1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | 安 | 失 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
ヤクルト |
0 | 4 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 4 | 10 | 2 |
阪神 |
0 | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 11 | 1 |
勝利投手:古野 正人(1勝1敗0S) (セーブ:石山 泰稚(3勝2敗24S)) 敗戦投手:メッセンジャー(11勝7敗0S) |
◆ヤクルトは2回表、中村の3ランで先制する。さらに2死一二塁の好機をつくると、青木の適時打でリードを広げた。投げては、先発・古野が5回2失点で3年ぶりの白星となる今季初勝利。その後は4人の継投で逃げ切った。敗れた阪神は、最終回に一打同点の好機をつくるも、あと一歩及ばなかった。
◆阪神ランディ・メッセンジャー投手の日米通算100勝は、またもお預けとなった。 この日は6回8安打4失点で降板。2回に8番中村に手痛い3ランを浴びた。 8月10日DeNA戦(横浜)以来、勝ち星に恵まれず、日米通算100勝まで足踏み状態。次回登板での達成を目指すことになる。
◆阪神ランディ・メッセンジャー投手(37)が8年連続で規定投球回に到達した。外国人投手では郭泰源(西武)に並ぶ最多8度目で、8年連続での到達は史上初となった。 この試合で2回2/3を投げた時点でシーズン規定投球回に到達。3回1死二塁から6番西浦を遊ゴロに打ち取ったところで偉業を成し遂げた。 また、6回を投げきり、NPB通算1500投球回に到達した。外国人投手では歴代4人目の到達だ。達成後は一塁側ベンチ前で花束を受け取り、帽子を取った。スタンドからは拍手と「ランディコール」が送られた。日米通算100勝にも残り「1」と迫っており、この試合で勝ち星を挙げることができれば「ダブル達成」となる。
◆阪神エフレン・ナバーロ内野手が反撃となる右前適時打を放った。 4点を追う4回1死二塁。ヤクルト古野の139キロシュートを捉えると、打球は一、二塁間を割った。二塁走者の糸井が懸命に滑り込むと本塁はセーフ。「0行進」を続けていたが、1点を返して虎を勢いづけた。
◆ヤクルト青木宣親外野手が、2試合ぶりの先発復帰で適時打を放った。 2回に中村の5号3ランで先制してなお2死一、二塁、フルカウントから阪神メッセンジャー直球を左翼へはじき返した。「まだまだ序盤だけど一気に点を取りたいと思い、打席に入りました」とコメントした。
◆ヤクルト中村悠平捕手が、先制の5号3ランを放った。 2回2死一、二塁、阪神メッセンジャーの初球140キロを強振。風にも乗って左翼席まで届いた。15年以来3シーズンぶりの勝利を目指す先発古野を後押しする1発に「打ったのは直球。チャンスだったので積極的にコンパクトに打ちましたが、結果的に最高の結果になりました」と喜んだ。
◆阪神ランディ・メッセンジャー投手(37)は2つの記録を勝利で飾れなかった。 3回2死を奪った時点で8年連続シーズン規定投球回(143回)に到達した。外国人投手では郭泰源(西武)に並ぶ史上最多。現在続いている記録としても最長だ。さらに6回を投げ終えた時点で通算1500投球回にも到達した。6回表終了時に花束を受け取ったが、笑顔はなかった。 「あそこ以外はだいたいよかったとは思うんだけど...」と振り返ったのが2回だった。2死走者なしから西浦に2ストライクからの3球目を二塁打され、中村に手痛い3ラン。投手古野に四球を与えるなどして、さらにもう1点追加され、計4点を先制された。 3回以降は持ち直して6回4失点にまとめたが、打線がビハインドをはね返せずに7敗目(11勝)。日米通算100勝に王手をかけてから3度目の足踏みとなった。
◆阪神エフレン・ナバーロ内野手が来日2度目となる猛打賞を記録した。 「(3安打に)感触は非常によかった。結果が出たことはよかったのですが、勝利に貢献できなかったことが悔しい」 ナバーロは勝利に向かってバットを振る。
◆ヤクルトは4連勝で、4月以来となる貯金1とした。2回に中村の3点本塁打と青木の適時打で4点を先取し、5回2失点と粘った古野が救援陣の好投もあって3年ぶりの白星。阪神は日米通算100勝に王手をかけているメッセンジャーが、2回は辛抱できなかった。
◆ヤクルト古野正人投手が5回2失点で、15年6月25日中日戦以来3年ぶりの白星を手にした。 初回こそ3者凡退も、2回以降は毎回走者を背負った。それでも得意のシュートを軸とした強気の投球でチームを4連勝に導き、4月16日以来の貯金生活に突入させた。 古野は16年に右肩を負傷し、育成契約をへて今季に支配下に再登録された苦労人。地元兵庫での復活劇に「とにかくうれしい。リハビリの2年間の積み重ねてきたものが、全て出せた。内容はどうであれ、勝ちにつながったから素晴らしいことだと思う。チームが勝てるのがすべてだと思っていた。(甲子園の阪神戦は)小さい頃からテレビで見ていた。ビジターの応援に負けないように、逆にはね返そうと思った。また何回チャンスがあるか分からないけど、次の準備をしっかりしたい」と笑顔で話した。
