巨人(★8対9☆)阪神 =リーグ戦21回戦・東京ドーム=
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阪神
00210 0600 9140
巨人
10321 1000 8130
勝利投手:能見 篤史(3勝2敗1S)
(セーブ:ドリス(1勝3敗29S))
敗戦投手:澤村 拓一(1勝6敗0S)
  DAZN
◆阪神は5点を追う8回表、梅野の2ランと俊介の2点適時打で1点差に迫る。なおも2死一二塁の好機から、代打・伊藤隼の2点適時三塁打が飛び出し、試合をひっくり返した。5番手・能見が今季3勝目。敗れた巨人は、序盤から得点を重ねるも、3番手・澤村が誤算だった。

◆巨人のアレックス・ゲレーロ内野手(31)が「6番左翼」でスタメン出場する。この日、出場選手登録された。6月13日のソフトバンク戦以来のスタメンだが、同日はラインアップに名前が記されるも、初回の打席でいきなり代打を送られていた。その後、コンディション不良で6月15日に登録抹消され、2軍調整を続けていた大砲がついに戦列に復帰した。試合前練習を終え、「ワクワクしています。自分のプレーに対する気持ちを見てほしい」と気を引き締めていた。 代わりにホルヘ・マルティネス内野手(25)が抹消となった。

◆阪神糸井嘉男外野手が2回の守備から退いた。4番中堅でスタメン出場し、1回に巨人先発今村から手首付近に死球を受けていた。1度ベンチに戻った後、出場を続行。1回の守備ではゲレーロの飛球を処理していたが、2回に交代。死球の影響とみられる。 糸井は左手首にアイシングを固定し、トレーナーとともに試合中に病院へ向かった。報道陣には「おつかれ」と言い残した。

◆阪神梅野隆太郎捕手が右翼ポール直撃の7号ソロを放ち、反撃ののろしをあげた。 2点を追う4回。先頭打者で打席に向かうと、巨人今村の6球目、外角142キロ直球を打ち返した。ライナー性の打球は右翼ポール直撃。選手会長の一振りが、虎を勢いづけた。

◆巨人岡本和真内野手が、2試合連続となる25号2ランを放った。 1点を追う3回、マギーの中越え適時二塁打で同点に追いつき、なおも無死二塁。カウント2-2から阪神飯田の外角138キロを振り抜くと、打球は右中間席へ飛び込んだ。「追い込まれていたので最低でも進塁を意識していました。ボールに逆らわずに打つことができて良かったです」と喜んだ。 岡本の2試合連続弾は今季6度目。大台の30本へあと5本とした。

◆巨人上原浩治投手が、7月26日ヤクルト戦以来となる1軍のマウンドに上がった。 5点リードの7回から2番手で登板。先頭の阪神北條にカウント1-2から128キロのスプリットを中前打とされるが、福留を二ゴロ、俊介を中飛、代打原口を左飛に打ち取った。1回を16球で無失点に抑え、笑顔でベンチへ戻り、ナインを出迎えた。 7月27日に登録を抹消され、8月25日に再昇格。復帰初戦で貫禄のピッチングを見せた。

◆7月にソフトバンクからトレードで加入した阪神飯田優也投手の、移籍後初登板初先発は3回5安打4失点に終わった。 「立ち上がり、力みもあって制球が定まらずに先制を許してしまい、逆転してもらった3回に粘り切れず、相手の勢いを止めることができませんでした」 移籍後は2軍で結果を残してつかんだ昇格のチャンスだったが、アピールとはいかなかった。

◆巨人のアレックス・ゲレーロ内野手(31)が1軍再昇格初戦で約2ヵ月半ぶりの1発を放った。 3点リードの5回。先頭で打席に立つと、阪神望月の内角高め150キロ直球を左中間席中段へと運んだ。6月6日楽天戦以来約2ヶ月ぶりの11号ソロとなり「前の打席で力が入っていたので、力まずに振り抜こうと思っていた。良い角度で上がってくれたよ。チームに貢献したいと思っていたのでとてもうれしい」とコメントした。 この日、出場選手登録され、「6番左翼」でスタメン出場。6月13日のソフトバンク戦以来のスタメンだが、同日はラインアップに名前が記されるも、初回の打席でいきなり代打を送られていた。その後、コンディション不良で6月15日に登録抹消され、2軍調整を続けていた大砲がついに戦列に復帰した。 試合前練習を終え、「ワクワクしています。自分のプレーに対する気持ちを見てほしい」と気を引き締めていた。 代わりにホルヘ・マルティネス内野手(25)が抹消となった。

◆阪神梅野隆太郎捕手が8回に8号2ランを放った。 4回にも7号ソロを放っており、1試合2本塁打を記録した。 梅野が1試合2本塁打を放ったのは14年7月1日ヤクルト戦(倉敷)以来2度目となった。

◆巨人が5点リードをひっくり返され、逆転負けを喫した。 3番手の沢村拓一投手が誤算だった。8-3で迎えた8回に登板すると、先頭の阪神大山に左前打を浴び、1死一塁から梅野に8号2ランを許して3点差に迫られた。 2死までこぎ着けたが、糸原に右安、北條、福留に連続四球を与え、満塁。続く俊介に中前へ2点適時打を打たれ、1点差に迫られると、ベンチから降板が告げられた。なおも2死一、二塁で、4番手の池田が代打伊藤隼に初球をはじき返されて、走者一掃の2点適時打。逆転された。 沢村は2/3回を投げて4安打6失点で、6敗目。リードを守れずに「僕のせいです。2試合完封できて、今日も5点差で勝っていたチームの勢い、流れを全て僕のせいで止めてしまった。弱さ、技術のなさが全て。反省以上の言葉があれば...」とうなだれた。

