広島(☆9対8★)ヤクルト =リーグ戦18回戦・マツダスタジアム=
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ヤクルト
24010 0100 8140
広島
00002 120 9141
勝利投手:今村 猛(3勝2敗1S)
敗戦投手:石山 泰稚(3勝2敗21S)
  DAZN
◆広島が劇的なサヨナラ勝ち。広島は3点ビハインドの9回裏、1死一二塁から丸が3ランを放ち同点とする。さらに、続く鈴木にもソロが飛び出し、試合を決めた。投げては、4番手・今村が今季3勝目。敗れたヤクルトは、打線が14安打で8得点を挙げるも、4番手・石山が誤算だった。

◆ヤクルト山田哲人内野手が、自身5本目の満塁本塁打を放った。 2-0の2回1死満塁、フルカウントから広島岡田の内角150キロを左翼席へ運んだ。トリプルスリーの達成条件の1つでもある「30本塁打」にリーチを懸ける29号満塁アーチに「内角の難しい球でしたが、うまく回転で打つことができました」と、納得の表情で振り返った。

◆広島先発岡田明丈投手(24)が5回8安打2四球7失点で降板した。 立ち上がりからつかまった。1回先頭から2者連続安打を許すと、山田を歩かせて満塁。続くバレンティンに中堅に犠飛を打ち上げられ、あっさり先制点を与えた。 再び1死満塁となり、西浦を迎えた場面ではボークで失点。2回も立ち直れずに山田に左翼席へグラウンドスラムをたたき込まれた。 4回にも1点を失い、5回裏の打席で代打を送られた。7月1日DeNA戦での6勝目から遠ざかっている白星をまた手にすることはできなかった。

◆広島曽根海成内野手(23)が5回に代打出場し、右中間を破る適時三塁打を放った。 7点ビハインドの5回。投手岡田の代打で広島移籍後3度目の打席に立った。ヤクルト原の内寄りの143キロをたたくと、打球は右中間を真っ二つ。快足を飛ばした曽根は二塁を一気に蹴ったところで少し足がもつれるも、三塁を陥れた。「来た球を無我夢中で打ちに行きました。プロ初ヒットが出て、とにかくうれしいです」。ソフトバンク時代から計6打席目に生まれたプロ初安打は、スピード感あふれる、持ち味が詰まったメモリアルヒットだった。 この日のチーム1点目をもたらし、さらに野間の内野ゴロで2点目のホームを踏み、プロ初得点も記録した。

◆数々の試合を経験してきた中で一番の思い出になる試合かな。打った誠也もすごいし、その前の丸がまさか3ラン...同点に追い付くような一打が出るとは。でも、雰囲気があった。球場全体でファンの方が後押ししてくれた中でね。本当に底力というか、チームの力が着実についているんじゃないかなと思います。 -チームを引っ張る2人の活躍 緒方監督 全員、全員で頑張っている。(2人が)もちろん中心選手だけど。みんな全員が最後まで諦めずに、素晴らしい試合でした!

◆ヤクルトが土壇場でまさかの逆転サヨナラ負けを喫した。 3点リードの9回、シナリオ通りに守護神石山を投入。1死後に野間に内野安打を許すと、バティスタにも中前打。1死一、二塁で3番丸にバックスクリーン左への同点3ランを浴び、続く鈴木に左翼へサヨナラアーチを描かれた。 勝てば勝率5割復帰で、マツダスタジアムでは3シーズンぶりのカード勝ち越しだった。広島ファンの大歓声が響き渡る中、三塁側ベンチ裏に姿を見せた小川淳司監督は「するべきことを攻撃ではできたけど、終盤に相手に流れがいっている中で、9回1死三塁で点を取れなかったのが響いてくる。タラレバじゃないが、これも野球。広島の力が(上だった)というところじゃないか」と、厳しい表情を崩さなかった。

◆ヤクルト山田哲人内野手が、自身5本目の満塁本塁打を放った。 2-0の2回1死満塁、フルカウントから広島岡田の内角150キロを左翼席へ運んだ。「打った瞬間、いったと思った。そこまで状態はいいとは思わないけど、ああやって内角をさばけて結果が出ているので、それなりのスイングができていると思う」と納得の表情。犠飛を含め2安打5打点には「今日は自分の思った以上の結果がでたので良かったです」とうなずきつつも、逆転サヨナラ負けに「残念でしたね。勝ちたかった、今日は」と唇をかみしめた。 トリプルスリーの達成条件の1つでもある「30本塁打」にリーチはかけた。「チームのためにも、自分のためにも、早く打ちたい気持ちはあるけど、大振りにならないように。コンパクトに打っても軌道が良ければ本塁打になると思う。間違えないようにしたい」と引き締めた。

