1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | 安 | 失 | 本 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
中日 | 3 | 0 | 0 | 1 | 1 | 0 | 0 | 0 | 2 | 7 | 9 | 1 | 2 |
阪神 | 0 | 0 | 1 | 3 | 1 | 0 | 1 | 0 | 0 | 6 | 10 | 0 | 2 |
勝利投手:岩瀬 仁紀(2勝0敗2S) (セーブ:佐藤 優(1勝2敗4S)) 敗戦投手:ドリス(1勝5敗29S) 本塁打 |
◆中日は初回、アルモンテの3ランで先制に成功する。その後は、両軍ともに点を取り合い5-6で迎えた9回表に、2死満塁の好機をつくるとアルモンテが2点適時打を放ち、逆転に成功した。投げては、4番手・岩瀬が今季2勝目。敗れた阪神は、守護神・ドリスが誤算だった。
◆阪神ランディ・メッセンジャー投手(37)が危険球退場処分を受けた。 1-4の4回1死一、三塁で、バントの構えをしていた松井雅人捕手への初球が頭部を襲い、死球になった。 側頭部に投球を受けた松井雅は倒れ込み、しばらく動けなかった。担架で運ばれ、代走には武山が送られた。阪神の2番手は岩崎がコールされた。 阪神の危険球退場は今季5度目。4月8日の中日戦で石崎、6月30日のヤクルト戦で岩貞、8月16日の広島戦でドリス、8月19日のヤクルト戦で岩田がそれぞれ宣告されていた。 またメッセンジャーは4月12日の広島戦で審判に暴言を吐いたとして退場処分を受けている。
◆阪神福留孝介外野手(41)が途中交代した。 6回先頭でバットを折りながら遊撃内野安打。一塁に全力で駆け込み、セーフ判定としたが、直後に自ら一塁ベンチに下がった。「治療中」のアナウンスが流れたが、しばらくして伊藤隼が代走に出た。体に何らかの異変があったとみられる。
◆中日がアルモンテの5打点の活躍で、連勝を5に伸ばした。1回に先制の13号3ラン、5―6の9回2死満塁では逆転の2点適時打を放った。岩瀬が2勝目。阪神は先発メッセンジャーが4回に危険球退場。大山が自身初の2本塁打を放ったが、抑えのドリスが誤算だった。
◆阪神大山悠輔内野手が、プロ入り初の1試合2発を記録した。 3点を追う4回に4号ソロを左翼席にたたき込み、5回には意表をつくセーフティーバントを決めて内野安打。小技の次は、再び7回に5号ソロを左翼席へ運んだ。 ただ、チームは9回に逆転を許して痛い敗戦。大山は9回2死で左飛に倒れ、最終打者となった。 2本塁打を含む3安打2打点の活躍にも「勝ち負けが全て。最終回に(塁に)出れなかったのが反省。それが全てだったと思います」とあっさり。自身は快音を連発させても、チームの痛い逆転負けを悔やんだ。
◆中日が逆転勝ちで今季2度目の5連勝を飾った。満塁男が土壇場で本領を発揮した。1点を追う9回表2死満塁。ソイロ・アルモンテ外野手(29)がしぶとく二遊間を破った。逆転の2点タイムリー。「チームに貢献しようと、本当に集中していたよ。よかった」。これで満塁の打席では8打数6安打13打点。秘訣(ひけつ)を問われ、思わず苦笑した。「それは分からないけど、結果が出ているのはうれしいね」。初回には13号3ランを放つなど、2安打5打点の活躍。8月度の月間MVPを受賞したビシエドだけでなく、アルモンテも好調だ。 負ければ、優勝の可能性が完全消滅する状況でチームは粘りを見せた。3位巨人に3・5ゲーム差に迫った。