◆連夜の代打成功だった。阪神原口文仁捕手が9回1死一塁に代打で登場。前日28日ヤクルト戦(甲子園)と同じ、ヤクルト石山から中前打を放ちチャンス拡大に成功した。 「しっかり打てました。もちろん、なんとかした場面だったので」 これで今季の代打成績は41打数20安打の打率4割8分8厘。驚異の代打成功率を誇っている。
◆ヤクルトが4月16日以来の貯金生活に入った。敵地での阪神戦は、ローテの谷間に先発した古野正人投手(31)が5回2失点と好投。右肩を痛めて育成選手を経験した苦労人が、15年6月25日中日戦以来3年ぶりの白星を挙げ、貯金1の立役者となった。チームは2位をガッチリとキープ。昨季借金51、断然最下位からの巻き返しが続く。 目尻をいっぱいに下げて、古野が三塁側ベンチを飛びだした。守護神石山が9回のピンチをしのぎ、3年ぶりの白星を手にした。「とにかくうれしい。リハビリの2年間の積み重ねを全て出せた」と喜んだ。 気迫が違った。得意のシュートをどんどん突っ込んだ。5回2死二塁で糸井を遊ゴロに仕留めて勝利投手の権利を手にすると、空にほえた。先発ローテの谷間で巡ってきた今季2度目の1軍登板は5回6安打2失点。「内容はどうあれ勝ちにつながったのが素晴らしい」と喜びをかみしめた。16年6月15日、どん底に突き落とされた。先発したソフトバンク戦で投ゴロを処理した際に右肩を脱臼。苦難の幕開けだった。オフに育成契約を結んだが、至近距離からネットに投げるだけで悲鳴を上げた。17年オフには自由契約。「その時の感情がないというか...『終わったな』と思っていました」。再びヤクルトと育成契約を結んだ今季はラストチャンスだった。今季は7月中旬でも支配下復帰の声は掛からなかった。不安と恐怖で眠れなくなった。「メンタルをやられました」と未来が描けず、逃げ出したくもなった。そんなとき、高津2軍監督の言葉を聞いた。「昨日より今日、今日より明日をいい日にしよう」。今を生きるのが大事だと思い出した。変なアピール心を捨てて右腕を振った先に、支配下登録の吉報が届いた。「周りの皆さんのおかげ。結果で返していかないと」。負傷から805日。生まれ故郷の兵庫にある、13年4月19日にプロ初マウンドを踏んだ甲子園の地で、痛みと不安との闘いから解放された。今日にも出場選手登録を抹消されるが「次への準備をしっかりして過ごしたい」と言った。昨季96敗の苦難を乗り越えてクライマックスシリーズ進出を目指すヤクルトには、こんな男も控えている。【浜本卓也】
◆今季のヤクルトは敵地での奮闘が光る。昨季は15勝56敗と苦しんだが今季は23勝31敗1分け。カード勝ち越し数も本拠地の10と1つしか違わない9と、ビジターの善戦が広島以外で唯一の貯金生活へ導いている。 躍進の鍵は「朝」にあった。朝食後、30歳以下の野手は遠征先の宿舎で約30分間の素振りと筋トレを行う。この日も山田哲や中村らがバットを振った。昨季までコーチを務めていた広島での取り組みを導入した石井琢打撃コーチは「意識付けです。ビジターだと練習量も減るし、スイングをつくるのは簡単ではないので」と説明。試合後にも実施し、振り込む量を落とさない下積みを続けていた。 朝の素振りにより、コンディションも上がった。主将の中村は「体がシャキッとする。リズムがいい」と言う。昨季までは午後の出発直前まで部屋で過ごした時間に体を起こすことで、試合序盤から力を発揮できる状況も生まれている。 そんな地道な積み重ねが、難敵メッセンジャーの2年ぶり撃破につながった。2回2死一、二塁、中村が定石通りに四球後の初球を強振して左翼席へ先制3ラン。2死一、二塁では休養から2試合ぶり復帰の青木が左前適時打を放ち、一挙4得点の速攻を決めた。 16年8月6日の勝利を最後にやられっぱなしだった天敵に土をつけ、4連勝を飾った。継続は力。クライマックスシリーズ進出まで場所不問で打ち続ける。【ヤクルト担当=浜本卓也】
◆ヤクルトが4月16日以来の貯金生活に入った。敵地での阪神戦は、ローテの谷間に先発した古野正人投手(31)が5回2失点と好投。右肩を痛めて育成選手を経験した苦労人が、15年6月25日中日戦以来3年ぶりの白星を挙げ、貯金1の立役者となった。 <ヤクルトで復活を遂げた選手> 生え抜きの投手では、右肘手術や椎間板ヘルニアなどに苦しんだ荒木大輔が92年に約4年ぶりに復活。伊藤智仁は2年目の94年から右肩などの故障に苦しんだが、97年に7勝2敗19セーブでカムバック賞を受賞。右肩手術後に育成契約を結んで支配下に再登録された由規は16年に1軍登板を果たし、約5年間の苦難を乗り越えた。 他球団からの移籍組では、元オリックスの坂口は現在打率3割超の1番打者として活躍。オリックスからトレードで加入した近藤も不動のセットアッパーとして勝利の方程式の一角を担う。田代、鵜久森、大松らもヤクルトで能力を発揮。また、野村克也監督時代には田畑一也(現投手コーチ)や小早川毅彦らの移籍組が活躍し、「再生工場」という名称が生まれた。