◆ヤクルトの守護神石山泰稚投手が、まさかの4失点で逆転サヨナラ負けを喫した。3点リードの9回に登板。1死一、二塁で丸に148キロ直球をバックスクリーン左へ運ばれて同点。続く鈴木にはスライダーを左翼席へ持っていかれた。 今季2敗目を喫した石山は「投げミスです。投げてはいけないところに投げた。丸にはもう少し慎重に低く投げたいところを投げきれなかった。鈴木はスライダーを簡単にあそこまで運ばれているので失投。何とか修正したい」と、責任を背負い込んで引き揚げた。

◆広島が9回に3番丸佳浩外野手の28号3ラン、4番鈴木誠也の24号が飛び出して逆転サヨナラ勝ち。 広島が2者連続本塁打でサヨナラ勝ちするのは球団史上初めてだ。鈴木のサヨナラ本塁打は16年6月17、18日オリックス戦、17年6月14日オリックス戦に次いで3年連続4本目。 広島でサヨナラ本塁打4本は山本浩5本に次ぎ藤井、石原に並ぶ2位タイとなり、3年連続は88~90年山崎隆、92~94年前田に並ぶ球団タイ記録だ。 また、この試合は5回表終了時の0-7から逆転。広島の7点差以上の逆転勝ちは04年6月27日横浜戦(2-10→12-10)以来、14年ぶり。

◆ヤクルト山田哲が自身5本目のグランドスラムで「30本塁打」にリーチをかけた。2回1死満塁、広島岡田の内角低め150キロを引っ張った。打球は右翼方向への強風をものともせず、逆風の中、ライナーで左翼席へ。「打った瞬間、いったと思った。うまく回転で打てた」と自画自賛した。 試合前から1発を"予告"していた。台風の影響で球場上空は強い風が吹き荒れ、打撃練習の飛球は失速。飛球は避けてゴロ安打を狙うのが得策に思えた。 山田哲の思考は違った。「風は気にしません。かち上げますよ」と断言。「風が強いからゴロを打とうとか僕は考えない。いつも通りに打つ。天候とかで打席での考え方を変えると形が崩れてしまいますから」。取り組んできた右足に体重を乗せて軸回転で振り抜くスタイルを貫いたからこそ、生まれた1発だった。 2安打5打点も、チームは逆転サヨナラ負け。3シーズンぶりのマツダスタジアムでのカード勝ち越しも、勝率5割復帰も幻となった。「残念でしたね。勝ちたかった、今日は」。それでもトリプルスリー達成条件の1つの30本塁打に"王手"をかけた事実は揺るがない。「チームのためにも、自分のためにも、早く打ちたい気持ちはあるけど、大振りにならないように。コンパクトに打っても軌道が良ければ本塁打になる」。流されることなく、3度目の偉業達成に突き進む。【浜本卓也】

◆首位を独走する広島が、土壇場の2発で緒方孝市監督(49)も大興奮の逆転サヨナラ勝ちを決めた。3点を追う9回、1死一、二塁から3番丸佳浩外野手(29)が起死回生の同点28号3ランを放ち、最後は4番鈴木誠也外野手(24)が左翼席へ試合を決める24号ソロを放り込んだ。一時は7点をリードされたが、驚異的な粘りで2位ヤクルトを撃破。マジックは「24」となった。 「神ってる」試合の再現だ。9回、2者連続アーチによるサヨナラ勝ち。緒方監督も珍しく興奮気味に振り返った。「数々の試合を経験してきた中で、一番の思い出になる試合。打った誠也もすごいし、その前の丸がまさか3ランが、同点に追い付くような一打が出るとは。球場全体でファンの方が後押ししてくれた」。4回まで0-7の劣勢をコツコツと返し、最後に大技を決めた。 決めたのは4番鈴木だった。1死から丸の同点3ランの興奮が残る中で、真ん中スライダーを強振。打球はグングン伸びて、左翼席に飛び込んだ。自身4度目のサヨナラ弾に「シーズンで1本打てるか打てないか。やっぱり興奮する。こういう試合で打てて良かった」と気持ちを高ぶらせた。「奇跡です」と繰り返し、「丸さんがああいう場面で同点にしてくれた。もう1回、一から塁に出ようと思っていた。最高の結果になって、サイコーです!」と最後は叫んだ。 挫折を経て、さらに成長した姿を本拠地のファンに届けた。昨年8月23日に横浜で右足首骨折。残りシーズンを棒に振った。あれから1年。本人は「意識してません」と言うが、周囲は努力を知っている。迎打撃コーチは「今日も(バットを持つ)両手を少し離した打撃を練習で試していた」。創意工夫を重ねて、たくましさを増している。 並んでお立ち台に上がった丸は「自分でもびっくりした。最後の最後でワンチャンスをものにできた」と喜びを口にした。「この日のために誠也に食事をごちそうしてきた」と笑わせ、4番をたたえた。マジックは2つ減って「24」に。「本当に底力というか、チームの力が着実についているんじゃないかな」と緒方監督。一気にマジックを減らしそうな劇勝だった。【大池和幸】