◆阪神ラファエル・ドリス投手が1点を守りきれず、セーブ失敗で痛い敗戦を喫した。 7回に大山のソロ本塁打で逆転し、1点リードで迎えた最終回。1死から平田を四球で出塁させ、京田、大島に連打を浴び、満塁のチャンスを与えた。ビシエドを外角低めの変化球で三ゴロに仕留め、なおも2死満塁。アルモンテに高めに投じた直球を中前にはね返され、一挙逆転を許した。 「球自体、悪いと思わなかった。あの球は上に行ってしまったので安打になる確率が高くなってしまった」。守護神が仕事を果たせなかった。
◆中日の松井雅人捕手は4回の打席でメッセンジャーの投球を頭部付近に受け、途中交代した。 兵庫県西宮市内の病院で右あごの打撲と診断された。
◆阪神ランディ・メッセンジャー投手(37)が今日12日に出場選手登録を抹消されることが11日、分かった。 7連戦の初戦を託されて中日戦(甲子園)に先発したが、4回途中に危険球退場。今季11勝をマークも、ここ8試合で1度しか勝てておらず、首脳陣は復調をはかる目的で決断したようだ。
◆阪神の勝利の方程式が土壇場で崩れた。1点リードの9回に抑えのドリスが満塁のピンチを招き、2死後、アルモンテに逆転の2点打を許した。 7連戦の初戦を落とした金本監督は「何としても取りたかったけど、最後の最後でこうなったから仕方がない。逃げ切るのが、うちのあれ(形)だけど」と悔やんだ。
◆中日ビシエドが月間MVPの祝砲を放った。2点リードの4回に外角スライダーを流し打ち、右翼ポール直撃の25号ソロ。「いいスイングができた。ポール際だったけど、切れなくてよかった」。 8月はリーグ新の月間47安打を記録。9月も好調をキープしている。7回には右足に死球を受け、周囲をヒヤリとさせたが、プレーは続行。5連勝に貢献した。
◆阪神の逆転CSへ暗雲だ。エースのランディ・メッセンジャー投手(37)が今日12日に出場選手登録を抹消されることが11日、分かった。7連戦の初戦を託されて中日戦(甲子園)に先発したが、不安定な投球で4回途中に危険球退場。今季11勝をマークも、ここ8試合で1度しか勝てていない。開幕からフル回転しており、体に蓄積疲労がたまっているとみられ、首脳陣は復調を図る目的で決断したもようだ。 手薄な阪神先発陣が弱り目にたたり目の状況に陥った。大黒柱のメッセンジャーが今季初めて出場選手登録を抹消されることが判明した。この日も本来の剛腕ではなかった。1回2死一、二塁でアルモンテにバックスクリーンへの3ランを被弾。4回もビシエドにスライダーをとらえられ、右翼ポール直撃のソロ本塁打を浴びていた。その直後、松井雅への頭部死球で10年以来の危険球退場になった。 夏場に入って、精彩を欠いたままだ。日米通算100勝に王手をかけながら、5度目のチャレンジでも本領を発揮できず。8月10日DeNA戦(横浜)で11勝目を挙げたのを最後に、1カ月も白星から遠ざかる。この日の敗戦後、金本監督も状態を「ちょっとキレがないわね。変化球も浮いている。もう1回、何とか調整して欲しいですけどね。やっぱり疲れもあるんじゃないかな」と案じていた。 本来の球威ではなく制球も上ずる傾向が出ていた。今季は開幕投手を務め、大車輪の働きでローテーションの柱を務めてきた。肩や肘の疲労も蓄積しているとみられ、リフレッシュの意図もありそうだ。今季は雨天中止が多く、10月上旬まで、すでに13連戦が組まれている。クライマックスシリーズ進出をかけて、最終盤まで競い合う展開が予想される。万全な状態に整えるためにも、復調を図るべく、首脳陣は2軍での再調整を選択したとみられる。 鉄腕メッセンジャーの2軍降格はレアケースだ。昨年8月に打球直撃で右足腓骨(ひこつ)を骨折し、登録抹消されたが、不調による再調整は15年5月までさかのぼる。苦渋の決断だろう。チームはこの日、7連戦の初戦を落とした。その後も6連戦の後、13連戦を控える。先発陣の駒不足は深刻で、この日2軍戦に登板した藤浪は中4日で16日DeNA戦(横浜)先発に向かう。秋山も2軍調整を重ねており、先発陣の台所事情は苦しいのが現状。