  --岩貞は立ち直った  「立ち上がり不安定なところもあったんですけど。コントロールミスで打たれたりしまして、それでちゃんとインサイドに突っ込んだり、球の勢いもありましたし、最後はバテましたけど、しっかりと1イニングトータルで考えればいい投球でした」

◆陽川の積極性が功を奏した。2-2の三回二死一、二塁から初球の外角のスライダーをしぶとく中堅の前に運び、決勝点となる勝ち越しの適時打。第1打席では3球見送り、カウント1-2から空振り三振に倒れた。反省をしっかり次の打席につなげて結果を出した。「1打席目がああいう結果だったので、打席に立つ前から(積極性を)心がけていました」と振り返った。

◆先発小熊の乱調が響いた。2本塁打を浴び、四回途中8安打8失点で降板。好調の打線も九回に3点を挙げて反撃したが、はね返すことができなかった。チームの連勝も5で止まり、森監督は「2ランと3ランは防がないと。打線が(好調で)何が起きるか分からないわけだし」と嘆いた。右腕は「ゲームをつくれず申し訳ないです。ボールが高かった」とガックリ。チームはリーグ最速の70敗目。リーグ優勝の可能性が消滅した。

◆打線の援護にも後押しされ、回を追うごとに状態を上げた。先発の岩貞は7回2失点で7勝目(7敗)を挙げた。  「初回からあやうくゲームをぶち壊すところでしたが、何とか粘れてよかった。反省の多いゲームでしたが勝たせていただいて、野手の方に感謝したいです」  立ち上がりは暗雲だった。一回二死から四球などで満塁のピンチをつくり、高橋に中前2点打を浴びた。しかし二回以降は立て直しに成功。3試合連続のクオリティスタート(6回以上で自責点3以内)で試合をつくった。  メッセンジャーが、この日登録抹消。大型連戦も控える中、より厳しさを増す先発の台所事情。チームでメッセに次ぐ投球回を投げている左腕に懸かる期待も大きくなる。  「残り試合もわずかですが、納得いくまでしっかり練習して万全な状態でマウンドに上がりたい」。岩貞が虎投の中心に座り、虎を勝利へと導く。 (箭内桃子)

◆ついに金本監督が理想としていた1、2番が実現した。豪快な一発は大山と糸井に譲れど、その流れを作ったのは新1番・北條、新2番・糸原!  「ヒミツ-」  今季118試合目。打線好調の今、あえて入れ替えたことを問われた指揮官は茶目っ気たっぷり。そして、真顔に戻ると「糸原(の打席)で走者一塁に出たときにゲッツーの確率というのが北條よりは少ないでしょう。左打者というのもあるし、一、二塁間が空くから、そこを抜いていってほしいな、というのもある」と狙いを語った。  三回無死から、北條が中前打で出塁すると、糸原の遊ゴロの間に二塁へ。陽川の勝ち越し打につなげた。四回一死三塁から、北條が四球を選ぶと、糸原は追い込まれながらもフォークに食らいつき、投前に転がしての4点目(投ゴロ失策)。泥臭く追加点をもぎとった。  「もともと、これが理想かなと思うんです」  7月末にも指揮官は「本来は逆にしたいんだけどな」と「1番・北條、2番・糸原」構想を打ち出していた。打率・326と好調をキープしている北條が出塁し、続く糸原でチャンスを一気に広げれば、それだけ得点力アップにつながる。安易に犠打で送らない。理想とする攻撃野球だった。  今季12度目猛打賞の糸原は「1番でも2番でも自分の仕事をするだけです。チームが勝ててよかったです」と力を込めれば、北條も「2番のときと変わらない思いでやっていきます」と頼もしい。  動かして、勝つ。これがいい。勝負の9月を北條&糸原で巻き返す。 (阿部祐亮)