◆広島の岡田は5回8安打7失点で降板した。「走者を出しても最少失点に抑えることを心掛けたい。我慢して投げていければ」との思いは実らず、山田哲に満塁本塁打を浴びるなど、一、二回で6点を失って先発の役割を果たせなかった。  7月1日のDeNA戦を最後に勝ち星から遠ざかっている。この日も失点には四球が絡み、ボークで得点を許すなど自滅。「相手に先に点をやらないことを意識してやっていけば、チームにも自分にも勝ちが付くと思う」との意気込みとは逆の結果となってしまった。

◆広島は7点差を追いつく大逆転勝利で優勝へのマジックナンバーを24とした。3点を追う九回に丸佳浩外野手(29)が同点の28号3ラン、鈴木誠也外野手(24)が24号ソロを放ち、サヨナラ勝ちした。  終盤に勝利への執念を見せた広島が劇的勝利をつかんだ。四回まで7点をリードされる展開にも諦めなかった。五回に2点をかえすと、六回にも1点、七回にも2点をかえし、3点差とした。九回に一死一、二塁とすると、丸がヤクルトの守護神・石山からバックスクリーン左へ同点の28号3ラン。さらに続く鈴木が左翼席へ24号ソロを放ちサヨナラ勝ちした。  劇的サヨナラ勝ちを決めた鈴木は、「丸さんが同点にしてくれた。またいちから塁に出ようという気持ちで打席に立ったが、本塁打になった。最高です」と興奮冷めやらぬ様子。「台風が来ている中、たくさんの方が来てくれた。どういう展開になるかわからなかったが、諦めず声援を送ってくれた。(マジックの)数が多いのでまだ考えていないが、一つ一つ戦って勝っていくだけです」とファンの大歓声を浴びた。

◆ヤクルトは8-5の九回に登板した4番手の石山が4失点し、痛恨の逆転サヨナラ負けで勝率5割復帰が目前でふいに。小川監督は「コメントのしようがない。これも野球だから」とぼうぜんとした様子だった。  石山は九回1死一、二塁で丸に速球を捉えられて中越えの同点3ランを許した。続く鈴木にはスライダーを左翼席に運ばれた。2者連続の一発で2敗目を喫した抑えの右腕投手は「ミス。丸のところは慎重に低く投げたいところを投げ切れていない。何とか修正したい」と悔しさをにじませた。 原(七回途中5失点) 「調子は悪くなかった。早い回に野手が点を取ってくれたので七回まではしっかり投げたかった」 青木(3安打もサヨナラ負けに) 「(最後に打たれたのが)石山だから仕方ない。今までずっと抑えてくれていたし、うちで一番いい投手なので」

◆7月にソフトバンクからトレードで加入した広島の曽根がプロ初安打を放った。五回無死一塁の場面に代打で登場し、2球目の直球を捉えて右中間を破る三塁打。プロ初打点も挙げ「やっと1本打てた。やっぱりうれしい」と頬を緩めた。  京都国際高から育成選手として入団し、昨年支配下選手登録を勝ち取った。広島移籍後の出場3試合目に課題の打撃で好結果を得た。曽根の一打に乗せられるように反撃が始まり、チームは劇的な逆転サヨナラ勝ち。「めったにないようなサヨナラで、すごいチームだなと思った」と実感を込めた。 田中(六回に左前適時打) 「何とか走者をかえすことができてよかった。逆方向に素直に打つことができた」

◆山田哲が二回一死から29号の満塁本塁打を放った。満塁弾は通算5本目で、球団では武上四郎、杉浦享に並ぶ歴代4位(球団記録は池山隆寛の10本)となった。ただ、チームが敗れただけに「残念」と言葉少な。トリプルスリー(打率3割、30本塁打、30盗塁)に向けて節目の30号に王手をかけたが「コンパクトに振っても軌道さえ良ければ本塁打になる。間違えないようにしたい」と冷静だった。