先発陣の再編も強いられることになる。逆転でのクライマックスシリーズ進出を目指す金本阪神が、エースを欠く一大事で、今季最大の踏ん張りどころを迎えた。 ▼阪神メッセンジャーが中日戦の4回に松井雅への危険球で退場となった。今季両リーグ12人目。メッセンジャーは4月12日の広島戦で審判への暴言で退場処分となっており、今季2度目。阪神選手の退場は今季6度目で、全退場数の実に半数を占める。また、シーズン6度の退場は07年の5度(岡田監督2度、福原、ジャン、ボーグルソン)を上回る球団最多。
◆阪神北條がマルチな活躍を見せた。 3回1死一塁では左前打でつないで、糸井の適時打を呼び込んだ。4回2死一、三塁からは右翼線への適時打で1打点。その後にガルシアのボークで同点とした。大山のソロでつかんだ流れを一気に同点劇にまでつなげる仕事。調子の上がらないガルシアを追い詰めた。敗戦後は「ああいう場面で打ててよかったです」と短くコメント。期待の強打だけでなく、最近は犠打やヒットエンドランなどのサインも多く、2番打者として打線の重要な役割を担う。「これから大事な試合が続くので」と課された仕事を自覚。北條のバットは逆転CSに向けて欠かせない。
◆阪神能見が球団最年長ホールド記録を更新した。 同点の7回に登板。ビシエドに死球を与えたが、アルモンテをフォークで空振り三振に仕留め、上位打線を無失点に抑えた。直後に勝ち越して一時は勝利投手の権利を手にしていたが逆転負け。今季12度目のホールドをマークした。福原忍(現2軍投手コーチ)の39歳105日を抜き、球団記録を塗り替えた。
◆阪神藤川が3者連続空振り三振の好リリーフをみせた。 能見に代わって5番手で8回に登場。直球と変化球で手玉に取り、高橋、福田、武山を次々にぶった切った。だが好投で最終回につなぐも逆転負け。「また明日もみんなで前向きにやっていかないといけない。止まっている時間はないので」と切り替えた。
◆俺に任せろ! 11日の中日戦(甲子園)に中6日で先発する阪神・メッセンジャーが10日、甲子園で投手指名練習に参加。キャッチボールなどで汗を流すと、大型連戦では中5日でフル稼働していく意欲を語った。「もちろん。僕しかできないと思っていますし、この8年間そうやってやってきている。準備はできています」。日米通算100勝まであと「1」としてから4度足踏みしている右腕。大台に到達する白星を挙げ、弾みをつける。
◆阪神はメッセンジャー、中日はガルシアが先発した。中日は一回二死一、二塁から、アルモンテが13号3ランを放ち先制。阪神は三回二死一、三塁から、糸井の右前適時打で1点を返した。 中日は四回、先頭打者のビシエドが25号ソロを放ち、突き放す。さらに一死一、三塁から、松井雅の顔付近に死球を与え、メッセンジャーが危険球で退場となった。
◆中日が接戦を制し、5連勝とした。1点を追う九回にソイロ・アルモンテ外野手(29)が逆転の2点打を放つなど5打点の活躍を見せた。 中日は一回二死一、二塁から、アルモンテが13号3ランを放ち先制。阪神は三回二死一、三塁から、糸井の右前適時打で1点を返した。中日は四回、先頭打者のビシエドが25号ソロを放ち、突き放す。さらに一死一、三塁から、松井雅の顔付近に死球を与え、メッセンジャーが危険球で退場となった。 阪神はその裏、先頭打者の大山が4号ソロを放つと、さらに一死一、三塁から北條の右翼線適時二塁打、続く福留の打席でガルシアがボーク。走者が進塁し、同点に追いついた。 中日は五回二死一、三塁から、高橋の中前適時打で5-4。阪神はその裏、二死満塁から、糸原が押し出しの四球を選んで同点に追いつくと、七回に大山がこの日2本目となる5号ソロを放ち勝ち越したが、中日が九回二死満塁から、アルモンテの中前2点打で逆転。その裏を佐藤が抑え、逃げ切った。