◆中日・松坂は12日、阪神戦の前に甲子園で取材に応じ、今季限りでの現役引退を発表した巨人・杉内へ感謝の思いを語った。  「高校時代に対戦してから強く意識してきた仲間。同じ時代に杉内俊哉というピッチャーがいたから僕は頑張ってこられた」。引退会見前には本人と電話で話し「あと5年は投げてくれ」と思いを託されたという。松坂は「少しでも長く投げられるように頑張りたい」と語った。  13日の38歳の誕生日に阪神戦に先発する。甲子園での登板は西武時代の2006年6月9日以来、12年ぶり。 楽天・久保 「きのう(11日)、辞めると連絡をくれた。驚いたし、寂しかった。けがをして本来の力が戻ってこなかったわけだから、残念ですね」 阪神・藤川 「僕らの世代で一番の左投手。尊敬するところが多かった。同級生の中で数多くない本当のプロフェッショナルの1人。これからどういう人生を歩んでいくか楽しみ」

◆超ド級の飛距離。フェアか、ファウルか-。右翼ポール際を舞う白球をのぞき込むように見つめる。審判の腕が回ると、甲子園は一気に大歓声で染まった。糸井が16号2ラン。試合を振り出しに戻し、逆転勝利への口火を豪快に切った。  「あした、ちゃんと取れるように頑張ります」  ロッカーへ引き揚げるその目はすでに次戦を見据えていたが、一回に2点を先制された直後の攻撃だ。一死から糸原が右翼線を破る二塁打で出塁するなど、二死二塁で糸井が打席に向かった。カウント3-1からの5球目、甘く入ったスライダーを見逃さなかった。8月21日の中日戦(ナゴヤドーム)以来16試合ぶりで、甲子園に限ると6月21日のオリックス戦以来、83日ぶり。久々の快音は、見応えたっぷりの特大アーチとなった。  四回一死には全力疾走で遊撃内野安打を勝ち取ると、二盗を決めてナバーロの適時打で一気に生還してみせた。6月30日のヤクルト戦(神宮)で右足に死球を受け、腓骨を骨折。傷だらけの中、37歳のベテランは全力でグラウンドを駆け回っている。  金本監督も最敬礼するしかない。「初回に糸井がすぐに2ランで...。そのままズルズルいかなかったホームランかな」。この日は右太ももの張りで福留が先発落ち。頼れる主将の分まで、お釣りがくるほどの一発をお見舞いしてみせた。  虎党に優しい糸井だからこそ、聖地もほほえむ。ある日の甲子園での試合前練習。ティー打撃で打ち込む糸井の視界に、「糸井嘉男」のタオルを広げる少年の姿が...。バックネット裏で練習を見学していた虎ファンの山元稜仁くん(8)。「カモン」と呼び寄せると、自らの手で黄色の打撃用手袋をプレゼントした。  「野球やってるん? 頑張ってな」  糸井のサインも入りユニホームを着ていた稜仁くんも「うれしいです。僕も頑張ります!」と大興奮。糸井も「よかったよかった」と笑みがこぼれた。ファンあってのプロ野球-。その使命を胸に刻み込んでいるから、みんなが超人を応援したくなる。  意外にも9月初アーチ。昨年の17発にも王手をかけた。火がついた超人が、勝負の秋を力強く引っ張る。 (竹村岳)