◆わずか数分で暗転した。九回に登板した石山が3点差を守れず、サヨナラ負け。守護神は「投げミスです。丸には、もっと慎重にいくべきだった。誠也(鈴木)にはスライダーを簡単にあそこまで運ばれてしまった」と責任を背負った。  九回一死一、二塁で丸に直球を中越えに運ばれて同点。続く鈴木には4球続けたスライダーを左越えに運ばれ、今季49試合目で2敗目(3勝21セーブ)を喫した。  「コメントのしようがない。これも野球」と受け止めたのは小川監督だ。攻撃では九回一死三塁から谷内が二飛、井野がセーフティーバントを試みて投ゴロに倒れ、無得点に終わったのが結果的に響いた。「たられば、なので。広島の方が(上回った)ということ」と指揮官。マツダでは2015年8月以来、勝ち越せていない現実がのしかかる。(長崎右) 3安打もサヨナラ負けにヤクルト・青木 「石山だから仕方がない。今までずっと抑えてくれている。うちで一番良い投手」

◆今季最大のビハインド、7点差からの大逆転劇を締めくくったのは24歳の4番だ。広島・鈴木が代名詞のフルスイングで今季自身初のサヨナラ弾。打った瞬間、飛び跳ねてダイヤモンドを一周した。  「最高の結果になりました。最高です!! 奇跡です!!」  丸の3ランで8-8に追いついた直後の九回一死で打席へ。守護神・石山の4球目の甘く入った変化球を力強く振り抜き、左翼席前列に運んだ。24号ソロで今季チーム6度目のサヨナラ勝利を呼び込んだ。  サヨナラ弾は"神ってる"でブレークした2016年6月のオリックス3連戦(マツダ)での2本、そして昨年6月14日のオリックス戦(同)以来3年連続4本目。抜群の勝負強さをみせる4番打者は「興奮するし、うれしい」と笑顔をみせた。  この日は、台風20号が接近する中で試合を強行したものの、先発・岡田が一回に2失点、二回に山田の満塁弾、四回に再び山田の犠飛で7点のビハインドを背負った。夏限定の「℃℃℃(ドドドォー!!!)ユニホーム」デーの最終日、最後まで球場に残って応援するファンの期待に応える逆転劇を、緒方監督も「一番の思い出になる試合」と興奮気味に振り返った。  鈴木にとって特別な日だった。ちょうど1年前の昨年8月23日のDeNA戦(横浜)で守備の際に右足首を骨折してシーズン後半を棒に振った。あのとき沸き起こった両軍のファンの声援、そしてリハビリ中に毎日のように届いた応援メッセージを胸に刻み、完全復活を目指してきた。  「台風が来る中で応援してくださってありがとうございます。4番なので打ってかえすのが仕事です」  劇的な逆転サヨナラ勝利で、3連覇へのマジックも「24」に減らした。"神ってる"から2年。けがを乗り越えた鈴木は、赤ヘルの4番として大きく成長している。(柏村翔)
5-8の九回一死一、二塁で石山の低めの直球をとらえ、中越えに28号同点3ランを放った広島・丸 「本当にビックリしました。打ったコースは覚えてしないです」

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
広島
644220.604
(↑0.004)
M24
(-)
35561
(+9)
484
(+8)
141
(+2)
65
(+2)
0.267
(↑0.001)
4.11
(↓0.04)
2
(-)
ヤクルト
525410.491
(↓0.004)
12
(↓1)
36502
(+8)
521
(+9)
102
(+1)
58
(-)
0.27
(↑0.001)
4.45
(↓0.05)
3
(-)
巨人
555820.487
(↓0.004)
12.5
(↓1)
28506
(-)
466
(+6)
116
(-)
52
(-)
0.259
(↓0.001)
3.87
(↓0.02)
4
(-)
阪神
495410.476
(↓0.004)
13.5
(↓1)
39412
(+3)
458
(+4)
64
(-)
51
(-)
0.251
(-)
4
(↑0.01)
5
(↑1)
DeNA
485920.449
(↑0.008)
16.5
(↑0.5)
34430
(-30)
503
(-1)
134
(+63)
60
(+9)
0.25
(↓0.013)
4.31
(↑0.03)
6
(↓1)
中日
506210.446
(↑0.003)
17
(↓0.5)
30464
(+40)
507
(+4)
71
(-59)
51
(-9)
0.263
(↑0.013)
4.32
(↑0.03)