◆神様の一撃で、甲子園が夢を見た。2点を追う9回1死一塁、阪神原口が代打コールされるとスタンドが沸き返った。その期待通り、連夜の対戦となった石山から中前打を放ち、一打同点、サヨナラへの好機を拡大した。「しっかり打てました。もちろん、なんとかしたい場面だったので」。 後続が凡打して笑顔はなかったが、完全に神様の領域だ。今季の代打成績は41打数20安打の打率4割8分8厘。与えられたチャンスで、極限まで集中力を高めて打席に向かう。この日は「タイミングが合わなかったので...」と打席を外す形で初球を見逃し。そこから全神経を研ぎ澄まし、一球入魂で快打につなげた。 球団記録も手の届くところにある。代打でのシーズン20安打は猛虎歴代3位で、2位の86年永尾泰憲まであと2本。そして08年に桧山進次郎が放った最多の23本にもあと3本だ。記録更新もモチベーションになりつつある。「また頑張ります」。敗戦の中、希望の星がきらめいた。【真柴健】
◆悲しき勲章だ。阪神先発のランディ・メッセンジャー投手(37)は、にこりともせずに花束を受け取った。6回を投げ終えた時点で、通算1500投球回に到達。大きな拍手を浴びたが、負け展開では笑えない。そのまま今季12勝目、日米通算100勝の権利を持つことなく、ベンチに下がった。 「4点取られたというだけだよ。あそこ以外はだいたいよかったとは思うんだけど...」 魔の2回だった。投ゴロ併殺で2死走者なしとしてから悪夢が始まった。西浦に対して2ストライクからの3球目が甘く入り、二塁打。金本監督も投手コーチも「もったいない」と指摘したシーン。四球をはさんで中村に先制3ラン。仕切り直しで切るはずの投手古野に四球を与え、再びピンチを招いてもう1点失った。右腕はマウンドで必死に自分への怒りを押し殺しているように見えた。 女房役の梅野が悔しがる。「2回だけ、と言っても4点は大きい。下位でアウトを取れるところで取れなかった。ランディも(長い)年数やってきて、自分でやりたいことはあると思う。バッテリーで改善しないといけない。粘るのが一番大事なので」。詳細は当然明かせないが、配球や工夫によっては防げた4点だったとの認識だった。 快挙もかすむ。3回2死をとったところで8年連続シーズン規定投球回(143回)に到達した。継続記録としては最長を更新し、外国人投手では郭泰源(西武)に並ぶ史上最多。長年、異国の地でエースとしてフル回転してきた勲章を、勝って飾ることができなかったのがむなしい。 歴史に名を刻んだ最強助っ人は「勝っていたら、なおよかったかなという感じだね」とポツリと言い残してロッカー室に消えていった。【柏原誠】 ▼阪神メッセンジャーが6回を投げ4失点。負け投手にはなったが、これで8年連続規定投球回数に到達した。外国人投手で規定投球回数到達を8度記録したのは郭泰源(西武)と並び歴代最多。また、メッセンジャーは通算1500投球回にも到達した。外国人投手で1500回以上は郭源治(中日)、郭泰源、バッキー(阪神、近鉄)に続き4人目の快挙だ。 ▼通算1500投球回=メッセンジャー(阪神) 29日のヤクルト18回戦(甲子園)の6回、坂口を二ゴロに打ち取って達成。プロ野球178人目。外国人投手では68年バッキー(阪神)91年郭源治(中日)95年郭泰源(西武)に次いで4人目。初投球回は10年3月26日の横浜1回戦(京セラドーム)。
◆阪神のCS甲子園開催がピンチに陥った。ヤクルトに手痛い連敗を喫し、2位とのゲーム差は今季最大の4・5に拡大。一気に差を詰めたい直接対決で逆に突き放され、厳しい状況に追い込まれた。1番に今季初めて板山祐太郎外野手(24)を置くなど、109試合で85通り目のオーダーを組み、中軸が7安打して好機を作ったがあと1本が出ず。金本知憲監督(50)は「私のミスです」と厳しい表情で現実を受け止めた。 金本監督は会見場の椅子に座ると、殺気だった感情をグッと押し殺すように床を見つめた。「1番二塁」に糸原を使わず板山を抜てきし、その板山が4打数無安打で途中交代。1、2番が機能せず、クリーンアップ3人で計7安打を放ちながら競り負けた。9回裏、最後は2死二、三塁の同点チャンスも逃した直後、指揮官の口からこぼれ落ちたのは自戒の言葉だった。 「(糸原が)あまりにもちょっと振れていないし、休養という意味もあったんですけど。機能しなかったんで、そこは私のミスですよ」 必勝を義務づけられた一戦だった。大黒柱メッセンジャーに対し、ヤクルト先発は古野。17年から今季7月まで育成選手だった右腕を、5回まで2得点と打ち崩せなかった。