◆阪神の大山が自身初の1試合2本塁打を放った。四回にソロを放ち、5-5の七回にも先頭打者で、一時は勝ち越しとなる5号ソロを左越えに運んだ。 五回無死一塁ではバント安打を決めて好機を演出するなど、3安打2打点の活躍を見せた。それでも九回は左飛に打ち取られて最後の打者となり「勝ち負けが全て。最後に出られなかったのも反省」と話した。 ドリス(九回に逆転を許し) 「球自体はそんなに悪くなかった。あの(逆転打の)球は上に行ってしまって、安打になる確率が高くなってしまった」
◆阪神の福留が六回に内野安打を放った際に右脚を痛め、代走を送られて退いた。球団広報によると、右太ももの張りで大事をとって交代し、病院には行っていないという。
◆中日の松井雅は四回の打席でメッセンジャーの投球を頭部付近に受け、途中交代した。兵庫県西宮市内の病院で右あごの打撲と診断された。 ガルシア(5回5失点) 「リズムがつかめず、リードを守り切ることができなかった」 ビシエド(25号ソロ) 「いいスイングができた。ポール際だったが、切れなくてよかった」
◆う、うそやろー!! 虎のエース、メッセンジャーが危険球退場で暗~いムードを、テニスの全米オープン女子単を制した大『坂』でもなく、メジャー1年目で日本人最多の19本塁打を記録した大『谷』でもなく、虎の将来の大砲、大『山』の2本のホームランで勝利目前としてやっぱり『坂』や『谷』より阪神ファンは『山』がサイコー!! と絶叫していたのに...。九回に守護神が山から坂を転がって谷底に落ちるような逆転マウンドを演じるかよ!(涙) しかも、かわいい女子(?)を泣かす阪神は許せ~ん!! 本日、テレビ観戦をしていたら、ネット裏の一番前に山瀬まみちゃんがご夫婦でいたの気付きました?(ご主人で俳優の中上雅巳くんは大の阪神ファンなんだよネ) そのまみちゃん、九回先頭の藤井をアウトにしたときは勝利の黄色いジェット風船を高々と掲げていたのに、一死満塁のピンチでは静かに引っ込め、二死を取った途端に再び高々と...。しかし、アルモンテに逆転打を許した後は風船はすっかり消え、涙ぐんでたじゃねーか!! 『新婚さんいらっしゃい!』じゃねーよ、虎よ『白星さんいらっしゃい!』で夫婦円満にしてやれよー!!
◆--大山が2発。いい流れだった 金本監督 「あそこで逃げ切るのがうちのアレですけどね。ドリスが打たれたわけですから」 --福留の状態は 「ちょっとわからんね」 --右足か 「知らん、どっちかわからん」 --メッセンジャーは5試合勝ちなし。球威が落ちている 「疲れもあるんじゃないかな」 --大山はこういう打撃を期待している 「もちろん、もちろん」 --7連戦の初戦だった 「絶対、何としてもきょうは取りたかったけど、最後の最後でこうなったから、仕方ないですね。明日切り替えてやっていきます」
◆イワシの頭も信心から...というけれど「ゴリラの頭もアテになる...」。 あのね、別に赤ちょうちんで酒のアテを選んでいるんじゃないんだ。つまりです。この日の当番デスク野下俊晴はわが社ではかなりマトモな思考回路をもったヤツなんです。そやつが出社してくるなり、おもむろにこう言うじゃないですか。 「僕は最近、サッパリなので、今日は編集総括の運動部長の"勝ち運"をアテにして頑張りマスわ...ヨロシクッ...」 暦の上では二百十日です。最近じゃ日本列島はドガチャガで、ほとんど毎日が乱脈な二百十日の大バーゲン。そこにゴリラの勝ち運なんかをあてこんでは多分ロクなことはない...と思った。それで編集総括席をみると...わがゴリラ部長稲見誠がまじめくさって座って「確かに...僕はまぁまぁの勝率なんですョ。しかし...」。 くそ真面目なゴリラ稲見だって、遠く離れた甲子園の虎の勝敗を大阪・難波の編集局でコントロールできるわけもない。 