◆阪神が8回に一挙6点を奪って逆転勝ちした。5点を追う8回に巨人沢村を攻め込んだ。梅野がこの試合2本目となる2ラン。俊介の適時打で1点差とし、さらに代打伊藤隼が2死一、二塁から4番手池田の初球を逆転のタイムリー三塁打。ヒーローインタビューでは、充実の表情を浮かべた。 -どんな思いで打席に 伊藤隼 前の皆さんが、つないでつないで、自分のところに回ってきたので、あまり深く、あれこれ考えることなく、打てると思った球、自分が狙った球を打とうと思っていました。 -初球から高めの球を捉えた 伊藤隼 結果的には、いいとこに飛んでくれたかな、と思います。 -逆転した瞬間は 伊藤隼 1点差っていうのは分かってたんですけど、ぱっと見たときに逆転してるなと。ちょっとあまり自分の中で実感なかったんで、ベンチの盛り上がりで、自分も戸惑いましたかね。 -いけるぞという空気に変わったのはどの辺り 伊藤隼 終盤で5点差ありましたけど、誰も諦めてませんでしたし、応援してくれてる皆さんもいたので、絶対チャンスは来ると思ってました。自分にいいとこで回ってくるなっていう、イメージはしてました。 -きのうおとといとシャットアウト負け。今日の勝利はチームに勢いがつく 伊藤隼 ただの1勝かもしれませんけど、ほんとうに勢いのつく勝ち方だと思うので、来週から甲子園にまた帰りますけども、またいい戦いをしていきたいと思います。 -チームを代表して、週明け3連戦への決意を 伊藤隼 今日のような、負けていても決して諦めずに、勝っていても最後まで気を引き締めて、いいゲームを続けていきたいと思います。

◆阪神糸井嘉男外野手が負傷交代した。1回表1死一、三塁で左腕今村から手首付近に死球を当てられた。1度ベンチに戻った後は出場を続行したが、2回裏からベンチに下がった。試合中に左手首をアイシングしながら東京都内の病院へ。左手首の打撲と診断され、再び東京ドームに戻った。 糸井は試合後、「痛みと腫れはあるけど。まあ明日ですね」と表情を引き締めた。一方の金本監督は「骨折は大丈夫みたい」と説明。骨が折れるなどの最悪の事態は回避した模様だ。

◆阪神が起死回生の逆転勝ちを収めた。5点を追う展開で敗色濃厚の8回にドラマが起きた。1死一塁で梅野がこの日、2本目の本塁打となる2ランを放ち、3点差になる。巨人沢村が制球を乱して2四球などで2死満塁の好機を築くと、俊介が中前に2点適時打で1点差に詰め寄った。さらに2死一、二塁で代打伊藤隼を起用。代わった左腕池田の初球カットボールをとらえ、右翼フェンス直撃の逆転タイムリー二塁打になった。 一挙6得点の大逆転。金本知憲監督も「選手に感謝というか、本当によくやってくれました。 隼太は左投手でしたけど、初球の甘いところをね。2アウトから一打逆転はなかなか打てないものですけど、本当に思い切り良く打ってくれました」と話した。3連敗で止め、長期ロードも勝率5割フィニッシュ。今度こそ劇的勝利からはずみをつけたい。指揮官も「今日、こういう勝ち方をできたので、この勢いを持って地元でね」と話す。余勢を駆って、大型連勝に導き、一気に上位浮上するのが理想だ。

◆阪神ウィリン・ロサリオ内野手(29)が今日27日に出場選手登録を抹消されることが26日、分かった。 この日の巨人戦では2試合ぶりにスタメン復帰し、2打数無安打。1回表1死満塁の先制チャンスで初球の低めフォークを引っかけ、遊ゴロ併殺打に倒れていた。5回表にも遊ゴロに仕留められると、5回裏の守備からベンチに退いていた。 来日1年目は開幕序盤から不振が続き、6月3日に1度出場選手登録を抹消されていた。7月17日に再昇格後は復調の兆しを見せ、課題だった外角変化球への対応力も徐々に向上。ただ、大きな上積みがないまま、現在は9打席連続ノーヒットと再び沈黙していた。首脳陣は辛抱強く大砲の覚醒を待ったが、チームも猶予のない状況。右肘痛のため2軍調整中だった陽川尚将内野手(27)が状態を上げており、入れ替えされる方向だ。 ロサリオはここまで打率2割4分2厘、8本塁打。昨オフに推定年俸3億4000万円の1年契約を結びながら、不動の4番としての期待に応えられているとはとても言い難い。クライマックス・シリーズ圏内を激しく争うシーズン終盤での2軍降格が現実。再び1軍再昇格する可能性は十分あるが、いよいよ虎残留へ厳しい立場に立たされた。

◆巨人が借金完済の絶好機を逃した。5点リードの8回。セットアッパーとして投入した3番手の沢村が大誤算だった。先頭の大山に左前打で出塁されると、1死から梅野に2ランを浴びて3点差。さらに2死から糸原に安打、北條、福留に連続四球で満塁とされ、俊介に痛恨の中前適時打を許して1点差。なお一、二塁の場面で代わった池田が、代打伊藤隼に逆転2点適時三塁打を食らい、勝利目前の終盤に暗転させられた。 チーム最多の46試合に登板する沢村の踏ん張りなくして、先の戦いは計算できない。21日DeNA戦から中4日のマウンド。登板間隔を保ったが、直球にキレはなく、制球も乱れた。「点差は関係ない。僕のせいです。弱さ、技術のなさがすべて。反省以上の言葉があれば...」と悔やんだ。今カードはメルセデス、菅野で連続完封勝ち。先発陣が奮起していただけに、もったいない敗戦となった。 再調整中のカミネロ、マシソンが、精密検査のため近日中に一時帰国することが決定。開幕当初、勝ちパターンを形成した両助っ人の1軍復帰のメドは立たない。高橋監督は、4安打6失点の沢村について「あの回しか振り返るところは、あまりないかなというところですね」と奮起を促した。5点差以上の逆転負けは7月22日広島戦以来2度目で、5割復帰をかけた試合は5連敗。勝ちきる強さが求められる。【為田聡史】