4点を先制された直後の2回裏には連打で無死一、二塁を作ったが、ヤクルト野手陣の好守に阻まれ、ライナーが正面を突く不運もあって3者連続凡退。勢いをそがれた後は何度も好機をつくりながら、10残塁で4回の2得点どまりに終わった。 試合前の時点で先発古野は防御率9・00。2番手中沢は防御率6・95、3番手梅野は11・57。この3人から2点しか奪えず、古野には3年ぶりの白星まで献上してしまったのだから、やるせない。1番に板山を配置したスタメンは今季109試合目で85通り目だった。この日も考え抜いたオーダーは計6イニングも得点圏に走者を進めながら、11安打2得点とかみ合わず。指揮官は「得点圏、チャンスでの打撃ですね」と静かに振り返った。 1カ月ぶりに帰ってきた甲子園でいきなり2連敗。これで聖地では今季16勝27敗1分けとなった。ヤクルトが座る2位に今季最大の4・5ゲーム差をつけられ、いよいよ本拠地CS開催が遠ざかり始めた。甲子園の重圧-。信じたくない現実に、指揮官は強い口調であらがった。「それは分からないけど。誰だって勝ちたいと思っているし、打ちたいと思っている」。4カード連続負け越しで今季ワーストタイの借金8。もう、負のデータに反応している時間もない。【佐井陽介】
◆ヤクルトの中村が二回、2014年にマークした自己最多に並ぶ5号先制3ランを放った。 二死から西浦が二塁打を放ち、宮本が四球を選んで一、二塁の好機で打席が回ってきた。制球が不安定なメッセンジャーの初球の速球をたたくと、打球は左翼席に飛び込んだ。1日以来の一発で先発の古野を援護した捕手は「チャンスだったので積極的にコンパクトに打ったが、結果的に最高の結果になった」と満足げに話した。
◆阪神はメッセンジャー、ヤクルトは古野が先発した。ヤクルトは二回、二死二、三塁で中村が左翼席へ5号3ランを放ち、先制。さらに二死一、二塁として青木が中前適時打を放ち、4-0とした。 阪神は四回、一死二塁からナバーロの右前適時打で1点を返した。さらに一死一、三塁から相手の適時失策でさらに1点を加えた。 ヤクルトの古野は5回6安打2失点(自責1)。六回は中沢が無失点に抑えた。試合は六回を終わってヤクルトが4-2とリードしている。
◆ヤクルトは阪神に競り勝ち、4連勝とした。二回に中村悠平捕手(28)が5号3ランを放つなど4点を奪い、主導権を握った。先発した古野正人投手(31)は5回6安打2失点(自責1)で2015年以来、3年ぶりの勝利を挙げた。阪神は2連敗。 阪神はメッセンジャー、ヤクルトは古野が先発した。ヤクルトは二回、二死二、三塁で中村が左翼席へ5号3ランを放ち、先制。さらに二死一、二塁として青木が中前適時打を放ち、4-0とした。 阪神は四回、一死二塁からナバーロの右前適時打で1点を返した。さらに一死一、三塁から相手の適時失策でさらに1点を加え2点差とした。 ヤクルトは六回からは継投に入り中沢、梅野、近藤とつなぎ、九回は石山が無失点で締めた。阪神は終盤にチャンスを作りながら、あと一本が出なかった。
◆ヤクルトは阪神に競り勝ち、4連勝とした。二回に中村悠平捕手(28)が5号3ランを放つなど4点を奪い、主導権を握った。先発した古野正人投手(31)は5回6安打2失点(自責1)で2015年以来、3年ぶりの勝利を挙げた。阪神は2連敗。以下は古野の試合後の一問一答。 --3年ぶりの勝利です 「もう、とにかくうれしい」 --投球を振り返って 「自分のリハビリの2年とか、そういったところを積み重ねたものが出せたピッチングだった。内容ではなくチームが勝てたことが大きかった」 --ベンチでの心境 「中継ぎの大変さもわかっている。抑えてくれよというよりは試合が終わった後に勝っていることが全て。アウト1つずつ取ってくれという気持ち。思い切り応援していた」 --地元での1勝 「小さい頃からテレビでも見ていた。ビジターでも応援がすごいので、応援に負けないように跳ね返すじゃないですけど(自分と同じ)関西の人たちだと思って投げた」 --次戦へ 「あと何回チャンスがあるかわからないが、いままで何もできていないので、ここでまたやりたい。1軍でまたみんなと戦いと思っている。全力で最後まで戦いたい」
◆ヤクルトの青木は二回の適時打など、今季2度目の4安打で4連勝を支え「自分の打撃ができた」と笑顔で話した。 二回は中村の3ランで先制してなお二死一、二塁。「つなぐ気持ち」とメッセンジャーの速球を左前に運んで貴重な追加点を奪った。五回は内野安打、七、九回は二塁打をマーク。打率を3割2分7厘に上げた。打線をけん引して先発の古野に3年ぶりの白星を付け「センターから見てもいい球を放っていた。勝ちが付いて良かったね」と満足げだった。 石山(24セーブ目) 「勝ったことが一番。投手も野手も全員で(先発の古野に)勝ちを付けるという気持ちがあった」 小川監督(4連勝で4月以来の貯金1) 「中村の一発が大きかった。これからですね」