新聞社ってトコはいつもこんな会話をしているわけじゃないのです。本当はもっと複雑怪奇? な話をカンカンがくがくやっているんですが、最近はもう恐山から祈祷(きとう)師でもきていただかないという空気も漂ってきてマスヮ。 そんなこんなで試合前は2軍戦の藤浪晋太郎投手を取材したトラ番箭内桃子記者に恐る恐る「藤浪リポート」を聞くと「それが...まぁまぁの内容でしたヮ」とのこと。それについては箭内の記事をお読みください。 そしてプレーボール。トラ番新里公章の電話では、阪神2軍のキャンプ地の高知県安芸市の横山幾夫市長が激励に訪れたそうだ。同市の観光大使を務める掛布雅之オーナー付SEAとも歓談されていたそうだが、市長もまた居ても立ってもいられない心境なのかもしれない。 試合はいきなりアルモンテの3ラン! 総括席でゴリラ部長も口をへの字だョ。 つまり、いろいろなタイガースを取り巻く人物が悲喜こもごもの"人間模様"を描いた。しかし...四回にメッセが中日松井雅に死球で「危険球退場」となって、彼はこれでまた日米通算100勝はお預け。ゲームが突如"震度7級"の大荒れ...ボークあり、拙守、拙攻...大山のホームランも出て、中盤はどっちがイイ試合をしてどちらがマズイ試合なのかはさっぱりわからない混濁状態。五回終わって5-5。相棒の捕手が死球で病院に搬送されてリズムが乱れたのか、ガルシアもメッセと同じ独り相撲。 おかげで虎ソナ席でもスコアブックはゴチャゴチャの真っ黒け状態。 野下デスクはもうほえる気力もうせて、肩を上下させて総括ゴリラ部長の"狂運"を横ニラミだ。 終盤にはいると実は断然、抑え投手陣が充実している阪神が有利。とにかく台風の強風で電線があっちこっちとブチ切れたような混線からもう停電寸前? 福留選手も六回の全力疾走で足を痛めて...伊藤隼と交代と、まるで"白兵戦"の様相を呈したのです。 そしてついに出ました! われらが大山悠輔のこの試合2発目のアーチが七回に出たのです。いいですか。これで...これで...後は藤川→ドリスと虎の勝ちパターンに入ってどやさ! でも、ゴールに向かって直線に入り、毎度こんな試合をやってちゃあ...スタミナ切れが心配であります。私共には締め切りという厳粛なる事実がございます。延長戦なんてないッ。これから先が心配。何人かはわれわれも救急搬送と隣り合わせで...これから先が心配。何人かはわれわれも救急搬送と隣り合わせで...ああ、それが現実になりました! ゴリラ大明神の御利益をアテにした私と野下デスクが反省しております...トホホ。
◆能見が福原(現2軍投手コーチ)を抜き、39歳106日で球団最年長ホールドを記録した。七回から4番手として登板。二死からビシエドに死球を許したが、続くアルモンテを変化球で空振り三振に斬り、無失点で抑えた。その裏の攻撃で勝ち越して一時は勝利投手の権利を得たが、九回に逆転されてホールドがついた。球団記録更新にも「仕事、仕事」と冷静だった。
◆藤川が3者連続三振で試合の流れを渡さなかった。1点リードの八回から登板すると、まずは高橋をインコースの直球で空振り三振。続く福田は変化球、武山は148キロの真っすぐで空振り三振を奪い、3人でピシャリと抑えた。逆転負けにも「まあ、またあした。前向きにやっていくしかない。止まっている時間はないのでね」と淡々と話した。
◆5-6の九回に四球と2安打で二死満塁の好機をつくり、アルモンテが高めの直球をたたき、しぶとく中前へ運ぶ逆転の2点適時打。5打点の5番打者は「チームの勝利のために集中していた」と胸を張った。投手陣の乱調を打線がカバーして接戦をものし、今季最長に並ぶ5連勝。森監督は「これが残り100試合くらいでできていたらな」と冗談交じりに喜んだ。