◆絶対に諦めない。その心で、阪神梅野隆太郎捕手(27)が打線に火を付けた。打球を迎えた左翼スタンドも応援旗が大きく振られ、ようやく目を覚ました。5点を追う8回1死一塁。1ボールからの2球目だ。巨人沢村が投じた高めの153キロを上からたたいた。この日2発目、自己最多の8号2ランが大逆転の号砲となった。打線は打者10人を送り込み、5点ビハインドをひっくり返した。 「3タテは絶対されたくないと思っていた。ずっと諦めない気持ちでいられたのが、今日は一番でした。なんとかきっかけをつくりたいと思っていた。周りもつないでくれて、今までにない戦い方が出来た」 1発目は技ありだった。2点を追う4回の先頭で、巨人今村の142キロ直球を逆方向へ。3球続いたフォークをかわし、フルカウントに持ち込んではじき返した。腰の入ったスイングで、スライスの軌道を阻止。ライナーのまま右翼ポールを直撃した。最短距離弾は日頃のスイングのたまもの。片岡ヘッド兼打撃コーチが口を酸っぱくして伝えた「前のいいポイント」を体現。14年7月1日ヤクルト戦(倉敷)以来の1試合2発、今季2度目の3安打猛打賞に凝縮させた。 恐怖の8番打者だ。8月は20試合で月間打率3割3分3厘、4本塁打10打点をマーク。好調をキープしているが「試合に入ったら試合モードというか。試合に出ている以上は結果で貢献しないと。状態は気分良く打席には入れています」と淡々。大きな2発に金本監督は「すごいね(笑い)。小力というか、パワーもある。コツさえつかめば、振る力もだいぶ付いてきました。どんどん打ってほしいですね」と目を細めた。守って、打って。選手会長の梅ちゃんが、チームを導く。【池本泰尚】

◆阪神は必勝リレーの投入が福を呼んだ。5点を追う7回は能見が登板。リズム良く下位打線の3人を内野ゴロで抑えると、直後の攻撃で打線が6点を奪って大逆転。今季3勝目が転がり込んできた。「しんどいところを岡本やモッチー(望月)が行ってくれている。3連投で。自分は下位打線だったし」。 1点リードの8回は、坂本勇からの上位を藤川が3者凡退で片づけ、反撃を阻んだ。「自分がどうこうよりもチーム。味方が逆転してくれたのもある」と気合十分だった。

◆阪神が大逆転勝利で夏の長期ロードを締めた。5点を追う8回、1点差まで迫って迎えた2死一、二塁で、代打伊藤隼太外野手(29)が巨人池田から右越えに逆転2点三塁打。この回一挙6点で試合をひっくり返した。今季3度目となる対巨人3連戦3連敗目前で、虎打線が執念を見せつけた。明日28日からは1カ月ぶりに甲子園に戻って2位ヤクルトを迎え撃つ。 研ぎ澄ましたひと振りで、伊藤隼が大逆転の主役となった。代打の切り札は1打席勝負。極限まで集中力を高めて、絶好球を仕留めた。 「前の皆さんがほんとにつないでつないで、自分のところに回ってきたので、あまり深く考えることなく自分が狙った球を打とうと思っていました」 1点差に迫った8回2死一、二塁。ここで左腕池田に投手が交代。その初球を狙った。甲高い打球音が東京ドームに響く。次の瞬間、ドンッ。右翼フェンス直撃の起死回生2点適時三塁打で、ベンチを、スタンドの虎党を沸かせた。 「(初球打ちは)自分のスタイルなので。外野の位置を見て『どうかな? 抜けてくれ!』と思って走ってました。1点差っていうのは分かってたんですけど、(スコアを)ぱっと見たときに逆転してるなと。実感がなかったんで、ベンチの盛り上がりに自分も戸惑いました」 一挙6得点の猛攻で宿敵をノックアウト。5点差を一気にひっくり返す逆転劇を完結させた伊藤隼は殊勲の一打を振り返った。 試合前練習では、まず置いてあるティースタンドを目いっぱいに引き上げる。「最初は高めに設定してます。真っすぐに振り負けないようにね」。足を上げ、数秒間は静止。ゆったりとした打撃フォームでスイング軌道を確認する。イメージするのは試合を左右する勝負どころだ。「代打は初球を打つ準備ができてないと」。初球からフルスイングすることを想定した自己流のティー打撃が、実を結んだ。 巨人相手に3連敗を阻止。起死回生の逆転勝利で長期ロードを締めた。金本監督は「僕らはいつも負けられない。特に今日は負けられないなかで、本当に選手に感謝しかないですね。(伊藤隼は)左投手でしたけど、初球の甘いところをね。2アウトから一打逆転はなかなか打てないものですけど本当に思い切り良く打ってくれました」と殊勲打をたたえた。 明日28日ヤクルト戦からは甲子園に戻る。「ただの1勝かもしれませんけど、ほんとうに勢いのつく勝ち方だと思うので、来週からはまた甲子園。いい戦いをしていきたい」。1打席に懸ける伊藤隼が、本拠地でも魂を込めてバットを振り抜く。【真柴健】

◆巨人・坂本勇人内野手(29)が26日、阪神21回戦(東京ドーム)に「1番・遊撃」で先発出場。一回先頭の第1打席で、復帰後2戦連続安打となる、左翼フェンス上部直撃の二塁打を放った。  技ありの一打だ。相手先発・飯田が投じた7球目、131キロのチェンジアップをすくい上げ、あと少しで本塁打となりそうな打球だった。  坂本勇は前日25日に、左脇腹の肉離れから1軍に復帰。前日には同じく第1打席で右前打を放っていた。  この日は一死後、マギーが四球を選び一、二塁。4番・岡本の左前適時打で先制のホームを踏んだ。