◆つい最近まで背番号「118」。報徳学園高で甲子園に出場経験もあります。龍谷大から日産自動車→三菱重工神戸。2012年ドラフト6位でヤクルトに入団した。なんだ、報徳だし宝塚市出身だもの...地元じゃないか...古野正人投手。 肩の故障もございました。だから一時、育成契約となり...重たい背番号をつけて頑張ったけれどズッと下積みです。が、やっと今年7月から這い上がってきたのです。 シュートとカットボール...だけど堂々としてろ! というのは無理な注文ですヮ。だってまだ復帰後は1軍で1勝もしていない。 1974年のこの8月29日に宝塚歌劇団は『ベルサイユのばら』初演、そこからの大ヒット。69年のこの頃には『男はつらいよ』という映画が登場し、この主役の「寅さん」はドラマ編で一度はハブにかまれて死んじゃうのだけれど、それを生き返らせて主人公に。頼りないし、妹さくらに迷惑ばかりかけてトンチンカンで失恋ばかりして...なんとそれがギネスブック認定のシリーズ48作となり主役の渥美清は死後に『国民栄誉賞』に輝いたのです。だからやってみなきゃわかない...。 で、さっきから何をゴチャゴチャいうのか? といわれそうですが、申し訳ないがこっちはバリバリのエースのメッセンジャーだョ。ヤクルトとしては元々、投手陣は火の車なんだから...それこそ日本昔話みたいにみんながよってたかって「すまんがおまえがいっておくれ...」と涙ながらに"人身御供"に送り出すというヤツ。 こうなるとせめて私一人ぐらいは「ガンバレ! 古野」という気分になるんだ。それで編集局の窓際でそんなことはおくびにも出さずに...いつものようにかまえた。 「今日はまず大丈夫やろ。暑いの寒いのもいわんといてね。今夜はわかりやすい試合になるハズやからなぁ...」と編集委員上田雅昭。若い竹村岳記者は「実は今朝も僕はふんばりまして...」。何をふんばったんだ? ほら、もう忘れたんですか。僕が毎朝、雨が降ろうが槍が降ろうが「10キロ走り続けて丸3年、ついに達成しましたッ。これで365×3...あ、閏年があるから+1日で、1096日"完走"しました!」というのだ。ハイハイ...好きにしてくれい。竹村のスタミナと懲りない性格を若虎達は少し見習ってもらいたいョ。全然へこたれてないんです。 「ですから、その区切りの記念日で今日はメッセンジャー投手でスカッと快勝しますョ」と試合前に『縁日』でイチゴかき氷をゆっくりと楽しんだそうだ。なにしろメッセンジャー投手はこの試合では次の3点の記録がかかっていた。 (1)助っ人最多タイの8度目の規定投球回到達 (2)通算1500投球回 (3)日米通算100勝 しかも相手は...私めが編集局の中で"タッタ一人の古野応援団"を決め込んで...あわやとおもわせて...やっぱりメッセの貫禄勝ちというシナリオが古野の顔も立つし...阪神もホッとしてメデタシメデタシなんだけどナ。 それが「虎さん」の男はつらいよ編はアレレ、アレ...二回に二死走者無しから打者一巡、44球3四球、中村の3ランなどでメッセが4失点とヒレハレホレ...男は寅も虎もつらかった! あのね、たまにゃあ粋なフランス料理みたいな試合をやってくれい!
◆ --チャンスはたくさんあったが、あと1本が 金本監督「そうですね。まあ...得点圏の、チャンスでの打撃、ですね」 --点を取られた直後の二回裏は、相手の好捕などでツキもなかった 「あぁ、不運と言えば...まあ、相手がいいプレーしたんかな」 --板山をスタメンに抜てきしたのは糸原の状態も見てか 「そうですね、あまりにもちょっとこう、振れていないし、休養という意味もあったんですけど...。まあ、機能しなかったんで、そこはもう私のミスですよ」 --選手も甲子園で勝ちたいと思っていると思うが、プレッシャーか 「いや、それは分からないけど。誰だって勝ちたいと思っていますし、打ちたいと思っていますけどね」 --メッセンジャーは二回はもったいない形で 「(二死走者なしからの)西浦でしょうね、あそこでもったいなかったですね、(ダブルプレーで)2アウト取って。簡単に追い込んだ後からそうなってしまったんですから、まあもったいなかったですね」
◆誰だアー? 野球の聖地、甲子園の神様の機嫌を損ねているヤツはー!? 練習中にこっそり芝にオシッ○でもしたんやないか? そーでもなきゃ、今季甲子園で16勝27敗1分けってありえへんわー!! 前日、33日ぶりに地元虎党の前に戻ってきたのに連敗って、信じられへんわー!? しかも、恐るべきことに7月25日に19歳の才木が勝っていなかったら(甲子園の神様も若虎が首位広島を5回0/3を4安打3失点に抑える必死の投球に白星を与えてくださったのだろう)、この日までで、なんとさかのぼって同4日の中日戦まで56日! 更にそこで勝ちを逃していたら6月9日のロッテ戦まで81日間も六甲おろしが甲子園に響くことがなかったってんだから、仮の話しでもコワ~。てか、81日間で甲子園2勝って...。ありかー!? は~あ、前日に5番の陽川は本日ベンチ。巨人戦で3番に起用された大山もベンチ。で、いきなり下から上がった板山が1番でスタメン。プロの1軍投手の投球をいきなり打てって方がムリな話しだっての...。甲子園の神様がむくれているのは、どうやら、オシッ○じゃないようやねェ...。