◆覚醒弾や! 阪神・大山悠輔内野手(23)が、プロ2年目で初の2戦連発となる6号3ランをぶっ放した。前日に負傷した福留に代わって3番を務め、ここ5試合で4発と大暴れ。中日相手にチームも先発野手全員安打で12安打8得点で、連敗も2でストップ。虎は、まだまだ諦めへんで~!   キラキラと輝く放物線が肌寒い秋風を、そして分厚い暗雲を切り裂いた。ダイヤモンドを一周する大山が、手に残る確かな感触を握りしめる。前夜は九回に屈辱的な逆転負けを食らい、主将不在の危機的状況の虎を"代役3番"が救った。  「すごくいい状態できていると思うので、もっともっと打てるように頑張ります! 後ろにつなげば糸井さんがいるので、とにかくつなごうと。いい結果になってくれました」  4-2で迎えた四回一死一、二塁。カウント2-2から中日先発・小熊の内角高め129キロのスライダーを振り抜くと、打球は大きな弧を描いて左翼ポールを巻き、6号3ラン。この回、打者一巡の猛攻で一挙5点。勝利への流れを大きくたぐり寄せた。  プロ初の2試合連続本塁打にも「チームが勝って、すべてよかったです。でも他の内容の打席はまだまだ」と、浮かれないのもこの男らしい。7試合連続で3番に座り、前夜に右太ももの張りを訴えて万全ではない福留に代わって8月24日の巨人戦(東京ドーム)以来、13試合ぶりに3番を任され、「(自身は)そのときできることをしっかりやろうと思っていました」と全力を尽くした。  チームにとっても勝負の9月に入って、全8試合で安打を放ち、月間打率は・438(32打数14安打)、4本塁打、10打点。ここ5戦4発と覚醒のときを迎えている。  鉄人流が、体に染みついてきた。不調時はステップ時に投手側に頭が動き、体のバランスが崩れてしまっていた。低めの変化球にバットが出てしまい、悪循環に陥る。片岡ヘッド兼打撃コーチらに助言をもらい、時にはノックバットで体のバランスを確認。どっしり構え、前で打球を捉える-。虎将の求めるスイングを体現するために早朝から日が暮れるまでバットを振り、体得しつつあった昨秋の安芸キャンプ、今春の沖縄・宜野座キャンプの姿が"シンクロ"した。  金本監督は「頭があまり動かなくなって、重心がしっかり残った状態で打てているから、やっぱり打球も飛びますしね」と成長を認め、「いい意味で勘違いしてほしいですね。自分を乗せていくというか。どんどんどんどん、暗示をかけるぐらいで僕はいいと思うし」と目を細めた。  3連敗なら最下位転落もありえた。その中日に2戦目で勝利し差を2・5に広げ、3位・巨人と1・5差に詰めた。若虎は「連戦が続くので、とにかく1試合1試合、自分のできることをしっかりやりたいと思います」と闘志を燃やす。成長を止めず、もっとでっかいアーチを何本もかける。勝利への架け橋にする。 (新里公章) 2試合連発の大山について阪神・片岡ヘッド兼打撃コーチ 「夏場以降調子が上がってきているからね」

◆前日は九回に逆転負けを喫し、この日も一回に失点。嫌な流れを打線でひっくり返した勝利は大きいですよ。きっかけにしないといけませんし、ここから3位以内に入っていくために、注文もしたいと思います。  藤川を出すような展開にしてはダメですし、まず、この日の小熊なら、三回で試合を決めないといけません。1点は勝ち越しましたが、二死満塁でダメ押しがなかった。あそこで一気に仕留めきれないのが今年の阪神。相手に合わせた野球をしてしまうんです。  四回一死一、三塁での糸原の投ゴロ失策も、相手が勝手にこけてくれました。一塁ベースにビシエドがついていただけに強く引っ張る打球を打って欲しかった。大山が3ランで見事に決めてくれましたが、ここからの連戦、ここというところで一気に試合を決めていかないと厳しいですよ。  投手陣で僅差をしのぐ形ばかりでは連戦はもちません。打線が早めに試合を決め、先発に白星がついて救援陣が休めるような試合を、いくつ作れるか。それがAクラス入りへのポイントです。 (サンケイスポーツ評論家)

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
広島
73502 0.593
(↑0.003)
M7
(↑2)
18643
(+7)
572
(+2)
164
(+1)
77
(-)
0.266
(-)
4.15
(↑0.02)
2
(-)
ヤクルト
61612 0.5
(-)
11.5
(↓0.5)
19577
(+1)
603
(+1)
117
(-)
63
(-)
0.267
(↓0.002)
4.37
(↑0.04)
3
(-)
巨人
60644 0.484
(-)
13.5
(↓0.5)
15568
(+1)
526
(+1)
134
(+1)
58
(-)
0.259
(↓0.001)
3.88
(↑0.03)
4
(-)
阪神
55621 0.47
(↑0.004)
15
(-)
25488
(+8)
518
(+5)
76
(+2)
62
(+1)
0.256
(↑0.001
4.01
(↓0.01)
5
(-)
DeNA
55662 0.455
(↓0.003)
17
(↓1)
20494
(+2)
578
(+7)
154
(+2)
69
(-)
0.253
(-)
4.35
(↓0.02)
6
(-)
中日
58702 0.453
(↓0.004)
17.5
(↓1)
13558
(+5)
595
(+8)
88
(-)
56
(-)
0.265
(-)
4.36
(↓0.02)