◆巨人・岡本和真内野手(22)が26日、阪神21回戦(東京ドーム)に「4番・一塁」で先発出場。一回一死一、二塁から先制の左前適時打を放った。  鋭いライナー性の打球が、左前で弾んだ。飯田が投じた128キロのチェンジアップをとらえた先制の一打。前日25にも先制の24号を放っており、2試合連続で4番の仕事を果たした。

◆巨人・岡本和真内野手(22)が26日、阪神21回戦(東京ドーム)に「4番・一塁」で先発出場。同点に追いついた直後の三回無死二塁から、勝ち越しの25号2ランを右翼席にたたき込んだ。  前日25日の先制弾に続く、2試合連発だ。138キロの外角直球に逆らわず、バットを出してスタンドまで運んだ。1点を追う形で迎えたこの回は、先頭・山本が中堅への三塁打で出塁すると、マギーの中越え適時二塁打で同点。主砲の一発で試合をひっくり返した。

◆巨人・坂本勇人内野手(29)が26日、阪神21回戦(東京ドーム)に「1番・遊撃」で先発出場。四回一死一塁から、左翼線への適時二塁打を放ち、左脇腹の肉離れから復帰後、初の打点を記録した。  相手はこの回からマウンドに上がった、阪神・岡本。内角にきたシュート気味の球に、体をうまく回転させて打った。  さらに続く、山本の左前打で激走。本塁でタッチプレーとなり、一時はアウトの判定も、高橋監督のリクエストでリプレー検証した結果、判定が覆りセーフとなった。

◆巨人のアレックス・ゲレーロ外野手(31)が26日、約2カ月ぶりに1軍に昇格。阪神21回戦(東京ドーム)に「6番・左翼」で先発出場し、五回先頭の第3打席に左中間席中段への11号ソロを放った。  鮮やかなアーチだった。内角高めにきた150キロの直球を振り抜き、6月6日の楽天戦以来、約2カ月半ぶりの一発。試合前、「調子のほうはいいよ」と話していた助っ人が結果を残した。  ゲレーロは6月15日に、コンディション不良のため出場選手登録を抹消され、ファームで調整を続けてきた。

◆巨人・上原浩治投手(43)が26日、阪神21回戦(東京ドーム)の七回から登板。7月26日のヤクルト戦以来、約1カ月ぶりに1軍のマウンドに立った。  前日25日に出場選手登録されたベテランは、気迫のこもった投球を披露。先頭・北條に中前打を浴びたが、続く福留を二ゴロ、俊介を中飛、代打・原口を左飛に抑え、1回を1安打無失点に抑えた。  上原は7月27日に出場選手登録を抹消され、その後は1軍に帯同しつつ、2軍戦に出場するなどして調整を続けてきた。

◆猛虎打線が、両軍計27安打17得点の乱打戦を制し、巨人に9-8で競り勝った。5点ビハインドで迎えた八回。梅野のこの日の2本目の本塁打となる8号2ラン、代打・伊藤隼の2点三塁打などで一挙6点を挙げ、試合をひっくり返した。その後は、八回藤川、九回ドリスの無失点リレーで逃げ切った。七回のマウンドに上がり、わずか5球で三者凡退に仕留めた能見に勝ちがつき、今季3勝目(2敗)を挙げた。阪神は、連敗を「3」で止めた。  8月最後の伝統の一戦。巨人・今村、阪神は飯田が先発した。先制は巨人。一回、先頭の坂本が左中間フェンス直撃の二塁打で出塁すると、一死一、二塁から岡本の左前適時打で坂本が生還した。  一回に左手に死球を受けた阪神・糸井は、二回の守備から退いた。代わって俊介が中堅に入り、中堅の中谷が右翼へ回った。  阪神は三回、二死満塁で大山が中越えの2点二塁打を放ち、逆転に成功した。阪神の得点は、24イニングぶりとなった。  巨人はその裏、無死三塁からマギーの中越え適時二塁打で同点に追いついた。さらに無死一塁から、岡本が右中間スタンドへ運ぶ25号2ランを放ち、4-2と勝ち越した。  阪神は四回、先頭の梅野が右翼ポール直撃の7号ソロで1点を返した。巨人はその裏、一死一塁から坂本が阪神2番手・岡本から左翼線二塁適時打で追加点を加えると、さらに一死二塁で山本が左前適時打を放ち、6-3とした。  さらに五回、この日1軍に復帰したゲレーロが阪神3番手の望月から左中間スタンドへ11号ソロを放ち、7-3とリードを広げた。六回にはマギーの左越え18号ソロで、さらに追加点を加えた。  巨人は七回、上原が2番手として一軍復帰後初登板。先頭の北條に中前打を許すも、後続を断ち無失点で切り抜けた。  阪神は八回一死一塁、巨人3番手・沢村から梅野がこの日2本目となる左越え8号2ランで5-8とした。さらに二死満塁から、俊介の中前2点打で1点差に迫った。さらに二死一、二塁で代打・伊藤隼が代わった左腕・池田から右中間フェンス直撃の2点三塁打を放ち、9-8と逆転。この回一挙6点を挙げ、そのまま逃げ切った。