◆中村が二回二死一、二塁からメッセンジャーが投じた140キロの直球をはじき返し、左越えに決勝3ランを放った。自身12試合ぶりの一発が2014年にマークした自己最多に並ぶ5号となり、「チャンスだったので積極的にコンパクトに打ったが、結果的に最高の結果になった」とにっこり。正捕手が先発の古野を強力に援護した。
◆リリーフ陣も先発・古野の力投に奮起した。六回から中沢-梅野-近藤-石山と1イニングずつの無失点リレー。九回を締め、24セーブ目を挙げた石山は「みんなが古野さんに勝ちをつけたいと思っていた。0点でいけたのはよかった」と3試合連続無失点の救援陣に胸を張り「自分のことは反省して、またあしたが重要」と気持ちを切り替えていた。
◆1軍で1人となった助っ人野手が、意地を見せた。「5番・一塁」で3試合ぶりにスタメン出場のナバーロが3安打1打点の活躍。11日のDeNA戦(横浜)以来、2度目の猛打賞を決めた。 「感触的にはよかったし、結果が出たのはよかったけど、一番重要なのはチームの勝利。そこに貢献できなかった思いもある...」 勝てなかったことを悔やんだが、二回に中前打を放つと、四回一死二塁で迎えた第2打席では、古野の真ん中低めの変化球を右前にはじき返し、チーム14イニングぶりの得点を刻む適時打だ。 「継続することが大事。毎日結果が出るようにしたい」 チームが甲子園で勝てないのに対し、N砲は打率・351と好相性。勝負の終盤戦を前にロサリオが27日に2軍降格となったなか、途中加入の助っ人が、勝利のためにバットを振り続ける。(菊地峻太朗)
◆W快挙も喜べるわけがなかった。悔やまれる二回。メッセンジャーが突如崩れ、1イニング4安打3四球で4失点。6回4失点で7敗目を喫し、日米通算100勝にあと「1」としてから、3度目の挑戦も失敗した。 「4点取られたという、それだけです。あそこ(二回)以外はよかったと思います」 なんとしても勝利で飾りたい日だった。来日9年目、2つの偉大な記録を達成した節目だった。まずは三回二死で、現役最長8年連続のシーズン規定投球回(143回)に到達。通算8度は外国人投手では郭泰源(西武)に並ぶ最多となった。 さらに六回を投げ終えて、通算1500投球回にも到達。こちらも外国人投手4人目。一塁ベンチに向かうところで記念の花束を受け取った。しかし、2-4の状況では笑顔はなかった。 振り返れば、あの回だけ-。一回は丁寧にコーナーを突く投球で3者凡退も、二回だ。微妙な制球に苦しみ、二死走者無し、2ストライクから西浦に右中間へ二塁打を浴びた。宮本には四球。二死一、二塁を背負い、続く中村にやられた。 初球、140キロの低め直球を振り抜かれると、打球は浜風に乗ってぐんぐん伸びた。左翼・福留の頭上を越え、スタンドイン。先制3ラン...。マウンドで両手を腰にやり悔しさをにじませた。 さらに投手の古野から連続四球で再び一、二塁とすると、青木にも左前適時打。あっという間に4失点目だ。 借金11を背負う甲子園では、これで7試合連続で先制を許してしまっている。攻撃陣が貧打に泣いているだけに、先発が踏ん張れないと勝てない-。誰よりもわかっているからこそ、二回の失点が悔しかった。金本監督も「西浦でしょうね。2アウトとって簡単に追い込んでからああなってしまったんだから。まあもったいないですよね」と苦言を呈した。 「勝てていたら、なおよかったかなという感じです」とメッセンジャー。次こそ自身もチームも勝つ。虎投の大黒柱が、今度こそ快投でメモリアルゲームにする。 (箭内桃子) メッセンジャーについて阪神・香田投手コーチ 「(二回は)いい形で2アウトを取った後の2ストライク後の1球(西浦の二塁打)。あれはもったいなかった。防ぎようがあった気がします」 ★メッセの歴代助っ人投手「1位」あらかると ◆規定投球回到達8度 郭泰源(西武)と並ぶ。8年連続は初 ◆2桁勝利7度 郭泰源が6度 ◆4年連続開幕投手 スタンカ(南海)が3年連続 ◆開幕戦勝利3度 ブロス(ヤクルト)が2度 ◆1シーズン226奪三振 2014年。2リーグ分立後では最多