◆阪神のランディ・メッセンジャー投手(37)が11日、中日戦(甲子園)で、危険球による退場処分を受けた。危険球による退場は今季両リーグで10人目。四回一死一、三塁で、中日・松井雅人捕手(30)の頭部付近に投球を当てた。 しまった! メッセンジャーはマウンドを降りて松井雅に歩み寄った。日米通算100勝目を挙げるはずが、四回に危険球退場。うなだれて、グラウンドをあとにした。 退場処分は、4月12日の広島戦(甲子園)で二回途中に球審への暴言で退場となって以来、今季2度目、危険球に限れば来日1年目の2010年9月8日に中日戦(スカイマーク)で退場となって以来のことだ。「松井選手にもチームにも、申し訳ないです」と反省の弁を述べた。 日米通算99勝としながら、8月10日のDeNA戦(横浜)以来5試合連続勝ち星から遠ざかる。金本監督は「キレがないわね。変化球も浮いているし。もう1回、何とか調整してほしいですけどね」と投手陣の大黒柱の復調を願った。 (菊地峻太朗)
◆ヒーローこそ手からこぼれていったが、この快音が聞きたかった。スタンドインを確信した左翼席の虎党が、思わず立ち上がる。大山が一時勝ち越しの5号ソロだ。プロ初の1試合2発で、必死に竜に食らいついた。 「勝ち負けが全てなので、最後に出られなかったことが反省。全てだと思います」 九回二死で左飛。最後の打者となったことが口をついたが、力強く打線を引っ張った。 5-5で迎えた七回無死。カウント3-1からの5球目、福谷の151キロをジャストミートした。一時勝ち越しとなる値千金の一発。足早にダイヤモンドを回ると、少しだけ笑みがこぼれた。 反撃ののろしをあげたのもまた、この男だ。1-4の四回先頭。ガルシアの初球を左中間最深部に突き刺した。火がついた打線は、この回に3点を奪い同点に。五回無死一塁では三塁線に意表をつくセーフティーバントを決めて、今季4度目の猛打賞を記録した。 2年目とはいえ、立派な先輩だ。「貸してください!」。大山の赤いマスコットバットを振ってみた1年目の熊谷に、頭を下げて頼まれた。手のひらをボロボロにしながら打撃向上のヒントを探す後輩に、大山は快諾。熊谷も「まだまだこれから。探っているところです」と"相棒"を手に必死に振り込む日々を送っている。 金本監督は「あそこで逃げ切るのがうちのアレですけどね」とうなだれたが、調子をあげてきた若き大砲に「もちろん、もちろん」と期待を隠さなかった。9月打率・464(28打数13安打)と波にのる背番号3。勝負の季節。勝利のためだけに、バットを振る。 (竹村岳)
◆あと1人コールからの暗転で、勝利への道はついえた。ドリスが逆転打を浴び、大型連戦の頭をとれなかった。絶対的守護神のオーラは、竜打線の勢いの前にしぼんでいった。敗戦後、表情をこわばらせながら淡々と語った。 「球自体は悪くなかったと思いますが、あの球は(コースが)上にいって、ヒットになる確率が高くなったと思います」 あの球-。右腕が悔いたのは、6-5で迎えた九回二死満塁からアルモンテに投じた3球目だ。制球が定まらず、初球からフォークを2球続けたがストライクが入らず、カウント1-1からの高め154キロを弾き返されて、二遊間をしぶとく破られた。 逆転の2点打を許し、あと1人コールで背中を押していた虎党の手から黄色い風船が離れた。秋風に流されて、外野の芝の上に落ちた"希望"を球場スタッフが回収するために、試合は一時中断した。なおも二死一、二塁から高橋はキレ味を取り戻したフォークで空振り三振に斬ったが、時すでに遅し...。 九回裏の攻撃で再逆転できずに今季5敗目(1勝)を喫し、セーブ機会で3度目の失敗となってしまった。守護神が仕事を果たせず、金本監督も「う~ん、まぁね...。ドリスが打たれたわけですから」とガックリだ。