◆阪神が両軍合わせて27安打17得点の乱打戦を制し、巨人に9-8で競り勝った。1点ビハインドの八回二死一、二塁、代打・伊藤隼が、巨人4番手・池田から右中間フェンス直撃の2点三塁打を放ち逆転に成功。この回一挙6点を挙げ、5点差ををひっくり返し、そのまま逃げ切った。チームの連敗を「3」で止める決勝打を放った伊藤隼は、ヒーローインタビューで充実した表情を浮かべた。  --1点差に迫ってきた中で打席だった  「前のみなさんがつないで自分のところに回ってきたので、あんまり深くあれこれ考えることなく、打てると思った球、自分が狙った球を打とうと思った」  --どのボールを狙っていたんですか  「球種面ではなく、自分が打ちにいった中で打てると思った球というイメージ」  --初球から高めの球を捉えた  「結果的には、いいところに飛んでくれた」  --打球が抜けて、逆転した瞬間は  「1点差というのはわかったけど、ぱっと見たときに逆転してるなと。ちょっとあんまり自分の中で実感がなかったので、ベンチの盛り上がりで戸惑った」  --点差が縮まっていく中で、行けるぞという空気に変わってきたのはどのあたり  「終盤で5点差あったけど、誰も諦めていなかった。応援してくれてるみなさんもいたので、絶対チャンスがくると思っていた。そういう中で自分にいいところで回ってくるなというイメージはしていた」  --昨日、一昨日とシャットアウトで敗れ中でのこの大逆転勝利  「ただの1勝かもしれないが、本当に勢いのつく勝ち方だと思うので、来週から甲子園に帰って、またいい戦いをしていきたい」  --週明けの3連戦へ向けて  「今日のような負けていても決して諦めずに、勝っていても気を引き締めて、いいゲームを続けていきたい」

◆阪神が両軍合わせて27安打17得点の乱打戦を制し、巨人に9-8で競り勝った。5点ビハインドで迎えた八回。梅野のこの日の2本目の本塁打となる8号2ラン、代打・伊藤隼の2点三塁打などで一挙6点を挙げ、試合をひっくり返した。その後は藤川、ドリスの無失点リレーで逃げ切り、連敗を「3」で止めた。チームを勢いづける逆転勝利に、金本監督は笑みを浮かべた。  --劣勢をはねのけた  「本当に選手に感謝っていうかね、よくやってくれました」  --八回は梅野の2本目の本塁打で雰囲気が変わった  「あれで2点入って3点差になったところで、ひょっとしたらという思いはあったんですけど、現実にそうなってくれて本当によくやりました」  --途中出場の俊介、伊藤隼がよく打ってくれました  「特に隼人ね、左投手でしたけど直球の甘いところを。なかなか2アウトから一打で逆転というところ、打てないもんですけど、本当に思いっきりよく打ってくれました」  --2桁安打、9得点  「昨日と一昨日は菅野とメルセデスがあまりにも良すぎたんでね、その中でチームとしては打つ状態というのは悪くないと思ってたので今日は期待してたんですけど、本当に期待通りやってくれました」  --糸井の状況は?  「おそらく骨は大丈夫だと思いますけど、心配は心配ですね」  --これで長期ロード終えて、甲子園に戻る。終盤戦の意気込みを  「今日本当こういう勝ち方が出来たので、この勢いを持って地元でね、今年あまり甲子園で勝ってないので、何とか甲子園で勝てるように頑張っていきます」

◆阪神の飯田がソフトバンクから移籍後初登板し、3回4失点で先発の役割を果たせなかった。チームは逆転勝ちしたものの、4年ぶりの先発で力を発揮できず「力みもあって制球が定まらなかった」と反省した。  一回に岡本に先制打を許すと、2-1と逆転してもらったその裏の三回はマギーに適時二塁打、岡本に2ランを浴びて逆転された。伝統の一戦に気負いはなかったというが「攻め方として外に集めすぎた。粘りきれず、相手の勢いを止めることができなかった」と悔しがった。

◆巨人の岡本が2試合連発の25号2ランを放った。2-2の三回無死二塁で苦手な外角低めの速球を捉えて右翼席へ運び「追い込まれていたので最低でも進塁打を意識していた。逆らわずに打つことができて良かった」と振り返った。  一回に適時打を放ち、四回の四球まで3試合、9打席連続で出塁をマークするなど好調をキープ。ただ、チームは逆転負けし「継続してできるようにしたい」と笑顔はなかった。 今村(6回3失点) 「五、六回はカーブをうまく使えた。もう少し早く使えていたら良かった」 上原(7月26日以来の登板で1回無失点) 「感覚は鈍っていなかった。結果としてゼロに抑えられたのは大きい」 ゲレーロ(約2カ月ぶりに昇格し11号ソロ) 「1軍は久々で特別な思いがあった。その日に結果が出てうれしい」

◆阪神の糸井が一回に今村の投球を左手首に受け、二回の守備で退いた。球団広報によると、東京都内の病院で診察を受け「左手首の打撲」と診断された。金本監督は「骨は大丈夫だと思う。心配は心配」と話した。 金本監督(逆転勝ちに) 「選手に感謝しかない。よくやってくれた」 梅野(2本塁打を含む3安打3打点) 「気分よく打席に入れている。続けていきたい」

◆  --点が取れない試合が続いていたが、9得点  金本監督 「きのうやおとといは、菅野とメルセデスがよすぎた。チームとしては打つ状態は悪くないと思っていたので、きょうは期待していました」  --長期ロードを終えて甲子園へ帰る  「本当、こういう勝ち方ができたので勢いに乗って地元でね。甲子園で勝っていないので、何とか甲子園で勝てるようにやっていきます」  --梅野が2発  「片岡(ヘッド兼打撃コーチ)がずっと、いい(打つ)ポイントを言ったり、してくれていますから。ポイントを前にすることで、バットの出はよくなった気がしますね。きょうは、片岡が一番うれしいんじゃないですか」  --きょうは絶対に負けられなかった  「僕らはいつも負けられないという、特にきょうは負けられないという中でホントに、選手に感謝しかないですね、きょうは」