◆ここぞの集中力をみせ続ける2018年。代打・原口がまた打った。積み重ねた今季の代打安打は、ついに節目の「20」に到達。神々しさすら漂ってきたバットで、最後までファイティングポーズを取った。 「しっかり打てました。何とかしたい場面だったので」 二回の4失点が重くのしかかり、迎えた2-4の九回。梅野が左前打を放つなど、一死一塁で出番だ。その初球、タイムをかけて打席を外すも守護神・石山が投じた球はストライク判定。「タイミングが合わなかったです」と頭をかいたが、集中力は途切れなかった。 直後の148キロ直球をとらえた。左中間に弾む中前打。1点を追う九回一死二塁から左前打を放った前日28日に続く、土壇場での快音。またも最後に見せ場を作った。 これで代打での成績は41打数20安打。打率は驚異の・488だ。シーズン代打安打で球団2位の永尾泰憲(1982年)の「22」まであと2本。残り34試合。桧山進次郎が持つ球団最多「23」も、十分に視界に入るところまでやってきた。 「本当、すごいことだよな」 声の主は山田バッテリーコーチ。代打として輝きを放つまな弟子に思わず、うなった。しかし...「でも、代打やからね。本人もわかっていると思う」。本職は、ミット-。コーチとして、愛情たっぷりにエールを送った。原口自身も試合前にブルペンに足を運ぶなど、準備は怠らない。捕手としての使命を胸に刻みながら、バット一本でチームに居場所を作り上げている。 「また頑張ります」 連夜の快音は、ともに得点に結びつかなかった。悔しい2連敗。自分の一打でチームが勝つ日まで、原口の「必死のパッチ」は、まだまだ続いていく。 (竹村岳)
◆頼むよ...。フロントも異例の懇願だ。阪神はヤクルトに2-4で敗れ、甲子園に戻ってから2連敗となった。借金は今季ワーストタイの8に膨らみ、聖地での負け越しも11。球団フロントは「執念を見せてほしい」と悲痛な思いを吐露した。首位広島とは15・5ゲーム差で、2位のツバメともあっという間に4・5差...。ここで執念を見せず、いつ見せるの!? ここは本当にあの甲子園なのか-。黄色い熱狂はいつも静まる。また負けた。また上位が遠のいた。試合後、球団フロントの口からは、異例の懇願が飛び出した。 「きのう(28日)もあと1本でしたし、きょうもあと1本。甲子園に戻ってきたんですし、『執念』を見せてほしい。夏休みで子供さんも多かったと思いますし...。『執念』を見せてほしい」 ほんの少し前まで、高校球児の「100回目の夏」で歓喜と熱狂に満ちていた聖地が、いざ虎戦士が立つと、ため息ばかり充満する。夏のロードを12勝12敗で終え、33日ぶりに戻った前日は「スミ1」で0-1負け。そして、この日も...。 二回の4点のビハインドを追い上げたが、届かない。2-4の九回は梅野と原口の安打で一死一、二塁としたが、北條が三ゴロ、福留が二ゴロでジ・エンド。11安打で10残塁に金本監督は「そうですね。まあ...得点圏の、チャンスでの打撃、ですね」と頭を抱えた。 ここ4試合で3度、零封負けの打線を活性化させるべく、糸原を"休養"させて前日に昇格させた板山を1番で起用も、4打数無安打。「機能しなかったんで、そこはもう私のミスですよ」。4カード連続負け越しで、借金は今季ワーストタイの8に膨らんだ。 足りないのは球団フロントが懇願した通り、ここぞでの「執念」だ。今季、甲子園で六回終了時にリードを許していると0勝25敗。「七回終了時にリードされていると50連敗」は26日の巨人戦(東京ドーム)で止めたが、聖地では変わらず、ひっくり返せない。 逃げ切らせてはいけない一戦だった。7月に支配下再登録されたばかりで、3年ぶりの白星を目指す先発の古野に5回2点。その後の燕救援陣も、2番手の中沢は試合前時点で防御率6・95。3番手の19歳、梅野も同11・57。捉えなくてはいけなかった。エースのメッセンジャーを立てた一戦で簡単に主導権を失い、取り返す「執念」が足らなかった。 ひと月以上をまたぎ、甲子園では3連敗&借金11。交流戦後は14戦で2勝12敗という惨状だ。 「プレッシャー? いや、それは分からないけど。誰だって勝ちたいと思っていますし、打ちたいと思っていますけど」 2位のヤクルトに連敗し、これで4・5ゲーム差。2位球団とのゲーム差では、7月にあった4を上回り、今季ワーストになった。クライマックスシリーズ(CS)の本拠地開催も、いよいよ厳しい。2位どころか、Aクラスも危うい。3位の巨人とも2ゲーム差だ。 「執念」を見せてほしい-。このまま、ずるずると落ちるわけにはいかない。 (長友孝輔)
◆ヤクルトは29日、阪神18回戦(甲子園)に4-2で勝ち、4連勝で4月16日以来、135日ぶりに貯金を「1」とした。先発の古野正人投手(31)が、5回6安打2失点(自責点1)で2015年6月25日の中日戦以来、1161日ぶりの白星。右肩を痛め、一度は育成契約となった右腕が力投を見せた。青木宣親外野手(36)が4安打するなど打線も奮起。3年ぶりのクライマックスシリーズ(CS)進出へ、チーム一丸で勝利をつかんだ。 "4度目の正直"で、貯金をつくった。6月29日の阪神戦(神宮)で借金を返済し、3度はね返されてきた貯金「1」の壁。先発の古野が粘りの投球で自身3年ぶりの勝利をつかみ、チームの4連勝と貯金生活を呼び込んだ。 「うれしいです。2年間のリハビリで積み重ねてきたものを全て出せた。(降板後は)残りのアウトを1つずつ取ってほしいと思って応援していました」 5回6安打2失点(自責1)。「粘れ、粘れ」と自身に言い聞かせ、再三のピンチをしのいだ。 苦難を乗り越え、たどりついた1軍マウンドだ。今夏の甲子園大会にも出場した兵庫・報徳学園高出身。