守護神の頼もしさを象徴するように、8回終了時にリードしていた場合、今季は50勝0敗という不敗神話があったが、それもこの日でストップ。単なる1敗以上にショックの大きい夜となった。 ドリスは「最後を任されている以上は何連投であれ、言われたところで投げようと思います」と大型連戦を前にして、チームへの献身を誓っていた。今夜のような悪夢はもうみたくない。昨季のセーブ王の意地が、勝負の秋に試される。 (新里公章) 投手陣について阪神・香田投手コーチ 「(リリーフが)よく頑張ってくれましたが、最後は残念。(ドリスは走者が出てしまうと厳しい? との問いに)それでは困るんですけどね。次は頑張ってくれるでしょう」
◆え、えらいこっちゃ! 阪神は守護神ドリスが打たれて、最下位中日にまさかの逆転負け。六回の走塁で福留孝介外野手(41)が右太ももを痛め、12日に検査を受けることになった。クライマックスシリーズ(CS)出場に向けての正念場で、大黒柱中の大黒柱が離脱危機。中日とは1・5ゲーム差と、ホンマにヤバい!! あと1人だった。アルモンテの打球が中前に抜け、ドリスが逆転を許すと、怒りのジェット風船がグラウンドに乱れ飛んだ。係員が回収に走り、試合は一時中断。怒声も飛び交った。CS進出を占う7連戦は最悪の開幕。そしてグラウンドに福留の姿はなかった。 「ちょっとわからんね。検査にいって...」 試合後、金本監督は険しい表情で口を開いた。 5-5の六回だった。先頭・福留が代わったばかりの左腕・ロドリゲスからバットを折りながらも遊撃内野安打。歯を食いしばり、右足でベースを踏んで駆け抜ける。杉本一塁塁審が手を広げた瞬間、マンモスはわき上がったが、福留は苦悶の表情で膝に手をやった。 すぐにトレーナーが走る。ベンチへと下がる。治療に時間をかけることもなく代走・伊藤隼が送り出された。球団広報は試合後、右太ももの張りで大事をとっての交代だと発表したが、六回攻撃中に福留がクラブハウスへと引き揚げる際には「きょうは(取材)なしでお願いします」と"規制"するほど、緊迫した空気が漂っていた。 12日に精密検査を受け、今後の出場について判断する見通しだが、出場選手登録抹消という最悪の可能性も出てきた。片岡ヘッド兼打撃コーチも「明日にならないとわからない」。福留は階段を上る際も、帰りの車に乗り込む際も自力で歩いていたが、問いかけに応じず無言を貫いた。 金本監督にとっても痛恨だ。福留の起用法について「残り試合、全部頑張ってもらうぐらいのつもりで。『少々無理をしてもいくぞ』というのは伝えている」と、これまで与えてきた積極的休養をお預けにすることを明言したばかり。今季はここまでチーム最多の65打点、本塁打も糸井の15本に次ぐ14本を放ち、虎をけん引してきた。 休養を挟みつつ出場してきたおかげで、9月も打率・500(30打数15打点)、2本塁打、9打点と好調維持。2ゲーム差の3位巨人を追い、最悪20連戦も想定される過密日程は福留の力なくして乗り越えられない。そう思うからこそ、この日も今季4打席(2打数1安打2四球)しか対戦がなかった左腕・ガルシア相手でも7連戦初戦のスタメンを任せたが...。 借金は再び8に戻り、6位中日とは1・5差。松井雅への危険球で退場したメッセンジャーも状態が悪い。福留が離脱となれば大黒柱不在。最下位転落危機だ。 金本監督も「絶対何としてもきょうは取りたかったけど、最後の最後でこうなったから仕方ないですね。明日切り替えてやっていきます」と話すのがやっと。CS進出へ向けて、早くも最大の窮地に陥った。 (阿部祐亮) ★全力プレーゆえ 常に全力プレーゆえ、福留は故障することも多い。阪神加入1年目の2013年5月には走塁で左膝を痛めて離脱、手術を受けた。この年は終盤に左右のふくらはぎも痛めた。14年3月には守備で西岡と激突し、胸部打撲。ただ、このときは離脱しなかった。15年8月にはスイングした際に右手中指を負傷。このときも痛みに耐えて出場を続けていた。 ★金本監督の福留のリミッター解禁VTR 金本監督は3日、翌日からの広島戦(マツダ)を前にして福留について「残り試合、全部頑張ってもらうぐらいのつもりで。『少々無理してでもいくぞ』というのは(本人に)伝えている」と発言。41歳という年齢を考慮して休養日を設けながらシーズンを戦ってきたが、終盤の連戦にフル参戦させる意向を示していた。