◆こんな勝ち方、いつ以来だろう。みなさん、夏休み最後の日曜の夜、お酒おいしかったでしょ。  七回が終わって3-8。きょうも負けか...と思わせてからの大逆転。これがあるから阪神ファンはやめられません。  中盤まで、トラ番の予想や期待はことごとく裏目に出ていました。  「うわっ、ゲレーロが戻ってきている」  阪神の練習開始前に東京ドームに到着した新里公章が、まず声をあげました。6月15日から戦列を離れていた昨季の本塁打王が、打撃練習でポンポンいい当たりを飛ばしていたからです。  「きのうは坂本(勇)選手が戻ってきて、きょうはゲレーロ...」  「いや、これは歓迎するべきでしょう。阿部選手を外してくれるんだから。左対左でも、連戦で疲れがあるといっても、阿部選手が出ている方が怖い」  サブキャップ長友孝輔です。長友の見立ては、序盤は的中しました。「6番・左翼」で出場したゲレーロは一回、1点を先行してなお二死一、二塁で右飛。三回も二飛と、攻撃を寸断してくれていました。ところが、五回には左越えに11号ソロ。3-7とされて、この時点で私を含め、編集局内にはもうダメだというムードが漂ったのです。  もっともあきらめが早かったのが、当番デスク(CD)野下俊晴でした。一回一死満塁でロサリオが遊ゴロ併殺に倒れると「だめだ。きょうも点が入らない。3試合連続完封負けならいつ以来だ? え~と2011年の...」。阪神が逆転しても、三回に2-4と再逆転された途端、「だめだ。同一カード3連敗だ。何度目だ? え~と同一カード3連敗は今季5度目で、巨人には3度やられていて...。巨人に同一カード3連敗3度は1995年の...」。  巨人にはこの勝利でようやく8勝13敗。負けがこんでいましたから、まあ調べるのが早い、早い。しかし、その"予想"も、この日は裏目に出てくれました。  「飯田投手はソフトバンク担当時代に取材しています。2014年は2勝5敗ですけど、防御率(3・24)でわかる通り、シーズン途中から最後まで先発ローテーションを守りました。きょうは力みもあったみたいですけど、やってくれると思っています」  14、15年にタカ番だった長友です。新里も「元気な明るい青年です。『調子乗っちゃって~』じゃなく、嫌みのない威勢の良さです。ボクシングの世界チャンピオンが世界戦の前に、自分を鼓舞する意味で強気の発言をするじゃないですか。あの感じです。阪神は、静かに黙って勝負するタイプが多いので、その意味でも楽しみです」  2人とも、飯田の次回のチャンスに期待をかけていました。これもまた、逆転勝ちしたからこそでしょう。  「阪神が5点差を逆転して勝つのは、8月4日のヤクルト戦以来。そのときは延長十一回サヨナラ勝ち。九回で勝ったのは去年9月の...」  早っ!! CDの野下です。実は、勝つと思ってた?

◆ワッショイ! ワッショイ!! 敗戦濃厚の5点差を八回奇跡の大逆転!! 虎の熱い夏はここからが本番やー!!  三回、大山のタイムリーで無得点地獄は抜け出したものの、その後、中継ぎ投手陣が炎上して、もはやここまで...と思った八回、梅ちゃんの本日2本目の追撃の2ラン、ワッショイ!! 二死満塁から、死球退場の糸井の代役で4番に入った俊介の2安打2打点! 本日は4番が似合ってた~、ワッショイ!! そして、一振りで試合をひっくり返す逆転2点タイムリーの"鬼の代打"伊藤隼。2012年ドラフト1位をなめんなよー、ワッショ~イ!!  打ち込まれた巨人・沢村には悪いけど、猛暑なのにエアコンが効いた、恵まれたチームに負けてたまるか!! 阪神はこの後、甲子園やマツダなど、屋根のない暑い試合が26試合続くのだ!! さあ、ここからが真の根性の見せどころや。余談ですが、沢村投手って、いつも刈り上げがくっきりですが、球場入り前と帰宅途中と毎日2回は散髪に行ってますよね? (毎回気になって仕方ないよ~)  さ、地元甲子園に戻ります。この夏の高校野球の熱狂を超える、虎の奇跡の物語で甲子園を、いや、日本中を沸かせてくれー!!

◆驚異の大逆転で3勝目が転がり込んできたのは能見。阪神の投手は先発の飯田から4人連続で失点していたが、七回を3人でピシャリと抑え、流れを断ち切った。「自分は自分の仕事をやるだけです」。39歳ベテラン左腕は「岡本がしんどいところを投げてくれているから」と自身の勝利より、巨人戦3連投で奮闘した後輩をねぎらった。

◆負のデータを吹き飛ばしたのは、2試合ぶりにスタメンに名を連ねた大山だった。1点を追う三回二死満塁から中越えの2点二塁打。24イニングぶりの得点で、34イニングぶりの適時打だった。八回の大逆転劇の口火も大山。登板したばかりの沢村から左前打で猛爆を呼んだ。試合後は「明日からも頑張ります」と言葉少なだったが、調子が上がってきた。

◆藤川は、逆転に成功した直後の八回に登板。坂本勇をパワフルな直球で空振り三振に仕留めて波に乗ると、続く山本は右飛。最後はマギーにフォークで空を切らせて、三者凡退とした。「自分どうこうというより味方が逆転したので、展開的に絶対抑えてやろうと思っていました」。28日からは甲子園に戻る。「いい試合を見せられるように、頑張っていくだけです」と力を込めた。

◆打線は先発野手全員安打となる13安打8得点。1軍に再昇格し、「6番・左翼」で即先発したゲレーロは五回に左越えの11号ソロ。左脇腹の肉離れから復帰2試合目の坂本勇は四回の適時二塁打で復帰後初打点。続く山本の左前適時打で生還するなど激走も見せたが、試合後は「負けたので...」と言葉少なだった。 約2カ月ぶりに昇格し、11号ソロを放った巨人・ゲレーロ 「1軍は久々で特別な思いがあった。その日に結果が出てうれしい」 7月26日以来の登板で1回無失点の巨人・上原 「感覚は鈍っていなかった。結果としてゼロに抑えられたのは大きい」