2年目にプロ初勝利を挙げたが、16年6月15日のソフトバンク戦(神宮)で打球を処理した際に右肩を亜脱臼。育成選手として契約を結び直し、背番号は「118」となった。 患部を約5カ月固定し、徐々に強度を上げていったがリハビリ中は一進一退。「『自分はもう終わったな』と思ったことは何度もありました」と長いトンネルを振り返る。 そんな右腕を支えたのが、テレビで観戦した1軍の試合だった。「悔しいし、うらやましい。でも、自分ももう一度、1軍のマウンドに立ちたいと思った」と、強い感情がわき上がったという。 リハビリを乗り越え、2軍で結果を残し、今年7月30日に再び支配下登録された。そして、高校3年夏にも立った聖地で巡ってきた今季2度目の先発機会。価値ある勝利をもたらした。 31歳の苦労人のため、待望の貯金生活のため、チームは一丸となった。二回二死一、二塁から女房役の中村が先制3ランを放ち、ベテランの青木は今季2度目の1試合4安打で1打点をマーク。昨季から4連敗中で通算20敗と苦手にするメッセンジャーを攻略した。「もっと点を取れればよかったけど、古野にとって久しぶりの勝利というのは分かっていた」と青木。自身の結果は二の次。古野の好投とチームの勝利をまず喜んだ。 投打がかみ合った会心の勝利にも、小川監督は「いずれにしても、これからです」と視線を鋭くした。セ・リーグ2位以下のチームでは7月20日の巨人以来となる貯金生活。ただ、ここが終着点ではない。3年ぶりのCS進出、さらに広島追撃へ。燕は、ここから突っ走る。 (横山尚杜) 古野の投球についてヤクルト・小川監督 「よかったです。きょうの投球と勝ちは、彼にとって感慨深いものになったと思います」
◆私が先発投手を送り出す立場の投手コーチ時代も、打線が援護してくれない時期はあった。長いシーズン、投手も野手も好不調はある。 そんな時に掛ける言葉はいつも一緒。「打線のことは考えるな。自分のやるべきことに集中しよう。そして、防げるミスだけはするな」。投手のやるべきことは、ベースカバーであり、バント処理であり...。そして、一番いけないのが不用意な四球だ。 メッセンジャーは痛恨の四球を2つ与えてしまった。二回。投ゴロ併殺で波に乗りかけた直後に西浦に二塁打を浴び、ここで宮本に対し、慎重になりすぎたのか、いきなりカウント3-0。挙げ句の果てに歩かせる。そして、四球の直後の初球を3ラン。さらに、投手の古野まで歩かせ、致命的な4点目の走者になってしまった。 チームが劣勢の中、若い投手が負の連鎖で崩れるのを防ぐのは難しい。でも、メッセンジャーは大黒柱。だからこそ、余計な2四球に苦言を呈したいし、30日に先発する才木にも、同じ言葉を掛けて送り出したい。 (サンケイスポーツ専属評論家)
<セ・リーグ順位表推移>
順位 | チーム名 | 勝数 | 負数 | 引分 | 勝率 | 首位差 | 残試合 | 得点 | 失点 | 本塁打 | 盗塁 | 打率 | 防御率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 (-) |
広島 | 67 | 44 | 2 | 0.604 (↑0.004) | M20 (-) | 30 | 586 (+5) | 511 (+4) | 149 (+1) | 71 (-) | 0.268 (↓0.001) | 4.13 (↑0.02) |
2 (-) |
ヤクルト | 56 | 55 | 1 | 0.504 (↑0.004) | 11 (-) | 31 | 526 (+4) | 539 (+2) | 107 (+1) | 62 (-) | 0.27 (↑0.001) | 4.39 (↑0.03) |
3 (-) |
巨人 | 57 | 61 | 2 | 0.483 (↓0.004) | 13.5 (↓1) | 23 | 531 (+4) | 490 (+5) | 122 (-) | 53 (-) | 0.26 (-) | 3.89 (-) |
4 (-) |
阪神 | 50 | 58 | 1 | 0.463 (↓0.004) | 15.5 (↓1) | 34 | 423 (+2) | 479 (+4) | 66 (-) | 51 (-) | 0.25 (-) | 4.01 (-) |
5 (↑1) |
中日 | 53 | 64 | 1 | 0.453 (↑0.005) | 17 (-) | 25 | 492 (+7) | 525 (+3) | 78 (+1) | 52 (+1) | 0.265 (↑0.001) | 4.3 (↑0.01) |
6 (↓1) |
DeNA | 50 | 62 | 2 | 0.446 (↓0.004) | 17.5 (↓1) | 29 | 454 (+3) | 532 (+7) | 141 (-) | 65 (+3) | 0.251 (↓0.001) | 4.36 (↓0.03) |
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