◆痛い1敗ではあるが、クローザーが打たれての負けなので、割り切るしかない。そんな中で大山の2本塁打、さらには打席内容は、この先の戦いで十分に期待できる。広島戦あたりから、明らかに状態は上がってきていた。昨年後半、さらには4番を任されたクライマックスシリーズの絶好調時に戻ったといってもいい。 具体的には、タイミングを大きく取らなくなっている。足のあげ方、体重のかけ方など、打席での動きをコンパクトにしていることが功を奏しているように感じた。2本塁打は文句なしの打球。さらには1本目の本塁打を打った直後のセーフティーバントも、心の余裕が出てきた証拠。九回の最終打席(左飛)も内容は悪くなかった。 福留の状態が分からず、陽川の調子もあまりいいとは言えないのが現状。一方で大山の打撃は明らかに上向き。クリーンアップを任せられる力は十分に取り戻している。最近は打線を固定して戦ってきた阪神だが、思い切って変更しやすくなったのは事実だろう。 (サンケイスポ専属評論家)
<セ・リーグ順位表推移>
順位 | チーム名 | 勝数 | 負数 | 引分 | 勝率 | 首位差 | 残試合 | 得点 | 失点 | 本塁打 | 盗塁 | 打率 | 防御率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 (-) |
広島 |
72 | 50 | 2 | 0.59 (↓0.005) | M9 (-) |
19 | 636 (+4) | 570 (+5) | 163 (-) | 77 (-) |
0.266 (-) | 4.17 (↓0.01) |
2 (-) |
ヤクルト |
61 | 61 | 1 | 0.5 (↑0.004) | 11 (↑1) |
20 | 576 (+4) | 602 (+1) | 117 (-) | 63 (-) |
0.269 (-) | 4.41 (↑0.03) |
3 (-) |
巨人 |
60 | 64 | 3 | 0.484 (↓0.004) | 13 (-) |
16 | 567 (+1) | 525 (+4) | 133 (+1) | 58 (-) |
0.26 (↓0.001) | 3.91 (↑0.02) |
4 (-) |
阪神 |
54 | 62 | 1 | 0.466 (↓0.004) | 15 (-) |
26 | 480 (+6) | 513 (+7) | 74 (+2) | 61 (-) |
0.255 (-) | 4 (↓0.03) |
5 (-) |
DeNA |
55 | 65 | 2 | 0.458 (↑0.004) | 16 (↑1) |
21 | 492 (+5) | 571 (+4) | 152 (+1) | 69 (+1) |
0.253 (-) | 4.33 (-) |
6 (-) |
中日 |
58 | 69 | 2 | 0.457 (↑0.005) | 16.5 (↑1) |
14 | 553 (+7) | 587 (+6) | 88 (+2) | 56 (-) |
0.265 (-) | 4.34 (-) |
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