◆阪神・糸井嘉男外野手(37)は26日の巨人戦(東京ドーム)の一回、今村から左手首に死球を受けた。そのままプレーを続けたが腫れが引かないため、二回裏の守備から俊介と交代した。その後、東京都内の病院で検査を受け「左手首の打撲」と診断された。  試合後、糸井は「痛みと腫れはあるけれど、また明日です」と話して帰阪。27日以降の様子を見て、状態次第で再検査を受ける可能性がある。金本監督は「骨は大丈夫みたい。今のところ、思っていた腫れはない」と話し、軽症であることを願っていた。

◆巨人は、痛恨の逆転負け。5点リードの八回に、沢村拓一投手(30)が6失点と炎上。2/3回で4安打2四球の内容に高橋監督の表情も厳しかった。  「(沢村の)力ならというかね、あの回しか振り返るところも、あまりないかな、というところですかね」。八回は沢村が梅野に2ランを浴びて3点差に詰め寄られると、2四球を与えるなどして二死満塁。俊介の中前2点打で1点差とされたところで池田に交代したが、代打・伊藤隼に逆転2点三塁打を浴びた。  「チームの勢い、流れを全て僕のせいで止めてしまった。反省以上の言葉があったら...。難しいです」。沢村は唇をかんだ。この日、マシソンとカミネロが渡米し、手術を受ける可能性が浮上。救援陣は危機的状況だ。これで借金2に逆戻り。後半戦は借金1で迎えた試合は5戦5敗と"勝率5割の壁"を越えられず3位に転落した。 (赤尾裕希)

◆突然の出場だった。悔やみきれないプレーもあったが、一打ですべてを取り返した。3点を追う八回二死満塁でグシャッと中前2点打。二回の守備から出場した"4番・俊介"が、死に物狂いでつないだ。死球で途中交代した糸井の穴を「執念」で埋めてみせた。  「チャンスだと思ったので、死ぬ気でいきました」  梅野の2ランで5-8と追い上げた八回だ。二死から糸原がバットを折りながら右前打。北條、福留が2者連続でストレートの四球を選んで、塁が埋まった。  ここで打席に立つはずの「4番・糸井」は、早々に試合を退いていた。打席には俊介。金本監督は試合後、代打か迷ったことを率直に明かした。  「ちょっと悩んだんですけどね。もしかしたら俊介は四球があるかな、と。沢村との力関係を見たときに、どうかなとは思って。四球出してくれたらラッキーだな、と」  だが、俊介本人には見ていくつもりなどなかった。1ストライクからの2球目を振り切る。詰まったが、打球はフラフラと二塁手の頭上を超えて落ちた。2者が生還し、1点差。伊藤隼の一打を見事に呼び込んだ。"見立て"を裏切られた指揮官だったが「あれこそ『執念』で持っていったようなタイムリー」と今季のチームスローガンを持ち出し、たたえた。  悔しさを取り返した一打でもあった。一時逆転した直後の三回。中堅守備でライナーに飛び込んで後逸。記録こそ三塁打だったが、ここからチームは逆転された。  「飯田のときに、飛び込んで後ろにそらしてしまったので。点につながったので、申し訳ないという気持ちでした」  中堅として地に足が着いたプレーを求められている。そして、糸井の緊急事態から今季5度目のマルチ安打につなげたように転んでも、何度でも起き上がる。俊介の意地が窮地の虎を救った。 (長友孝輔)

◆ダイヤモンドを一周してベンチに戻ると、控えめな笑顔がはじけた。梅野がルーキーイヤーの2014年以来4年ぶりの1試合2本塁打で、勝利をグッとたぐり寄せた。  「3タテだけは絶対にやられたくないと思って挑んでいました。打線がなかなか乗れない中で先に点を取られて、チームの士気的に下がってしまうところで打てたのは、よかったと思います」  ひと振りで球場の敗戦ムードを変えた。3-8の八回。一死一塁で沢村の2球目、153キロ直球を一閃。きれいな放物線を描いて虎党の待つ左中間席に着弾すると、しぼみかけていた応援も一気に元気を取り戻した。四回先頭で右翼ポールに直撃させた7号ソロに続き、キャリアハイの8号2ラン。3点差に詰め寄る反撃のノロシだった。  値千金の一発に、金本監督も「あれで2点入りましてね、3点差になったところで、ひょっとしたらという思いはあったんですけど、現実にそうなってくれて。本当によくやってくれました」と目尻を下げた。  好調の時ほど足もとを見つめ、目の前の試合に集中する。それが結果につながっている。  「けさ、記事で見るまで全然知らなかったよ」  同じく一発を放った18日のヤクルト戦(神宮)。その日の朝、今季の神宮での打率が・583まで上昇していたことを知った。「なぜ神宮で打てるか? こっちが聞きたいくらい」と苦笑い。それでも、"知らないでいること"が好調の裏側にはあった。  「『今、調子いい!』って思うと、ちょっと下がったときに、ドツボにはまってしまいそうだから。そういうことや数字は、あまり考えないようにすることですね」  2本塁打で、2戦連続完封負けを喫していた巨人に一矢報いた。夏のロードを劇的な勝利で締めくくり、28日からは本拠地の甲子園に戻る。  「試合に出してもらっている以上、打てるときに何とかチームに貢献すること、結果を出すことが大事。これで止まらないようにしたいです」  まだシーズンは終わっていない。もっともっと意地の一発を放って、ひとつでも上の順位を目指していく。 (箭内桃子)

◆ウルトラミラクル大逆転! 阪神は八回、代打・伊藤隼太外野手(29)の逆転2点三塁打などで、5点差を覆して奇跡のG倒。苦戦の続いた夏の長期ロードを白星で締め、12勝12敗で乗り切った。執念で連敗を3で止めたナインに金本知憲監督(50)も「選手に感謝」とニッコリ。28日からは甲子園に戻って、大反攻や!!  シビれる場面で迷いなく初球を振った。打球はグングン伸びて右翼フェンスへ一直線。一挙6点で大逆転のトリを務めたのは伊藤隼だ。夏休み終盤の東京ドームに詰めかけた虎党もヤンヤの喝采。夏の長期ロード最終戦を劇的勝利に導いた。  「終盤で5点差ありましたが、誰も諦めていませんでした。1点差は分かっていて(三塁に到達して)『アッ、逆転しているな』と...。ベンチの盛り上がりに(自分が)戸惑いました」  ヒーローインタビューに呼ばれた背番号51の言葉に、ファンがわいた。  三回に逆転したが、その裏に岡本の2ランなどで再逆転される。リリーフ陣が打ち込まれ、3-8と一方的になった八回だった。梅野の2ランで3点差も二死走者なし。だが、崖っぷちから驚異の粘りをみせる。安打と2四球で満塁。ここで俊介の2点打が飛び出し、1点差。なお二死一、二塁で伊藤隼だ。巨人も左の池田にスイッチしたが、高めの初球132キロのカットボールをかっ飛ばし、値千金の2点三塁打。イッキ6点で試合をひっくり返した。  これで『七回終了時にリードを許していれば50連敗』という嫌なデータにも終止符。金本監督も「選手に感謝というか、ホントによくやってくれました。(伊藤隼は)左投手でしたけど、初球の甘いところで。なかなか2アウトから一打逆転というところで打てないもんですけど、やってくれました」と興奮気味だ。  昨季も左の代打として存在感を示したが、心は常に土俵際だ。今年3月のオープン戦でヘッドスライディングをして、肋骨を骨折した。せきはもちろん、息をしても、食事をしても痛みが走る。それでも1軍にしがみつくために人知れず耐え、日にち薬で治した。  もう仲間はずれはごめんだから耐えられた。昨年のクライマックスシリーズ・ファーストステージ。DeNAに敗れて敗退が決まった10月17日の第3戦で、ベンチ入りメンバーから外れた。甲子園を包む歓声を耳にしながら、球場のウエート室にこもった。大一番に必要とされない悔しさに身を焦がし、肉体をいじめ抜いた。  「僕の立場は、チームに必要とされたときに仕事ができるかなんです」  連敗を3で止め、3位巨人とのゲーム差も2とした。同一カード3連敗も阻止。28日から約1カ月ぶりに甲子園に戻り、2・5差の2位ヤクルトと激突する。  「ただの1勝かもしれないけど、本当に勢いのつく勝ち方だった。甲子園に帰るので、またいい戦いをしたい」  残り36試合。勝負どころでコールされれば、頼もしい男はいつでも勝利へ導く一打を放つ。 (新里公章)

◆巨人にとっては、あまりに痛い敗戦だ。勝てば勝率5割に復帰し、勢いに乗った状態で28日からの広島戦に臨めるはずだった。七回までは理想的な展開だったが、八回の沢村の投球が台無しにしてしまった。  打たれるのは仕方ないとしても、二死一塁から北條、福留に与えた四球がいただけない。ボールは走っていたのだから、もっと向かっていく姿勢を見せてほしかった。  マシソン、カミネロを欠く救援陣は本当に苦しい状況だが、再編できるだけの余裕もないだろう。残り25試合、現有戦力が奮起するしかない。  救いは、坂本勇の復帰で打線が機能し始めたことだ。彼がスタメンに加わったことでチームに落ち着きが生まれたように感じる。左脇腹に不安はないようで、打撃ではフルスイングができていたし、走塁でも躊躇(ちゅうちょ)することなく左半身を下にしてスライディングしていた。  岡本は外角低めを見事に右中間席に運び、復帰したゲレーロは苦手の高めの直球を左中間席にたたき込んだ。役者がそろって打線は破壊力を増した。ブルペンに不安を抱える中、打ち勝つ野球が求められる。 (サンケイスポーツ専属評論家)

◆シーズンが終わって、ひょっとしたらポイントになる1勝かもしれないが、逆の意味でポイントの試合になりかけた。  指摘したいのは四回裏の継投。梅野の本塁打で1点差に迫った直後だ。3連敗は絶対に避けなければいけない試合。ならば、数字上はビハインドでも勝ちパターンの投手を投入すべきだ。岡本、望月はともに3連投。案の定、ともに失点してしまい、一時は敗色濃厚になってしまった。  その後、点差が開いて劣勢の中、桑原、能見を投入。勝ちパターンの投手を投げさせるのなら、なぜもっと接戦の場面で投入しなかったのか。もし負けていれば、四回裏が「今季を左右したイニング」になっていた。シーズンを左右する大事な試合は、勝ちパターンの投手も早い段階から準備させて、惜しみなく継投すべきだ。(サンケイスポーツ専属評論家)

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
広島
654420.596
(↓0.006)
M22
(-)
32571
(+1)
502
(+11)
147
(+1)
67
(+1)
0.267
(↓0.001)
4.14
(↓0.06)
2
(↑1)
ヤクルト
545510.495
(↑0.004)
11
(↑1)
33521
(+7)
537
(+3)
106
(+2)
61
(+1)
0.27
(↓0.001)
4.46
(↑0.01)
3
(↓1)
巨人
575920.491
(↓0.005)
11.5
(-)
25522
(+8)
475
(+9)
120
(+3)
53
(+1)
0.261
(↑0.001)
3.85
(↓0.04)
4
(-)
阪神
505610.472
(↑0.005)
13.5
(↑1)
36421
(+9)
474
(+8)
66
(+2)
51
(-)
0.25
(↑0.001)
4.04
(↓0.04)
5
(↑1)
中日
526310.452
(↑0.005)
16
(↑1)
27482
(+11)
517
(+1)
77
(+4)
51
(-)
0.264
(↑0.001)
4.3
(↑0.03)
6
(↓1)
DeNA
496120.445
(↓0.005)
16.5
(-)
31446
(+3)
522
(+7)
138
(+1)
62
(-)
0.252
(-)
4.34
(-)